JP2009228616A - 還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】故障診断プログラムを複雑にすることなく、信頼性の高いエンジン冷却装置の故障診断を行うことができる還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置を提供する。
【解決手段】還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、エンジンの始動を検知する始動検知部と、エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、エンジンの始動時には冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を停止しておき、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を開始させるように冷却水循環制御手段を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図6
【解決手段】還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、エンジンの始動を検知する始動検知部と、エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、エンジンの始動時には冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を停止しておき、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を開始させるように冷却水循環制御手段を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、排気浄化装置が備えられた車両に備えられる還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置に関する。特に、還元剤の貯蔵タンクにエンジン冷却水を循環させて還元剤の温度調節を行うシステムに用いられる還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置に関する。
従来、ディーゼルエンジン等から排出される排気ガス中には、環境に影響を与えるおそれのある窒素酸化物(以下、「NOX」と称する。)が含まれている。このNOXを浄化するために用いられる排気浄化装置の一態様として、排気管内に選択還元触媒を配設し、この選択還元触媒中で還元剤を用いてNOXの還元浄化を行うSCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られている。このSCRシステムは、尿素水溶液等の還元剤を選択還元触媒の上流側に供給して、生成されるアンモニアを選択還元触媒に吸着させておき、流入してくる排気ガス中のNOXをアンモニアと反応させて、NOXを還元浄化するものである。
このような排気浄化装置において、貯蔵タンク内に貯蔵された尿素水溶液の凍結防止又は凍結した尿素水溶液の解凍をするために、貯蔵タンクに冷却水循環配管(エンジン冷却水循環通路)が設けられた排気浄化装置が開示されている。より具体的には、図7に示すように、貯蔵タンク306には、エンジン301の冷却水通路と接続された冷却水循環配管308が設けられ、冷却水循環配管308によってエンジン301で加熱される冷却水の通路の一部を貯蔵タンク306に導いて、循環通路内を流れる冷却水の熱を循環通路の側壁を通じて尿素水溶液側に移動させて尿素水溶液を保温するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
一方、エンジンの冷却水を循環させてエンジンの冷却を行うエンジン冷却装置では、エンジンの始動時等において、エンジン冷却装置を構成する温度センサやサーモスタットの故障診断が行われるようになっている。
例えば、エンジン冷却装置に備えられた温度センサの故障診断を行う診断装置として、エンジン始動から所定の計測時までのセンサ出力の変化量を算出する手段と、この変化量が所定値未満であるとき、センサに故障があると判定する手段とを備えた冷却水温度センサの診断装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
例えば、エンジン冷却装置に備えられた温度センサの故障診断を行う診断装置として、エンジン始動から所定の計測時までのセンサ出力の変化量を算出する手段と、この変化量が所定値未満であるとき、センサに故障があると判定する手段とを備えた冷却水温度センサの診断装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、エンジン冷却装置に備えられたサーモスタットの故障診断を行う診断装置として、エンジン始動時に冷却水温度検出手段によって検出又は推定された冷却水の温度と基準値とを比較することによりサーモスタットの故障を検出するサーモスタット故障検出手段を備えたエンジン冷却装置の故障検出システムが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
ここで、エンジン冷却装置の故障診断が行われるエンジン始動時には貯蔵タンク内の還元剤の温度が低下している場合が多く、特許文献1に記載された排気浄化装置では、エンジン始動直後に、エンジン冷却水が貯蔵タンクに通じる循環通路内を循環する場合が多いと考えられる。そのため、特許文献2や特許文献3のように、冷却水の温度をもとにして温度センサやサーモスタットの故障診断を行おうとすると、エンジン冷却水が還元剤から受ける比熱を考慮しなければ、エンジン冷却水の温度が正常に推移しているか否かの判定が困難となるおそれがある。しかしながら、エンジン冷却水が還元剤から受ける比熱を考慮して故障診断を行えるように構成しようとすると、診断プログラムが著しく複雑になるおそれがあるとともに、他のセンサ値や演算値を利用する機会が増し、誤診断につながる可能性も増えてしまう。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、エンジン冷却水を用いて還元剤の温度を調節する還元剤供給装置において、エンジン始動時にエンジン冷却装置の故障診断が終了するまでは貯蔵タンクへのエンジン冷却水の循環を行わないようにすることによりこのような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、還元剤の比熱の影響を排除して、エンジン冷却装置の故障診断を正確に行うことができる還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために、排気管に配設された還元触媒の排気上流側に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置であって、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、エンジンの始動を検知する始動検知部と、エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、エンジンの始動時には冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を停止しておき、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、を備えることを特徴とする還元剤供給装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の還元剤供給装置を構成するにあたり、エンジン冷却水循環通路を第1のエンジン冷却水循環通路とし、冷却水循環制御手段を第1のエンジン冷却水循環制御手段としたときに、還元剤供給装置は、エンジン冷却水通路又は第1のエンジン冷却水循環通路に接続されるとともに排気管に取付けられた還元剤噴射部に配設され、エンジン冷却水が通過可能にされた第2のエンジン冷却水循環通路と、第2のエンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための第2の冷却水循環制御手段と、を備え、制御部は、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、第1及び第2の冷却水循環制御手段を制御して第1及び第2のエンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給の停止を解除することが好ましい。
また、本発明の別の態様は、エンジンに配設されたエンジン冷却水通路に接続されるとともに、エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために用いられる還元剤を貯蔵する貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水の少なくとも一部が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御装置であって、エンジンの始動を検知する始動検知部と、エンジン冷却装置による故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、エンジンの始動時には冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を停止しておき、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、を備えることを特徴とする冷却水循環制御装置である。
また、本発明のさらに別の態様は、エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために、排気管に配設された還元触媒の排気上流側に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置であって、還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が開始されるか否かを判別する診断開始判定部と、故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、故障診断の実行中には冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を停止しておき、エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、エンジン冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、を備えることを特徴とする還元剤供給装置である。
本発明の還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置によれば、エンジン始動後、エンジン冷却装置の故障診断が終了したことをきっかけとして、貯蔵タンク又は還元剤噴射弁側へのエンジン冷却水の循環制御が開始されるようになっている。そのため、エンジン冷却水が、貯蔵タンク内の還元剤や還元剤噴射弁から受ける比熱の影響を考慮することなく、エンジン冷却装置の故障診断を行うことができるようになる。したがって、エンジン冷却装置の故障診断プログラムを複雑化することなく、信頼性の高いエンジン冷却装置の故障診断を行うことができる。
さらに、本発明の還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置によれば、エンジン始動直後に、エンジン冷却水が還元剤供給装置の昇温に使用されなくなるため、エンジン冷却水が速やかに昇温され、エンジンの暖機が速やかに行われる。
以下、図面を参照して、本発明の還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものについては同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.還元剤供給装置
図1は、本実施形態の還元剤供給装置20が備えられた排気浄化装置10のシステム構成の一例を示している。
排気浄化装置10は、エンジン5に接続された排気管11の途中に配設され、排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元するための還元触媒13と、還元触媒13の上流側で排気管11内に尿素水溶液を噴射供給するための還元剤供給装置20とを主たる要素として構成されている。この排気浄化装置10では、排気管内に配設された還元触媒13の上流側に噴射供給される還元剤としての尿素水溶液が排気ガスとともに還元触媒13に流入し、当該還元触媒13において排気ガス中に含まれるNOXが選択的に還元浄化される。
図1は、本実施形態の還元剤供給装置20が備えられた排気浄化装置10のシステム構成の一例を示している。
排気浄化装置10は、エンジン5に接続された排気管11の途中に配設され、排気ガス中に含まれるNOXを選択的に還元するための還元触媒13と、還元触媒13の上流側で排気管11内に尿素水溶液を噴射供給するための還元剤供給装置20とを主たる要素として構成されている。この排気浄化装置10では、排気管内に配設された還元触媒13の上流側に噴射供給される還元剤としての尿素水溶液が排気ガスとともに還元触媒13に流入し、当該還元触媒13において排気ガス中に含まれるNOXが選択的に還元浄化される。
本実施形態の排気浄化装置10に備えられた還元剤供給装置20は、還元触媒13の上流側で排気管11に固定された還元剤噴射弁31と、尿素水溶液が貯蔵された貯蔵タンク50と、貯蔵タンク50内の尿素水溶液を還元剤噴射弁31に対して圧送するポンプモジュール40と、エンジン冷却水(以下、単に「冷却水」と称する。)が通過可能にされた第1のエンジン冷却水循環通路(以下、単に「第1の冷却水循環通路」と称する。)87及び第2のエンジン冷却水循環通路(以下、単に「第2の冷却水循環通路」と称する。)85を備えている。
また、排気浄化装置10には、還元剤供給装置10の各要素の制御を行う制御装置(以下、「DCU:Dosing Control Unit」と称する。)60が備えられている。DCU60にはECU(Electronic Control Unit)70が接続されており、燃料噴射量や噴射タイミング、回転数等をはじめとするエンジンの運転状態に関する情報が書き込まれるようになっているだけでなく、排気浄化装置10に備えられたあらゆるセンサ等の情報も書き込まれる。
なお、本実施形態では、ECU70とDCU60とが別のコントロールユニットからなっているが、これらのECU70とDCU60とが一つのコントロールユニットとして構成されていても構わない。
なお、本実施形態では、ECU70とDCU60とが別のコントロールユニットからなっているが、これらのECU70とDCU60とが一つのコントロールユニットとして構成されていても構わない。
このうち、還元剤噴射弁31とポンプモジュール40とは第1の供給通路58によって接続され、貯蔵タンク50とポンプモジュール40とは第2の供給通路57によって接続されている。さらに、ポンプモジュール40と貯蔵タンク50とは循環通路59によっても接続されている。
第1の供給通路58の還元剤噴射弁31の近傍には、還元剤噴射弁31に流入する尿素水溶液の温度を検知するための温度センサ33が備えられている。
第1の供給通路58の還元剤噴射弁31の近傍には、還元剤噴射弁31に流入する尿素水溶液の温度を検知するための温度センサ33が備えられている。
還元剤噴射弁31としては、例えば、通電制御により開弁のON−OFFが制御される電磁式のON−OFF弁を使用することができる。ポンプモジュール40から還元剤噴射弁31に圧送される尿素水溶液は所定の圧力に維持されるようになっており、DCU60から送られてくる制御信号によって還元剤噴射弁31が開かれたときに尿素水溶液が排気管内に噴射される。
この還元剤噴射弁31のハウジングには還元剤冷却水通路37が設けられており、エンジン冷却水を用いて還元剤噴射弁31の冷却が行われる。この還元剤冷却水通路37は、第2の冷却水循環通路85の一部を構成するものであり、内部をエンジン冷却水が通過する。
この還元剤噴射弁31のハウジングには還元剤冷却水通路37が設けられており、エンジン冷却水を用いて還元剤噴射弁31の冷却が行われる。この還元剤冷却水通路37は、第2の冷却水循環通路85の一部を構成するものであり、内部をエンジン冷却水が通過する。
ポンプモジュール40はポンプ41を備えており、貯蔵タンク50内の尿素水溶液が第2の供給通路57を介して汲み上げられ、第1の供給通路58を介して還元剤噴射弁31に向けて圧送されるようになっている。このポンプ41は、例えば電動式のダイヤフラムポンプやギアポンプからなり、DCU60から送られてくる信号によってデューティ制御されるようになっている。
また、ポンプモジュール40内の第1の供給通路58には圧力センサ43が備えられており、圧力センサ43によって検知されるセンサ値は信号としてDCU60に出力される。このセンサ値をもとにしてポンプ41のフィードバック制御が行われ、第1の供給通路58内の圧力値が所定値に維持されるように制御される。すなわち、圧力センサ43のセンサ値が所定値よりも低下している場合には、ポンプ41の駆動デューティは大きくなるように制御され、圧力センサ43のセンサ値が所定値を上回っている場合には、ポンプ41の駆動デューティは小さくなるように制御される。
なお、「ポンプの駆動デューティ」とは、PWM(pulse width modulation)制御において、1周期当たりに占めるポンプの駆動時間の割合を意味している。
なお、「ポンプの駆動デューティ」とは、PWM(pulse width modulation)制御において、1周期当たりに占めるポンプの駆動時間の割合を意味している。
また、第1の供給通路58にはメインフィルタ47が備えられ、還元剤噴射弁31に圧送される尿素水溶液中の異物が捕集されるようになっている。また、循環通路59は、ポンプ41とメインフィルタ47との間の第1の供給通路58から分岐するように接続され、他端が貯蔵タンク50に接続されている。この循環通路59の途中にはオリフィス45が備えられている。このような循環通路59を備えることにより、圧力センサ43のセンサ値をもとにフィードバック制御されるポンプ41によって尿素水溶液が圧送されている状態で、圧力センサ43のセンサ値が所定値を上回っている場合に、尿素水溶液の一部がオリフィス45を介して貯蔵タンク50内に還流されるようになっている。
また、ポンプモジュール40にはリバーティングバルブ71が備えられている。このリバーティングバルブ71は、尿素水溶液の流路を、貯蔵タンク50からポンプモジュール40へ向かう順方向から、ポンプモジュール40から貯蔵タンク50へ向かう逆方向に切り換える機能を持った切換弁である。リバーティングバルブ71によって流路を逆方向に切り換えるとともに、ポンプ41を駆動させることにより、ポンプモジュール40や還元剤噴射弁31、第1の供給通路58、第2の供給通路57等を含む還元剤供給系の尿素水溶液が貯蔵タンク50に回収される。したがって、エンジン5の停止時に還元剤を貯蔵タンク内に回収しておくことにより、冷寒時等、尿素水溶液が凍結しやすい温度条件下において、還元剤供給系内での尿素水溶液の凍結が防止される。また、エンジンを長時間始動させずに放置した場合での、還元剤供給系内での尿素水溶液の結晶化も防止される。そのため、エンジン5の運転を再開したときに、詰まりによる噴射不良が生じにくくなっている。
また、還元剤供給装置20の還元剤供給系の各部位にはそれぞれヒーター92〜97が備えられている。これらのヒーター92〜97は、冷寒時等において尿素水溶液が還元剤供給系内に存在する場合に、尿素水溶液が凍結して部分的に又は完全に還元剤供給系を塞いでしまい、還元剤噴射弁31による還元剤の噴射制御を正確に行えなくなることを防ぐために備えられている。これらのヒーター92〜97は、DCU60によって通電が制御されるようになっている。例えば、尿素水溶液の温度や外気温度等をもとにして、還元剤供給系で尿素水溶液が凍結を生じるような温度条件下にあると判断されたときに加熱されるようになっている。
これらのヒーター92〜97についても、特に制限されるものではなく、例えば、電熱線等を使用することができる。
これらのヒーター92〜97についても、特に制限されるものではなく、例えば、電熱線等を使用することができる。
また、貯蔵タンク50には、第1の冷却水循環通路87が配設されている。この第1の冷却水循環通路87は、エンジンに備えられたエンジン冷却装置100を構成するエンジン冷却通路86から分岐して、再びエンジン冷却通路86に合流する。そして、エンジン冷却水が第1の冷却水循環通路87の内部を循環することによって、貯蔵タンク50内の還元剤が加熱あるいは保温される。エンジン5の冷却水は、例えば70〜80℃程度に維持されるようになっているため、このエンジン冷却水を用いて尿素水溶液が凍結しないように制御が行われる。
また、第1の冷却水循環通路87から分岐する第2の冷却水循環通路85は、途中、還元剤噴射弁31に設けられた還元剤冷却水通路37を介して、再び第1の冷却水循環通路87に合流する。そして、エンジン冷却水が第2の冷却水循環通路85の内部を循環することによって、還元剤噴射弁31が冷却される。
これらの第1及び第2の冷却水循環通路87、87の途中には、冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段としての第1の冷却水流量制御弁83、第2の冷却水流量制御弁81がそれぞれ配置されている。
第1の冷却水流量制御弁83及び第2の冷却水流量制御弁81は、例えば、通電制御によって開弁のON−OFFの制御が行われる電磁式のON−OFF弁を用いることができる。この電磁式のON−OFF弁は、通電するパルス電流のデューティ比を調節することによって、冷却水循環通路内を流れる冷却水の流量が調節されるものである。
第1の冷却水流量制御弁83及び第2の冷却水流量制御弁81は、例えば、通電制御によって開弁のON−OFFの制御が行われる電磁式のON−OFF弁を用いることができる。この電磁式のON−OFF弁は、通電するパルス電流のデューティ比を調節することによって、冷却水循環通路内を流れる冷却水の流量が調節されるものである。
第1の冷却水循環通路87に備えられた第1の冷却水流量制御弁83は、例えば、貯蔵タンク50に備えられた温度センサ51のセンサ値をもとに、DCU60によって通電制御が行われる。これによって、貯蔵タンク50内の尿素水溶液が所定温度以上に保持される。また、第2の冷却水循環通路87に備えられた第2の冷却水流量制御弁81は、例えば、排気ガス温度や第1の供給通路58に備えられた温度センサ33のセンサ値、第2の冷却水循環通路87に備えられた温度センサ35のセンサ値、還元剤の噴射量、冷却水の循環量等をもとにして推定される還元剤噴射弁31の温度をもとに、DCU60によって通電制御が行われる。これによって、還元剤噴射弁31の温度が所定温度以下に保持される。
2.エンジン冷却装置
本発明の還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置が備えられる車両のエンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の構成は、冷却水を循環させてエンジンを冷却する態様のものであれば特に制限されるものではない。以下、本実施形態の還元剤供給装置が備えられた車両のエンジン5に備えられたエンジン冷却装置100の構成例について説明する。
本発明の還元剤供給装置及び冷却水循環制御装置が備えられる車両のエンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の構成は、冷却水を循環させてエンジンを冷却する態様のものであれば特に制限されるものではない。以下、本実施形態の還元剤供給装置が備えられた車両のエンジン5に備えられたエンジン冷却装置100の構成例について説明する。
図2は、エンジン冷却装置100が備えられたエンジン5の概略構成を示す図である。
このエンジン5は、4サイクルエンジンであり、シリンダヘッド102及びシリンダブロック103を備えて構成されている。エンジン5の内部には冷却水を循環させるためのウォータジャケット104が形成されている。また、エンジン5には冷却水を循環させるためのエンジン冷却通路86が接続されている。このエンジン冷却通路86は、ラジエータ105を循環する第1循環通路106、ヒータコア107を循環する第2循環通路108、バイパス通路109を循環する第3循環通路110を備えている。
このエンジン5は、4サイクルエンジンであり、シリンダヘッド102及びシリンダブロック103を備えて構成されている。エンジン5の内部には冷却水を循環させるためのウォータジャケット104が形成されている。また、エンジン5には冷却水を循環させるためのエンジン冷却通路86が接続されている。このエンジン冷却通路86は、ラジエータ105を循環する第1循環通路106、ヒータコア107を循環する第2循環通路108、バイパス通路109を循環する第3循環通路110を備えている。
第1循環通路106は、ラジエータ105、サーモスタット111、電動ポンプ112、ウォータジャケット104を備えている。また、第2循環通路108は、ヒータコア107、ヒータバルブ114、電動ポンプ112、ウォータジャケット104を備えて構成されている。また、第3循環通路110は、バイパス通路109、サーモスタット111、電動ポンプ112、ウォータジャケット104を備えて構成されている。各循環通路の一部には、他の循環通路と共有されている箇所があり、例えばウォータジャケット104は全ての循環通路に共有されている。
第1循環通路106では、電動ポンプ112から吐出された冷却水が、ウォータジャケット104、ラジエータ105、サーモスタット111の順に流れる。このうち、サーモスタット111は、冷却水温度が設定温度よりも高くなると作動して第1循環通路106に冷却水を流し、冷却水温度が低いときには第3循環通路110に冷却水を流すようになっている。第3循環通路110では、電動ポンプ112から吐出された冷却水が、ウォータジャケット104、バイパス通路109、サーモスタット111の順に流れる。
また、第2循環通路108では、電動ポンプ112から吐出された冷却水が、ウォータジャケット104、ヒータバルブ114、ヒータコア107の順に流れる。この第2循環通路108を流れる冷却水の流量の制御は、ヒータバルブ114によって行われている。
第1循環通路106及び第2循環通路108のエンジン5からの出口付近には、当該第1循環通路106及び第2循環通路108内を流れる冷却水の温度に応じた信号を出力する温度センサ113が取り付けられている。この温度センサ113は、バイパス通路109の近くに取り付けられているため、温度センサ113のセンサ値は、バイパス通路109を流れる冷却水の温度をも示している。
このように構成されたエンジン5には、当該エンジン5を制御するための電子制御ユニットであるECU70が併設されている。このECU70は、エンジン5の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン5の運転状態を制御するユニットである。
ECU70には、温度センサ113の他、アクセル開度すなわちエンジン負荷に応じた信号を出力するアクセル開度センサ115、エンジン5の回転数に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ116が電気配線を介して接続され、これらセンサの出力信号がECU70に入力されるようになっている。
一方、ECU70には、電動ポンプ112が電気配線を介して接続され、ECU70はこの電動ポンプ112を制御する。電動ポンプ112は、当該電動ポンプ112へ供給する電力を調整することにより、冷却水の吐出量すなわちエンジン冷却水通路を流れる冷却水の流量を調整することができる。また、エンジン5の運転中であっても、電動ポンプ112を停止することができる。
一方、ECU70には、電動ポンプ112が電気配線を介して接続され、ECU70はこの電動ポンプ112を制御する。電動ポンプ112は、当該電動ポンプ112へ供給する電力を調整することにより、冷却水の吐出量すなわちエンジン冷却水通路を流れる冷却水の流量を調整することができる。また、エンジン5の運転中であっても、電動ポンプ112を停止することができる。
そして、エンジン5の冷寒始動時には、エンジン5の始動後であっても電動ポンプ112を停止させることにより、ウォータジャケット104内の冷却水の温度を速やかに上昇させることができる。これにより、エンジン5の暖機を速やかに行うことができ、燃費の向上および有害物質の排出の抑制を図ることができる。
3.エンジン冷却装置の故障診断方法
エンジン5に備えられた図2に示す構成のエンジン冷却装置100におけるエンジン冷却装置の故障診断方法の態様は、冷却水の温度をもとに診断を行うものであれは特に制限されるものではない。以下、エンジン冷却装置の故障診断方法の一態様として、ECU70によって行われるサーモスタット111の故障診断方法の一例について、図2及び図3を参照しながら説明する。
エンジン5に備えられた図2に示す構成のエンジン冷却装置100におけるエンジン冷却装置の故障診断方法の態様は、冷却水の温度をもとに診断を行うものであれは特に制限されるものではない。以下、エンジン冷却装置の故障診断方法の一態様として、ECU70によって行われるサーモスタット111の故障診断方法の一例について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図3は、エンジン始動後における温度センサ113のセンサ値の推移を示したタイムチャートである。エンジン5の始動後からAで示される時間までは電動ポンプ112が停止され、Aで示される時間から後は電動ポンプ112が作動している。
Aで示される時間までは、ウォータジャケット104に冷却水が滞留し、当該冷却水の温度が速やかに上昇する。その後、電動ポンプ112が作動すると、第2循環通路108及び第3循環通路110内の冷却水であって、エンジン5の外部に滞留していた冷却水がエンジン5の内部に流れ込む。このようにしてエンジン5の内部に流れ込んだ冷却水の温度は直ぐには上昇しない。そのため、この冷却水がエンジン5を通過して温度センサ113に到達すると、温度センサ113のセンサ値が低下する。さらにその後、冷却水の温度は徐々に均一化されつつエンジン5から発生する熱により上昇する。
Aで示される時間までは、ウォータジャケット104に冷却水が滞留し、当該冷却水の温度が速やかに上昇する。その後、電動ポンプ112が作動すると、第2循環通路108及び第3循環通路110内の冷却水であって、エンジン5の外部に滞留していた冷却水がエンジン5の内部に流れ込む。このようにしてエンジン5の内部に流れ込んだ冷却水の温度は直ぐには上昇しない。そのため、この冷却水がエンジン5を通過して温度センサ113に到達すると、温度センサ113のセンサ値が低下する。さらにその後、冷却水の温度は徐々に均一化されつつエンジン5から発生する熱により上昇する。
そして、電動ポンプ112が作動を開始してから所定時間が経過した後にサーモスタット111の故障検出が行われる。この所定時間は、例えば、サーモスタット111が正常だとしたときに、電動ポンプ112の作動により冷却水温度が一旦低下し、その後所定値まで上昇するのに要する時間とすることができる。この所定時間は、予め実験等により求めてECU70に記憶させておく。
なお、電動ポンプ112が作動を開始してからの所定時間に代えて、冷却水の流量の積算値が所定値となるまではサーモスタット111の故障検出を禁止してもよい。また、エンジン5の始動からの経過時間が所定値となるまではサーモスタット111の故障検出を禁止してもよい。
なお、電動ポンプ112が作動を開始してからの所定時間に代えて、冷却水の流量の積算値が所定値となるまではサーモスタット111の故障検出を禁止してもよい。また、エンジン5の始動からの経過時間が所定値となるまではサーモスタット111の故障検出を禁止してもよい。
次に、本実施例におけるサーモスタットの故障検出のフローについて説明する。
図4は、サーモスタット111の故障診断のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行されるが、好ましくは、エンジン5の始動時に実行される。
図4は、サーモスタット111の故障診断のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行されるが、好ましくは、エンジン5の始動時に実行される。
まず、ステップS101では、温度センサ113のセンサ値又は水温模擬カウンタが所定値以上であり、且つ電動ポンプ112が作動を開始してから所定時間が経過しているか否かが判定される。すなわち、サーモスタット111の故障検出をするための条件が成立しているか否かが判定される。
水温模擬カウンタは、エンジン5の運転状態(例えば、機関回転数及び機関負荷)及び雰囲気状態(例えば、外気温)に基づいて冷却水温度の上昇値を求め、この上昇値を積算することにより推定される冷却水温度である。
水温模擬カウンタは、エンジン5の運転状態(例えば、機関回転数及び機関負荷)及び雰囲気状態(例えば、外気温)に基づいて冷却水温度の上昇値を求め、この上昇値を積算することにより推定される冷却水温度である。
そして、サーモスタット111の故障検出は、温度センサ113のセンサ値又は水温模擬カウンタが所定値(例えば、75℃)以上となったときに行われるため、この温度となっているか否かが判定される。ステップS101でYesと判定された場合にはステップS102へ進む一方、Noと判定された場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、サーモスタット111の故障検出が行われる。
例えば、温度センサ113のセンサ値が所定値(例えば、75℃)を超えたときに、水温模擬カウンタが温度センサ113のセンサ値よりも低い場合にはサーモスタット111は正常と判定される。一方、水温模擬カウンタが温度センサ113のセンサ値よりも先に所定値(例えば、75℃)に達した場合にはサーモスタット111が故障していると判定される。
例えば、温度センサ113のセンサ値が所定値(例えば、75℃)を超えたときに、水温模擬カウンタが温度センサ113のセンサ値よりも低い場合にはサーモスタット111は正常と判定される。一方、水温模擬カウンタが温度センサ113のセンサ値よりも先に所定値(例えば、75℃)に達した場合にはサーモスタット111が故障していると判定される。
このようにして、エンジン5の始動時に電動ポンプ112が停止されている場合において冷却水温度が急激に上昇したとしても、サーモスタット111の故障検出が禁止されているので、誤検出を抑制することができる。
また、電動ポンプ112が作動を開始した後に冷却水温度が変動したとしても、所定期間はサーモスタット111の故障検出が禁止されているので、誤検出を抑制することができる。
また、電動ポンプ112が作動を開始した後に冷却水温度が変動したとしても、所定期間はサーモスタット111の故障検出が禁止されているので、誤検出を抑制することができる。
4.還元剤供給装置の制御装置(DCU)
図5は、本実施形態の排気浄化装置10に備えられた還元剤供給装置20を制御するためのDCU60の構成を示している。このDCU60は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、図1に示す第1の冷却水流量制御弁83及び第2の冷却水流量制御弁81の動作制御に関する部分を機能的なブロックで表した構成例が示されている。
図5は、本実施形態の排気浄化装置10に備えられた還元剤供給装置20を制御するためのDCU60の構成を示している。このDCU60は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、図1に示す第1の冷却水流量制御弁83及び第2の冷却水流量制御弁81の動作制御に関する部分を機能的なブロックで表した構成例が示されている。
本実施形態におけるDCU60は、ECU70によって行われるエンジン冷却装置の故障診断が開始されるか否かを判別する診断開始判定部(図5では「診断開始判定」と表記。)と、エンジン冷却装置の故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部(図5では「診断終了判定」と表記。)と、第1の冷却水流量制御弁の開弁制御を行う第1の冷却水流量制御弁制御部(図5では「Vc1制御」と表記。)と、第2の冷却水流量制御弁の開弁制御を行う第2の冷却水流量制御弁制御部(図5では「Vc2制御」と表記。)等を主要な要素として構成されている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータ(図示せず)によるプログラムの実行によって実現されるものである。
このうち、第1の冷却水流量制御弁制御部は、貯蔵タンク内の還元剤が所定温度以上に維持されるように、第1の冷却水流量制御弁(Vc1)を制御して第1の冷却水循環通路内を流通するエンジン冷却水の流量を制御する部分である。例えば、第1の冷却水流量制御弁制御部は、貯蔵タンク内に備えられた温度センサのセンサ値(Ttank)をもとにして、第1の冷却水流量制御弁(Vc1)の開閉制御を行うようになっている。
また、第2の冷却水流量制御弁制御部は、還元剤噴射弁が熱によって損傷しないように、第2の冷却水流量制御弁(Vc2)を制御して第2の冷却水循環通路内を流通するエンジン冷却水の流量を制御する部分である。例えば、第2の冷却水流量制御弁制御部は、排気ガス温度(Tgus)及び排気ガス流量(Qgus)、還元剤噴射弁に供給される還元剤温度(Turea)及び還元剤流量(Qurea)、外気温度(Tenv)等をもとに、還元剤噴射弁温度演算部(図5では「Tudv演算」と表記。)で推定される還元剤噴射弁の温度(Tinj)をもとにして、第2の冷却水流量制御弁(Vc2)の開閉制御を行うようになっている。
また、診断開始判定部は、ECU70からの信号をもとにして、エンジン冷却装置の故障診断が開始されるか否かを判別する部分である。例えば、診断開始判定部は、エンジン冷却装置の故障診断が開始される情報をECU70から受け取ると、上記故障診断が開始されるまでに第1の冷却水流量制御弁及び第2の冷却水流量制御弁が閉じられるように、第1の冷却水流量制御弁制御部及び第2の冷却水流量制御弁制御部に対して、開弁を禁止する信号を出力する。
エンジン冷却装置の故障診断がエンジンの始動開始時に行われる場合には、この診断開始判定部は、エンジンの始動を検知する始動検知部(図5では「始動検知」と表記。)として置き換えることができる。
エンジン冷却装置の故障診断がエンジンの始動開始時に行われる場合には、この診断開始判定部は、エンジンの始動を検知する始動検知部(図5では「始動検知」と表記。)として置き換えることができる。
また、診断終了判定部は、ECU70からの情報をもとにして上述の故障診断が終了したか否かを判定する部分である。例えば、診断終了判定部は、エンジン冷却装置の故障診断が終了したことを示す情報をECU70から受け取ると、第1の冷却水流量制御弁制御部及び第2の冷却水流量制御弁制御部に対して、冷却水の循環制御を許可する信号を出力する。
5.エンジン冷却水の循環制御方法
次に、図1に示す本実施形態の還元剤供給装置20に備えられたDCU60によって行われるエンジン冷却水の循環制御の一例について、図6に示すフローを参照しつつ説明する。
次に、図1に示す本実施形態の還元剤供給装置20に備えられたDCU60によって行われるエンジン冷却水の循環制御の一例について、図6に示すフローを参照しつつ説明する。
まず、スタート後のステップS1では、エンジンが運転状態にある場合において、エンジン冷却装置の故障診断が開始されるか否かの判別が行われる。本実施形態の還元剤供給装置の例では、故障診断が開始されることを示す信号がECUから送信されることにより、上記の判別が行われる。このステップS1は、故障診断が開始されるまで繰り返される。
エンジン冷却装置の故障診断がエンジンの始動直後に行われるように設定されている場合には、このステップS1において、エンジンが始動したか否かの判別を行うようにすることもできる。エンジンが始動したか否かの判別は、例えば、エンジンのキースイッチがオンにされたことを知らせる信号が送信されてくることによって行うことができる。
ステップS1で、エンジン冷却装置の故障診断が開始される(エンジンが始動した)と判別された場合には、ステップS2に進んで、第1及び第2の冷却水流量制御弁の開放を禁止し、第1及び第2の冷却水循環通路内にエンジン冷却水を流通させないようにする。
次いで、ステップS3では、ECUからの信号をもとに、エンジン冷却装置の故障診断が終了したか否かの判別が行われる。このステップS3は、エンジン冷却装置の故障診断が終了するまで繰り返される。
ステップS3で、故障診断が終了したと判定されると、ステップS4に進み、第1の冷却水流量制御弁制御部及び第2の冷却水流量制御弁制御部に対して、エンジン冷却水の循環制御の開始を許可する信号を出力する。
その後、ステップS5に進んで、第1の冷却水流量制御弁制御部では、上述したように、第1の冷却水流量制御弁の開閉制御を行うことによって、貯蔵タンク内の還元剤が凍結しないように還元剤の温度制御が行われる。また、第2の冷却水流量制御弁制御部では、上述したように、第2の冷却水流量制御弁の開閉制御を行うことによって、還元剤噴射弁の熱損傷を防ぐべく、還元剤噴射弁の温度制御が行われる。
その後、ステップS5に進んで、第1の冷却水流量制御弁制御部では、上述したように、第1の冷却水流量制御弁の開閉制御を行うことによって、貯蔵タンク内の還元剤が凍結しないように還元剤の温度制御が行われる。また、第2の冷却水流量制御弁制御部では、上述したように、第2の冷却水流量制御弁の開閉制御を行うことによって、還元剤噴射弁の熱損傷を防ぐべく、還元剤噴射弁の温度制御が行われる。
以上説明したフローチャートによるエンジン冷却水の循環制御方法であれば、エンジン冷却装置の故障診断が終了するまでは、第1及び第2の冷却水循環通路へエンジン冷却水が供給されないようになっている。したがって、エンジン冷却装置の故障診断時に、還元剤の昇温や還元剤噴射弁の冷却に用いられる熱量を考慮する必要がなくなり、故障診断プログラムを複雑にすることなく、信頼性の高いエンジン冷却装置の故障診断を行うことができる。
また、エンジン始動後の所定時間、エンジン冷却水が第1及び第2の冷却水循環通路に供給されることがないため、エンジン冷却水の持つ熱量が、還元剤や還元剤噴射弁に奪われることがなく、エンジンの暖機が速やかに行われる。エンジンの暖機が速やかに行われると、エンジン全体の温度分布が適正化され、エンジンの各部において潤滑油の粘度が低下し、各部の作動が円滑になる。
そのため、より多くの燃焼エネルギーが駆動力として出力され、燃費の向上が図られることになる。また、エンジンのピストン部分の作動が円滑になり、ピストン周囲のクリアランスが適正化されることにより、クランクケースへの未燃焼ガスの漏洩が抑えられるため、潤滑油が希釈されにくくなる。
そのため、より多くの燃焼エネルギーが駆動力として出力され、燃費の向上が図られることになる。また、エンジンのピストン部分の作動が円滑になり、ピストン周囲のクリアランスが適正化されることにより、クランクケースへの未燃焼ガスの漏洩が抑えられるため、潤滑油が希釈されにくくなる。
6.応用例
本実施形態で説明した排気浄化装置の構成はあくまでも一例であり、種々の変形が可能である。例えば、図1に示す本実施形態の排気浄化装置10では、貯蔵タンク50に配設された第1の冷却水循環通路87及び還元剤噴射弁31を通過する第2の冷却水循環通路85を備えているが、第1の冷却水循環通路及び第2の冷却水循環通路のうちのいずれか一方を備えた構成とすることもできる。このように構成する場合には、エンジン冷却装置の故障診断が行われる間、第1の冷却水流量制御弁制御部又は第2の冷却水流量制御弁制御部によって、第1の冷却水循環通路又は第2の冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を禁止することによって、故障診断プログラムを複雑にすることなく、信頼性の高いエンジン冷却装置の故障診断が行われる。
本実施形態で説明した排気浄化装置の構成はあくまでも一例であり、種々の変形が可能である。例えば、図1に示す本実施形態の排気浄化装置10では、貯蔵タンク50に配設された第1の冷却水循環通路87及び還元剤噴射弁31を通過する第2の冷却水循環通路85を備えているが、第1の冷却水循環通路及び第2の冷却水循環通路のうちのいずれか一方を備えた構成とすることもできる。このように構成する場合には、エンジン冷却装置の故障診断が行われる間、第1の冷却水流量制御弁制御部又は第2の冷却水流量制御弁制御部によって、第1の冷却水循環通路又は第2の冷却水循環通路へのエンジン冷却水の供給を禁止することによって、故障診断プログラムを複雑にすることなく、信頼性の高いエンジン冷却装置の故障診断が行われる。
5:エンジン、10:排気浄化装置、11:排気管、13:還元触媒、20:還元剤供給装置、31:還元剤噴射弁、33・35:温度センサ、40:ポンプモジュール、41:ポンプ、43:圧力センサ、45:オリフィス、47:メインフィルタ、50:貯蔵タンク、51:温度センサ、57:第2の供給通路、58:第1の供給通路、59:循環経路、60:還元剤供給装置制御装置(DCU)、71:リバーティングバルブ、73:冷却水循環ポンプ、81:第2の冷却水流量制御弁、83:第1の冷却水流量制御弁、85:第2のエンジン冷却水循環通路、86:エンジン冷却通路、87:第1のエンジン冷却水循環通路、92・93・94・95・96・97:ヒーター、100:エンジン冷却装置、114:ヒータバルブ
Claims (4)
- エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために、排気管に配設された還元触媒の排気上流側に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置において、
前記還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに前記貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、
前記エンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、
前記エンジンの始動を検知する始動検知部と、
前記エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、
前記エンジンの始動時には前記冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給を停止しておき、前記エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、前記エンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、
を備えることを特徴とする還元剤供給装置。 - 前記エンジン冷却水循環通路を第1のエンジン冷却水循環通路とし、前記冷却水循環制御手段を第1のエンジン冷却水循環制御手段としたときに、
前記還元剤供給装置は、前記エンジン冷却水通路又は前記第1のエンジン冷却水循環通路に接続されるとともに前記排気管に取付けられた還元剤噴射部に配設され、前記エンジン冷却水が通過可能にされた第2のエンジン冷却水循環通路と、前記第2のエンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の流れを制御するための第2の冷却水循環制御手段と、を備え、
前記制御部は、前記エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、前記第1及び第2の冷却水循環制御手段を制御して前記第1及び第2のエンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給の停止を解除することを特徴とする請求項1に記載の還元剤供給装置。 - エンジンに配設されたエンジン冷却水通路に接続されるとともに、前記エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために用いられる還元剤を貯蔵する貯蔵タンクに配設され、前記エンジン冷却水の少なくとも一部が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御装置において、
前記エンジンの始動を検知する始動検知部と、
エンジン冷却装置による故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、
前記エンジンの始動時には前記冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給を停止しておき、前記エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、前記エンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、
を備えることを特徴とする冷却水循環制御装置。 - エンジンから排出される排気ガス中の窒素酸化物を還元浄化するために、排気管に配設された還元触媒の排気上流側に還元剤を噴射供給するための還元剤供給装置において、
前記還元剤を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記エンジンに備えられたエンジン冷却水通路に接続されるとともに前記貯蔵タンクに配設され、エンジン冷却水が通過可能にされたエンジン冷却水循環通路と、
前記エンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の流れを制御するための冷却水循環制御手段と、
前記エンジンを冷却するためのエンジン冷却装置の故障の有無の診断を行う故障診断が開始されるか否かを判別する診断開始判定部と、
前記故障診断が終了したか否かを判別する診断終了判定部と、
前記故障診断の実行中には前記冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給を停止しておき、前記エンジン冷却装置の故障診断が終了した後に、前記エンジン冷却水循環通路への前記エンジン冷却水の供給の停止を解除する制御部と、
を備えることを特徴とする還元剤供給装置。
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- 2008-03-25 JP JP2008077210A patent/JP2009228616A/ja active Pending
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