JP2009234105A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録装置において、被記録材が記録ヘッドに接触してヘッド擦れが生ずる虞を低減させる。
【解決手段】 記録ヘッド62は、インク噴射ノズル群623の直近に、インク噴射ノズル群623を取り囲むように、N個の気体噴射孔624が設けられている。インクジェットプリンタ50は、4本の気体チューブ641〜644、4個の開閉弁651〜654及び気体を加圧送出する気体圧縮用ポンプ66を備えている。上流側気体噴射孔群62U、下流側気体噴射孔群62D、右側気体噴射孔群62R及び左側気体噴射孔群62Lは、気体チューブ641〜644を通じて、個々に個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ641〜644は、開閉弁651〜654で個々に開閉することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被記録材の記録面にドットを形成する記録ヘッドと、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域において被記録材を支持する支持部材と、を備えた記録装置に関する。
インクジェットプリンタ等の記録装置において、用紙等の被記録材は、記録ヘッドからインクが噴射されると、被記録材にインクが吸収されて膨張し、反りが生ずることがある。また、用紙等の被記録材は、その被記録材の構造や保管環境等に起因して記録実行前に反りが生ずることもある。例えば、写真用紙等の多層構造の被記録材においては、表面と裏面とで温度や水分の吸脱湿による収縮率が異なることに起因して、その保管環境によっては、被記録材の全面にわたって反りが生ずることがある。
このようにして被記録材に生ずる反りは、その被記録材への記録実行中において、いわゆるヘッド擦れ等の要因となる。ここで、ヘッド擦れとは、前記の記録ヘッドに、本来接触すべきでない記録実行中の被記録材が接触してしまうことをいう。このようなヘッド擦れが生ずると、被記録材の記録面に傷が付いたり余分なインク等が付着したりして記録画質が低下してしまうことになるとともに、接触時の衝撃で記録ヘッドが損傷等してしまう虞が生ずる。
このようなヘッド擦れを防止するための従来技術の一例としては、例えば、記録ヘッドと記録実行後の被記録材を排出する排出手段との間に空気流を吹き付けるインクジェット記録装置が公知である。この従来技術によれば、記録ヘッドと排出手段との間における空気流で記録実行後の被記録材を下方に押圧することによって、インク噴射によって生ずる被記録材のカールに起因した被記録材の浮き上がりを抑制することができる(例えば、特許文献1を参照)。
また、空気流を吹き付ける手段を備えた記録装置の他の従来技術としては、記録ヘッドの下流側において記録実行後の被記録材を排出ローラに押圧する空気噴出手段を備えた画像記録装置が公知である。この従来技術は、従動回転する拍車を用いることなく、空気の噴射によって記録実行後の被記録材を排出ローラに押圧することができるので、拍車により記録実行後の記録面にインク転写跡が付いてしまうことを防止することができる、というものである(例えば、特許文献2を参照)。
特開2006−334943号公報 特開平8−217287号公報
しかしながら、上記の従来技術は、いずれも記録面に記録が実行されて記録ヘッドを通過した後の被記録材を気体噴射で押圧するものである。そのため、上記の従来技術は、いずれも記録面に記録を実行する前の被記録材に生じた反りに起因してヘッド擦れが生ずる虞があった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、記録装置において、被記録材が記録ヘッドに接触してヘッド擦れが生ずる虞を低減させることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材の記録面にドットを形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドによりドットを形成可能な領域において被記録材を支持する支持部材と、前記記録ヘッドに配設され、前記支持部材に支持されている被記録材の記録面に気体を噴射可能な気体噴射孔と、前記気体噴射孔から気体を噴射する気体噴射装置と、を備えた記録装置である。
気体噴射孔は、記録ヘッドに配設されているので、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域の直近において、気体噴射孔から噴射する気体で被記録材を支持部材に押圧することができる。すなわち、本発明の第1の態様に記載の記録装置は、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域の直近において、被記録材の浮き上がりを抑制することができる。それによって、反った状態の被記録材が浮き上がって記録ヘッドに接触してしまうことを抑制することができる。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、被記録材が記録ヘッドに接触してヘッド擦れが生ずる虞を低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の記録装置において、前記記録ヘッドは、被記録材の記録面にドットを形成する複数のドット形成要素からなるドット形成要素群を有し、前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群の外側に配設されている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、気体噴射孔は、ドット形成要素群の外側に配設されているので、気体噴射孔からの気体噴射によってドット形成要素によるドット形成精度が低下してしまう虞を低減させることができる。
本発明の第3の態様は、前述した第2の態様に記載の記録装置において、前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置と、前記支持部材に支持された被記録材の記録面に対して前記記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向へ往復動させるヘッド搬送装置とを備え、前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群に対して前記往復動方向の両外側に配設されている、ことを特徴とした記録装置である。
このようなヘッド搬送装置を備えた記録装置においては、その記録ヘッドの往復動作の際にヘッド擦れが生ずる虞がある。また、往復動する記録ヘッドに被記録材の端部が衝突すると、記録ヘッドの損傷等が生ずる虞もある。本発明の第3の態様に記載の記録装置は、気体噴射孔は、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域の直近に配設することができるとともに、ドット形成要素群に対して記録ヘッドが往復動する方向の両外側に配設されている。それによって、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域に対して、記録ヘッドが往復動する方向の両外側直近で、被記録材の反りに起因した被記録材の浮き上がりを抑制することができる。
したがって、本発明の第3の態様に記載の記録装置は、記録ヘッドの往復動作の際に、記録ヘッドが反った状態の被記録材に到達する手前から、反りによって支持部材から浮き上がった状態の被記録材を支持部材に押圧することができる。また、記録ヘッドが反った状態の被記録材を通過するまで、反りによって支持部材から浮き上がろうとする被記録材を支持部材に押圧し続けることができる。
これにより、本発明の第3の態様に記載の記録装置によれば、支持部材に支持された被記録材の記録面に対して記録ヘッドを搬送方向と交差する方向へ往復動させるヘッド搬送装置を備えた記録装置において、被記録材が記録ヘッドに接触してヘッド擦れが生ずる虞をより低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第4の態様は、前述した第2の態様に記載の記録装置において、前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置を備え、前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群に対して前記搬送方向の上流側及び下流側に配設されている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、気体噴射孔は、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域の直近に配設することができるとともに、ドット形成要素群に対して搬送方向の上流側及び下流側に配設されている。それによって、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域に対して、搬送方向の上流側直近及び下流側直近で、被記録材の反りに起因した被記録材の浮き上がりを抑制することができる。
したがって、本発明の第4の態様に記載の記録装置は、反った状態の被記録材の先端が記録ヘッドに到達する手前から、反りによって支持部材から浮き上がった状態の被記録材の先端近傍を支持部材に押圧することができる。また、反った状態の被記録材の後端が記録ヘッドを通過するまで、反りによって支持部材から浮き上がろうとする被記録材の後端近傍を支持部材に押圧し続けることができる。
これにより、本発明の第4の態様に記載の記録装置によれば、反った状態の被記録材が浮き上がって記録ヘッドに接触してしまうことをより効果的に抑制することができるので、被記録材が記録ヘッドに接触してヘッド擦れが生ずる虞をより低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、前記気体噴射孔又は前記気体噴射孔群の気体噴射のON/OFF制御を実行する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、気体噴射孔ごと又は二以上の気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であることによって、よりきめ細かな気体噴射制御が可能になるという作用効果が得られる。例えば、各気体噴射孔から被記録材に気体を噴射して被記録材を支持部材に押圧しつつ、被記録材の大きさや搬送位置等に応じて、被記録材の外側には気体が噴射されないようにすることができる。それによって、気体噴射孔から噴射した気体が被記録材の外側から裏面に入り込んで被記録材が支持部材から浮き上がってしまうことを未然に防止することができる。
また、被記録材の大きさや搬送位置等に応じて、気体噴射を行う必要のない気体噴射孔からは気体噴射を行わないようにすることができるので、気体噴射装置の負荷を低減させることができるとともに、気体噴射装置のポンプ等を小型化することが可能になる。さらに、不要な気体噴射を行わないようにすることができるので、被記録材の記録面に記録を実行することに対する影響を最小限に止めることができる。
本発明の第6の態様は、前述した第3の態様に記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、前記記録ヘッドを往復動させながら記録面にドットを形成している間、前記ドット形成要素群より前記記録ヘッドが移動する方向の上流側にある前記気体噴射孔からは気体を噴射しないように前記気体噴射装置を制御する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
記録ヘッドを往復動させながらドット形成要素で記録面にドットを形成する際には、記録ヘッドの移動方向の上流側において、ドット形成要素でドットを形成する空間に気体噴射が干渉する虞が生ずる。例えば、ドット形成要素としてのインク噴射ノズルからインクを噴射してドットを形成する記録装置においては、インク噴射ノズルから噴射したインクの一部は、被記録材に着弾する前に、記録ヘッドの移動方向の上流側にある気体噴射孔からの気体噴射による気流の影響を受けて、被記録材に対するインクの着弾位置が本来の位置からずれてしまう虞が生ずる。
本発明の第6の態様に記載の記録装置は、記録ヘッドを往復動させながらドット形成要素で記録面にドットを形成している間、ドット形成要素群より記録ヘッドの移動方向の上流側にある気体噴射孔からは気体を噴射しないので、記録ヘッドの移動方向の上流側においてドット形成要素でドットを形成する空間に気体噴射が干渉して被記録材の記録面に対するドット形成位置が本来の位置からずれてしまうことを未然に防止することができる。
本発明の第7の態様は、前述した第4の態様に記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、被記録材の前記搬送方向の先端近傍への記録実行中は、前記搬送方向の下流側に配設されている前記気体噴射孔から気体を噴射し、被記録材の前記搬送方向の後端近傍への記録実行中は、前記搬送方向の上流側に配設されている前記気体噴射孔から気体を噴射するように前記気体噴射装置を制御する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
被記録材の搬送方向の先端近傍への記録実行中は、ドット形成要素群より搬送方向の下流側に配設された気体噴射孔で搬送方向の先端の浮き上がりを抑制するのが効果的であり、搬送方向の上流側に配設された気体噴射孔から気体を噴射する必要性はほとんどない場合が多い。他方、被記録材の搬送方向の後端近傍への記録実行中は、ドット形成要素群より搬送方向の上流側に配設された気体噴射孔で搬送方向の後端の浮き上がりを抑制するのが効果的であり、搬送方向の下流側に配設された気体噴射孔から気体を噴射する必要性はほとんどない場合が多い。
本発明の第7の態様に記載の記録装置は、搬送方向の下流側に配設されている気体噴射孔からは、被記録材の搬送方向の先端近傍への記録実行中に気体が噴射され、搬送方向の上流側に配設されている気体噴射孔からは、被記録材の搬送方向の後端近傍への記録実行中に気体が噴射される。つまり、搬送方向の下流側に配設されている気体噴射孔と上流側に配設されている気体噴射孔から同時に気体が噴射されることはない。それによって、気体噴射装置の負荷を低減させることができるとともに、気体噴射装置を小型化することが可能になる。さらに、記録ヘッドによる記録面へのドット形成に対する気体噴射の影響を最小限に止めることができる。
本発明の第8の態様は、被記録材の記録面にドットを形成する記録ヘッドと、前記記録ヘッドによりドットを形成可能な領域において被記録材を支持する支持部材と、前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置と、前記支持部材に支持された被記録材に対して前記記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向へ往復動可能に支持するキャリッジと、前記キャリッジを往復動させるキャリッジ駆動装置と、前記キャリッジに配設され、前記支持部材に支持されている被記録材の記録面に気体を噴射可能な気体噴射孔と、前記気体噴射孔から気体を噴射する気体噴射装置と、を備えた記録装置である。
このように、気体噴射孔は、記録ヘッドを往復動可能に支持するキャリッジに配設されているので、記録ヘッドによりドットを形成可能な領域の直近に配置することができる。したがって、本発明の第8の態様に記載の記録装置によれば、前述した第1の態様に記載の記録装置と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明は以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
<インクジェットプリンタの構成>
まず、「記録装置」の一例としてのインクジェットプリンタの基本的な構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタの要部平面図であり、図2はその側面図である。図3は、インクジェットプリンタの概略のブロック図である。
インクジェットプリンタ50は、「被記録材」としての記録紙Pにインクを噴射して記録面にドットを形成する記録ヘッド62を備えている。記録ヘッド62は、主走査方向Xに移動可能にキャリッジガイド軸56に軸支されたキャリッジ61に搭載されている。キャリッジ61には、記録ヘッド62の他、後述するPWセンサ34や図示していないインクカートリッジ等が搭載されている。キャリッジ61は、図示していないベルト伝達機構によって、CRモータ63(図3)の回転駆動力が伝達されて主走査方向Xに往復動する(ヘッド搬送装置、キャリッジ駆動装置)。
記録ヘッド62のヘッド面と対向する位置には、記録を実行する記録紙Pを裏面側から支持して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定する「支持部材」としてのプラテン53が設けられている。キャリッジ61の主走査方向Xへの往復動領域の一端側の外側には、公知のキャッピング装置57が設けられている。記録を実行しない待機状態においては、キャリッジ61がキャッピング装置57の上まで移動して停止し、キャッピング装置57に配設されているキャップCPによって記録ヘッド62のヘッド面が封止される。このキャリッジ61の停止位置は、ホームポジションHPとして規定される。
また、インクジェットプリンタ50は、記録ヘッド62を記録紙Pに対して副走査方向Yへ走査させる手段として、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とを備えている。搬送駆動ローラ51は、外周面に高摩擦抵抗を有する皮膜が施されており、PFモータ58(図3)の回転駆動力で回転する。複数の搬送従動ローラ52は、個々に従動回転可能に軸支されているとともに、図示していないばね等の付勢手段により個々に搬送駆動ローラ51に付勢されている。記録紙Pは、搬送従動ローラ52で搬送駆動ローラ51の外周面に押しつけられ、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持された状態で搬送駆動ローラ51が回転することによって、副走査方向Yへ搬送される。
搬送駆動ローラ51の副走査方向Yの上流側には、多数の記録紙Pを積重可能な給送トレイ71が配設されている。給送トレイ71には、記録紙Pの積重位置を規制するための記録紙ガイド71aが記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に設けられている。また、給送トレイ71の近傍には、給送ローラ72が配設されている。給送ローラ72は、PFモータ58(図3)の回転駆動力で回転する。給送トレイ71に積重された記録紙Pは、図示していないホッパ等の押圧手段で給送ローラ72の外周面に押圧され、給送ローラ72が回転することによって、搬送駆動ローラ51へ向けて1枚ずつ給送される。このとき、公知の分離パッド等の分離手段によって、最上位にある記録紙Pから他の記録紙Pが分離されて重送が防止される。給送ローラ72と搬送駆動ローラ51との間には、給送された記録紙Pの先端位置及び後端位置を検出可能な公知の紙検出器33が配設されている。
さらに、インクジェットプリンタ50は、記録実行後の記録紙Pを排出する手段として、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とを備えている。排出駆動ローラ54は、PFモータ58(図3)の回転駆動力で回転する。複数の排出従動ローラ55は、個々に従動回転可能に軸支されているとともに、図示していないばね等の付勢手段により個々に排出駆動ローラ54に付勢されている。排出従動ローラ55は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖った歯付きローラになっている。記録紙Pは、排出従動ローラ55で排出駆動ローラ54の外周面に押しつけられ、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持された状態で排出駆動ローラ54が回転することによって、副走査方向Yに搬送されて排出される。
このような構成のインクジェットプリンタ50において、給送ローラ72、搬送駆動ローラ51及び排出駆動ローラ54を回転させるPFモータ58(図3)並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動するCRモータ63(図3)は、後述する記録制御部100により制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録制御部100により制御される。記録制御部100は、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射する動作と、記録紙Pを副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返しながら記録紙Pへの記録を行う制御を実行する。
記録制御部100は、ROM101、RAM102、ASIC(特定用途向け集積回路)103、CPU(中央処理装置)104、不揮発性メモリ105、PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びヘッドドライバ108を備えている。ROM101、RAM102、ASIC103、CPU104及び不揮発性メモリ105は、記録制御部100のシステムバスに接続されている。PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びヘッドドライバ108は、ASIC103に接続されている。
ROM101は、CPU104によるインクジェットプリンタ50の制御に必要な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納される。RAM102は、CPU104の作業領域や記録データ等の格納領域として用いられる。CPU104は、インクジェットプリンタ50の記録制御を実行する為の演算処理やその他必要な演算処理を行う。不揮発性メモリ105は、記録制御プログラムの処理に必要な各種データ等が記憶されている。
ASIC103は、DCモータであるPFモータ58及びCRモータ63の速度制御並びに記録ヘッド62のノズル駆動制御を行うための制御回路を有している。ASIC103は、PFモータ58及びCRモータ63の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づくモータ制御信号をPFモータドライバ106及びCRモータドライバ107へ送出する。また、ASIC103は、記録ヘッド62の制御信号を演算生成してヘッドドライバ108へ送出し、記録ヘッド62のインク噴射を制御する。さらに、ASIC103は、パーソナルコンピュータ301とのインタフェース機能も有している。
さらに、インクジェットプリンタ50は、搬送駆動ローラ51の回転量を検出するロータリエンコーダ31、キャリッジ61の移動量を検出するリニアエンコーダ32、搬送される記録紙Pの先端及び後端を検出する紙検出器33、主走査方向Xの記録紙Pの端部を検出するためのPWセンサ34及びインクジェットプリンタ50の電源をON/OFFするための電源スイッチ35を備えている。
公知のロータリエンコーダ31は、搬送駆動ローラ51の回転に連動して回転するロータリスケール311と、ロータリスケール311の外周に沿って等間隔に形成されているスリットを検出するロータリスケールセンサ312とを有している(図2)。ロータリスケールセンサ312の出力信号は、搬送駆動ローラ51の回転に伴い変化し、ASIC103を介してCPU104へ出力される。
公知のリニアエンコーダ32は、キャリッジ61の近傍に主走査方向Xと略平行に配置されたリニアスケール321と、リニアスケール321に等間隔に形成されているスリットを検出するキャリッジ61に搭載されたリニアスケールセンサ322とを有している(図2)。リニアスケールセンサ322の出力信号は、キャリッジ61の主走査方向Xの移動量に応じてパルスの周期が移動速度に伴い変化し、ASIC103を介してCPU104へ出力される。
公知の紙検出器33は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙Pの搬送方向(副走査方向Y)にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有している。紙検出器33は、このレバーの先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって、給送ローラ72より給送された記録紙Pの先端位置及び搬送中の記録紙Pの後端位置を検出する。PWセンサ34は、非接触の光学式センサであり、記録紙Pの主走査方向Xの端部位置(記録紙Pの側端位置)を検出する。紙検出器33及びPWセンサ34の検出信号は、ASIC103を介してCPU104へ出力される。
<第1実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第1実施例について、図4〜図11を参照しながら説明する。
まず、「気体噴射装置」の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。
図4〜図6は、インクジェットプリンタ50の要部斜視図である。図4は、気体圧縮用ポンプ66の近傍を図示したものであり、図5は、キャリッジ61の近傍を拡大図示したものであり、図6は、キャリッジ61を底部側から拡大図示したものである。
キャリッジ61の底部には、記録ヘッド62が搭載されている(図6)。この記録ヘッド62のヘッドユニット621のヘッド面622には、記録紙Pにインクを噴射してドットを形成する「ドット形成要素」としてのインク噴射ノズルを複数有する「ドット形成要素群」としてのインク噴射ノズル群623が配設されている。そして、記録ヘッド62は、図示の如くインク噴射ノズル群623の外側の直近に、インク噴射ノズル群623を取り囲むように、N個の気体噴射孔624が設けられている。
この気体噴射孔624は、インク噴射ノズル群623の各インク噴射ノズルによるインク噴射に影響が生じない範囲で、可能な限りインク噴射ノズル群623に近い位置に設けるのが好ましい。また、気体噴射孔624は、インク噴射ノズル群623の各インク噴射ノズルによるインク噴射に影響が生じないように、インク噴射ノズル群623の外側へ向けて斜め外方へ気体が噴射されるように設けるのが好ましい。
ここで、インク噴射ノズル群623より副走査方向Yの上流側に設けられた複数の気体噴射孔624を上流側気体噴射孔群62Uとし、インク噴射ノズル群623より副走査方向Yの下流側に設けられた複数の気体噴射孔624を下流側気体噴射孔群62Dとする。また、インク噴射ノズル群623より主走査方向Xの一方側(右側)に設けられた複数の気体噴射孔624を右側気体噴射孔群62Rとし、インク噴射ノズル群623より主走査方向Xの他方側(左側)に設けられた複数の気体噴射孔624を左側気体噴射孔群62Lとする。
インクジェットプリンタ50は、気体噴射孔624からプラテン53に支持されている記録紙Pの記録面に気体を噴射する「気体噴射装置」として、4本の気体チューブ641〜644を有する気体チューブユニット64、4個の開閉弁651〜654を有する開閉弁ユニット65及び気体を加圧送出する気体圧縮用ポンプ66を備えている(図4、図5)。
気体チューブ641〜644は、記録ヘッド62へインクを供給するインクチューブICに沿って配設されており、連結部67で記録ヘッド62に連結されている。上流側気体噴射孔群62Uの各気体噴射孔624には、気体チューブ641を通じて、個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ641は、開閉弁651で開閉することができる。下流側気体噴射孔群62Dの各気体噴射孔624には、気体チューブ642を通じて、個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ642は、開閉弁652で開閉することができる。
右側気体噴射孔群62Rの各気体噴射孔624には、気体チューブ643を通じて、個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ643は、開閉弁653で開閉することができる。左側気体噴射孔群62Lの各気体噴射孔624には、気体チューブ644を通じて、個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ644は、開閉弁654で開閉することができる。
開閉弁651〜654は、例えば、気体流路を開閉可能に鉄球を気体チューブ641〜644のそれぞれに内蔵させ、その近傍にコイル等からなる電磁石を配設し、その電磁石を個々にON/OFFさせて気体チューブ641〜644内の鉄球を個々に変位させることで実現することができる。この開閉弁651〜654は、記録制御部100により個々に開閉制御される。すなわち、上流側気体噴射孔群62U、下流側気体噴射孔群62D、右側気体噴射孔群62R及び左側気体噴射孔群62Lは、気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能である。
気体圧縮用ポンプ66は、蛇腹ポンプ661と、蛇腹ポンプ661を駆動するためのポンプ用モータ662とを備えている。気体圧縮用ポンプ66は、記録制御部100により制御される。尚、気体噴射孔624から気体を噴射するための手段は、蛇腹ポンプ661で気体を加圧送出する気体圧縮用ポンプ66に特に限定されるものではない。例えば、気体を圧縮充填したボンベ等をインクジェットプリンタ50に設けても良く、気体噴射孔624からの気体噴射を実現できる手段であれば、どのようなものであっても本発明に適用可能である。
このように、複数の気体噴射孔624は、記録ヘッド62に配設されているので、インク噴射ノズル群623の直近、つまり記録ヘッド62によりドットを形成可能な領域の直近において記録紙Pをプラテン53に押圧することができる。すなわち、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、記録ヘッド62によりドットを形成可能な領域の直近において、記録紙Pの浮き上がりを抑制することができる。それによって、反った状態の記録紙Pが浮き上がって記録ヘッド62に接触してしまうことを抑制することができる。
尚、気体噴射孔624は、キャリッジ61に配設しても良い。そのような態様においても記録ヘッド62のインク噴射ノズル群623の直近に気体噴射孔624を配置することができ、記録ヘッド62に配設した場合と同様の作用効果が得られる。
つづいて、記録制御部100による気体噴射制御について、図7〜図10を参照しながら説明する。尚、ここでは、記録実行前の記録紙Pが凹面状に反っている場合を例に説明する。
図7は、記録制御部100による気体噴射制御のフローチャートである。図8は、記録紙Pへの記録実行中の状態を模式的に図示した要部側面図である。尚、図8において、符号を付していない黒矢印は、記録ヘッド62のインク噴射ノズル群623からのインク噴射を示すものであり、白抜き矢印は、気体噴射孔624からの気体噴射を示すものであり、図9以降の図面においても同様とする。
図9及び図10は、記録紙Pへの記録実行中の状態を模式的に図示した要部正面図である。図9は、記録ヘッド62を搭載したキャリッジ61を主走査方向Xの往路方向(左方向)XLへ移動させながら記録紙Pの記録面にインクを噴射している状態を図示したものであり、図10は、記録ヘッド62を搭載したキャリッジ61を主走査方向Xの復路方向(右方向)XRへ移動させながら記録紙Pの記録面にインクを噴射している状態を図示したものである。
記録制御部100は、まず記録紙Pを給送し、給送された記録紙Pの副走査方向Yの先端(以下、単に「記録紙Pの先端」と言う。)が所定の記録開始位置に到達するまで記録紙Pを搬送し、キャリッジ61を主走査方向Xへ往復動させながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射する動作と、記録紙Pを副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返しながら記録紙Pへの記録を行う制御を開始する。記録紙Pは、「被記録材搬送装置」としての搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とからなるローラ対及び排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とからなるローラ対によって、プラテン53に支持された状態で副走査方向Yへ搬送される。このとき、記録紙Pは、記録紙Pの記録面が記録ヘッド62のヘッド面622と対面するように、「支持部材」としてのプラテン53に設けられた複数のプラテンリブ531の頂面で裏面側から支持される。
このとき、記録制御部100は、まず記録紙Pの先端近傍の記録(以下、「上端処理」という。)を実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。上端処理を実行中である場合には(ステップS1でYes)、開閉弁652を開制御して下流側気体噴射孔群62Dからの気体噴射を行う(ステップS2、図8(a))。
つづいて、記録制御部100は、キャリッジ61の往復動方向が往路方向XLか否かを判定する(ステップS3)。キャリッジ61の往復動方向が往路方向XLである場合には(ステップS3でYes)、開閉弁654を開制御して左側気体噴射孔群62Lからの気体噴射を行う(ステップS4、図9)。
より具体的には、記録制御部100は、記録ヘッド62のヘッド面622が記録紙Pの主走査方向Xの外側にある位置からキャリッジ61の往路方向XLへの移動を開始する。このとき、記録制御部100は、左側気体噴射孔群62Lが記録紙Pの向かって右側の側端(以下、単に「記録紙Pの右側端」と言う。)に到達した時点で、左側気体噴射孔群62Lからの気体噴射を開始する。それによって、上方へ反り返った状態の記録紙Pの右側端近傍は、ヘッド面622が到達する手前から、左側気体噴射孔群62Lからの気体噴射によって、プラテン53のプラテンリブ531に押圧される(図9(a))。
記録制御部100は、キャリッジ61を往路方向XLへ移動させながら、所定の記録開始位置から記録紙Pの記録面へのインク噴射制御を開始する(図9(b))。そして、記録制御部100は、左側気体噴射孔群62Lが記録紙Pの向かって左側の側端(以下、単に「記録紙Pの左側端」と言う。)を通過するまでは、左側気体噴射孔群62Lからの気体噴射を継続する(図9(c))。
このとき、往路方向XLの上流側に位置する右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射は行わないのが好ましい。これは、キャリッジ61を往路方向XLへ移動させながら記録ヘッド62からインクを噴射すると、その噴射したインクの一部は、記録紙Pの記録面に到達する前に右側気体噴射孔群62Rの気体噴射範囲に入ってしまう虞があるからである。つまり、キャリッジ61を往路方向XLへ移動させながら記録ヘッド62からインクを噴射しているときに、往路方向XLの上流側に位置する右側気体噴射孔群62Rからも気体噴射を行うと、記録ヘッド62から噴射したインクの一部が記録紙Pの記録面に到達する前に右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射の影響を受けて、記録紙Pの記録面への着弾位置が本来の位置からずれてしまう虞が生ずるからである。
したがって、キャリッジ61を往路方向XLへ移動させながら記録ヘッド62からインクを噴射するときには、往路方向XLの上流側に位置する右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射は行わないことによって、往路方向XLの上流側において、インク噴射の一部と気体噴射とが干渉して記録紙Pに対するインクの着弾位置が本来の位置からずれてしまうことを未然に防止することができる。
他方、キャリッジ61の往復動方向が往路方向XLでない場合には(ステップS3でNo)、つまりキャリッジ61の往復動方向が復路方向XRである場合には、開閉弁653を開制御して右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射を行う(ステップS5、図10)。
より具体的には、記録制御部100は、記録ヘッド62のヘッド面622が記録紙Pの主走査方向Xの外側にある位置からキャリッジ61の復路方向XRへの移動を開始する。このとき、記録制御部100は、右側気体噴射孔群62Rが記録紙Pの左側端に到達した時点で、右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射を開始する。それによって、上方へ反り返った状態の記録紙Pの左側端近傍は、ヘッド面622が到達する手前から、右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射によって、プラテン53のプラテンリブ531に押圧される(図10(a))。
記録制御部100は、キャリッジ61を復路方向XRへ移動させながら、所定の記録開始位置から記録紙Pの記録面へのインク噴射制御を開始する(図10(b))。そして、記録制御部100は、右側気体噴射孔群62Rが記録紙Pの右側端を通過するまでは、右側気体噴射孔群62Rからの気体噴射を継続する(図10(c))。このとき、復路方向XRの上流側に位置する左側気体噴射孔群62Lからの気体噴射は行わないのが好ましいのは、前述した往路方向XLへの移動時(図9)の場合と同様である。
上記の上端処理が終了した時点で(ステップS1でNo)、記録制御部100は、記録紙Pの副走査方向Yの後端(以下、単に「記録紙Pの後端」と言う。)近傍の記録(以下、「下端処理」という。)を実行中であるか否かを判定する(ステップS6)。下端処理を実行中でない場合には(ステップS6でNo)、つづいて、通常記録領域(上端処理又は下端処理により記録が実行される記録領域以外の記録領域)への記録実行中か否かを判定する(ステップS8)。通常記録領域への記録実行中である間は(ステップS8でYes、図8(b))、前記のステップS3〜S5の手順が繰り返されて、記録紙Pの記録が実行されていく(図9、図10)。
通常記録領域への記録が実行された後、下端処理が実行される場合には(ステップS6でYes)、開閉弁651を開制御して上流側気体噴射孔群62Uからの気体噴射を行う(ステップS7、図8(c))。このとき、記録紙Pの後端が上流側気体噴射孔群62Uを通過した時点で、上流側気体噴射孔群62Uからの気体噴射を停止して、記録紙Pの外側に気体が噴射されないようにするのが好ましい。そして、記録制御部100は、上端処理時と同様に、ステップS3〜S5を繰り返し実行して、記録紙Pの下端処理を実行する。下端処理が終了して記録紙Pへの記録が終了した時点で(ステップS8でNo)、当該手順を終了する。
以上説明したように、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、上方へ反り返った状態の記録紙Pがプラテンリブ531から浮き上がって記録ヘッド62に接触してしまうことを防止することができる。また、記録実行前の記録紙Pが凸面状に反っていた場合においても同様の作用効果が得られることは説明するまでもない。これにより、本発明に係るインクジェットプリンタ50によれば、記録紙Pが記録ヘッド62に接触してヘッド擦れが生ずる虞を低減させることができる。
また、下流側気体噴射孔群62Dからは、上端処理時(ステップS1でYes)のみ気体が噴射され(ステップS2)、上流側気体噴射孔群62Uからは、下端処理時(ステップS6でYes)のみ気体が噴射される(ステップS7)。つまり、上流側気体噴射孔群62Uと下流側気体噴射孔群62Dから同時に気体が噴射されることはない。さらに、左側気体噴射孔群62Lからは、往路方向XLへキャリッジ61が移動しながらインク噴射を実行する時(ステップS3でYes)のみ気体が噴射され(ステップS4)、右側気体噴射孔群62Rからは、復路方向XRへキャリッジ61が移動しながらインク噴射を実行する時(ステップS3でNo)のみ気体が噴射される(ステップS5)。つまり、左側気体噴射孔群62Lと右側気体噴射孔群62Rから同時に気体が噴射されることはない。
このように、実行中の記録制御の内容等に応じて、プラテン53から記録紙Pが浮き上がることを防止しつつ、不要な気体噴射は行わないようにするのが好ましい。それによって、気体圧縮用ポンプ66の負荷を低減させることができるとともに、気体圧縮用ポンプ66を小型化することが可能になる。さらに、記録紙Pへのインク噴射に対する気体噴射の影響を最小限に止めることができる。
<第2実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第2実施例について、図11を参照しながら説明する。
図11は、キャリッジ61を模式的に図示したものであり、底面側から観た平面図である。
第2実施例のインクジェットプリンタ50は、N個の気体噴射孔624に対して、N本の気体チューブ641〜64N、N個の開閉弁651〜65N及び気体を加圧送出する気体圧縮用ポンプ66を備えている。N個の気体噴射孔624は、気体チューブ641〜64Nを通じて個々に気体圧縮用ポンプ66から圧縮された気体が供給される。気体チューブ641〜64Nは、開閉弁651〜65Nで個々に開閉することができる。開閉弁651〜65Nは、記録制御部100により個々に開閉制御される。すなわち、N個の気体噴射孔624は、気体噴射孔624ごとに気体噴射のON/OFFが可能である。尚、これ以外の構成は、第1実施例のインクジェットプリンタ50と同様であるため、共通する部分の説明は省略する。
このように、第2実施例のインクジェットプリンタ50は、気体噴射孔624ごとに気体噴射のON/OFFが可能であることによって、よりきめ細かな気体噴射制御が可能になる。例えば、各気体噴射孔624から記録紙Pに気体を噴射して記録紙Pをプラテン53のプラテンリブ531に押圧しつつ、記録紙Pの大きさや搬送位置等に応じて、記録紙Pの外側には気体が噴射されないようにすることができる。それによって、気体噴射孔624から噴射した気体が記録紙Pの外側から裏面に入り込んで記録紙Pがプラテン53から浮き上がってしまうことを未然に防止することができる。
<第3実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第3実施例について、図12〜図14を参照しながら説明する。
図12は、第3実施例におけるインクジェットプリンタ50の記録ヘッド62を模式的に図示したものであり、底面側から観た平面図である。図13は、第3実施例におけるインクジェットプリンタ50の要部を図示した正面図である。尚、第3実施例においては、符号Xで示した方向(前記の主走査方向Xと同じ方向)を「幅方向X」とし、符号Yで示した方向(前記の副走査方向Yと同じ方向)を「搬送方向Y」として説明する。
第3実施例のインクジェットプリンタ50は、記録紙Pの最大幅(幅方向Xの最大長)にわたってインク噴射ノズルが配設された記録ヘッド62を備えており、記録ヘッド62を移動させる手段は備えていない。つまり、第3実施例のインクジェットプリンタ50は、記録紙Pの最大幅にわたってインクを噴射可能な記録ヘッド62が固定的に配設されている、公知のラインヘッド型インクジェットプリンタである。このようなインクジェットプリンタ50においては、プラテン53のプラテンリブ531で支持される記録紙Pを搬送方向Yに搬送しながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射することによって、記録紙Pの記録面への記録が実行される。尚、それ以外の基本的な構成は、第1実施例のインクジェットプリンタ50と同様であるため説明は省略する。
ヘッドユニット621のヘッド面622には、複数のインク噴射ノズルが記録紙Pの最大幅にわたって配置されたインク噴射ノズル群623が配設されている。そして、記録ヘッド62は、図示の如くインク噴射ノズル群623の直近にN個の気体噴射孔624が設けられている。ここでは、インク噴射ノズル群623より副走査方向Yの上流側に設けられた複数の気体噴射孔624を上流側気体噴射孔群62Uとし、インク噴射ノズル群623より副走査方向Yの下流側に設けられた複数の気体噴射孔624を下流側気体噴射孔群62Dとする。
N個の気体噴射孔624は、第2実施例と同様に、記録制御部100により気体噴射孔624ごとに個々に気体噴射をON/OFFできるようにするのが好ましい。或いは、当該実施例においては、大きさの異なる複数の記録紙Pの各横幅(幅方向Xの長さ)等に合わせて、上流側気体噴射孔群62U及び下流側気体噴射孔群62Dをさらに複数の気体噴射孔群に分割し、分割した気体噴射孔群ごとに気体噴射をON/OFFできるようにしても良い。さらに、記録実行時に記録紙Pの幅方向Xの外側に気体が噴射されないように、記録を実行する記録紙Pの幅方向Xの長さに応じて、上流側気体噴射孔群62U及び下流側気体噴射孔群62Dからの気体噴射範囲を調整するのが好ましい。
図14は、記録紙Pへの記録実行中の状態を模式的に図示した要部側面図である。
記録制御部100は、記録紙Pを給送し、記録紙Pの先端が所定の記録開始位置に到達するまで記録紙Pを搬送し、記録紙Pを搬送方向Yへ搬送しながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射する動作により記録紙Pへの記録を行う制御を開始する。そして、記録制御部100は、上端処理中である間は、下流側気体噴射孔群62Dからの気体噴射を行う(図14(a))。それによって、上方へ反り返った状態の記録紙Pの先端近傍は、下流側気体噴射孔群62Dからの気体噴射によって、プラテン53のプラテンリブ531に押圧された状態が維持される。尚、記録紙Pの先端が下流側気体噴射孔群62Dに到達した時点から、下流側気体噴射孔群62Dの気体噴射制御を開始するようにしても良い。
また、記録制御部100は、通常記録領域への記録実行中である間は、上流側気体噴射孔群62U及び下流側気体噴射孔群62Dからの気体噴射は実行しない(図14(b))。そして、記録制御部100は、通常記録領域への記録が実行された後、下端処理が実行される間は、上流側気体噴射孔群62Uからの気体噴射を行う(図14(c))。このとき、記録紙Pの後端が上流側気体噴射孔群62Uを通過した時点で、上流側気体噴射孔群62Uからの気体噴射を停止して、記録紙Pの外側に気体が噴射されないようにするのが好ましい。
このように、ラインヘッド型のインクジェットプリンタ50においても本発明の実施は可能であり、反った状態の記録紙Pがプラテンリブ531から浮き上がって記録ヘッド62に接触してしまうことを抑制することができる。また、記録実行前の記録紙Pが凹面状に反っている場合を例に説明したが、第1実施例と同様に、記録実行前の記録紙Pが凸面状に反っていた場合においても同様の作用効果が得られることは説明するまでもない。
インクジェットプリンタの概略の平面図。 インクジェットプリンタの概略の側面図。 インクジェットプリンタの概略のブロック図。 気体圧縮用ポンプの近傍を図示した要部斜視図(第1実施例)。 キャリッジの近傍を拡大図示した要部斜視図(第1実施例)。 キャリッジを底部側から拡大図示した要部斜視図(第1実施例)。 記録制御部による気体噴射制御のフローチャート(第1実施例)。 記録実行中の状態を模式的に図示した要部側面図(第1実施例)。 記録紙への記録実行中の状態を図示した要部正面図(第1実施例)。 記録紙への記録実行中の状態を図示した要部正面図(第1実施例)。 キャリッジを底面側から模式的に図示した平面図(第2実施例)。 記録ヘッドを底面側から模式的に図示した平面図(第3実施例)。 インクジェットプリンタの要部を図示した正面図(第3実施例)。 記録実行中の状態を模式的に図示した要部側面図(第3実施例)。
符号の説明
50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 キャリッジガイド軸、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 CRモータ、66 気体圧縮用ポンプ、100 記録制御部、621 ヘッドユニット、622 ヘッド面、623 インク噴射ノズル群、624 気体噴射孔、62U 上流側気体噴射孔群、62D 下流側気体噴射孔群、62L 左側気体噴射孔群、62R 右側気体噴射孔群、641〜64N 気体チューブ、651〜65N 開閉弁、X 主走査方向(幅方向)、Y 副走査方向(搬送方向)

Claims (8)

  1. 被記録材の記録面にドットを形成する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドによりドットを形成可能な領域において被記録材を支持する支持部材と、
    前記記録ヘッドに配設され、前記支持部材に支持されている被記録材の記録面に気体を噴射可能な気体噴射孔と、
    前記気体噴射孔から気体を噴射する気体噴射装置と、を備えた記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記記録ヘッドは、被記録材の記録面にドットを形成する複数のドット形成要素からなるドット形成要素群を有し、
    前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群の外側に配設されている、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置と、前記支持部材に支持された被記録材の記録面に対して前記記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向へ往復動させるヘッド搬送装置とを備え、
    前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群に対して前記往復動方向の両外側に配設されている、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項2に記載の記録装置において、前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置を備え、前記気体噴射孔は、前記ドット形成要素群に対して前記搬送方向の上流側及び下流側に配設されている、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、
    前記気体噴射孔又は前記気体噴射孔群の気体噴射のON/OFF制御を実行する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置。
  6. 請求項3に記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、
    前記記録ヘッドを往復動させながら記録面にドットを形成している間、前記ドット形成要素群より前記記録ヘッドが移動する方向の上流側にある前記気体噴射孔からは気体を噴射しないように前記気体噴射装置を制御する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置。
  7. 請求項4に記載の記録装置において、前記気体噴射装置は、前記気体噴射孔ごと又は二以上の前記気体噴射孔からなる気体噴射孔群ごとに気体噴射のON/OFFが可能であり、
    被記録材の前記搬送方向の先端近傍への記録実行中は、前記搬送方向の下流側に配設されている前記気体噴射孔から気体を噴射し、被記録材の前記搬送方向の後端近傍への記録実行中は、前記搬送方向の上流側に配設されている前記気体噴射孔から気体を噴射するように前記気体噴射装置を制御する制御装置を備えている、ことを特徴とした記録装置。
  8. 被記録材の記録面にドットを形成する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドによりドットを形成可能な領域において被記録材を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持された被記録材を所定の搬送方向へ搬送する被記録材搬送装置と、
    前記支持部材に支持された被記録材に対して前記記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向へ往復動可能に支持するキャリッジと、
    前記キャリッジを往復動させるキャリッジ駆動装置と、
    前記キャリッジに配設され、前記支持部材に支持されている被記録材の記録面に気体を噴射可能な気体噴射孔と、
    前記気体噴射孔から気体を噴射する気体噴射装置と、を備えた記録装置。
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