JP2009228169A - 縮絨機 - Google Patents

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Abstract

【課題】生地の搬送速度が速い場合であっても、生地を傷めることなく十分に収縮させることが可能な縮絨機を提案すること。
【解決手段】裁断前の衣類の生地2を収縮させる縮絨機1は、加湿後の生地2を加熱する遠赤外線ヒータ30を備えている。この縮絨機1では、遠赤外線ヒータ30から放射される遠赤外線の作用で、生地2の表面と内部とをほぼ同時に加熱することが可能になり、短時間で生地2の内部まで加熱することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、裁断前の衣類の生地を収縮させる縮絨機に関する。
従来から、洗濯等に起因する衣類の縮みを防止するために、裁断前の衣類の生地を収縮させる縮絨機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の縮絨機は、生地に水分を与えて生地を柔軟化させる加湿軟化処理部と、生地を加熱して水分を発散させる加熱緩和処理部と、生地を常温に冷却して組織を強化する冷却仕上げ部とを備えている。また、この縮絨機では、ベルトコンベアによって搬送される生地が、加湿軟化処理部、加熱緩和処理部、冷却仕上げ部をこの順番で通過する。
特開平9−228232号公報
特許文献1に記載の縮絨機では、生地の搬送速度によって、生地の処理能力が決まる。そのため、生地の搬送速度はできるだけ速いことが好ましい。一方で、生地の搬送速度を上げると、生地の十分な加熱等を行うことができず、生地が十分に収縮しないといった状況が生じうる。そのため、縮絨機で処理された後の生地を用いて製作された衣類が洗濯等の影響で縮んでしまうおそれがある。
そこで、本発明の課題は、生地の搬送速度が速い場合であっても、生地を傷めることなく十分に収縮させることが可能な縮絨機を提案することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、裁断前の衣類の生地を収縮させる縮絨機において、加湿後の生地を加熱する遠赤外線ヒータを備えることを特徴とする。
本発明の縮絨機では、加湿後の生地を加熱する遠赤外線ヒータを備えている。そのため、生地の表面から内部に向かって徐々に熱を伝えながら生地を加熱するのではなく、遠赤外線の作用で、生地の表面と内部とをほぼ同時に加熱することが可能になる。その結果、短時間で生地の内部まで加熱することが可能になり、生地の搬送速度が速い場合であっても、生地を十分に収縮させることが可能になる。また、遠赤外線の作用で、生地の表面と内部とをほぼ同時に加熱することが可能になるため、生地の表面や表面付近に過剰な熱がかかるのを防止することが可能になる。その結果、生地に傷みが生じるのを防止することが可能になる。
本発明において、縮絨機は、生地の下面に当接して生地を搬送する網目状の搬送ベルトを備え、遠赤外線ヒータは、搬送される生地の上方に配置されていることが好ましい。このように構成すると、網目状の搬送ベルトによって生地が搬送される場合であっても、電磁波である遠赤外線が搬送ベルトの影響で減衰することはない。そのため、遠赤外線を減衰させることなく、生地に照射することができる。
本発明において、縮絨機は、遠赤外線ヒータとともに生地を加熱するスチームヒータを備え、スチームヒータは、搬送ベルトの下方に配置されていることが好ましい。このように構成すると、生地の上方に配置される遠赤外線ヒータと、生地の下方に配置されるスチームヒータとの相乗効果でより短時間で生地を加熱できる。また、スチームヒータによって暖められたスチームヒータ周辺の空気は上昇するため、スチームヒータが網目状の搬送ベルトの下方に配置されると、生地を効率的に加熱できる。
ここで、遠赤外線ヒータは、オンからオフへ切り替わった後も、しばらくの間、遠赤外線を放射するため、生地を加熱する作用を有する。したがって、たとえば、昼休み等の操業停止時に、生地を搬送する搬送機構が停止すると、遠赤外線ヒータがオフになっても、遠赤外線ヒータの近傍で停止している生地の一部が必要以上に加熱される。そのため、本発明において、縮絨機は、遠赤外線ヒータを、生地に接近した加熱位置および加熱位置から退避した退避位置に移動させる移動機構を備えることが好ましい。また、この場合には、たとえば、移動機構は、遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、遠赤外線ヒータを退避位置に移動させる。このように構成すると、縮絨機の操業が停止して、遠赤外線ヒータがオンからオフへ切り替わったときに、遠赤外線ヒータを生地から遠ざけることで、遠赤外線ヒータの近傍で停止している生地の一部が必要以上に加熱されるのを防止することが可能になる。その結果、生地の過剰な縮みを防止して、生地の品質を確保することが可能になる。
本発明において、縮絨機は、遠赤外線ヒータによる加熱領域に位置している生地の部分を冷却するための冷却機構を備えることが好ましい。また、この場合には、たとえば、冷却機構は、遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、所定時間、冷却動作を行う。上述のように、縮絨機の操業停止時に、搬送機構が停止すると、遠赤外線ヒータがオフになっても、遠赤外線ヒータの近傍で停止している生地の一部が必要以上に加熱されるおそれがある。したがって、このように構成すると、縮絨機の操業が停止し、遠赤外線ヒータがオンからオフへ切り替わったときに、冷却機構によって、遠赤外線ヒータによる加熱領域で停止している生地の一部が必要以上に加熱されるのを防止することが可能になり、生地の品質を確保することが可能になる。
本発明において、縮絨機は、生地を搬送する搬送機構を備え、搬送機構は、遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わった後も所定時間、搬送動作を継続することが好ましい。このように構成すると、縮絨機の操業が停止し、遠赤外線ヒータがオンからオフへ切り替わった直後に、遠赤外線ヒータの近傍に生地の一定部分が停滞することがなくなる。したがって、縮絨機の操業停止時に、遠赤外線ヒータの近傍にある生地が必要以上に加熱されるのを防止することが可能になり、生地の品質を確保することが可能になる。
本発明において、縮絨機は、遠赤外線ヒータと生地との間を熱的に遮断する遮断機構を備え、遮断機構は、遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、遠赤外線ヒータと生地との間を遮断することが好ましい。このように構成すると、縮絨機の操業が停止し、遠赤外線ヒータがオンからオフへ切り替わったときに、遮断機構によって、遠赤外線ヒータの近傍で停止している生地の一部が必要以上に加熱されるのを防止することが可能になり、生地の品質を確保することが可能になる。
以上のように、本発明にかかる縮絨機では、遠赤外線ヒータによって短時間で生地を加熱することが可能になるため、生地の搬送速度が速い場合であっても、生地を十分に収縮させることが可能になる。また、本発明にかかる縮絨機では、遠赤外線ヒータによって生地の表面と内部とをほぼ同時に加熱することが可能になるため、生地に傷みが生じるのを防止することが可能になる。さらに、本発明にかかる縮絨機では、遠赤外線ヒータによって、生地の除菌、消臭効果を高めることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(縮絨機の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる縮絨機1の概略構成を説明するための側面図である。図2は、図1に示す縮絨機1の概略平面図である。なお、以下の説明では、図1の紙面垂直方向を前後方向とする。
本形態の縮絨機1は、裁断前の長尺状の衣類の生地2を収縮させるための処理を行う本体部3と、本体部3へ生地2を供給する生地供給部4と、処理後の生地2を回収する生地回収部5とを備えている。
生地供給部4には、裁断前の衣類の生地2がロール状に巻回されたロール状原反7がセットされている。ロール状原反7は、図示を省略するモータの動力で回転する。図1に示すように、本体部3と生地供給部4との間では、生地2がたるんでいる。本形態の生地供給部4は、本体部3と生地供給部4との間の生地2のたるみ量を検出するセンサ(図示省略)を備えており、この生地2のたるみ量が所定量となるように、ロール状原反7が回転して生地2を供給する。
生地回収部5は、回収箱8の中へ回収される生地2を折りたたむための揺動アーム9を備えている。揺動アーム9は、図示を省略するモータの動力で図1の左右方向へ揺動して、揺動アーム9の下方に配置される回収箱8の中に回収される生地2を折りたたむ。
本体部3は、生地供給部4から供給される生地2を加湿する加湿処理部11と、加湿された生地2を加熱する加熱処理部12と、加熱された生地2を冷却する冷却処理部13と、生地2を搬送する搬送機構14とを備えている。加湿処理部11、加熱処理部12および冷却処理部13は、図1の右側から左側に向かってこの順番で配置されており、生地2は、加湿処理部11、加熱処理部12および冷却処理部13をこの順番で通過する。
搬送機構14は、生地2の下面に当接して生地2を搬送する網目状の搬送ベルト15を備えている。搬送ベルト15は、複数のプーリ16に架け渡された状態で、加湿処理部11、加熱処理部12および冷却処理部13を通過するように配置されている。搬送ベルト15には、チェーン17、スプロケット18およびプーリ16等を介してモータ19の動力が伝達される。なお、図2では、搬送ベルト15の図示を省略している。
加湿処理部11は、生地2に向かって水蒸気を噴射する複数の噴射ノズル21が形成された複数の配管部材22を備えている。配管部材22は、搬送ベルト15の下方に配置されるとともに、前後方向を長手方向として配置されている。加湿処理部11では、配管部材22の上方を通過する生地2に向かって、噴射ノズル21から水蒸気が噴射される。
加湿処理部11と加熱処理部12との間には、生地2に細かな振動を与えるためのバイブレータ23が配置されている。バイブレータ23は、たとえば、前後方向を軸方向として回転する細長い角柱状に形成されている。バイブレータ23には、チェーン24を介してモータ25の動力が伝達され、バイブレータ23はモータ25の動力で回転しながら生地2に接触して、生地2に細かな振動を与える。
冷却処理部13は、加熱処理部12で加熱された生地2を冷却するための冷却用ファン26を備えている。冷却用ファン26は、搬送ベルト15の下方に配置されており、下側に向かって空気を吸引する。冷却処理部13では、冷却用ファン26による空気の吸引によって、下方向へ向かって搬送ベルト15を通過する空気の流れが発生する。この空気の流れによって、搬送ベルト15上の生地2が冷却される。
(加熱処理部の構成)
図3は、図1の示す加熱処理部12を説明するための側面図である。図4は、図3に示すスチームヒータ31の構成を説明するための図である。
加熱処理部12は、生地2を加熱する遠赤外線ヒータ30と、遠赤外線ヒータ30とともに生地2を加熱するスチームヒータ31とを備えている。また、加熱処理部12は、遠赤外線ヒータ30を移動させる移動機構としてのエアシリンダ32を備えている。本形態では、このエアシリンダ32によって遠赤外線ヒータ30が昇降する。
遠赤外線ヒータ30は、細長い円柱状に形成されており、搬送される生地2の上方に配置されている。また、遠赤外線ヒータ30は、下側が開口するケース体33の中に固定されている。具体的には、遠赤外線ヒータ30は、前後方向を長手方向として、ケース体33の中に固定されている。本形態では、遠赤外線ヒータ30から下方向へ向かって遠赤外線が照射されるように、ケース体33の中には反射板(図示省略)が配置されている。
エアシリンダ32は、ロッドの先端を上側に向けた状態で本体部3のフレームに固定されている。また、エアシリンダ32は、図2に示すように、ケース体33の前後両側に配置されている。エアシリンダ32のロッドの先端側は、ケース体33に取り付けられたブラケット34に固定されている。
図3に示すように、エアシリンダ32のロッドがエアシリンダ32の本体部32aの中に入り込んでいるとき、遠赤外線ヒータ30は下降している。すなわち、このときには、遠赤外線ヒータ30は、搬送ベルト15上の生地2に近づいた位置に配置されている。この遠赤外線ヒータ30の下降位置は、遠赤外線ヒータ30が生地2に接近した加熱位置である。
一方、エアシリンダ32のロッドが本体部32aから突出すると、図3の二点鎖線で示すように、遠赤外線ヒータ30は上昇する。すなわち、エアシリンダ32のロッドが本体部32aから突出すると、遠赤外線ヒータ30は生地2から遠ざかる方向へ上昇する。この遠赤外線ヒータ30の上昇位置は、遠赤外線ヒータ30が生地2から遠ざかる(すなわち、加熱位置から退避した)退避位置である。
スチームヒータ31は、複数のフィン35を備えている(図4参照)。フィン35は、たとえば、アルミ板であり、このフィン35には、複数の孔が形成されている。この孔には、たとえば、図4の左右方向を往復するように、銅管36が挿通されており、銅管36の一端側から加熱蒸気が供給され、銅管36の他端側から加熱蒸気が排出される。
スチームヒータ31は、搬送ベルト15の下方に配置されている。また、スチームヒータ31の下方には、上方向に向かって空気を噴射するノズルが形成された配管部材37が配置されている(図1参照)。配管部材37には、冷却用ファン26の出口側が接続されており、冷却用ファン26で吸引された空気が供給される。また、配管部材37に供給された空気は、配管部材37に形成されたノズルからスチームヒータ31に向かって噴射される。そのため、スチームヒータ31によって暖められた空気は、生地2に向かって上昇する。
(縮絨機の動作)
以上のように構成された縮絨機1は、たとえば、以下のように動作する。
作業員が操業開始スイッチを押して、縮絨機1の操業が始まると、生地供給部4は、本体部3と生地供給部4との間の生地2のたるみ量が所定量となるように生地2を供給する。搬送ベルト15は、連続的に回って生地2を所定速度で連続的に搬送する。加湿処理部11では、噴射ノズル21が水蒸気を連続的に噴射して生地2を湿らせる。
加熱処理部12では、遠赤外線ヒータ30およびスチームヒータ31がオンとなり、生地2を加熱して収縮させる。このとき、遠赤外線ヒータ30は下降した加熱位置に配置されている。また、配管部材37に形成されたノズルはスチームヒータ31に向かって空気を噴射する。
冷却処理部13では、冷却用ファン26が連続的に回転して、搬送ベルト15の下方へ連続的に空気を吸引する。この空気の吸引によって、冷却処理部13では、生地2を冷却して、収縮した生地2を安定させる。生地回収部5では、揺動アーム9が所定の速度で揺動して、回収箱8の中へ回収される生地2を折りたたむ。
一方、作業員が操業停止スイッチを押して、縮絨機1の操業が停止すると、生地供給部4は生地2の供給を停止し、搬送ベルト15も停止する。また、噴射ノズル21からの水蒸気の噴射が停止し、遠赤外線ヒータ30およびスチームヒータ31がオフとなる。また、冷却用ファン26が停止し、配管部材37に形成されたノズルからの空気の噴射が停止するとともに、揺動アーム9も停止する。
ここで、遠赤外線ヒータ30は、オンからオフへ切り替わった後も、しばらくの間、遠赤外線を放射するため、生地2を加熱する作用を有する。したがって、たとえば、昼休み等の操業停止時に、搬送ベルト15上に生地2が載っている状態で搬送ベルト15が停止すると、遠赤外線ヒータ30がオフへ切り替わっても、遠赤外線ヒータ30の近傍(遠赤外線ヒータ30による加熱領域)で停止している生地2の一部が必要以上に加熱される。
そのため、本形態では、操業停止スイッチが押されて、搬送ベルト15が停止し、遠赤外線ヒータ30がオフへ切り替わると、エアシリンダ32のロッドが突出し、遠赤外線ヒータ30を生地2から遠ざける方向へ(すなわち、退避位置へ)上昇させる。このようにして、遠赤外線ヒータ30の近傍で停止している生地2の一部が必要以上に加熱されるのを防止している。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、加熱処理部12は生地2を加熱する遠赤外線ヒータ30を備えている。そのため、遠赤外線の作用で、生地2の表面と内部とをほぼ同時に加熱できる。その結果、生地2を傷めることなく、短時間で生地2の内部まで加熱することができ、搬送ベルト15による生地2の搬送速度が速い場合であっても、生地2を十分に収縮させることができる。
本形態では、遠赤外線ヒータ30は、搬送される生地2の上方に配置されている。そのため、網目状の搬送ベルト15によって生地2が搬送される場合であっても、搬送ベルト15の影響で遠赤外線が減衰することはない。したがって、遠赤外線を減衰させることなく、生地2に照射することができる。また、遠赤外線ヒータ30が生地2の下方に配置される場合と比較して、遠赤外線ヒータ30を昇降させるエアシリンダ32の配置が容易になる。
本形態では、搬送ベルト15の下方にスチームヒータ31が配置されている。そのため、生地2の上方に配置される遠赤外線ヒータ30と、生地2の下方に配置されるスチームヒータ31との相乗効果でより短時間で生地2を加熱できる。また、仮に、配管部材37に形成されたノズルから空気が噴射されない場合であっても、スチームヒータ31によって暖められた空気は上昇する。そのため、生地2の上方にスチームヒータ31が配置される場合と比較して、スチームヒータ31が生地2の下方に配置されると生地2を効率的に加熱できる。
本形態では、エアシリンダ32は、縮絨機1の操業が停止し、遠赤外線ヒータ30がオフに切り替わると、退避位置へ遠赤外線ヒータ30を上昇させる。そのため、上述のように、搬送ベルト15上に生地2が載っている状態で搬送ベルト15が停止したとしても、遠赤外線ヒータ30の近傍に停止している生地2の一部が必要以上に加熱されるのを防止できる。その結果、生地2の過剰な縮みを防止して、生地2の品質を確保できる。
(他の実施の形態)
上述した形態では、縮絨機1は、遠赤外線ヒータ30の近傍で停止している生地2の一部が必要以上に加熱されるのを防止するために、遠赤外線ヒータ30を昇降させるエアシリンダ32を備えている。縮絨機1は、このエアシリンダ32に加え、あるいは、エアシリンダ32に代えて、遠赤外線ヒータ30による加熱領域に位置している生地2の部分を冷却するための冷却用ファン等の冷却機構を備えていても良い。この場合には、縮絨機1の操業が停止して、遠赤外線ヒータ30がオフに切り替わったときに、所定時間、冷却機構が冷却動作を行えば良い。この場合であっても、上述した形態と同様に、縮絨機1の操業停止時に、遠赤外線ヒータ30の近傍で停止している生地2の一部が必要以上に加熱されるのを防止できる。
また、縮絨機1は、遠赤外線ヒータ30と生地2との間を熱的に遮断する遮断機構を備えていても良い。この場合には、縮絨機1の操業が停止して、遠赤外線ヒータ30がオフに切り替わったときに、遮断機構が、遠赤外線ヒータ30と生地2との間を遮断すれば良い。この場合であっても、上述した形態と同様に、縮絨機1の操業停止時に、遠赤外線ヒータ30の近傍で停止している生地2の一部が必要以上に加熱されるのを防止できる。
上述した形態では、縮絨機1の操業が停止すると、搬送ベルト15も停止しているが、縮絨機1の操業が停止して、遠赤外線ヒータ30がオンからオフに切り替わった後も所定時間、搬送ベルト15が回転して、生地2を所定距離、搬送した後に、搬送ベルト15が停止しても良い。具体的には、遠赤外線ヒータ30による加熱領域内にある生地2の部分が加熱領域から外れるまで、搬送ベルト15が搬送動作を継続しても良い。この場合には、縮絨機1の操業停止直後に、遠赤外線ヒータ30の近傍に生地2の一定部分が停滞することがなくなるため、縮絨機1の操業停止時に、遠赤外線ヒータ30の近傍にある生地2が必要以上に加熱されるのを防止することが可能になる。
上述した形態では、遠赤外線ヒータ30は搬送される生地2の上方に配置されているが、遠赤外線ヒータ30は生地2の下方に配置されても良い。この場合には、スチームヒータ31は、たとえば、生地2の上方に配置される。また、スチームヒータ31に代えて電熱線ヒータが配置されても良い。さらに、加熱処理部12が遠赤外線ヒータ30のみを備え、搬送される生地2の上方および/または下方に遠赤外線ヒータ30が配置されても良い。
上述した形態では、遠赤外線ヒータ30を移動させる移動機構はエアシリンダ32であるが、モータや送りネジ等を用いて、遠赤外線ヒータ30を移動させる移動機構を構成しても良い。また、上述した形態では、遠赤外線ヒータ30を上昇させて、遠赤外線ヒータ30を退避位置へ移動させているが、横方向や斜め方向に遠赤外線ヒータ30を移動させて、遠赤外線ヒータ30を退避位置へ移動させても良い。
上述した形態では、縮絨機1は、加熱された生地2を冷却する冷却処理部13を備えているが、縮絨機1は、冷却処理部13を備えていなくても良い。この場合には、加熱された生地2は、自然冷却される。
本発明の実施の形態にかかる縮絨機の概略構成を説明するための側面図である。 図1に示す縮絨機の概略平面図である。 図1の示す加熱処理部を説明するための側面図である。 図3に示すスチームヒータの構成を説明するための図である。
符号の説明
1 縮絨機
2 生地
11 加湿処理部
12 加熱処理部
13 冷却処理部
14 搬送機構
15 搬送ベルト
30 遠赤外線ヒータ
31 スチームヒータ
32 エアシリンダ(移動機構)

Claims (9)

  1. 裁断前の衣類の生地を収縮させる縮絨機において、
    加湿後の前記生地を加熱する遠赤外線ヒータを備えることを特徴とする縮絨機。
  2. 前記生地の下面に当接して前記生地を搬送する網目状の搬送ベルトを備え、
    前記遠赤外線ヒータは、搬送される前記生地の上方に配置されていることを特徴とする請求項1記載の縮絨機。
  3. 前記遠赤外線ヒータとともに前記生地を加熱するスチームヒータを備え、
    前記スチームヒータは、前記搬送ベルトの下方に配置されていることを特徴とする請求項2記載の縮絨機。
  4. 前記遠赤外線ヒータを、前記生地に接近した加熱位置および前記加熱位置から退避した退避位置に移動させる移動機構を備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の縮絨機。
  5. 前記移動機構は、前記遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、前記遠赤外線ヒータを前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項4記載の縮絨機。
  6. 前記遠赤外線ヒータによる加熱領域に位置している前記生地の部分を冷却するための冷却機構を備えることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の縮絨機。
  7. 前記冷却機構は、前記遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、所定時間、冷却動作を行うことを特徴とする請求項6記載の縮絨機。
  8. 前記生地を搬送する搬送機構を備え、
    前記搬送機構は、前記遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わった後も所定時間、搬送動作を継続することを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の縮絨機。
  9. 前記遠赤外線ヒータと前記生地との間を熱的に遮断する遮断機構を備え、
    前記遮断機構は、前記遠赤外線ヒータがオンからオフに切り替わると、前記遠赤外線ヒータと前記生地との間を遮断することを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の縮絨機。
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