JP2009231191A - 液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスバリア性と柔軟性とが両立された機能液供給チューブを備える液滴吐出装置を得る。
【解決手段】機能液32を収納する機能液タンク40と、機能液32を対象物71に吐出する液滴吐出ヘッド12と、機能液32を機能液タンク40から液滴吐出ヘッド12へ供給する機能液供給チューブ44と、を備える液滴吐出装置1であって、機能液供給チューブ44が、機能液32が流動する内側チューブ45と、内側チューブ45の外周を囲むチューブであって機能液とは異なる第2の流体61が流動する外側チューブ46と、からなる二重構造を有することを特徴とする液滴吐出装置1。
【選択図】図5
【解決手段】機能液32を収納する機能液タンク40と、機能液32を対象物71に吐出する液滴吐出ヘッド12と、機能液32を機能液タンク40から液滴吐出ヘッド12へ供給する機能液供給チューブ44と、を備える液滴吐出装置1であって、機能液供給チューブ44が、機能液32が流動する内側チューブ45と、内側チューブ45の外周を囲むチューブであって機能液とは異なる第2の流体61が流動する外側チューブ46と、からなる二重構造を有することを特徴とする液滴吐出装置1。
【選択図】図5
Description
本発明は液滴吐出装置に関する。
インクジェット装置等の液滴吐出装置においては、液体タンクから液滴吐出ヘッドまで液体を供給(搬送)する経路としては、一般にプラスチック材料等からなるフレキシブルチューブが使用されている。かかる液滴吐出装置における問題の一つとして、チューブ壁を浸透する物質による液体の変質が挙げられる。かかる変質の一例としては、外部からの(酸素等の)気体の滲入による上記液体の変質がある。また、上記液体が溶質と溶媒からなる場合、溶媒がチューブ外へ蒸発することによる溶質濃度の変化も起こり得る。
そのため、例えば特許文献1においては、外層と内層とを含む多層構造を用いたチューブが提示されている。外層にガスバリア性の高い(ガス透過性が低い)材料を用い、内層に柔軟性の高い材料を用いた二重構造とすることで、チューブとしての柔軟性を確保しつつ、チューブ内の液体の変質を抑制している。
そのため、例えば特許文献1においては、外層と内層とを含む多層構造を用いたチューブが提示されている。外層にガスバリア性の高い(ガス透過性が低い)材料を用い、内層に柔軟性の高い材料を用いた二重構造とすることで、チューブとしての柔軟性を確保しつつ、チューブ内の液体の変質を抑制している。
しかし、チューブの形成材料に頼るのみでは気体の入出を完全には抑制できず、該チューブ内に液体が長時間滞留する場合は、該液体の変質の抑制が困難になり得る問題点がある。また、ガスバリア性の高い材料は柔軟性が低い場合が多く、上記液滴吐出ヘッドが移動を繰り返す場合にクラック等を生じ易いという問題点がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
機能液を収納する機能液タンクと、上記機能液を対象物に吐出する液滴吐出ヘッドと、上記機能液を上記機能液タンクから上記液滴吐出ヘッドへ供給する機能液供給チューブと、を備える液滴吐出装置であって、上記機能液供給チューブが、上記機能液が流動する内側チューブと、上記内側チューブの外周を囲むチューブであって上記機能液とは異なる第2の流体が流動する外側チューブと、からなる二重構造を有することを特徴とする液滴吐出装置。
機能液を収納する機能液タンクと、上記機能液を対象物に吐出する液滴吐出ヘッドと、上記機能液を上記機能液タンクから上記液滴吐出ヘッドへ供給する機能液供給チューブと、を備える液滴吐出装置であって、上記機能液供給チューブが、上記機能液が流動する内側チューブと、上記内側チューブの外周を囲むチューブであって上記機能液とは異なる第2の流体が流動する外側チューブと、からなる二重構造を有することを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記内側チューブの周囲に、上記液滴吐出装置の周囲の環境とは異なる環境を局所的に形成できる。そして該環境により、上記機能液への他の流体の入出を制御できる。したがって、上記機能液供給チューブを柔軟性を有する材料で形成した場合において、上記液滴吐出ヘッドへ供給する機能液の品質の低下を抑制できる。
なお、上記第2の流体は、液体と気体との双方を含む。上述の「異なる」ということは完全に同一ではないということである。したがって、上記第2の流体には、上記機能液に含まれる(溶媒等の)成分を含む流体も該当する。また、上述したように、上記機能液供給チューブは二重構造を有している。したがって、「外側チューブ内」という文言は、上記外側チューブと上記内側チューブの間を意味している。したがって、外側チューブを流動するということは外側チューブと内側チューブの間を流動するということである。
なお、上記第2の流体は、液体と気体との双方を含む。上述の「異なる」ということは完全に同一ではないということである。したがって、上記第2の流体には、上記機能液に含まれる(溶媒等の)成分を含む流体も該当する。また、上述したように、上記機能液供給チューブは二重構造を有している。したがって、「外側チューブ内」という文言は、上記外側チューブと上記内側チューブの間を意味している。したがって、外側チューブを流動するということは外側チューブと内側チューブの間を流動するということである。
[適用例2]
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体の流動方向は、上記機能液の流動方向の逆方向であることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体の流動方向は、上記機能液の流動方向の逆方向であることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液が上記液滴吐出ヘッドから吐出される直前における上記外側チューブ内に常に新しい第2の流体を流動させることができる。したがって、上記機能液の外部の環境の制御性が向上し、上記液滴吐出ヘッドへ供給する機能液の品質の低下をより一層抑制できる。
[適用例3]
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体は、不活性ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体は、不活性ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液に、外気(大気)に含まれる酸素等の活性ガスが浸透することを抑制できる。したがって、上記機能液が変質することを抑制でき、上記液滴吐出ヘッドから吐出される上記機能液の品質の低下をより一層抑制できる。
[適用例4]
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体は、乾燥ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記第2の流体は、乾燥ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液に、外気(大気)に含まれる水分が浸透することを抑制できる。したがって、上記液滴吐出ヘッドから吐出される上記機能液の品質の低下をより一層抑制できる。
[適用例5]
上述の液滴吐出装置であって、上記外側チューブ内は減圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記外側チューブ内は減圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液に混入した酸素及び/又は水分が上記内側チューブの外へ移動し易くなる。したがって、酸素及び/又は水分の混入による機能液の品質の低下をより一層抑制できる。
[適用例6]
上述の液滴吐出装置であって、上記内側チューブは、上記第2の流体又は上記第2の流体に含有される物質の少なくとも一部を透過させる材質で形成されていることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記内側チューブは、上記第2の流体又は上記第2の流体に含有される物質の少なくとも一部を透過させる材質で形成されていることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液に、上記第2の流体に含有される物質の少なくとも一部を滲入させることができる。したがって、上記機能液が上記物質を必要とする場合において、上記機能液の品質の低下をより一層抑制できる。
[適用例7]
上述の液滴吐出装置であって、上記外側チューブ内は加圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記外側チューブ内は加圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記機能液に、上記第2の流体に含有される物質の少なくとも一部を、より一層容易に滲入させることができる。
[適用例8]
上述の液滴吐出装置であって、上記機能液は溶媒と溶質とを含むインクであり、上記第2の流体は上記溶媒を含んでいることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記機能液は溶媒と溶質とを含むインクであり、上記第2の流体は上記溶媒を含んでいることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記インクに、上記溶媒を滲入させることができる。したがって、上記インクからの上記溶媒の蒸発を補填でき、上記インクの濃度を安定化することができる。
[適用例9]
上述の液滴吐出装置であって、上記機能液はバイオ物質を含有する流体であって、上記第2の流体は酸素、又は酸素を含有する流体であることを特徴とする液滴吐出装置。
上述の液滴吐出装置であって、上記機能液はバイオ物質を含有する流体であって、上記第2の流体は酸素、又は酸素を含有する流体であることを特徴とする液滴吐出装置。
このような構成であれば、上記バイオ物質に対して常時酸素を供給できる。したがって、上記機能液に含まれるバイオ物質の機能の低下を抑制できる。
以下、図面を参照し、液滴吐出装置の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
<有機EL装置>
図1は、本実施形態の液滴吐出装置の吐出対象となる有機EL装置70の模式断面図である。有機EL装置70は、対向基板72側から光を射出するトップエミッション型の有機EL装置である。規則的に配置された赤色発光素子80Rと緑色発光素子80Gと青色発光素子80Bとの、三原色光のいずれかを発光する発光素子によりカラー画像を表示できる。
<有機EL装置>
図1は、本実施形態の液滴吐出装置の吐出対象となる有機EL装置70の模式断面図である。有機EL装置70は、対向基板72側から光を射出するトップエミッション型の有機EL装置である。規則的に配置された赤色発光素子80Rと緑色発光素子80Gと青色発光素子80Bとの、三原色光のいずれかを発光する発光素子によりカラー画像を表示できる。
有機EL装置70は、素子基板71を基体として構成されている。素子基板71上には、発光素子80を駆動するTFT73が形成されており、該TFTには各々の発光素子80の陽極75が、第1層間絶縁膜81と第2層間絶縁膜82と第3層間絶縁膜83との計三層の層間絶縁膜を介して接続されている。そして、陽極75と素子基板71との間には、反射板76が形成されている。なお、陽極75は、透明導電材料であるITO(酸化インジウム・錫)の薄膜を発光素子80ごとに島状にパターニングして形成されている。また、発光素子80は上記三種類の発光素子80R,80G,80Bの総称である。
第3層間絶縁膜83及び陽極75の上層には、ポリイミド等の有機絶縁材料層、又は無機絶縁材料層をパターニングして、隔壁84が形成されている。そして、各発光素子80と平面視で重なる領域に、隔壁84を側壁部とし陽極75を底部とする凹部が形成されている。そして、該凹部内には発光機能層77が形成されている。発光機能層77は、正孔注入/輸送層78と発光層79の積層体である。そして、各発光素子80の発光色に対応する発光機能層77が形成されている。すなわち、赤色発光素子80Rには赤色発光機能層77Rが、緑色発光素子80Gには緑色発光機能層77Gが、青色発光素子80Bには青色発光機能層77Bが、それぞれ形成されている。なお、以下の記載において、単に発光機能層77と称する場合は、上記各発光機能層77R,77G,77Bの総称である。
赤、緑、青の各発光色は、発光層79の形成材料で定まる。したがって、発光層79は、各発光素子80間で材料が異なっている。緑色発光機能層77Gの発光層79には、緑色光を発光するPPV(ポリパラフェニレンビニレン)前駆体が用いられている。赤色発光機能層77Rの発光層79には、該前駆体に、赤色発光を示すローダミンBをドープしたものが用いられ、青色発光機能層77Bの発光層79には、該前駆体に青色発光を示すクマリンをドープした物が用いられている。有機EL装置70は、かかるドープ材料により三原色光のいずれかの光を発光させてカラー画像を形成している。一方、正孔注入/輸送層78の形成材料は各発光素子80間で共通である。そして、本実施形態の有機EL装置70の正孔注入/輸送層78は、低分子系材料で形成されている。具体的には、銅フタロシアニン等のポルフィリン化合物、あるいはトリフェニルアミン等が用いられている。
本実施形態の有機EL装置70における、正孔注入/輸送層78と発光層79との少なくとも一方は、液滴吐出装置を用いて形成される。すなわち、素子基板71上に形成された上述の凹部内に、正孔注入/輸送層78等の形成材料を含む機能液を吐出して形成される。該機能液は、上述の低分子系材料をキシレン、エチルアルコール等の有機系溶媒に分散又は溶解して形成したものである。滴下後の機能液から該溶媒を乾燥等により除去することで、上述の低分子系材料からなる発光機能層77が形成される。
発光機能層77の上層には、陰極85と封止層86とが順に積層されている。陰極85は、膜厚約10nmのMgAg(マグネシウム・銀合金)で形成されており、半透過反射性、すなわち照射された光の略50%を反射し、上記略50%以外の光を透過する性質を有している。なお、陰極85と発光機能層77との層間に、電子注入/輸送層としてカルシウム等の薄膜を形成してもよい。封止層86は、膜厚が約200nmの窒化酸化シリコン(SiOxNy)で形成されている。そして、封止層86上には、接着層87を介してガラス等の透明材料からなる対向基板72が接着されている。接着層87、対向基板72は、発光素子80を水分、ガス、衝撃等から保護する役割を果たしている。
上記構成の有機EL装置70によれば、TFT73から供給される駆動電流が、陽極75と陰極85との間に流れる。すなわち、発光層79に駆動電流が供給される。発光層79は、EL(エレクトロルミネッセンス)現象を発現する有機発光物質の層であり、流れる電流の大きさに応じた輝度で発光する。発光層79からの光は、一部は直接陰極85を透過し、一部は反射板76によって反射されてから陰極85を透過し、更に、封止層86、接着層87、対向基板72を順に透過して有機EL装置70から射出される。
上述の発光機能層の形成時には、機能液の劣化が問題となる。上述の発光機能層77の形成材料、特に低分子系材料であるポルフィリン化合物は、水及び酸素ガスに非常に弱い性質を有している。したがって、発光機能層の形成時に、機能液に水及び酸素ガスが滲入することをできる限り防ぐことが必要とされる。機能液は、製造時及び保管中は周囲の雰囲気をコントロールすることが比較的容易なため、水分等の滲入は殆んど回避されている。しかし、該機能液を液滴吐出装置により吐出する際には、液滴吐出ヘッド等に該機能液を供給するためにチューブ中を流動する。そこで本実施形態の液滴吐出装置は、以下に記載するように、チューブを二重にしてチューブの柔軟性を損なわずに周囲の雰囲気をコントロールしている。
<液滴吐出装置>
<液滴吐出装置>
図2は、本実施形態にかかる液滴吐出装置1の全体構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置1は、上述の有機EL装置70の発光機能層77を形成するための装置である。具体的には、素子基板71上に形成された上述の凹部に、上述の正孔注入/輸送層78等の形成材料と有機系溶媒とからなる機能液を、インクジェット法により吐出する装置である。図2に示すように、液滴吐出装置1は、複数の液滴吐出ヘッド12(図3参照)を備えたキャリッジ11、X方向駆動モータ2、X方向駆動軸4、Y方向駆動モータ3、Y方向ガイド軸5、制御部6、ステージ7、クリーニング機構部8、基台9、機能液タンク40、機能液供給チューブ44、及び第2の流体の供給源60及び等を備えている。
キャリッジ11は、機能液が貯蔵された機能液タンク40から機能液供給チューブ44を介して供給される機能液を、液滴吐出ヘッド12(図4参照)から吐出する。後述するように、液滴吐出装置1の機能液供給チューブ44は二重構造を有している。機能液が流動する内側チューブの外部の環境を、第2の流体の供給源60から供給される流体雰囲気に保つことにより該機能液の品質の低下を抑制できる。
ステージ7は、キャリッジ11から機能液が吐出される対象物としての素子基板71を載置するためのものであり、素子基板71を所定の基準位置に固定する機構を有している。X方向駆動軸4はボールねじ等から構成され、端部にはX方向駆動モータ2が接続されている。X方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御部6からX軸方向の駆動信号が供給されると、X方向駆動軸4を回転させる。X方向駆動軸4が回転すると、キャリッジ11がX方向駆動軸4上をX方向に移動する。
Y方向ガイド軸5もボールねじ等から構成されているが、基台9上の所定位置に配置されている。Y方向ガイド軸5上にはステージ7が配置され、該ステージはY方向駆動モータ3を備えている。Y方向駆動モータ3は、ステッピングモータ等であり、制御部6からY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7は、Y方向ガイド軸5に案内されながらY方向に移動する。このようにしてX軸方向の駆動とY軸方向の駆動とを行うことにより、キャリッジ11を素子基板71上の任意の場所に移動させることができる。
制御部6は、後述するようにヘッド駆動回路19(図3参照)を介して機能液の吐出量等を制御すると共に、機能液供給チューブ44に付属する、電磁弁(51/52)、MFC(マスフローコントローラ)57、真空ポンプ49等(以上、図6参照)を制御している。
図3は、キャリッジの概要を示す図である。図3(a)は、キャリッジ11を示す模式平面図であり、図3(b)は、キャリッジ11をY方向から見た模式側面図である。
図3(a)に示すように、1個のキャリッジ11には、液滴吐出ヘッド12が3行×2列で計6個配置されている。液滴吐出ヘッド12の表面にはノズルプレート13が配置され、ノズルプレート13にはノズル14が複数形成されている。
図3(a)に示すように、1個のキャリッジ11には、液滴吐出ヘッド12が3行×2列で計6個配置されている。液滴吐出ヘッド12の表面にはノズルプレート13が配置され、ノズルプレート13にはノズル14が複数形成されている。
図3(b)に示すように、キャリッジ11は、ベース板15を備えている。ベース板15の下側には、支持部17を介して駆動回路基板18が配置されている。そして、駆動回路基板18の下側には、制御部6と図示しないケーブルで接続されたヘッド駆動回路19が配置されている。更に、ベース板15には支持部20を介して、ヘッド取付板21が配置され、ヘッド取付板21の下面には液滴吐出ヘッド12が配置されている。液滴吐出ヘッド12が配置されたヘッド取付板21がヘッドユニット22である。ヘッド駆動回路19と液滴吐出ヘッド12とは図示しないケーブルにより接続され、ヘッド駆動回路19が出力する駆動信号が液滴吐出ヘッド12に入力される。
ベース板15の下側には供給装置23が配置されている。機能液タンク40と供給装置23との間、及び、供給装置23と液滴吐出ヘッド12との間は、図示しないチューブにより接続されている。そして、機能液タンク40から供給される機能液が、供給装置23により液滴吐出ヘッド12に供給されるようになっている。
図4は、液滴吐出ヘッド12の概略を示す図である。図4(a)は、液滴吐出ヘッド12の構成を示す概略斜視図であり、図4(b)は、液滴吐出ヘッド12の要部模式断面図である。
図4(a)に示すように液滴吐出ヘッド12は、ノズル14が形成されたノズルプレート13を備えている。ノズルプレート13の下側には第1ケース24が形成され、第1ケース24の下側には第2ケース25が形成されている。第2ケース25の中段には回路基板26が配置され、第2ケース25の両側側面からX方向の逆方向に延在して形成されている。回路基板26の下面には1つのコネクタ27と切換部としての切換回路素子28と模擬負荷素子29が配置されており、コネクタ27は図示しない配線を介してヘッド駆動回路19と電気的に接続されている。第2ケース25の下側には一対の供給口30が突出して形成され、供給口30は図示しないチューブを介して供給装置23と接続されている。そして、チューブ及び供給口30を通して機能液が液滴吐出ヘッド12に供給されるようになっている。
図4(b)に示すように、液滴吐出ヘッド12は、ノズルプレート13を備え、ノズルプレート13には、ノズル14が形成されている。ノズルプレート13の上側であって、ノズル14と相対する位置には、ノズル14と連通する圧力室としてのキャビティ31が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド12のキャビティ31には、供給装置23に貯留されている機能液32が供給口30及び図示しない流路を介して供給される。
キャビティ31の上側には、上下方向(Z方向)に振動して、キャビティ31内の容積を拡大縮小する振動板33と、上下方向に伸縮して振動板33を振動させる駆動部としての圧電素子34が形成されている。圧電素子34が上下方向に伸縮して振動板33を加圧して振動し、振動板33がキャビティ31内の容積を拡大縮小してキャビティ31を加圧する。それにより、キャビティ31内の圧力が変動し、キャビティ31内に供給された機能液32は、ノズル14を通って吐出される。そして、液滴吐出ヘッド12が圧電素子34を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子34が伸張して、振動板33がキャビティ31内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド12のノズル14からは、縮小した容積分の機能液32が液滴35として吐出される。
図5は、機能液供給チューブ44の概略を示す摸式断面図である。図示するように、機能液供給チューブ44は、機能液タンク40とキャリッジ11若しくは該キャリッジ内の液滴吐出ヘッド12とを連結する内側チューブ45と、該内側チューブの外周を包むように形成されている外側チューブ46と、の二重構造になっている。外側チューブ46は、機能液タンク40の近傍からキャリッジ11の内部までの間の略全経路で二重構造となるように形成されている。しかし、外側チューブ46と内側チューブ45との間を導通する開口部は存在せず、互いに全く別の流体が流れる構造である。したがって、内側チューブ45の外部の雰囲気は外気(大気)の影響は全く受けずに、外側チューブ46内を流れる第2の流体によってのみ定まる。
ここで、機能液供給チューブ44は柔軟性を確保するために、ポリエチレンあるいはテフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂を用いて形成されることが一般的である。本実施形態の外側チューブ46及び内側チューブ45も同様の材質で形成されている。上記材料は若干の浸透性を有しており、外部の雰囲気の滲入を完全には防ぐことができない。しかし、本実施形態の機能液供給チューブ44は、二重構造を形成することにより機能液32を流動させる内側チューブ45の外部の雰囲気を外気(大気)とは全く異なるものとしている。その結果、外気(大気)の滲入を略完全には防いでいる。
本実施形態の液滴吐出装置1における、外側チューブ46内には、第2の流体としての窒素ガス61が流動している。なお、窒素ガス61は充分に乾燥している。上述したように、内側チューブ45は、外部の雰囲気の滲入を完全には防ぐことは出来ない。しかし、窒素ガス61は不活性ガスであるため、内側チューブ45内を流動する機能液32中に若干滲入しても、該機能液を劣化させることはない。また、充分に乾燥した窒素ガス61を用いることにより、機能液32中に水分が浸入して該機能液を劣化させることも回避できる。
第2の流体としての窒素ガス61は、第2の流体供給チューブ48を介して外側チューブ46内に供給される。外側チューブ46は、機能液タンク40側の端部とキャリッジ11側の端部の双方の端部で第2の流体供給チューブ48と連結している。そして図中の矢印に示す方向、すなわち内側チューブ45内を流動する機能液32の流動方向とは逆の方向に、第2の流体としての窒素ガス61を流動させている。かかる方向は、双方を同一とすることもできる。しかし、キャリッジ11の近傍すなわち機能液32が使用される直前にある状態で、最も乾燥した状態の窒素ガス61を作用させるためには、上述の方向が好ましい。
なお、機能液タンク40は柔軟性を必要としないため、機能液供給チューブ44とは異なり浸透性を全く有しない材料で形成できる。したがって、機能液32が機能液タンク40内に貯蔵されている状態において、該機能液タンクの周囲の雰囲気は特に考慮する必要はない。
図6は、機能液供給チューブ44を含む液滴吐出装置1の機能液32の供給系の概略を示す図である。図6(a)は、該供給系の全体を示す図である。図6(b)は、機能液供給チューブ44の断面を示す図である。図示するように、機能液32の供給系は、機能液供給チューブ44及び第2の流体供給チューブ48の他に、第2の流体供給源としての窒素ガスボンベ62と、MFC(マスフローコントローラ)57と、第1の電磁弁51と、第2の電磁弁52と、圧力計55と、真空ポンプ49と、を備えている。該MFC等は、制御部6と電気的に接続されている。
第2の流体供給チューブ48は、一方の端部が窒素ガスボンベ62と導通しており、もう一方の端部は開口部53となっている。窒素ガスボンベ62と機能液供給チューブ44との間にはMFC57と第1の電磁弁51が配置されており、開口部53の手前側には真空ポンプ49と圧力計55と第2の電磁弁52が配置されている。制御部6は、第2の流体供給チューブ48内の圧力及び該チューブに供給される窒素ガスの量を常に把握している。
第2の流体供給チューブ48内の圧力は、外側チューブ46内の圧力と略同等である。そして、本実施形態の機能液供給チューブ44では、内側チューブ45内の圧力は加圧されておらず、外側チューブ46内の圧力は、大気圧よりも若干低くなるように減圧されている。そして、制御部6は、真空ポンプ49と第2の電磁弁52とを制御することにより、常時一定量の窒素ガス61を、窒素ガスボンベ62とは反対の側にある開口部53から外部に放出しつつ、新しい乾燥した窒素ガス61を、第1の電磁弁51を介して窒素ガスボンベ62から導入している。かかる制御により、第2の流体供給チューブ48と連結している外側チューブ46(図5参照)内には、常時乾燥した窒素ガス61が流動する。したがって、内側チューブ45の外側(外部)の雰囲気は、常に乾燥した窒素ガス61で満たされている。
上述したように、機能液供給チューブ44は柔軟性を確保するためにポリエチレンあるいはテフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂を用いている。これらの材料は若干の浸透性を有しており、外部雰囲気との間でガスが入出することを完全には回避できない。しかし、本実施形態の機能液供給チューブ44であれば、機能液32が流動する内側チューブ45の周囲が、外側チューブ46内を流れる窒素ガスにより窒素雰囲気となっているため、外部からの水分あるいは酸素ガスの滲入が略完全に回避される。したがって、機能液32の吐出対象である素子基板71上に上記水分等による劣化が抑制された機能液32を吐出でき、信頼性及び表示品質の向上した有機EL装置70を製造できる。
また、上述したように、本実施形態の機能液供給チューブ44では、外側チューブ46と内側チューブ45とで、内部を流動する流体の方向が逆である。したがって、内側チューブ45を流動する機能液32は吐出される直前に、周囲を最も新しく不純物を含まない窒素ガスで周囲を囲まれることとなり、より一層劣化が抑制された機能液を吐出できる。
本実施形態の機能液供給チューブ44によれば、機能液32中に一旦滲入した水分及び酸素ガス等を除去する作用も期待できる。図6(b)に、かかる作用を示す。上述したように、内側チューブ45内の圧力は外側チューブ46内の圧力よりも高い。そして、上記双方のチューブは、若干の浸透性を有する材料で形成されている。したがって、機能液32中に滲入した酸素ガス分子68及び水分子69は、分子量が小さいこともあって、内側チューブ45のチューブ壁を通り抜けて、より低い圧力である外側チューブ46内に流出(移行)し得る。そして、一旦外側チューブ46に流出した酸素ガス分子68等は、圧力差もあるため、内側チューブ45内に再び戻る(滲入する)ことは殆んど無い。したがって、かかる効果も含めて、本実施形態の液滴吐出装置1は、該機能液の品質をより一層向上させることができ、液滴吐出装置1により製造される有機EL装置70の品質をより一層向上させることができる。
なお、本実施形態においては外側チューブ46内を流動させる不活性ガスとして窒素ガス61を用いているが、窒素ガスの他にアルゴンガスあるいはヘリウムガスを用いることもできる。双方とも不活性ガスであるため、内側チューブ45内を流動する機能液32の劣化を抑制し、更には、水分等を除去することで該機能液の品質を向上できる。
また、図6(b)に示す外側チューブ46と内側チューブ45との断面は円形であるが、上記双方のチューブの断面は円形に限定されるものではない。また、外側チューブ46の内側及び内側チューブ45の外側の少なくともどちらか一方に突起を形成して、双方のチューブの壁面が接触することを回避してもよい。
また、図6(b)に示す外側チューブ46と内側チューブ45との断面は円形であるが、上記双方のチューブの断面は円形に限定されるものではない。また、外側チューブ46の内側及び内側チューブ45の外側の少なくともどちらか一方に突起を形成して、双方のチューブの壁面が接触することを回避してもよい。
(第2の実施形態)
図7に、第2の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液32の供給系の概略を示す。本実施形態の液滴吐出装置、及び後述する第3〜4の実施形態の液滴吐出装置は、第1の実施形態の液滴吐出装置1と同様に機能液32の供給系に特徴がある。そこで、以下の各実施形態においては、機能液32の供給系のみを示す。また、機能液32の供給系において、第1の実施形態の機能液32の供給系の構成要素と共通する要素には同一の符号を付与し、説明の記載は一部省略する。
図7に、第2の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液32の供給系の概略を示す。本実施形態の液滴吐出装置、及び後述する第3〜4の実施形態の液滴吐出装置は、第1の実施形態の液滴吐出装置1と同様に機能液32の供給系に特徴がある。そこで、以下の各実施形態においては、機能液32の供給系のみを示す。また、機能液32の供給系において、第1の実施形態の機能液32の供給系の構成要素と共通する要素には同一の符号を付与し、説明の記載は一部省略する。
本実施形態の機能液32の供給系は、第1の実施形態の機能液32の供給系と同様に、有機EL装置70の発光機能層77(図1参照)を形成するためのものである。したがって、内側チューブ45内を流動する機能液32は低分子系の有機材料と溶媒とからなる液材である。そして、外側チューブ46内には第2の流体としての乾燥した窒素ガス61(不図示)が流動している。
本実施形態の機能液32の供給系は、窒素ガスの再生器54を備えていることが特徴である。再生器54は、機能液32から窒素ガスに移動した酸素ガス及び水分等を除去して第2の流体を再び乾燥した純粋の窒素ガス61に戻している。したがって、本実施形態の液滴吐出装置の機能液32の供給系は、窒素ガス61を循環して用いることができる。そのため外側チューブ46(図5参照)と第2の流体供給チューブ48とは閉じたループを構成しており、窒素ガスボンベ62等は、第2の流体供給チューブ48から分岐した岐路に形成されている。また、もう一方の岐路の先端には、第2の電磁弁52を介して開口部53が形成されており、必要に応じて窒素ガス61を外部に放出できる。
かかる構成により、本実施形態の機能液32の供給系は、窒素ガスの消費を抑制すると共に、多量の窒素ガスの排気による弊害も抑制しており、設備負担を抑制しつつ機能液32の品質を向上させることができる。
かかる構成により、本実施形態の機能液32の供給系は、窒素ガスの消費を抑制すると共に、多量の窒素ガスの排気による弊害も抑制しており、設備負担を抑制しつつ機能液32の品質を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図8に、第3の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液としてのインク65の供給系等の概略を示す。図8(a)は、インク65の供給系の概略を示す図であり、図8(b)は、内側チューブ45内と外側チューブ46内との間の溶媒分子67の移動を示す図である。
図8に、第3の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液としてのインク65の供給系等の概略を示す。図8(a)は、インク65の供給系の概略を示す図であり、図8(b)は、内側チューブ45内と外側チューブ46内との間の溶媒分子67の移動を示す図である。
本実施形態の液滴吐出装置は、有機EL装置の発光機能層ではなく、カラーフィルタの製造に用いられる装置である。内側チューブ45内を流動する機能液は、カラーフィルタの形成材料を溶媒に分散又させたインク65である。したがって、本実施形態の液滴吐出装置は、機能液タンク40に変わってインクタンク41を備えている。インク65は、具体的には、例えば、ポリウレタン樹脂オリゴマーに無機顔料を分散させた後、低沸点溶媒としてシクロヘキサノン及び酢酸ブチル等に、高沸点溶媒としてブチルカルビトールアセテートを加えたものを用いている。なお、本実施形態及び後述する第4の実施形態においては「機能液」と言う文言を第1の実施形態で用いた、機能層すなわち「正孔注入/輸送層78等の形成材料を含む液」に限定せずに、ステージ7に載置された対象物に吐出する液体を示している。
本実施形態のインク65で問題となることは、溶媒の蒸発による濃度変化である。液滴吐出ヘッド12(図3参照)はインク(機能液)の濃度に関係なく所定の量(体積)の液滴35を対象物に吐出する。したがって、該濃度がばらつくと、溶媒を乾燥除去して得られるカラーフィルタの濃度(透光度)が、該カラーフィルタが備えられる表示装置の表示面内でばらつき、表示品質を劣化させることとなる。そこで、本実施形態のインク65の供給系は、内側チューブ45内を流動するインク65の溶媒成分の蒸発を抑制可能な構成となっている。そして更には、インク65に対して溶媒成分を補充可能な構成となっている。
図8(a)に示すように、本実施形態のインク65の供給系は、第2の実施形態の機能液32の供給系と同様に、外側チューブ46内を流動する第2の流体を循環して用いている。そして、該第2の流体として上述の(シクロヘキサノン等の)インク溶媒を用いている。したがって、窒素ガスボンベ62に替わってインク溶媒ボンベ63を備えている。機能液供給チューブ44の構成も第2の実施形態の機能液32の供給系に略一致するが、内側チューブ45は、第2の実施形態における該チューブに比べて浸透性の高い材料で形成されている。また、外側チューブ46内の圧力は、第1の実施形態の機能液32の供給系とは逆に加圧されている。
図8(b)は、該分子の移動を示す図である。外側チューブ46内の圧力が内側チューブ45内よりも高いため、外側チューブ46内を流動するインク溶媒91に含まれる溶媒分子67が内側チューブ45に滲入する。逆に圧力差により、内側チューブ45内を流動するインク65からの溶媒分子67の蒸発(すなわち外側チューブ46内への移動)は抑制される。その結果、僅かではあるが、インク65には常時溶媒成分(溶媒分子67)が補充される。ここで、内側チューブ45と外側チューブ46との圧力(圧力差)の調整及び内側チューブ45の材質及び厚さの選定により、内側チューブ45内から蒸発等で失われる溶媒成分(溶媒分子67)と、外側チューブ46から侵入する溶媒成分(溶媒分子67)量を釣り合わせることにより、内側チューブ45内を流動するインク65の濃度を一定にできる。したがって、本実施形態のインク65の供給系を用いることにより、製造対象であるカラーフィルタの品質を向上でき、該カラーフィルタを備える表示装置の品質を向上できる。
また、外側チューブ46内を加圧せずに、内側チューブ45内と同様に常圧で用いる態様もある。顔料は粒子形が大きいため、かかる態様においても内側チューブ45内から外側チューブ46内へ移動することは殆んどなく、一方、外側チューブ46内から内側チューブ45内への溶媒分子67の滲入は、外側チューブ46内の圧力と内側チューブ45内の圧力とが等しい場合でもある程度起こり得る。したがって、かかる態様においても、インク65には若干の溶媒成分が補充され、該インクの濃度変化はカラーフィルタの形成に支障がないレベルに保たれる。
(第4の実施形態)
図9に、第4の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液の供給系の概略等を示す。図9(a)は、機能液32の供給系の概略を示す図であり、図9(b)は、内側チューブ45内と外側チューブ46内との間の酸素ガス分子68の移動を示す図である。
図9に、第4の実施形態にかかる液滴吐出装置の、機能液の供給系の概略等を示す。図9(a)は、機能液32の供給系の概略を示す図であり、図9(b)は、内側チューブ45内と外側チューブ46内との間の酸素ガス分子68の移動を示す図である。
本実施形態の液滴吐出装置は、対象物にバイオ材料液66を吐出する装置である。細胞と該細胞の培養液とからなるバイオ材料液66を液滴吐出ヘッド12(図4等参照)から吐出して、実際に生きた細胞を任意に積層することで、立体構造を持つ生きた生体組織を形成する装置である。かかる材料液に酸素ガスを補充すべく、第2の流体として酸素ガス92を用いている。したがって、本実施形態の機能液の供給系は、機能液タンク40に変わってバイオ材料液タンク42を備えており、窒素ガスボンベ62に替わって酸素ガスボンベ64を備えている。
本実施形態の機能液供給チューブ44は、第3の実施形態の該チューブと同様に、内側チューブ45が、浸透性の高い材料で形成されている。また、外側チューブ46内の圧力は、第3の実施形態の該チューブと同様に若干加圧されている。
本実施形態の機能液供給チューブ44は、第3の実施形態の該チューブと同様に、内側チューブ45が、浸透性の高い材料で形成されている。また、外側チューブ46内の圧力は、第3の実施形態の該チューブと同様に若干加圧されている。
図9(b)は、該分子の移動を示す図である。バイオ材料液66を流動する内側チューブ45の外周を第2の流体としての酸素ガス92が流動する外側チューブ46が覆っている。外側チューブ46内の圧力が内側チューブ45内よりも高いため、外側チューブ46内を流動する酸素ガス分子68が内側チューブ45に浸透する。その結果、バイオ材料液66には常時酸素ガス92が補充される。上述の細胞の培養液は、含有する細胞を生きたままに保つ機能を有している。しかし、生きた細胞は常時酸素を消費するため、密封されたチューブ内で長時間放置することは難しい。しかし、本実施形態の機能液供給チューブ44を用いることで、常時新鮮な酸素ガス92を補充できるため、上記細胞を長期間生きた状態に保つことができる。したがって、生体組織の形成をより一層容易に行うことができる。
(変形例)
上述の第1〜4の各実施形態では、第2の流体を1種類とし、該第2の流体の供給源も1種類にしている。しかし、本発明の実施の形態はかかる態様に限定されるものではない。第2の流体として2種類以上の流体を用いる態様も可能である。かかる場合において、2以上の供給源(ボンベ等)を用いて別途外側チューブ46内に導入して、外側チューブ46内で該2種類以上の流体を混合させる態様も可能である。
上述の第1〜4の各実施形態では、第2の流体を1種類とし、該第2の流体の供給源も1種類にしている。しかし、本発明の実施の形態はかかる態様に限定されるものではない。第2の流体として2種類以上の流体を用いる態様も可能である。かかる場合において、2以上の供給源(ボンベ等)を用いて別途外側チューブ46内に導入して、外側チューブ46内で該2種類以上の流体を混合させる態様も可能である。
1…液滴吐出装置、2…X方向駆動モータ、3…Y方向駆動モータ、4…X方向駆動軸、5…Y方向ガイド軸、6…制御部、7…ステージ、8…クリーニング機構部、9…基台、11…キャリッジ、12…液滴吐出ヘッド、13…ノズルプレート、14…ノズル、15…ベース板、17…支持部、18…駆動回路基板、19…ヘッド駆動回路、20…支持部、21…ヘッド取付板、22…ヘッドユニット、23…供給装置、24…第1ケース、25…第2ケース、26…回路基板、27…コネクタ、28…切換回路素子、29…模擬負荷素子、30…供給口、31…キャビティ、32…機能液、33…振動板、34…圧電素子、35…液滴、40…機能液タンク、41…インクタンク、42…バイオ材料液タンク、44…機能液供給チューブ、45…内側チューブ、46…外側チューブ、48…第2の流体供給チューブ、49…真空ポンプ、51…第1の電磁弁、52…第2の電磁弁、53…開口部、54…再生器、55…圧力計、57…MFC、60…第2の流体の供給源、61…第2の流体としての窒素ガス、62…窒素ガスボンベ、63…インク溶媒ボンベ、64…酸素ガスボンベ、65…インク、66…バイオ材料液、67…溶媒分子、68…酸素ガス分子、69…水分子、70…有機EL装置、71…素子基板、72…対向基板、73…TFT、75…陽極、76…反射板、77…発光機能層、77R…赤色発光機能層、77G…緑色発光機能層、77B…青色発光機能層、78…正孔注入/輸送層、79…発光層、80…発光素子、80R…赤色発光素子、80G…緑色発光素子、80B…青色発光素子、81…第1層間絶縁膜、82…第2層間絶縁膜、83…第3層間絶縁膜、84…隔壁、85…陰極、86…封止層、87…接着層、91…インク溶媒、92…酸素ガス。
Claims (9)
- 機能液を収納する機能液タンクと、
前記機能液を対象物に吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記機能液を前記機能液タンクから前記液滴吐出ヘッドへ供給する機能液供給チューブと、
を備える液滴吐出装置であって、
前記機能液供給チューブが、前記機能液が流動する内側チューブと、前記内側チューブの外周を囲むチューブであって前記機能液とは異なる第2の流体が流動する外側チューブと、からなる二重構造を有することを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記第2の流体の流動方向は、前記機能液の流動方向の逆方向であることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置であって、
前記第2の流体は、不活性ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置であって、
前記第2の流体は、乾燥ガスであることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項3又は4に記載の液滴吐出装置であって、
前記外側チューブ内は減圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置であって、
前記内側チューブは、前記第2の流体又は前記第2の流体に含有される物質の少なくとも一部を透過させる材質で形成されていることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項6に記載の液滴吐出装置であって、
前記外側チューブ内は加圧されていることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項6又は7に記載の液滴吐出装置であって、
前記機能液は溶媒と溶質とを含むインクであり、前記第2の流体は前記溶媒を含んでいることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項6又は7に記載の液滴吐出装置であって、
前記機能液はバイオ物質を含有する流体であって、前記第2の流体は酸素、又は酸素を含有する流体であることを特徴とする液滴吐出装置。
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Cited By (1)
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JP2021174861A (ja) * | 2020-04-24 | 2021-11-01 | 東京エレクトロン株式会社 | 二重配管の内部洗浄方法及び処理液供給装置 |
-
2008
- 2008-03-25 JP JP2008077446A patent/JP2009231191A/ja not_active Withdrawn
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JP7378345B2 (ja) | 2020-04-24 | 2023-11-13 | 東京エレクトロン株式会社 | 二重配管の内部洗浄方法及び処理液供給装置 |
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