JP2009230868A - エキシマランプ - Google Patents

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繁樹 藤澤
Yukihiro Morimoto
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Abstract

【課題】 放電空間内においてエキシマ放電を発生させて真空紫外光を放射するエキシマランプにおいて、放電空間に曝される放電容器の内表面領域に紫外線反射膜を形成しても、拡散反射機能の損失による真空紫外光の利用効率の低下が生じる恐れのないエキシマランプを提供すること。
【解決手段】 放電容器2は端面5によって封止され、少なくとも一方の端面5において、当該端面5から放電空間Sの内方に離間した位置に内壁板6が設けられ、内壁板6の少なくとも放電空間Sの中央部側の表面に紫外線反射膜10が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石英ガラスよりなる放電容器を備え、当該放電容器を形成する石英ガラスが介在する状態で一対の電極が設けられてなり、前記放電容器の内部にエキシマ放電を発生させるエキシマランプに関する。
近年、金属、ガラス、その他の材料よりなる被処理体に波長200nm以下の真空紫外光を照射することにより、当該真空紫外光及びこれにより生成されるオゾンの作用によって被処理体を処理する技術、例えば被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理技術や、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術が開発され、実用化されている。
真空紫外光を照射する装置としては、例えば、エキシマ放電によってエキシマ分子を形成し、当該エキシマ分子から放射される、例えば、波長170nm付近の光を利用するエキシマランプを光源として具えてなるものが用いられている。このようなエキシマランプは、より高強度の紫外線を効率よく放射するために多くの試みがなされている。
図6は、エキシマランプ51の構成を示す説明用断面図であって、(a)放電容器52の長手方向に沿った断面を示す横断面図、(b)(a)におけるA−A線断面図である。
特開2007−335350公報に記載によると、エキシマランプ51は、紫外線を透過する合成石英ガラスよりなる放電容器52を備え、この放電容器52の外表面に一対の電極57、58が設けられており、放電容器52の放電空間Sに曝される表面の一部に、紫外線反射膜50が形成されている。紫外線反射膜50としては、シリカ粒子のみからなるもの、および、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子のみからなるものが例示されている。
このエキシマランプ51において、放電容器52に、紫外線反射膜50が形成されていないことにより放電空間S内で発生した紫外線を出射する光出射部59が形成されている。
このような構成のエキシマランプ51によれば、放電容器52の、放電空間Sに曝される表面に、紫外線反射膜50が設けられていることにより、紫外線反射膜50が設けられた領域においては、放電空間S内で発生した紫外線が紫外線反射膜50によって反射されるので、合成石英ガラスに透過することによる減衰が小さくなる。また、紫外線反射膜50によって反射され、光出射部59を構成する領域においてのみ紫外線が石英ガラスを透過して外部に放射されるので、放電空間S内で発生した紫外線を対象物に効率よく照射することができる。しかも、紫外線反射膜50がシリカ粒子を主体として構成されていることによって、合成石英ガラスよりなる放電容器52に対して高い親和性が得られる。
特開2007―335350公報
紫外線反射膜50は、長手方向の両端の端面55の内表面領域にも形成されている。放電容器52は、その内部を気密空間にして放電空間Sを形成しなければならないので、例えば、断面矩形状の筒状形成部材の内表面に紫外線反射膜50を形成し、予め内表面領域に紫外線反射膜50が形成された端面形成部材を所定位置に配置し、外側から加熱して溶融封止することによって製作される。したがって、端面形成部材と筒状形成部材との溶着部分は、紫外線反射膜50が形成された後に高温に加熱されることになる。
紫外線反射膜50は微小粒子により構成されており、特にシリカ粒子は高温にさらされると溶融し、粒界が消失してしまう。紫外線反射膜50は、微小粒子の表面で真空紫外光を反射、屈折させることによって拡散反射させるものである。したがって、端面形成部材と筒状形成部材とを溶融封止する際に、加熱により粒界が消失して紫外線反射膜50の拡散反射させる機能を失う恐れがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、放電空間内においてエキシマ放電を発生させて真空紫外光を放射するエキシマランプにおいて、放電空間に曝される放電容器の内表面領域に紫外線反射膜を形成しても、拡散反射機能の損失による真空紫外光の利用効率の低下が生じる恐れのないエキシマランプを提供することを目的とする。
本願第1の発明は、放電空間を有するシリカガラスよりなる放電容器を備え、前記放電容器の放電空間に曝される表面に紫外線反射膜が形成され、当該放電容器を形成するシリカガラスが介在する状態で一対の電極が設けられると共に、放電空間内にキセノンガスが封入されてなり、前記放電空間においてエキシマ放電を発生させるエキシマランプにおいて、前記放電容器は端面によって封止され、少なくとも一方の端面において、当該端面から放電空間の内方に離間した位置に内壁板が設けられ、前記内壁板の少なくとも放電空間の中央部側の表面に紫外線反射膜が形成されていることを特徴とする。
また、本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記放電容器は、内側管と外側管とが同軸方向に配置された二重管構造の石英ガラスよりなり、表面に紫外線反射膜が形成された支持板が前記放電空間に設けられていることを特徴とする。
また、本願第3の発明は、本願第1の発明または第2の発明において、前記紫外線反射膜は、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成されることを特徴とする。
また、本願第4の発明は、本願第3の発明において、前記紫外線散乱粒子には、アルミナ粒子が含まれることを特徴とする。
本願第1の発明に係るエキシマランプによれば、放電容器は端面によって封止され、当該端面から放電空間の内方に離間した位置に、表面に紫外線反射膜が形成されている内壁板が設けられていることによって、内部に気密な放電空間を形成するために端面が加熱溶融されて封止するので、内壁板は加熱されない。そのため、内壁板の表面に形成された紫外線反射膜の拡散反射させる機能は、加熱による損失がない。したがって、管軸方向に進む真空紫外光も内壁板の表面に形成された紫外線反射膜によって有効に利用でき、放電空間で発生する真空紫外光の利用効率が高まる。
また、本願第2の発明に係るエキシマランプによれば、二重管構造の石英ガラスよりなる放電容器を備え、表面に紫外線反射膜が形成された支持板が放電空間に設けられることによって、内側管のたわみを抑制するとともに、支持板の表面に形成された紫外線反射膜により管軸方向における放射照度の均一性の低下を抑制することができる。
また、本願第3の発明に係るエキシマランプによれば紫外線反射膜がシリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成されていることによって、合成石英ガラスよりなる放電容器に対して高い親和性が得られる。
また、本願第4の発明に係るエキシマランプによれば、紫外線反射膜にアルミナ粒子を含むことにより、互いに隣接するシリカ粒子とアルミナ粒子とが粒子同士で結合されることが防止されて粒界が維持され、紫外線反射膜の反射率の低下を抑制することができる。
第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態におけるエキシマランプ1の構成を示す説明用断面図あって、(a)放電容器2の長手方向に沿った断面を示す横断面図、(b)(a)におけるA−A線断面図である。
第1の実施形態に示すエキシマランプ1は、両端が封止されて内部に放電空間Sが形成された、断面矩形状で中空長尺状の放電容器2を有する。放電容器2は、真空紫外光を良好に透過する合成石英ガラスにより構成され、放電用ガスとしてキセノンガスが放電空間Sに封入されている。ここに、キセノンガスは、常温において圧力が例えば10〜60kPa(100〜600mbar)の範囲内となる封入量とされる。
放電容器2は、長尺状の板ガラスよりなる長辺面3a、3bが互いに向かい合うように配置され、長辺面3aと長辺面3bとをつなぐ短辺面4a、4bにより断面矩形状の管が形成される。長手方向の両端は、端面5a、5bにより閉じられ、放電空間Sの内部を気密空間としている。放電容器2は、例えば、長手方向の長さが800〜1600mmであり、320〜640cmの放電空間Sを有している。
また、端面5a、5bから5mm〜50mm放電空間Sの内方に離間した位置に内壁板6が設けられている。板状の内壁板6は、放電容器2に溶着されて固定されているが、少なくとも内壁板6の側面の一部において溶着されておらず、内壁板6と放電容器2との間には隙間が存在する。
放電容器2における長辺面3a、3bの外表面には、一対の格子状の電極7、8が長尺な方向に伸びるよう対向して形成される。長辺面3aの外表面には高電圧給電電極として機能する一方の電極7が配置され、長辺面3bの外表面には接地電極として機能する他方の電極8が配置される。これにより、一対の電極7、8間に誘電体として機能する合成石英ガラスよりなる放電容器2が介在された状態とされている。このような電極7、8は、例えば、金属よりなる電極材料を放電容器2にペースト塗布することにより、あるいは、プリント印刷することによって形成することができる。
このエキシマランプ1は、一方の電極7に点灯電力が供給されると、誘電体として機能する放電容器2の壁を介して両電極7、8間に放電が生成され、これにより、エキシマ分子が形成されると共にこのエキシマ分子から真空紫外光が放射されるエキシマ放電が生じる。放電用ガスとしてキセノンガスを用いた場合は、波長172nmにピークを有する真空紫外線が放出される。
上記エキシマランプ1においては、エキシマ放電によって発生する真空紫外光を効率良く利用するために、放電容器2の放電空間Sに曝される表面に、紫外線散乱粒子よりなる紫外線反射膜10が設けられている。具体的には、放電容器2における長辺面3aの高電圧給電電極として機能する一方の電極7に対応する内表面領域と、この領域に連続する短辺面4a、4bの内表面領域とにわたって紫外線反射膜10が形成されている。さらに、内壁板6の放電空間Sの中央部側の表面にも紫外線反射膜10が設けられている。放電容器2の放電空間Sに曝される表面を構成する6面のうち、5面の内表面領域に紫外線反射膜10が形成されている。
一方、放電容器2における長辺面3bの、接地電極として機能する他方の電極8に対応する内表面領域において紫外線反射膜10が形成されていないことによって光出射部9が構成されている。なお、長辺面3bの電極8が形成されていない端部の内表面領域にも紫外線反射膜10を形成することによって、反射効率を高めることができる。
紫外線反射膜10は、それ自体が高い屈折率を有する真空紫外光透過性を有するセラミックスよりなる微小粒子、詳しくは、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成される。紫外線散乱粒子をセラミックスにより構成することにより、紫外線反射膜10から発生する不純ガスの量を低減し、また、放電に耐えられる特性を有する。この紫外線散乱粒子に到達した真空紫外光の一部が粒子の表面で反射されると共に他の一部が屈折して粒子の内部に入射され、さらに、粒子の内部に入射される光の多くが透過され(一部が吸収)、再び、出射される際に屈折される。このような反射、屈折が繰り返し起こる「拡散反射(散乱反射)」をさせる機能を有する。
紫外線反射膜10を構成する紫外線散乱粒子として、例えば合成石英ガラスを粉末状に細かい粒子としたシリカ粒子などが用いられる。シリカ粒子は、合成石英ガラスより構成され、粒子径が例えば0.01〜20μmの範囲内にあるものであって、中心粒径(数平均粒子径のピーク値)が、例えば0.1〜10μmであるものが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmであるものである。また、紫外線反射膜10に含まれるシリカ粒子の粒径の分布は広範に広がらない方が好ましく、粒径が中心粒径の値となるシリカ粒子が半数以上となるように選別されたシリカ粒子を用いることが好ましい。
紫外線散乱粒子を構成するシリカ粒子が一部溶融すること等によって、紫外線反射膜10を放電容器2に付着させている。一般に、線膨張係数の値が等しいまたは近似するものは、接着しやすいという性質がある。シリカ粒子は、石英ガラスよりなる放電容器2と線膨張係数の値が等しいため、放電容器2との接着力を高める機能を有する。
一方、シリカ粒子はエキシマランプ1の放電空間Sにおいて発生するプラズマの熱によって溶融し、粒界が消失されて、真空紫外光を拡散反射させることができなくなって反射率が低下することがある。紫外線散乱粒子として、シリカ粒子だけでなくアルミナ粒子も含むことにより、プラズマによる熱にさらされた場合であっても、シリカ粒子より高い融点を有するアルミナ粒子は溶融しないため、互いに隣接するシリカ粒子とアルミナ粒子とが粒子同士で結合されることが防止されて粒界が維持され、紫外線反射膜10の反射率の低下を抑制することができる。
アルミナ粒子は、粒子径が例えば0.1〜10μmの範囲内にあるものであって、中心粒径(数平均粒子径のピーク値)が、例えば0.1〜3μmであるものが好ましく、より好ましくは0.3〜1μmであるものである。また、紫外線反射膜10に含まれるアルミナ粒子の粒径の分布は広範に広がらない方が好ましく、粒径が中心粒径の値となるアルミナ粒子が半数以上となるように選別されたアルミナ粒子を用いることが好ましい。
図2は、放電容器2の成形方法を示す説明用断面図である。
直尺で断面矩形状の筒状形成部材13には、長手方向の端部に内壁板形成部材14が形成されている。4面を有する筒状形成部材13の少なくとも1面において、内壁板形成部材14との間に隙間ができるように、内壁板形成部材14が筒状形成部材13に固定されている。内壁板形成部材14を筒状形成部材13に固定した後、コート液を流し込んで紫外線反射膜10を内表面領域に形成する。
内壁板形成部材14と筒状形成部材13との間には隙間が存在するので、筒状形成部材13の長手方向の端部からコート液を流し込むことにより、内壁板形成部材14と筒状形成部材13との隙間からコート液が筒状形成部材13の中央部に入り、内表面領域に満たすことができる。筒状形成部材13の側面を形成する4面のうち3面の内表面領域に紫外線反射膜10が形成され、内壁板形成部材14の筒状形成部材13の中央部側の表面にも紫外線反射膜10が形成されている。
予め、紫外線反射膜10が形成された状態の筒状形成部材13の端部に、端面形成部材15を配置する。筒状形成部材13と端面形成部材15との当接部分が、図に示す矢印の方向からバーナーで加熱され、溶融封止される。端面形成部材15によって筒状形成部材13を封止し、内部に放電空間Sを形成する。筒状形成部材13および端面形成部材15は、その構成材料である合成石英ガラスが溶融する程度、すなわち、1000℃程度まで加熱される。したがって、筒状管形成部材13や端面形成部材15の当接部分の近傍に紫外線反射膜20が形成されている場合は、紫外線反射膜20を構成するシリカ粒子も溶融して、粒界が消失して拡散反射させる機能を失う恐れがある。
しかしながら、図1に示すように、放電容器2の長手方向端部は電極7、8も形成されておらず、真空紫外光が放射される発光部分は、放電空間Sの中央側になる。したがって、放電容器2の端部において紫外線反射膜10の拡散反射させる機能を失っても、元々真空紫外光が当たらない部分なので、紫外線反射膜10によって高められた真空紫外光の利用効率は維持され、エキシマランプ1から放射される真空紫外光の放射強度は低下しない。
さらに、内壁板6の表面、特に、放電空間Sの中央部側の表面に紫外線反射膜10が形成されているため、放電容器2の管軸方向に進む真空紫外光は、内壁板6の表面に形成された紫外線反射膜10によって拡散反射される。放電容器2の端部から外へ向かう方向に進む真空紫外光を、内壁板6の表面に形成された紫外線反射膜10によって放電空間Sの中央側に留め、紫外線反射膜10を形成したとしても拡散反射機能が失われる溶融封止部分には、真空紫外光がより効果的に当たらないようにすることができる。
しかも、溶融封止することによって内部に気密な放電空間Sを形成しても、筒状形成部材13と端面形成部材15との溶着部分が加熱溶融されて封止するので、内壁板形成部材14は加熱されない。そのため、内壁板6の表面に形成された紫外線反射膜10の拡散反射させる機能は、加熱による損失がない。したがって、管軸方向に進む真空紫外光も内壁板6の表面に形成された紫外線反射膜10によって有効に利用でき、放電空間Sで発生する真空紫外光の利用効率が高まる。
なお、第1の実施形態においては、紫外線反射膜10を形成した後、放電容器2の両方の端部で端面5a、5bを溶着して気密な放電空間Sを形成しているが、放電容器2の一方の端部でのみ端面5bを溶着することができる。例えば、一方の端面形成部材15が溶着された有底筒状の筒状形成部材13の内表面領域に、一方の端面形成部材15の内表面領域も含めて紫外線反射膜10を形成し、その後、他方の端面形成部材15を溶融封止する。
このように成形すれば、先に溶着された一方の端面形成部材15は紫外線反射膜10が形成された後に加熱されないので、紫外線反射膜10に加熱による損失が生じない。したがって、他方の端部においてのみ内壁板6を形成してその表面に紫外線反射膜10を形成する場合でも、管軸方向に進む真空紫外光を紫外線反射膜10によって有効に拡散反射でき、放電空間Sで発生する真空紫外光の利用効率が高められる。
第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態におけるエキシマランプ21の構成を示す説明用断面図であって、(a)放電容器22の長手方向に沿った断面を示す横断面図、(b)(a)におけるA−A線断面図である。
エキシマランプ21は、円筒状の外側管23と円筒状の内側管24とよりなる放電容器22を有する。放電容器22は、真空紫外光を良好に透過する合成石英ガラスより構成され、例えば、管軸方向の長さが800〜1600mmであり、外側管23の直径が25〜40mmであり、内側管24の直径が15〜30mmとなっている。
内側管24の直径は外側管23の直径より小さくなるように構成されており、外側管23の内部に内側管24が配置されている。外側管23の管軸に沿って内側管24が配置されるので、放電容器22は外側管23と内側管24とが同軸方向に配置された二重管構造となっている。外側管23の端部と内側管24の端部とを溶着することによって端面25が形成され、外側管23の内周面23aと内側管24の外周面24bとの間が気密空間となり、放電容器22の内部に気密に閉塞された環状の放電空間Sが形成されている。
放電容器22の管軸に対して垂直方向に、端面25から5mm〜50mm放電空間Sの内方に離間した位置に内壁板26が設けられている。リング状の内壁板26は、内側管24の外周面24bに溶着されて固定されているが、外側管23の内周面23aには溶着されておらず、内壁板26と外側管23との間には隙間が存在する。
外側管23には、外周面23bに密接して、例えば金網などの導電性材料よりなる網状の外側電極27が設けられる。外側電極27は、金属線をシームレスに円筒状に編んだものの中に放電容器22を挿入したもので、網状の形状をなし、網目の間から光を放射することができる。
内側管24には、内周面24aに密接して、例えばアルミニウムよりなる、パイプ状の内側電極28が設けられている。内側電極28は、内側管24の管軸方向に沿って形成されるが、管軸方向両端から約20mmの範囲においては内側電極28が設けられていないクリアランスが形成されている。なお、内側電極28は、断面において一部に切り欠きを有する概略C字状(樋状)であってもよい。
外側電極27と内側電極28とは、放電容器22を構成する石英ガラスを挟んで、互いに向かい合うように配置されている。このように構成することにより、放電容器22を構成する石英ガラスが誘電体としての機能も果たしている。また、放電容器22の放電空間Sには、放電用ガスとして、キセノンガスが封入されている。
外側電極27と内側電極28との間に高周波高電圧が供給されると、誘電体として機能する石英ガラスよりなる放電容器22を介在させて両電極間に放電が生成される。周囲の部材への漏電防止のため、エキシマランプ21の外部に露出して配置される外側電極27を接地電極とし、エキシマランプ21の内部に配置される内側電極28を高電圧供給電極とすることが好ましい。
放電空間Sには放電用ガスが封入されているので、外側電極27と内側電極28との間の放電によってエキシマ分子を形成するとともに、このエキシマ分子から真空紫外光が放射されるエキシマ放電が生じる。
上記エキシマランプ21は、エキシマ放電によって発生する真空紫外光を効率良く利用するために、放電容器22の放電空間Sに曝される表面に、紫外線散乱粒子よりなる紫外線反射膜20が設けられている。一方、外側管23は、紫外線反射膜20が形成されていないことによって、放電空間Sで生じた真空紫外線を放電容器22の外部に照射するための光出射部29が構成されている。なお、外側管23の内周面23aまたは外周面23bの一部に紫外線反射膜20を形成して、真空紫外光の利用効率を高めることもできる。
放電容器22の管軸に対して垂直方向に形成された表面のうち、内壁板26の表面には紫外線反射膜20が形成されている。放電空間Sの内部に発生する真空紫外光を拡散反射して有効利用するために、特に、内壁板26の放電空間Sの中央部側の表面に紫外線反射膜20が形成されていることが好ましい。
一方の端部において、端面25と内壁板26との間にゲッター31が配置されている。ゲッター31は、例えば、アルミニウムとジルコニウムとの合金よりなり、放電空間Sの内部に存在する不純ガス、例えば酸素、水素、一酸化炭素、水などを吸着する機能を有する。ゲッター31を配置することにより、不純ガスによる放射強度の低下を抑制する効果がある。
図4は、放電容器22の成形方法を示す説明用断面図であって、(a)内側管形成部材34を示す断面図、(b)端面形成部材35と外側管形成部材33とを溶融封止する状態を示す断面図である。
図4(a)に示すように、内側管形成部材34の端部には、外表面から周方向外方に突出するように、リング状の端面形成部材35と内壁板形成部材36とが形成されている。詳しくは、円筒状の内側管形成部材34をバーナーで加熱して変形させることにより端面形成部材35が成形されている。このように成形することによって、内側管形成部材34と端面形成部材35との間に隙間が生じることがなく、気密な放電空間Sを形成しやすくしている。また、リング状の内壁板形成部材36は、内側管形成部材34に挿通されて所定位置で溶着されている。内壁板形成部材36と内側管形成部材34との接合部は外部から加熱しにくい形状であるが、内壁板形成部材36は内側管形成部材34に固定されていれば良く、気密に接続する必要はないので、一部に未溶着部分があっても許容できる。
なお、端面形成部材35と内壁板形成部材36とを外側管形成部材33に溶着させて構成することもできるが、組立工程を考慮すると、上述のように内側管形成部材34に溶着させる方が好ましい。内側管形成部材34に端面形成部材35と内壁板形成部材36とが形成された状態で、外側管形成部材33の内部に挿入し、両者を端部で接合することになるので、内側管形成部材34に端面形成部材35と内壁板形成部材36とが固定されている方が、外側管形成部材33の内部への挿入がスムーズに行われるからである。
図4(b)に示すように、端面形成部材35と内壁板形成部材36とが形成された内側管形成部材34について、内側管形成部材34の外周面と内壁板形成部材36の表面に紫外線反射膜20が形成されている。また、必要に応じて、外側管形成部材33の内周面又は外周面、並びに、端面形成部材35の表面にも紫外線反射膜を形成することができる。
予め、必要な領域に紫外線反射膜20が形成された状態で、端面形成部材35と内壁板形成部材36とが形成された内側管形成部材34が、外側管形成部材33の内部に挿入されている。
外側管形成部材33と端面形成部材35との当接部分が、図に示す矢印の方向からバーナーで加熱され、溶融封止される。外側管形成部材33および端面形成部材35の構成材料である合成石英ガラスが溶融する程度、すなわち、1000℃程度まで加熱される。
しかし、溶融封止することによって内部に気密な放電空間Sを形成しても、外側管23と端面25との溶着部分が加熱溶融されて封止するので、内壁板26は加熱されない。そのため、内壁板26の表面に形成された紫外線反射膜20の拡散反射させる機能は、加熱による損失がない。したがって、管軸方向に進む真空紫外光も内壁板26の表面に形成された紫外線反射膜20によって有効に利用でき、放電空間Sで発生する真空紫外光の利用効率が高まる。
第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態におけるエキシマランプ21の構成を示す説明用断面図である。
第3の実施形態に示すエキシマランプ21は、一方の端部のみが封止されてリング状の端面25を形成し、他方の端部は、外側管23を閉じる円盤状の外壁部37と内側管24を閉じる円盤状の内壁部38が形成されたコ字状となる二重管構造の放電容器22を有する。放電容器22は、一方の端部において、外側管23と内側管24とが端面25によって接合されているが、他方の端部において、外側管23が外壁部37に閉じられ、内側管24が内壁部38に閉じられ、外側管23と内側管24とが連接されていない。
放電容器22の管軸に対して垂直方向に、端面25から5mm〜50mm放電空間Sの内方に離間した位置に内壁板26が設けられている。リング状の内壁板26は、内側管24の外周面24bに溶着されて固定されているが、外側管23の内周面23aには溶着されておらず、内壁板26と外側管23との間には隙間が存在する。
放電空間Sにおいて、対向する外側管23と内側管24との間にリング状の支持板39が複数設けられている。放電容器22が軸方向に長い長尺状のエキシマランプ21において、端部でのみ固定されている内側管24がたわむことがある。しかし、内側管24がたわんでも支持板39によって支持されるので、一定以上に内側管24がたわむことがない。したがって、内側管24がたわむことによる端面25への応力集中を低減し、放電容器22の破損を防止することができる。
支持板39は、内側管24の外周面24bに溶着されて固定されているが、外側管23の内周面23aには溶着されておらず、内壁板26と外側管23との間には隙間が存在する。なお、支持板39を外側管23に溶着させて構成することもできるが、組立工程を考慮すると内側管24に溶着させる方が好ましい。
外側管23には、外周面23bに密接して外側電極27が設けられ、内側管24には、内周面24aに密接して内側電極28が設けられている。外側電極27と内側電極28とは、放電容器22を構成する石英ガラスを挟んで、互いに向かい合うように配置されている。また、放電容器22の放電空間Sには、放電用ガスとして、キセノンガスが封入されている。外側電極27と内側電極28との間に高周波高電圧が供給されると、真空紫外光が放射されるエキシマ放電が生じる。
内側管24の外周面24b、内壁板26の放電空間Sの中央部側の表面、および、支持板39の表面に、紫外線散乱粒子よりなる紫外線反射膜20が設けられている。溶融封止することによって内部に気密な放電空間Sを形成しても、外側管23と端面25との溶着部分が加熱溶融されて封止するので、内壁板26は加熱されない。そのため、内壁板26の表面に形成された紫外線反射膜20の拡散反射させる機能は、加熱による損失がない。したがって、管軸方向に進む真空紫外光も内壁板26の表面に形成された紫外線反射膜20によって有効に利用でき、放電空間Sで発生する真空紫外光の利用効率が高まる。
支持板39が配置されている部分では放電が形成されず、加えて、支持板39が光出射部29の影になり、放射光量が低下することが問題になる。しかし、支持板39の表面に形成された紫外線反射膜20が他の発光部分からの光を拡散反射することにより、支持板39の直下における放射光量を補う。支持板39を配置することにより内側管24のたわみを抑制するとともに、支持板39の表面に紫外線反射膜20を形成することにより管軸方向における放射照度の均一性の低下を抑制することができる。
本発明のエキシマランプの構成を示す説明用断面図 本発明の放電容器の成形方法を示す説明用断面図 本発明のエキシマランプの構成を示す説明用断面図 本発明の放電容器の成形方法を示す説明用断面図 本発明のエキシマランプの構成を示す説明用断面図 従来のエキシマランプの構成を示す説明用断面図
符号の説明
1 エキシマランプ
2 放電容器
3a、3b 長辺面
4a、4b 短辺面
5a、5b 端面
6 内壁板
7、8 電極
9 光出射窓
10 紫外線反射膜

Claims (4)

  1. 放電空間を有するシリカガラスよりなる放電容器を備え、前記放電容器の放電空間に曝される表面に紫外線反射膜が形成され、当該放電容器を形成するシリカガラスが介在する状態で一対の電極が設けられると共に、放電空間内にキセノンガスが封入されてなり、前記放電空間においてエキシマ放電を発生させるエキシマランプにおいて、
    前記放電容器は端面によって封止され、少なくとも一方の端面において、当該端面から放電空間の内方に離間した位置に内壁板が設けられ、前記内壁板の少なくとも放電空間の中央部側の表面に紫外線反射膜が形成されていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 前記放電容器は、内側管と外側管とが同軸方向に配置された二重管構造の石英ガラスよりなり、表面に紫外線反射膜が形成された支持板が前記放電空間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ。
  3. 前記紫外線反射膜は、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエキシマランプ。
  4. 前記紫外線散乱粒子には、アルミナ粒子が含まれることを特徴とする請求項3に記載のエキシマランプ。
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