JP2009232594A - 回転電機用ロータ及び回転電機及び回転電機用ロータの製造方法 - Google Patents

回転電機用ロータ及び回転電機及び回転電機用ロータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機用ロータ及び回転電機において、回転電機の性能を有効に確保できるようにし、かつ、回転電機用ロータの製造コストの低減を図ることである。
【解決手段】回転電機用ロータである、ロータ18は、軸方向に形成された複数の埋め込み用孔32を有するロータ導電体28と、各埋め込み用孔32に埋め込まれた磁性材製のロータコア30とを備える。ロータ導電体28の中心部に、回転軸を挿通するための軸挿通用孔36を形成する。円板状の銅、アルミニウム等の導電材製の導電体素材に、埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、ロータ導電体28を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電体と磁性材製のコアとを備える回転電機用ロータと、回転電機と、回転電機用ロータの製造方法とに関する。
従来から、誘導電動機、同期電動機等の回転電機において、ロータとステータとを軸方向に対向させるアキシャル型回転電機が考えられている。例えば、特許文献1に、2つのロータがステータを両側から挟むようにして設けられたアキシャルモータが記載されている。
特許文献1に記載されたアキシャルモータの場合、各ロータは、導電性金属により形成されたロータ本体と、ロータ本体に埋め込まれた複数の回転子磁心とを備えている。また、各ロータを製造する場合に、ロータ本体を鋳造等の金型成型により形成しておき、ロータ本体を成型用の型として用いて固定子磁心を形成して行われる。すなわち、ロータ本体の埋め込み部内に圧粉磁心材料を充填し、埋め込み部を成型用の型として用いて、その圧粉磁心材料をプレス機構で圧縮し、その後加熱処理することにより、埋め込み部内に埋め込まれた回転子磁心が形成される。ロータ本体は、回転軸に固定されている。
また、ステータは、略円板状のステータ本体と、ステータ本体の周方向複数個所に設けられた孔に挿入される複数の集中巻きコイルと、コイルの内側に配置される固定子磁心とを備え、ケーシング等の固定部に固定されている。ステータ本体は、中心部に回転軸を遊挿させ、ステータの両側にロータを対向させている。
また、特許文献2に、ロータとステータとを軸方向に対向させる誘導電動機において、ロータは、導電性材料の円板部に複数の孔を備え、孔に複数のティース部を嵌合させることが記載されている。
特開2005−237086号公報 特開2004−56860号公報
特許文献1に記載されたロータは、導電性金属により形成したロータ本体に回転子磁心を埋め込むことにより構成しているが、ロータ本体は、鋳造等の金型成型により形成するとされている。このため、ロータの製造コストの低減を図る面から改良の余地がある。例えば、ロータ本体を構成する導電性材料を高温下で溶融し、鋳造することによりロータ本体を造ることが考えられるが、このように鋳造によりロータ本体を造る場合に、例えば導電性材料を銅のように融点の高い金属材料とすると、その製造がかなり困難になるため、製造コストの低減を図る面から改良の余地がある。また、別の方法として、ロータを製造する場合に、プレス加工で成形した鉄心を型内に配置し、型内に溶融したアルミニウムを流し込む鋳造を行う等により、ロータを鋳造により造ることも考えられる。ただし、ロータを鋳造により造る場合には、鋳造機械の汎用性が低く、ロータの製造に要する時間もかかり、ロータの製造コストが高くなる原因となる。また、ロータを構成する導電性材料を銅等の融点の高い導電材とする場合、ロータ本体を棒材と環状部材または円板状部材とにより構成し、棒材と環状部材または円板状部材とを、それぞれの間に鉄心をはめ込んだ状態で、銀ロウで電気的に接続することも考えられている。ただし、このような製造方法により製造するロータでは、部品点数が多くなるとともに、加工や組み付けに要する工数が多くなり、製造作業に手間を要し、製造コストが高くなる原因となる。
また、特許文献2には、ロータを構成する導電性材料の円板部は開示されているが、この円板部を製造する際に、製造コストの低減を図るために孔の加工を工夫することは開示されていない。
また、ロータ本体を導電性材料の鋳造により造る場合には、複数のロータ本体を成形する際の複数のロータ本体同士での導電性材料の加圧の圧力ばらつきが生じる、すなわち、ロータ本体製造時の加圧時の圧力誤差が生じると、完成したロータ本体で充填率のばらつきが生じる可能性がある。このように充填率のばらつきが生じると、回転電機の性能ばらつきが生じ、回転電機の性能を有効に確保する面から改良の余地がある。
本発明の目的は、回転電機用ロータ及び回転電機及び回転電機用ロータの製造方法において、回転電機の性能を有効に確保できるようにし、かつ、回転電機用ロータの製造コストの低減を図ることである。
本発明に係る回転電機用ロータは、軸方向または径方向に形成された孔を有する導電体と、孔に埋め込まれた磁性材製のコアと、を備え、導電体は、導電材製の素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成していることを特徴とする回転電機用ロータである。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、導電体は、導電材製の薄板素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成する導電体素子を、複数枚積層することにより構成している。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、導電体は、複数枚の導電体素子を、それぞれの導電体素子に形成した孔の回転方向に関する位置が、隣り合う導電体素子同士でずれるように積層することにより構成している。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、コアは、磁性材製の薄板コア素子を複数枚積層することによりブロック状に構成している。
また、本発明に係る回転電機用ロータにおいて、好ましくは、コアは、圧粉磁心によりブロック状に成形している。
また、本発明に係る回転電機は、本発明に係る回転電機用ロータと、回転電機用ロータの軸方向両側または径方向両側に回転電機用ロータを介して対向させた2個のステータと、を備え、各ステータは、周方向複数個所に設けられたティースと、各ティースに巻回されたステータ巻線とを有し、各ステータ巻線は、複数のティースのうち、周方向に隣り合うティース同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線であることを特徴とする回転電機である。
また、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法は、本発明に係る回転電機用ロータの製造方法であって、導電材製の素材に、軸方向または径方向に孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、孔を有する導電体を造る工程と、導電体が有する孔に磁性材製のコアを埋め込む工程と、を備えることを特徴とする回転電機用ロータの製造方法である。
本発明に係る回転電機用ロータの製造方法等により得られる、本発明に係る回転電機用ロータ及び回転電機によれば、回転電機用ロータを構成する導電体を、導電材製の素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成しているため、孔を有する導電体を鋳造により製造する場合と異なり、製造コストを低減できるとともに、回転電機の性能を有効に確保できる。
また、導電体は、導電材製の薄板素材に、孔を形成するためのプレスの打ち抜き加工を施すことにより構成する導電体素子を、複数枚積層することにより構成している構成によれば、導電性を高くするために全体の厚さを大きくすることが必要になる場合でも、電流が複数の導電体素子に流れるため、電流が表皮効果により導電体の表面部分に過度に集中するのを防止して、回転電機用ロータにより構成する回転電機の性能が低下するのを有効に防止できる。すなわち、導電体の導電性を高くするために導電体の厚みを大きくすることが考えられるが、導電体の厚みを大きくすると、表皮効果により電流が表面に過度に集中しやすくなり、回転電機の性能を有効に確保する面からは改良の余地がある。これに対して、導電体は、導電材製の薄板素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成する導電体素子を、複数枚積層することにより構成する構成によれば、表皮効果による影響を抑制して、このような不都合を解消でき、回転電機の性能をより有効に確保できる。
また、導電体は、複数枚の導電体素子を、それぞれの導電体素子に形成した孔の回転方向に関する位置が、隣り合う導電体素子同士でずれるように積層することにより構成している構成によれば、導電体の孔周辺部を流れる誘導電流である、2次電流の電気的な短絡幅と呼ばれる、孔において、導電体素子の周方向に関する幅を調整することにより、2次電流に重畳する高調波を抑制できる。このため、磁束漏れや2次導体損失を低減でき、回転電機の効率向上を図れる。
また、コアは、磁性材製の薄板コア素子を複数枚積層することによりブロック状に構成している構成によれば、コアを流れる渦電流が表皮効果によりコアの表面部分に過度に集中するのを防止して、コア部分での渦電流の過度の集中を防止できるとともに、渦電流の発生を抑制できる。
また、コアは、圧粉磁心によりブロック状に成形している構成によれば、コア部分での渦電流の発生を抑制できる。
[第1の発明の実施の形態]
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。図1から図5は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1は、第1の実施形態の回転電機を示す略断面図である。図2は、一部を省略して示す図1のA−A断面図である。図3は、図1の片側ステータ及び他側ステータにおいて、同じ相のステータ巻線の電気角が互いにずれている様子を説明するためのステータの周方向一部の周方向を左右方向に伸ばして示す図である。図4は、ロータの製造時において、孔形成のためのプレス加工を施す工程を順に示す断面図である。図5は、図1の片側ステータ及び他側ステータにおいて、発生磁束の分布を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の回転電機10は、誘導電動機として使用可能とするもので、ケーシング12に固定された2個のステータである片側ステータ14及び他側ステータ16と、両ステータ14,16の間に所定の空隙を空けて各ステータ14,16と軸方向に対向配置され、各ステータ14,16に対し回転可能な1個のロータ18とを備える。すなわち、回転電機10は、1個のロータ18と、1個のロータ18の軸方向両側にロータ18を介して対向させた2個のステータ14,16とを備える。図1は、ステータ14,16とロータ18とが軸方向に対向するように配置された、アキシャル型の回転電機の例を示している。
各ステータ14,16は、複数の電磁鋼板を積層する等により構成するステータコア20と、複数相である、U相、V相、W相の3相のステータ巻線22とを備える。ステータ巻線22は、1次導体に対応する。各ステータコア20の互いに対向する軸方向片側面の周方向複数個所の等間隔位置に、軸方向に突出するようにティース24を設けている。例えば、各ステータコア20に複数のティース24を設けるために、ステータコア20の周方向複数個所に軸方向の孔部を形成するとともに、孔部に、鋼板等の磁性材製のティース構成部材を挿入し、ティース構成部材のステータコア20の片側面から突出した部分により、複数のティース24を構成することもできる。
そして、各ティース24にステータ巻線22を巻回している。各ステータ巻線22は、複数のティース24のうち、周方向に隣り合うティース24同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線としている。また、図1において、各ステータ巻線22の内側に示した○の中に・または×を示した記号は、ステータ巻線22を流れる電流の向きを表しており、○の中に・を示したものは、電流が図の表側に流れることを、○の中に×を示したものは電流が図の裏側に流れることを表している(後述する図3、図15で同様とする)。
また、図2に示すように、ロータ18は、回転軸26(図1)の軸方向中間部外径側に固定される円板状のロータ導電体28と、ロータ導電体28の周方向複数個所の等間隔位置に設けられた磁性材製のロータコア30とを有する。ロータ導電体28は、銅やアルミニウム等により構成する円板状の導電材製の導電体素材に、プレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、周方向複数個所に埋め込み用孔32を、ロータ導電体28の中心部に回転軸26及び後述する筒部34を挿通するための軸挿通用孔36を、それぞれ軸方向(図2の表裏方向)に貫通するように設けている。そして、ロータ導電体28に形成した複数の埋め込み用孔32に圧粉磁心、鉄等の磁性材製のブロック状のロータコア30を埋め込んでいる。したがって、ロータ導電体28の周方向複数個所に、ロータ導電体28の軸方向全長にわたってロータコア30が設けられ、ロータ18が構成される。ロータ導電体28は、2次導体に対応し、ロータ18の周方向複数個所にロータ巻線を設ける場合の、ロータ巻線と同様の機能を有する。ロータ導電体28は、ロータ18の軸方向全長にわたって設けている。なお、本実施の形態では、ロータ導電体28の加工方法を工夫しているが、これについては、後述する。
図1に戻り、このようなロータ18は、回転軸26の軸方向中間部外径側に円筒状の筒部34を介して固定している。そして、筒部34の外径側でロータ18の軸方向両側に部分円錐状の抑え部材38を固定し、抑え部材38によりロータ18を軸方向両側から狭持している。なお、抑え部材38の代わりに、ロータ18の軸方向両側で、筒部34とロータ18との間の周方向複数個所に板状等の補強部材を固定することにより、補強部材によりロータ18を軸方向両側から狭持することもできる。なお、回転軸26の外径側にロータ18を、筒部34を介さずに直接固定することもできる。また、回転軸26の軸方向に離れた2個所位置と、ケーシング12の2個所位置に設けた開口部との間に一対の軸受40を設けて、ケーシング12に回転軸26を回転可能に支持している。
また、図3に示すように、ロータ18(図1、図2)の軸方向両側に設ける片側ステータ14及び他側ステータ16は、両ステータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22が発生する磁束の向きを、軸方向である図3の上下方向に関して互いに逆方向、すなわち、図3に示すように対向する方向、または外側に向く方向としている。図3において、ティース24の内側に配置した矢印の向きは、ステータ14,16の周方向一部に設けたティース24から出る磁束の向きを表している。なお、実際には、片側ステータ14及び他側ステータ16の間にロータ18が配置されるが、図3では図示を省略している。また、図3では、ステータ14,16の周方向が図の左右方向となっている。図3に示すように、片側ステータ14及び他側ステータ16同士で同じ相のステータ巻線22は、周方向に互いに電気角で180度ずれて配置されている。なお、上記の図1で示した2個のステータ14,16において、ステータ巻線22の周方向に関する配置関係は、実際の関係を表すものではなく、実際には、図3に示すように2個のステータ14,16同士でステータ巻線22の周方向に関する位置がずれている。
また、本実施の形態では、図2に示すロータ18を構成するロータ導電体28の加工方法を工夫している。すなわち、ロータ導電体28を製造する場合、導電性材製の素材からプレス加工の打ち抜き等により、円板状の導電体素材42(図4(a))を形成する。次いで、図4(a)(b)に示すように、円板状の導電体素材42にプレス加工の打ち抜き加工を施す。この場合、図4(a)に示すように、プレス加工装置44を構成するダイ46の上に円板状の導電体素材42を設置し、導電体素材42の外形を維持するように導電体素材42の外周面をプレス加工装置44の一部により抑え付けた状態で、プレス加工装置44を構成する複数の打ち抜きパンチ48を上方から図4(a)の矢印P方向に下降させ、導電体素材42を打ち抜くことにより、図4(b)に示すように、埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を有するロータ導電体28を造る。このように、本実施の形態では、ロータ導電体28を製造するためのすべての加工作業を、プレス加工のみにより行う。
そして、図2に示すように、ロータ導電体28に形成した複数の埋め込み用孔32に圧粉磁心等の磁性材製のロータコア30を埋め込む。この場合、例えば、埋め込み用孔32に圧粉磁心材料を充填した後、ロータ導電体28を成型用の型として用いて、圧粉磁心材料をプレス加工装置(図示せず)で圧縮し、その後加熱処理することにより、ロータ導電体28にロータコア30が埋め込まれたロータ18を造る。すなわち、本実施の形態の回転電機用ロータである、ロータ18の製造方法は、導電材製の導電体素材42に、軸方向に埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を有するロータ導電体28を造る工程と、ロータ導電体28が有する埋め込み用孔32に磁性材製のロータコア30を埋め込む工程と、を備える。
このようにして造られたロータ18を含む回転電機10は、次のようにして回転駆動する。すなわち、図1に示すように、3相のステータ巻線22に3相の交流電流を流すことで各ステータ14,16により生成された回転磁界がロータ18に作用すると、ロータコア30の周囲であるロータ18の周方向複数個所のロータ導電体28に誘導電流が流れる。この誘導電流によりロータ18に電磁力が発生し、ロータ18は、各ステータ14,16の回転磁界と同じ方向に回転駆動する。
また、本実施の形態の回転電機10によれば、1個のロータ18の軸方向両側にロータ18を介して対向させた2個のステータ14,16を備え、各ステータ14,16は、周方向複数個所に設けられたティース24と、各ティース24に巻回されたステータ巻線22とを有し、各ステータ巻線22は、複数のティース24のうち、周方向に隣り合うティース24同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線であり、2個のステータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22が発生する磁束の向きは、軸方向に関して互いに逆方向としており、2個のステータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22は、周方向に互いに電気角で180度ずれて配置されている。このため、それぞれ集中巻巻線のステータ巻線22を有する2個のステータ14,16によりロータ18を挟み、2個のステータ14,16による空間高調波磁束をロータ18で互いに相殺させることができる。このため、ロータ18で発生する誘導電流である、2次電流において、高調波電流の発生を抑えることができ、さらに各ステータ巻線22の各ステータ14,16の周方向に関する幅が小さくならないため、ステータ14,16が発生する基本波磁束が低減しない。したがって、ステータ巻線22を集中巻巻線とした場合に、ステータ14,16が発生する基本波磁束を低減させることなく起磁力高調波を低減させることにより、ロータ18側の2次銅損等の2次導体損失を大幅に低減でき、これにより、回転電機10の性能を大きく向上させることができる。また、ロータ18を2個のステータ14,16で軸方向の両側から挟むため、ステータ14,16からロータ18に流れる磁束量を調整しやすくできる。
図5は、互いに対向する片側ステータ14(図1、図3)と他側ステータ16(図1、図3)とにおいて、発生磁束の分布を相対的に示す図である。なお、以下の本実施の形態の説明において、図1から図3に示した要素と同一の要素には、同一の符号を用いて説明する。図5において、実線αは、すべての次数の高調波と基本波とを合成して得られる発生磁束を表す矩形波である。また、一点鎖線βは、発生磁束の基本波磁束、すなわち1次の磁束であり、破線γは、発生磁束の一部の次数の高調波である、2次の高調波磁束である。図5に示すように、片側ステータ14と他側ステータ16とで、ステータ巻線22を集中巻巻線としている場合には、各ステータ14,16が生成する磁束の基本波に対して偶数倍の次数の空間高調波磁束が多く含まれ、特に2次の空間高調波磁束が多く含まれる。このような基本波以外の高調波磁束は、ロータ18に鎖交すると、不必要な誘導電流である渦電流を生じさせ、銅損等の2次導体損失を増大させる原因となる等、回転電機の性能を劣化させる原因となる。
図6は、従来から考えられている一般的な誘導電動機の電機子巻線である、ステータ巻線を集中巻巻線にした場合の、ステータから出てロータに鎖交する鎖交磁束と時間との関係を示す図である。また、図7は、図6の鎖交磁束に対応して、2次側導体である、ロータ側のロータ巻線に発生する誘導電流と時間との関係を示す図である。図6、図7から明らかなように、ロータ巻線には、集中巻線型のステータを使用する場合に特有の空間高調波磁束が鎖交する。すなわち、ステータに回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各相のステータ巻線の配置や、ステータの形状に起因して、基本波のみの正弦波分布とならず、高調波成分を含むものとなる。特に、ステータ側のティースにステータ巻線を集中巻きで巻装する場合には、ステータの起磁力分布に生じる高調波成分の振幅レベルが増大する。
このようなステータ巻線の配置やステータの形状に起因する、高調波成分を含む磁束は、空間高調波磁束と呼ばれる。空間高調波磁束が鎖交したロータ巻線には、図7に示すような高調波成分を含む誘導電流である高調波電流が発生する。高調波電流は、2次銅損等の2次導体損失を増加させ、電動機の性能を悪化させる原因となる。このため、従来から、ステータが発生する磁束から誘導電流を発生させる誘導電動機において、ロータに鎖交する高調波磁束を抑えることが望まれている。
これに対して、本実施の形態では、上記のように互いにロータ18を介して対向する2個のステータ14,16で同じ相のステータ巻線22の電気角を180度ずれて配置している。このため、図5に示すように、両ステータ14,16の発生磁束の基本波は電気角の位相が同じで、かつ、同じ大きさとなるが、基本波でない2次の高調波の磁束は、同じ電気角で大きさが同じであるが、向きが反対になる。このため、片側ステータ14と他側ステータ16とから出る磁束のうち、特に影響が大きい2次の高調波の磁束を、ロータ18で互いに相殺することができる。したがって、片側ステータ14と他側ステータ16とからロータ18に鎖交する磁束において、主に基本波磁束だけが残ることになり、ロータ18に高調波磁束に基づいて高調波電流が誘導されるのを抑制することができる。この結果、高調波電流によるロータ18側の銅損等の導体損失を低減して、ロータ18の発熱を抑えることができる。また、誘導電動機として使用される回転電機10の性能向上を図れる。
また、各ステータ巻線22の各ステータ14,16の周方向に関する幅が小さくならないため、各ステータ14,16が発生する基本波磁束が低減しない。すなわち、本実施の形態の回転電機によれば、本実施の形態のように、2個のステータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22が発生する磁束の向きは、軸方向に関して互いに逆方向とし、かつ、2個のステータ14,16同士で同じ相のステータ巻線22は、周方向に互いに電気角で180度ずれて配置される構成を備えることにより、ロータ18で発生する誘導電流において、高調波電流の発生を抑えることができ、さらに各ステータ巻線22の各ステータ14,16の周方向に関する幅が小さくならないため、ステータ14,16が発生する基本波磁束が低減しない。したがって、回転電機10の性能を大きく向上させることができる。また、ロータ18を2個のステータ14,16で軸方向の両側から挟むため、ステータ14,16からロータ18に流れる磁束量を調整しやすくできる。
また、本実施の形態では、ロータ18は、軸方向に形成された埋め込み用孔32を有するロータ導電体28と、埋め込み用孔32に埋め込まれた磁性材製のロータコア30と、を備え、ロータ導電体28は、導電材製の導電体素材42に、埋め込み用孔32を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成している。このため、埋め込み用孔32を有するロータ導電体28を鋳造により製造する場合と異なり、製造コストを低減できる。すなわち、本実施の形態によれば、埋め込み用孔32を有するロータ導電体28を鋳造により製造する場合と異なり、製造時間の短縮を図れるとともに、形状が異なる複数種類の導電体を製造する場合や、従来から使用されているプレス加工装置を使用する場合でも、プレス用の型だけを変えればよく、設備の汎用性を持たせることができるため、製造コストを低減できる。また、加工や組み付けに要する工数を低減できるとともに、部品点数も少なくできて、この面からも製造コストを低減できる。また、ロータ導電体28を鋳造により製造する必要がなくなるため、導電性材料の加圧のばらつきが生じることがなく、回転電機10の性能を有効に確保できる。
また、本実施の形態で、ロータコア30を、圧粉磁心によりブロック状に成形する場合には、ロータコア30部分での渦電流の発生を抑制できる。
なお、本実施の形態では、ロータ導電体28を製造する場合、導電性材製の素材からプレス加工の打ち抜き等により、円板状の導電体素材42を形成し、次いで、円板状の導電体素材42にプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、導電体素材42に埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を形成し、ロータ導電体28を造っている。ただし、本実施の形態の場合と異なり、平板状の導電材製の素材に円板状の外形を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工と、埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工とを同時に行うこともでき、外形を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を、埋め込み用孔32及び軸挿通用孔36を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工の後に行うこともできる。また、埋め込み用孔32を形成するための打ち抜き加工と、軸挿通用孔36を形成するための打ち抜き加工とを、別の工程とすることもできる。
[第2の発明の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態において、ロータを示す断面図である。図9は、図8を左方から右方に見た図である。図10は、図8の左半部を構成する片側導電体素子のみを取り出して、図8の左方から右方に見た図である。図11は、図8の右半部を構成する他側導電体素子のみを取り出して、図8の左方から右方に見た図である。図12は、本実施の形態において、ロータに鎖交するロータ鎖交磁束の基本波成分及び5次の高調波成分と電気角との関係を示す図である。図8に示すように、本実施の形態の場合、ロータ導電体28aを、片側導電体素子50と他側導電体素子52との2枚の導電体素子50,52を積層することにより構成するとともに、ロータ導電体28aの周方向複数個所にロータコア30を設けることにより、ロータ18aを構成している。
また、図9に示すように、各導電体素子50,52の周方向複数個所に軸方向に貫通する長孔54を形成しており、2枚の導電体素子50,52を、それぞれの導電体素子50,52に形成した長孔54の回転方向、すなわち周方向に関する位置が、隣り合う導電体素子50,52同士でずれるように積層することにより、ロータ導電体28aを構成している。
図10に示す片側導電体素子50と、図11に示す他側導電体素子52とは、互いに同一形状で同じ大きさを有する。図10、図11に示す、各導電体素子50,52を製造する場合には、導電材製の円板状の薄板素材(図示せず)の周方向等間隔複数個所に、長孔54を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すとともに、中心部に回転軸26(図1参照)を挿通するための軸挿通用孔56をプレス加工の打ち抜き加工で形成することにより、各導電体素子50,52を構成する。各長孔54は、互いに同一の形状及び大きさを有し、上記の第1の実施の形態のロータ18を構成するロータ導電体28に形成した各埋め込み用孔32の周方向長さL1(図2参照)に比べて、各長孔54の周方向長さL2(図10、図11)を大きくしている(L1<L2)。各導電体素子50,52において、周方向に隣り合う長孔54同士の間に、外周部と内周部とを連結する柱部58が位置している。
図9に示すように、ロータ導電体28aを構成する場合には、片側導電体素子50の隣り合う長孔54の間に位置する柱部58(図10)が、他側導電体素子52の各長孔54の周方向中央位置に対向するように、互いの長孔54の回転方向、すなわち周方向に関する位相をずらした状態で積層する。この状態で、各導電体素子50,52に形成した各長孔54において、2枚の導電体素子50,52の両方で整合する、すなわち軸方向に対向する空間部分にロータコア30を埋め込むことにより、ロータ18aを構成している。この結果、ロータ18aに配置されるロータコア30の数は、上記の図2に示した第1の実施の形態のロータ18に配置されるロータコア30の数と同じになる。
このような本実施の形態によれば、ロータ18aの導電性を高くするために全体の厚さを大きくすることが必要になる場合でも、電流が2枚の導電体素子50,52に流れるため、電流が表皮効果により導電体素子50,52の表面部分に過度に集中するのを防止して、ロータ18aにより構成する回転電機の性能が熱損失等により低下するのを有効に防止できる。すなわち、ロータ導電体28aの導電性を高くするためにロータ導電体28aの厚みを大きくすることが考えられるが、ロータ導電体28aの厚みを大きくすると、表皮効果により電流がロータ導電体28aの表面に過度に集中しやすくなり、回転電機の性能を有効に確保する面からは改良の余地がある。これに対して、本実施の形態のように、ロータ導電体28aは、導電材製の薄板素材に、長孔54及び軸挿通用孔56を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成する導電体素子50,52を、2枚積層することにより構成する構成によれば、表皮効果による影響を抑制して、このような不都合を解消でき、回転電機の性能をより有効に確保できる。
また、ロータ導電体28aは、2枚の導電体素子50,52を、それぞれの導電体素子50,52に形成した長孔54の回転方向に関する位置が、隣り合う導電体素子50,52同士でずれるように積層することにより構成しているので、ロータ導電体28aの長孔54周辺部を流れる誘導電流である、2次電流の電気的な短絡幅と呼ばれる、長孔54において、導電体素子50,52の周方向に関する幅L2(図10、図11)を調整することにより、2次電流に重畳する高調波を抑制できる。
すなわち、図12に示すように、ロータ鎖交磁束である、片側ステータ14(図1参照)または他側ステータ16(図1参照)に回転磁界を発生させる起磁力の分布は、各相のステータ巻線22(図1参照)や、ステータ14,16の形状に起因して、基本波のみの正弦波分布とならず高調波成分を含むものとなり、ステータ巻線22が集中巻きである場合には、高調波成分の振幅レベルが増大する。なお、以下の説明では、図8から図11に示した要素と同一の要素には同一の符号を用いて説明する。図12は、ロータ鎖交磁束から、基本波成分と5次の高調波成分とを取り出して示している。本実施の形態では、上記の図1に示した第1の実施の形態の場合と同様に、ロータ18aの両側に2個のステータ14,16を、ロータ18aを介して対向させ、2個のステータ14,16で同じ相のステータ巻線22の電気角を180度ずれて配置しているため、2次等の偶数次数の高調波を低減することはできるが、5次等の奇数次数の高調波を低減するためにはまだ改良の余地がある。これに対して、本実施の形態では、例えば、ロータ鎖交磁束のうち、5次等、振幅レベルの高い高調波成分の1周期分の電気角θ1と、各導電体素子50,52の長孔54の短絡幅である、周方向長さL2(図10、図11)に対応する電気角とを一致させ、各導電体素子50,52の各長孔54を通過する磁束の5次成分の周方向に関する積分値が0となるように、各長孔54の周方向長さL2を設定することもできる。このような構成によれば、例えば、ロータ鎖交磁束の5次成分の各長孔54に対する位相にかかわらず、各長孔54を通過する磁束の5次成分の周方向に関する積分値が常に0となり、2次電流に重畳する高調波成分を抑制できる。例えば、図12に斜線部で示すように、各長孔54を通過する、5次成分の正の磁束の積分値と負の磁束の積分値とが互いに相殺されて0となる。この結果、ロータ18aの磁束漏れや2次導体損失を低減でき、回転電機の効率向上を図れる。
なお、2枚の導電体素子50,52同士は、かしめや接着により結合することができる。例えば、かしめにより、2枚の導電体素子50,52同士を結合する場合には、各導電体素子50,52の整合する位置に軸方向に貫通するかしめ用孔部を形成し、かしめ用孔部に挿入部材とその両側のかしめ用部材とを挿入し、挿入部材が2枚の導電体素子50,52に掛け渡された状態で、各かしめ用部材を押し広げてかしめ用孔部に結合することにより、2枚の導電体素子50,52を結合することもできる。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施の形態と同様であるため、重複する説明は省略する。
なお、本実施の形態のように、長孔54の周方向長さL2をロータ鎖交磁束の5次成分の周期に対応させず、ロータ鎖交磁束の他の成分(例えば5次以外の奇数次数の高調波成分)の周期に対応させて、長孔54の周方向長さL2を設定することもできる。また、本実施の形態では、2枚の導電体素子50,52によりロータ導電体28aを構成しているが、3枚以上の複数枚の導電体素子を積層することによりロータ導電体を構成することもできる。例えば、4枚以上の偶数枚の導電体素子によりロータ導電体を構成する場合に、本実施の形態のように、各長孔54の周方向に関する位相をずらして積層した2枚の導電体素子50,52を1組としたものを複数組、隣り合う導電体素子50,52同士で各長孔54の周方向に関する位相をずらして積層することにより、ロータ導電体を構成することもできる。
[第3の発明の実施の形態]
図13は、本発明の第3の実施の形態において、ロータを示す、図2のB部拡大断面に対応する図である。本実施の形態の場合には、ロータ導電体28に形成した複数の埋め込み用孔32に埋め込む複数のロータコア30aを、それぞれ磁性材製の薄板コア素子60を複数枚積層することにより、全体でブロック状に構成している。図示の例の場合には、埋め込み用孔32内で、複数枚の薄板コア素子60を、ロータ18bの径方向に積層している。
このような本実施の形態では、ロータコア30を流れる渦電流が表皮効果によりロータコア30の表面部分に過度に集中するのを防止して、ロータコア30部分での渦電流の過度の集中を防止できるとともに、渦電流の発生を抑制できる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
[第4の発明の実施の形態]
図14は、本発明の第4の実施の形態において、ロータを示す、図2のB部拡大断面に対応する図である。本実施の形態の場合には、ロータ導電体28の複数の埋め込み用孔32に埋め込む複数のロータコア30bを、それぞれ磁性材製の薄板コア素子60aを、ロータ18cの周方向に複数枚積層することにより、全体でブロック状に構成している。すなわち、薄板コア素子60aの積層方向が異なる以外は、上記の図13に示した第3の実施の形態と同様である。その他の構成及び作用は、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態、または上記の第3の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する図示及び説明を省略する。
[第5の発明の実施の形態]
図15は、本発明の第5の実施の形態の回転電機を示す略断面図である。本実施の形態の回転電機10aは、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様に、誘導電動機として使用可能とする。特に、本実施の形態では、2個の片側ステータである外側ステータ62と、他側ステータである内側ステータ64とを、1個のロータ18dを介して径方向に対向させている。すなわち、本実施の形態の回転電機10aは、ステータ62,64とロータ18dとが径方向に対向するように配置された、ラジアル型の誘導電動機としている。
すなわち、回転電機10aは、ケーシング12の内周面に円筒状の外側ステータ62を嵌合固定し、ケーシング12の内面の軸方向片側面に軸方向に突出する状態で、内側ステータ64を固定している。外側ステータ62と内側ステータ64との間に、所定の径方向の空隙を空けている。各ステータ62,64は、複数の電磁鋼板を積層する等により構成するステータコア66,68と、複数相である、U相、V相、W相の3相のステータ巻線70とを備える。各ステータコア66,68の互いに対向する径方向片側面の周方向複数個所の等間隔位置に、径方向に突出するようにティース72,74を設けている。例えば、各ステータコア66,68に複数のティース72,74を設けるために、ステータコア66,68の周方向複数個所に径方向の孔部を形成するとともに、孔部に、鋼板等の磁性材製のティース構成部材を挿入し、ティース構成部材のステータコア66,68の径方向片側面から突出した部分により、複数のティース72,74を構成することもできる。
そして、各ティース72,74にステータ巻線70を巻回している。各ステータ巻線70は、複数のティース72,74のうち、周方向に隣り合うティース72,74同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線としている。
また、ロータ18dは、回転軸26の軸方向中間部外径側に固定された有底円筒状のロータ導電体76と、ロータ導電体76を構成する筒部78の周方向複数個所の等間隔位置に設けられた磁性材製のロータコア80とを有する。ロータコア80は、筒部78の径方向全長にわたって設けている。このために、筒部78の周方向複数個所の等間隔位置に、ロータコア80を埋め込むための埋め込み用孔82を、径方向に貫通するように設けている。
このようなロータ18dは、回転軸26の軸方向中間部外径側に、ロータ導電体76を構成する底板部84に設けた軸挿通用孔86を嵌合することにより固定している。また、ロータ18dの径方向両側に設ける外側ステータ62及び内側ステータ64は、両ステータ62,64同士で同じ相のステータ巻線70が発生する磁束の向きを、径方向に関して互いに逆方向としている。また、外側ステータ62及び内側ステータ64同士で同じ相のステータ巻線70は、周方向に互いに電気角で180度ずれて配置されている。なお、図15で示した2個のステータ62,64において、ステータ巻線70の周方向に関する配置関係は、実際の配置関係を表すものではなく、実際には、2個のステータ62,64同士でステータ巻線70の周方向に関する位置がずれている。
また、本実施の形態の場合、ロータ18dを構成するロータ導電体76は、銅やアルミニウム等により構成する円板状の導電材製の導電体素材に、プレス加工の絞り加工等を施すことにより、有底円筒状に形成し、底板部84の中心部に軸挿通用孔86を、プレス加工の打ち抜き加工により形成するとともに、円筒状の筒部78の周方向複数個所に、プレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、筒部78の周方向複数個所に埋め込み用孔82を形成している。そして、ロータ導電体76に形成した複数の埋め込み用孔32に圧粉磁心等の磁性材製のロータコア80を埋め込むことにより、ロータ18dを構成する。この場合、例えば、埋め込み用孔82に圧粉磁心材料を充填した後、ロータ導電体76を成型用の型として用いて、圧粉磁心材料をプレス加工装置で圧縮し、その後加熱処理することにより、ロータ導電体76にロータコア80が埋め込まれたロータ18dを造る。
このような本実施の形態の場合も、上記の図1から図5に示した第1の実施の形態と同様に、ステータ巻線70を集中巻巻線とした場合に、ステータ62,64が発生する基本波磁束を低減させることなく起磁力高調波を低減させることにより、ロータ18d側の2次銅損等の2次導体損失を大幅に低減でき、回転電機10aの性能を大きく向上させることができる。
また、ロータ18dは、径方向に形成された埋め込み用孔82を有するロータ導電体76と、埋め込み用孔82に埋め込まれた磁性材製のロータコア80と、を備え、ロータ導電体76は、導電材製の導電体素材に、埋め込み用孔82を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成しているため、埋め込み用孔82を有するロータ導電体76を鋳造により製造する場合と異なり、製造コストを低減できる。また、加工や組み付けに要する工数を低減できるとともに、部品点数を少なくできるため、この面からも製造コストを低減できる。また、ロータ導電体76を鋳造により製造する場合と異なり、回転電機10aの性能を有効に確保できる。その他の構成及び作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるため、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
なお、図示は省略するが、上記の図8から図12に示した第2の実施の形態と、上記の図15に示した第5の実施の形態とを組み合わせた構成とすることもできる。すなわち、上記の図15に示した第5の実施の形態において、ロータ導電体を複数枚の導電体素子の筒部78に対応する部分を径方向に積層し、底板部84に対応する部分を軸方向に積層することもできる。
また、図示は省略するが、上記の図15に示した第5の実施の形態において、ロータ導電体76の埋め込み用孔82に埋め込むロータコアを、複数枚の薄板コア素子を筒部78の軸方向または周方向に積層することにより構成することもできる。
本発明の第1の実施形態の回転電機を示す略断面図である。 一部を省略して示す図1のA−A断面図である。 図1の片側ステータ及び他側ステータにおいて、同じ相のステータ巻線の電気角が互いにずれている様子を説明するためのステータの周方向一部の周方向を左右方向に伸ばして示す図である。 ロータの製造時において、孔形成のためのプレス加工を施す工程を順に示す断面図である。 図1の片側ステータ及び他側ステータにおいて、発生磁束の分布を示す図である。 従来から考えられている一般的な誘導電動機の電機子巻線である、ステータ巻線を集中巻巻線にした場合の、ステータから出てロータに鎖交する鎖交磁束と時間との関係を示す図である。 図6の鎖交磁束に対応して、2次側導体である、ロータ側のロータ巻線に発生する誘導電流と時間との関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態において、ロータを示す断面図である。 図8を左方から右方に見た図である。 図8の左半部を構成する片側導電体素子のみを取り出して、図8の左方から右方に見た図である。 図8の右半部を構成する他側導電体素子のみを取り出して、図8の左方から右方に見た図である。 本発明の第2の実施の形態において、ロータに鎖交するロータ鎖交磁束の基本波成分及び5次の高調波成分と電気角との関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態において、ロータを示す、図2のB部拡大断面に対応する図である。 本発明の第4の実施の形態において、ロータを示す、図2のB部拡大断面に対応する図である。 本発明の第5の実施の形態の回転電機を示す略断面図である。
符号の説明
10,10a 回転電機、12 ケーシング、14 片側ステータ、16 他側ステータ、18,18a,18b,18c,18d ロータ、20 ステータコア、22 ステータ巻線、24 ティース、26 回転軸、28,28a ロータ導電体、30,30a,30b ロータコア、32 埋め込み用孔、34 筒部、36 軸挿通用孔、38 抑え部材、40 軸受、42 導電体素材、44 プレス加工装置、46 ダイ、48 打ち抜きパンチ、50 片側導電体素子、52 他側導電体素子、54 長孔、56 軸挿通用孔、58 柱部、60,60a 薄板コア素子、62 外側ステータ、64 内側ステータ、66,68 ステータコア、70 ステータ巻線、72,74 ティース、76 ロータ導電体、78 筒部、80 ロータコア、82 埋め込み用孔、84 底板部、86 軸挿通用孔。

Claims (7)

  1. 軸方向または径方向に形成された孔を有する導電体と、
    孔に埋め込まれた磁性材製のコアと、を備え、
    導電体は、導電材製の素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成していることを特徴とする回転電機用ロータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ロータにおいて、
    導電体は、導電材製の薄板素材に、孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより構成する導電体素子を、複数枚積層することにより構成していることを特徴とする回転電機用ロータ。
  3. 請求項2に記載の回転電機用ロータにおいて、
    導電体は、複数枚の導電体素子を、それぞれの導電体素子に形成した孔の回転方向に関する位置が、隣り合う導電体素子同士でずれるように積層することにより構成していることを特徴とする回転電機用ロータ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の回転電機用ロータにおいて、
    コアは、磁性材製の薄板コア素子を複数枚積層することによりブロック状に構成していることを特徴とする回転電機用ロータ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1に記載の回転電機用ロータにおいて、
    コアは、圧粉磁心によりブロック状に成形していることを特徴とする回転電機用ロータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1に記載の回転電機用ロータと、
    回転電機用ロータの軸方向両側または径方向両側に回転電機用ロータを介して対向させた2個のステータと、を備え、
    各ステータは、周方向複数個所に設けられたティースと、各ティースに巻回されたステータ巻線とを有し、
    各ステータ巻線は、複数のティースのうち、周方向に隣り合うティース同士で異なる相の巻線が巻き付けられる集中巻巻線であることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1に記載の回転電機用ロータの製造方法であって、
    導電材製の素材に、軸方向または径方向に孔を形成するためのプレス加工の打ち抜き加工を施すことにより、孔を有する導電体を造る工程と、
    導電体が有する孔に磁性材製のコアを埋め込む工程と、
    を備えることを特徴とする回転電機用ロータの製造方法。
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