JP2009222825A - 像加熱装置及びその像加熱装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

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Satoru Taniguchi
悟 谷口
Daizo Fukuzawa
大三 福沢
Hiroaki Sakai
宏明 酒井
Atsutoshi Ando
温敏 安藤
Hiroyuki Sakakibara
啓之 榊原
Atsushi Iwasaki
岩崎  敦志
Takashi Narahara
隆史 楢原
Hisashi Nakahara
久司 中原
Shin Fukatsu
慎 深津
Yuko Sekihara
祐子 関原
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Abstract

【課題】通電により発熱する基板を有する加熱体の基板の発熱領域を記録材搬送方向において内面ニップ部の内側に設定して可撓性部材を効率よく加熱できるようにした像加熱装置の提供。
【解決手段】通電により発熱する基板6を有する加熱体3と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と接触し他面が記録材P上に形成された画像Tと接触する可撓性部材2と、前記可撓性部材を前記加熱体に加圧してニップ部N2を形成する加圧体4と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、前記可撓性部材の一面が前記加熱体と接触する接触領域の記録材搬送方向aにおける幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をB、前記基板内で電流が流れる領域の記録材搬送方向における幅をWとした場合、
W ≦ N1 ≦ B
の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に画像定着装置(定着器)として搭載すれば好適な像加熱装置及びその像加熱装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する画像定着装置(定着器)として、フィルム加熱方式の画像定着装置が知られている。このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータによって加熱される耐熱性フィルムと、この耐熱性フィルムを挟んでヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。未定着トナー画像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に加熱定着される。特許文献1から特許文献4にはこのタイプの定着装置が記載されている。
フィルム加熱方式の定着装置においては、ヒータとして低熱容量のものを用いることができるため、省電力及びウェイトタイムの短縮化(クイックスタート)が可能になる。
フィルム加熱方式の定着装置では、ヒータの基板として酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等の低熱容量で電気絶縁性の平板状のセラミックスを用いている。そしてその基板の一面に銀パラジウム(Ag/Pd)等の金属を主体とした導電性の抵抗発熱体パターンを形成させ、抵抗発熱体パターンに通電し発熱させる構成が一般的である。
ところで、フィルム加熱方式の定着装置を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている(所謂、非通紙部昇温)。
また、特に小サイズ紙でかつ厚い記録材(厚紙・封筒等)が重送して通紙されてしまうような場合には、ヒータの記録材が通過する領域(通紙領域)で記録材に大量の熱を奪われるため、ヒータに大量の電力が供給され非通紙部昇温が顕著になる。よって重送枚数が多い場合等には、ヒータ・加圧ローラ等が劣化・破損に至る可能性がある。また、非通紙部昇温が大きくなると、ニップ部に小サイズの記録材を通紙(導入)した直後に大サイズの記録材を通紙した場合、端部で高温オフセットが発生する可能性がある。
この非通紙部昇温を防止するために、小サイズの記録材が連続して通紙される場合は非通紙部の加熱体・加圧ローラ等の保護のためスループットを下げる方法が考案され実施されている(特許文献5)。しかし、スループットを下げることは画像形成装置のスペックダウンになる。
また、銀パラジウム(Ag/Pd)等の金属を主体とした導電性の抵抗発熱体パターンは、一般的にPTC特性を示すため、非通紙部昇温を助長する傾向にある。PTC特性(Positive Temperature Coefficient)とは、温度が上がると抵抗が高くなる正の抵抗温度特性をいう。よって、根本的に非通紙部昇温を解決する手段として、NTC特性を有する抵抗発熱体を基板上に線帯状に形成し、長手方向に給電する加熱体も考案されている(特許文献6)。NTC特性(Negative Temperature Coefficient)とは、温度が上がると抵抗が低くなる負の抵抗温度特性をいう。
しかし、一般的に負の抵抗温度特性を有する抵抗発熱体は体積抵抗が高く、商用電源で使用できる範囲の抵抗を得ることは通常の抵抗発熱体パターンでは困難である場合が多い。
特許文献6には、NTC特性を有する加熱体の一例として、炭化ケイ素(SiC)を主成分とする断面が半円状のロッド部材を用いる構成も提案されている。β型結晶系(立方晶系)の炭化ケイ素を主成分とする焼結体は、体積抵抗が低く、大きなNTC特性を有するセラミックスとして近年注目されている。その製造方法は、特許文献7に開示されている。特許文献6の定着装置に用いる加熱体の構成は、一般的な基板上に形成された抵抗発熱体が発熱する構成ではなく、基板(特許文献6でいえばロッド部材)自体が導電性を有し発熱する構成である(以下、この構成をバルク加熱体と呼ぶ)。そのため、商用電源で使用できる範囲の抵抗を得ることは容易であり、NTC特性を利用して非通紙部昇温を抑制することも可能である。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特許第2727899号公報 特開平6−19347号公報 特開2005−219937号公報
バルク加熱体を用いたフィルム加熱方式の定着装置では、通電により発熱する基板で耐熱性フィルムを効率よく加熱してトナー画像の定着効率を高めるために、記録材搬送方向において基板の発熱領域を、加熱体とフィルム内面が接触している領域(以下、この接触領域を内面ニップ部と呼ぶ)の内側に設定することが望ましい。
本発明の目的は、通電により発熱する基板を有する加熱体の基板の発熱領域を記録材搬送方向において内面ニップ部の内側に設定して可撓性部材を効率よく加熱できるようにした像加熱装置及びその像加熱装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための構成は、通電により発熱する基板を有する加熱体と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
前記可撓性部材の一面が前記加熱体と接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をB、前記基板内で電流が流れる領域の記録材搬送方向における幅をWとした場合、
W ≦ N1 ≦ B
の関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための構成は、通電により発熱する基板と前記基板に給電する電極とを有する加熱体と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
前記可撓性部材の一面が前記加熱体と接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をB、前記電極の記録材搬送方向における幅をAとした場合、
A ≦ N1 ≦ B
の関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための構成は、通電により発熱する基板と前記基板に給電する電極とを有する加熱体と、前記加熱体を支持する支持部材と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と前記支持部材に接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体と前記支持部材に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
前記可撓性部材の一面が前記加熱体と前記支持部材に接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をEとした場合、
E ≦ N1
の関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、通電により発熱する基板を有する加熱体の基板の発熱領域を記録材搬送方向において内面ニップ部の内側に設定して可撓性部材を効率よく加熱できる像加熱装置及びその像加熱装置を備えた画像形成装置を提供できる。
図面に基づいて本発明を説明する。
(1)画像形成装置例
図16は本発明に係る像加熱装置を画像定着装置(定着器)として搭載する画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。このプリンタは、搬送可能な最大用紙幅が216mm、搬送速度(プロセススピード)が180mm/sec.、LTRサイズ(216mm×279mm)を縦通紙で30枚/分の出力が可能なプリンタである。このプリンタの記録材の搬送基準は、記録材の搬送方向と直交する方向における記録材搬送路の中央とその方向における記録材の端部間の中央とを一致させて記録材の搬送を行う中央搬送基準である。
101は像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムと記す)である。感光体ドラム10は、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転される。
102は接触帯電ローラ等の帯電手段である。この帯電手段102により感光体ドラム101の外周面(表面)が所定の極性・電位に一様に帯電処理(一次帯電)される。
103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナである。レーザービームスキャナ103は、不図示のイメージスキャナ・コンピュータ等の外部機器から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してオン/オフ変調したレーザー光を出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光(照射)する。この走査露光により感光体ドラム101の帯電処理面の露光明部の電荷が除電され帯電処理面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置である。現像装置104は、現像スリーブから感光体ドラム101の帯電処理面にトナー(現像剤)を供給し帯電処理面の静電潜像(静電像)をトナー画像(現像像)として現する。レーザービームプリンタの場合、一般的に、静電潜像の露光明部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
106は接触型・回転型の転写部材としての転写ローラである。転写ローラ106にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加されることで後述の転写部位において感光体ドラム101のトナー画像が記録材Pの面上に静電的に転写される。
以上が像形成手段としての画像形成機構部の構成である。
109は給紙カセットである。給紙カセット109には記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ108が駆動されて給紙カセット109内の記録材Pが一枚ずつ分離給紙される。そしてその記録材Pは、搬送ローラ110、レジストローラ111等を含むシートパス112を通って、感光体ドラム101と転写ローラ106との当接ニップ部である転写部位に所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー画像の先端部が転写部位に到達したとき、記録材Pの先端部もちょうど転写部位に到達するタイミングとなるようにレジストローラ111で記録材Pの搬送が制御される。
転写部位に導入された記録材Pは、この転写部位を挟持搬送され、その間、転写ローラ106には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。この転写ローラ106及び転写電圧制御については後述する。
転写部位においてトナー画像の転写を受けた記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されてシートパス113を通って像加熱装置としての画像定着装置(定着器)107へ搬送導入され、ここでトナー画像の加熱・加圧定着処理を受ける。
一方、記録材分離後(記録材Pに対するトナー像転写後)の感光体ドラム101表面はクリーニング装置105で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
定着装置107を通った記録材Pは、シートパス114を通って排紙口から排紙トレイ115上に排出される。
転写ローラ106は、一般にSUS(ステンレス)、Fe等の芯金上にカーボン、イオン導電性フィラー等で1×10〜1×1010Ω程度の抵抗に調整された半導電性のスポンジ弾性層を形成した弾性スポンジローラが用いられる。本実施例では、芯金の外回りに同心一体に、NBRゴムと界面活性剤等を反応させ、導電性を有する弾性層をローラ状に成形具備させてなるイオン導電系の転写ローラを用いた。抵抗値は1×10〜5×10Ωの範囲のものを用いた。
転写ローラ106の抵抗は雰囲気環境の温湿度に応じて変動しやすいことが知られている。この転写ローラ106の抵抗変動は転写不良や紙跡などの発生を招来する。そこで、転写ローラ106の抵抗変動に起因する転写不良や紙跡などの発生を防止するために、転写ローラ106の抵抗値を測定し、その抵抗値測定結果に応じて転写ローラ106に印加する転写電圧を適正に制御する「印加転写電圧制御」が採択される。
そのような印加転写電圧制御例として特開平2−123385号公報に開示されるATVC制御(Active Transfer Voltage Control)がある。ATVC制御は、転写時、転写ローラに印加する転写バイアスを最適化する手段であり、転写不良、紙跡の発生を防止したものである。上記転写バイアスは、画像形成装置の前回転行程中に転写ローラから感光体ドラムに所望の定電流バイアスを印加し、その時のバイアス値から転写ローラの抵抗を検知し、印字行程の転写時に、その抵抗値に応じた転写バイアスを転写ローラに印加する。本実施例においても、上記のATVC制御を用いた。
(2)定着装置107
次に、本実施例における定着装置107について説明する。
以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。長さとは長手方向の寸法をいう。幅とは短手方向の寸法をいう。
図1は本実施例に係るフィルム加熱方式の定着装置の横断側面模型図である。図2は定着装置の縦断面模型図である。図3は定着装置を記録材の導入側から見た図である。この装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示のテンションレスタイプの装置である。
テンションレスタイプのフィルム加熱方式の定着装置は、可撓性部材として耐熱性フィルムを用いている。そして耐熱性フィルムとしては、エンドレスベルト状もしくは円筒状のものを用いている。耐熱性フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、耐熱性フィルムは加圧体(バックアップ部材)としての加圧ローラの回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
(2−1)ステー
1は加熱定3を支持する支持部材としてのステーである。ステー1は、加熱体支持部材兼フィルムガイド部材としての耐熱性の剛性部材である。このステー1は、ステー1の長手方向両端部が装置フレーム(不図示)に保持されている。ステー1の下面には、ステーの長手方向に沿って加熱体3を配設して保持させてある。加熱体3の詳細については後述する。
ステー1は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施例では液晶ポリマーを用いた。
(2−2)耐熱性フィルム
2はエンドレス(円筒状)の耐熱性フィルム(以下、フィルムと記す)である。フィルム2は、加熱体3を保持しているステー1に外嵌させてある。フィルム2の内周長と加熱体3を支持しているステー1の外周長はフィルム2の方を例えば3mm程度大きくしてある。従ってフィルム2は周長に余裕を持ってステー1に外嵌されている。aは記録材搬送方向である。
フィルム2は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚が40〜100μm程度の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いは複合層フィルムを使用できる。複合層フィルムとして、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。
また、近年、定着性向上のため、基層にSUS(ステンレス)等の金属を用いたフィルムも使用されている。SUSの熱伝導率は上記の樹脂材料よりも大きいので、加熱体3で発生した熱を効率良く記録材Pに伝達することができ、定着性が向上する。これらのフィルムの構成は、基層をSUSとし表層にPTFE、PFA等のコート層を設けたものや、基層をSUSとし、その上にシリコーンゴム等の弾性層を設け、表層にPFA等のコート層あるいはチューブ層を設けたものがある。表層は離型性を確保するために設けられている。弾性層は画質向上や更なる定着性向上を意図したものである。弾性層を設けることにより、フィルム2の外周面(表面)が軟化し、記録材上のトナー画像を包み込むように加熱することができるので、トナーの溶け具合の違いによる画像のムラが改善するとともに、定着性も向上する。
図4は本実施例のフィルム2の断面図である。本実施例では、基層2aが厚さ約30μmのSUS、弾性層2bが厚さ約200μmのシリコーンゴム、表層2cが厚さ約10μmのPFAコートである3層構成のフィルム2を用いた。フィルム2の外径は30mmとした。
(2−3)加圧ローラ
4は加圧体としての加圧ローラである。加圧ローラ4は、加熱体3との間にフィルム2を挟んでニップ部(圧接ニップ部、定着ニップ部)N2を形成し、かつフィルム2を回転駆動させるローラ部材である。加圧ローラ4は、丸軸状の芯金4aと、芯金4aの外周面上にローラ状に設けられた弾性体層4bと、弾性体層4bの外周面上に設けられた最外層の離形層4cと、を有する。この加圧ローラ4は、フィルム2と並列に配置され、芯金4aの長手方向両端部が装置フレームに軸受(不図示)を介して回転自在に保持されている。そしてその軸受を加圧バネ等の付勢手段(不図示)により所定の押圧力をもって付勢し加圧ローラ4の外周面(表面)をフィルム2を挟ませて加熱体3の表面に加圧することにより加圧ローラ4の弾性体層4bを長手方向に弾性変形させている。その弾性体層4bの弾性変形によってフィルム2の外周面(表面)と加圧ローラ4表面との間に未定着トナー画像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部N2を形成している。本実施例では、芯金4aはアルミ芯金を用いた。弾性体層4bはシリコーンゴムを用いた。離形層4cは厚さ約50μmのPFAのチューブを用いた。加圧ローラ4の外径は30mm、弾性体層4bの厚さは約3mmとした。
この加圧ローラ4は、芯金4aの長手方向一端部に設けられている駆動ギアGが駆動系Mにより回転駆動されることによって矢印の時計方向に所定の周速度で回転される。この加圧ローラ4の回転により、ニップ部N2における加圧ローラ4表面とフィルム2表面との摩擦力でフィルム2に回転力が作用する。これによりフィルム2は、フィルム2の内周面(内面)がニップ部N2において加熱体3の表面に密着して摺動しながらステー1の外回りを矢印の反時計方向に加圧ローラ4の回転周速度とほぼ同じ周速度で従動回転する。
(2−4)加熱体
次に、加熱体3について説明する。
図5の(a)は加熱体3の表面側の正面図、(b)は加熱体3の拡大側面図である。図6は加熱体3の通電制御を行う回路の一例を表わす図である。図7は加熱体3の発熱領域を表わす図である。
本実施例に示す加熱体3は、基板6自体が導電性を有し基板6に通電することによって基板6が発熱するバルク加熱体である。基板6はNTC特性を有する導電性のセラミックス基板である。基板6の材料・特性・形状等の詳細は後述する。
加熱体3は、長手方向に細長い導電性の基板6と、基板6の表面(フィルム摺動面)側に設けられた耐熱性のオーバーコート層9と、基板6の表面側で長手方向両端部の内側に設けられた給電用電極7・8と、を有する、全体に低熱容量の加熱体である。
オーバーコート層9は、基板6とフィルム2内面との摺動性の確保及び基板6の摩耗防止を目的として設けられたものである。また、基板6で発生する熱を効率よく記録材Pに伝達するために、オーバーコート層9は熱伝導が高く、フィルム2内面と接触する表面が平滑であることが望ましい。本実施例では、オーバーコート層9として、スクリーン印刷で形成した厚さ約10μmの耐熱性ガラス層を用いた。オーバーコート層9の材料は、ガラス以外にもポリイミド等の高耐熱性樹脂を用いることもできる。さらに、フィルム2との摺動性や基板6の摩耗に問題なければ、オーバーコート層がない構成も可能である。
給電用電極7・8は、基板6の表面に銀ペーストをスクリーン印刷して形成している。本実施例では、基板6の表面に給電用電極7・8を設けているが、基板6の裏面に給電用電極を設けても良い。給電用電極の厚さは約10μmとした。
基板6の裏面(非フィルム摺動面)には、温度検知手段として加熱体3の温度を検知する検温素子5が設けられている。本実施例では、検温素子として加熱体3から分離した外部当接型のサーミスタを用いている。この外部当接型サーミスタ5は、例えば支持体上に断熱層を設けその上にチップサーミスタの素子を固定し、素子を下側(基板6裏面側)に向けて所定の加圧力により基板6裏面に当接するような構成をとる。本実施例では、支持体として高耐熱性の液晶ポリマーを、断熱層としてセラミックスペーパーを積層したものを用いた。外部当接型サーミスタ5は基板6の最小通紙域内即ち基板6の長手方向においてサイズの異なる記録材が必ず通過する領域内に設けられている。そしてそのサーミスタ5はCPU11に通じている。
この加熱体3をオーバーコート層9を形成具備させた表面側を下向きに露呈させてステー1の下面側に保持させて固定配設してある。以上の構成をとることにより、加熱体3全体を低熱容量にすることができ、クイックスタートが可能になる。
図8は加熱体3の給電用電極7・8とその給電用電極7・8にそれぞれ給電する給電用コネクタ10との接続状態を表わす説明図である。
給電用コネクタ10は接点部10aとモールド部10bからなり、ステー1の長手方向両端部でステー1と基板6を挟み込む形状になっている。接点部10aは給電用電極7あるいは8と所定の圧で接触し導通を確保している。
加熱体3は、給電用コネクタ10により基板6の長手方向両端部の給電用電極7・8に給電される。これにより基板6の給電用電極7・8間の領域(図8に示す斜線部の領域)が長手全長にわたって発熱することで昇温する。その昇温がサーミスタ5で検知され、サーミスタ5の出力をA/D変換しCPU11に取り込み、その情報に基づいてトライアック12により基板6に通電する電力を位相、波数制御等により制御して、加熱体3の温度制御がなされる。即ちサーミスタ5の検知温度が所定の設定温度より低いと加熱体3が昇温するように、設定温度より高いと降温するように通電を制御することで、加熱体3は定着時所定の定着温度(目標温度)に保たれる。なお、本実施例では位相制御により出力を0〜100%まで5%刻みの21段階で変化させている。出力100%は加熱体3に全通電したときの出力を示す。
加熱体3の温度が所定の定着温度に立ち上がり、かつ加圧ローラ4の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化した状態においてニップ部N2に未定着トナー画像Tを担持する記録材Pが転写部位より導入される。そして、記録材Pがフィルム2と一緒にニップ部N2を挟持搬送されることにより加熱体3の熱がフィルム2を介して記録材Pに付与され記録材P上のトナー画像Tが記録材P面に加熱定着される。ニップ部N2を通った記録材Pはフィルム2表面から分離されて搬送される。
(3)加熱体の基板の説明
次に加熱体3の基板6の材料・特性・形状について詳細に説明する。
基板6を構成する材料としては、炭化ケイ素(SiC)、ランタンクロマイト(LaCrO3)、炭素(C)等の非金属発熱体の中でも負の抵抗温度特性(NTC特性)を有するものが好ましい。特に、酸化等の影響が少なく、工業的に入手が容易な炭化ケイ素が好適である。本実施例において加熱体3として使用する温度範囲は300℃以下であり、一般に炭化ケイ素は800℃以下の領域で、NTC特性を有している。
本実施例では、基板6の材料として、炭化ケイ素の高純度焼結体(ブリヂストン社製、商品名ピュアベータR)を用いている。基板6の体積抵抗値は0.1Ω・cm、抵抗変化率は−3000ppm/℃(NTC特性)である。抵抗変化率は25℃と225℃における抵抗を4端子法で測定して求めたものである。225℃の抵抗は基板6を225℃に設定された恒温槽に入れて測定した。
基板6は長さを240mm、幅Bを7mm、厚さを2.5mmとし、給電用電極7・8の記録材搬送方向aにおける幅(以下、電極幅と記す)Aは4mmとした。給電用電極7・8の体積抵抗は基板6の体積抵抗に比べて十分小さいので、基板6の長手方向において給電用電極7・8間を流れる電流i(図7参照)は電極幅Aの領域(図7に示す斜線部の領域)で一様に流れると考えられる。斜線部の領域以外の領域に流れる電流も皆無ではないが、ほぼ斜線部領域においてのみ発熱するとみなすことができる。つまり、請求項1で述べた基板内で電流が流れる領域の幅(通電領域幅)W(図10)は、電極幅Aにほぼ等しいと考えられる。本実施例では、給電用電極7・8間の長手距離(斜線部の長さ)は220mmとした。また、基板6の抵抗値(給電用電極7・8間の抵抗)は常温(25℃)で、22Ωとした。
ここで、NTC特性を有する加熱体3を用いることにより非通紙部昇温が抑制できる理由について、モデル図を用いて説明する。
図9は本実施例の加熱体のモデル図である。ここでは、加熱体3を長さL(電極7・8間の長手距離は220mmなので、L=55mm)に4分割して考え、中央部の2つの区域の抵抗をそれぞれr1、端部の2つの区域の抵抗をそれぞれr2とする(中央部と端部の温度が同じであればr1=r2)。2(r1+r2)が総抵抗になり、常温では22Ωである。基板6に流れる電流をiとすると、中央部の1区域の発熱量q1はi・r1であり、端部の1区域の発熱量q2はi・r2である。
簡単のため、幅2L(=110mm)の小サイズ紙が通紙された場合を考えると、中央部の抵抗がr1の区域は通紙部に、端部の抵抗がr2の区域は非通紙部になる。加熱体3の温度制御は通紙部に設けられた検温素子5で行われるので、小サイズ紙に熱を奪われる通紙部に比べて、小サイズ紙に熱を奪われない非通紙部の温度は上昇する。
もし、基板6がPTC特性を有するならば、小サイズ紙通紙時は非通紙部の方が温度が高くなるので、r1<r2となる。電流iは通紙部・非通紙部で同じであるためq1<q2となり、非通紙部の発熱量は中央部の発熱量よりも大きくなる。PTC特性により、温度の高い非通紙部で抵抗が高くなり発熱量もそれに比例して高くなるという関係が維持されるため、非通紙部昇温が抑制されない。また、PTC特性が強い(抵抗変化率が大きい)ほど、抵抗の変化量も大きいので非通紙部昇温が顕著になる。
一方、本実施例のように基板6がNTC特性を有する場合は、小サイズ紙通紙時に、小サイズ紙に熱を奪われない非通紙部で一時的に通紙部よりも温度が高くなったとしても、NTC特性によりr1>r2という抵抗の関係になる。そのため、発熱量の関係はq1>q2となり、非通紙部の発熱量が小さくなる方に抵抗が変化する。つまり、非通紙部昇温を抑制する方向に自動的に抵抗が変化するため、PTC特性よりもNTC特性の方が非通紙部昇温が小さくなる。また、NTC特性が強い(抵抗変化率の絶対値が大きい)ほど抵抗の変化量も大きいので、非通紙部昇温抑制の効果が高まる。
図10は本実施例の定着装置107におけるニップ部N2及びその周囲の横断側面拡大図である。図10において、Aは前述した給電用電極7・8の幅(4mm)であり、斜線部は図2と同様に加熱体3の発熱領域である。Bは基板6の幅(7mm)である。また、ニップ部N2の幅は8mmとした。
図10において、太線はフィルム2を示している。図10に示すように、記録材搬送方向aにおいてニップ部N2の中でフィルム2と加熱体3は全ての領域で接触せずに、加熱体3の上流端付近及び下流端付近では空隙Sが生じる。これは、フィルム2の剛性によるものであり、元々円形のフィルム2をニップ部N2の部分だけ直線にならわそうとするために生じる。もちろん、フィルム2の剛性が十分低い場合は、この空隙Sはほとんど生じないが、本実施例のようにフィルム2の基層2aに剛性が高いSUS等の金属を用いている場合には、空隙Sが生じる。フィルム加熱方式の定着装置のフィルムとしては、ポリイミドを基層にしたものも用いられているが、このポリイミドフィルムでも厚さが増してくると、この空隙が無視できないレベルになってくる。使用しているポリイミド樹脂のグレード・加圧ローラ4の硬度・加圧力等にもよるが、ポリイミドフィルムの厚さが50μm程度であれば空隙はほとんどないが、厚さが70〜80μm以上になると本実施例のような空隙S(以下、空隙部Sと記す)ができる。
記録材搬送方向aにおいてニップ部N2内で、加熱体3のオーバーコート層9とフィルム2内面(可撓性部材の一面)が接触している接触領域を内面ニップ部N1と呼ぶ。フィルム2表面(可撓性部材の他面)は、ニップ部N2内で記録材P上のトナー画像Tと接触する。本実施例の定着装置107では、内面ニップ部N1の幅は5mmであり、内面ニップ部N1内に発熱領域(=電極幅A(=4mm))を収めている。空隙部Sでは、加熱体3とフィルム2との間が空いているので、空隙部Sに基板6の発熱領域があっても熱伝達性は悪い。よって、本実施例のように、電極幅Aを内面ニップ部N1の幅よりも短くしてその内面ニップ部N1の領域内に収め、内面ニップ部N1内でのみ基板6を発熱させる構成にした方がフィルム2をその基板6により効率よく加熱することのできる。従って記録材P上のトナー画像Tを効率良く加熱する事ができる。言い換えると、同じ定着性を確保するための消費電力が少なく、定着効率が良い。
本実施例におけるニップ部N1・内面ニップ部N2の幅の測定方法は以下の通りである。
定着装置107に、あらかじめ別の画像形成装置で作成したべた黒画像を画像を下面にして通紙し、定着装置通中に定着装置を強制停止し、10秒間程度停止させる。その後、べた黒画像を引き抜くとべた黒画像上に、ニップ部N1の幅で光沢部分ができる。この光沢部分の幅を測定することにより、ニップ部N1の幅を測定することができる。
加熱体3の表面(フィルム摺動面)に光明丹を塗布し、定着装置107を加圧状態にする。そのまま、定着装置107を駆動せずに定着装置107を分解し、加熱体3の表面を見ると、光明丹が剥がれる部分を観察することができる。この光明丹が剥がれた幅が内面ニップ部N2の幅と等しくなる。
本実施例では、内面ニップ幅N1>電極幅A(=発熱領域幅)としたが、もちろん、N1=Aという構成にしてもよい。
すなわち、以下の関係を満たすことで、定着効率の良い加熱装置を実現することができる(Wは前述の通電領域幅であって、電極幅Aにほぼ等しい)。
W ≦ N1 ≦ B あるいは A ≦ N1 ≦ B
比較のため、内面ニップ幅N1<発熱領域幅という構成の定着装置(便宜上、従来例の定着装置とする)について説明する。
図11は従来例の定着装置におけるニップ部及びその周囲の横断側面図である。図12は従来例の定着装置に用いられている加熱体の発熱領域を表わす説明図である。図11及び図12において本実施例の加熱体及び定着装置と共通する部材・部分には同じ符号を付している。
加熱体3において、従来例と本実施例との違いは、給電用電極の記録材搬送方向aにおける幅寸法のみであり、それ以外の構成については全く同じとする。
図12に示す通り、従来例の加熱体3では、給電用電極14・15の幅Cを基板幅Bとほぼ同じとしている(C≒7mm)。よって、斜線部で示される発熱領域はほぼ基板幅全域である。
定着装置107において、従来例と本実施例との違いは、加熱体3の斜線部の発熱領域のみであり、それ以外の構成については同一とする。
図11に示す通り、従来例の定着装置107では、内面ニップ部N1よりも外側に発熱領域Cが存在する。前述した通り、内面ニップ部N1の外側で発熱しても、空隙部Sがあるために加熱体3からフィルム2への熱伝達性は悪く、定着効率は良くない。特に、NTC特性を有する加熱体3で従来例のような構成をとると、以下に述べる理由で定着効率の悪化が顕著になる。
図11に示すように、内面ニップ部N1内の加熱体3の単位体積あたりの抵抗をR1、内面ニップ部N1外の加熱体3の単位体積あたりの抵抗をR2とする。内面ニップ部N1よりも外側では、加熱体3からフィルム2へ熱が伝わりにくいので、その内面ニップ部N1よりも外側部分の温度は内面ニップ部N1内の温度に比べて高くなる。加熱体3がNTC特性を有する場合、温度が高い方が抵抗が低くなるので、R1>R2という関係になる。すると、電流iは抵抗が低いR2の方に集中的に流れ、電流iが流れてほしいR1の方に流れにくくなる。その結果、フィルム2への熱伝達性が良い内面ニップ部N1内での発熱量が減少するので、定着効率が悪くなってしまう。加熱体3の基板6がPTC特性を有する場合に同じ状況を考えると、R1<R2という抵抗の関係になるので、こちらの場合は内面ニップ部N1外の電流iを抑制する方向に抵抗が変化する。よって、基板6がNTC特性を有する加熱体3を用いる場合には、内面ニップ部N1内に発熱領域を収めるという本実施例の構成が、定着効率の観点から極めて有効である。
近年、画像形成装置の高速化に伴い、定着装置のフィルムの基層として定着性に有利な金属製のフィルムが多用されるようになっている。また、定着装置のフィルムの基層としてポリイミド等の樹脂を使う場合でも、破損防止のため厚さ70〜80μm程度のフィルムが使われることが多くなっている。更に、やはり画像形成装置の高速化に伴い、非通紙部昇温もますます厳しくなっている。よって、剛性の高いフィルムとNTC特性を有するバルク加熱体とを組み合わせた定着装置の重要性は高く、本実施例の構成を用いることによって、非通紙部昇温と省電力を両立した上記の組み合わせの定着装置を提供することができる。
定着装置の他の例を説明する。
本実施例に示す定着装置は、実施例1で述べた内面ニップ部内に加熱体全体を収める構成をとる。本実施例の定着装置と実施例1の定着装置107との主な相違点は、加熱体の基板幅である。本実施例の定着装置はその相違点を除いて、実施例1の定着装置107と同じ構成としてある。本実施例では、実施例1の加熱体及び定着装置と共通する部材・部分には同じ符号を付している。
図13は本実施例の定着装置107におけるニップ部N2及びその周囲の横断側面図である。図14の(a)は本実施例の定着装置107に用いられる加熱体3の表面側の正面図、(b)は加熱体3の拡大側面図である。図15は加熱体3の発熱領域を表わす図である。
図14において、基板6は長さを240mm、幅Eを4mm、厚さを2.5mmとし、給電用電極7・8の記録材搬送方向aにおける幅Dを基板幅とほぼ同じとした(D≒4mm)。よって、図15の斜線部で示される発熱領域はほぼ基板幅全域である。なお、本実施例においても、給電用電極7・8間の長手距離(斜線部の長さ)は220mmとした。また、基板6の抵抗値(給電用電極7・8間の抵抗)も実施例1と同じく常温(25℃)で、22Ωとした。
基板6の材料も実施例1と同じ炭化ケイ素を用いている(体積抵抗値:0.1Ω・cm 抵抗変化率:−3000ppm/℃)。検温素子5も実施例1と同じ外部当接型サーミスタを用いた。
図13において、Dは給電用電極7・8の幅(約4mm)であり、斜線部は加熱体3の発熱領域を示す。Eは基板6の幅(4mm)である。また、ニップ部N2の幅は実施例1と同じく8mmとした。本実施例では、基板6の幅を実施例1よりも狭くしているので、ニップ部N2内でステー1の加熱体3表面と同一面の部分を加熱体3の上流側と下流側で広くしている。
図13において、太線はフィルム2を示している。本実施例の定着装置107においても、実施例1の定着装置107と同様、記録材搬送方向aにおいてニップ部N2の中で内面ニップ部N1の上流側と下流側にそれぞれ空隙部Sが生じている。本実施例では、フィルム2内面はニップ部N2内で加熱体3だけでなくステー1にも接触している。よって、ここでは、内面ニップ部N1は、フィルム2内面が加熱体3とステー1に接触している接触領域を意味し、その内面ニップ部N1の幅は実施例1と同じく5mmである。
本実施例においても、内面ニップ幅N1>電極幅D(=発熱領域)の関係になっているため、実施例1と同様、内面ニップ部N1内でのみ基板6を発熱させることができ、フィルム2を基板6によって効率よく加熱することのできる。従って記録材P上のトナー画像Tを効率良く加熱する事ができる。本実施例においても、N1=Dという構成にしてもよい。
電極幅Dは基板幅E以下であるので、本実施例においては、基板幅Eと内面ニップ部N1が以下の関係を満たすことで、定着効率の良い定着装置107を実現することができることになる。
E ≦ N1
本実施例においても、加熱体3の基板6はNTC特性を有するので、実施例1で説明したメカニズムにより非通紙部昇温を抑制できる。
また、本実施例では、基板6の幅を実施例1よりも狭くしているので、加熱体3は更に低熱容量になっている。よって、実施例1よりも、クイックスタート性に優れ、記録材通紙中の消費電力も更に低減できるという利点もある。
実施例1に係る定着装置の横断側面模型図 実施例1に係る定着装置の縦断側面模型図 実施例1に係る定着装置を記録材の導入側から見た図 実施例1に係る定着装置のフィルムの断面図 (a)は実施例1の定着装置における加熱体の表面側の正面図、(b)は加熱体の拡大側面図 実施例1の定着装置における加熱体の通電制御を行う回路の一例を表わす図 実施例1の定着装置における加熱体の発熱領域を表わす図 実施例1の定着装置における加熱体の給電用電極とその給電用電極にそれぞれ給電する給電用コネクタの接続状態を表わす説明図 加熱体のモデル図 実施例1に係る定着装置におけるニップ部及びその周囲の横断側面拡大図 比較例の定着装置におけるニップ部及びその周囲の横断側面図 比較例の定着装置における加熱体の発熱領域を表わす図 実施例2に係る定着装置におけるニップ部及びその周囲の横断側面図 (a)は実施例2の定着装置における加熱体の表面側の正面図、(b)は加熱体の拡大側面図 実施例2の定着装置における加熱体の発熱領域を表わす図 画像形成装置の一例の概略構成図
符号の説明
1‥‥ステー
2‥‥フィルム
3‥‥加熱体
4‥‥加圧ローラ
6‥‥基板
7・8‥‥給電用電極
N1‥‥内面ニップ部
N2‥‥ニップ部
P‥‥記録材
T‥‥未定着トナー画像
a‥‥記録材搬送方向

Claims (7)

  1. 通電により発熱する基板を有する加熱体と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
    前記可撓性部材の一面が前記加熱体と接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をB、前記基板内で電流が流れる領域の記録材搬送方向における幅をWとした場合、
    W ≦ N1 ≦ B
    の関係を満たすことを特徴とする像加熱装置。
  2. 通電により発熱する基板と前記基板に給電する電極とを有する加熱体と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
    前記可撓性部材の一面が前記加熱体と接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をB、前記電極の記録材搬送方向における幅をAとした場合、
    A ≦ N1 ≦ B
    の関係を満たすことを特徴とする像加熱装置。
  3. 通電により発熱する基板と前記基板に給電する電極とを有する加熱体と、前記加熱体を支持する支持部材と、前記加熱体により加熱される可撓性部材であって、一面が前記加熱体と前記支持部材に接触し他面が記録材上に形成された画像と接触する可撓性部材と、前記可撓性部材を前記加熱体と前記支持部材に加圧してニップ部を形成する加圧体と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ画像を加熱する像加熱装置において、
    前記可撓性部材の一面が前記加熱体と前記支持部材に接触する接触領域の記録材搬送方向における幅をN1、前記基板の記録材搬送方向における幅をEとした場合、
    E ≦ N1
    の関係を満たすことを特徴とする像加熱装置。
  4. 前記基板は、負の抵抗温度特性を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに1項に記載の像加熱装置。
  5. 前記基板は、セラミックスであることを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. 前記基板は、炭化ケイ素を主成分とすることを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
  7. 記録材上に画像を形成する像形成手段と、前記記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する画像形成装置において、前記像加熱手段として請求項1から請求項6の何れか1項に記載の像加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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