JP2009229636A - コントローラのシールド構造及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールド性とユーザー保守性とを両立することができるコントローラのシールド構造及びこれを備えた画像形成装置を簡易な構成で安価に提供する。
【解決手段】その内部へのアクセスを可能とする保守用の開口部121を有する金属製のケーシング120と、ケーシング120の開口部121に対してスライド可能に取り付けられたシールドカバー120Cとを備え、ケーシング120又はシールドカバー120Cのいずれか一方には、開口部121の周辺に対応する領域に沿って、複数の金属製の突起部123Pが一体に形成されており、一方、ケーシング120又はシールドカバー120Cのいずれか他方には、複数の突起部123Pとの係合を可能とすると共に、弾性変位可能に形成された係合部125Dが一体に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】その内部へのアクセスを可能とする保守用の開口部121を有する金属製のケーシング120と、ケーシング120の開口部121に対してスライド可能に取り付けられたシールドカバー120Cとを備え、ケーシング120又はシールドカバー120Cのいずれか一方には、開口部121の周辺に対応する領域に沿って、複数の金属製の突起部123Pが一体に形成されており、一方、ケーシング120又はシールドカバー120Cのいずれか他方には、複数の突起部123Pとの係合を可能とすると共に、弾性変位可能に形成された係合部125Dが一体に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、コントローラのシールド構造の改良及びこれを備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式などを採用してフルカラーや白黒の画像等を形成する画像形成装置が種々知られている。
一般に、このような画像形成装置は、内蔵する各種構成機器の動作等を制御する制御用コントローラを備えており、かかる制御用コントローラにおいては、例えば、ユーザーがその内部に収容された制御基板等の保守を可能としつつ、そのシールド性を確保する構造が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
ここで、特許文献1には、蓋と係合する上側突起と、蓋の下面を位置決めする下側突起とをケーシング本体に設け、ケーシング本体と蓋とを半田付けすることなく両者を固定するシールド構造を有するノイズフィルタ用ケーシングが開示されている。
また、特許文献2には、制御基板をシールドする金属ケーシングのスライドボードの挿抜方向と平行に複数の切り起こしガイド部材を設け、当該ガイド部材とスライドボードのグランドパターンとを接触させ、組立作業性及びシールド性の向上を図った制御基板の実装構造が開示されている。
本発明の目的とするところは、そのシールド性とユーザー保守性とを両立することができるコントローラのシールド構造及びこれを備えた画像形成装置を簡易な構成で安価に提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のコントローラのシールド構造は、その内部へのアクセスを可能とする保守用の開口部を有する金属製のケーシングと、前記ケーシングの開口部に対してスライド可能に取り付けられたシールドカバーとを備え、前記ケーシング又はシールドカバーのいずれか一方には、前記開口部の周辺に対応する領域に沿って、複数の金属製の突起部が一体に形成されており、一方、前記ケーシング又はシールドカバーのいずれか他方には、該複数の突起部との係合を可能とすると共に、弾性変位可能に形成された係合部が一体に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載のコントローラのシールド構造は、請求項1に記載の構成において、前記係合部は、前記突起部に対向する対向面と一体に形成された略方形の金属片であり、該金属片のそれぞれは、その3辺の周囲が切り欠かれていると共に、前記突起部の表面と少なくとも複数の点で接触するような係合孔を有していることを特徴とするものである。
請求項3に記載のコントローラのシールド構造は、請求項2に記載の構成において、前記突起部のそれぞれは、その突設高さが略均等であると共に、その表面が略球状に形成されており、互いにその径が異なる第1の突起部と第2の突起部とから構成され、前記第2の突起部の径は、前記第1の突起部の径よりも大きく設定されており、かつ、前記係合部の係合孔は、前記第1の突起部に対応する係合部の接触圧が、前記第2の突起部に対応する係合部の接触圧よりも大きくなるように、それぞれの係合孔の径が設定されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載のコントローラのシールド構造は、請求項3に記載の構成において、前記第1の突起部と第2の突起部とは、略均等な配列間隔で交互に配設されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載のコントローラのシールド構造は、請求項1ないし4のいずれかに記載の構成において、前記配列間隔は、シールドする電波の波長の1/4以下であることを特徴とするものである。
請求項6に記載のコントローラのシールド構造は、請求項1ないし5のいずれかに記載の構成において、スライド方向と略直交する前記シールドカバーの対向辺には、前記ケーシングに対する固定を可能とする金属製の固定部材が配設されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載のコントローラのシールド構造は、請求項1ないし6のいずれかに記載の構成において、前記突起部は、前記ケーシングの開口部周辺に設けられていると共に、前記係合部は、前記シールドカバーに設けられており、かつ、前記シールドカバーの係合部の接続方向先端側には、凹部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1ないし7のいずれかに記載のコントローラのシールド構造を有することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、コントローラのケーシング又はシールドカバーのいずれか一方と一体に形成された突起部とケーシング又はシールドカバーのいずれか他方と一体に形成された係合部とにより、ケーシングとシールドカバーとの安定した導通性を確保してシールド性を向上させると共に、シールド部材として別部材を設ける構成に比し、部品点数の削減によるコストダウンに寄与することができる。また、弾性変位可能な係合部により、シールドカバーを着脱する際の操作力の低減を図って作業性を向上させると共に、突起部に対して接触圧を付与してケーシングとシールドカバーとのより安定した接触を確保することができる。併せて、スライド方式のシールドカバーを採用することにより、突起部や係合部に形成された錆や表面皮膜を着脱の際に削り取って、より安定した導通性の確保に寄与することができる。
請求項2に記載の発明によれば、シールドカバーを着脱する際の操作力の低減を図って作業性を向上させると共に、突起部に対して接触圧を付与してケーシングとシールドカバーとの安定した接触を確保することができる弾性変位可能な係合部を簡易な構成で容易に実現することができる。また、突起部の設置数以上の導通点を確保することができ、導通性の確実な向上に寄与することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の突起部とこれに対応する係合孔とで安定した導通性を確保すると共に、第2の突起部とこれに対応する係合孔とで保守等でシールドカバーを着脱する際の操作力を低減して良好な作業性を確保しつつ導通性の確保を補完することができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の突起部とこれに対応する係合孔とによる確実な導通性の確保と、第2の突起部とこれに対応する係合孔とによる作業性の向上及び導通性の補完をバランスよく実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、漏洩電波のエネルギーを抑制することができ、シールド性の向上に寄与することができる。
請求項6に記載の発明によれば、シールドカバーの脱落を防止してケーシングとの確実な接続を可能とすると共に、突起部と係合部との非接触が特に問題となるスライド方向のカバーの反りを効果的に矯正し、コントーラの枠面とシールドカバーの内面とを面接触し易くし、安定した導通性の確保に寄与することができる。
請求項7に記載の発明によれば、シールドカバーをスライド操作する際に、突起部との引っ掛かりを回避して、スライド操作の円滑化に寄与することができる。
請求項8に記載の発明によれば、本発明に係るコントローラのシールド構造を画像形成装置に好適に適用することができる。
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明が適用可能な画像形成装置の一実施形態の概略構成について、図1を参照して説明する。ここで、図1は本発明が適用可能なタンデム型カラー画像形成装置の概略構成図である。
本実施の形態に係る画像形成装置は、例えば、原稿読取装置により読み取られたカラー原稿のカラー画像情報、図示しないパーソナルコンピュータや画像データ入力装置等から送られてくるカラー画像情報等が入力され、入力された画像情報に対して画像処理が行われるようになっている。
図1において、1はタンデム型のデジタルカラー画像形成装置の本体を示すものであり、本体1の上部に、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8,9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理用コントローラ12に送られ、この画像処理用コントローラ12では、原稿2の反射率データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、本実施の形態において、画像処理用コントローラ12は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうと共に、例えば、機能拡張に伴うメモリ増設等の際に、不図示の保守用カバーを開閉することによりユーザーがその内部にアクセスできるようになっている。
そして、上記の如く画像処理用コントローラ12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理用コントローラ12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の原稿再現色材階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13KのROS(Raster Output Scanner)14に送られ、露光手段であるROS14では、所定の色の原稿再現色材階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置では、各々色の異なるトナー像を形成する複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kを並列的に配置するとともに、この複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの上部にわたって、当該複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kで形成された各色のトナー像が転写されるベルト状の中間転写体25を配置し、さらに複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの下方に、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの像担持体15Y,15M,15C,15Kに画像の書き込みを行なう画像書込手段14Y,14M,14C,14Kを配置するように構成されている。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応する4つの画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、複数の張架ロールにより張架された無端状の中間転写ベルト25の進行方向に沿って水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されており、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。なお、これらの各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、全て同様に構成されているため、以下、各構成機器の符号は総称表記(例えば、感光ドラム15)とする。
各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、大別して、所定の速度(例えば、200mm/sec)で回転駆動される像担持体としての感光ドラム15と、この感光ドラム15の表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電ロール16と、当該感光ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光手段としてのROS14と、感光ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、感光ドラム15の表面を清掃するクリーニング手段としてのドラムクリーニング装置18等とから構成されている。なお、本実施の形態において、感光ドラム15とその周辺に配置される各構成機器は、一体的にユニット化されており本体1から個別に交換可能に構成されている。
本実施の形態において、ROS14は、4つの画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kを階調データに応じて照射するように構成されている。なお、上記ROS14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成してもよい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、図示しないf−θレンズを介してポリゴンミラー19に照射され、このポリゴンミラー19によって偏向走査される。上記ポリゴンミラー19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、感光ドラム15上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
本実施の形態において、上記ROS14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されていると共に、当該フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kを、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの感光ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y,21M,21C,21Kが設けられている。
上記画像処理用コントローラ12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kに共通して設けられたROS14に、各色の画像データが順次出力され、このROS14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、対応する感光ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光ドラム15上に形成された静電潜像は、現像装置17によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの感光ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの上方にわたって配置された転写ユニット22の中間転写ベルト(ベルト状の中間転写体)25上に、4つの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kによって順次多重に転写される。これらの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kは、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの感光ドラム15に対応した中間転写ベルト25の裏面側に配設されている。ここで、各一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kは、所望の体積抵抗値に調整されており、これらの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kには、不図示の転写バイアス電源が接続されており、所定のトナー極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)の転写バイアスが所定のタイミングで印加されるようになっている。
また、上記中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、テンションロール24と、バックアップロール28との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25は、例えば、チャージアップを起こさないべルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、当該中間転写ベルト25の側面に配置されたバックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び静電吸引力により記録媒体としての記録用紙P上に二次転写され、これら各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、上方に位置する定着装置30へと搬送される。上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙P上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。
上記記録用紙Pは、装置本体1の内部に配設された給紙装置34から、所定のサイズのものが、ナジャーロール35及び用紙分離搬送用のフィードロール36により、1枚ずつ分離された状態で用紙搬送路37に設けられたレジストロール38まで一旦搬送され停止される。上記給紙装置34から供給された記録用紙Pは、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
なお、本実施の形態に係るデジタルカラー画像形成装置において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙Pを、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた不図示の搬送用ローラ対により、記録用紙Pの表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該記録用紙Pの裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。なお、図中,44Y,44M,44C,44Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光ドラム15を備えており、これらの感光ドラム15の表面は、帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光ドラム15の表面は、ROS14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から露光されるように設定されている。上記感光ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像装置17の現像ロールによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光ドラム15の表面は、ドラムクリーニング装置18によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記ドラムクリーニング装置18は、不図示のクリーニングブレードによって感光ドラム15上の残留トナー等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えたベルトベルトクリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。
このような中間転写ベルト25等が装備された画像形成装置1では、感光ドラム15上のトナー像が一次転写位置で中間転写ベルト25に静電的に一次転写される。この際、単色画像を形成する場合には、中間転写ベルト25に一次転写されたトナー像が二次転写位置で直ちに記録用紙Pへ静電的に二次転写される。これに対し、カラー画像を形成する場合には、複数色のトナー像が中間転写ベルト25に順次一次転写されて重ね合わされた後に、二次転写位置で記録用紙Pに一括して二次転写される。
そして、中間転写ベルト25上から各色のトナー像が二次転写された記録用紙Pは、中間転写ベルト25から分離された後、二次転写手段の下流側に配設された定着装置30へと搬送され、この定着装置30によって熱及び圧力でトナー像が記録用紙P上に定着されるようになっている。定着後の記録用紙Pは、排出ロール32を介して排出トレイ33上に排出される。このような一連の画像形成プロセスを経て単色画像又はカラー画像の形成が行われる。
次に、本実施の形態に係る画像処理用コントローラ(以下、単にコントローラとも称する)のシールド構造について、図2〜図3を参照してさらに説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態に係るコントローラ12は、前述した各種の画像処理を行うものであり、金属製の箱型のケーシング120の内部に不図示の各種の制御基板が収容されており、当該ケーシング120の一部には、収容された制御基板等へのアクセスを可能とする略方形の保守用の開口部121が形成されている。この保守用開口部121は、その周囲に枠状の接続面123を有しており、かかる接続面123には、コントローラ12の内部へのアクセスを可能とすると共に、電波シールドを可能とするシールドカバー120Cが取り付けられるようになっている。そして、ケーシング120を接地することにより、ケーシング120内部からの電波の漏洩やケーシング120外部からの電波の侵入を遮蔽(シールド)すると共に、シールドカバー120Cを取り外した状態で、例えば、装置本体の機能拡張に備えたメモリ増設や制御基板の交換等の保守作業が行えるようになっている。
ところで、このように構成したコントローラ12においては、ケーシング120とシールドカバー120Cとの導通不良や、ケーシング120とシールドカバー120Cとの非接触の隙間によるアンテナ作用等により電波漏れが生じるため、シールドカバー120Cのユーザー作業性の向上を図ると共に、漏洩電波による周辺機器の誤動作等を未然に防止するための確実なシールド性を確保することが必要となる。
そこで、本実施の形態に係るコントローラ12においては、次のようなシールド構造を備えることにより、良好な作業性と良好なシールド性の両立を可能としている。
具体的には、本実施の形態において、ケーシング120の枠状の接続面123には、その表面が略球状に形成された複数の突起部123Pが、開口部121の周辺に沿って略均等の配列間隔(本例では、約75mm間隔)でエンボス加工等によりケーシング120と一体に形成(突設)されている。
一方、シールドカバー120Cは、その表面が樹脂でコーディングされた略方形の金属板にて形成されており、図3(a)に示すように、その内側には、ケーシング120の接続面123と対向する対向面125が形成されている。この対向面125には、ケーシング120の複数の突起部123Pと対応して、これらの突起部123Pと係合する複数の係合部125Dがシールドカバー120Cと一体に形成されている。また、シールドカバー120Cのスライド方向(図中、矢印の方向)と略直交する対向辺(本例では、長手方向の2辺)の一方には、フック状の金属製固定部材F0が設けられていると共に、他方には、断面略L字状の金属製固定部材F1,F2が設けられている。そして、シールドカバー120Cの対向面125とケーシング120の接続面123とを対向させ、シールドカバー120Cをスライドさせてスライド方向先端側に設けられた固定部材F1,F2をケーシング120の隙間に挿入して位置決めを行って、後端側に設けられた固定部材F0にて、シールドカバー120Cをコントローラ12のケーシング120に固定するようになっている。このように、シールドカバー120Cのスライド方向と直交する対向辺に、金属製の固定部材F0,F1,F2を設けてケーシング120に固定することにより、シールドカバー120Cの反りを矯正してケーシング120の接続面123とシールドカバー120Cの対向面125とを面接触し易くさせ、導通性の向上に寄与すると共に、非接触の隙間によるアンテナ作用に伴う電波の漏洩を効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態において、係合部125Dは、シールドカバー120Cの対向面125上に設けられた略方形(短冊状)の金属片として形成されており、具体的には、図3(b)に拡大して示すように、その3辺の周囲に切り欠き127を設けて(対向面125を略コ字状に切り欠いて)短冊状の金属片125Dを形成し、当該金属片125Dを1辺125D0にて片持ち支持すると共に、その先端部(支持辺125D0と反対側の端部)にケーシング120の突起部123Pと係合する係合孔125Hを設けている。このようにシールドカバー120Cの対向面125を切り欠いて金属片125Dを形成し、かかる金属片125Dを弾性変位可能に支持することにより、突起部123Pに対して(金属片125Dの弾性復元力に伴う)接触圧を付与する係合部125Dを簡易な構成で容易に実現することができる。これにより、ケーシング120とシールドカバー120Cとの安定した接触による確実な導通性を確保すると共に、着脱の作業性を向上させることができる。また、シールド部材として例えば導通ガスケット等の別部材を設ける構成に比し、部品点数の削減によるコストダウンに寄与することができる。
なお、本実施の形態において、上記係合孔125Hは、突起部123Pの設置数以上の導通点を確保して導通性の確実な向上に寄与するという観点から、突起部123Pの表面と少なくとも複数の点で接触するような形状に形成されている。
さらに、本実施の形態においては、シールドカバー120Cをスライド操作する際の突起部123Pとの引っ掛かりを防止するという観点から、係合部125Dのスライド方向(接続方向)先端側に凹状のくぼみ(凹部)129が形成されている。
次に、上述のように構成した本実施の形態に係る突起部123Pと係合孔125Hとの対応関係及び配置関係を図4及び図5を参照してさらに説明する。
図4に模式的に示すように、本実施の形態に係るケーシング120の接続面123に設けられた突起部123Pは、より具体的には、シールドカバー120Cとの確実な導通を確保するための第1の突起部123Psと、シールドカバー120Cを着脱する際の操作力を低減するための第2の突起部123Pbとにより構成されている。ここで、第1の突起部123Psと第2の突起部123Pbとは、その接続面123からの突出高さが略同等に形成されていると共に、その表面が略球状に形成されており、第2の突起部123Pbの径は、第1の突起部123Psの径よりも大きく形成されている。すなわち、第1の突起部123Psの表面の曲率は、第2の突起部123Pbの表面の曲率よりも大きくなるように形成されている(第2の突起部123Psの表面の傾斜は、第1の突起部の傾斜よりも緩やかとなるように形成されている)。具体的には、本実施の形態において、第1の突起部123Psは、その径(突起部123Psを接続面123上へ投影した際の最大径)が約2mmに形成されており、第2の突起部123Pbは、その径が約4mmに形成されている。なお、本実施の形態では、突起部123Pの表面形状を略球状に形成しているが、その表面が係合孔125Hと少なくとも複数個所で接触するような形状であれば差し支えなく、例えば、その表面が楕円状断面の突起部としてもよい。
一方、シールドカバー120Cには、上述した第1の突起部123Ps及び第2の突起部123Pbに対応する係合部125Dのそれぞれに、第1の係合孔125Hs及び第2の係合孔125Hbが形成されている。
具体的には、第1の係合孔125Hsの径は、図5(a)に模式的に示すように、第1の突起部123Psの径よりも小さく形成されており、同様に、第2の係合孔125Hbの径は、図5(b)に模式的に示すように、第2の突起部123Pbの径よりも小さく形成されている。より詳細には、第1の突起部123Psの第1の係合孔125Hsに対する接触圧が、第2の突起部123Pbの第2の係合孔125Hbに対する接触圧よりも大きくなるように、各係合孔125Hs,125Hbの径が設定されている。このように、弾性変位可能に形成した係合部125Dの各係合孔125Hs,125Hbにより接触圧を調整することにより、突起部123Ps,123Pbの高さにより接触圧を調整する構成に比し、着脱作業を繰り返した際の塑性変形を抑制して経時的により安定した導通性を簡易な構成で確保することができる。
また、上述のように各突起部123Ps,123Pb及び各係合孔125Hs,125Hbの関係を設定することにより、相対的に接触圧の大きい第1の突起部123Psと第1の係合孔125Hsとで確実な導通を確保することができる。また、相対的に接触圧の小さい第2の突起部123Pbと第2の係合孔125Hbとにより、操作力が低減(接触圧が低減)されて作業性の向上が可能となると共に、相対的に径の大きい第2の突起部123Pbにより第2の係合孔125Hbと接触する際の接触線が増大し、冗長化構成により効果的に導通性を補完することができる。
さらに、本実施の形態において、第1の突起部123Ps及び第1の係合孔125Hsと第2の突起部123Pb及び第2の係合孔125Hbとは、開口部121の周辺に対応する領域に略均等な配列間隔で交互に配設されており、これにより冗長化構成による確実な導通性の確保と、作業性の向上をバランスよく両立させている。
より具体的には、本実施の形態において、第1の突起部123Psと第2の突起部123Pbとは、開口部121の周辺に沿って、接続面123に略等間隔に交互に配設されており、隣接する第1の突起部123Ps同士の間隔は、シールドする電波の1/2波長以下の間隔に設定(本例では、VCCI規格に準拠し、約150mm)されている。また、第2の突起部123Pbは、隣接する第1の突起部123Psの略中間に配設されている。すなわち、隣接する第1の突起部と第2の突起部123Pbとの間隔は、シールドする電波の1/4波長以下の間隔に設定されている(本例では、約75mm)。このように、隣接する第1の突起部123Ps同士を、シールドする電波の1/2波長以下の間隔に設定することにより、非接触の隙間によるスリットアンテナの形成を未然に防止すると共に、その中間部に第2の突起部123Pbを配設して、隣接する突起部123Ps,123Pbの間隔をシールドする電波の1/4波長以下に設定することにより、漏洩電波のエネルギーを抑制して、シールド性の向上に寄与することができる。
さらに、本実施の形態では、スライド方式のシールドカバー120Cを採用しているので、ケーシング120に対してシールドカバー120Cを着脱する際に、突起部123Pや係合孔125Hの端面が擦られて、その表面の金属皮膜や、錆び、汚れ等が削られて、導通性の向上に寄与することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、シールドカバー120Cに同様な突起部123Pを一体形成し、ケーシング120に同様な係合部125Dを一体形成してもよい。
1:画像形成装置、12:画像処理用コントローラ、13Y,13M,13C,13K:画像形成ユニット、14Y,14M,14C,14K:画像書込手段、15Y,15M,15C,15K:感光ドラム、16Y,16M,16C,16K:帯電ロール、17Y,17M,17C,17K: 現像装置、18Y,18M,18C,18K:ドラムクリーニング装置、25:中間転写ベルト、26Y,26M,26C,26K:一次転写ロール、29:二次転写ロール、30:定着装置、34:給紙装置、38:レジストロール、40:両面用搬送ユニット、43:ベルトベルトクリーニング装置、120:ケーシング、120C:シールドカバー、121:開口部、123:接続面、123P,123Ps,123Pb:突起部、125:対向面、125D:係合部、125H,125Hs,125Hb:係合孔、F0,F1,F2:固定部材、P:記録用紙
Claims (8)
- その内部へのアクセスを可能とする保守用の開口部を有する金属製のケーシングと、
前記ケーシングの開口部に対してスライド可能に取り付けられたシールドカバーと
を備え、
前記ケーシング又はシールドカバーのいずれか一方には、前記開口部の周辺に対応する領域に沿って、複数の金属製の突起部が一体に形成されており、一方、前記ケーシング又はシールドカバーのいずれか他方には、該複数の突起部との係合を可能とすると共に、弾性変位可能に形成された係合部が一体に形成されていることを特徴とするコントローラのシールド構造。 - 前記係合部は、前記突起部に対向する対向面と一体に形成された略方形の金属片であり、該金属片のそれぞれは、その3辺の周囲が切り欠かれていると共に、前記突起部の表面と少なくとも複数の点で接触するような係合孔を有していることを特徴とする請求項1に記載のコントローラのシールド構造。
- 前記突起部のそれぞれは、その突設高さが略均等であると共に、その表面が略球状に形成されており、互いにその径が異なる第1の突起部と第2の突起部とから構成され、前記第2の突起部の径は、前記第1の突起部の径よりも大きく設定されており、かつ、
前記係合部の係合孔は、前記第1の突起部に対応する係合部の接触圧が、前記第2の突起部に対応する係合部の接触圧よりも大きくなるように、それぞれの係合孔の径が設定されていることを特徴とする請求項2に記載のコントローラのシールド構造。 - 前記第1の突起部と第2の突起部とは、略均等な配列間隔で交互に配設されていることを特徴とする請求項3に記載のコントローラのシールド構造。
- 前記配列間隔は、シールドする電波の波長の1/4以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコントローラのシールド構造。
- スライド方向と略直交する前記シールドカバーの対向辺には、前記ケーシングに対する固定を可能とする金属製の固定部材が配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコントローラのシールド構造。
- 前記突起部は、前記ケーシングの開口部周辺に設けられていると共に、前記係合部は、前記シールドカバーに設けられており、かつ、前記シールドカバーの係合部の接続方向先端側には、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のコントローラのシールド構造。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載のコントローラのシールド構造を有することを特徴とする画像形成装置。
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- 2008-03-21 JP JP2008073004A patent/JP2009229636A/ja not_active Withdrawn
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