JP2009221715A - 支承構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下沓1の上面および上沓2の下面のうちのいずれか一方には、筒部20が突設されるとともに、下沓1の上面および上沓2の下面のうちのいずれか他方には、筒部20の内側に配置された突出部11が突設され、弾性体3は、筒部20と突出部11との間に、前記一方において筒部20の内側に位置する部分、筒部20の内周面および突出部11に接着した状態で配置された第1弾性体3aと、この第1弾性体3aと一体に形成されるとともに前記他方において突出部11の外側に位置する部分と筒部20の先端縁との間に配置された第2弾性体3bと、を備え、この第2弾性体3bは、前記他方および筒部20の先端縁のうち少なくとも一方に非接着となっている。
【選択図】図2
Description
そして、下沓の上面および上沓の下面それぞれの外周縁部同士の間には上下方向の隙間が設けられており、この支承構造に圧縮荷重が作用したときに、前記隙間を狭めつつ前記弾性体を下方に圧縮変形するようになっている。
また、第2弾性体が、第1弾性体と一体に形成されるとともに、前記他方および筒部の先端縁のうち少なくとも一方に非接着となっているので、この支承構造に圧縮荷重が作用したときに、第1弾性体および第2弾性体を鉛直方向に圧縮変形させつつ第2弾性体を筒部の径方向外側に向けて膨出変形させることが可能になり、第1弾性体の鉛直方向における圧縮変形量を大きく確保することができる。すなわち、第2弾性体が筒部の径方向外側に向けて膨出変形することで、この変形に第1弾性体を追随させてその圧縮変形を増長させることができる。したがって、第1弾性体の厚さを大きくしなくても、上部構造の上方に向けた変位に対する追随性を十分に確保することが可能になり、この支承構造のコンパクト化を図ることができる。これにより、例えば既設の鋼製支承と置き換える場合等、設置スペースの高さが低く制限されていてもこの支承構造を容易に設置することができる。
またこのように、第2弾性体が、前記他方および筒部の先端縁のうち少なくとも一方に非接着となっているので、支承構造に水平荷重が作用したときに、下沓および上沓の水平方向に沿った相対変位が第2弾性体によって拘束されるのを防ぐことが可能になり、弾性体に第2弾性体を備えさせたことによって支承構造の機能が阻害されるのを防ぐことができる。
さらに、前記一方に設けられた筒部の内側に、前記他方に設けられた突出部が配置されているので、支承構造に水平方向のうち前記筒体の径方向に沿った力が作用して、下沓と上沓とが相対的に径方向に変位したときに、筒体と突起部とを第1弾性体を介して互いに係止させ合うことにより、この変位を規制することができる。したがって、この変位を規制するために、例えばサイドブロック等の部材を別途設ける必要が無いため、支承構造のコンパクト化を図ることが可能になる。
また、第1弾性体が、筒部と突出部との間に、前記一方において筒部の内側に位置する部分、筒部の内周面および前記突出部に接着した状態で配置されているので、下沓と上沓とが前記径方向に沿って相対的に変位したときに、筒部と突出部とが直接衝突するのを防いでこの支承構造に大きな負荷がかかるのを防止することができる。
さらに、このように筒部と突出部との間に第1弾性体が配置されていることから、下沓と上沓とが前記径方向に沿って相対的に変位したときに、第1弾性体において筒部の内周面と突出部の外周面との間に位置する部分の一部が、前記径方向に圧縮変形することになり、この支承構造に上部構造および下部構造の前記径方向に沿った相対変位に対する追随性を具備させることもできる。
さらにまた、第1弾性体が、前記一方において筒部の内側に位置する部分、筒部の内周面および前記突出部に接着しているので、この支承構造に下沓と上沓とを引き離す上下方向の引張力が作用したときに、この引張力に対して第1弾性体が抵抗することになり、支承構造の鉛直方向における過度の変位を規制することができる。
この場合、第1弾性体および第2弾性体が同一の材質で形成されているので、前述の作用効果を有する支承構造を容易に形成することができる。
この場合、第1弾性体に中空部が形成されているので、この支承構造に圧縮荷重が加えられたときに、第1弾性体の一部が中空部内に膨出することになり、第1弾性体の鉛直方向における圧縮変形量を大きく確保することができる。したがって、この支承構造をより一層コンパクトにすることができる。
この場合、圧縮荷重が加えられたときに第1弾性体が膨出する空間を大きく確保することが可能になる。
この場合、例えば中空部の径(平面形状)や数等を変更しなくても、中空部の深さを調整するだけでその容積が調整され、第1弾性体の上下方向における圧縮変形量が調整されることになる。
この場合、中空部を形成するための中子等を貫通孔から引き抜くことが可能であり、中空部を有する支承構造が容易に形成される。
この場合、中子等を貫通孔から引き抜く工程の後、貫通孔を栓体で閉塞する工程を行うことで、粉塵や水等がこの貫通孔を通って下沓と上沓との間に入り込むのを防ぐことが可能になり、下沓の上面および上沓の下面のうちのいずれか一方において筒部の内側に位置する部分、筒部の内周面および突出部と第1弾性体との接着を長期にわたって確実に維持することができる。
なお、栓体が貫通孔に嵌合された場合には、貫通孔を形成したことによる下沓や上沓の強度低下も抑えられる。
この場合、下部構造および上部構造と支承構造とが相対的に水平方向に沿って変位したときに、これらの下部構造および上部構造の少なくとも一方を、すべり材上を抵抗少なく滑らせて支承構造に対して変位させることが可能になる。したがって、例えば気温等の影響により下部構造や上部構造が伸縮した場合に、この伸縮に伴って支承構造の下沓および上沓が水平方向に沿って変位させられるのを抑制することができる。
本実施形態の支承構造は、図1および図2に示されるように、橋梁の橋脚4の上端面と主桁5の下面との間に介装された固定式支承である。この支承構造は、橋脚4(下部構造)に固定される下沓1と、主桁5(上部構造)に固定される上沓2と、下沓1と上沓2との間に介在された弾性体3と、を備えている。なお、図示の例では、上沓2と主桁5との間には、図示せぬボルト孔を有するソールプレート8が介在されており、前記ボルト孔に挿入されたボトル7によって、これらの上沓2、主桁5およびソールプレート8が固定されている。
第2弾性体3bは、下沓1の上面および外筒部20の先端縁のうちの少なくとも一方に非接着となっている。本実施形態では、第2弾性体3bは、下沓1の上面および外筒部20の先端縁の双方に非接着となっている。また、第2弾性体3bは、内周面が内筒部11の外周面に接着し、上面が外筒部20の先端縁に当接し、かつ下面が下沓1の上面に当接した円環板状に形成されている。なお、これに代えて、第2弾性体3bの内周面は内筒部11の外周面に接着しなくてもよい。
また、これらの第1弾性体3aおよび第2弾性体3bは同一の材質で一体に形成されている。
また、第1弾性体3aおよび第2弾性体3bが同一の材質で形成されているので、前述の作用効果を有する支承構造を容易に形成することができる。
またこのように、第2弾性体3bが、下沓1の上面および外筒部20の先端縁のうち少なくとも一方に非接着となっているので、支承構造に水平荷重が作用したときに、下沓1および上沓2の水平方向に沿った相対変位が第2弾性体3bによって拘束されるのを防ぐことが可能になり、弾性体3に第2弾性体3bを備えさせたことによって支承構造の機能が阻害されるのを防ぐことができる。
さらに、このように外筒部20と内筒部11との間に第1弾性体3aが配置されていることから、下沓1と上沓2とが前記径方向に沿って相対的に変位したときに、第1弾性体3aにおいて外筒部20の内周面と内筒部11の外周面との間に位置する部分の一部が、前記径方向に圧縮変形することになり、この支承構造に橋脚4および主桁5の前記径方向に沿った相対変位に対する追随性を具備させることもできる。
さらに、この中空部30が、第1弾性体3aを鉛直方向に貫通しているため、圧縮荷重が加えられたときに第1弾性体3aが膨出する空間を大きく確保することが可能になる。
さらに、この貫通孔21が栓体23で閉塞されているので、粉塵や水等がこの貫通孔21を通って下沓1と上沓2との間に入り込むのを防ぐことが可能になり、下沓1および上沓2と第1弾性体3aとの接着を長期にわたって確実に維持することができる。
なお、前述のように栓体が貫通孔21に嵌合された場合には、貫通孔21を形成したことによる下沓1や上沓2の強度低下も抑えられる。
上記した第1実施形態では、固定式の支承構造について説明したが、本発明は、図5に示すように、可動式の支承構造にすることも可能である。本実施形態では、この可動式の支承構造について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
以下、図6および図7に基づいて詳しく説明する。なお、主桁5の延在方向(図6の紙面に沿って上下方向)を桁行方向とし、その桁行方向に直交する方向(図6の紙面に沿って左右方向)を桁幅方向とする。
一方、下沓1の上面には、桁幅方向に間隔を置いてサイドブロック12が一対配設されている。一対のサイドブロック12は、中間プレート9の両外側にそれぞれ配設されており、サイドブロック12の上端には、上記した中間プレート9の段差部91の内側に配置される係止部12aが突設されている。
なお、主桁5は、桁行方向には段差部91と係止部12aとの桁行方向に沿った間隔だけ支承構造に対して変位する一方、桁幅方向には一対のサイドブロック12により拘束されて変位不能になっている。
具体的に説明すると、橋脚4の上端面にアンカーボルト6により固定されたベースプレートを設置し、このベースプレートの上面にステンレス板90を固定し、下沓1の下面に、ステンレス板90に滑動可能に当接させるすべり板22を固定する。このとき、下沓1は橋脚4に固定せず、これら1、4を相対的に水平方向に沿って移動可能にする。
以上より、下沓1に固定されたすべり板22上を、橋脚4に固定されたステンレス板90が抵抗少なく滑動することができる。
上記した第1、第2実施形態では、突出部として円筒形状の内筒部11を形成したが、本発明は、図8に示すように、突出部として円盤形状の凸部111が下沓1に突設された構成にすることも可能である。
例えば、上記した第1〜第3実施形態では、弾性体3として第1弾性体3aおよび第2弾性体3bが同一の材質で一体に形成された構成を示したが、これに代えて互いに異なる材質で形成してもよい。
また、上記した第1〜第3実施形態では、下沓1の上面に内筒部11や凸部111が突設され、上沓2の下面に外筒部20が突設されているが、本発明は、下沓1の上面に外筒部(筒部)が突設され、上沓2の下面に内筒部や凸部(突出部)が突設されていてもよい。
この場合、支承構造に鉛直方向荷重が加えられたときの弾性体3の圧縮変形量を抑えることが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
2 上沓
3 弾性体
3a 第1弾性体
3b 第2弾性体
4 橋脚(下部構造)
5 主桁(上部構造)
11、111 内筒部(突出部)
20 外筒部(筒部)
21 貫通孔
22 すべり板(すべり材)
23 栓体
30、130 中空部
Claims (8)
- 下部構造上に配置される下沓と、該下沓の上方に配置され上部構造を支持する上沓と、これらの下沓と上沓との間に配置された弾性体と、を備える支承構造であって、
前記下沓の上面および前記上沓の下面のうちのいずれか一方には、筒部が突設されるとともに、前記下沓の上面および前記上沓の下面のうちのいずれか他方には、前記筒部の内側に配置された突出部が突設され、
前記弾性体は、筒部と突出部との間に、前記一方において筒部の内側に位置する部分、筒部の内周面および前記突出部に接着した状態で配置された第1弾性体と、この第1弾性体と一体に形成されるとともに前記他方において突出部の外側に位置する部分と筒部の先端縁との間に配置された第2弾性体と、を備え、この第2弾性体は、前記他方および筒部の先端縁のうち少なくとも一方に非接着となっていることを特徴とする支承構造。 - 請求項1記載の支承構造であって、
前記第1弾性体および第2弾性体は同一の材質で形成されていることを特徴とする支承構造。 - 請求項1または2に記載の支承構造であって、
前記第1弾性体に中空部が形成されていることを特徴とする支承構造。 - 請求項3記載の支承構造にであって、
前記中空部は、前記第1弾性体を上下方向に貫通していることを特徴とする支承構造。 - 請求項3記載の支承構造にであって、
前記中空部は、非貫通の有底孔であることを特徴とする支承構造。 - 請求項3から5のいずれか1項に記載の支承構造にであって、
前記下沓および前記上沓のうち少なくとも一方には、前記中空部に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする支承構造。 - 請求項6記載の支承構造において、
前記貫通孔は栓体で閉塞されていることを特徴とする支承構造。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の支承構造にであって、
前記下沓の下面および上沓の上面のうち少なくとも一方には、下沓および上沓を形成する材質よりも摩擦係数が小さい材質で形成されたすべり材が配設されていることを特徴とする支承構造。
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JP2007132044A (ja) * | 2005-11-09 | 2007-05-31 | Nitta Ind Corp | 構造物用弾性支承体 |
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