JP2009222660A - ナノ粒子成分計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ナノ粒子成分計測装置10Aは、計測ガス11である排ガス中のナノ粒子を計測するナノ粒子成分計測装置であって、計測ガス11中のナノ粒子成分を分級する静電分級器12と、前記静電分級器12により帯電したナノ粒子を濃縮する帯電粒子濃縮部14と、前記濃縮したナノ粒子の成分を計測する質量分析装置16とを具備してなり、前記帯電粒子濃縮部14が、前記ナノ粒子に第1の電場を形成する第1の電極と、第1の電場により集中したナノ粒子をさらに濃縮する第1の電場よりも高い電圧の第2の電場を形成する第2の電極とを具備してなるものである。
【選択図】 図1
Description
また、将来のナノテクノロジー産業などにより生成される粒子サイズレベルの環境汚染も懸念されており、極微小量環境物質の直接・多元素・多成分計測技術は、国民の安全、安心を確保するためのキー技術となっている。
これは、計測対象を構成する成分に関して「平均的な分析感度」と特定な成分に対する「選択的な分析感度」の互いに矛盾する分析特性を求めることになり、従来の分析手法では、達成できなかった課題である。また、元素組成分析では、計測対象を元素レベルに分解・計測する必要があり、化学成分組成計測との両立は困難であった。そのため、多元素・多成分を計測するためには、GC−MS(Gas Chromatography-Mass Spectrometry)、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry)、蛍光X線分析などの複数の分析手法を用いる必要があり、前処理などを含め、多大な分析コスト、分析時間を必要としていた。
図11に示すように、ナノ粒子成分計測装置100は、計測ガス101中のナノ粒子成分を分級する静電分級器102と、前記静電分級器102により分級したナノ粒子の粒子数を計測する粒子数計測装置103と、分級したナノ粒子を加熱するヒータ105と加熱されたナノ粒子をレーザイオン化するレーザ装置107を備えたレーザイオン化飛行時間型質量分析装置(質量分析装置)106とを具備するものであり、例えばディーゼルエンジンから排出されるナノ粒子を分級し、多環芳香族炭化水素(PAH)を高感度で計測するようにしている。
図1は、実施例に係るナノ粒子成分計測装置図である。図2は帯電粒子濃縮部の概略図である。図1及び図2に示すように、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置10Aは、計測ガス11である排ガス中のナノ粒子を計測するナノ粒子成分計測装置であって、計測ガス11中のナノ粒子成分を分級する静電分級器12と、前記静電分級器12により帯電したナノ粒子を濃縮する帯電粒子濃縮部14(14−1〜14−3)と、前記濃縮したナノ粒子の成分を計測する質量分析装置16とを具備してなり、前記帯電粒子濃縮部14が、前記ナノ粒子に第1の電場を形成する第1の電極22と、第1の電場により集中したナノ粒子をさらに濃縮する第1の電場よりも高い電圧の第2の電場を形成する第2の電極24とを具備してなるものである。
なお、図1中、符号13はナノ粒子の粒子数を計測する粒子数計測装置である。
そして、第1の電極22に500V程度の電圧をかけると共に第2の電極24に1KV程度の電圧をかけることにより、静電分級器12で帯電したナノ粒子が内部の電場により中央部に集中し、濃縮物25として濃縮することとなる。本実施例の濃縮率は約100倍程度となる。
本実施例では、導入するナノ粒子を含んだガスが細い導入口21aから導入されるので、濃縮物25が拡がることがなく、そのまま内筒23に導入され、濃縮が効率よく行われる。
本実施例では、導入するナノ粒子を含んだガスが外筒の入口から導入されるが、内筒23内部に設けた第1の電極22で電界分布が高くなるので、近寄ることができず、外筒の壁面周囲に分けられ、次いで第2の電極24により濃縮が行われ、濃縮物25が外筒21の下端部に設けた濃縮管26から排出され、濃縮が効率よく行われる。
図9及び図10に示すように、フルオレン(分子数:166.2)、アントラセン(分子数:178.2)、ベンゾ(a)ピレン(分子数:252.3)、ベンゾ(e)ピレン(分子数:252.3)、ベンゾ(k)フルオランテン(分子数:252.3)、ベンゾ(ghi)ペリレン(分子数:276.3)等の多環芳香族炭化水素(PAH)を高感度で計測することができることが判明した。
図5は、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置図である。図5に示すように、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置10Bは、図1の計測装置10Aにおいて、帯電粒子濃縮部14の後流側に、1nm以上のナノ粒子を捕集するフィルタ31と、該フィルタ31を加熱する加熱装置であるヒータ15とを設けるようにしている。
すなわち、従来ではナノ粒子の一部が完全に気化せずにそのまま質量分析装置16に導入する場合があり、計測が不完全であったものが、フィルタ31を通過するナノ粒子をヒータ15で加熱(例えば200℃)することで、完全に気化させることができ、ナノ粒子の全量の計測が可能となり、ナノ粒子計測の確実性が向上することとなる。
図7は、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置図である。図7に示すように、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置10Cは、図5の計測装置10Bにおいて、帯電粒子濃縮部14の後流側に、1nm以上のナノ粒子を捕集する複数のフィルタ31A、31B、31Cを並列して設け、該フィルタ31A〜31Cを加熱する複数のヒータ15A〜15Cを設けるようにしている。
すなわち、先ず、帯電粒子濃縮部14で濃縮されたナノ粒子を第1のフィルタ31Aで計測する場合には、切替弁30a、30b、30e及び30hを解放してガスを流し、その他の弁は閉じておく。そして、常温で5分計測ガスを第1フィルタ30Aに流し、その後加熱を5分行い、分析する。次いで、第2のフィルタ31Bで計測するように切替弁を切替える。そして、計測が終了した第1のフィルタ31Aにはパージガスにより洗浄して次ぎの計測に備える。第1〜第3のフィルタ31A〜31Cを順番に切替えることで例えば10〜20分ごとの任意の範囲での連続した計測が可能となる。
図8は、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置図である。図8に示すように、本実施例に係るナノ粒子成分計測装置10Dは、図7の計測装置10Cにおいて、並列したフィルタ31A〜31Cを迂回するヒータを有する迂回流路32を設けたものであり、必要に応じて切替弁30i、30jを開いてリアルタイムでナノ粒子を連続して計測することとしている。
11 計測ガス
12 静電分級器
13 粒子数計測装置
14(14−1〜14−3) 帯電粒子濃縮部
15 ヒータ
16 質量分析装置
21 外筒
22 第1の電極
23 内筒
24 第2の電極
25 濃縮物
Claims (4)
- 排ガス中のナノ粒子を計測するナノ粒子成分計測装置であって、
計測ガス中のナノ粒子成分を分級する静電分級器と、
前記静電分級器により帯電したナノ粒子を濃縮する帯電粒子濃縮部と、
前記濃縮したナノ粒子の成分を計測する計測装置とを具備してなり、
前記帯電粒子濃縮部が、前記ナノ粒子に第1の電場を形成する第1の電極と、
第1の電場により集中したナノ粒子をさらに濃縮する第1の電場よりも高い電圧の第2の電場を形成する第2の電極とを具備してなることを特徴とするナノ粒子成分計測装置。 - 請求項1において、
前記帯電粒子濃縮部の後流側に、1nm以上のナノ粒子を捕集するフィルタと、該フィルタを加熱する加熱装置とを有することを特徴とするナノ粒子成分計測装置。 - 請求項2において、
前記フィルタが2以上並列して設けられ、流路を切替えつつナノ粒子を連続して計測してなることを特徴とするナノ粒子成分計測装置。 - 請求項3において、
前記並列したフィルタを迂回する流路を有し、リアルタイムでナノ粒子を連続して計測してなることを特徴とするナノ粒子成分計測装置。
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