JP2005234156A - 走査型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、レーザ光のようなコヒーレント光を2次元に走査してスクリーン上に画像を表示する走査型表示装置において、投射画像のスペックルノイズを低減し、画質を向上させることを目的とする。
【解決手段】 そのために、レーザビームを第1と第2の光束に分割し、第1の光束の光路上に光束の偏光方向を回転させる偏光方向回転手段を配置し、第2の光束とを再び合成する光合成手段を備え、光合成手段により偏光方向が異なる該2光束を重ね合わせた合成光束を、スクリーン上に光走査して画像を表示する構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザビームを2次元方向に偏向する2次元偏向手段により、2次元に走査してスクリーン上に画像を表示する走査型表示装置に関するものである。特に、スクリーン上に表示された画像のスペックルノイズの低減に関するものである。
従来より、偏向器を用いてビームを2次元走査することで、スクリーン上に画像を表示する走査型表示装置が種々提案されている。図9に、特許文献1に開示された走査型表示装置の構成を示す。この例では、偏向器を用いて、赤色、緑色、青色の3色のレーザ光を2次元走査することで、スクリーン上にカラー画像を表示している。水平方向の偏向器にはMEMSミラー16を用い、垂直方向の偏向器にはガルバノミラー17を用いている。MEMSミラーは、半導体製造技術などを用いて作製されたものである。図10にMEMSミラーの構成図の例を示す。下側Si基板21には、磁性体からなるコア22、コア22を巻くように銅パターンからなるコイル23が形成され、上側Si基板24にはエッチングにより作製されたトーションバー25で支えられるミラー面26が形成されている。上下のSi基板を張り合わせ、電磁力によってミラー面26の回転共振状態を保つように設計されており、非常に高い共振周波数を持つ。しかし、MEMSミラーの反射面を大きくすると、高い共振周波数を発生させることが困難になる。そのため、反射面を1.5mm角と非常に小さな値としている。したがって、MEMSミラーを偏向器としてビームを走査する場合、反射面よりも細いビームが必要となる。
このような走査型表示装置の光源として、レーザを用いることが考えられる。レーザには、高い出力と優れた指向性があり、細いビームを走査する走査型表示装置の光源として適している。しかし、レーザはコヒーレンスが高いため、走査された画像中にレーザ特有のスペックルノイズ(粒状の干渉パターン)が現われ、画質劣化の原因となっている。
スペックルノイズを低減する手法として、種々の方法が開示されている。例えば、特許文献2には、走査型表示装置において、厚さが互いにΔtずつ異なるN個の領域からなる屈折率nの透明光学素子を用いてスペックルノイズを低減する方法が提案されている。半導体レーザの発散光束をコリメーターレンズで平行光束にし透明光学素子に入射させ、段差Δtの異なる部分を通過した光束に、光路差(n−1)Δtを与えて、各光束の可干渉性を低減させる。透明光学素子を通過した可干渉性のない複数の光束をレンズで重ね合わせて光走査することにより、スペックルノイズを低減することができる。しかしながら、各光束に十分な光路差を与えるには、透明光学素子の段差Δtを大きくする必要がある。その結果、走査型表示装置において、コンパクトな光学系の構成を取ることが困難になる。特に、固体レーザやシングルモードの半導体レーザのようなコヒーレンス長が長い光源を用いた場合には、透明光学素子のサイズが非常に大きくなる。したがって、携帯性に優れた民生用の走査型表示装置に透明光学素子を組み込むことは、コンパクトな光学系が構成できないという点で問題になる。
他の手法として、例えば、特許文献3では、慣性閉じ込め型核融合装置に用いられるレーザシステムにおいて、偏光制御素子を用いてレーザ光の偏光方向を制御することによってスペックルを低減する方法が提案されている。レーザ光の偏光方向を90°回転させる偏光制御素子を等間隔のピッチで市松状に配置する。偏光制御素子の大きさは2mm×2mm、全体の大きさが28mm×28mm(196エレメント)である。レーザ光を偏光制御素子に透過させることで、互いに直交した偏光成分を有する2光束を形成する。この2光束によって生じるスペックルパターンには相関がないので、各スペックルパターンの強度を重ね合わせて、スペックルノイズを低減することができる。しかしながら、偏光制御素子を用いる場合、ビーム内をいくつかの領域に分割し、各領域の偏光方向を回転させるため、ビーム径を偏光制御素子の全体の大きさまで広げる必要がある。そのため、本構成は、細いビームを走査するMEMSミラーを偏向器とした走査型表示装置には適していない。
特開2003−218000号公報 特開2000−206449号公報 特登録第2840224号公報
携帯性に優れた小型な走査型表示装置を実現するには、光学系の構成をコンパクトにする必要がある。また、特に、MEMSミラーを偏向器として用いてスクリーン上に画像を表示する場合は、MEMSミラーの反射面より細いビームを光走査して画像を表示する必要がある。上記のスペックル低減方式は、これらの条件を満たした構成ではなかった。
本発明の第1の目的は、携帯性に優れた小型な走査型表示装置への組み込みに適したスペックル低減手段を提案し、投射画像の画質を向上させることである。本発明の第二の目的は、コンパクトな構成を有する光束圧縮手段を提案し、走査画像の輝度を向上させ、小型で低コストな走査型表示装置を提供することである。
(1)少なくとも1つのレーザ光源とレーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記レーザビームをスクリーン上に2次元に走査して画像を表示する走査型表示装置において、
前記レーザビームを第1と第2の光束に分割し、第1の光束の光路上に該光束の偏光方向を回転させる偏光方向回転手段を配置し、前記第2の光束とを再び合成する光合成手段を備え、該光合成手段により偏光方向が異なる該2光束を重ね合わせた合成光束を、前記スクリーン上に光走査して画像を表示することを特徴とする。
特に、(1−1)前記光合成手段は、互いに直交する偏光光束の光路を合成するものであることや、(1−2)前記走査型表示装置は、半導体レーザの活性層と垂直な方向のレーザビームを圧縮する光束圧縮手段を有することや、(1−3)前記レーザビームの少なくとも1つは、波長変換したレーザビームであることや、(1−4)前記走査型表示装置は、波長変換したレーザビームを圧縮する光束圧縮手段を有することや、(1−5)前記レーザビームは、赤色、緑色、青色を中心波長とする複数の光ビームからなることや、(1−6)前記走査型表示装置は、赤色、緑色、青色を中心波長とする複数の光ビームを圧縮する光束圧縮手段を有することを特徴とする。
以上、本発明は、レーザ光のようなコヒーレント光を2次元に走査してスクリーン上に画像を表示する走査型表示装置において、投射画像のスペックルノイズを低減し、画質を向上することができる。さらに、走査型表示装置にスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系を組み込むことによって、投射画像のスペックルノイズ低減に加えて、ビーム圧縮による高輝度化、光学系のユニット化による小型化、低コスト化が実現できる。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における走査型表示装置の水平断面概要図である。本発明の特徴は、入射光学系の中に、スペックル低減手段(スペックルリダクション光学系100)を構成した点である。
レーザ光源101から発せられた発散光束は、コリメーターレンズ102により細い平行光束にされる。コリメーターレンズ102から出射した平行光束は、スペックルリダクション光学系100に入射する。スペックルリダクション光学系100から出射した光束は、2つの偏向器107−a、107−bからなる偏向手段に到達する。偏向手段では、前記合成光束を2次元方向に偏向している。前記合成光束は、偏向器107−aで水平方向に偏向される。水平方向に偏向された偏向光束は偏向器107−bで垂直方向に偏向される。偏向器107−a、107−bによって2次元に偏向された偏向光束は、走査光学系108に到達する。走査光学系108は、前記偏向光束をスクリーン109上にスポットとして結像させている。このとき、前記偏向光束は走査光学系108を介してスクリーン109上に導光され、スクリーン109上を2次元方向に光走査されている。これにより、スクリーン109上に2次元画像を表示している。
本実施例において、先ほど示した偏向器107−aにはMEMSミラーを用い、偏向器107−bにはカルバノミラーを用いる。MEMSミラーは、半導体製造技術などを用いた公知のMEMS技術によって作製されたものであり、非常に高い共振周波数を持ち、ミラー面は1.5mm角と非常に小さい。例えば、フレームレート60Hz、水平本数800、垂直本数600のSVGA画像では、MEMSミラーによる光走査を往復で行う場合、垂直方向光利用時間率を80%とすると、MEMSミラーに求められる駆動周波数は22.5kHzとなる。ガルバノミラーは、ミラーに軸を付け、電気信号に応じてミラーの回転角を変えられるようにした偏向器であり、フレームレートと等しい周波数60Hzで駆動する。本実施例では、偏向手段を構成する偏向器として、MEMSミラーとガルバノミラーの例を示したが、本発明においては偏向器の構成に制限はない。
本発明のスペックルリダクション光学系100におけるスペックル低減の原理に関して説明する。スペックルは、スクリーンからの散乱光が網膜上でランダムな位相関係で重なり合うことで発現する。通常のスクリーンは、表面粗さがレーザ光の波長より十分大きく、表面粗さの相関長が照射スポット径より十分小さいため、スクリーン上の各点で散乱したレーザ光の位相は面の微視的な凹凸に対応してランダムになり、(−π、π)間で一様な分布をとる。そのため、スクリーンからの散乱光が網膜上でランダムな位相関係で重なり合い、網膜上に不規則な粒状の干渉パターン(スペックルパターン)が発現する。スペックルパターンの写真を図2に示す。スペックルノイズを低減する手法の一つに、互いに相関のないN枚のスペックルパターンを重ね合わせて、スペックル強度を平滑化する方法がある。独立したN枚のパターンを重ね合わせるとスペックルコントラストCは1/√N倍に低減する。スペックルコントラストCは、スペックル強度Iの標準偏差σIと平均値<I>の比として定義される(C=σI/<I>)。この手法を用いてスペックルノイズを低減するためには、互いに相関のないN枚スペックルパターンを同時に発生させる必要がある。
本発明でも上記の通り、独立したスペックルパターンを発生させて、スペックル強度を重ね合わせることによりスペックルノイズを低減する方法を用いる。ここで、スクリーンに入射するレーザビームの偏光方向と、走査画像のスペックルパターンとの関係について検討した。走査光の偏光方向がスクリーンの水平方向に対して0°、30°、45°、90°の場合のスペックルパターンの強度の等高線図を図11に示す。図11の結果から分かるように、走査画像のスペックルパターンは、スクリーンに入射するレーザビームの偏光方向に依存して異なるパターンになることを実験的に明らかにした。さらに、スクリーンの水平方向に振動面をもつ直線偏光によって生じるスペックルパターンと、水平方向に対して角度θをなす直線偏光を入射したときに生じるスペックルパターンの相関をみると、θが大きくなるにつれてスペックルパターンの相関は小さくなり、偏光方向が直交した場合(θ=90°)には、互いに相関のない独立したパターンになることを実験的に明らかにした。各パターンの相関係数を計算した結果を図12に示す。各パターンのスペックル強度X1、X2の相関係数rは、スペックル強度の平均値<X1>、<X2>を用いて下式のように定義される。
Figure 2005234156
本実施例では、偏光方向が互いに直交した2光束を重ね合わせた合成光束を光走査してスクリーン上に画像を表示することにより、各光束の偏光方向に対応した2つの独立したスペックルパターンを同時に発生させる。各パターンのスペックル強度を眼で重ね合わせることによって、スペックルコントラストCを1/√2倍に低減することができる。
本実施例における、スペックルリダクション光学系100について、図3を用いて説明する。図3は、走査型表示装置のスペックルノイズの低減に関わる構成の水平断面概要図である。本実施例では、直線偏光を出射するレーザ光源301を用いる。レーザ光の偏光方向を模式的に符号Pa、Pbで表す。符号Paは、紙面に対し平行な方向に偏光方向をもつ直線偏光、符号Pbは、紙面に対し垂直な方向に偏光方向をもつ直線偏光を示している。レーザ光源301から発せられた発散光束は、コリメーターレンズ302で細い平行光束にされた後、ビームスプリッター303に入射する。ここで、一方の光束は透過して直進し、もう一方の光束は反射して略直角の方向に折り返される。ここで、前記平行光束を2光束La、Lbに分岐している。ビームスプリッター303を透過した光束Laは、直進して偏光ビームスプリッター304に到達する。もう一方のビームスプリッターを反射した光束Lbは、再びミラー305−aにより略直角の方向に折り返され、1/2波長板306に到達する。ここで、前記光束Lbの偏光方向が90°回転される。1/2波長板306を透過した光束Lbは、ミラー305−bにより略直角の方向に折り返され、偏光ビームスプリッター304に到達する。ここで、ビームスプリッター303で分岐された2光束La、Lbは、1光束に合成される。このとき、2つの光束は互いに直交する方向に偏光しており、合成した光束は偏光方向が直交した2つの偏光をもつ光束となる。偏光方向が直交した2光束を重ね合わせた合成光束は、偏向手段307に到達する。ここで、前記合成光束は2次元方向に偏向され、光走査される。
スペックルリダクション光学系100を走査型表示装置に組み込み、偏光方向が互いに直交した2光束を合成した光束を光走査してスクリーン上に静止画像を表示した結果、単独のレーザ光を光走査して画像を表示した場合と比較して、スペックルコントラストCがC=0.32からC=0.25に低減することができる。
以上のように、本発明により、レーザ光のようなコヒーレント光を2次元に走査してスクリーン上に画像を表示する走査型表示装置において、小型な光学系の構成で、投射画像のスペックルノイズを低減することができる。
本実施例のように、偏光方向が互いに直交した2光束(θ=90°)を合成した光束を光走査した場合にはスペックルノイズの低減の効果は最大になるが、2光束が完全に直交していない場合(θ≠90°)にも、スペックルノイズの低減の効果は得られる。表1で示した相関係数rが0.2以下であれば一般的に相関が低いといわれており、スペックルノイズの低減のための重ね合わせの効果を発揮することができる。即ち、相関係数rが0.2以下(θ>60°)であれば比較的良好な結果が得られ、望ましくは相関係数rが0.1以下である。
また、本実施例では、波長532nmの緑色の固体レーザを光源として用いたが、直線偏光を出射するレーザ光源として半導体レーザなどを用いても、同様なスペックルノイズの低減の効果が得られる。
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における走査型表示装置の水平断面概要図である。本実施例と実施例1との相違点は、赤色、緑色、青色の3色のレーザ光源を使用した点である。
レーザ光源401−a、401−b、401−cから発せられた発散光束は、コリメーターレンズ402−a、402−b、402−cにより細い平行光束にされた後、クロスダイクロイックプリズム420に到達し、クロスダイクロイックプリズム420によって1つの合成光束となる。実施例1と同様に、合成光束はスペックル低減手段400に入射する。スペックル低減手段400から出射した光束は、偏向手段407に到達する。ここで、前記光束は2次元方向に偏向され、光走査される。
本実施例では、赤色、緑色、青色の各色において、偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた光束を光走査することにより、スクリーン上に画像を表示することを特徴としている。本構成をとることにより、単色の画面において実施例1と同様な効果が得られ、赤色、緑色、青色の各色のレーザ光によって生じるスペックルノイズを同時に低減することができる。さらに、赤色、緑色、青色のレーザ光を混ぜてカラー(白色)の画面を表示した場合、各波長に関して、それぞれ2枚の相関のないスペックルパターンが発生するため、計6枚のスペックルパターンの重ねあわせが成立する。その結果、カラー画像の場合、単色の画像を表示した場合と比較してスペックルがより目立たなくなる。
ここで、スペックル低減手段400の1/2波長板の設定波長について説明する。本構成では、スペックル低減手段400の1/2波長板の波長は、緑色の帯域(500nm〜550nm)に設定する。1/2波長板の位相差は透過光の波長によって異なる値をとるため、1/2波長板の設定波長を青色の波長帯域に設定すると、設定波長との差が大きい赤色のレーザ光の位相遅れが大きくなる。その結果、偏光ビームスプリッタでの反射光の光量が低下し、光量ロスが生じる。したがって、1/2波長板の設定波長を可視光の波長帯域の中心に位置する緑色の帯域にすることで、赤色、緑色、青色の全てのレーザ光に対して、偏光ビームスプリッタでの光量ロスを小さくすることができる。本実施例では、1/2波長板の設定波長を緑色のレーザ光の波長(532nm)とした。緑色の波長帯域は、赤色、青色と比較して人間の眼の視感度が高いため、スペックルノイズが非常によく目立つ。1/2波長板の設定波長を緑色のレーザ光の波長帯域にすることにより、緑色のレーザ光に関して偏光方向が直交した2光束の重ね合わせが実現でき、スペックルノイズ低減の効果を最大にすることができる。その結果、カラー画像のスペックルノイズを人間の眼に目立たなくすることができる。
以上のように、本発明により、レーザ光のようなコヒーレント光を2次元に走査してスクリーン上にカラー画像を表示する走査型表示装置において、小型な光学系の構成で投射画像のスペックルノイズを低減することができる。
(実施例3)
図5は、本発明の実施例3における走査型表示装置の垂直断面概要図である。本実施例と実施例1、2との相違点は、光源に半導体レーザを用いた点と、入射光学系の中に、スペックル低減手段とビーム圧縮手段を兼ね備えたスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500を構成した点である。
スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500の構成について説明する。本実施例では、光源として半導体レーザ501を用いる。半導体レーザ501から発したレーザ光は直線偏光であり、レーザ光の偏光方向を模式的に符号Pa、Pbで表す。符号Paは、紙面に対し平行な方向に偏光方向をもつ直線偏光、符号Pbは、紙面に対し垂直な方向に偏光方向をもつ直線偏光を示している。
半導体レーザ501から発せられた発散光束は、コリメーターレンズ502によって平行光束にされる。コリメーターレンズ502を出射後の平行光束において、コリメーターレンズ502の光軸を通る水平面に対して上半分の領域の光束をLa、下半分の領域の光束をLbとする。前記光束Laは、コリメーターレンズ502を出射後に、1/2波長板503に到達する。ここで、前記光束Laの偏光方向が90°回転される。1/2波長板503を透過した前記光束Laは、ミラー504により略直角の方向に折り返され、偏光ビームスプリッター505に到達する。一方、コリメーターレンズ502の光軸を通る水平面に対して下半分の光束Lbは、そのまま直進して偏光ビームスプリッター505に到達する。ここで、前記光束Laと前記光束Lbは1光束に合成される。このとき、2つの光束は互いに直交する方向に偏光しており、合成した光束は偏光方向が直交した2つの偏光をもつ光束となる。さらに、本構成では、前記光束Laを前記ミラー504と前記偏光ビームスプリッター505とを用いて、略直角の方向に2回折り返し、前記光束Lbに重ね合わせるため、図5中の垂直方向Xのビーム径を半分に圧縮する作用を有する。
スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500から出射した前記合成光束は、2つの偏向器506−a、506−bからなる偏向手段506に到達する。偏向手段では、前記合成光束を2次元方向に偏向している。前記合成光束は、偏向器506−aで水平方向に偏向される。水平方向に偏向された偏向光束は偏向器506−bで垂直方向に偏向される。偏向器506−a、506−bによって2次元に偏向された偏向光束は、走査光学系507に到達する。走査光学系507は、前記偏向光束をスクリーン508上にスポットとして結像させている。このとき、前記偏向光束は走査光学系507を介してスクリーン508上に導光され、スクリーン508上を2次元方向に光走査している。これにより、スクリーン508上に2次元画像を表示している。
スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500を走査型表示装置の光学系に組み込むことにより、実施例1、2で示した偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた合成光束を光走査することによるスペックルノイズの低減効果に加えて、光束を圧縮する効果を得ることができる。半導体レーザの活性層に垂直な方向は、発散光束の広がり角が大きいため、その方向の光束をコリメーターレンズ502を用いて取り込むことによって、光の利用効率が向上する。その結果、レーザビームの光量が増加し、投射画像の輝度を向上させることができる。
また、前記スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500を走査型表示装置の光学系に組み込み、ビーム径Xのレーザビームを形成する場合、従来のコリメーターレンズと比較して、同じNAで焦点距離を2倍に設定することが可能になり、光学系の横倍率を半分にする効果が得られる。光学系の横倍率を半分にすると、スクリーン上での光源の像の大きさが半分になり、投射画像の解像度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施例のスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500の構成は、実施例1、2で示したスペックルノイズの低減に関わる構成をユニット化したものであるため、本構成を組み込むことにより、部品点数を削減することができる。
以上のように、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系500を走査型表示装置の光学系に組み込むことにより、投射画像の画質の向上、高輝度化、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
(実施例4)
図6は、本発明の実施例4における走査型表示装置の垂直断面概要図である。本実施例と実施例3との相違点は、波長変換したレーザビームを光源として使用した点である。波長1060nmの半導体レーザ601を励起用レーザとする。前記半導体レーザ601から出射したレーザ光は、コリメーターレンズ602で平行光束となる。前記平行光束は、集光レンズ603通じて分極反転分布付LN結晶604に入射し、第2次高調波である波長530nmのレーザ光を発生させる。前記レーザ光は、実施例3で示したスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系600に入射する。前記レーザ光は、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系600により、ビーム径が圧縮され、偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた合成光束となる。スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系600から出射した前記合成光束は、偏向手段605に到達する。ここで、前記合成光束は2次元方向に偏向され、光走査される。
スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系600を走査型表示装置に組み込むことにより、実施例1、2で示した偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた合成光束を光走査することによるスペックルノイズの低減効果に加えて、光束を圧縮する効果を得ることができる。その結果、波長変換したレーザビームを光源として使用した走査型表示装置においても、実施例3と同様な効果を得ることができ、投射画像の画質の向上、高輝度化、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
(実施例5)
図7は、本発明の実施例5における走査型表示装置の垂直断面概要図である。本実施例と実施例3との相違点は、赤色、緑色、青色の3色のレーザ光源を使用した点である。
レーザ光源701−a、701−b、701−cから発せられた発散光束は、実施例3で示したスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系700−a、700−b、700−cにより、細いビームに圧縮され、偏光方向が互いに直交する2光束を重ね合わせた合成光束になる。前記合成光束は、クロスダイクロイックプリズム702に入射し、赤色、緑色、青色の各光束が1つの光束に合成される。クロスダイクロイックプリズム702から出射した光束は、偏向手段703に到達する。ここで、前記合成光束は2次元方向に偏向され、光走査される。
本実施例では、赤色、緑色、青色の各色において、偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた光束を光走査することにより、スクリーン上に画像を表示することを特徴としている。本構成を用いることにより、赤色、緑色、青色の各色のレーザ光によって生じるスペックルノイズを同時に低減することができる。
さらに、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系700を走査型表示装置に組み込むことにより、スペックルノイズの低減効果に加えて、赤色、緑色、青色の各色の光束を圧縮する効果を得ることができる。その結果、実施例3、4と同様な効果を得ることができ、投射画像の画質の向上、高輝度化、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
(実施例6)
図8は、本発明の実施例6における走査型表示装置の垂直断面概要図である。本実施例は、実施例5の構成をコンパクトにしたものである。光源801−a、801−b、801−cから発せられた発散光束は、コリメーターレンズ802−a、802−b、802−cにより平行光束にされ、クロスダイクロイックプリズム803により各光束が合成される。その後、前記合成光束は、実施例3で示したスペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系800により、細いビームに圧縮され、偏光方向が互いに異なる2光束を重ね合わせた光束になる。スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系800内の1/2波長板の設定波長は、実施例2と同様に緑色の帯域(500nm〜550nm)に設定する。スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系800から出射した前記合成光束は、偏向手段804に到達する。ここで、前記合成光束は2次元方向に偏向され、光走査される。
本実施例では、赤色、緑色、青色の各色において、偏光方向が異なる2光束を重ね合わせた光束を光走査することにより、スクリーン上に画像を表示することを特徴としている。本構成を用いることにより、赤色、緑色、青色の各色のレーザ光によって生じるスペックルノイズを同時に低減することができる。
さらに、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系800を走査型表示装置に組み込むことにより、スペックルノイズの低減効果に加えて、赤色、緑色、青色各色の光束を圧縮する効果を得ることができる。その結果、実施例3、4、5と同様な効果を得ることができ、投射画像の画質の向上、高輝度化、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
本実施例では、赤色、緑色、青色の各色のレーザビームをクロスダイクロイックプリズム803を用いて合成した後に、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系800によって赤色、緑色、青色の各色のレーザビームを同時に圧縮して細いビームにし、偏光方向が互いに異なる2光束を重ね合わせた光束を形成する。そのため、スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系の使用個所が1つになり、実施例5よりコンパクトな構成を取ることができる。
本発明の実施例1における走査型表示装置の水平断面概要図 スペックルパターンの説明図 本発明の実施例1におけるスペックルノイズの低減に関わる構成についての説明図 本発明の実施例2における走査型表示装置の水平断面概要図 本発明の実施例3における走査型表示装置の垂直断面概要図 本発明の実施例4における走査型表示装置の垂直断面概要図 本発明の実施例5における走査型表示装置の垂直断面概要図 本発明の実施例6における走査型表示装置の垂直断面概要図 従来例を示す図 MEMSミラーの構成を示す図 スクリーンに入射するレーザビームの偏光方向と、走査画像のスペックルパターンとの関係について示す図 偏光方向が異なるレーザによって生じるスペックルパターンの相関の評価
符号の説明
101、301、401−a、401−b、401−c、501、601、701−a、701−b、701−c、801−a、801−b、801−c 光源
102、302、402−a、402−b、402−c、502、602、802−a、802−b、802−c コリメーターレンズ
303 ビームスプリッター
104、304、404、505 偏光ビームスプリッター
305−a、305−b、504 ミラー
106、306、406、503 1/2波長板
107−a、107−b、506−a、506−b 偏向器
307、407、506、605、703、804 偏向手段
109、508 スクリーン
108、507 走査光学系
100、400 スペックルリダクション光学系
500、600、700−a、700−b、700−c、800 スペックルリダクション・ビームコンプレッション光学系
420、702、803 クロスダイクロイックプリズム
603 集光レンズ
604 分極反転分布付LN結晶

Claims (7)

  1. 少なくとも1つのレーザ光源とレーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記レーザビームをスクリーン上に2次元に走査して画像を表示する走査型表示装置において、
    前記レーザビームを第1と第2の光束に分割し、第1の光束の光路上に該光束の偏光方向を回転させる偏光方向回転手段を配置し、前記第2の光束とを再び合成する光合成手段を備え、該光合成手段により偏光方向が異なる該2光束を重ね合わせた合成光束を、前記スクリーン上に光走査して画像を表示することを特徴とする走査型表示装置。
  2. 前記光合成手段は、互いに直交する偏光光束の光路を合成するものであることを特徴とする請求項1記載の走査型表示装置。
  3. 前記走査型表示装置は、半導体レーザの活性層と垂直な方向のレーザビームを圧縮する光束圧縮手段を有することを特徴とする請求項2記載の走査型表示装置。
  4. 請求項1記載のレーザビームのうち少なくとも1つのレーザビームは、波長変換したレーザビームであることを特徴とする請求項1記載の走査型表示装置。
  5. 前記走査型表示装置は、波長変換したレーザビームを圧縮する光束圧縮手段を有することを特徴とする請求項4記載の走査型表示装置。
  6. 前記レーザビームは、赤色、緑色、青色を中心波長とする複数の光ビームからなることを特徴とする請求項1記載の走査型表示装置。
  7. 前記走査型表示装置は、赤色、緑色、青色を中心波長とする複数の光ビームを圧縮する光束圧縮手段を有することを特徴とする請求項1記載の走査型表示装置。
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