JP2009224608A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の汚染を抑制または防止することができる基板処理装置および基板処理方法を提供すること。
【解決手段】基板処理装置は、スピンベース6から離隔させた状態でウエハWを水平に保持する複数個の挟持部材7を有するスピンチャック2を備えている。ウエハWとスピンベース6との間には区画板32が配置されている。ウエハWとスピンベース6との間の空間は、区画板32によって基板側の空間S1aとベース部材側の空間S1bとに区画されている。下側処理液吐出口37から処理液が吐出されることにより、基板側の空間S1aに処理液が供給され、ウエハWの下面が処理される。また、洗浄液吐出口30から洗浄液が吐出されることにより、ベース部材側の空間S1bに洗浄液が供給され、スピンベース6の上面6aおよび区画板32の下面32bが洗浄される。
【選択図】図2

Description

この発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハなどの基板を処理液によって処理する基板処理装置が用いられる。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、たとえば、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の上面に向けて処理液を吐出する処理液ノズルとを備えている。
スピンチャックは、たとえば下記特許文献1記載のように、鉛直方向に延びる回転軸と、回転軸の上端に水平に取り付けられた円盤状のスピンベースと、このスピンベース上に配置された複数個の挟持部材とを備えるものがある。基板は、複数個の挟持部材によってスピンベースの上方で保持されるようになっている。複数個の挟持部材によって基板が保持された状態で、モータ等のチャック回転駆動機構の駆動力が回転軸に入力されることにより、基板が鉛直軸線まわりに回転される。
回転軸は、中空軸であり、その内部には、処理液供給管が挿通されている。また、スピンベースの中央部には、回転軸の内部空間に連通する挿通孔が鉛直方向に沿って形成されている。処理液供給管の上端はこの挿通孔内に位置しており、当該上端には、中心軸ノズルが固定されている。中心軸ノズルの吐出口は、スピンチャックに保持された基板の下面中央部に対向するようになっている。中心軸ノズルからは、処理液供給管から供給された処理液がスピンチャックに保持された基板の下面中央部に向けて吐出されるようになっている。
スピンチャックにより基板が回転された状態で中心軸ノズルから処理液が吐出されると、吐出された処理液が基板の下面中央部に着液する。そして、基板の下面に着液した処理液は、基板の回転による遠心力を受けて、当該下面に沿って基板の周縁部に向かって広がっていく。これにより、基板の下面全域に処理液が供給され、当該下面に処理液による処理が行われる。処理液による処理が行われた後は、基板が高速回転され乾燥される(スピンドライ)。
特開2005−277210号公報
前述のように基板の下面には、中心軸ノズルから吐出された処理液が供給される。一方、スピンベースの上面には、処理液が殆ど供給されない。すなわち、スピンベースの上面には、重力により基板の下面から流下する処理液などの少量の処理液しか供給されない。そのため、パーティクル等の異物がスピンベース上にある場合に、当該異物がスピンベース上から洗い流されず、スピンベース上に溜まるおそれがある。また、スピンベースに付着した処理液が、たとえば結晶化してパーティクルとなるおそれがある。これらの異物は、スピンドライ時に生じる気流によって巻き上げられ基板の下面に付着するおそれがある。したがって、スピンベースから基板に異物が移り、基板が汚染されるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、基板の汚染を抑制または防止することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を処理するための処理液を供給して、基板を処理する基板処理装置であって、ベース部材(6)および、このベース部材に取り付けられ、当該ベース部材から離隔させた状態で基板を保持する保持部材(7)を有する基板保持手段(2)と、前記基板保持手段に保持される基板と前記ベース部材との間に配置され、前記基板保持手段に保持される基板と前記ベース部材との間の空間を、基板側の空間(S1a)とベース部材側の空間(S1b)とに区画する区画板(32,132)と、基板を処理するための処理液を前記基板側の空間に供給する処理液供給手段(36,37)と、前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段(29,30,53)とを含む、基板処理装置(1)である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、基板保持手段の保持部材によって、ベース部材から離隔させた状態で基板を保持することができる。また、ベース部材と基板との間の空間を、区画板によって、基板側の空間(基板と区画板との隙間)とベース部材側の空間(ベース部材と区画板との隙間)に区画することができる。さらに、この基板側の空間に、基板を処理するための処理液を処理液供給手段から供給することができる。これにより、基板の区画板側の面(以下、この項において「基板の一方面」という。)に処理液を供給して、当該基板の一方面に処理液による処理を行うことができる。また、基板への処理液の供給に加えて、区画板の基板側の面(以下、この項において「区画板の一方面」という。)に処理液を供給することができる。したがって、区画板の一方面から異物を洗い流すことができる。これにより、区画板の一方面から基板の一方面に異物が移ることを抑制または防止でき、基板が汚染されることを抑制または防止できる。さらにまた、洗浄液供給手段からベース部材側の空間に洗浄液を供給することができるので、ベース部材の区画板側の面(以下、この項において「ベース部材の一方面」という。)および区画板のベース部材側の面(以下、この項において「区画板の他方面」という。)に洗浄液を供給することができる。これにより、ベース部材の一方面および区画板の他方面から異物を洗い流すことができる。したがって、ベース部材の一方面および区画板の他方面から基板の下面に異物が移ることを抑制または防止できる。これにより、基板の汚染が抑制または防止される。
区画板が設けられていることによって、前記基板の一方面に処理液を効率的に供給することができ、かつ、前記ベース部材の一方面に洗浄液を効率的に供給することができる。
請求項2記載の発明は、前記ベース部材は、前記区画板に対向する区画板対向面(6a)を含み、前記洗浄液供給手段は、前記区画板対向面に形成されたベース部材側洗浄液吐出口(30)を含む、請求項1記載の基板処理装置である。
この発明によれば、区画板に対向するベース部材の区画板対向面に形成されたベース部材側洗浄液吐出口から洗浄液を吐出させることができる。これにより、前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給し、ベース部材の一方面および区画板の他方面から異物を洗い流すことができる。したがって、基板が汚染されることを抑制または防止できる。
請求項3記載の発明は、前記区画板は、前記ベース部材に対向する対向面(32b)を含み、前記洗浄液供給手段は、前記区画板の対向面に形成された区画板側洗浄液吐出口(46A,53)を含む、請求項1または2記載の基板処理装置である。
この発明によれば、ベース部材に対向する区画板の対向面に形成された区画板側洗浄液吐出口から洗浄液を吐出させることができる。これにより、前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給し、ベース部材の一方面および区画板の他方面から異物を洗い流すことができる。したがって、基板が汚染されることを抑制または防止できる。
請求項4記載の発明は、前記洗浄液供給手段は、前記ベース部材側の空間を洗浄液によって液密にさせるように洗浄液を供給するものである、請求項1〜3の何れか一項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、洗浄液供給手段から供給される洗浄液により、前記ベース部材側の空間を洗浄液によって液密にすることができる。これにより、ベース部材の一方面および区画板の他方面に洗浄液がくまなく供給され、これらの面から異物が確実に洗い流される。そのため、基板の汚染が一層確実に抑制または防止される。
請求項5記載の発明は、前記処理液供給手段は、前記基板側の空間を処理液によって液密にさせるように処理液を供給するものである、請求項1〜4の何れか一項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、処理液供給手段から供給される処理液により、前記基板側の空間を処理液によって液密にすることができる。これにより、基板の一方面に処理液がくまなく供給され、基板の一方面に対して処理液による処理が均一に行われる。また、区画板の一方面に洗浄液がくまなく供給されるので、区画板の一方面から異物が確実に洗い流される。
請求項6記載の発明は、前記区画板を前記ベース部材に対して近接および離隔させる移動手段(35)をさらに含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、移動手段によって区画板を移動させることにより区画板の他方面をベース部材の一方面に近接させることができる。これにより、ベース部材と区画板との間の隙間を小さくすることができるので、前記ベース部材側の空間に、その周囲から異物が進入することを抑制または防止でき、しかも、洗浄液をベース部材および区画板の各表面に一層効率的に供給できる。したがって、区画板の他方面およびベース部材の一方面に異物が付着することを一層抑制または防止できる。また、移動手段によって区画板を移動させることにより区画板の一方面を保持部材に保持された基板の一方面に近接させることができるので、前記基板側の空間に、その周囲から異物が進入することを抑制または防止でき、しかも、処理液を基板および区画板の各表面に一層効率的に供給できる。これにより、基板の一方面および区画板の一方面に異物が付着することを一層抑制または防止できる。その結果、基板の汚染が一層抑制または防止される。
さらに、区画板の他方面をベース部材の一方面に近接させることにより前記ベース部材側の空間の体積を減少させることができるので、前記ベース部材側の空間を洗浄液によって液密にさせる場合に、洗浄液の供給量を低減することができる。これにより、洗浄液の消費量を低減することができる。同様に、区画板の一方面を基板の一方面に近接させることにより前記基板側の空間の体積を減少させることができるので、前記基板側の空間を処理液によって液密にさせる場合に、処理液の供給量を低減することができる。これにより、処理液の消費量を低減することができる。
請求項7記載の発明は、基板を処理するための処理液を供給して、基板を処理する基板処理方法であって、ベース部材および、このベース部材に取り付けられ、当該ベース部材から離隔させた状態で基板を保持する保持部材を有する基板保持手段によって基板を保持するステップ(S1)と、前記基板保持手段に保持された基板と前記ベース部材との間に、前記基板保持手段に保持された基板と前記ベース部材との間の空間を、基板側の空間とベース部材側の空間とに区画する区画板を配置するステップ(S2)と、基板を処理するための処理液を前記基板側の空間に供給するステップ(S4,S7,S9)と、前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給するステップ(S23,S25)とを含む、基板処理方法である。
この発明によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す模式図である。
この基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるスピンチャック2(基板保持手段)と、スピンチャック2に保持されたウエハWの上面に処理液を供給する処理液ノズル3と、スピンチャック2の上方に配置された遮断板4とを備えている。
スピンチャック2は、鉛直方向に延びる回転軸5と、回転軸5の上端に水平に取り付けられた円盤状のスピンベース6(ベース部材)と、スピンベース6上に配置された複数個の挟持部材7(保持部材)とを備えている。回転軸5は、回転可能に保持されていて、モータ等のチャック回転駆動機構8に連結されている。チャック回転駆動機構8の駆動力が回転軸5に入力されることにより、スピンチャック2が、回転軸5の中心軸線まわりに回転される。
複数個の挟持部材7は、スピンベース6の上面周縁部において、ウエハWの外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて配置されている。複数個の挟持部材7は、スピンベース6の上方で、スピンベース6からウエハWを離隔させた状態で当該ウエハWを水平に保持することができる。複数個の挟持部材7によってウエハWが保持された状態で、チャック回転駆動機構8の駆動力が回転軸5に入力されることにより、ウエハWの中心を通る鉛直な回転軸線まわりにウエハWが回転される。
処理液ノズル3は、その吐出口をスピンベース6の上面に向けて、スピンチャック2の上方に配置されている。処理液ノズル3は、処理液バルブ9を介して供給される処理液を、スピンチャック2により保持されたウエハWの上面に向けて吐出することができる。処理液ノズル3は、吐出された処理液がウエハWの上面における回転中心を含む範囲に着液するように配置されている。処理液ノズル3には、基板を処理するための処理液としての薬液が供給されるようになっている。
遮断板4は、ウエハWとほぼ同じ直径(あるいはウエハWよりも少し大きい直径)を有する円板状の部材であり、スピンチャック2の上方でほぼ水平に配置されている。遮断板4の上面には、スピンチャック2の回転軸5と共通の軸線上に配置された支軸10が連結されている。遮断板4の下面は、スピンチャック2に保持されたウエハWに対向する基板対向面11となっている。遮断板4の中央部には、遮断板4を鉛直方向に貫通する貫通孔12が形成されている。貫通孔12の下端は、基板対向面11の中央部に位置する開口となっている。
支軸10には、遮断板昇降駆動機構13および遮断板回転駆動機構14が結合されている。遮断板昇降駆動機構13によって、支軸10および遮断板4を、基板対向面11がウエハWの上面に近接した近接位置と、スピンチャック2の上方に大きく退避した退避位置との間で昇降させることができる。図1では、遮断板4が近接位置に位置する状態を二点鎖線で示しており、遮断板4が退避位置に位置する状態を実線で示している。また、遮断板回転駆動機構14によって、スピンチャック2によるウエハWの回転にほぼ同期させて(あるいは若干回転速度を異ならせて)支軸10および遮断板4を回転させることができる。遮断板回転駆動機構14は省略されていてもよく、遮断板4は非回転状態で固定されていてもよい。
支軸10は中空軸であり、その内部には上側処理液供給管15が非接触状態で挿通されている。支軸10の内部空間は、貫通孔12と連通されており、上側処理液供給管15の下端は、貫通孔12内に位置している。上側処理液供給管15の周囲には、当該上側処理液供給管15を取り囲む筒状の空間が形成されている。後述するように、この筒状の空間は、不活性ガスが流通するガス流通路17となっている。また、上側処理液供給管15の下端には、処理液を吐出する上側処理液吐出口16が形成されている。
上側処理液供給管15には、リンス液供給管18およびIPA供給管19が接続されている。上側処理液供給管15には、リンス液供給管18およびIPA供給管19からそれぞれ処理液としてのリンス液およびIPAが選択的に供給される。リンス液供給管18には、上側処理液供給管15へのリンス液の供給および供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ20が介装されている。また、IPA供給管19には、上側処理液供給管15へのIPAの供給および供給停止を切り換えるためのIPAバルブ21が介装されている。リンス液供給管18から上側処理液供給管15には、リンス液の一例である純水(脱イオン水)が供給されるようになっている。また、IPAは、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の一例である。
支軸10の上端部には、ガス流通路17に不活性ガスを供給するためのガス供給管22が接続されている。ガス供給管22から供給される不活性ガスは、ガス流通路17を下方に向かって流れ、貫通孔12の周面と上側処理液供給管15の外周面との間から下方に向けて吐出される。貫通孔12の周面と上側処理液供給管15の外周面との間が不活性ガスを吐出するガス吐出口23となっている。ガス供給管22からガス流通路17には、不活性ガスの一例である窒素ガスが供給されるようになっている。ガス供給管22には、ガス流通路17への窒素ガスの供給および供給停止を切り換えるためのガスバルブ24が介装されている。
図2は、スピンチャック2およびそれに関連する構成の図解的な断面図である。
回転軸5は、中空軸とされている。また、スピンベース6は、互いに固定された平面視円板状の上カバー25および下カバー26を備えている。区画板対向面としてのスピンベース6の上面6a(上カバー25の上面)は平坦面とされている。また、スピンベース6の中央部(上カバー25および下カバー26の各中央部)には、回転軸5の内径とほぼ同じ径を有する挿通孔27が形成されている。回転軸5は、回転軸5の内周面と挿通孔27の周面とが段差なく連続するようにスピンベース6に固定されている。
回転軸5およびスピンベース6には、鉛直方向に延びる下側処理液供給管28が挿通されている。下側処理液供給管28は、その上端がスピンベース6から上方に突出しており、その下端が回転軸5から下方に突出している。下側処理液供給管28は、回転軸5と中心軸線が一致されており、回転軸5およびスピンベース6に対して非接触とされている。下側処理液供給管28の周囲には、当該下側処理液供給管28を取り囲む筒状の空間が形成されている。後述するように、この筒状の空間は、洗浄液が流通する第1洗浄液流通路29となっている。
第1洗浄液流通路29の上端は、スピンベース6の上面中央部に位置する環状の洗浄液吐出口30(ベース部材側洗浄液吐出口)となっている。洗浄液吐出口30からは上方に向けて洗浄液が吐出されるようになっている。また、第1洗浄液流通路29の下端部には、環状のシール部材31が配置されている。回転軸5の下端部と下側処理液供給管28との間はシール部材31によって封止されている。シール部材31は回転軸5に保持されており、下側処理液供給管28は、回転軸5およびシール部材31に対して相対上下移動および相対回転可能となっている。
下側処理液供給管28の上端には、円板状の区画板32がたとえば一体的に形成されている。区画板32の外径は、ウエハWよりも少し小さくされている。区画板32の上面32aおよび下面32b(対向面)はそれぞれ平坦面とされている。区画板32の下面32bは、スピンベース6の上面6aに対向している。区画板32は、複数個の挟持部材7によるウエハWの保持位置と、スピンベース6の上面6aとの間で水平に配置されている。区画板スピンチャック2に保持されたウエハWとスピンベース6との間の空間は、区画板32によって、基板側の空間S1aとベース部材側の空間S1bとに区画されている。
また、下側処理液供給管28の下端には、保持ブロック33が固定されている。保持ブロック33には、下側処理液供給管28が嵌合された嵌合孔34と、この嵌合孔34に連通する中空の内部空間S2とが形成されている。下側処理液供給管28は、保持ブロック33に保持されている。下側処理液供給管28は、回転軸5、スピンベース6および挟持部材7に対して相対上下移動および相対回転可能に保持されている。すなわち、チャック回転駆動機構8の駆動力により回転軸5、スピンベース6および挟持部材7が回転されても、下側処理液供給管28は非回転状態に保持され、また、下側処理液供給管28は、回転軸5等に対して上下動することができるようになっている。
保持ブロック33は、鉛直方向に昇降可能とされていて、区画板32を鉛直方向に昇降させるエアーシリンダ等の区画板昇降駆動機構35(移動手段)に連結されている。この区画板昇降駆動機構35の駆動力が保持ブロック33に伝達されることにより、保持ブロック33、下側処理液供給管28および区画板32が鉛直方向に一体的に昇降される。区画板保持ブロック33、下側処理液供給管28および区画板32は、区画板32の上面32aがウエハWの下面に近接するウエハ処理位置と、区画板32の下面32bがスピンベース6の上面6aに近接するベース処理位置との間で、鉛直方向に一体的に昇降される。
下側処理液供給管28は、中空軸であり、その内部には、下側処理液供給管28の中心軸線に沿って延びる中心軸パイプ36(処理液供給手段)が挿通されている。中心軸パイプ36は、一体移動可能に下側処理液供給管28に保持されている。中心軸パイプ36の上端は、区画板32の上面32aに達しており、当該上端には、処理液を吐出する下側処理液吐出口37が形成されている。下側処理液吐出口37は、区画板32の上面中央部に位置している。
また、中心軸パイプ36は、下側処理液供給管28から下方に突出しており、保持ブロック33を挿通している。中心軸パイプ36の下端には、連結配管38を介して、薬液供給管39、リンス液供給管40およびIPA供給管41が連結されている。連結配管38は、軟質の配管とされており、保持ブロック33等の昇降に伴う中心軸パイプ36の移動に追従できるようになっている。中心軸パイプ36には、薬液供給管39、リンス液供給管40およびIPA供給管41から、それぞれ、処理液としての、薬液、純水(リンス液の一例)およびIPAが選択的に供給されるようになっている。中心軸パイプ36に供給された処理液は、下側処理液吐出口37から上方のウエハWの下面中央部に向けて吐出される。
薬液供給管39には、中心軸パイプ36への薬液の供給および供給停止を切り換えるための薬液バルブ42が介装されている。リンス液供給管40には、中心軸パイプ36への純水の供給および供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ43が介装されている。IPA供給管41には、中心軸パイプ36へのIPAの供給および供給停止を切り換えるためのIPAバルブ44が介装されている。
また、下側処理液供給管28の内部には、中心軸パイプ36を取り囲む筒状の空間が形成されている。この筒状の空間は、第1洗浄液流通路29に供給される洗浄液が流通する第2洗浄液流通路45となっている。第2洗浄液流通路45の下端は、下側処理液供給管28の下端に位置する開口となっており、保持ブロック33の内部空間S2に連通されている。また、第2洗浄液流通路45の上端は、回転軸5内に位置しており、下側処理液供給管28に形成された複数の連通孔46によって第1洗浄液流通路29に連通されている。複数の連通孔46は、下側処理液供給管28の周方向に並んでおり、シール部材31よりも上方に位置している。複数の連通孔46は、下側処理液供給管28が下端位置(ベース処理位置)にある状態でも、シール部材31よりも上方に位置するようにされている。
また、保持ブロック33には、連結配管47を介して、第1洗浄液供給管48および第2洗浄液供給管49が接続されている。連結配管47は、軟質の配管とされており、保持ブロック33の昇降に追従できるようになっている。保持ブロック33の内部空間S2には、連結配管47を介して、第1洗浄液供給管48および第2洗浄液供給管49から、それぞれ洗浄液としての純水およびIPAが選択的に供給されるようになっている。保持ブロック33の内部空間S2に供給された洗浄液は、その供給圧によって、第2洗浄液流通路45、複数の連通孔46、第1洗浄液流通路29に送り込まれ、第1洗浄液流通路29の上端である洗浄液吐出口30から上方に向けて吐出される。
第1洗浄液供給管48には、保持ブロック33の内部空間S2への純水の供給および供給停止を切り換えるための第1洗浄液バルブ50が介装されている。また、第2洗浄液供給管49には、保持ブロック33の内部空間S2へのIPAの供給および供給停止を切り換えるための第2洗浄液バルブ51が介装されている。
図3は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む制御部52を備えている。制御部52には、チャック回転駆動機構8、遮断板昇降駆動機構13、遮断板回転駆動機構14、区画板昇降駆動機構35などが制御対象として接続されている。処理液バルブ9、リンス液バルブ20,43、IPAバルブ21,44、ガスバルブ24、薬液バルブ42、第1洗浄液バルブ50、第2洗浄液バルブ51の開閉は、制御部52により制御される。
図4は、基板処理装置1によるウエハWの処理の一例を説明するための工程図である。また、図5は、ウエハWの処理中における基板処理装置1の状態を示す模式図である。以下では、図1、図4および図5を参照して、基板処理装置1によるウエハWの処理の一例について説明する。
未処理のウエハWは、基板搬送ロボット(図示せず)によってスピンチャック2に受け渡され、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けて複数個の挟持部材7に保持される(ステップS1)。このとき、遮断板4は、スピンチャック2の上方に大きく退避されている。また、区画板32は、ウエハWとスピンベース6との間に位置しており、ウエハWとスピンベース6との間の空間は、基板側の空間S1aとベース部材側の空間S1bとに区画されている(ステップS2)。また、基板搬送ロボットが、たとえばウエハWの裏面(下面)を支持するものである場合は、制御部52により区画板昇降駆動機構35が制御されて、区画板32が、基板搬送ロボットの基板保持ハンドと干渉しない位置まで降下されている。
ウエハWがスピンチャック2に保持されると、制御部52によりチャック回転駆動機構8が制御されて、スピンチャック2によるウエハWの回転が開始される(ステップS3)。このとき区画板32がウエハ処理位置に位置していなければ、制御部52により区画板昇降駆動機構35が制御されて、区画板32がウエハ処理位置まで区画板鉛直方向に上昇される。これにより、区画板32の上面32aがウエハWの裏面に近接され、区画板32の上面32aとウエハWの裏面との間隙は、たとえば0.5mm〜2mm、好ましくは1mmに設定される。そして、制御部52により処理液バルブ9および薬液バルブ42が開かれて、ウエハWの表面および裏面への薬液(たとえばフッ酸)の供給が開始される(ステップS4)。
すなわち、処理液バルブ9が開かれることにより、処理液ノズル3からフッ酸が吐出され、吐出されたフッ酸が、ウエハWの表面における回転中心を含む範囲に着液する。ウエハWの表面に着液したフッ酸は、ウエハWの回転による遠心力を受けてウエハWの周縁に向かって瞬時に広がっていく。これにより、ウエハWの表面全域にフッ酸が供給され、フッ酸による薬液処理がウエハWの表面に行われる。
また、薬液バルブ42が開かれることにより、中心軸パイプ36にフッ酸が供給され、下側処理液吐出口37から上方に向けてフッ酸が吐出される。区画板32の上面32aがウエハWの裏面に近接され、基板側の空間S1aが狭空間とされているので、下側処理液吐出口37から吐出されたフッ酸は、後続のフッ酸によって押されて、ウエハWと区画板32との間をウエハWの周縁に向かって広がっていく。また、ウエハWの回転による遠心力を受けてフッ酸がウエハWの周縁に向かって広がっていく。これにより、基板側の空間S1aにフッ酸が供給され、図5に示すように、基板側の空間S1aがフッ酸によって液密になる。また、ウエハWと区画板32との間に、ウエハWの周縁に向かう流れを有するフッ酸の液膜が形成される。ウエハWの裏面全域は、このフッ酸の液膜に接液されることにより均一なフッ酸の供給を受ける。これにより、フッ酸による薬液処理がウエハWの裏面全域に均一に行われる。基板側の空間S1aが狭空間とされているので、当該空間S1aを液密にするのに必要なフッ酸の量が低減されており、これによって、フッ酸の消費量が低減されている。
フッ酸による薬液処理が所定時間にわたって行われると、制御部52により処理液バルブ9および薬液バルブ42が閉じられて、ウエハWの表面および裏面へのフッ酸の供給が停止される(ステップS5)。そして、制御部52により遮断板昇降駆動機構13が制御されて、遮断板4が、近接位置まで降下される。次に、制御部52によりガスバルブ24が開かれて、ガス吐出口23からウエハWに向けて窒素ガスが吐出される(ステップS6)。吐出された窒素ガスは、ウエハWと遮断板4との間をウエハWの周縁に向かって広がっていく。これにより、ウエハWと遮断板4との間の狭空間が窒素ガス雰囲気とされる。
ガスバルブ24が開かれた後は、区画板32および遮断板4がそれぞれウエハ処理位置および近接位置に配置された状態で、制御部52によりリンス液バルブ20,43が開かれて、ウエハWの表面および裏面への純水の供給が開始される(ステップS7)。これにより、ウエハWの表面全域に純水が供給され、ウエハW上のフッ酸を純水によって洗い流すリンス処理がウエハWの表面に行われる。また、ウエハWの周縁に向かう流れを有する純水の液膜に、ウエハWの裏面が接液され、ウエハWの裏面全域に純水が均一に供給される。これにより、ウエハWの裏面に付着しているフッ酸が洗い流され、純水によるリンス処理がウエハWの裏面に行われる。このとき、区画板32の上面32aが純水の液膜に接液されるので、区画板32の上面32aに付着しているフッ酸が洗い流され、純水によって区画板32の上面32aが洗浄される。基板側の空間S1aが狭空間とされているので、基板側の空間S1aを液密にするのに必要な純水の量が低減されている。
純水によるリンス処理が所定時間にわたって行われると、制御部52によりリンス液バルブ20,43が閉じられて、ウエハWの表面および裏面への純水の供給が停止される(ステップS8)。そして、区画板32および遮断板4がそれぞれウエハ処理位置および近接位置に配置された状態で、制御部52によりIPAバルブ21,44が開かれて、ウエハWの表面および裏面へのIPAの供給が開始される(ステップS9)。これにより、ウエハWの表面全域にIPAが供給され、ウエハW上の純水をIPAに置換する置換処理がウエハWの表面に行われる。また、ウエハWと区画板32との間に介在する純水がIPAによって押し流されて、基板側の空間S1aから排出される。さらに、ウエハWの周縁に向かう流れを有するIPAの液膜に、ウエハWの裏面が接液され、ウエハWの裏面に付着している純水をIPAに置換する置換処理がウエハWの裏面全域に均一に行われる。このとき、区画板32の上面32aがIPAの液膜に接液されるので、区画板32の上面32aに付着している純水がIPAによって置換される。基板側の空間S1aが狭空間とされているので、基板側の空間S1aを液密にするのに必要なIPAの量が低減されている。
IPAによる置換処理が所定時間にわたって行われると、制御部52によりIPAバルブ21,44が閉じられて、ウエハWの表面および裏面へのIPAの供給が停止される(ステップS10)。このとき、ガスバルブ24は開かれており、ウエハW上の雰囲気は窒素ガス雰囲気とされている。そして、区画板32および遮断板4がそれぞれウエハ処理位置および近接位置に配置された状態で、制御部52によりチャック回転駆動機構8が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転される(ステップS11)。これにより、基板側の空間S1aからIPAが排出されるとともに、ウエハWに付着しているIPAが振り切られて、ウエハWが乾燥される。このとき、制御部52により遮断板回転駆動機構14が制御され、ウエハWの回転にほぼ同期させて(あるいは若干回転速度を異ならせて)遮断板4が回転されている。遮断板4は回転されずに回転停止状態とされてもよい。
ウエハWの乾燥処理において、当該ウエハWに付着している液体の主成分は純水よりも揮発性の高い有機溶剤であるIPAとなっている。したがって、ウエハWの乾燥性が高められている。また、ウエハW上の雰囲気が窒素ガス雰囲気とされた状態でウエハWが乾燥されるので、ウエハWの表面にウォータマークが発生することが抑制または防止されている。さらに、ウエハWの表面に遮断板4が近接されることにより、ウエハWと遮断板4との間の隙間が小さくされているので、ウエハWと遮断板4との間にその周囲から異物が進入することが抑制または防止されている。これにより、ウエハWの表面に異物が付着して、ウエハWが汚染されることが抑制または防止されている。
また、ウエハWの裏面に区画板32が近接されることにより、ウエハWと区画板32との間の隙間が小さくされているので、ウエハWと区画板32との間にその周囲から異物が進入することが抑制または防止されている。これにより、ウエハWの裏面および区画板32の上面32aに異物が付着することが抑制または防止されている。したがって、ウエハWの裏面に異物が直接付着してウエハWの裏面が汚染されることや、区画板32の上面32aに付着した異物がウエハWの裏面に移ってウエハWの裏面が間接的に汚染されることが抑制または防止されている。
ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられると、チャック回転駆動機構8が停止されて、スピンチャック2によるウエハWの回転が停止される(ステップS12)。そして、制御部52によりガスバルブ24が閉じられ、窒素ガス吐出口23からの窒素ガスの吐出が停止される(ステップS13)。さらに、制御部52により遮断板昇降駆動機構13が制御されて遮断板4が退避位置まで上昇される。このとき、遮断板回転駆動機構14によって遮断板4が回転されているときには、制御部52により遮断板回転駆動機構14が制御されて、遮断板4の回転が停止される。その後、その処理済みのウエハWが基板搬送ロボットによって搬出されていく(ステップS14)。
図6は、基板処理装置1によるスピンベース6の洗浄処理の一例を説明するための工程図である。また、図7は、スピンベース6の洗浄処理中における基板処理装置1の状態を示す模式図である。以下では、図2、図6および図7を参照して、基板処理装置1によるスピンベース6の洗浄処理の一例について説明する。以下に説明する洗浄処理は、たとえば、前述のウエハWの処理の後やロット間などのウエハWに対する処理が行われていないときに実施される。
スピンベース6の洗浄処理は、区画板32がベース処理位置に配置された状態で行われる。したがって、区画板32がベース処理位置に位置していないときには、制御部52により区画板昇降駆動機構35が制御されて、区画板32がベース処理位置まで降下される(ステップS21)。これにより、区画板32の下面32bがスピンベース6の上面6aに近接される。そして、区画板32がベース処理位置に配置された状態で、制御部52によりチャック回転駆動機構8が制御されて、スピンベース6が回転される(ステップS22)。その後、制御部52により第1洗浄液バルブ50が開かれて、ベース部材側の空間S1bに洗浄液としての純水が供給される(ステップS23)。
すなわち、保持ブロック33の内部空間S2に純水が供給され、その供給圧によって純水が、第2洗浄液流通路45、複数の連通孔46、第1洗浄液流通路29に送り込まれる。そして、第1洗浄液流通路29に送り込まれた純水が、スピンベース6の上面中央部に位置する環状の洗浄液吐出口30から上方に向けて吐出される。区画板32の下面32bがスピンベース6の上面6aに近接され、ベース部材側の空間S1bが狭空間とされているので、洗浄液吐出口30から吐出された純水は、後続の純水によって押されて、スピンベース6と区画板32との間をウエハWの周縁に向かって広がっていく。また、スピンベース6が回転されているので、スピンベース6の回転による遠心力を受けて純水がスピンベース6の周縁に向かって広がっていく。これにより、ベース部材側の空間S1bに純水が供給され、図7に示すように、当該空間S1bが純水によって液密になる。また、スピンベース6と区画板32との間に、ウエハWの周縁に向かう流れを有する純水の液膜が形成される。ベース部材側の空間S1bが狭空間とされているので、ベース部材側の空間S1bを液密にするのに必要な純水の量が低減されている。
スピンベース6の上面6aは、この純水の液膜に接液さることにより均一な純水の供給を受ける。これにより、スピンベース6の上面6aに付着しているパーティクル等の異物や、スピンベース6の上面6aに付着した処理液が純水によって洗い流される。また、区画板32の下面32bが純水の液膜に接液されるので、区画板32の下面32bに付着しているパーティクル等の異物や、スピンベース6の上面6aに付着した処理液が純水によって洗い流される。
ベース部材側の空間S1bへの純水の供給が所定時間にわたって行われると、制御部52により第1洗浄液バルブ50が閉じられて、ベース部材側の空間S1bへの純水の供給が停止される(ステップS24)。そして、区画板32がベース処理位置に配置された状態で、制御部52により第2洗浄液バルブ51が開かれて、ベース部材側の空間S1bへの洗浄液としてのIPAの供給が開始される(ステップS25)。これにより、スピンベース6と区画板32との間に介在する純水がIPAによって押し流されて、ベース部材側の空間S1bから排出される。さらに、ウエハWの周縁に向かう流れを有するIPAの液膜に、スピンベース6の上面6aが接液され、スピンベース6の上面6aに付着している純水をIPAに置換する置換処理がスピンベース6の上面6aに均一に行われる。また、区画板32の下面32bがIPAの液膜に接液されるので、区画板32の下面32bに付着している純水がIPAによって置換される。ベース部材側の空間S1bが狭空間とされているので、ベース部材側の空間S1bを液密にするのに必要な純水の量が低減されている。
ベース部材側の空間S1bへのIPAの供給が所定時間にわたって行われると、制御部52により第2洗浄液バルブ51が閉じられて、ベース部材側の空間S1bへのIPAの供給が停止される(ステップS26)。そして、制御部52によりチャック回転駆動機構8が制御されて、スピンベース6が高速回転される(ステップS27)。これにより、ベース部材側の空間S1bからIPAが排出されるとともに、スピンベース6の上面6aに付着しているIPAが振り切られて、スピンベース6が乾燥される。また、スピンベース6の回転に伴う気流の影響も受けて、区画板32の下面32bは、当該下面32bに付着している液成分(IPAを主成分とする液体)が蒸発することにより乾燥される。
スピンベース6の上面6aおよび区画板32の下面32bの乾燥処理において、スピンベース6の上面6aに区画板32が近接され、スピンベース6と区画板32との間の隙間が小さくされているので、スピンベース6と区画板32との間にその周囲から異物が進入することが抑制または防止されている。これにより、スピンベース6の上面6aおよび区画板32の下面32bに異物が付着することが抑制または防止されている。したがって、スピンベース6の上面6aおよび区画板32の下面32bに付着した異物がウエハWの裏面に移ってウエハWの裏面が汚染されることが抑制または防止されている。
スピンベース6の高速回転が所定時間にわたって続けられると、チャック回転駆動機構8が停止されて、スピンベース6の回転が停止される(ステップS28)。
以上のように本実施形態では、ウエハWの裏面に区画板32を近接させ、ウエハWと区画板32との間の狭空間(基板側の空間S1a)に処理液を供給することができる。これにより、ウエハWと区画板32との間に処理液の液膜を形成し、この処理液の液膜にウエハWを接液させてウエハWの下面全域に処理液を均一に供給することができる。したがって、ウエハWの下面全域に処理液による処理を均一に行うことができる。また、区画板32をウエハWに近接させた状態で処理を行うことができるので、ウエハWと区画板32との間にその周囲から異物が進入することを抑制または防止できる。これにより、異物によるウエハWの汚染を抑制または防止できる。
また本実施形態では、スピンベース6の上面6aに区画板32を近接させ、スピンベース6と区画板32との間の狭空間(ベース部材側の空間S1b)に洗浄液を供給することができる。これにより、スピンベース6と区画板32との間に洗浄液の液膜を形成し、この洗浄液の液膜にスピンベース6および区画板32を接液させて、スピンベース6の上面6aおよび区画板32の下面32bを洗浄することができる。したがって、スピンベース6および区画板32からウエハWの下面に異物が移り、当該異物によってウエハWの下面が汚染されることを抑制または防止できる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、洗浄液としての純水およびIPAが、スピンベース6の上面中央部に位置する洗浄液吐出口30から吐出される場合について説明したが、これに限られない。すなわち、たとえば、図8に示すように下側処理液供給管28上部の外周面から洗浄液が吐出されるようになっていてもよいし、図9に示すように区画板32の下面32bに形成された複数の洗浄液吐出口53(区画板側洗浄液吐出口)から洗浄液がシャワー状に吐出されるようになっていてもよい。
具体的には、図8に示すように、第2洗浄液流通路45の上端が、スピンベース6の上方まで延設されており、複数の連通孔46によって第2洗浄液流通路45がベース部材側の空間S1bに連通されていてもよい。この場合、下側処理液供給管28の外周面に位置する連通孔46の端部が洗浄液吐出口46Aとなっている。第2洗浄液流通路45に供給された洗浄液は、複数の連通孔46からベース部材側の空間S1bに向けてほぼ水平に吐出される。また、シール部材31は、隙間29Aへの洗浄液の進入を防ぐためにスピンベース6と下側処理液供給管28の間に配置されていてもよい。
また、図9に示すように、たとえば区画板32の下面32bの全域に複数の洗浄液吐出口53が形成されていてもよい。第2洗浄液流通路45の上端は区画板32の内部まで延設されており、複数の洗浄液吐出口53は、それぞれ、たとえば放射状に並ぶ複数の分岐経路54を介して第2洗浄液流通路45に接続されている。この図9に示す構成では、スピンベース6の上面6aの全域に向けて洗浄液がシャワー状に吐出されることにより、ベース部材側の空間S1bに洗浄液が供給される。スピンベース6の上面6aに向けて洗浄液を吐出させることができるので、ベース部材側の空間S1bを洗浄液によって液密にせずに、スピンベース6の上面6aを洗浄液することができる。また、区画板32をスピンベース6に近接させずにスピンベース6の上面6aを洗浄液することができるので、区画板32を昇降させるための機構(区画板昇降駆動機構35)が設けられていなくてもよい。
洗浄液を吐出する洗浄液吐出口は、スピンベース6の上面6a、下側処理液供給管28の外周面および区画板32の下面32bのうちの二つ以上に形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、区画板32が鉛直方向に昇降されることにより、ウエハWおよびスピンベース6に対して近接される場合について説明したが、たとえば図10に示すように、区画板132は、鉛直方向に固定されていて、その上面32aおよび下面32bがそれぞれウエハWの下面およびスピンベース6の上面6aに近接する厚みとされていてもよい。この場合、区画板132を昇降させるための機構を設けなくてもよいので、基板処理装置1の部品点数を削減することができる。また、区画板132の上面32aがウエハWの下面に近接する位置に配置されているので、スピンチャック2に対して基板を搬送するための基板搬送ロボットR1は、いわゆるベルヌーイチャック等のようにウエハWの上面を吸着することにより保持するものであることが好ましい。
また、前述のウエハWの処理の一例では、フッ酸による薬液処理が行われた後に、ウエハWに純水を供給して、純水によるリンス処理を行う場合について説明したが、純水によるリンス処理は省略されていてもよい。すなわち、フッ酸による薬液処理が行われた後に、ウエハWにIPAを供給して、IPAによるリンス処理を行ってもよい。
また、前述のスピンベース6の洗浄処理の一例では、純水およびIPAを順次ベース部材側の空間S1bに供給して、スピンベース6の上面6aを洗浄する場合について説明したが、IPAのみをベース部材側の空間S1bに供給して、スピンベース6の上面6aを洗浄してもよい。
また、前述の実施形態では、基板処理装置1によるスピンベース6の洗浄処理を、基板処理装置1によるウエハWの処理が行われていない期間に実施されるとしているが、スピンベース6の洗浄処理をウエハWの処理と並行して実施してもよい。すなわち、たとえば、ウエハWの処理のうちの前記純水によるリンス処理(ステップS7〜S8)と並行して、第2洗浄液吐出口(30,46A,53)から純水を吐出し、スピンベース6の上面6aや区画板32の下面32bを洗浄するようにしてもよい。また、たとえば、ウエハWの処理のうちの前記IPAによる置換処理(ステップS9〜S10)と並行して、第2洗浄液吐出口(30,46A,53)からIPAを吐出し、スピンベース6の上面6aや区画板32の下面32bに付着している純水をIPAに置換し、洗浄するようにしてもよい。これにより、ウエハWの処理毎に毎度スピンベース6の洗浄を行うことができ、スピンベース6を常に清浄な状態に維持することができる。
また、前述の実施形態では、スピンベース6の洗浄処理において、ベース部材側の空間S1bへのIPAの供給が停止(ステップS26)された後、スピンベース6が高速回転される(ステップS27)が、このステップS27のスピンベース6の高速回転が行われている期間中、第2洗浄液吐出口(30,46A,53)から窒素ガスなどの不活性ガスを供給するようにしてもよい。この場合、第1洗浄液供給管48および第2洗浄液供給管49(図2参照)に並列して、不活性ガスを供給するガス供給管を設けるのが好ましい。これにより、区画板32やスピンベース6に付着しているIPAをさらに迅速に蒸発させて乾燥させることができる。
また、前述の実施形態では、処理対象となる基板としてウエハWを取り上げたが、ウエハWに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す模式図である。 スピンチャックおよびそれに関連する構成の図解的な断面図である。 前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 前記基板処理装置によるウエハの処理の一例を説明するための工程図である。 ウエハの処理中における前記基板処理装置の状態を示す模式図である。 前記基板処理装置によるスピンベースの洗浄処理の一例を説明するための工程図である。 スピンベースの洗浄処理中における前記基板処理装置の状態を示す模式図である。 前記基板処理装置の変形例を示す模式図である。 前記基板処理装置の変形例を示す模式図である。 前記基板処理装置の変形例を示す模式図である。
符号の説明
1 基板処理装置
2 スピンチャック(基板保持手段)
6 スピンベース(ベース部材)
6a スピンベースの上面(区画板対向面)
7 挟持部材(保持部材)
29 第1洗浄液流通路(洗浄液供給手段)
30 洗浄液吐出口(洗浄液供給手段、ベース部材側洗浄液吐出口)
32 区画板
32b 区画板の下面(対向面)
35 区画板昇降駆動機構(移動手段)
36 中心軸パイプ(処理液供給手段)
37 下側処理液吐出口(処理液供給手段)
46A 洗浄液吐出口(洗浄液供給手段、区画板側洗浄液吐出口)
53 洗浄液吐出口(洗浄液供給手段、区画板側洗浄液吐出口)
132 区画板
S1a 基板側の空間
S1b ベース部材側の空間
W ウエハ(基板)

Claims (7)

  1. 基板を処理するための処理液を供給して、基板を処理する基板処理装置であって、
    ベース部材および、このベース部材に取り付けられ、当該ベース部材から離隔させた状態で基板を保持する保持部材を有する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持される基板と前記ベース部材との間に配置され、前記基板保持手段に保持される基板と前記ベース部材との間の空間を、基板側の空間とベース部材側の空間とに区画する区画板と、
    基板を処理するための処理液を前記基板側の空間に供給する処理液供給手段と、
    前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを含む、基板処理装置。
  2. 前記ベース部材は、前記区画板に対向する区画板対向面を含み、
    前記洗浄液供給手段は、前記区画板対向面に形成されたベース部材側洗浄液吐出口を含む、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記区画板は、前記ベース部材に対向する対向面を含み、
    前記洗浄液供給手段は、前記区画板の対向面に形成された区画板側洗浄液吐出口を含む、請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記洗浄液供給手段は、前記ベース部材側の空間を洗浄液によって液密にさせるように洗浄液を供給するものである、請求項1〜3の何れか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記処理液供給手段は、前記基板側の空間を処理液によって液密にさせるように処理液を供給するものである、請求項1〜4の何れか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記区画板を前記ベース部材に対して近接および離隔させる移動手段をさらに含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の基板処理装置。
  7. 基板を処理するための処理液を供給して、基板を処理する基板処理方法であって、
    ベース部材および、このベース部材に取り付けられ、当該ベース部材から離隔させた状態で基板を保持する保持部材を有する基板保持手段によって基板を保持するステップと、
    前記基板保持手段に保持された基板と前記ベース部材との間に、前記基板保持手段に保持された基板と前記ベース部材との間の空間を、基板側の空間とベース部材側の空間とに区画する区画板を配置するステップと、
    基板を処理するための処理液を前記基板側の空間に供給するステップと、
    前記ベース部材側の空間に洗浄液を供給するステップとを含む、基板処理方法。
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