JP2009222022A - カム位相可変型内燃機関 - Google Patents

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Kazuki Ichikawa
和樹 市川
Masayuki Toyokawa
政行 豊川
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Abstract

【課題】 油圧制御弁の失陥時等においても、エンジン停止後の再始動時に所定のカム位相が確立されるようにしたカム位相可変型内燃機関を提供する。
【解決手段】 バイパスバルブ36は、その中間部に連通溝36aを有しており、第3ベーン43に吸気カムシャフト4の軸心と平行に穿設されたバルブ保持孔43a内に摺動自在に保持されている。また、バイパスバルブスプリング37は、バイパスバルブ36の軸心に形成されたスプリング保持孔に収容されており、バイパスバルブ36をリードバルブ26側に常時付勢している。油圧導入孔43bから油圧が排出されると、バイパスバルブスプリング37のばね力によってバイパスバルブ36がリードバルブ26側に移動し、両連通油路43c,43dがバイパスバルブ36の連通溝36aを介して連通される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、カム位相可変型内燃機関に係り、詳しくは、油圧制御弁の失陥時等においても、エンジン停止後の再始動時に所定のカム位相が確立されるようにする技術に関する。
4サイクルガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す)では、出力および燃費の向上や有害排出ガス成分の低減等を図るべく、種々の可変動弁機構を搭載したものが多くなっている。可変動弁機構としては、低速型カムと高速型カムとを切り換えるものが従来より存在するが、近年ではカム位相とバルブリフトとを個別に連続可変制御することで過渡特性の更なる向上やスロットルレス化等を実現したものが主流となってきている。カム位相の可変制御に供されるバルブタイミングコントロール装置(Variable Timing Control Device:以下、VTCと記す)は、シリンダヘッドにおけるカムシャフトの端部付近に設置された油圧アクチュエータ(以下、VTCアクチュエータと記す)や、VTCアクチュエータへの供給油圧(エンジン油圧)を制御するためのリニアソレノイド等から構成されている(特許文献1参照)。
特許文献1のVTCアクチュエータは、複数枚のベーンを有するロータと、ロータを相対回転可能に収納するハウジングとを有し、ハウジングに形成された進角室と遅角室とに作動油(エンジンオイル)が適宜供給されるとロータとハウジングとが相対回転する構造が採られており、ロータがカムシャフト側に固着される一方でハウジングにカムスプロケットが一体化されている。この種のVTCアクチュエータを搭載したエンジンでは、進角室や遅角室に作動油を供給する油圧制御弁が失陥し(異物の噛み込みによる作動不良等が発生し)、カム位相の制御が行えなくなってしまう可能性がある。そこで、カム位相制御の異常(バルブオーバラップ期間の過大)が検出された場合、燃料噴射量を増大させることによってエンジンの失火やストールを防止するフェールセーフ制御が提案されている(特許文献2参照)。
特開2002−285872号公報 特許第2569999号
しかしながら、特許文献2のフェールセーフ制御を採用した場合にも、カム位相の可変範囲の設定状況によっては過大なバルブオーバラップが生じ、燃料噴射量を増大させても十分な吸気量が確保できないことによって失火が生じる可能性がある。この場合、エンジンがストールし、再始動させることもできなくなり、整備工場等の施設が無い山間路等において運転者が多大な不安を憶える虞があった。
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、油圧制御弁の失陥時等においても、エンジン停止後の再始動時に所定のカム位相が確立されるようにしたカム位相可変型内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油圧室と遅角側油圧室とを連絡する油圧回路を切り換えることにより、前記カム位相の変化を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相制御手段と、その作動時において、前記進角側油圧室と前記遅角側油圧室とを連通させるバイパス手段と、その作動時において、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを所定の結合角度をもって結合/一体化するカム位相固定手段と、所定条件の下に、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを前記結合角度に相対回転させるべく、前記バイパス手段と前記カム位相固定手段とを作動させる結合制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明に係るカム位相可変型内燃機関において、前記バイパス手段が前記カムシャフトの軸心と略平行に作動する弁体を有することを特徴とする。
また、第3の発明は、所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油圧室と遅角側油圧室とを連絡する油圧回路を切り換えることにより、前記カム位相の変化を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相制御手段と、前記第1回転部材または前記第2回転部材の回転に伴う遠心力によって前記カムシャフトの軸心から離反する方向に移動する弁体と、当該弁体を前記カムシャフトの軸心側に付勢する付勢手段とを有し、前記第1回転部材または前記第2回転部材の回転速度が所定値以下であるときに前記進角側油圧室と前記遅角側油圧室とを連通させるバイパス手段と、その作動時において、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを所定の結合角度をもって結合/一体化するカム位相固定手段と、所定条件の下に、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを前記結合角度で結合させるべく、前記カム位相固定手段を作動させる結合制御手段とを備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、油圧制御弁が失陥した場合においても、結合制御手段がバイパス手段とカム位相固定手段とを作動させると、先ずカム位相制御手段の進角側油圧室と遅角側油圧室とがバイパス手段によって連通されることで、第1回転部材と第2回転部材とが結合角度側に相対回転できるようになる。そして、エンジンが停止する際や再始動する際に、カムシャフトが受けるカムトルクによって第1回転部材と第2回転部材とが結合角度側に断続的に相対回転し、例えば始動時カム位相となった瞬間に第1回転部材と第2回転部材とがカム位相固定手段によって結合され、円滑な再始動やその後の運転が可能となる。また、第2の発明によれば、カムシャフトの回転に伴う遠心力を受け難くなるため、バイパス手段の円滑な作動が実現される。また、第3の発明によれば、バイパス手段を駆動するための油圧回路等が不要となり、構成部品点数の削減が実現される。
以下、図面を参照して、本発明に係るカム位相可変型内燃機関の実施形態およびその変形例を詳細に説明する。
〔実施形態〕
図1は実施形態に係る自動車用エンジンの要部透視斜視図であり、図2は実施形態に係るVTCアクチュエータの分解斜視図であり、図3は実施形態に係るVTCアクチュエータの概略構成図である。
≪実施形態の構成≫
<全体構成>
図1に示すエンジン(カム位相可変型内燃機関)Eは、自動車に搭載されるDOHC4バルブ型の4サイクル直列4気筒ガソリンエンジンであり、そのシリンダヘッド1に、各気筒2本ずつの吸気バルブ2および排気バルブ3、これら吸排気バルブ2,3を駆動する吸気カムシャフト4および排気カムシャフト5を備えている。両カムシャフト4,5は、クランクスプロケット6、カムチェーン7、吸気カムスプロケット8、排気カムスプロケット9を介して、クランクシャフト10によって1/2の回転速度をもって回転駆動される。また、クランクシャフト10は、コネクティングロッド11を介してピストン12に連結されるとともに、チェーン13を介して斜め下方に設置されたオイルポンプ14を駆動する。
吸気カムシャフト4の前端にはVTCアクチュエータ21が取り付けられ、シリンダヘッド1およびシリンダブロック15にはオイルポンプ14からの作動油(エンジンオイル)をVTCアクチュエータ21に供給するための油路16が形成されている。また、シリンダヘッド1にはノーマルオープン型の電磁シャットバルブ(油圧遮断手段)17が装着されており、この電磁シャットバルブ17によって後述するロックピン33とバイパスバルブ36とに対する作動油の供給/排出が行われる。なお、電磁シャットバルブ17は、図示しないエンジンECUからの駆動電流によって閉鎖(遮断)駆動される。
<VTCアクチュエータ>
図2に示すように、VTCアクチュエータ21は、外周に吸気カムスプロケット8が形成されたハウジング(第1回転部材)22、ハウジング22内に回転自在に保持されるとともに吸気カムシャフト4の前端にその後面が締結されるロータ(第2回転部材)23、ハウジング22の前面を覆うフロントプレート24、ハウジング22の後面を覆うバックプレート25、フロントプレート24の内周側に配置されたリードバルブ26、リードバルブ26をロータ23に固定するリードバルブカバー27、ハウジング22とロータ23とを進角方向に相対回動させるバイアススプリング28、吸気カムシャフト4およびロータ23の軸心に保持されたバルブスリーブ29、バルブスリーブ29に摺動自在に内嵌したスプールバルブ(油圧制御弁)30、エンジンECUによって制御されることによってスプールバルブ30を軸方向に駆動するリニアソレノイド31、スプールバルブ30をリニアソレノイド31側に付勢するリターンスプリング32、ロータ23に保持されたロックピン33、ロックピン33をバックプレート25側に付勢するロックピンスプリング34、ロータ23に保持されてロータ23内の油路から油路16への作動油の逆流を防止するチェックバルブ35、ロータ23に保持されたバイパスバルブ(バイパス手段:弁体)36、バイパスバルブ36をリードバルブ26側に付勢するバイパスバルブスプリング(バイパス手段:付勢手段)37を主要構成要素としている。
図3に示すように、ロータ23の外周には比較的薄幅の第1,第2ベーン41,42と比較的厚幅の第3,第4ベーン43,44とが立設される一方、ハウジング22の内周にはこれらベーン41〜44を所定角度(本実施形態では、35°)をもって相対回動自在に収容する第1〜第4ベーン室45〜48が形成されている。本実施形態の場合、第1ベーン41および第1ベーン室45は第1油圧駆動型位相可変機構(Oil Pressure Actuated phaser:以下、OPAと記す)61の構成要素であり、第2ベーン42および第2ベーン室46は第2OPA62の構成要素であり、第3ベーン43および第3ベーン室47はカムトルク駆動型位相可変機構(Cam Torque Actuated phaser:カム位相制御手段:以下、CTAと記す)63の構成要素である。
第4ベーン44にはロックピン33およびロックピンスプリング34が収容されており、ロックピン解除油路への作動油の供給が行われない場合にのみ、ロックピンスプリング34のばね力によってロックピン33の先端がバックプレート25に形成されたロック孔25aに嵌入可能となる。なお、ロック孔25aは、始動時に適したカム位相(始動時カム位相:本実施形態では、最進角位相)が得られる位置に設けられている。図3中、符号49で示す部材はロータ23の外周に設けられたロータ側シールであり、符号50で示す部材はハウジング22の内周に設けられたハウジング側シールである。
第1,第2ベーン室45,46は、第1,第2ベーン41,42により、スプールバルブ30からの作動油が供給油路51,52を介して供給される進角側油圧室45a,46aと、ドレイン通路53,54に接続する遅角室45b,46bとにそれぞれ区画されている。また、第3ベーン室47は、第3ベーン43により、進角側油路56とリードバルブ26の第2弁体26bとを介してスプールバルブ30に連通する進角側油圧室47aと、遅角側油路55とリードバルブ26の第1弁体26aとを介してスプールバルブ30に連通する遅角側油圧室47bとに区画されている。
<バイパスバルブ>
バイパスバルブ36は、その中間部に連通溝36aを有しており、第3ベーン43に吸気カムシャフト4の軸心と平行に穿設されたバルブ保持孔43a内に摺動自在に保持されている。また、バイパスバルブスプリング37は、バイパスバルブ36の軸心に形成されたスプリング保持孔に収容されており、バイパスバルブ36をリードバルブ26側に常時付勢している。第3ベーン43には、バイパスバルブ36の一端に電磁シャットバルブ17からの油圧を導入するための油圧導入孔43bと、遅角側油圧室47bとバルブ保持孔43aとを接続する連通油路43cと、リードバルブ26の前面に形成された油室とバルブ保持孔43aとを接続する連通油路43dとが形成されている。そして、図4(a)に示すように、油圧導入孔43bに油圧が導入されると、バイパスバルブ36がバックプレート25側に移動して両連通油路43c,43dが遮断される。また、図4(b)に示すように、油圧導入孔43bから油圧が排出されると、バイパスバルブスプリング37のばね力によってバイパスバルブ36がリードバルブ26側に移動し、両連通油路43c,43dがバイパスバルブ36の連通溝36aを介して連通される。
≪実施形態の作用≫
以下、図5〜図9の模式図を参照して本実施形態の作用を説明する。
<進角作動>
エンジンEの運転中に吸気カムシャフト4を進角させる場合、エンジンECUは、図5に示すように、電磁シャットバルブ17によって油路16を連通させた状態で、リニアソレノイド31によってスプールバルブ30を進角位置(図中、右方)に移動させる。すると、オイルポンプ14から油路16を経由して供給された作動油は、ロックピン33を解除状態で保持するとともに、スプールバルブ30を介して第1,第2OPA61,62側の進角側油圧室45a,46aに流入して第1,第2ベーン41,42を進角側に付勢する。なお、エンジンEの通常運転時には電磁シャットバルブ17に駆動電流が供給されず(油路16が連通され)、オイルポンプ14からの作動油によってロックピン33が解除状態で保持される。一方、CTA63では、吸気カムシャフト4に進角側のカムトルクが作用し、ハウジング22に対してロータ23が進角側に相対回転するごとにリードバルブ26の第2弁体26bが開き、遅角側油圧室47b内の作動油がスプールバルブ30を介して進角側油圧室47aに流入する。また、遅角側のカムトルクが作用した場合には、リードバルブ26の第1,第2弁体26a,26bは閉じ、作動油の移動は起こらずにカム位相が保持される。これら第1,第2OPA61,62およびCTA63の作動により、ロータ23がハウジング22に対して図中時計回りに相対回転し、吸気カムシャフト4が進角する。なお、CTA63への作動油の供給は、エンジンEの運転開始時に、チェックバルブ35を介してCTA63が満たされるまで行われる。
<遅角作動>
エンジンEの運転中に吸気カムシャフト4を遅角させる場合、エンジンECUは、図6に示すように、リニアソレノイド31によってスプールバルブ30を遅角位置(図中、左方)に移動させる。すると、第1,第2OPA61,62では、進角側油圧室45a,46a内の作動油がスプールバルブ30を介してドレイン通路53,54から排出され、第1,第2ベーン41,42を進角側に付勢する付勢力がなくなる。一方、CTA63では、吸気カムシャフト4に遅角側のカムトルクが作用し、ハウジング22に対してロータ23が遅角側に相対回転するごとにリードバルブ26の第1弁体26aが開き、進角側油圧室47a内の作動油が遅角側油圧室47bに流入する。また、進角側のカムトルクが作用した場合には、リードバルブ26の第1,第2弁体26a,26bは閉じ、作動油の移動は起こらずにカム位相が保持される。これら第1,第2OPA61,62およびCTA63の作動により、ロータ23がハウジング22に対して図中反時計回りに相対回転し、吸気カムシャフト4が遅角する。
<保持作動>
上述した進角作動や遅角作動によって目標とするカム位相が得られると、エンジンECUは、図7に示すように、リニアソレノイド31によってスプールバルブ30を保持位置(図中、中央)に移動させる。すると、第1,第2OPA61,62では、進角側油圧室45a,46a内の作動油がスプールバルブ30によって封じ込められ、第1,第2ベーン41,42が移動できなくなる。一方、CTA63では、進角側油圧室47aと遅角側油圧室47bとの間で作動油が移動できなくなり、第3ベーン43も移動できなくなる。これら第1,第2OPA61,62およびCTA63の作動により、ロータ23がハウジング22に対して相対回転しなくなり、吸気カムシャフト4のカム位相が保持される。
<停止作動>
運転者がイグニッションキーをOFFにしてエンジンEを停止させるとエンジンEの回転速度は急速に低下するが、エンジンECUは、その後所定時間にわたり、電磁シャットバルブ17に駆動電流を供給するとともに、リニアソレノイド31にも進角側に作動させる駆動電流を供給する。すると、図8に示すように、ロックピン33に供給されていた作動油が電磁シャットバルブ17から排出され、ロックピンスプリング34のばね力によってロックピン33がバックプレート25側に付勢されるようになる。また、第1,第2OPA61,62では、スプールバルブ30が進角位置に移動することにより、オイルポンプ14からの作動油がスプールバルブ30を介して進角側油圧室45a,46aに供給され、第1,第2ベーン41,42を進角側に付勢する。また、ロックピン33と同様に、バイパスバルブ36に供給されていた作動油が電磁シャットバルブ17から排出され、バイパスバルブスプリング37のばね力によってバイパスバルブ36がリードバルブ26側(図8中の上方)に移動する。一方、CTA63では、スプールバルブ30だけでなく、連通油路43c,43dとバイパスバルブ36の連通溝36aとを介しても、遅角側油圧室47b内の作動油が進角側油圧室47aに流入するようになる。これにより、ロータ23がハウジング22に対して進角側に相対回転し、始動時カム位相となった瞬間に、ロックピン33がロック孔25aに嵌入してロータ23とハウジング22とがロックされる。
<異常時作動>
リニアソレノイド31の断線やスプールバルブ30の固着等が生じ、カム位相の制御が行えなくなった場合、エンジンECUは、インストルメントパネル等に設置された異常警告灯を点灯させるとともに、エンジンEの再始動時に電磁シャットバルブ17に駆動電流を供給する。図9に示すように、スプールバルブ30が例えば保持位置で固着していた場合、第1,第2OPA61,62では、エンジンEがイグニッションキーOFFされた後におけるリークにより、進角側油圧室45a,46aの作動油がVTCアクチュエータ21の外部に徐々に排出される。また、CTA63内では、バイパスバルブ36に供給されていた作動油が電磁シャットバルブ17から排出され、バイパスバルブスプリング37のばね力によってバイパスバルブ36がリードバルブ26側(図9中の上方)に移動することで、連通油路43c,43dとバイパスバルブ36の連通溝36aと介して、遅角側油圧室47b内の作動油が進角側油圧室47aに流入するようになる。この際、バイパスバルブ36が吸気カムシャフト4の軸心と平行に設置されているため、VTCアクチュエータ21の回転に伴う遠心力がバイパスバルブ36に殆ど作用せず、バイパスバルブ36の円滑な作動が実現される。
これにより、図9中に矢印で示すように、遅角側油圧室47b内の作動油が進角側油圧室47aに流入することで、吸気カムシャフト4が受けるカムトルクによってロータ23とハウジング22とが進角側に断続的に相対回転し、始動時カム位相(最進角位相)となった瞬間にロックピン33がロック孔25aに嵌入し、ロータ23とハウジング22とがロックされて円滑な再始動が実現される。そして、運転者は、始動時カム位相のままエンジンEを運転させ、自動車を整備工場等に搬送することができるようになる。なお、ロータ23とハウジング22とのロックは、エンジンEの停止時に行われなかった場合にも、再始動時(クランキング時)に行われる。
〔一部変形例〕
図10は、一部変形例に係るVTCアクチュエータの概略構成図である。一部変形例では、バイパスバルブおよびその周辺を除いて上述した実施形態と略同様の構成を採っているため、実施形態と重複した部分の説明は省略する。
≪一部変形例の構成≫
図10に示すように、一部変形例のVTCアクチュエータ21では、バイパスバルブ36とチェックバルブ40とが第3ベーン43に保持されるとともに、進角側油圧室47aと遅角側油圧室47bとを接続する連通油路43c,43dが第3ベーン43に形成されている。バイパスバルブ36は、その中間部に連通溝36aを有しており、第3ベーン43の中間部にラジアル方向に穿設されたバルブ保持孔43aに収容されている。バイパスバルブ36は、バイパスバルブスプリング(付勢手段)37によって、VTCアクチュエータ21(すなわち、吸気カムシャフト4)の軸心方向に常時付勢されている。また、チェックバルブ40は、連通油路43cの進角側油圧室47a側に圧入されており、作動油を遅角側油圧室47bから進角側油圧室47aへのみ流入させる。なお、エンジンEの停止時(図10の状態)においては、両連通油路43c,43dがバイパスバルブ36の連通溝36aを介して連通される。
≪一部変形例の作用≫
エンジンEの通常運転時においては、VTCアクチュエータ21が吸気カムシャフト4とともに所定の回転速度(例えば、600rpm)以上で回転しており、バイパスバルブ36には比較的大きな遠心力が作用する。この場合、図11(a)に示すように、バイパスバルブ36は、バイパスバルブスプリング37のばね力に打ちかってVTCアクチュエータ21の軸心から離間する方向に移動し、両連通油路43c,43dを遮断する。これにより、上述した実施形態と同様に、スプールバルブ30が進角作動や遅角作動、保持作動することにより、ロータ23とハウジング22との進角方向や遅角方向への相対回動や保持が行われる。また、エンジンEの停止によってエンジン回転速度が低下した際には、図11(b)に示すように、バイパスバルブ36は、遠心力が弱まることでバイパスバルブスプリング37のばね力によってVTCアクチュエータ21の軸心方向に移動し、その連通溝36aを介して両連通油路43c,43dを連通させる。これにより、遅角側油圧室47bの作動油がチェックバルブ40を介して進角側油圧室47a側に流入できるようになるため、吸気カムシャフト4が受けるカムトルクによってロータ23とハウジング22とが進角側に断続的に相対回転する。そして、始動時カム位相(最進角位相)となった瞬間にロックピン33がロック孔25aに嵌入し、ロータ23とハウジング22とがロックされて円滑な再始動が実現される。
一方、リニアソレノイド31の断線やスプールバルブ30の固着等が生じ、カム位相の制御が行えなくなった場合には、エンジンECUは、インストルメントパネル等に設置された異常警告灯を点灯させるとともに、エンジンEの再始動時に電磁シャットバルブ17に駆動電流を供給する。この場合には、実施形態と同様に、第1,第2OPA61,62では、エンジンEがイグニッションキーOFFされた後におけるリークにより、進角側油圧室45a,46aの作動油がVTCアクチュエータ21の外部に徐々に排出される。また、CTA63内では、エンジン回転速度の低下とともに遠心力が弱まることで、バイパスバルブ36は、バイパスバルブスプリング37のばね力によってVTCアクチュエータ21の軸心方向に移動し、その連通溝36aを介して両連通油路43c,43dを連通させる。これにより、遅角側油圧室47bの作動油がチェックバルブ40を介して進角側油圧室47a側に流入できるようになるため、吸気カムシャフト4が受けるカムトルクによってロータ23とハウジング22とが進角側に断続的に相対回転する。そして、始動時カム位相(最進角位相)となった瞬間にロックピン33がロック孔25aに嵌入し、ロータ23とハウジング22とがロックされて円滑な再始動が実現される。なお、ロータ23とハウジング22とのロックは、実施形態と同様に、エンジンEの停止時に行われなかった場合にも、再始動時(クランキング時)に行われる。
本実施形態や一部変形例では、上述したように、比較的簡易かつ安価な構造を採りながら、異常時におけるエンジンEの再始動を円滑に行うことができるようになる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や一部変形例に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態や一部変形例は本発明を直列4気筒DOHCガソリンエンジンに適用したものであるが、V型エンジンやディーゼルエンジン等にも当然に適用可能である。また、上記実施形態は吸気カムシャフト側のみにVTCを備えたエンジンに本発明を適用したものであるが、排気カムシャフト側にもVTCを備えたエンジンに適用してもよく、その場合にもシリンダヘッドに設置した1つの電磁シャットバルブで両VTCのロックピンやリードバルブへの作動油の供給を停止できる。
また、実施形態や一部変形例のCTAでは、進角側油圧室および遅角側油圧室をともに第3ベーン室に形成するようにしたが、例えば、進角側油圧室を第2ベーン室に形成し、遅角側油圧室を第3ベーン室に形成するようにしてもよい。そして、一部変形例でその形態を採った場合には、ハウジングにおける第2ベーン室と第3ベーン室との間にリードバルブを設置することにより、上述したものと同様の作用効果が得られる。なお、一部変形例におけるチェックバルブは、始動時カム位相を短時間で達成されるために、カムトルクによるロータとハウジングとの相対回転を進角側のみに行わせるものであるが、必ずしも設けなくてもよい。また、一部変形例では、CTA側のみにバイパスバルブを設置したが、ロータとハウジングとの相対回転を円滑に行わせるために、OPA側にもリードバルブを設置してもよい。更に、上記実施形態や一部変形例は、カム位相制御手段としてCTAとOPAとを有するVTCアクチュエータに本発明を適用したものであるが、本発明は、OPAのみを有するVTCアクチュエータに適用してもよく、その場合には、OPAの進角側油圧室と遅角側油圧室とをバイパスバルブによって連通させることになる。その他、VTCアクチュエータをはじめ、エンジンや動弁機構の具体的構成等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの分解斜視図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの概略構成図である。 実施形態に係るバイパスバルブの作動態様を示す横断面図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの進角作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの遅角作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの保持作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの停止作動を示す模式図である。 実施形態に係るVTCアクチュエータの異常時作動を示す模式図である。 一部変形例に係るVTCアクチュエータの概略構成図である。 一部変形例の作用を示す説明図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
4 吸気カムシャフト
8 吸気カムスプロケット
10 クランクシャフト
14 オイルポンプ
16 油路
17 電磁シャットバルブ(油圧遮断手段)
21 VTCアクチュエータ
22 ハウジング(第1回転部材)
23 ロータ(第2回転部材)
26 リードバルブ
30 スプールバルブ
31 リニアソレノイド
32 リターンスプリング
33 ロックピン
36 バイパスバルブ(バイパス手段:弁体)
37 バイパスバルブスプリング(バイパス手段:付勢手段)
40 チェックバルブ
43 第3ベーン
43a バルブ保持孔
43b 油圧導入孔
43c 連通油路
43d 連通油路
47 第3ベーン室
47a 進角側油圧室
47b 遅角側油圧室
61 第1OPA
62 第2OPA
63 CTA(カム位相制御手段)
E エンジン

Claims (3)

  1. 所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、
    クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、
    カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、
    前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油圧室と遅角側油圧室とを連絡する油圧回路を切り換えることにより、前記カム位相の変化を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相制御手段と、
    その作動時において、前記進角側油圧室と前記遅角側油圧室とを連通させるバイパス手段と、
    その作動時において、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを所定の結合角度をもって結合/一体化するカム位相固定手段と、
    所定条件の下に、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを前記結合角度に相対回転させるべく、前記バイパス手段と前記カム位相固定手段とを作動させる結合制御手段と
    を備えたことを特徴とするカム位相可変型内燃機関。
  2. 前記バイパス手段が前記カムシャフトの軸心と略平行に作動する弁体を有することを特徴とする、請求項1に記載されたカム位相可変型内燃機関。
  3. 所定の角度範囲をもってカム位相が可変制御されるカム位相可変型内燃機関であって、
    クランクシャフトに同期して回転する第1回転部材と、
    カムシャフトと一体に回転するとともに前記第1回転部材に相対回転可能に連結される第2回転部材と、
    前記第1回転部材および前記第2回転部材の間に形成された進角側油圧室と遅角側油圧室とを連絡する油圧回路を切り換えることにより、前記カム位相の変化を進角と遅角と保持との間でシフトさせるカム位相制御手段と、
    前記第1回転部材または前記第2回転部材の回転に伴う遠心力によって前記カムシャフトの軸心から離反する方向に移動する弁体と、当該弁体を前記カムシャフトの軸心側に付勢する付勢手段とを有し、前記第1回転部材または前記第2回転部材の回転速度が所定値以下であるときに前記進角側油圧室と前記遅角側油圧室とを連通させるバイパス手段と、
    その作動時において、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを所定の結合角度をもって結合/一体化するカム位相固定手段と、
    所定条件の下に、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを前記結合角度で結合させるべく、前記カム位相固定手段を作動させる結合制御手段と
    を備えたことを特徴とするカム位相可変型内燃機関。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103306771A (zh) * 2012-03-06 2013-09-18 日立汽车系统株式会社 内燃机的阀正时控制装置
DE112011103646B4 (de) 2010-11-02 2022-03-31 Borgwarner Inc. Nockenmomentbetriebener Phasenversteller mit Mittelpositionssperre

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