JP2009228126A - 冷間加工性に優れる機械構造用鋼材および冷間加工部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C、Si、Mn、P、S、AlおよびNを必須成分として含有し、残部はFeおよび不可避的不純物を含み、固溶状態としてのN:0.007%以上、且つ、CとNの含有量が0.3≧(10C+N)の関係を満足し、フェライト単相組織を形成し、フェライトの平均結晶粒径が10〜200μmの範囲であるとともに、Siと固溶状態のNとが下記式(1)の関係式を満足することを特徴とする。
10≦Si/Sol.N≦40 ・・・(1)
【選択図】なし
Description
10≦Si/Sol.N≦40 ・・・(1)
H≧(DR+175)/2.5 ・・・(2)
HH−HR≧−15 ・・・(3)
式(2)または式(3)において、H:冷間加工後の部品強度(Hv)、DR:冷間加工時の最大変形抵抗(MPa)、HH:100℃以上で加工した時の加工後硬さ(Hv)、HR:室温で加工した時の加工後硬さ(Hv)である。
Cは、鋼材の組織の形成に大きな影響を及ぼす元素であり、組織をフェライト単相組織とするために、極力低減する必要がある元素であり、過剰に含有すると、鋼材の組織中にパーライトが生成し、パーライトの加工硬化によって変形抵抗が過大となる虞がある。そこで、鋼材中のC含有量は、0.025質量%以下(0質量%を含まない)とすることが必要であり、好ましくは0.020質量%以下(0質量%を含まず)、特に好ましくは0.015質量%以下(0質量%を含まず)である。しかし、Cの含有量が極端に少ないと、鋼材の溶製中の脱酸が困難になるため、下限は、0.0005質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0008質量%以上、特に好ましくは0.001質量%以上である。
SiはNとの相互作用によって温間加工後の強度の低下を抑制する作用を有する元素である。この作用を発揮させるために、鋼材中のSi含有量は0.06質量%以上が必須であり、好ましくは0.07質量%以上、さらに好ましくは0.08質量%以上である。しかし、過剰に添加すると、固溶強化による加工時の変形抵抗の増加が顕著になるため、上限は0.6質量%以下とすることが必須であり、好ましくは0.55質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
Mnは、製鋼過程において脱酸および脱硫の作用を有する元素である。さらに鋼材中のNの含有量を高めた場合、加工中の発熱による動的ひずみ時効によって割れが発生しやすくなるが、Mnはその時の加工性を向上させ、割れを抑制する効果がある。これらの作用を発揮させるために、鋼材中のMn含有量は0.3質量%以上とすることが必須であり、好ましくは0.32質量%以上、さらに好ましくは0.35質量%以上である。また、Mn含有量が1質量%を超えると変形抵抗が過大となり、また、偏析による組織の不均一性が生じるので不適であり、好ましくは0.98質量%以下、好ましくは0.95質量%以下である。
Pは不可避の不純物元素であるが、これがフェライトに含有するとフェライト粒界に偏析して冷間加工性を劣化させ、また、フェライトを固溶強化して変形抵抗の増大の原因となる元素である。そこで、Pの含有量は冷間加工性の観点から極力低減することが望ましいが、極端な低減は製鋼コストの増加を招くため、工程能力を考慮して、0.05%以下(0%を含まない)、好ましくは0.03質量%以下(0%を含まない)である。
硫黄(S)もPと同様に不可避的不純物であり、FeSとして結晶粒界に膜状に析出し、加工性を劣化させる元素である。また、熱間脆性を引き起こす作用もある。そこで、変形能を向上させる観点から、本発明ではS含有量を0.05質量%以下(好ましくは0.03質量%以下)とする。ただし、S含有量を0にすることは工業上困難である。なお、Sは被削性を向上させる効果を有するため、被削性向上の観点からは、0.002質量%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.006質量%以上含有させることが推奨される。
Alは、製鋼過程において脱酸に有効な元素である。この脱酸の効果を得るために、鋼材中のAl含有量は0.01質量%以上とすることが必須であり、好ましくは0.015
質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上である。また、Alの含有量が0.1質量%を超えると靭性を低下させ、割れが発生しやすくなるので不適であり、好ましくは0.09質量%以下、さらに好ましくは0.08質量%以下である。
Nは加工後の静的ひずみ時効によって所定の強度を得るために重要な元素である。そこで、鋼材中のN含有量は、0.008質量%以上とすることが必須であり、好ましくは0.0085質量%以上、さらに好ましくは0.009質量%以上である。また、Nの含有量が0.025質量%を超えると静的ひずみ時効のほか、加工中の動的ひずみ時効の影響が顕著になり、変形抵抗が増加するので不適であり、好ましくは0.023質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。
(a)不活性ガス融解法−熱伝導度法(全N量の測定)
供試材から切り出したサンプルをルツボに入れ、不活性ガス気流中で融解してNを抽出し、抽出物を熱伝導度セルに搬送して熱伝導度の変化を測定して全N量を求める。
(b)アンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法(全N化合物量の測定)
供試材から切り出したサンプルを、10%AA系電解液に溶解し、定電流電解を行って、鋼中の全N化合物量を測定する。用いる10%AA系電解液は、10%アセトン、10%塩化テトラメチルアンモニウム、残部メタノールからなる非水溶媒系の電解液であり、鋼表面に不働態皮膜を生成させない溶液である。
供試材のサンプル約0.5gを、この10%AA系電解液に溶解させ、生成する不溶解残渣(N化合物)を、穴サイズが0.1μmのポリカーボネート製のフィルタでろ過する。得られた不溶解残渣を、硫酸、硫酸カリウムおよび純銅製チップ中で加熱して分解し、分解物をろ液に合わせる。この溶液を、水酸化ナトリウムでアルカリ性にした後、水蒸気蒸留を行い、留出したアンモニアを希硫酸に吸収させる。さらに、フェノール、次亜塩素酸ナトリウムおよびペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムを加えて青色錯体を生成させ、吸光光度計を用いて吸光度を測定して全N化合物量を求める。
(a)の方法によって求められた全N量から、(b)の方法によって求められた全N化合物量を差し引いて固溶N量を求めることができる。
10≦Si/Sol.N≦40 ・・・(1)
Si/Sol.Nが10未満の場合、Siは固溶Nによる硬化の減少を十分抑制することができず、バランスが劣化するため、Si/Sol.Nの下限は10以上であり、好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上である。また、Si/Sol.Nが40を超える場合、Siの効果が飽和するだけでなく、Siの固溶強化作用によって変形抵抗の増大を招くため、Si/Sol.Nの上限は40であり、好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下である。
(a)Crおよび/またはMo
(b)Ti、NbおよびVよりなる群から選ばれる少なくとも1種
(c)B
(d)Cu、NiおよびCoよりなる群から選ばれる少なくとも1種
(e)Ca、REM、Mg、Li、PbおよびBiよりなる群から選ばれる少なくとも1種
Crは結晶粒界の強度を高めることにより鋼の変形能を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じて、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%含有させることができる。しかし、Crを過剰に含有させると、変形抵抗が増大し、冷間加工性が低下する虞があるため、その含有量は、2質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
Moは、加工後の鋼材の硬さおよび変形能を増加させる作用を有する元素であり、必要に応じて、好ましくは0.04質量%以上、さらに好ましくは0.08質量%以上含有させることができる。しかし、Moを過剰に含有させると、冷間加工性が劣化する虞があるため、2質量%以下(0%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
本発明の鋼材が、(b)Ti、NbおよびVよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、Ti、NbおよびVは、1種単独でまたは2種以上を同時に含有していてもよい。これらのTi、NbおよびVは、Nとの親和力が強く、Nと共存してN化合物を形成し、鋼の結晶粒を微細化し、冷間加工後に得られる加工品の靱性を向上させ、また、耐割れ性を向上させる役割を有する元素である。本発明の鋼材が、Ti、NbおよびVよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、Ti、NbまたはVのそれぞれの含有量は、Ti:0.2質量%以下(0質量%を含まない)、Nb:0.2質量%以下(0質量%を含まない)、V:0.2質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくはTi:0.001〜0.15質量%、Nb:0.001〜0.15質量%、V:0.001〜0.15質量%、特に好ましくはTi:0.002〜0.1質量%、Nb:0.002〜0.1質量%、V:0.002〜0.1質量%である。
本発明の鋼材が、(c)Bを含有する場合、Bは、前記の(b)Ti、NbおよびVよりなる群から選ばれる少なくとも1種と同様に、Nとの親和力が強く、Nと共存してN化合物を形成し、鋼の結晶粒を微細化し、冷間加工後に得られ加工品の靱性を向上させ、また、耐割れ性を向上させる役割を有する元素である。そのため、本発明の鋼材が、Bを含有する場合、所要の固溶N量を確保して冷間加工後の強度を向上させることができることから、その含有量を0.005質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0001〜0.0035質量%、特に好ましくは0.0002〜0.002質量%である。
本発明の鋼材が、(d)Cu、NiおよびCoよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、Cu、NiおよびCoは、1種単独でまたは2種以上を同時に含有していてもよい。これらのCu、NiおよびCoは、いずれも鋼材をひずみ時効させ、硬化させる作用があり、加工後強度を向上させるのに有効な元素である。本発明の鋼材が、これらのCu、NiまたはCoを含有する場合、これらのCu、NiおよびCoの含有量は、それぞれ0.1質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以上である。これらのCu、NiおよびCoの含有量が過剰であると、鋼材をひずみ時効および硬化させる効果、さらに、加工後強度を向上させる効果が飽和し、また、割れを促進させる虞があるため、それぞれ5質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
本発明の鋼材が、(e)Ca、REM、Mg、Li、PbおよびBiよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合、Ca、REM、Mg、Li、PbおよびBiは、1種単独でまたは2種以上を同時に含有していてもよい。これらのCa、REM、Mg、Li、PbおよびBiの含有量は、下記の範囲で選択される。
Caは、MnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めるとともに、被削性の向上に寄与する元素である。本発明の鋼材が、Caを含有する場合、Caの含有量は、0.0005質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.001質量%以上である。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、上限を0.05質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは0.03質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
REMは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めるとともに、被削性の向上に寄与する元素である。本発明の鋼材が、REMを含有する場合、REMの含有量は、0.0005質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.001質量%以上である。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、上限を0.05質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは0.03質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
Mgは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めるとともに、被削性の向上に寄与する元素である。本発明の鋼材が、Mgを含有する場合、Mgの含有量は、0.0002質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0005質量%以上である。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、上限を0.02質量%以下(0%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは0.015質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
Liは、Caと同様にMnSなどの硫化化合物系介在物を球状化させ、鋼の変形能を高めることができ、また、Al系酸化物を低融点化して無害化して被削性の向上に寄与する元素である。本発明の鋼材が、Liを含有する場合、Liの含有量は、0.0002質量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.0005質量%以上である。しかし、過剰に含有しても、その効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないため、上限を0.02質量%以下(0%を含まない)とすることが好ましく、さらに好ましくは0.015質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
Pbは、被削性を向上させるために有効な元素である。本発明の鋼材が、Pbを含有する場合、好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上を含有させることができる。しかし、過剰に含有させると、圧延疵の発生等の製造上の問題を生じるため、上限を0.5質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、好ましくは0.4質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
Biは、Pbと同様に、被削性を向上させるために有効な元素である。本発明の鋼材が、Biを含有する場合、好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上を含有させることができる。しかし、過剰に含有させても被削性向上の効果が飽和するため、上限を0.2質量%以下(0質量%を含まない)とすることが好ましく、好ましくは0.4質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
H≧(DR+175)/2.5 ・・・(2)
HH−HR≧−15 ・・・(3)
式(2)または式(3)において、H:冷間加工後の部品強度(Hv)、DR:冷間加工時の最大変形抵抗(MPa)、HH:100℃以上で加工した時の加工後硬さ(Hv)、HR:室温で加工した時の加工後硬さ(Hv)である。
一般に、冷間加工後の部品強度を高めようとすると、冷間加工時の変形抵抗も高くなる。従来品においては、例えば、冷間加工後の部品強度が250Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、約500〜550MPa程度であり、部品強度が300Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、低くても650MPa程度であり、部品強度が350Hv程度のものでは、最大変形抵抗は、低くても750MPa程度である。本発明においては、このような従来品に比べ、変形抵抗を抑制しつつ、部品強度を高める、すなわち、従来品よりも、冷間加工後の部品強度と冷間加工時の変形抵抗とのバランスに優れた機械構造用部品を得ることを目的とする。そこで、実験的なデータに基づき、部品強度と変形抵抗の関係について検討を重ねた結果、機械構造用鋼材の成分組成や組織等を所定に規定し、この機械構造用鋼材から得られる機械構造用部品が式(2)を満足するように組成条件等を設定することで、従来品よりも、冷間加工後の部品強度と冷間加工時の変形抵抗とのバランスに優れた機械構造用部品となることから、このような関係式とした。なお、式(3)は加工時の加工温度が100℃以上となる場合では、さらに、式(3)の条件を満足することを実験的なデータにより必要とするために設定している。
表1に記載の成分組成からなる鋼記号1A〜2Dの32種類の供試鋼を調製し、これらのそれぞれをビレット溶製および熱間圧延により155mm角の鋼片とした。この鋼片を950〜1100℃で加熱して、Φ12mmの丸棒に圧延した。さらに、この丸棒を切断して、中心部からφ10×15mm長さの試験片を切り出した。なお、鋼記号1Bの供試鋼を用いて製造した丸棒については、表1に示す熱処理を施した後に試験片を切り出した。
また、ビッカース硬さ試験機を用いて、荷重:1000g、測定位置:試験片断面のD/4位置中央部(D:部品直径)および測定回数:5回の条件で、各加工試験品のビッカース硬さ(Hv)を測定し、表2に示す。
まず、各加工品試料の表面を鏡面研磨した後、ナイタールで腐食する。次に、試料のD/4位置を顕微鏡で倍率100倍で観察し、写真撮影した。そして、切断法で任意断面積の結晶粒数を求め、フェライト結晶粒径(μm)に換算した。結果を表1に示す。
すなわち、比較例1Cは、C含有量が多く、かつC含有量およびN含有量が、0.3≧(10C+N)の条件を逸脱している例であり、変形抵抗が大きく、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例1Eは、Si含有量が多く、かつSiと固溶N量が、前記式(1)の条件を逸脱している例であり、加工後に割れが発生し、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例1B−3は、結晶粒径が大きく、かつ式(1)の条件を逸脱している例であり、ビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例1Gは、Si含有量が多い例であり、加工後の硬さが前記式(3)の条件を逸脱している。
比較例1Iは、Mn含有量が多い例であり、加工後に割れが発生し、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例1Lは、S含有量が多い例であり、加工後に割れが発生し、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例1Sは、Siと固溶N量が、前記式(1)の条件を逸脱している例であり、加工後に割れが発生し、加工後の硬さが前記式(3)の条件を逸脱している。
比較例1Tは、N含有量が多い例であり、加工後に割れが発生し、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
すなわち、比較例2Oは、Si含有量、Mn含有量およびN含有量が少なく、かつ固溶N量が少ない例であり、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示している。
比較例2Qは、C含有量が多く、かつCとNの含有量が0.3≧(10C+N)の関係を満足しない例であり、加工後に割れが発生し、加工後の硬さが前記式(3)の条件を逸脱している。
比較例2Sは、N含有量および固溶N量が少なく、かつ式(1)の条件を逸脱している例であり、式(2)の条件を逸脱しビッカース硬さに対して大きい変形抵抗を示し、加工後の硬さが前記式(3)の条件を逸脱している。
Claims (7)
- 質量%で、C:0.025%以下(0%を含まない)、Si:0.06〜0.6%、Mn:0.3〜1%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.1%、N:0.008〜0.025%を必須成分として含有し、残部はFeおよび不可避的不純物を含み、固溶状態としてのN:0.007%以上、且つ、CとNの含有量が0.3≧(10C+N)の関係を満足し、フェライト単相組織を形成し、フェライトの平均結晶粒径が10〜200μmの範囲であるとともに、Siの含有量と固溶状態のNの含有量(Sol.N)とが下記式(1)の関係式を満足することを特徴とする冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
10≦Si/Sol.N≦40 ・・・(1) - さらに、Cr:2%以下(0%を含まない)および/またはMo:2%以下(0%を含まない)を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
- さらに、Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
- さらに、B:0.005%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
- さらに、Cu:5%以下(0%を含まない)、Ni:5%以下(0%を含まない)およびCo:5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
- さらに、Ca:0.05%以下(0%を含まない)、REM:0.05%以下(0%を含まない)、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、Li:0.02%以下(0%を含まない)、Pb:0.5%以下(0%を含まない)およびBi:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷間加工性に優れる機械構造用鋼材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の機械構造用鋼材を100℃未満で冷間加工した後の部品強度と冷間加工時の最大変形抵抗の関係が(2)式を満たし、且つ、100℃以上で冷間加工した時に(3)式を満たすことを特徴とする冷間加工部品。
H≧(DR+175)/2.5 ・・・(2)
HH−HR≧−15 ・・・(3)
式(2)または式(3)において、H:冷間加工後の部品強度(Hv)、DR:冷間加工時の最大変形抵抗(MPa)、HH:100℃以上で加工した時の加工後硬さ(Hv)、HR:室温で加工した時の加工後硬さ(Hv)である。
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