JP2009162825A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ光を射出するレーザ光源11と、該レーザ光源11から射出されたレーザ光を集光させ、中間像を形成する集光光学系12と、該集光光学系12から射出された光を走査する走査手段20と、中間像が形成され、入射したレーザ光の拡がり角よりも大きな拡がり角で射出させる角度変換手段14と、該角度変換手段14から射出されたレーザ光を被投射面40に向けて投射する投射手段15とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、レーザ光源を用いたプロジェクタにおいて、画像光による表示を行う際、スクリーン等の散乱体で光の干渉が生じることによって明点と暗点とが縞模様あるいは斑模様に分布する、いわゆる「シンチレーション(あるいは「スペックル」とも言う)」と呼ばれる現象が発生する場合がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、低コスト、かつ、光の利用効率を向上させることが可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の画像表示装置は、レーザ光を射出するレーザ光源と、該レーザ光源から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系と、該集光光学系から射出された光を走査し、中間像を形成する走査手段と、前記中間像が形成され、入射したレーザ光の拡がり角よりも大きな拡がり角で射出させる角度変換手段と、該角度変換手段から射出されたレーザ光を被投射面に向けて投射する投射手段とを備え、前記集光光学系は、前記レーザ光を前記角度変換手段へ集光させることを特徴とする。
また、本発明は、従来のように、走査手段と角度変換手段との間に設けられた光学系により中間像を形成する構成ではないので、部品点数が少なくなり、低コスト化を図ることが可能となる。また、本発明では、光学部材の数が少ないため、光学部材(集光光学系等)の光軸合わせが容易となる。したがって、装置全体の組み立てが簡易になり、低コスト化を図ることが可能となる。
また、レーザ光源から射出されたレーザ光を、角度変換手段へ入射したレーザ光の拡がり角よりも角度変換手段から射出されるレーザ光の拡がり角が大きくなるよう角度変換手段で拡散させることにより、スペックルノイズの粒度をより小さくすることができる。これにより、粒度の粗いスペックルパターンより、粒度の細かいスペックルパターンの方が、パターンの平坦化がされ易いため、ぎらつき(シンチレーション、スペックル)の発生が抑えられることになる。
また、投射手段に入射するレーザ光の照射領域を絞ることができるため、投射手段の開口を大きくする必要がない。したがって、開口の大きい投射手段を用いる必要がないので、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
本発明に係る画像表示装置では、角度変換手段により射出されるレーザ光の拡がり角が大きくなる前にレンズ系により集光させる。したがって、レンズ系により確実に角度変換手段から射出されるレーザ光が投射手段の光軸に向かうように偏向することが可能となる。また、例えば、レンズ系を走査手段と角度変換手段との間に配置することにより、レンズ系の開口を大きくする必要がないため、装置の小型化を図ることが可能となる。
また、角度変換手段が偏向手段と一体化された構成である場合は、角度変換手段と偏向手段との両方の機能を有するホログラム素子を作製すれば良い。
本実施形態に係る画像表示装置1は、図1に示すように、レーザ光源11と、集光レンズ(集光光学系)12と、MEMSミラー(走査手段)20と、光拡散板(角度変換手段)14と、投射レンズ(投射手段)15とを備えている。この画像表示装置1は、レーザ光源11から射出されたレーザ光をMEMSミラー20によりスクリーン(被投射面)40に向かって走査することで画像を表示する装置である。
集光レンズ12は、レーザ光源11から射出されたレーザ光を光拡散板14に集光させるものである。すなわち、集光レンズ12は、レーザ光源11から射出されたレーザ光を光拡散板14の入射端面14aでビームウェストとなるように集光させる。また、本実施形態では、集光レンズ12として焦点深度の深いレンズを用いる。なお、中間像を形成する位置は、光拡散板14の入射端面14aに限らず、入射端面14a近傍であっても良い。
ミラー部21は、MEMSミラー20の中央部に設けられており、入射したレーザ光をスクリーン40に反射させるものである。梁22a,22bは、ミラー部21の両側に第1の方向に沿って伸びて設けられている。本実施形態では、第1の方向はスクリーン40における水平方向(h方向)である。
また、第2基板25は、第1基板23を囲む額縁状であり、梁24a,24bに接続されている。
これらにより、ミラー部21は第1基板22に対し、梁22a,22bを振動軸として、振動運動が可能となっており、第1基板23は第2基板25に対し、梁24a,24bを振動軸として、振動運動が可能となっている。したがって、MEMSミラー20は、x軸及びy軸の2軸振動が可能、すなわち、ミラー部21によりレーザ光源11から射出されたレーザ光をスクリーン40の垂直方向に走査し、第1基板23によりレーザ光源11から射出されたレーザ光をスクリーン40の水平方向に走査する。
また、MEMSミラー20は、x軸及びy軸を中心に振動するため、入射した光を走査する走査角が時間とともに変化する。これにより、走査角の違いによって、集光レンズ12から光拡散板14までの光学的距離には若干差が生じる。しかしながら、集光レンズ12の焦点深度が比較的深いため、例え、走査角により光学的距離が異なっていたとしても、光拡散板14の入射端面14aに照射されるレーザ光のビーム径が異なることはほとんどない。
まず、中間像のサイズを1インチとし、画面解像度を800×600とし、ミラー部21の直径φを4mmとする。また、MEMSミラー20と光拡散板14の入射端面14a(中間像)と間の光学的距離Dが75mmである。このとき、光拡散板14の入射端面14aにおける中間像を形成するレーザ光Lのビームのスポットサイズの最大径(Kmax)/最小径(Kmin)が、1.06程度となる集光レンズ12を用いる。
なお、ミラー部21の直径φを4mmとし、光学的距離Dを75mmとしたが、これは一例に過ぎない。
このように、焦点深度が深い集光レンズ12は、レーザ光源11から射出されたレーザ光の出力強度が高い焦点の領域を広い範囲に渡って維持することができる。
また、光拡散板14は、レーザ光源11から射出されたレーザ光の中心軸Oに対して垂直な方向に移動、すなわち、中心軸Oと同一の回転軸Pを中心に回転可能となっている。さらに、光拡散板14の回転速度としては60Hz位程度であれば、スペックルノイズを知覚することはほとんどない。なお、光拡散板14の回転速度は、60Hzに限ることはなく、人間が感知可能なフリッカの周波数よりも高い周波数、例えば、30Hz以上に設定しても良い。
レーザ光源11から射出されたレーザ光は、集光レンズ12により集光され、MEMSミラー20により水平方向及び垂直方向に走査される。そして、MEMSミラー20から射出されたレーザ光は、光拡散板14の入射端面14aに中間像として形成される。光拡散板14に入射したレーザ光は、当該レーザ光の拡がり角θ1よりも大きい拡がり角θ2で射出される。その後、光拡散板14から射出されたレーザ光は、投射レンズ15によりスクリーン40に投射される。
このとき、光拡散板14は、回転軸Pを中心に回転されているため、光拡散板14から射出されるレーザ光の散乱状態は時間的に変化する。これにより、光拡散板14から射出されるレーザ光のスペックルパターンは残像効果により積分されることで、シンチレーションが抑えられたレーザ光となる。これにより、鮮明な画像がスクリーン40に投射される。
また、本発明は、従来のように、MEMSミラー20と光拡散板14との間に設けられた光学系により中間像を形成する構成ではないので、部品点数が少なくなり、低コスト化を図ることが可能となる。また、本実施形態では、集光レンズ12等の光学部材の数が少ないため、集光レンズ12等の光軸合わせが容易となる。したがって、装置全体の組み立てが簡易になり、低コスト化を図ることが可能となる。
つまり、本実施形態の画像表示装置1は、低コスト、かつ、光の利用効率を向上させることが可能となる。
赤色光源10Rは、中心波長が630nmの赤色のレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)であり、青色光源10Bは、中心波長が430nmの青色のレーザ光を射出する半導体レーザ(LD)である。緑色光源10Gは、DPSS(Diode Pomping Solid State)レーザによって構成され、図示しない波長変換素子により、中心波長が540nmである緑色のレーザ光に変換される。
このように、赤色光源10R、緑色光源10G、青色光源10Bを用いることにより、スクリーン40上にスペックルノイズが低減されたフルカラーの画像を表示することが可能となる。
なお、色光合成手段として、クロスダイクロイックプリズム55を用いたが、これに限るものではない。色光合成手段としては、例えば、ダイクロイックミラーをクロス配置とし色光を合成するもの、ダイクロイックミラーを平行に配置し色光を合成するものを用いることができる。
また、光拡散板14は、レーザ光源11から射出されたレーザ光の中心軸Oを中心に回転させたが、中心軸Oと平行な軸を中心に回転させれば良い。例えば、光拡散板14の端部(レーザ光が入射しない位置)を中心に回転させても良い。本実施形態では、レーザ光が入射する位置に回転軸Pが存在するため、死点(動きが止まる点)が生じるおそれが生じる。そこで、光拡散板14の端部を回転軸Pとして回転させることにより、死点が生じないため、スペックルノイズの発生を確実に抑えることが可能となる。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図5から図7を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態の図面において、上述した第1実施形態に係る画像表示装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る画像表示装置60では、集光レンズ系61を備える点において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
なお、図5では、集光レンズ系61として、1枚のレンズを示したが、これに限らず、2枚以上のレンズにより構成されていても良く、また、凸レンズに限らず凹レンズを組み合わせた構成であっても良い。集光レンズ系61を構成するレンズ形状及び開口の大きさは、入射するレーザ光や投射レンズ15の形状等により適宜変更が可能である。
また、集光レンズ系61が、MEMSミラー20と光拡散板14との間に配置されているため、光拡散板14において拡散されるレーザ光は、光拡散板14によって拡散される前に、投射レンズ15の光軸O1に向かうように偏向される。したがって、集光レンズ系61を光拡散板14の後段に配置した場合に比べて、開口の大きさが小さい集光レンズ系61を用いることができる。したがって、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
また、投射レンズ15を照射するレーザ光の照射領域A1の大きさが、投射レンズ15の開口A2と略同じ大きさとなるように、集光レンズ系61が配置されているため、投射レンズ15に入射するレーザ光を無駄にすることがない。したがって、レーザ光の利用効率を向上させることが可能となる。また、投射レンズ15の開口A2に合わせて、集光レンズ系61の配置を調整することにより、照射領域A1の大きさを調整することができる、したがって、開口A2の大きな投射レンズ15を用いる必要がないため、装置全体の小型化を図ることが可能となる。
また、偏向手段として集光レンズ系61を用いたが、これに限らず、例えば、液晶素子を用いて、投射レンズ15の光軸O1に向かうように、投射レンズ15に入射するレーザ光を偏向させても良い。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図8を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置70では、光拡散板71の形状において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第2実施形態と同様である。
また、光拡散板71に代えて、ホログラム素子を用いても良い。すなわち、ホログラム素子は、第2実施形態で示した集光レンズ系61のように、入射したレーザ光を偏向させる機能及び入射したレーザ光を拡散させて射出させる光拡散機能を有したものである。ホログラム素子としては、例えば、ガラス基板に計算機で計算して人工的に作成した凹凸構造が形成された計算機合成ホログラム(CGH :Computer Generated Hologram、以下CGHと称す。)を用いることができる。このCGHは回折現象を利用して入射光の波面を変換する波面変換素子である。特に位相変調型のCGHは入射光波のエネルギをほとんど失うことなく波面変換が可能である。このように、CGHは均一な強度分布や単純な形状の強度分布を発生させることができるので、画像表示装置70に好適に用いることができる。さらに、CGHは、回折格子の分割領域の自由な設定が可能であり、収差の問題が生じないので好適である。
また、ホログラム素子が、光拡散板14に入射するレーザ光のうち、中心軸Oより離れた位置に入射したレーザ光ほど投射レンズ15の光軸O1に向かうように偏向させる機能を有していても良い。この構成では、ホログラム素子から射出されるレーザ光はより効率良く投射レンズ15に取り込まれることになるため、レーザ光の利用効率を向上させることが可能となる。
例えば、第1実施形態、第2実施形態の角度変換手段として、ホログラム素子を用いても良い。この構成の場合、MEMSミラー20から射出されたレーザ光の拡がり角θ2を所望の値にし易くなる。
Claims (9)
- レーザ光を射出するレーザ光源と、
該レーザ光源から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系と、
該集光光学系から射出された光を走査し、中間像を形成する走査手段と、
前記中間像が形成され、入射したレーザ光の拡がり角よりも大きな拡がり角で射出させる角度変換手段と、
該角度変換手段から射出されたレーザ光を被投射面に向けて投射する投射手段とを備え、
前記集光光学系は、前記レーザ光を前記角度変換手段へ集光させることを特徴とする画像表示装置。 - 前記角度変換手段が、入射するレーザ光の中心軸に対して垂直な方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記角度変換手段から射出されるレーザ光が、当該レーザ光を前記投射手段の光軸に向かうように偏向する偏向手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記偏向手段が、当該偏向手段の光軸から離れた位置に入射したレーザ光ほど前記投射手段の光軸に向かうように偏向させることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 前記偏向手段が、前記走査手段と前記角度変換手段との間に配置されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像表示装置。
- 前記偏向手段が、レンズ系であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記偏向手段は、前記角度変換手段から射出され前記投射手段を照射するレーザ光の照射領域の大きさが前記投射手段の開口と略同じ大きさとなるように配置されていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記角度変換手段が、前記偏向手段と一体化された構成であることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記角度変換手段が、ホログラム素子であることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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