JP2009233875A - 平版印刷原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に、光触媒含有層と、撥水性薄膜層と、を順次積層した平版印刷原版であって、前記光触媒含有層は、100cm2あたり0.5mg以上5.0mg以下の酸化チタンを含有する平版印刷原版である。これによれば、活性線を照射して、撥水性薄膜層を選択的に除去すると共に当該部分を親水化することにより、撥水性部分と親水性部分とが、十分なコントラストを有し、非画線部の印刷インキの付着する地汚れを抑えることができる。
【選択図】なし
Description
前記光触媒含有層は、100cm2あたり0.5mg以上5.0mg以下の酸化チタンを含有する平版印刷原版である。
本発明の平版印刷原版は、基材上に、光触媒含有層と、撥水性薄膜層と、を順次積層されてなるものであり、前記光触媒含有層は、100cm2あたり0.5mg以上5.0mg以下の酸化チタンを含有する。
本発明の平版印刷原版に用いることができる基材としては、特に限定されるものではなく、平版印刷版に必要とされる物理的・機械的強度を有する従来公知の材料を用いることができる。具体的には、アルミニウム板、ステンレス板、ニッケル板、及び銅板等の金属板;二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、及び酪酸酢酸セルロース等のセルロース誘導体;並びにポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びポリアセタール等のプラスティックフィルムを用いることができる。これらの中でも、特にアルミニウム板を用いることが好ましい。
本発明の平版印刷原版においては、基材上に光触媒含有層を形成する。光触媒含有層は、基材上に直接形成してもよいが、基材上にシリカ、シリコーン樹脂、及びシリコーンゴム等のシリコン系化合物等からなる中間層を塗布することにより、基材への光触媒含有層の密着性を向上させてもよい。
光触媒含有層は、酸化チタンを光触媒粒子として含有する。酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶形及びルチル型結晶形のいずれの酸化チタン粒子を用いてもよいが、光触媒能の高いアナターゼ型結晶形の酸化チタン粒子を用いることが好ましい。また、光触媒粒子は、触媒反応における反応物質との接触面積を増大させるという観点から、小径の粒子を用いることが好ましい。具体的な粒子径としては、平均一次粒子径が1nmから10nmである。また、複数の一次粒子によって構成される酸化チタン粒子の具体的な平均二次粒子径としては、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが更に好ましい。
光触媒含有層は、光触媒含有層の撥水性から親水性への変換特性を改良するため、或いは光触媒層と基材との密着性を向上させるためその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、具体的には、シリカ、シリカゾル、オルガノシラン、及びシリコン樹脂等のシリカ系化合物;酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウム等の金属酸化物;並びにフッ素樹脂を挙げることができる。
光触媒含有層を形成するに当たっては、光触媒含有層の構成材料を、水、及びイソプロピルアルコール等の有機溶剤等に分散させた光触媒含有層形成用組成物を用いることが好ましい。光触媒含有層形成用組成物の固形分濃度としては、特に限定されるものではないが、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%以上であることにより、十分な膜厚の光触媒含有層を形成することができる。固形分濃度が20質量%以下であることにより、光触媒含有層形成用組成物の塗布性が低下することがない。上記固形分濃度は0.5質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
光触媒含有層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。光触媒含有層の膜厚が0.1μm以上であることにより、光触媒含有層における触媒反応を進行させるための特性を高めることができ、10μm以下であることにより、クラック等を生じることがない。上記膜厚は、1μm以上5μm以下であることが更に好ましい。
本発明の平版印刷原版は、光触媒含有層の上層に形成された撥水性薄膜層を有する。撥水性薄膜層としては、疎水性を有する膜成分により構成される薄膜であれば特に限定されるものではなく、吸着膜、堆積膜、及び自己組織化単分子膜等、平版印刷版の使用態様に応じて適宜選択することができる。しかしながら、後述する平版印刷版の製造方法において、光触媒含有層と酸素分子との接触可能性を担保する点、撥水性部分における撥水性薄膜層の撥水性を向上させる点から、撥水性薄膜層として疎水性基を有する化合物により形成される自己組織化単分子膜を採用することが好ましい。
本発明の平版印刷版の製造方法は、本発明の平版印刷原版に活性線を選択的に照射するものである。
平版印刷版の製造法において製造される平版印刷原版は、基材上に光触媒含有層を形成する工程と、光触媒含有層の上層に撥水性薄膜層を形成する工程と、を経ることにより製造される。
平版印刷版の製造にあたっては、露光装置を用い、所定のパターンを有するネガマスクを介して、平版印刷原版に活性線を選択的に照射する。活性線を照射された部位においては、光触媒含有層が有する光触媒活性により、紫外線を照射された部位の上層に形成された撥水性薄膜層が選択的に除去される。また、紫外線が照射されることにより、光触媒含有層に含有される光触媒が疎水性から超親水性に変換される。一方、紫外線が照射されない部位においては、撥水性薄膜層が残存して当該部位が撥水性を示すため、紫外線が照射された部位を親水性部分とし、紫外線が照射されなかった部位を撥水性部分とする、高いコントラストを有する親水・撥水パターンが形成される。なお、ネガマスクの方法として、例えばインクジェット方式で遮光インクにより遮光パターンを形成する方法があげられ、CTP等のディジタル化に対応することができる。
本発明の平版印刷原版の再生方法は、平版印刷原版から平版印刷版を製造した後、平版印刷版上の親水・撥水パターンを消失させて、再度、平版印刷原版を製造するものである。これにより、一旦、平版印刷に使用した平版印刷版を利用して再度、新たな平版印刷版を製造することができる。
[光触媒含有層形成用組成物の調製]
アナターゼ型結晶形であり、平均一次粒子径が6nmである「TDK−701」(商品名、テイカ社製)の酸化チタンゾルをイソプロピルアルコールで2質量%に希釈して光触媒含有層形成用組成物を調製した。
ナイロンブラシを用いて表面研磨した厚さ0.3mmのアルミニウム板を、10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して表面をエッチングして水洗した。その後、アルミニウム板を陽極酸化し、酸化アルミニウムで表面が被覆されたアルミニウム板を得た。
このようにして得られたアルミニウム板に上記光触媒含有層形成用組成物を塗布し、100cm2あたり約1.2mgの酸化チタンを含有した、膜厚0.2μmの光触媒含有層を形成した。光触媒含有層を形成したアルミニウム基板を、イソプロピルアルコールで濃度0.5mmol/lに調整されたオクタデシルホスホン酸溶液中で5日間処理することにより膜厚0.002μmの撥水性薄膜を形成した。
インクジェット吐出機を用いて、平版印刷原版の表面にマスクパターンを形成し、乾燥処理した。これに、短波長のUV−Cを10mW/cm2で5分間照射して露光処理を行い、マスクが無い部分の撥水性薄膜層が選択的に分解除去された平版印刷版を得た。なお、インクジェット吐出機で用いたインキは紫外線を遮光する水溶性染料からなるもので、インクジェット吐出機用に特別に調製したものを用いた。
次いで、平版印刷版に付着したインクを、プレートクリーナー(商品名「TC−2」、東京インキ社製)を用いて除去し、UV−Cを10mW/cm2で1時間照射して撥水性薄膜層及びクリーナーで除去し切れなかったインキを光触媒酸化分解によって除去した。ここに、撥水性薄膜層を再度形成し、平版印刷版の製造の際に採用した方法と同様の方法を用いて、初回の露光と異なるパターンで紫外線を照射し、得られた平版印刷版を用いて再度印刷を行った。その結果、初回の印刷と同様に、地汚れが無く90LPI(Line Per Inch)の解像度の高い良好な画像を得ることができた。
実施例1と同じ「TDK−701」(商品名、テイカ社製)の酸化チタンゾルをイソプロピルアルコールで5質量%に希釈して光触媒含有層形成用組成物を調製した。実施例1と同様の方法で、100cm2あたり約2mgの酸化チタンを含有した、膜厚0.2μmの光触媒含有層を形成した。光触媒含有層を形成したアルミニウム基板を、イソプロピルアルコールで濃度0.5mmol/lに調整されたオクタデシルホスホン酸溶液中で5日間処理することにより膜厚0.002μmの撥水性薄膜を形成し、平版印刷原版を製造した。
実施例1と同じ「TDK−701」(商品名、テイカ社製)の酸化チタンゾルをイソプロピルアルコールで0.2質量%に希釈して光触媒含有層形成用組成物を調製した。実施例1と同様の方法で、100cm2あたり約0.4mgの酸化チタンを含有した、膜厚0.2μmの光触媒含有層を形成した。光触媒含有層を形成したアルミニウム基板を、イソプロピルアルコールで濃度0.5mmol/lに調整されたオクタデシルホスホン酸溶液中で5日間処理することにより膜厚0.002μmの撥水性薄膜を形成し、平版印刷原版を製造した。
実施例1と同じ「TDK−701」(商品名、テイカ社製)の酸化チタンゾルをイソプロピルアルコールで15質量%に希釈して光触媒含有層形成用組成物を調製した。実施例1と同様の方法で、100cm2あたり約6mgの酸化チタンを含有した、膜厚0.2μmの光触媒含有層を形成した。光触媒含有層を形成したアルミニウム基板を、イソプロピルアルコールで濃度0.5mmol/lに調整されたオクタデシルホスホン酸溶液中で5日間処理することにより膜厚0.002μmの撥水性薄膜を形成し、平版印刷原版を製造した。
Claims (4)
- 基材上に、光触媒含有層と、撥水性薄膜層と、を順次積層した平版印刷原版であって、
前記光触媒含有層は、100cm2あたり0.5mg以上5.0mg以下の酸化チタンを含有する平版印刷原版。 - 前記撥水性薄膜層が、疎水性基を有する化合物により形成される自己組織化単分子膜である請求項1に記載の平版印刷原版。
- 前記酸化チタンはアナターゼ型結晶形であり、平均一次粒子径が1nmから10nmである請求項1から3のいずれかに記載の平版印刷原版。
Priority Applications (1)
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JP2008079565A JP2009233875A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 平版印刷原版 |
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JP2008079565A JP2009233875A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | 平版印刷原版 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8718517B2 (en) | 2010-12-17 | 2014-05-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Toner cartridge and image forming apparatus using the toner cartridge |
JP2015191001A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 株式会社飯沼ゲージ製作所 | 紫外線遮光材および表示装置の基板の光学処理方法 |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008079565A patent/JP2009233875A/ja active Pending
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