JP2009229597A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ光を射出する光源10と、該光源10から射出されたレーザ光を被投射面50に向かって走査する走査手段30と、光源10と走査手段30との間の光路上に配置され、光源10から射出されたレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させる光路変化手段40とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、レーザ光源を用いたプロジェクタにおいて、画像光による表示を行う際、スクリーン等の散乱体で光の干渉が生じることによって明点と暗点とが縞模様あるいは斑模様に分布する、いわゆる「シンチレーション(あるいは「スペックル」とも言う)」と呼ばれる現象が発生する場合がある。
本発明の画像表示装置は、レーザ光を射出する光源と、該光源から射出されたレーザ光を被投射面に向かって2次元的に走査する走査手段と、前記光源と前記走査手段との間の光路上に配置され、前記光源から射出されたレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させることにより、前記被照射面上の所定の照射領域に入射するレーザ光の位置を時間的に変化させる光路変化手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、従来のように、発光タイミングや走査タイミングを変えるのではなく、光源と走査手段との間の光路上に光路変化手段を設けて照射位置を変化させているため、全体の基本構成はそのままで良いので、簡易な構成、かつ、簡易な制御により、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。
なお、ここで言う「所定の照射領域」とは、投射画像を構成する最小単位である1画素に対応した被投射面上の照射領域である。
そこで、本発明に係る画像表示装置では、光路変化手段は、レーザ光の光路が変化する周波数と、走査手段によるレーザ光を走査する周波数とが同期しないように変化させることにより、被照射面上の所定の照射領域では、異なるスペックルパターンが時間的に積分されるので、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。さらに、光路変化手段が、レーザ光の光路を周期的に変化させるため、例えば、音響光学素子を時間的に制御することが簡易となる。
すなわち、光源から射出されるレーザ光の発光タイミングの制御はそのままで、物理的に光源を揺動させることによりスペックルノイズを低減させているため、簡易な構成、かつ、簡易な制御により、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。
図1は、画像表示装置の全体を示す斜視図であり、図2は、MEMSミラーを示す平面図であり、図3は、音響光学素子の側面図であり、図4は、スクリーン上でのレーザ光の照射位置の変化を示す平面図である。
本実施形態に係る画像表示装置1は、図1に示すように、光源10と、クロスダイクロイックプリズム20と、MEMSミラー(走査手段)30と、音響光学素子(光路変化手段)40を備えており、MEMSミラー30によって光源10から射出されたレーザ光をスクリーン50に向かって走査することにより画像を表示する装置である。
赤色光源10Rは、中心波長が630nmの赤色のレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)であり、青色光源10Bは、中心波長が430nmの青色のレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)である。緑色光源10Gは、DPSS(Diode Pomping Solid State)レーザによって構成され、図示しない波長変換素子により、赤外のレーザ光は中心波長が540nmである緑色のレーザ光に変換される。
また、クロスダイクロイックプリズム20は、各光源10R,10G,10Bから射出された赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光を合成するものである。
ミラー部31は、MEMSミラー30の中央部に設けられており、入射したレーザ光をスクリーン50に反射させるものである。梁32a,32bは、ミラー部31の両側にスクリーン50における水平方向(X軸方向)に向かって伸びて設けられている。
また、第1基板33は、ミラー部31を囲む額縁状であり、梁32a,32bに接続されている。梁34a,34bは、第1基板33の両側にスクリーン50における垂直方向(Y軸方向)に向かって伸びて設けられている。
また、第2基板35は、第1基板33を囲む額縁状であり、梁34a,34bに接続されている。
これらにより、ミラー部31は第1基板33に対し、梁32a,32bを振動軸として、振動運動が可能となっており、第1基板33は第2基板35に対し、梁34a,34bを振動軸として、振動運動が可能となっている。したがって、MEMSミラー30は、x軸及びy軸の2軸振動が可能、すなわち、スクリーン50の水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査することが可能となっている。
したがって、梁32a,32bにより、ミラー部31をX軸まわりに振動させることで、ミラー部31の垂直方向の共振周波数が変化し、梁34a,34bにより、第1基板33をY軸まわりに振動させることで、第1基板33の水平方向の共振周波数が変化する。
また、クロスダイクロイックプリズム20から射出されたレーザ光は、ミラー部31により、図1に示すように、スクリーン50の上端50aから下端50bまで走査され、第1基板33により、スクリーン50の左端50c側から右端50d側まで走査される。
また、音響光学素子40によって、レーザ光の光路は周期的に変化される。そして、音響光学素子40によって、レーザ光の光路が変化する周波数と、MEMSミラー30によるレーザ光を走査する周波数とが同期しないように、音響光学素子40に入力する高調波信号を調整する。
まず、映像信号に基づいて各光源10R,10G,10Bから赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光が射出される。各光源10R,10G,10Bから射出された赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光は、クロスダイクロイックプリズム20において合成された後、音響光学素子40に入射する。音響光学素子40から垂直方向に振動されたレーザ光は、MEMSミラー30に入射する。
MEMSミラー30に入射したレーザ光は、MEMSミラー30のミラー部31のX軸まわりの振動により、スクリーン50の上端50aから下端50b、あるいは、下端50bから上端50aに向けて(垂直方向)走査される。また、第2基板33のY軸まわりの振動により、スクリーン50の左端50cから右端50dに向けて(水平方向)走査される。このようにして、画像がスクリーン50に表示される。
このとき、音響光学素子40によって垂直方向に振動されたレーザ光が、MEMSミラー30により、スクリーン50に向かって走査されるため、図4に示すように、スクリーン50上の各画素(所定の照射領域)Pでの照射位置が変化する。
音響光学素子40から射出されるレーザ光は振動されているため、MEMSミラー30に入射するレーザ光と、MEMSミラー30の入射端面30aとのなす角が時間的に変化する。これにより、図4に示すように、MEMSミラー30において走査されるレーザ光のスクリーン50上の各画素P1〜P4を照射する照射位置が変化する。すなわち、Nフレーム目をスクリーン50上に描画する際、画素P1,P2,P3,P4を照射するレーザスポットはS1,S2,S3,S4となり、N+1フレーム目をスクリーン50上に描画する際、画素P1,P2,P3,P4を照射するレーザスポットはS1a,S2a,S3a,S4aとなるように、音響光学素子40に入力する高周波信号を調整する。すなわち、音響光学素子40でMEMSミラー30に入射するレーザ光を振動させることにより、フレームごとに各画素P1〜P4内のレーザスポットS1〜S4に対してレーザスポットS1a〜S4aの位置が、スクリーン50の上下方向に変化する。また、スクリーン50におけるレーザ光の照射位置の変化量は、微小距離であり、例えば、スクリーン50上の画素P1〜P4の大きさの1/10以下である。但し、変化量は一例に過ぎない。
なお、本実施形態では、レーザスポットS1〜S4,S1a〜S4aの大きさは、画素P1〜P4の大きさよりも小さい。
すなわち、音響光学素子40により、スクリーン50上の画素P1〜P4のレーザスポットS1〜S4,S1a〜S4aの位置を変化させているため、全体の基本構成はそのままで良い。したがって、簡易な構成、かつ、簡易な制御により、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。
また、音響光学素子40は、レーザ光の光路が変化する周波数と、MEMSミラー30によるレーザ光を走査する周波数とが同期しないように変化させることにより、異なるスペックルパターンが時間的に積分されるので、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。また、音響光学素子40が、レーザ光の光路を周期的に変化させるため、レーザ光の光路の制御が簡易となる。
さらに、音響光学素子40をクロスダイクロイックプリズム20とMEMSミラー30との間の光路上に配置したが、赤色光源10R,緑色光源10G,青色光源10Bとクロスダイクロイックプリズム20との間の光路上にそれぞれ配置しても良い。これにより、赤色光源10R,緑色光源10G,青色光源10Bから射出された赤色レーザ光,緑色レーザ光,青色レーザ光の光路をそれぞれ時間的に微小距離だけ変化させることにより、より効果的にスペックルノイズを低減させることが可能となる。
さらに、スクリーン50上のレーザ光の照射位置の変化量が、スクリーン50上の画素P1〜P4の大きさの1/10以下であるため、画像ボケを起こさずに、確実にスペックルノイズを抑えて鮮明な画像をスクリーン50に形成することができる。
また、音響光学素子40により、スクリーン50の垂直方向にレーザスポットS1a〜S4aの位置を変化させたが、レーザスポットS1a〜S4aを変化させる方向はこれに限るものではない。
また、音響光学素子40により、レーザ光の光路が周期性を持って変化するように制御されているが、レーザ光の光路を非周期的に変化させても良い。すなわち、レーザ光の光路を非周期的に変化させることにより、レーザ光の光路が変化するパターンと、MEMSミラー30によるレーザ光を走査する周波数とが確実に同期しないように変化させることが可能となる。したがって、より確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。
また、1フレームごとに画素L1を照射するレーザ光の光路を変化させたが、レーザ光の光路を変化させるタイミングは2フレーム以上であっても良い。さらに、走査手段として、MEMSミラー30を用いたが、これに限るものではない。
また、レーザスポットS1〜S4,S1a〜S4aの大きさは、画素P1〜P4の大きさよりも小さい大きさとしたが、レーザスポットS1〜S4,S1a〜S4aの大きさが画素P1〜P4の大きさと同じ、あるいは、大きくても良い。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態の図面において、上述した第1実施形態に係る画像表示装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る画像表示装置60では、光路変化手段を2つ備える点において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
図5は、本実施形態の画像表示装置の全体を示す斜視図であり、図6は、スクリーン上でのレーザ光の照射位置の変化を示す平面図である。
第1音響光学素子61は、クロスダイクロイックプリズム20から射出されたレーザ光をスクリーン50の垂直方向(一方向)に振動させる。また、第2音響光学素子62は、第1音響光学素子61から射出されたレーザ光をスクリーン50の水平方向(他方向)に振動させる。
第1音響光学素子61から射出されるレーザ光は垂直方向に走査され、第2音響光学素子62から射出されるレーザ光は水平方向に走査されているため、MEMSミラー30に入射するレーザ光と、MEMSミラー30の入射端面30aとのなす角が時間的に変化する。これにより、図6に示すように、Nフレーム目をスクリーン50上に描画する際、画素P1,P2,P3,P4を照射するレーザスポットはS1,S2,S3,S4となり、N+1フレーム目をスクリーン50上に描画する際、画素P1,P2,P3,P4を照射するレーザスポットはS1a,S2a,S3a,S4aとなるように、第1,第2音響光学素子61,62に入力する高周波信号を調整する。すなわち、第1,第2音響光学素子61,62でMEMSミラー30に入射するレーザ光を振動させることにより、フレームごとに各画素P1〜P4内のレーザスポットS1〜S4に対してレーザスポットS1a〜S4aの位置が、スクリーン50の斜め方向に変化する。なお、図6にはレーザスポットの位置が斜め方向に変化している状態を例に示したが、上下左右方向にレーザスポットの位置が変化している状態もある。
なお、本実施形態では、第1音響光学素子61により垂直方向にレーザ光を振動させた後、第2音響光学素子62により水平方向にレーザ光を振動させたが、水平方向にレーザ光を振動させた後、垂直方向にレーザ光を振動させた構成であっても良い。
また、垂直方向及び水平方向にレーザ光を振動させる光路変化手段として、2つとも音響光学素子を用いたが、一方又は両方が電気光学素子であっても良い。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図7を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置では、光路変化手段が光源10R,10G,10Bのそれぞれに設けられている点において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
図7は、本実施形態の画像表示装置の光源を示す側面図である。
ピエゾ素子71は、一端71aが基台75に固定され、他端71bが各光源10R,10G,10Bに固定されており、光源10R,10G,10Bから射出されるレーザ光の中心軸Oと略直交する方向に沿って伸縮が可能となっているため、ピエゾ素子71を駆動させることにより、光源10R,10G,10Bは、レーザ光の進行方向に対して略直交する方向に沿って振動する。
すなわち、光源10R,10G,10Bから射出されるレーザ光の発光タイミングの制御はそのままで、物理的に光源10R,10G,10Bを揺動させることによりスペックルノイズを低減させているため、簡易な構成、かつ、簡易な制御により、確実にスペックルノイズを抑えることが可能となる。
また、緑色光源10Gにのみピエゾ素子71を設けて、緑色光源10Gから射出されるレーザ光の光路を時間的に変化させても良い。この構成では、スクリーン50に表示される画像の明るさに最も寄与している緑色レーザ光を時間的に変化させるため、スクリーン50に明るい画像を表示することが可能となる。
Claims (10)
- レーザ光を射出する光源と、
該光源から射出されたレーザ光を被投射面に向かって2次元的に走査する走査手段と、
前記光源と前記走査手段との間の光路上に配置され、前記光源から射出されたレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させることにより、前記被照射面上の所定の照射領域に入射するレーザ光の位置を時間的に変化させる光路変化手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。 - 前記光路変化手段が音響光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記光路変化手段が電気光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記光路変化手段が、
前記被投射面の一方向に前記光源から射出されたレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させる一方向光路変化手段と、
前記一方向に対して略垂直な他方向に前記一方向光路変化手段から射出されたレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させる他方向光路変化手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置。 - 前記被投射面上のレーザ光の照射位置の変化量が、前記被投射面上の所定の照射領域の大きさの1/10以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記光路変化手段は、前記光源から射出されるレーザ光の光路が変化する周波数と、前記走査手段によるレーザ光を走査する周波数とが同期しないように、レーザ光の光路を周期的に変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記光路変化手段は、前記光源から射出されるレーザ光の光路を非周期的に変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記光源が、赤色レーザ光を射出する赤色光源と、緑色レーザ光を射出する緑色光源と、青色レーザ光を射出する青色光源とを備え、
前記光路変化手段は、少なくとも前記緑色光源から射出された緑色レーザ光の光路上に配置され、前記緑色光源から射出された緑色レーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。 - 前記光路変化手段が、前記赤色光源、前記緑色光源、前記青色光源から射出されたレーザ光のそれぞれの光路上に設けられ、前記赤色光源、前記緑色光源、前記青色光源から射出された赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
- レーザ光を射出する光源と、
該光源から射出されたレーザ光を被投射面に向かって走査する走査手段と、
前記光源を揺動させ、前記光源から射出されるレーザ光の光路を時間的に微小距離だけ変化させる光路変化手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
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