JP2009228721A - 回転支持棒の保持装置及び回転支持棒の保持方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一端にその軸心が一致するように被処理体が連結された回転支持棒2の他端を回転機構3に装着する回転支持棒の保持装置において、回転支持棒2の保持装置は、回転支持棒2の他端の外面周方向に亘って、かつその内面が回転支持棒2の軸方向に亘って接触するように縦添えされる少なくとも3枚の長方形状の板状体10と、回転機構3に装着されていて回転支持棒2の中心方向に移動自在で、かつ回転支持棒2の外面に縦添えされた板状体10の外面を締め付け押圧する締付具4とを有している。
【選択図】図1
Description
そのようにしないと、回転支持棒の下端に母材を装着し、回転機構により回転支持棒を回転し、かつこれを炉心管の中に徐々に下降させていった場合、母材が心ぶれを起こし、母材を均一に脱水、ガラス化することができなくなるからである。
図7に示すように、加熱炉8は、炉心管5と、ヒーター6を備えている。母材1を熱処理する場合には、まず回転支持棒2の一端を回転機構3の保持部に挿入し、ボルト等からなる締付具4でこれを、例えば、3方向あるいは4方向から締め付け、回転機構3に回転支持棒2を固定する。次にこの回転支持棒2の他端に母材1の上端を連結する。
しかしながらこの方法にあっても、この特許文献1に添付されている図7や図9から判るように、母材の端部外面を押圧しているのは3本のボルトの先端面である。換言するとボルト3本(軸方向2箇所で計6本)の先端面で母材端部に接触し、押圧して軸心の位置決めをしているだけなので、ある任意の1本のボルトの先端面の接触状態が変化しただけで、母材の軸心と回転支持棒の軸心が微妙にずれてしまう可能性がある。すなわち、母材の軸心と回転支持棒の軸心の合わせ調整を容易かつ安定して行える状況には至っていない、と考えられる。
特に、溝部22Aを長くしようとすればするほど、加工が難しくなって、回転支持棒の軸心とこの溝部22Aの軸心がずれ易くなる、という問題もある。言い換えれば、端末の保持部材の溝部22Aを精度の高いものにしようとすれば、回転支持棒の加工コストが必然的に高くなってしまう、という問題もある。
また、前述したように軸方向の少なくとも二断面上で調整するということは、少なくとも6本以上のボルトの出し入れを同時に行わなければならないため、最終的には従来よりも精度よく軸心合わせが可能かも知れないが、調整しなければならないボルトの本数が増えた分調整時間が掛かるという問題もある。
しかしながら、この回転支持棒と回転機構の連結について特許文献1は何も教えていない。
因みに、このような問題は、半導体製造装置における一端に基体が連結された回転支持棒を回転機構に装着するような場合にも発生する大きな問題である。
また、このように回転支持棒の外面に前記長方形状の板状体を縦添え、すなわち、板状体の長辺方向を回転支持棒の軸方向に平行になるように添え、その状態で板状体の外面を回転機構に装着してある締付具で押圧するため、締付具で押圧した力は、回転支持棒の軸方向に対して板状体の長さに相当する長さ分に亘って作用し、その結果、板状体の長さに相当する分で回転支持棒の軸心のぶれを規制することになる。
しかも用いている部材は少なくとも3枚の板状体に過ぎないから、その加工も容易で低コストで入手できる利点もある。
このようにしてなる請求項2記載の発明によれば、回転支持棒の外面をより安定して押圧し、軸心のぶれを規制できる。その結果、例えば、回転支持棒の軸心と炉心管の如き処理装置の軸心をより合わせ易く、母材の如き被処理体の軸心と炉心管の如き処理装置の軸心のずれ量を小さくすることができる。さらに長時間安定してその状態を保持することができる。
このようにしてなる請求項4記載の回転支持棒の保持方法によれば、長尺の光ファイバ用の母材の熱処理を母材の長手方向に亘って均一に施すことがより確実に行える。それ故、長手方向に亘って品質の安定した母材を得ることができ、品質の優れた光ファイバを歩留まりよく製造することができる。
図1は本発明の回転支持棒の保持装置であって、回転支持棒2を回転機構3に装着した状態を示す一部概略側面図である。
図1に示すように本発明の回転支持棒の保持装置における大きな特徴は、図1において省略されている被処理体1、例えば、光ファイバ用の母材をその一端(図1では下端)に連結する回転支持棒2の他端(図1では上端)において、回転支持棒2は、その外面の周方向に略等間隔で縦添えされた長方形状の板状体10を介して、回転機構3の回転支持棒2を保持する保持部に、締付具4で締め付けられて装着されている点にある。
ここで縦添え、という意味は、板状体10の長辺方向を回転支持棒2の軸方向に平行に添わせ、その内面が回転支持棒2の外面に接触するように配置せしめることをいう。
しかも用いている部材は、従来のものに比して、単に3枚程度の板状体10を追加したに過ぎないから加工も容易で、それ故低コストで入手できる利点もある。また用いている締付具4の本数も従来と同じであるから、特許文献1に開示されている発明よりも調整時間がより長く掛かるという恐れもない。
ところで、この板状体10の内面、すなわち、回転支持棒2の外面に接触する側の面には、回転支持棒2の外面により広く面接触できるように、回転支持棒2の半径Rと等しい曲率半径Rかそれよりも僅かに大きな曲率半径の曲面状溝12が形成されている。もちろん、例えば、Lが大きく取れるような場合には、あえてこの曲面状溝12を設ける必要はない。しかし、この曲面状溝12があれば、回転支持棒2を回転機構3に装着する取り付け作業の際、この板状体10を回転支持棒2に縦添えし易くなり、作業が容易になる上、より確実に回転支持棒2を把持できる利点がある。
図4、図5に示すように、回転支持棒2は、図示されていない炉心管5の軸心と軸心が一致するように、回転機構3の保持部に保持されている。回転支持棒2は回転支持棒2の周方向に120度の等間隔で位置決めされている3本の締付具4で、やはり周方向に120度の等間隔で回転支持棒2の外面に縦添えされている3枚の板状体10の外面をそれぞれ締め付け押圧している。
実際の軸心調整作業にあっては、回転支持棒2にダイヤルゲージをセットして、回転支持棒2を回転させその軸心のぶれを測定し、測定される軸心のぶれが所定の値以下となるように3本の締付具4をそれぞれ出し入れして締め付け量を調整して軸心を合わせる。
また、板状体10の横幅(短辺方向の長さW)は、より確実に回転支持棒2を把持するという観点から曲面状溝12が回転支持棒2の径方向の50%以上において接触するように設定することが好ましく、さらに好ましくは曲面状溝12が回転支持棒2の径方向の70%以上において接触することが好ましい。
また、板状体10の材質は特に限定されないが、例えば、金属製のものを用いることができ、軽量なアルミニウムが好適である。
さらに、回転支持棒2の一端に連結するものとして、母材のような被処理体1の例のみ示したが、本発明の回転支持棒の保持装置は、例えば、回転支持棒2の一端に円盤状の基体を連結し、この円盤状の基体表面に半導体用等の単結晶を成長させる装置にも適用できる。すなわち、本発明は回転支持棒2を回転させながら、かつこの回転支持棒2を軸方向に移動させる形態の装置であって、この回転支持棒2の軸心のぶれを極めて小さく抑えなければならない種々の装置に適用できる。
[実施例]
図1に示す本発明の回転支持棒の保持装置を用いて、光ファイバ母材のガラス化を行った。
回転支持棒2は、その外面の周方向に略等間隔で縦添えされた図2に示す長方形状の板状体10を介して、回転機構3の回転支持棒2を保持する保持部に、図3に示す締付具4で締め付けて装着した。回転支持棒2はその長さが約4mであり、外径が約50mmである。また、板状体10は長辺の長さLが約150mm、短辺の長さWが約35mmであり、回転支持棒2の半径Rとほぼ等しい曲率半径Rの曲面状溝12が回転支持棒2と接触する面に形成されているものを用いた。
なお、回転支持棒2に母材1を連結せず、回転支持棒2の上下移動を行わずに一定位置で回転させた状態における炉心管5の軸心と回転支持棒2の軸心の角度のずれθがゼロになるように調整した。
従来方法、すなわち、先端面が水平の3本のボルトのみを用いて回転支持棒2を保持した以外は実施例と同様にして実施例と同サイズの光ファイバ母材のガラス化を行った。
なお、回転支持棒2に母材1を連結せず、回転支持棒2の上下移動を行わずに一定位置で回転させた状態における炉心管5の軸心と回転支持棒2の軸心の角度のずれθがゼロになるように調整した。
図6に示すように比較例ではガラス化時の下端側のコア偏心率が大きくなっているのに対し、実施例では長手方向に亘って安定して良好なコア偏心率であった。
2 回転支持棒
3 回転機構
4 締付具
5 炉心管
6 ヒーター
8 加熱炉
9 締付具の先端部
10 板状体
11 座ぐり部
12 曲面状溝
Claims (4)
- 一端に基体または被処理体が連結される回転支持棒の他端を回転機構に装着する回転支持棒の保持装置において、
該回転支持棒の保持装置は、
前記回転支持棒の他端の外面周方向に亘って略等間隔で、かつその内面が回転支持棒の軸方向に亘って接触するように縦添えされる少なくとも3枚の長方形状の板状体と、
前記回転機構に装着され、前記回転支持棒の中心方向に移動自在であり、かつ前記回転支持棒の外面に縦添えされた前記板状体の外面を締め付け押圧する締付具と、を有していることを特徴とする回転支持棒の保持装置。 - 前記板状体は、その内面に前記回転支持棒の外面に面接触可能な曲面状溝を有していることを特徴とする請求項1記載の回転支持棒の保持装置。
- 一端に基体または被処理体が連結される回転支持棒の他端に、該回転支持棒の周方向に亘って略等間隔で、しかもその内面が回転支持棒の軸方向に亘って接触するように少なくとも3枚の長方形状の板状体を縦添えし、しかる後これら板状体の外面を、前記回転機構に装着され前記回転支持棒の中心方向に移動自在な締付具で締め付け押圧し、前記回転支持棒を前記回転機構に装着することを特徴とする回転支持棒の保持方法。
- 前記被処理体は多孔質の光ファイバ母材であることを特徴とする請求項3記載の回転支持棒の保持方法。
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JP2008072755A JP4913766B2 (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 回転支持棒の保持装置及び回転支持棒の保持方法 |
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