JP2009225592A - 電力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
スイッチング周波数の上昇を抑制しつつインダクタの発熱による電力損失を低減する電力制御装置を提供する。
【解決手段】
送信用信号を増幅する増幅回路を駆動するための電力を生成する電力制御装置であって、前記送信用信号に応じて前記増幅回路から出力されるべき送信信号の単位時間毎の最大電圧値に基づいてPWM信号を生成する生成部と、選択部と、インダクタンスの異なるものを含む複数のインダクタを含み、前記複数のインダクタのうち前記選択部により選択されたインダクタを用いたチョッパ回路により、前記PWM信号に基づいて、前記電力を生成する電力生成部と、を備え、前記選択部は前記最大電圧値を反映した値を取得し、当該値と予め設定されている一以上の閾値とを比較し、比較結果に応じて前記電力生成部にて用いるインダクタを選択する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば携帯電話基地局において送信電力を増幅する高周波増幅段の電力を制御する電力制御装置に関し、特にそのような電力制御装置における電力損失を低減する改良技術に関する。
この種の電力制御装置は、その主要部に降圧型DC/DCコンバータを用いている。降圧型DC/DCコンバータは、周知のように降圧チョッパ回路と平滑回路とからなる。
降圧チョッパ回路は、直流電源電圧をチョッピングして電源電圧よりも低い脈流の出力電圧を得るものであり、チョッピングには所定のパルス幅を持つPWM(Pulse Width Modulation)信号が使われる。
平滑回路は、降圧チョッパ回路から出力される脈流を平滑し、直流に変換するもので、インダクタとキャパシタとから構成される。インダクタのインダクタンス値は脈動の無い良好な直流電圧を得るために、適正に定める必要がある。
このようなDC/DCコンバータに関する先行技術としては、特許文献1に記載のものがある。
特開2007−28771号公報
ところで、一般的には降圧型DC/DCコンバータの出力電圧は定電圧であるが、出力電圧を変動させたい場合も考えられる。例えば、送信信号の単位時間毎の最大電圧値に追従するように高周波増幅段の電力を制御する場合である。その場合には、例えば、出力電圧として3.3Vを想定し、インダクタを選定していたとしても、3.3Vよりも大きな出力電圧(例えば24V)が必要となったときには、24Vの出力電圧を生成しようする。その結果、インダクタにも設計段階で想定していた以上の電流が流れることになる。
そうすると、インダクタのコアによる磁気飽和が始まりインダクタンスが急激に低下する可能性がある。インダクタンスが急激に低下するとインダクタに流れる電流が急増し、インダクタの発熱による電力損失が大きくなるという問題が発生する。
予め出力電圧として24Vを想定しインダクタを選定しておくことにより、降圧型DC/DCコンバータが24Vの出力電圧を生成しても、インダクタのコアによる磁気飽和を回避することはできる。ただしその場合には、脈動の無い良好な直流電圧を得るためにスイッチング周波数を高くする必要があり、その結果、スイッチング損失が大きくなるという問題がある。
以上は降圧型DC/DCコンバータについて課題を指摘したが、昇圧型DC/DCコンバータであっても同様の問題が発生するので、降圧型DC/DCコンバータに限らず、広く電力制御装置に共通する課題である。
本発明は、スイッチング周波数の上昇を抑制しつつインダクタの発熱による電力損失を低減する電力制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、送信用信号を増幅する増幅回路を駆動するための電力を生成する電力制御装置であって、前記送信用信号に応じて前記増幅回路から出力されるべき送信信号の単位時間毎の最大電圧値に基づいてPWM信号を生成する生成手段と、選択手段と、インダクタンスの異なるものを含む複数のインダクタを含み、前記複数のインダクタのうち前記選択手段により選択されたインダクタを用いたチョッパ回路により、前記PWM信号に基づいて、前記電力を生成する電力生成手段と、を備え、前記選択手段は前記最大電圧値を反映した値を取得し、当該値と予め設定されている一以上の閾値とを比較し、比較結果に応じて前記電力生成手段にて用いるインダクタを選択することを特徴とする電力制御装置である。
本発明は上記の構成を備えることにより、前記送信信号の単位時間毎の最大電圧値を反映した値に基づいて、前記電力生成手段にて用いるインダクタを選択することができる。
ここで、予め前記電力制御装置の設計段階において、前記複数のインダクタの各々は重畳特性に基づいて適切に選定されているものとする。重畳特性とは、インダクタにどのくらいの電流が流れるとインダクタンス値が急激に低下するのか、すなわち磁気飽和が発生するのかを示す特性である。
各インダクタの選定方法について説明すると、設計者はまず、最大電圧値の変動範囲に基づいて電力生成手段に含ませるべきインダクタ数を決定する。具体的には、最大電圧値の変動範囲を複数の区間に区切り、区間毎に各インダクタが対応するよう、インダクタ数を区間数と同数に決定する。次に、各区間における最大電圧値がとり得る電圧値に基づいて各インダクタのインダクタンス値を決定する。そして、各区間における最大電圧値及び負荷に基づいて各インダクタに流れる電流値を算出する。最後に、各インダクタの選定に際し、各インダクタのインダクタンス値及び各インダクタに流れる電流値と、市販されている各インダクタの重畳特性とを照らし合わせ、算出された電流が流れても磁気飽和を起こさないインダクタをそれぞれ選定する。
そうすると、前記最大電圧値を反映した値がどのような値の場合に前記選択手段がどのインダクタを選択するのかを設定しておくことができる。
前述のように設定されていることを前提とすると、前記選択手段が前記所定値に基づいて選択するインダクタを切り替えることにより、インダクタの磁気飽和を回避することができる。すなわち、インダクタの発熱による電力損失を防ぐことができ、省電力化を図ることができる。
なお、前記最大電圧値を反映した値としては、最大電圧値そのものの他に、前記PWM信号のデューティ比等が該当する。
ここで、前記最大電圧値を反映した値は、前記PWM信号のデューティ比であり、前記一以上の閾値は、第一閾値を含み、前記選択手段は、前記デューティ比が前記第一閾値より大きい場合には、第一インダクタを選択し、前記デューティ比が前記第一閾値以下の場合には、前記第一インダクタ以外の一以上のインダクタのうち前記第一インダクタよりインダクタンスが大きいインダクタを選択するとしてもよい。
これにより、デューティ比が第一閾値以下、すなわちインダクタに小さい電流が流れることとなる場合には、前記第一インダクタよりインダクタンスが大きいインダクタが選択されるので、磁気飽和を回避することができる。また、インダクタが大きいため、脈動の無い良好な直流電圧を得るためにスイッチング周波数を高くする必要は無く、スイッチング損失を抑制することができる。
また、デューティ比が第一閾値より大きい、すなわちインダクタに大きい電流が流れることとなる場合には、インダクタンスが小さい第一インダクタが選択されるので、磁気飽和を回避することができる。
ここで、前記生成手段は、基本波を生成する発振回路を含み、前記基本波と前記最大電圧値とに基づいて前記PWM信号を生成し、前記デューティ比は前記発振回路の発振周期毎に算出され、前記比較は前記周期毎に行われ、前記選択手段により選択されたインダクタが、前記第一インダクタ以外のインダクタから前記第一インダクタに切り替わった直後の周期では、当該周期に係るデューティ比と前記第一閾値より小さい第二閾値とが比較され、前記デューティ比が前記第一閾値以下の場合に選択されたインダクタは第二インダクタであり、前記選択手段により選択されたインダクタが、前記第二インダクタ以外のインダクタから前記第二インダクタに切り替わった直後の周期では、当該周期に係るデューティ比と前記第一閾値より大きい第三閾値とが比較されるとしてもよい。
これにより、少なくとも、前記選択手段により選択されるインダクタが前記第一インダクタあるいは前記第二インダクタに切り替わった直後の周期には、その選択が維持されるように、前記第二閾値あるいは前記第三閾値と前記第一閾値との間に差を持たせることができる。したがって、前記電力生成手段にて用いるインダクタが頻繁に切り替わることを抑制することができるので、前記電力制御装置による安定した動作を実現することができる。
なお、前記第一インダクタあるいは前記第二インダクタに切り替わった直後の周期だけでなく、ある一定期間もしくは他のインダクタに切り替わるまで、前記第二閾値あるいは前記第三閾値を用いて比較を行うとしてもよい。
ここで、前記電力生成手段は、降圧または昇圧用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を前記PWM信号に基づいて駆動するドライブ回路と、平滑用のリアクタンス素子と、前記スイッチング素子に並列に接続される整流用の半導体素子と、を含み、前記複数のインダクタは、前記スイッチング素子と前記リアクタンス素子との間に並列に接続され、前記選択手段の選択により、前記電力生成手段にて用いるインダクタが切り替えられるとしてもよい。
これにより、前記スイッチング素子と、前記ドライブ回路と、前記リアクタンス素子と、前記半導体素子と、をそれぞれ一つずつ備えているだけで、前記選択手段は前記複数のインダクタのうち前記電力生成手段にて用いるインダクタを切り替えることができる。すなわち、インダクタの数だけチョッパ回路を備える必要はないので、回路構成を小さくすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
<無線通信機器1の構成>
本発明に係る電力制御装置100は例えば、携帯電話基地局に設置される無線通信機器1に備えられる。図1は無線通信機器1の機能ブロック図である。無線通信機器1は図1に示すように、メモリ2、無線制御部3、局部発振回路4、混合回路5、増幅回路6、アンテナ7、及び電力制御装置100を含んで構成される。
本実施の形態では、一例として、無線通信機器1が二進数表記で「101010110110・・・」というデータ列を送信しようとしているものとする。このデータ列は、図2に示すように、送信データDtとしてメモリ2に記憶されている。送信データDtは、無線通信機器1が送信すべきデータ列を1シンボル長である4ビット毎に論理的に区切ったものである。すなわち、メモリ2には、送信データDt「1010」「1011」「0110」・・・が記憶されている。
メモリ2は具体的にはRAM等であり、送信データDt及び割付変換表を記憶している。
無線制御部3は、メモリ2から送信データをサンプリング周波数に係る周期間隔で1シンボル分ずつ読み出し、当該送信データを16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)信号に変換する。そして、16値QAM信号を混合回路4に出力する。なお、無線制御部3が生成した16値QAM信号は、中間周波信号(IF信号)である。
なお、4ビットのデジタルデータから16値QAM信号を得る方法は、電話回線を用いた9600bpsのデータ伝送で実際に使用されるなど公知の方法であるので、ここでは簡単な説明に留める。
変調には、送信用の搬送波として直交するcos2πftと−sin2πftとの2波を用いる。それぞれ負の振幅を含めて4値の振幅変調を行い、それらを加え合わせて16値QAM信号を得る。なお、fは搬送波周波数である。
図3は、4ビットのデジタルデータ(すなわち送信データDt)と、16値QAM信号の振幅A及び位相θとの関係を模式的に示す図である。マトリックス状に並んだ16個の白抜き点のそれぞれに付した4ビットの数値が伝送する4ビットのデジタルデータである。
例えば、図3は、送信すべきデジタルデータ「1010」には、振幅Aの値A1及び位相θの値θ11が割り当てられていることを示す。このデジタルデータ(割付データDm)と振幅Aの値及び位相θの値との対応は、図4に示す割付対応表としてメモリ2に記憶されている。
例えば、前記割付対応表は、デジタルデータ「1010」が振幅Aの値A1及び位相θの値θ11に対応することを示している。
無線制御部3は、デジタルデータ「1010」に対応する振幅Aの値A1及び位相θの値θ11を前記割付対応表から読み出し、デジタルデータ「1010」に対応する変調後信号として、式A1cosθ11t−A1sinθ11tで表される16値QAM信号を生成する。
以上説明したように、無線制御部3は、メモリ2に記憶されている送信データDtをサンプリング周波数に係る周期間隔で1シンボル分ずつ読み出し、送信データDtを16値QAM信号に変換し混合回路5に出力していく。
また、無線制御部3は、生成した16値QAM信号を予め定められた増幅率により増幅した後、混合回路5が行っているのと同様の方法によりRF信号へと周波数変換する。そして、RF信号(以下、「割り込みデータ」または「出力電圧制御信号」という)を割込み信号とともに電力制御装置100に出力する。なお、増幅率は、電力制御装置100が増幅回路6に対し電源レベルに適した信号を供給できるように予め測定、シミュレーション等により決定されているものとする。
無線制御部3は、16値QAM信号を混合回路5に対し出力する時刻と、出力電圧制御信号を電力制御装置100に対し出力する時刻とを、各回路について予め測定しているデータ等に基づき調整している。この調整がなされることにより、無線制御部3から混合回路5へと出力された信号が処理されて増幅回路6に到達するタイミングと、無線制御部3から電力制御装置100に対し出力された信号が処理されて増幅回路6に電力が供給されるタイミングとが同期することとなる。
局部発振回路4は具体的には、発振器を含んで構成され、この発振器で作ったローカル信号(LO信号)を混合回路5に出力する。
混合回路5は、無線制御部3からIF信号を受信し、局部発振回路4からLO信号を受信する。そして、IF信号とLO信号とを混合することによりRF(Radio Frequency)信号を生成し、生成したRF信号を増幅回路6に出力する。
増幅回路6は、混合回路5から受信したRF信号を増幅する線形アンプであり、電力制御装置100から電力供給を受けて駆動する。増幅回路6は、受信したRF信号を増幅してアンテナ7を介して放射する。
電力制御装置100は、無線制御部3から入力される信号に基づいて、増幅回路6に供給する電力を生成する。以下、電力制御装置100について詳細に説明する。
<電力制御装置100の構成>
図5は、電力制御装置100の構成の一例を示す図である。本図に示すように、電力制御装置100は電源入力部10、入力フィルタ20、低電圧用パワーアナログ部30a、高電圧用パワーアナログ部30b、出力フィルタ40、信号入力部50、デジタル制御部60、電圧検出部70、及び電源出力部80を含んで構成される。
電源入力部10は図示しないスイッチング電源と接続されており、具体的には直流電圧(以下、「電圧」という)が供給される入力端子である。なお、スイッチング電源は図示しない商用電源と接続されている。
入力フィルタ20は、具体的には本図に示すように、コイルL3及びコンデンサC3を含んで構成されるLC回路であり、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bから発生し、電源入力部10へ帰還するノイズを抑制する機能を有する。
低電圧用パワーアナログ部30a(以下、「Lo回路」ともいう)は具体的には、降圧チョッパ回路と平滑回路とからなり、ドライブ回路3a、スイッチング素子SW1a、SW1b、磁気エネルギーを蓄積及び放出するフェライトコイル(以下、「インダクタ」ともいう)L1、及び平滑用コンデンサC1を含んで構成される。
ドライブ回路3aはデジタル制御部60のPWM出力1端子及びスイッチング素子SW1a、SW1bのゲート端子と接続されており、PWM出力1端子から入力されるPWM信号に基づいてスイッチング素子SW1aをON/OFFする動作を繰り返す。また、スイッチング素子SW1aがOFFの間、スイッチング素子SW1bをONする。
スイッチング素子SW1aは降圧用スイッチング素子であり、具体的にはMOSFETである。ドライブ回路3aによりMOSFETがON/OFFされること、すなわちゲートにかかる電圧が変化することにより、ドレインからソースに流れる電流が変化する。
なお、スイッチング素子SW1aのドレイン端子はコイルL3の一端と接続され、ソース端子はインダクタL1の一端と接続され、ゲート端子はドライブ回路3aと接続されている。
スイッチング素子SW1bは同期整流用スイッチング素子であり、具体的にはMOSFETである。スイッチング素子SW1aがOFFの間、ドライブ回路3aによりONされる。これによりソースからドレインに向かって電流が流れる。
なお、スイッチング素子SW1bはスイッチング素子SW1aと並列に接続されており、スイッチング素子SW1bのソース端子は接地され、ドレイン端子はインダクタL1の一端と接続され、ゲート端子はドライブ回路3aと接続されている。
低電圧用パワーアナログ部30aの動作について簡単に説明すると、スイッチング素子SW1aがONされている時には、インダクタL1に磁気エネルギーを蓄えながら出力電流を供給する。
スイッチング素子SW1aがOFFされている時には、インダクタL1は磁気エネルギーを放出しながら出力電流を供給する。
高電圧用パワーアナログ部3b(以下、「Hi回路」ともいう)は具体的には、降圧チョッパ回路と平滑回路とからなり、ドライブ回路3b、スイッチング素子SW2a、SW2b、磁気エネルギーを蓄積するインダクタL2、及び平滑用コンデンサC2を含んで構成される。各構成要素は低電圧用パワーアナログ部30aを構成する各構成要素と同様である。低電圧用パワーアナログ部30aと異なる点は、インダクタL1とインダクタL2とのインダクタンスである。
ここで、インダクタL1とインダクタL2とのインダクタンスについて説明する。通常、インダクタに同じコアを用いる場合には、インダクタンスが大きくなればなるほど、コアによる磁気飽和が始まる際のインダクタに流れる電流値は小さくなる。
また、本実施の形態では、出力電圧を変動させる場合を想定している。ここで例えば、出力電圧を1〜14Vの範囲で変動させるとし、出力電圧が7Vのときを境に低電圧用パワーアナログ部30aと高電圧用パワーアナログ部30bとを切り替えるものとする。すなわち、電力制御装置100は出力電圧が1V以上7V未満の場合に低電圧用パワーアナログ部30aを選択し、出力電圧が7V以上14V以下の場合に高電圧用パワーアナログ部30bを選択する。
出力電圧が1V以上7V未満の場合の方がインダクタに流れる電流は小さいため、インダクタL1のインダクタンスの方がインダクタL2のインダクタンスより大きくなる。
インダクタンスは次式により算出することができる。
L=(Vin−Vout)×Vout/Δl×2×Vin×f・・・(数1)
ここで、Vinは入力電圧、Voutは出力電圧、Δlはインダクタに流れる平均電流値、fは電源発振周波数である。
ここでは、例えば、出力電圧を4V、入力電圧を15V、電源発振周波数を500kHz、インダクタに流れる平均電流値を0.03Aとし、その結果得られるインダクタンス100μHをインダクタL1のインダクタンスとする。
同様に、出力電圧を10V、入力電圧を15V、電源発振周波数を500kHz、インダクタに流れる平均電流値を0.2Aとし、その結果得られるインダクタンス33μHをインダクタL2のインダクタンスとする。
また、比較結果に応じて切り替えられた降圧チョッパ回路のインダクタが磁気飽和しないように、予め設計段階において、インダクタ製造メーカーの各社が公表しているインダクタの重畳特性に基づいて、適切なインダクタを選定しておく。具体的には、インダクタL1の選定に際し、まず出力電圧を7Vとしたときのインダクタに流れる電流値を算出する。ここで負荷を50オームとすると、インダクタに流れる電流値は0.14Aである。
設計者はインダクタンスが100μHであるインダクタの中から、インダクタに0.14Aの電流が流れた場合でも、そのインダクタンスが急激に低下しない、すなわち磁気飽和しないインダクタをインダクタL1として選定し、このインダクタL1を用いて降圧チョッパ回路30aを構成する。
同様に、インダクタL2の選定に際し、出力電圧を14Vとしたときのインダクタに流れる電流値を算出する。その電流値は0.28Aである。
設計者はインダクタンスが33μHであるインダクタの中から、インダクタに0.28Aの電流が流れた場合でも、そのインダクタンスが急激に低下しないインダクタをインダクタL2として選定し、このインダクタL2を用いて降圧チョッパ回路30bを構成する。
電力制御装置100は、動作時において、出力電圧が7V未満であれば降圧チョッパ回路30aを選択し、出力電圧が7V以上であれば降圧チョッパ回路30bを選択することにより、出力電圧が変動することによるインダクタの磁気飽和を回避することができる。
出力フィルタ40は、具体的には本図に示すように、コイルL4a、L4及びコンデンサC4を含んで構成されるLC回路であり、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bで発生するスイッチングノイズを抑制する機能を有する。
信号入力部50は無線通信機器1内の無線制御部2と接続されており、具体的には、各種信号が供給される入力端子である。各種信号は、割込み信号や割込みデータ等である。割込み信号は、送信期間と受信期間とを切り替えるための信号であり、割込み信号がハイの場合、送信期間であることを示す。送信期間では、本願の特徴である送信信号に応じた電力制御が行われ、受信期間では、従来と同様のフィードバック制御が行われる。割込みデータは、具体的には、無線通信機器1が送信すべき送信信号に応じて生成された出力電圧制御信号である。
デジタル制御部60は具体的にはDSPを用いて実現され、図6に示すように、通信I/F(インタフェース)61、外部割込み処理部62、演算処理部60a、及びフィードバック部69を含んで構成される。
通信I/F61は、無線制御部2から入力される割込み信号及び割込みデータを外部割込み処理部62に出力する。
外部割込み処理部62は、通信I/F61から入力される割込みデータを演算処理部60aに出力するとともに、割込みがあった旨を示す信号をフィードバック部69に送信する。
演算処理部60aは、発振回路63、PWM信号生成部64、デューティ比算出部65、閾値保持部66、比較部67、及び出力制御部68を含んで構成される。
発振回路63は基本波(三角波)を生成し、生成された基本波をPWM信号生成部64に出力する。
PWM信号生成部64は、発振回路63から入力された基本波とフィードバック部69あるいは外部割込み処理部62から入力される出力電圧制御信号とに基づいてPWM信号を生成する。生成したPWM信号をデューティ比算出部65及び出力制御部68に出力する。
デューティ比算出部65はPWM信号生成部64から入力されたPWM信号に基づいて発振周期毎にデューティ比を算出し、比較部67に出力する。
閾値保持部66は、予め閾値を保持している。具体的には、出力電圧が7Vのときのデューティ比を閾値として保持している。この閾値と出力電圧制御信号に基づいて生成されるPWM信号のデューティ比との比較結果に応じて、何れかの降圧チョッパ回路が用いられるよう切り替えられる。
比較部67は、デューティ比算出部65から入力されるデューティ比と閾値保持部66に保持されている閾値とを比較し、比較結果を出力制御部68に出力する。
出力制御部68は比較部67から入力される比較結果に応じて、PWM信号生成部64から入力されるPWM信号を、PWM出力1端子及びPWM出力2端子の何れかから出力する。
フィードバック部69は、電圧検出部70から入力される電圧をA/D変換し、変換後の電圧に基づいて、出力電圧を予め定められている定電圧に保つよう出力電圧制御信号を設定する。そして、設定した出力電圧制御信号を演算処理部60aに出力する。また、外部割込み処理部62から割込みがあった旨の信号を受信している間、出力電圧制御信号の設定及び出力を中止する。
デジタル制御部60はさらに、位相補償設定等を行うが、この制御は従来と同じである。
電圧検出部70は、出力フィルタ40から出力される電圧を検出し、デジタル制御部60に出力する。
電源出力部80は、具体的には出力フィルタ40から入力される電圧を、送信信号を増幅する増幅回路6に供給する出力端子である。
<動作>
続いて、電力制御装置100の動作について説明する。図7は、電力制御装置100のデジタル制御部60の動作を示すフローチャートである。なお、受信期間では、PWM信号は低電圧用パワーアナログ部30aに出力されるよう、予め設定されているものとする。
電力制御装置100は割込み信号を受信したか否かにより制御を切り替える。発振回路63は割込み信号の有無にかかわらず、基本波を生成する(ステップS102)。割込み信号を受信した場合(ステップS101でYes)、すなわち送信期間では、通信I/F61は無線制御部2から出力電圧制御信号を取得する(ステップS104)。PWM信号生成部64は、発振回路63が生成した基本波と外部割込み処理部62を介して通信I/F61から取得した出力電圧制御信号とに基づいて、PWM信号を生成する(ステップS105)。
デューティ比算出部65はPWM信号生成部64により生成されたPWM信号からデューティ比を算出する(ステップS106)。
比較部67はデューティ比算出部65により算出されたデューティ比が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS107)。
デューティ比が閾値より大きい場合には(ステップS107でYes)、出力制御部68はPWM信号を高電圧用パワーアナログ部30bに出力する(ステップS108)。
デューティ比が閾値以下の場合には(ステップS107でNo)、PWM信号を低電圧用パワーアナログ部30aに出力する(ステップS109)。
また、割込み信号を受信していない場合(ステップS101でNo)、すなわち受信期間では、PWM信号生成部64はフィードバック部69から出力電圧制御信号を取得する(ステップS103)。PWM信号生成部64は、発振回路63が生成した基本波とフィードバック部69から取得した出力電圧制御信号とに基づいて、PWM信号を生成する(ステップS105)。出力制御部68はPWM信号を低電圧用パワーアナログ部30aに出力する(ステップS109)。
<信号波形>
続いて、図8は電力制御装置100に関する各種信号波形に係るタイミングチャートである。
本図の第一段目は基本三角波及び出力電圧制御信号の波形を示している。第二段目は無線制御部2から出力される割込み信号の波形を示している。第三段目は無線制御部2から出力される割込みデータの波形を示している。第四段目はPWM信号生成部64により生成されるPWM信号波形を示している。第五段目はデジタル制御部60内で生成される回路切換信号の波形を示している。第六段目は低電圧用パワーアナログ部30aに出力されるPWM信号波形を示している。第七段目は高電圧用パワーアナログ部30bに出力されるPWM信号波形を示している。また、本図の横軸方向は時間軸を示している。
図中の第二、三段目に示される割込み信号、割込みデータは、無線通信機器1が受信期間かあるいは送信期間かに基づいて無線制御部3により制御される。具体的には、割込み信号は、送信期間ではハイ、受信期間ではローとなる。図中の割込み信号受信時点は、電力制御装置100が割込み信号を受信した時点であり、この時点を境にデジタル制御部60における制御が切り替わる。割込み信号を受信するまでは受信期間であるので、第一段目に示される出力電圧制御信号はフィードバック部69で設定されるものである。割込み信号受信時点以降では、第一段目及び第三段目の波形からも明らかなように、無線制御部3から入力される割込みデータに基づいてPWM信号が生成される。
図中の第五段目に示される回路切替信号は、デューティ比と閾値との比較結果に基づいて比較部67により制御される。具体的には、回路切替信号は、デューティ比が閾値より大きい場合にはハイ、デューティ比が閾値以下の場合にはローとなる。図中の回路切替点A、C、Eは、回路切替信号がローからハイに切り替わる時点、すなわちデューティ比が閾値より大きくなる時点を示している。また、回路切替点B、Dは回路切替信号がハイからローに切り替わる時点、すなわちデューティ比が閾値以下になる時点を示している。
図中の第六、七段目に示されるLo回路用出力波形及びHi回路用出力波形は、回路切替信号に対応しており、回路切替信号がハイの区間では、PWM信号に基づいてHi回路のみが動作し、回路切替信号がローの区間では、PWM信号に基づいてLo回路のみが動作する。
以上のように本実施の形態によれば、電力制御装置100は低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bという二つの降圧チョッパ回路を備えており、低電圧用パワーアナログ部30aは出力電圧が1V以上〜7V未満のときに磁気飽和しないインダクタL1、高電圧用パワーアナログ部30bは出力電圧が7以上〜14V以下のときに磁気飽和しないインダクタL2を含んで構成されている。
デューティ比と閾値との比較結果に応じて、インダクタが磁気飽和しないよう二つの回路を切り替えるので、インダクタの発熱による無駄な電力消費を回避でき、少電力化に寄与することができる。
<変形例>
以上、本発明に係る電力制御装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られないことは勿論である。
本実施の形態では、PWM信号のデューティ比と閾値との比較結果に応じて、低電圧用パワーアナログ部30aと高電圧用パワーアナログ部30bとを切り換えて使用することにより省電力化を図った。
ところで、出力電圧を変動させる場合を想定すると、出力電圧の変化に対する追従性を高めるには、スイッチング部の動作周波数をあげるほかに方法はない。
しかしながら、動作周波数をあげると、スイッチング部におけるスイッチング損失が大きくなるという問題がある。これに対し、フェーズ処理を行うことにより、出力電圧に対する追従性を高めることが考えられる。
フェーズ処理について間単に説明すると、フェーズ処理は位相が異なる複数のPWM信号に基づいて複数の降圧チョッパ回路にて並列に処理する方式である。
例えば、電力制御装置が降圧チョッパ回路を一つだけ備える構成の場合であって、発振周波数500KHzで動作する場合には、一周期の動作時間は2μsとなる。すなわち、出力電圧を変化させるのに必要な時間は2μsである。これに対し、フェーズ処理を行い、処理結果を合算する場合には追従性が高まる。仮に二つの降圧チョッパ回路にて動作するものとすれば、同じ発振周波数であっても、例えば位相が180°異なるPWM信号に基づいて二回路で動作することにより、出力電圧を変化させるのに必要な時間は1μsとなる。これは、一回路での動作の場合を考えると、発振周波数1MHzで動作するに等しい。
上述の内容を踏まえて、次に図9を用いて、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bを各々2つ備える電力制御装置100aについて説明する。
図9は電力制御装置100aの機能ブロック図である。電力制御装置100aは電力制御装置100の構成に、さらに低電圧用パワーアナログ部30a’、及び高電圧用パワーアナログ部30b’を追加し、デジタル制御部60及び出力フィルタ40の代わりにデジタル制御部600及び出力フィルタ400を含んで構成される。
デジタル制御部600は二つの発振回路を含み、各発振回路はそれぞれ180°ずつ位相のずれた基本波を生成する。各基本波と出力電圧制御信号とに基づいて、位相が180°ずれた二つのPWM信号を生成する。そして、デューティ比と閾値との比較結果に応じ、低電圧用パワーアナログ部30a、30a’及び高電圧用パワーアナログ部30b、30b’の何れかに、生成された各PWM信号を出力する。
このように、低電圧用パワーアナログ部30aと高電圧用パワーアナログ部30bとを切り替えるだけでなく、フェーズ処理を行うことにより出力電圧の変化に対する追従性を高めることができる。
なお、電力制御装置100aは、入力フィルタ40と各パワーアナログ部との間に、コイル及びコンデンサを含んで構成されるLC回路であるフィルタを備える構成としてもよい。これにより、電力制御装置の動作をより安定させることができる。
本実施の形態では、電力制御装置100は低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bの二回路を備え、デューティ比に応じてPWM信号の出力先を切り換える構成としたが、降圧用スイッチング素子SW11a、同期整流用スイッチング素子SW11b、ドライブ回路11、及び平滑用コンデンサC11をそれぞれ一つと、Lo回路用インダクタL11及びHi回路用インダクタL12と、を備え、インダクタのみを切り換える構成としてもよい。
図10は上述した構成を備える電力制御装置100bの回路図の一例を示す図である。以下、電力制御装置100と異なる点を中心に説明する。
電力制御装置100bは別電源Vddを備えており、別電源Vddは抵抗R1、R2を介して、スイッチング素子SW12、SW13のゲート端子と接続されている。
スイッチング素子SW14のベース端子は、デジタル制御部600bのLo回路切替信号出力端子と接続され、コレクタ端子はスイッチング素子SW12のゲート端子と接続され、エミッタ端子は接地されている。
スイッチング素子SW15のベース端子は、デジタル制御部600bのHi回路切替信号出力端子と接続され、コレクタ端子はスイッチング素子SW13のゲート端子と接続され、エミッタ端子は接地されている。
デジタル制御部600bは、実施の形態1と同様の方法でPWM信号を生成し、ドライブ回路11に出力する。また、デューティ比と閾値との比較結果に応じて、Lo回路切替信号及びHi回路切替信号の何れか一方をローにし、他方をハイにする。ここで、回路切替信号に関し、使用する側の信号をローとし、使用しない側をハイとする。これにより、使用しない方のインダクタに電流を流さないようにすることができる。
このように、電力制御装置100bは複数の降圧チョッパ回路を備えなくても、インダクタのみ複数備え、ドライブ回路11、降圧用スイッチング素子SW11a、同期整流用スイッチング素子SW11b、及び平滑用コンデンサC11をそれぞれ一つずつ備えていればよいので、回路構成を小さくすることができる。
本実施の形態では、電力制御装置100は無線制御部2から出力電圧制御信号を取得する構成としたが、電力制御装置内で出力電圧制御信号を生成する構成としてもよい。この場合には、無線制御部2から送信用信号の各シンボルに対応する振幅A及び位相θを受信する。そして、前述の無線制御部2が行ったのと同様の方法でAの値とθの値とに対応する16値QAM信号を生成する。
本実施の形態では、電力制御装置100は発振周期毎に低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bの切り換えの判定を行う構成としたが、複数周期毎に判定を行うとしてもよい。その場合には、例えば、複数周期のデューティ比の平均値を閾値と比較することにより判定を行うとしてもよい。
本実施の形態では、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bの2回路構成としたが、出力電圧の変動の範囲に応じ、例えば中電圧用パワーアナログ部30cを付加して三回路構成としてもよいし、それ以上でもよい。その際には、閾値保持部66は回路数に応じて、複数の閾値を保持する必要がある。
本実施の形態では、閾値保持部66が閾値を一つ保持している構成としたが、閾値を複数保持し、ヒステリシス特性を有するよう構成してもよい。例えば、ある周期のデューティ比と閾値Aとを比較した結果、デューティ比の方が大きく、低電圧用パワーアナログ部30aから高電圧用パワーアナログ部30bを使用するよう選択が切り替わったとする。続いて、次周期のデューティ比と閾値とを比較する際には、閾値Aよりも値の小さい閾値Bと比較する。
これにより、次周期のデューティ比は閾値Aより小さい閾値Bと比較され、閾値Bより大きければ高電圧用パワーアナログ部30bを使用するよう制御されるので、降圧の際に用いられるパワーアナログ部が頻繁に切り替わることを抑制することができ、電力制御装置の動作を安定させることができる。
同様に、ある周期のデューティ比と閾値Aとを比較した結果、デューティ比の方が小さく、高電圧用パワーアナログ部30bから低電圧用パワーアナログ部30aを使用するよう選択が切り替わったとする。続いて、次周期のデューティ比と閾値とを比較する際には、閾値Aよりも値の大きい閾値Cと比較する。
これにより、次周期のデューティ比は閾値Aより大きい閾値Cと比較され、閾値Cより小さければ低電圧用パワーアナログ部30aを使用するよう制御されるので、電力制御装置の動作を安定させることができる。
また、低電圧用パワーアナログ部30aあるいは高電圧用パワーアナログ部30bを使用するよう選択が切り替わった直後だけではなく、直後から一定期間、閾値Bあるいは閾値Cを用いて比較を行うとしてもよい。
本実施の形態では、デジタル制御部60はDSPを用いて実現されるとしたが、マイクロプロセッサを用いて実現してもよい。
本実施の形態では、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bは降圧チョッパ回路であるとしたが、昇圧チョッパ回路であってもよい。
本実施の形態では、低電圧用パワーアナログ部30a及び高電圧用パワーアナログ部30bに関し、インダクタのみ異なる構成としたが、他の部品についても異なるものを用いてもよい。
本実施の形態では、PWM信号のデューティ比と閾値との比較結果に応じて、低電圧用パワーアナログ部30aと高電圧用パワーアナログ部30bとを切り替える構成としたが、出力電圧制御信号、すなわち電圧指令値と閾値との比較結果に応じて切り替える構成としてもよい。
本実施の形態では、基本波として、三角波を用いたが、のこぎり波を用いるとしてもよい。
また、本発明は本実施の形態で説明した変調方式を使用する場合に限定されるものではない。本発明は、送信用信号を増幅回路で増幅した上で送信する通信機器に対して変調方式を問わず適用することができる。
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
また、本発明に係る電力制御装置は、その範囲を逸脱することなく本発明の趣旨に沿って様々な変形または修正が可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、基地局に設置され地上波デジタル信号を送信する送信装置等、低消費電力化が要求される通信機器に備えられる電力制御装置として有用である。
無線通信機器1の機能ブロック図である。 メモリに記憶された送信データDtを表す図である。 16値QAM信号の振幅及び位相に対する4ビットのデジタルデータの割付を模式的に示す図である。 メモリに記憶された割付変換表を示す図である。 電力制御装置100の構成の一例を示す図である。 デジタル制御部60の機能ブロック図である。 デジタル制御部60の動作を示すフローチャートである。 電力制御装置100に関する各種信号波形に係るタイミングチャートである。 電力制御装置100aの機能ブロック図である。 電力制御装置100bの回路図の一例を示す図である。
符号の説明
1 無線通信機器
2 メモリ
3 無線制御部
4 局部発振回路
5 混合回路
6 増幅回路
7 アンテナ
100 電力制御回路
10 電源入力部
20 入力フィルタ
30a 低電圧用パワーアナログ部
30b 高電圧用パワーアナログ部
40 出力フィルタ
50 信号入力部
60 デジタル制御部
61 通信I/F
62 外部割込み処理部
60a 演算処理部
63 発振回路
64 PWM信号生成部
65 デューティ比算出部
66 閾値保持部
67 比較部
68 出力制御部
69 フィードバック部
70 電圧検出部
80 電源出力部

Claims (5)

  1. 送信用信号を増幅する増幅回路を駆動するための電力を生成する電力制御装置であって、
    前記送信用信号に応じて前記増幅回路から出力されるべき送信信号の単位時間毎の最大電圧値に基づいてPWM信号を生成する生成手段と、
    選択手段と、
    インダクタンスの異なるものを含む複数のインダクタを含み、前記複数のインダクタのうち前記選択手段により選択されたインダクタを用いたチョッパ回路により、前記PWM信号に基づいて、前記電力を生成する電力生成手段と、を備え、
    前記選択手段は前記最大電圧値を反映した値を取得し、当該値と予め設定されている一以上の閾値とを比較し、比較結果に応じて前記電力生成手段にて用いるインダクタを選択する
    ことを特徴とする電力制御装置。
  2. 前記最大電圧値を反映した値は、前記PWM信号のデューティ比であり、
    前記一以上の閾値は、第一閾値を含み、
    前記選択手段は、
    前記デューティ比が前記第一閾値より大きい場合には、第一インダクタを選択し、
    前記デューティ比が前記第一閾値以下の場合には、前記第一インダクタ以外の一以上のインダクタのうち前記第一インダクタよりインダクタンスが大きいインダクタを選択する
    ことを特徴とする請求項1記載の電力制御装置。
  3. 前記生成手段は、基本波を生成する発振回路を含み、前記基本波と前記最大電圧値とに基づいて前記PWM信号を生成し、
    前記デューティ比は前記発振回路の発振周期毎に算出され、前記比較は前記周期毎に行われ、
    前記選択手段により選択されたインダクタが、前記第一インダクタ以外のインダクタから前記第一インダクタに切り替わった直後の周期では、当該周期に係るデューティ比と前記第一閾値より小さい第二閾値とが比較され、
    前記デューティ比が前記第一閾値以下の場合に選択されたインダクタは第二インダクタであり、
    前記選択手段により選択されたインダクタが、前記第二インダクタ以外のインダクタから前記第二インダクタに切り替わった直後の周期では、当該周期に係るデューティ比と前記第一閾値より大きい第三閾値とが比較される
    ことを特徴とする請求項2記載の電力制御装置。
  4. 前記電力生成手段は、
    降圧または昇圧用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を前記PWM信号に基づいて駆動するドライブ回路と、平滑用のリアクタンス素子と、前記スイッチング素子に並列に接続される整流用の半導体素子と、を含み、
    前記複数のインダクタは、前記スイッチング素子と前記リアクタンス素子との間に並列に接続され、
    前記選択手段の選択により、前記電力生成手段にて用いるインダクタが切り替えられる
    ことを特徴とする請求項1記載の電力制御装置。
  5. 前記電力生成手段は、複数のチョッパ回路を含み、
    各チョッパ回路は、降圧または昇圧用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を前記PWM信号に基づいて駆動するドライブ回路と、平滑用のリアクタンス素子と、前記スイッチング素子に並列に接続される整流用の半導体素子と、を含むとともに、チョッパ回路毎に前記複数のインダクタのうちそれぞれ異なるインダクタを含んで構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の電力制御装置。
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