JP2009231784A - 屋外用基地局筐体 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の放熱フィンを装備せずとも、日射による昇温を抑えることができ、放熱フィンの小型化等により、筐体の小型化や軽量化を図ることのできる屋外用基地局筐体を提供すること。
【解決手段】屋外用基地局筐体11において、日射方向に向く筐体本体13の外面部13aの外側に適宜間隔を隔てて、該筐体本体13が外面部13aへの日射を遮断する遮断板14を装備したことで、筐体本体13が直接日射を受けることを防止し、筐体本体13から熱量を放熱する放熱フィンの寸法の小型化、装備量の低減により、筐体の小型化や軽量化を図ることが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋外に設置される通信基地局の筐体(屋外用基地局筐体)に関する。
電波の中継や割り当てに必要な電気回路および電源を収容して屋外に設置される通信基地局筐体は、収容した内部の機器が風雨等で汚損することがないように防水性が要求される一方で、内部機器の発熱や日射による昇温で内部の機器がダメージを受けないように、優れた放熱性も要求される。
放熱性を高める手段としては、一般的に、図8に示すように、屋外用基地局筐体を構成する筐体本体2の外面部に放熱フィン1を装備する方法が普及している。
ところで、日当たりの良い場所に設置される筐体本体2は、日射による影響が強く、放熱フィン1だけで十分な放熱性(冷却性)を得ようとすれば、かなりの大型の放熱フィン1を多数装備しなければならず、多数の放熱フィン1の装備のために、屋外用基地局筐体の大型化や重量化という問題が生じていた。
そこで、このような日射の影響による昇温を抑止するために、図9に示すように、防水性を備えた箱形構造で内部に電気回路4を収容する筐体本体5の底面以外の外周面全てを、底部側を開放した箱形の遮光容器6に収容する屋外設置型筐体が提案された(例えば、特許文献1参照)。
なお、遮光容器6は、筐体本体5からの放熱を外部に逃がすための通気口8が、上面等に形成される。
特開平11−220280号公報
ところが、図9に示したように、筐体本体5を遮光容器6に収容する形態では、日射の影響による昇温を抑止する効果は非常に高いが、実質的に、筐体が二重箱構造となってしまい、筐体本体5内の部品の保守点検等の際には、遮光容器6の解体作業等が必要となり、保守性が著しく低下するという問題が生じた。
また、遮光容器6として投入する原材料が多いため、重量化等の問題も生じていた。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、重量化や大型化を抑え、且つ、筐体本体内への保守性を低下させることなく、日射による筐体本体の昇温を抑えることができ、且つ、筐体本体に装備する放熱フィンの高さや装備数量の低減により、軽量化と小型化を図ることができる屋外用基地局筐体を提供することである。
上述の課題を解決するために本発明に係る屋外用基地局筐体は、屋外に設置される通信基地局の筐体であって、筐体本体上の日射方向に向いた外面部の外側に、前記外面部に対して適宜間隔を隔てて、前記外面部への日射を遮断する遮光板を装備したことを特徴とする。
上記構成によれば、遮光板による日射の遮断によって、筐体本体の日射による昇温を防止できる。
そして、筐体本体内の温度を所定温度以下に規制するための放熱フィンを筐体本体外面に装備する場合に、前記遮光板による遮光によって日射による筐体本体の温度上昇を抑え
た分だけ、筐体本体に装備する放熱フィンの高さや装備数量を低減させることができ、筐体本体の軽量化と小型化を実現することができる。
そして、上記構成では、遮光板の装備部位は、筐体本体上の日射方向に向いた外面部のみで良く、日陰となる外面部が遮光板により覆われることは回避できる。即ち、筐体本体の略全体が二重箱構造となることを回避することができ、日陰となる外面部側に保守時の開放部を設定しておくことで、筐体本体内への保守性の低下を防止することもできる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記遮光板が覆う外面部が、日射方向を向く上面及び側面の内の何れか一面、若しくは直交する2面であることを特徴とする。
このような構成にすると、筐体本体の6面の外面部の内、遮光板によって隠れる外面部は1面又は2面に限られ、大半の外面部は、遮光板によって覆われることのない開放面とすることができるため、保守時等にアクセスする外面を遮光板によって覆われない向きに設定することが容易になり、保守性に優れた屋外用基地局筐体の設計を容易にすることができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記遮光板が覆う外面部には放熱フィンが装備され、前記遮光板には放熱フィンの先端と対向する位置に、放熱フィンから放射される熱気を外部に逃がす通気口が貫通形成されていることを特徴とする。
このような構成にすると、遮光板は、放熱フィンから放散される熱気を、前記通気口により速やかに外部に放散して、熱気が放熱フィンの周囲に滞流することを防止することができる。即ち、遮光板により覆われる放熱フィンの周囲の通気性が、遮光板により低下することがなく、良好な通気性の確保により、放熱フィンからの放熱作用を十分に活かして、筐体本体の昇温を防止することができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記通気口が、前記放熱フィンの延在方向に沿って延びるスリットとして設けられ、該通気口から放熱フィンに差し込む日差しが放熱フィンの根本に照射されない程度に、スリットの開口幅が調整されていることを特徴とする。
このような構成にすると、遮光板に通気口を設けて通気性を確保したことで、通気口を通過する日差しが放熱フィンに当たり、放熱フィンに日射による昇温が発生することが考えられるが、日差しが当たる放熱フィン上の部位を上記のように放熱効率の低くなる放熱フィンの根本側を避けた構成にすることにより、日射の影響をより小さく抑えることができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記遮光板には、その一部を切り起こして開口部が形成され、該開口部が筐体外面から放射される熱気を外部に逃がす通気口として機能することを特徴とする。
このような構成にすると、遮光板は、筐体本体の外面部から発散される熱気を、前記開口部により速やかに外部に放散して、筐体本体の外面部に放熱に適した通気性を確保することができる。即ち、筐体本体の周囲の通気性が遮光板により低下することがなく、前記筐体本体の外面部からの放熱を、屋外筐体周囲の通気性によって促進して、屋外筐体の昇温を防止することができる。また、切り起こしにより形成される開口部は、日射方向と交差する方向に向くため、通気口となる開口部からの日差しの入射を抑えることもできる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記遮光板と前記外面部との間の離間距離を、30mm以上に設定したことを特徴とする。
例えば、遮光板と筐体本体の外面部との間の離間距離が30mm未満の場合は、前記遮光板と前記筐体本体の外面部との間の隙間における通気性が低くなり、また、日射により昇温した遮光板からの熱輻射の影響で、筐体本体が加熱される傾向があった。
しかし、上記のように遮光板と筐体本体の外面部との間の離間距離を30mm以上にす
ると、屋外筐体の筐体本体の外面部と遮光板との間の通気性が向上すると同時に、前記遮光板から筐体本体の外面部への熱輻射の影響も弱まるため、筐体本体の昇温をより効果的に防止できるようになる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記筐体本体がアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合に、前記遮光板をアルミニウムと亜鉛の合金製にすることを特徴とする。
このような構成にすると、遮光板の電食を抑止して、耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記放熱フィンを冷却するためのファンが装備され、前記ファンは遮光板と放熱フィンが装備されている外面部間に対して送風を行うことを特徴とする。このような構成にすると、ファンからの送風により放熱フィンが冷却され、自然放熱以上に筐体本体の昇温を防止できるようになる。さらに遮光板と筐体本体外面部が略ダクト構造になるために、ファンからの風が拡散することなく効率的に放熱フィンを冷却することができる。そのため筐体本体に装備する放熱フィンの高さや装備数量を低減させることができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記筐体本体の外面部の一部に放熱フィンが装備され、前記外面部とその対向面の間隔は外面部における放熱フィンが装備された箇所から外面部の端部にむかうにつれて短くなり、前記ファンは前記端部に向けて送風することを特徴とする。このような構成にすると、端部に向けられたファンの風が、遮光板と筐体本体外面部による略ダクト構造により、放熱フィンに導かれるため、ファンの個数を増やすことなく、筐体本体に装備されている放熱フィンを冷却することができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、開口部を有するケース内部に前記筐体本体を設置し、前記開口部の一部に前記ファンを装備し、ケース内部に送風することを特徴とする。このような構成にすると、開口部の一部に装備したファンからの風がケース内部を循環し開口部から排出される。ケース内部で風が循環することにより、筐体本体の形状や放熱フィンの配置に大きく左右されることなく、放熱フィンを冷却することができる。
また、本発明に係る屋外用基地局筐体は、前記開口部の一部に排気用のファンをさらに設けることを特徴とする。このような構成にすると、ケース内に送り込まれた風が積極的に排出されることになるため、ケース内の空気の循環がスムーズに行われ、効率的に放熱フィンを冷却することができるようになる。
本発明によれば、屋外用基地局筐体の重量化や大型化を抑え、且つ、筐体本体内への保守性を低下させることなく、日射による筐体本体の昇温を抑えることができ、且つ、筐体本体に装備する放熱フィンの高さや装備数量の低減により、軽量化と小型化を図ることができる。
以下、本発明に係る通信装置の屋外筐体の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る屋外用基地局筐体の第1の実施の形態の斜視図,図2は図1に示した屋外用基地局筐体の筐体本体の外面部とその外側に配置された遮光板との間の離間距離の説明図,図3は図1に示した屋外用基地局筐体のB−B断面図である。
図1〜3に示すように、第1の実施の形態の屋外用基地局筐体11は、PHSの基地局筐体として使用されるもので、基地局として必要な各種の回路部品や器機等を収容する筐体本体13と、この筐体本体13の日射方向に向いた一部の外面部(図1では、上面部)13aの外側(上側)に装備された遮光板14とで構成されている。
筐体本体13は、上面を開放した箱形構造に形成されると共に一外側面にアンテナ取付け部15が装備されたケース21と、このケース21の上面に開閉可能に取り付けられるカバー23とから構成されている。
本実施の形態の場合、カバー23の上面が、上記の日射方向に向いた外面部13aに相当している。カバー23の上面及びケース21の下面には、それぞれ、放熱フィン25が装備されている。
本実施の形態の場合、屋外用基地局筐体11は、図1に示すようにアンテナ取付け部15を側方に向けた設置向きで、屋外に設置される(所謂、平置き設置である)。
また、筐体本体13内には、図3に示すように、ケース21の底面側に、信号の増幅処理を実施する電気回路であるPAユニット(アンプユニット)41が配置され、その上方側に、電波の送受信処理をする電気回路であるRFユニット42が配置されている。
本実施の形態の遮光板14は、図2に示すように、筐体本体13の外面部13aに平行に、且つ、この外面部13a対して所定の間隔S1(図2参照)を隔ててカバー23に取り付けられており、外面部13aへの日射を遮断する。
本実施の形態の場合、遮光板14と筐体本体13の外面部13aとの間の離間距離S1は、30mm以上に設定されている。
なお、図2に示すように、放熱フィン25が装備されている場合に、遮光板14との離間距離の基準となる外面部13aの位置は、放熱フィン25の先端部としている。
更に、本実施の形態の場合、遮光板14には放熱フィン25の先端と対向する位置に、放熱フィン25から放射される熱気を外部に逃がす通気口31が貫通形成されている。これにより、遮光板14の板面に直交する方向(図1及び図2に矢印Aで示す方向)に通気性が確保されている。
本実施の形態の場合、通気口31は、放熱フィン25の延在方向に沿って延びるスリットとして設けられている。また、該通気口31から放熱フィン25に差し込む日差しが放熱フィン25の根本までは照射されない程度に、スリットの開口幅が狭く調整されている。
本実施の形態の場合、遮光板14は、取付金具33を介してカバー23にねじ止めされているが、取付金具33を遮光板14又はカバー23に一体形成しておけば、部品を削減することができる。
また、本実施の形態の場合、ケース21やカバー23は、いずれもアルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造により、所定の形状・寸法に形成しており、これに対して、遮光板14及び取付金具33は、アルミニウムと亜鉛の合金製にしている。
以上に説明した屋外用基地局筐体11では、遮光板14による日射の遮断によって、筐体本体13の日射による昇温を防止することができる。
そして、筐体本体13内の温度を所定温度以下に規制するための放熱フィン25を筐体本体外面に装備する場合に、遮光板14による遮光によって日射による筐体本体13の温度上昇を抑えた分だけ、筐体本体13に装備する放熱フィン25の高さや装備数量を低減させることができ、筐体本体13の軽量化と小型化を実現することができる。
そして、上記実施の形態の構成では、遮光板14の装備部位は、筐体本体13上の日射方向に向いた一部の外面部13aのみで良く、日射方向に対して裏側に位置して日陰となる外面部が遮光板により覆われることは回避できる。即ち、筐体本体13の略全体が二重箱構造となることを回避することができ、日陰となる外面部側に保守時の開放部を設定しておくことで、筐体本体13内への保守性の低下を防止することもできる。
また、本実施の形態の屋外用基地局筐体11の場合、遮光板14が覆う筐体本体13の外面部が、日射方向を向く上面の一面のみであるため、筐体本体13の大半の外面部は、遮光板14によって覆われることのない開放面とすることとができるため、保守時等にアクセスする外面を遮光板14によって覆われない向きに設定することが容易になり、保守性に優れる筐体設計を容易にすることができる。
さらに、本実施の形態の屋外用基地局筐体11では、遮光板14には放熱フィン25の先端と対向する位置に、放熱フィン25から放射される熱気を外部に逃がす通気口31が貫通形成されている。
そのため、遮光板14は、放熱フィン25から放散される熱気を、通気口31により速やかに外部に放散して、熱気が放熱フィン25の周囲に滞流することを防止することができる。
即ち、遮光板14により覆われる放熱フィン25の周囲の通気性が、遮光板14により低下することがなく、良好な通気性の確保により、放熱フィン25からの放熱作用を十分に活かして、筐体本体13の昇温を防止することができる。
更に、本実施の形態の場合、通気口31が、放熱フィン25の延在方向に沿って延びるスリットとして設けられ、且つ、通気口31から放熱フィン25に差し込む日差しが放熱フィン25の根本に照射されない程度に、スリットの開口幅が調整されている。
即ち、遮光板14に通気口31を設けて通気性を確保したことで、通気口31を通過する日差しが放熱フィン25に当たり、それにより、放熱フィン25に日射による昇温が発生することが考えられるが、日差しが当たる放熱フィン25上の部位を上記のように放熱効率の低くなる放熱フィン25の根本側を避けた構成にすることにより、日射の影響をより小さく抑えることができる。
更に、本実施の形態の屋外用基地局筐体11の場合、遮光板14と筐体本体13の外面部13aとの間の離間距離は、30mm以上に設定している。
例えば、遮光板14と筐体本体13の外面部13aとの間の離間距離が30mm未満の場合は、遮光板14と筐体本体13の外面部13aとの間の隙間における通気性が低くなり、また、日射により昇温した遮光板14からの熱輻射の影響で、筐体本体13が加熱される傾向があった。
しかし、上記のように遮光板14と筐体本体13の外面部13aとの間の離間距離を30mm以上にすると、屋外用基地局筐体11の筐体本体13の外面部13aと遮光板14との間の通気性が向上すると同時に、前記遮光板14から筐体本体13の外面部13aへの熱輻射の影響も弱まるため、屋外用基地局筐体11の昇温をより効果的に防止できるようになる。
更に、本実施の形態の屋外用基地局筐体11の場合、筐体本体13がアルミニウム又はアルミニウム合金製であり、それに対して、遮光板14や取付金具33は、アルミニウムと亜鉛の合金製にしている。このような構成にすると、遮光板14や取付金具33の接触部における電食を抑止して、耐久性を向上させることができる。
図4は、本発明に係る屋外用基地局筐体の第2の実施の形態の斜視図である。
第2の実施の形態の屋外用基地局筐体43は、筐体本体13の日射方向に向く外面部13aの外側に、遮光板44を装備したものである。
遮光板44は、第1の実施の形態で示した遮光板14を改良したもので、スリットではなく、板面の一部を切り起こして形成した開口部45により、板面に直交する方向に通気性を備えるようにしている。
但し、開口部45を形成するために切り起こされた曲げ片46と筐体本体13の外面部13aとの間の離間距離は、第1の実施の形態の場合と同様に、30mm以上に設定されている。また、遮光板44は、第1実施の形態の場合と同様に、取付金具33によりカバー23に取り付けられている。
この第2の実施の形態の屋外用基地局筐体43の場合も、遮光板44は、筐体本体13の外面部13aから発散される熱気を、開口部45により速やかに外部に放散して、筐体本体13の外面部13aに放熱に適した通気性を確保することができる。
即ち、筐体本体13の周囲の通気性が遮光板44により低下することがなく、前記筐体本体13の外面部13aからの放熱を、屋外用基地局筐体43の周囲の通気性によって促進して、屋外用基地局筐体43の昇温を防止することができる。
従って、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
更に、本実施の形態の場合、切り起こしにより形成される開口部45は、日射方向と交差する方向に向くため、通気口となる開口部45からの日差しの入射を抑える効果も期待できる。
以上の各実施の形態における遮光板による作用効果を確認するために、本願発明者等は、恒温槽内に設置した投光器や送風機により、所定の日射条件や通気性を設定して、上記実施の形態の屋外用基地局筐体11,43に対して、温度変化を測定した。
温度の測定箇所は、各屋外用基地局筐体11,43に共通で、図5では、恒温槽自体の設定温度をT0、筐体の外周囲に設定した第1の部位における外気温をT1、筐体の外周囲に設定した第2の部位における外気温をT2、図3に示した筐体本体13内のRFユニット42の上面の温度をT3、RFユニット42の底面の温度をT4、PAユニット41の底面の温度をT5として測定した。
なお、図5及び後述の図7において、
外気温度=(外気温度1+外気温度2)/2
ΔT=T−外気温度
とする。
更に、測定する筐体は、図1に示した遮光板14を筐体本体13の外面部13aから30mmの離間距離で備えた屋外用基地局筐体11を測定筐体K1、図4に示した遮光板44を筐体本体13の外面部13aから30mmの離間距離で備えた屋外用基地局筐体43を測定筐体K2、図4に示した遮光板44を筐体本体13の外面部13aから20mmの離間距離で備えた屋外用基地局筐体43を測定筐体K3、図4に示した遮光板44を筐体本体13の外面部13aから50mmの離間距離で備えた屋外用基地局筐体43を測定筐体K4、図1に示した屋外用基地局筐体11から遮光板14を取り外して、筐体本体13のみで測定する場合の測定筐体K5の5種類を用意した。
また、上記の測定筐体K5に対しては、投光器や送風機の動作をONの状態と、オフの状態の二通りで、測定を実施した。
図5に示した図表は、その測定結果を示している。
図5に示した測定試験では、遮光板14,44を装備した筐体本体13は、これらの遮光板14,44を取り付けていない筐体本体13と比較すると、2〜3℃の温度低下が確認され、その分、筐体本体13に装備する放熱フィンの小型化や装備数量の低下を図れることが確認できた。
なお、上記実施の形態で示した屋外用基地局筐体11や屋外用基地局筐体43は、図1や図4に示したようにアンテナ取付け部15を側方に向けた所謂平置き設置だけでなく、図6に示すように、アンテナ取付け部15を上方に向けた所謂アンテナ上向き設置で設置することも可能である。
本願発明者等は、上記の屋外用基地局筐体11や屋外用基地局筐体43をアンテナ上向き設置にした場合についても、各部の温度測定試験を行った。図7は、その測定結果を示している。図7に示した温度測定において、各部の温度測定箇所や、測定する筐体構造は、図5に示した測定時と同様にした。
図7に示した測定試験でも、遮光板14,44を装備した筐体本体13は、これらの遮光板14,44を取り付けていない筐体本体13と比較すると、2〜3℃の温度低下が確認され、その分、筐体本体13に装備する放熱フィンの小型化や装備数量の低下を図れる
ことが確認でき、本発明に係る遮光板の装備が、アンテナ上向き設置の場合にも有効であることが確認できた。
図10は本発明に係る屋外用基地局筐体の第3の実施の形態の斜視図である。図11と図12はそれぞれ図10に示した屋外用基地局筐体の正面図と背面図である。第3の実施の形態の屋外用基地局筐体47は、筐体本体13の日射方向に向く外面部13aの外側と右側面部48、左側面部49、正面部50の夫々上部外側にまたがった形状の遮光板51を装備したものである。
ファン52a、52bは遮光板51の正面部50に装備されており、筐体本体13側に送風を行う。放熱フィン53a、53bは筐体本体13の上側面54と下側面55に列設されており、その個々の形状は正面部50から背面部50bに延びる直方体である。
筐体本体13の上側面54と遮光板51と放熱フィン53からなる構造は、ファン52a、52bからの風を導くダクト状であるため、上側面54に列設された放熱フィン53全体を効率的に冷却することができる。
図13は本発明に係る屋外用基地局筐体の第4の実施の形態の斜視図である。図14から図16はそれぞれ図13に示した屋外用基地局筐体の正面図、背面図、右側面図である。第4の実施の形態の屋外用基地局筐体56における、筐体本体13は上面部57から下面部58方向につぶれた略八角形の形状をしている。
遮光部59は背面部60に開口部を有する五方を覆う箱形状であり、正面部61中央近傍にはファン62a、62bが装備されている。
ファン62a、62bから筐体本体13側への風は、筐体本体が上下方向に潰れた略八角形であるために、筐体上側面と下側面に分流され、上下面に列設された放熱フィンを冷却することができる。
図17は本発明に係る屋外用基地局筐体の第5の実施の形態の斜視図である。図18と図19はそれぞれ図17に示した屋外用基地局筐体の正面図と背面図である。第5の実施の形態の屋外用基地局筐体63は、第4の実施の形態において、遮光部64は正面部65に開口部を有する五方を覆う箱形状であり、正面部65上方部にファン66a、66bが装備されている。
ファン66a、66bから筐体本体13側への風は、筐体上部を流れ、筐体本体13と遮光部の背面部65b間を通り、筐体下部をへて正面部65下方部から排気される。正面部65下方部に排気用のファン67a、67bを装備させることによって、より効率的に遮光部64で覆われた内部の風の循環を行うことができる(図20)。この際、背面部の遮光部を変形させることにより風の循環をスムーズに行うことができる。
なお、本発明に係るに屋外用基地局筐体に装備する遮光板の具体的な構造、あるいは、前記遮光板を筐体本体に取り付ける具体的な構造等は、上記実施の形態に示した構造に限らない。筐体本体の外面部の形状等に合わせて、適宜、設計変更可能である。
また、上記実施の形態では、遮光板14,44で覆う筐体本体13の外面部は、日射方向に向く複数の外面の内の一面であったが、日射方向に向いていて、且つ直交している2面に渡って遮光板を装備するようにしても良い。
本発明に係る屋外用基地局筐体の第1の実施の形態の斜視図である。 図1に示した屋外用基地局筐体の筐体本体の外面部とその外側に配置された遮光板との間の離間距離の説明図である。 図1に示した屋外用基地局筐体のB−B断面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第2の実施の形態の斜視図である。 図1に示した屋外用基地局筐体を所定の日照環境に設置した場合の、筐体各部の温度を測定した図表である。 図1に示した屋外用基地局筐体を、設置向きを変えて設置した状態の斜視図である。 図6に示した屋外用基地局筐体を所定の日照環境に設置した場合の、筐体各部の温度を測定した図表である。 従来の屋外用基地局筐体の放熱フィンの装備方法を示す図である。 従来の屋外用基地局筐体の外観斜視図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第3の実施の形態の斜視図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第3の実施の形態の正面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第3の実施の形態の背面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第4の実施の形態の斜視図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第4の実施の形態の正面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第4の実施の形態の背面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第4の実施の形態の右側面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第5の実施の形態の斜視図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第5の実施の形態の正面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第5の実施の形態の背面図である。 本発明に係る屋外用基地局筐体の第5の実施の第2形態の右側面図である。
符号の説明
11 屋外用基地局筐体
13 筐体本体
13a 外面部
14 遮光板
21 ケース
23 カバー
25 放熱フィン
31 通気孔(スリット)
33 取付金具
41 PAユニット(アンプユニット)
42 RFユニット
43 屋外用基地局筐体
44 遮光板
45 開口部
46 曲げ片

Claims (11)

  1. 屋外に設置される通信基地局の筐体であって、
    筐体本体上の日射方向に向いた外面部の外側に、前記外面部に対して適宜間隔を隔てて、前記外面部への日射を遮断する遮光板を装備したことを特徴とする屋外用基地局筐体。
  2. 前記遮光板が覆う外面部が、日射方向を向く上面及び側面の内の何れか一面、若しくは直交する2面であることを特徴とする請求項1に記載の屋外用基地局筐体。
  3. 前記遮光板が覆う外面部には放熱フィンが装備され、前記遮光板には放熱フィンの先端と対向する位置に、放熱フィンから放射される熱気を外部に逃がす通気口が貫通形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋外用基地局筐体。
  4. 前記通気口が、前記放熱フィンの延在方向に沿って延びるスリットとして設けられ、該通気口から放熱フィンに差し込む日差しが放熱フィンの根本に照射されない程度に、スリットの開口幅が調整されていることを特徴とする請求項3に記載の屋外用基地局筐体。
  5. 前記遮光板には、その一部を切り起こして開口部が形成され、該開口部が筐体外面から放射される熱気を外部に逃がす通気口として機能することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の屋外用基地局筐体。
  6. 前記遮光板と前記外面部との間の離間距離を、30mm以上に設定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の屋外用基地局筐体。
  7. 前記筐体本体がアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合に、前記遮光板をアルミニウムと亜鉛の合金製にすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の屋外用基地局筐体。
  8. 前記放熱フィンを冷却するためのファンが装備され、前記ファンは遮光板と放熱フィンが装備されている外面部間に対して送風を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の屋外用基地局筐体。
  9. 前記筐体本体の外面部の一部に放熱フィンが装備され、前記外面部とその対向面の間隔は外面部における放熱フィンが装備された箇所から外面部の端部にむかうにつれて短くなり、前記ファンは前記端部に向けて送風することを特徴とする請求項8に記載の屋外用基地局筐体。
  10. 開口部を有するケース内部に前記筐体本体を設置し、前記開口部の一部に前記ファンを装備し、ケース内部に送風することを特徴とする請求項8に記載の屋外用基地局筐体
  11. 前記開口部の一部に排気用のファンをさらに設けることを特徴とする請求項10に記載の屋外用基地局筐体
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