JP2009226497A - マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 - Google Patents
マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009226497A JP2009226497A JP2008071569A JP2008071569A JP2009226497A JP 2009226497 A JP2009226497 A JP 2009226497A JP 2008071569 A JP2008071569 A JP 2008071569A JP 2008071569 A JP2008071569 A JP 2008071569A JP 2009226497 A JP2009226497 A JP 2009226497A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- micromachine
- signal line
- substrate
- sealing body
- sacrificial layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Micromachines (AREA)
Abstract
【課題】 マイクロマシンの振動を抑えることにより、出力信号のノイズを低減できるマイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 マイクロマシン装置1は、その主面上に信号線15が設けられた基板11と、前記基板11の前記主面上に前記信号線15を跨いで設けられ、前記信号線15を中心として一方側と他方側との構造が非対称な両持の梁形状部分16aが、電界の作用により梁形状部分16aが前記信号線に対して接離する方向に弾性変形可能に保持されるマイクロマシン16と、前記基板11の主面上に設けられ、中空部17を介して前記マイクロマシンを覆う封止体21と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 マイクロマシン装置1は、その主面上に信号線15が設けられた基板11と、前記基板11の前記主面上に前記信号線15を跨いで設けられ、前記信号線15を中心として一方側と他方側との構造が非対称な両持の梁形状部分16aが、電界の作用により梁形状部分16aが前記信号線に対して接離する方向に弾性変形可能に保持されるマイクロマシン16と、前記基板11の主面上に設けられ、中空部17を介して前記マイクロマシンを覆う封止体21と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば微小電気機械部品のパッケージング等のマイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法に関する。
マイクロマシン装置の一例として、図14〜図16に示されるように、基板102上に動作を伴うマイクロマシン素子としてのMEMS素子104が搭載され、中空に封止された、微小電気機械部品(MEMS:Micro−Electro−Mechanical−Systems)101が知られている(例えば、特許文献1または2参照)。微小電気機械部品101は、基板102、絶縁層103、MEMS素子104、信号用配線105、駆動電極106、下部電極107、第1封止体108および第2封止体109で構成され、内部に中空部110を構成する。MEMS素子104は両持ちの梁構造であり、梁の中央部分が信号用配線105と数μm程度のギャップを持って成形されている。MEMS素子104の直下の絶縁層103には、信号用配線105がAuなどで形成されている。MEMS素子104は、ばね特性の高いPoly−Si(ポリシリコン)もしくはAl(アルミニウム)などで構成されており、静電力等の駆動力を与えることで信号用配線105の方へ近接する。また、この駆動力を除荷すると、MEMS素子104は自身のばね特性により、再び信号用配線105とギャップを持った位置に戻る。このようにMEMS素子104と信号用配線105との間のギャップを変化させることで、可変電気容量、スイッチングなどの機能を果たす。
MEMS素子104の動作と保護のため、これを中空に封止する必要がある。製造コストの低減や小型化を目的として成膜プロセスによるマイクロマシン装置の製造方法が提供されている。図17に示すように、まずMEMS素子104と基板間にギャップを持たせるために、後の工程で完全に除去する犠牲層111を基板102上に形成する。ついで、MEMS素子104を、犠牲層111上に形成する。この犠牲層111上に形成されたMEMS素子104に、第2の犠牲層112を形成する。第2の犠牲層112上に、第1封止体108を形成する。第1封止体108に、成膜中もしくは成膜後に、MEMS素子104の周囲の犠牲層111,112を除去する際にエッチング材を導入するための開口形状部108aを形成する。犠牲層除去用エッチング材を開口形状部108aより導入し、全ての犠牲層111,112を完全に除去する。最後に第2封止体109を、開口形状部108aが完全に閉口するまで第1封止体108上に形成する。
以上により、図14に示すように、第1および第2封止体108,109で構成された封止体によって、MEMS素子104を中空に封止することが可能となる。中空部110は減圧された雰囲気となっている。なお、ここでは、第2封止体109をCVD、スパッタリング等の成膜方法で形成する際に、開口形状部108aの直下に膜材が堆積するため、MEMS素子104に膜材を堆積させないよう、MEMS素子104から離れた位置に開口形状部108aが設けられている。
このような微小電気機械部品101では、通常、静電力を印荷したときに、両持ち梁状のMEMS素子104の変形特性を向上させて少ない電力で信号用配線105との相対関係を変化させるために、MEMS素子104の構造を、信号用配線105を中心として左右対称の形状としている。
特開2005−207959号公報
米国特許第7008812B1号
しかしながら、上記の技術では、以下のような問題があった。すなわち、左右対称形状の両持ち梁状のMEMS素子は、そのばね特性により、静電力を除荷したときの振動が静定しにくいため、出力信号にノイズを含む原因となる。特に、中空部内の減圧された雰囲気では流体抵抗が小さいため、MEMS素子の振動を静定することが困難である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、マイクロマシンの振動を収まりやすくすることにより、出力信号のノイズを低減できるマイクロマシン装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態にかかるマイクロマシン装置は、その主面上に信号線が設けられた基板と、前記基板の前記主面上に前記信号線を跨いで設けられ、前記信号線を中心として一方側と他方側との構造が非対称な両持の梁形状部分が、電界の作用により前記梁形状部分が前記信号線に対して接離する方向に弾性変形可能に保持されるマイクロマシンと、前記基板の主面上に設けられ、中空部を介して前記マイクロマシンを覆う封止体と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一形態にかかるマイクロマシン装置の製造方法は、信号線が設けられた基板の主面上に、前記信号線を中心として一方側と他方側との構造が非対称である両持ち梁形状を成し、電界の作用により変形するとともに該変形に伴って前記信号線との相対関係を変化させて電気特性を変化させるマイクロマシンを配する工程と前記マイクロマシン上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層及び前記基板の主面上に、前記犠牲層を介して前記マイクロマシンを覆うとともに、前記犠牲層に連通する開口形状部を有する第1封止体を形成する工程と、前記開口形状部から犠牲層除去用の流体を導入して前記犠牲層を除去する工程と、前記第1封止体上に、第2封止体を成膜する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、出力信号のノイズが低減されたマイクロマシン装置の提供を可能とする。
以下に本発明の第1実施形態にかかるマイクロマシン装置1について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、各図において適宜構成を拡大・縮小・省略して概略的に示している。図中X,Y,Zは、互いに直交する三方向を示している。
マイクロマシン装置1は例えば微小電気機械部品(MEMS)であり、基板を構成するベース基板11及び絶縁層12と、MEMS素子16(マイクロマシン)と、信号用配線15(信号線)等を備えるとともに、封止体20が基板と結合して、内部に常圧の気体が封入された雰囲気が形成される中空部17を形成した状態で、気密に封止されている。封止体20は、中空部17を規定する第1封止体21と第2封止体22とが順次積層されて構成されている。
ベース基板11は、シリコン(Si)基板、ガラス基板、またはサファイア基板であり、所定の板形状に形成されている。
絶縁層12は、ベース基板11上に形成され、例えばシリコン酸化膜(SiO2)からなる。これらベース基板11及び絶縁層12により基板が構成される。
絶縁層12は、ベース基板11上に形成され、例えばシリコン酸化膜(SiO2)からなる。これらベース基板11及び絶縁層12により基板が構成される。
絶縁層12の上面には、下部電極13、駆動電極14、信号用配線15及びMEMS素子16が形成されている。信号用配線15はAu(金)などで形成され、図2中Y方向に延びて形成されている。駆動電極14は、絶縁層12上であって、信号用配線15を挟んで図中X方向における両側に設けられている。
絶縁層12の上面には、MEMS素子16が形成されている。MEMS素子16は封止体20の外部に通じる下部電極13に接続されている。MEMS素子16の直下の絶縁層12の表面に信号用配線15が配置されている。
MEMS素子16はマイクロマシンの可動機構部であり、段差を有する両持ち梁形状部を成し、その両端部分は下部電極13に接続され、梁状の中央部分は、信号用配線15と数μm程度のギャップを持って離間して配されている。例えば、後述するように数μm程度の厚さをもつ犠牲層18a上にMEMS素子16を形成するような製造プロセスを経ることでギャップ構造を確保することが可能である。
MEMS素子16は、例えばPoly−SiやAl等で構成された矩形の板状部材16a(梁形状部分)がSiO2等の絶縁材料から矩形の板状に構成された接続継手19を介して接続されて両持ち梁状に構成されている。この梁状のMEMS素子16は、ばね特性を有し、その中央が上下方向に変位するように厚み方向に弾性的に曲げ変形可能であり、弾性復元力を有する。
MEMS素子16は、例えば、電界の作用として駆動電極14から静電力等の駆動力が与えられると、弾性変形して中央部分が信号用配線15の方へ近接し、駆動力が除去されると、自身のばね特性により、再び元の位置に戻る。すなわち、MEMS素子16は、静電力等の駆動力が印加、除荷されることにより、MEMS素子16が駆動力に応じて信号用配線15との間隔を変化させるように変形することで、マイクロマシン装置1の電気特性を変える。その変え方に応じて、可変電気容量、スイッチングなどの機能を果たす。
MEMS素子16の板状部材16aには、厚み方向に貫通された複数の開口16bが形成されている。このため、板状部材16aは、プルイン時に下方へ変形しやすい。また、犠牲層除去用のドライエッチングガスがこの開口16bを通ることにより短時間で犠牲層18をエッチングすることが可能となる。
信号用配線15を中心とする一方側である図中右側に形成された開口16bの数は、他方側である左側に形成された開口16bの数よりも多い。図3に示すように、右側は12個、左側は10個の開口16bが形成されている。
なお、信号用配線15の両側に形成された駆動電極14の直上に対応する部位おいては、左右同数、ここでは6つずつの開口16bが形成されている。すなわち、MEMS素子16は、駆動電極14の直上においては左右同様に構成されるとともに、駆動電極14から外れた部分においてその構造が左右で異なり、非対称な構造となっている。
第1封止体21は、その辺縁部分がMEMS素子16と離間した位置で周囲の絶縁層12の上面に結合しているとともに、その中央部分が中空部17を介してMEMS素子16を上方から覆うように形成されている。すなわち、第1封止体21はMEMS素子16から離間している。
第1封止体21は、厚さ1〜2μm程度の膜であり、MEMS素子16と数〜数十μm程度距離を保って設置される。例えば、後述するように、数十μm程度の厚さをもつ犠牲層を形成した後に第1封止体21を形成し、犠牲層18を除去することにより、中空部17の形成が可能となる。
第1封止体21は、製造工程において、犠牲層除去用のドライエッチングガス(O2プラズマガス等)の導入のために設けられた開口であった第1開口形状部21aが複数設けられている。第1開口形状部21aは、MEMS素子16の上方を避けて、MEMS素子16の周囲において、例えば50μmの間隔で並列されて形成されている。
この開口部を含む第1封止体21の外側は、第2封止体22に覆われている。第2封止体22は、1〜2μm程度の厚みを有する膜であり、SiN(シリコンナイトライド)等の無機材料から構成されている。第2封止体22は第1開口形状部21aを気密に閉塞して、中空部17を密封するように成膜される。
このような構成のマイクロマシン装置1において、駆動電流が印加されたプルイン時には、図4に示すように、の中央部分が下方に向かって変位するように板状部材16aが変形し、信号用配線15に接触するとともに、中央部分の左右近傍が駆動電極14にそれぞれ接触する。
駆動電流を除荷したプルアウトの際には、図5に示すように、プルイン時の変形が元に戻るよう弾性復元力が生じ、これにより中央部分が信号用配線15及び駆動電極14から離れる方向すなわち上方に向かって変位するように板状部材16aが変形する。この弾性復元力により板状部材16aが厚み方向に振動する。この際、信号用配線15を中心とした左右両側においてそれぞれ異なる弾性復元力が生じるため、左右の構造の相違により振動特性が異なり互いに相殺されることにより板状部材16aの厚み方向の振動がすぐに静定される。したがって、左右対称の構造を有するMEMS素子に比べて、電力除荷後の減衰時間が短い。また、駆動電極14に対応する部分は左右同様に構成されているため、プルイン時の電気的な特性は損なわれない。
次に、本実施形態にかかるマイクロマシン装置1の製造方法について図6乃至図12を参照して説明する。
まず、図6に示すように、ベース基板11上に絶縁層12を形成し、絶縁層12上に信号用配線15を形成する。ついで、MEMS素子16として、例えば、Auを構成材料として用いたカンチレバー構造を有する静電駆動型高周波用スイッチを形成する。
まず、図6に示すように、ベース基板11上に絶縁層12を形成し、絶縁層12上に信号用配線15を形成する。ついで、MEMS素子16として、例えば、Auを構成材料として用いたカンチレバー構造を有する静電駆動型高周波用スイッチを形成する。
このとき、まず信号用配線15とMEMS素子16との間にギャップを持たせるために、信号用配線15上に、後の工程で完全に除去する所定形状の犠牲層18aを形成して段差を形成してから、この犠牲層18a上にMEMS素子16を形成する。以上により、MEMS素子16が、段差を有し、信号用配線15から離間する板状部材16aを有する所定の両持ち梁形状に形成される。
特に、開口16bが、図3に示すように2次元的に配置されるので、犠牲層18aを除去する際、短時間でエッチングが可能である。
さらに、図7に示すように、MEMS素子16が形成された状態の上に、MEMS素子16を覆うように犠牲層18bを形成する。
犠牲層18a、18bは、例えば、スピンコート法によりポリイミド膜が成膜され、図7に示すように、パターニングにより所定形状に形成され、硬化されて構成されている。
図8に示すように、犠牲層18a,18bの形成後、第1封止体21として、プラズマCVD装置により、SiO2を、所定厚さで形成する。
さらに、フォトリソグラフィ処理等により、第1封止体21に、成膜中もしくは成膜後にMEMS素子16の周囲の犠牲層18a,18bを除去する際に除去材を導入するための犠牲層除去用の開口であり、犠牲層除去の後で閉塞される開口形状部21aを複数形成する。
ついで、犠牲層除去用のエッチング材を開口形状部21aより導入し、図9に示すように、全ての犠牲層18a,18bを完全に除去する。例えば、多結晶シリコンを選択的に除去するXeF2ガスを、開口形状部21aから導入することにより、全ての犠牲層が除去される。この結果、第1封止体21及び第2封止体22で覆われる内部に中空部17が形成される。
ついで、第1封止体21上に、例えば、プラズマCVD装置もしくはスパッタ装置により、第1封止体21を覆うように、低透湿のSiNを、例えば数μm以上の厚さで成膜し、第2封止体22を形成する。この第2封止体22が薄膜プロセスによって形成されることで、第1封止体21の開口形状部21aが密封されることにより、中空部17の気密性が保たれ、内気の漏れが防止される。
以上により、図1及び図2に示すマイクロマシン装置1が完成する。このようにして構成されたマイクロマシン装置1としてのパッケージは、例えばドライバICチップ等に用いることができる。
本実施形態にかかる及びマイクロマシン装置1及びマイクロマシン装置1の製造方法は以下に掲げる効果を奏する。すなわち、MEMS素子16の構造を非対称にすることにより、駆動電力を除荷した場合にMEMS素子16の弾性復元力により生じる振動を相殺し抑制することができる。なお、プルイン時は、プルアウト時よりも構造による影響が少ないため、左右非対称としてもプルインの際の特性に対する影響は少ない。また、駆動電極14に対応する部位については左右対称としたため、電気的特性は損なわれない。
例えば、図2で示す板状部材16aの振動は、左右対称な構造とした場合の中空封止構造と比べ、その減衰率を3倍以上とすることが可能である。したがって、出力信号のノイズを抑え、部品としての精度を向上することができる。
さらに、MEMS素子16の板状部材16aを貫通する開口16bを多数設けたことにより、駆動電流を印加した際の変形しやすい構造とするとともに、犠牲層18除去の際のエッチングガスの流動を可能として除去時間を短縮することが可能となる。
さらに、封止体20は、SiO2、SiNなどの絶縁性を有する材料で構成されているため、導電性をもつMEMS素子16との間に電気容量を形成しない。したがって、MEMS素子16と周囲の導体とでの容量形成を回避し可変電気容量を用途とした電気機械部品において、高い容量変化をもつ性能を実現できる。
さらに、封止体20は、SiO2、SiNなどの絶縁性を有する材料で構成されているため、導電性をもつMEMS素子16との間に電気容量を形成しない。したがって、MEMS素子16と周囲の導体とでの容量形成を回避し可変電気容量を用途とした電気機械部品において、高い容量変化をもつ性能を実現できる。
[第2実施形態]
次に本発明の第1実施形態に係るマイクロマシン装置2について図10を参照して説明する。また各図において説明のため、適宜、構成を拡大、縮小または省略して示している。なお、本実施形態において、MEMS素子16の構造以外については上記第1実施形態のマイクロマシン装置1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
次に本発明の第1実施形態に係るマイクロマシン装置2について図10を参照して説明する。また各図において説明のため、適宜、構成を拡大、縮小または省略して示している。なお、本実施形態において、MEMS素子16の構造以外については上記第1実施形態のマイクロマシン装置1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
MEMS素子16は、複数の板状部材16aが、絶縁性の接続継手19を介して接続されている。本実施形態では、開口16bの形状、大きさ、及び配置は左右対称であって、接続継手19の形状、大きさ、配置、数が異なる。すなわち信号用配線15の一方側である図中X方向における右側には、図中Y方向に沿うMEMS素子16の幅方向に長い矩形状を呈する接続継手19が1つ配置され、他方側である左側には、幅方向に短い矩形状の接続継手19が互いに離間して2つ並列されて構成されている。
すなわち、MEMS素子16は、その右側における接続強度及び曲げ強度が左側よりも高くなるように構成されている。したがって、プルアウト時の弾性復元力による変形の際に、右側よりも左側が大きく振幅するため左右において振動特性のずれが生じる。このずれにより両側において振動が相殺されて静定される。
本実施形態に係るマイクロマシン装置2においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
次に本発明の第1実施形態に係るマイクロマシン装置3について図11及び図12を参照して説明する。また各図において説明のため、適宜、構成を拡大、縮小または省略して示している。なお、本実施形態において、MEMS素子16の構造以外については上記第1実施形態のマイクロマシン装置1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
次に本発明の第1実施形態に係るマイクロマシン装置3について図11及び図12を参照して説明する。また各図において説明のため、適宜、構成を拡大、縮小または省略して示している。なお、本実施形態において、MEMS素子16の構造以外については上記第1実施形態のマイクロマシン装置1と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
MEMS素子16は、複数の板状部材16aが、絶縁性の接続継手19を介して接続されている。本実施形態では、開口16bの形状、大きさ、及び配置は左右対称であって、図12中左側にのみ補強部材16cが設けられている。このため、右側よりも左側の厚み方向における曲げ強度が高く構成されている。
したがって、プルアウト時の弾性復元力による変形の際に、左側よりも右側が大きく振幅するため左右において振動特性のずれが生じる。このずれにより両側において振動が相殺される。このため、振動が減衰しやすい。なお、電気的な特性を維持するため、補強部材16cは駆動電極14の直上部分から外れた左側端部に配置されている。
本実施形態に係るマイクロマシン装置3においても、上記第1実施形態また第2実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各構成要素の材質、形状、配置、サイズ、構造・動作等を適宜変更して実施することができる。例えば上記第1実施形態においては開口部の数を違えて両側の構造を非対称としたが、これに限らず、開口16bの開口部の配置や大きさを違えることにより両側の振動特性を異なるように構成してもよい。さらには板状部材16aの形状や材質が異なるように構成しても、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
たとえば、図14に示すように、開口16bの大きさを左右で違えてもよい。すなわち、図14で示すMEMS素子16では、右側の2つの開口16bが、他の開口16bよりも小さく構成されている。この小さく構成された開口部16bは駆動電極14の直上から外れた位置に配置されている開口部16bである。このような形状としても、信号用配線15を中心として左右で構造が異なり、上記各実施形態と同様に、振動が静定されやすい。なお、この形態においても、駆動電極14の直上に対応する部分においては左右の開口16bの大きさ、形状、配置、数、は左右対称に構成されているため、電気的特性は損なわれない。
また、パターニング方法や犠牲層の除去方法の一例としては、エッチングガスによるドライエッチングや、薬液によるウェットエッチング等が挙げられる。また、複数の犠牲層18a,18bは同一材料であっても異なる材料であっても良い。また、基板として、ベース基板11上に絶縁層12を備えた構造について説明したが絶縁層12を省略してベース基板11のみで基板を構成し、このベース基板11上にMEMS素子16、信号用配線15を形成してもよい。また、MEMS素子16は接続継手19を介して接続されている場合について説明したが、梁状部材が一体に板状に形成されている場合も同様である。
この他、本発明は、実施段階においてその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1、2、3…マイクロマシン装置、11…ベース基板、12…絶縁層、
13…下部電極、14…駆動電極、15…信号配線、16…MEMS素子、16a…板状部材、16b…開口、16c…補強部材、17…中空部、18a.18b…犠牲層、
19…接続継手、20…封止体、21…第1封止体、21a…開口形状部、22…第2封止体。
13…下部電極、14…駆動電極、15…信号配線、16…MEMS素子、16a…板状部材、16b…開口、16c…補強部材、17…中空部、18a.18b…犠牲層、
19…接続継手、20…封止体、21…第1封止体、21a…開口形状部、22…第2封止体。
Claims (5)
- その主面上に信号線が設けられた基板と、
前記基板の前記主面上に前記信号線を跨いで設けられ、前記信号線を中心として一方側と他方側との構造が非対称な両持の梁形状部分が、電界の作用により前記梁形状部分が前記信号線に対して接離する方向に弾性変形可能に保持されるマイクロマシンと、
前記基板の主面上に設けられ、中空部を介して前記マイクロマシンを覆う封止体と、
を備えたことを特徴とするマイクロマシン装置。 - 前記基板上において前記信号用配線を挟んで前記一方側と前記他方側にそれぞれ駆動電極が形成され、
前記梁形状部分は複数の開口を有し、前記開口の配置、形状、構造、大きさまたは数が、前記駆動電極の直上に対応する部分の近傍において、前記信号線を中心とした一方側と他方側で対称であり、前記駆動電極の直上部から離間した部分において、前記信号線を中心とした前記一方側と前記他方側で非対称に構成されたことを特徴とする請求項1記載のマイクロマシン装置。 - 前記マイクロマシンは、複数の板状部材が、絶縁性の接続継手を介して接続され、
前記信号線を中心とした一方側と前記他方側とにおいて、前記接続継手の配置、材質、形状、構造、大きさまたは数が異なることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロマシン装置。 - 前記マイクロマシンの前記一方側に補強部材が設けられ、前記他方側よりも前記一方側の強度が高く構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のマイクロマシン装置。
- 信号線が設けられた基板の主面上に、前記信号線を中心として一方側と他方側との構造が非対称である両持ち梁形状を成し、電界の作用により変形するとともに該変形に伴って前記信号線との相対関係を変化させて電気特性を変化させるマイクロマシンを配する工程と
前記マイクロマシン上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層及び前記基板の主面上に、前記犠牲層を介して前記マイクロマシンを覆うとともに、前記犠牲層に連通する開口形状部を有する第1封止体を形成する工程と、
前記開口形状部から犠牲層除去用の流体を導入して前記犠牲層を除去する工程と、
前記第1封止体上に、第2封止体を成膜する工程と、
を備えたことを特徴とするマイクロマシン装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008071569A JP2009226497A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008071569A JP2009226497A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009226497A true JP2009226497A (ja) | 2009-10-08 |
Family
ID=41242530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008071569A Withdrawn JP2009226497A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009226497A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013005289A1 (ja) * | 2011-07-04 | 2013-01-10 | 富士通株式会社 | 電子デバイスとその製造方法、及び電子デバイスの駆動方法 |
JP2014187262A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Toshiba Corp | Mems装置 |
-
2008
- 2008-03-19 JP JP2008071569A patent/JP2009226497A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013005289A1 (ja) * | 2011-07-04 | 2013-01-10 | 富士通株式会社 | 電子デバイスとその製造方法、及び電子デバイスの駆動方法 |
JP2014187262A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Toshiba Corp | Mems装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5193639B2 (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
KR101437193B1 (ko) | 캡슐화 가능성을 갖는 마이크로미러 액튜에이터 및 그의 제조 방법 | |
JP5329914B2 (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
JP5701772B2 (ja) | ビア構造及びその製造方法 | |
US7893798B2 (en) | Dual substrate MEMS plate switch and method of manufacture | |
JP4544880B2 (ja) | 微小電気機械式装置の封止方法 | |
WO2011114628A1 (ja) | Mems素子、およびmems素子の製造方法 | |
EP2460762B1 (en) | MEMS device having reduced stiction and manufacturing method | |
JP2007210083A (ja) | Mems素子及びその製造方法 | |
JP4739173B2 (ja) | マイクロスイッチング素子 | |
US20130126989A1 (en) | Microstructure Device with an Improved Anchor | |
US20190221607A1 (en) | Microfabricated device with piezoelectric substrate and method of manufacture | |
JP2015093340A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP5512926B2 (ja) | Zオフセットmems装置および方法 | |
JP2009226497A (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
US7531424B1 (en) | Vacuum wafer-level packaging for SOI-MEMS devices | |
US20210017017A1 (en) | Eight spring dual substrate mems plate switch and method of manufacture | |
JP4333417B2 (ja) | マイクロマシンの製造方法 | |
JP2007222957A (ja) | Memsデバイスの製造方法 | |
JP2009226498A (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
JP2010123679A (ja) | 中空封止体及び中空封止体の製造方法 | |
JP2009178815A (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
EP2435357B1 (en) | Method of accurately spacing z-axis electrode | |
JP2009178816A (ja) | マイクロマシン装置及びマイクロマシン装置の製造方法 | |
JP2010207987A (ja) | マイクロマシン装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110607 |