JP2009221522A - 大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板を提供する。
【解決手段】スキンプレート用鋼板は、C、Si、Mn等を含有するとともにTi、N、Bが下記式(1)〜(3)を満たし、鋼板の縦断面において、Caを含有する円相当径5μm以上の介在物が5個/mm以下で、長さ50μm以上のMnS系介在物が2個/cm以下であり、鋼板の中心偏析部のC濃度が、鋼板全体の平均C濃度の1.2倍以下である。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば高層建築構造物の建築鉄骨として使用されるボックス柱(四面ボックス柱、溶接組立箱形断面柱などとも言う)のスキンプレートに適用される鋼板に関し、エレクトロスラグ溶接や角部サブマージアーク溶接等の、入熱量が400kJ/cm以上の大入熱溶接をしたときに熱影響を受ける部位(以下、「HAZ」と呼ぶことがある)の板厚方向靭性に優れた鋼板に関する。
高層建築構造物に適用される柱は、4枚の長い鋼板(スキンプレート)をボックス柱形状になるように長辺角部を溶接し、さらに梁が溶接される予定になっている箇所には、強度を確保するために柱内にダイヤフラムを溶接しておくことによって製造される。これらの溶接を行う場合、施工効率の向上や施工時間の短縮を図るため、一パスでの溶接が望まれる。そこで、スキンプレート間の溶接となる角部溶接では入熱量が400〜600kJ/cm程度の大入熱サブマージアーク溶接を行い、スキンプレートとダイヤフラムとの溶接では入熱量が400〜1200kJ/cm程度の大入熱エレクトロスラグ溶接が行われるようになってきている。しかし、大入熱溶接を行うと溶接熱影響部(HAZ)の金属組織が粗大化することにより、溶接部の靭性が劣化する。耐震性を向上するには、むしろ溶接部の靭性向上が望まれる。特に、入熱量が400kJ/cm以上の大入熱溶接は、一部の建築構造で行われているエレクトロガス溶接とは異なり、入熱量が高く冷却速度も遅いため、靭性がより劣化しやすい。
大入熱溶接熱影響部における靭性を改善するための金属組織学的な研究、例えば1)TiNを活用した研究、2)酸化物を活用した研究、3)硫化物を活用した研究などが従来から行われている。
1)TiNを活用した研究では、例えば特許文献1に、TiNとVNを活用したHAZ靭性改善技術が提案されている。また特許文献2では、TiとNの量比率[Ti]/[
N]比を3.5〜5.0と、N量に比してTi量を多くした提案がなされている。しかし、溶接金属と溶接熱影響部(HAZ)との界面(フュージョンライン)近くは、1400℃を超える温度になる。特に建築での溶接は超大入熱溶接が行われるため、高温での滞留時間が長くなる。高温での滞留時間が長くなるほど、TiN粒子が溶解してしまい、HAZ靭性改善効果が低減する。また、このようなTiN粒子の溶解を防止するために、Ti量を多くしてTiN粒子を大きくすると、TiN粒子の粗大化によって却って靭性が劣化する。
2)酸化物を活用した研究として、例えば特許文献3、4および5は、Mgを添加した酸化物粒子を活用した技術を提案している。しかし、微細な酸化物を均一に分散する技術は難しく、工業的に安定して製造するにはさらなる改善が必要となる。
3)硫化物を活用した研究としては、REMを添加することによって硫化物、酸化物および硫酸化物の粒子を分散させる技術(例えば、特許文献6、7、8);CaSの粒子を活用するために、CaとSとOの含有量を、ACRという定式化したパラメータの範囲内に制御する技術(例えば、特許文献9、10)などが提案されている。しかし、硫化物を活用するこれらの技術では、ある程度のS量を必要とするため、硫化物が粗大化して靭性が劣化したり、MnS系の介在物によって板厚方向の靭性が劣化する。
特開平5−186848号公報 特開2002−266050号公報 特開2000−80436号公報 特開2000−80437号公報 特開2003−293077号公報 特開2004−176100号公報 特開2004−10951号公報 特開2003−286540号公報 特開2005−220379号公報 特開2005−68478号公報
ところで地震時には、建築構造物が変形し、溶接接合部には柱材の板厚方向に引張応力が作用する。鋼板は板面内(板面に平行な方向)に働く応力に対しては強いが、板面の垂直方向である板厚方向の応力に対する強さは低下する。従って、建築構造物の耐震性を向上するには、板厚方向の靭性も考慮することが望ましい。上述の従来技術は、必ずしも安定して高靭性を満足できるわけではなく、また板厚方向の靭性を考慮したものでもない。板厚方向の靭性を評価するためには、同方向を長手方向とするシャルピー試験片を採取しなければならないが、通常の突き合せ溶接した鋼板からは、板厚方向を長手方向とする試験片を採取できない。
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、建築構造物の鉄骨として使用されるボックス柱の耐震性を向上することにある。より具体的には、スキンプレート間の溶接となるボックス柱角部のサブマージアーク溶接や、スキンプレートとダイヤフラムとのエレクトロスラグ溶接の溶接熱影響部(HAZ)で、スキンプレートの板厚方向(Z方向)の靭性を改善することにある。
前記課題を解決した、本発明に係る、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板は、C:0.02〜0.10%(質量%の意味。以下、同じ。)、Si:0.05〜0.5%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.0010%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.05%、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜1.5%、Ti:0.003〜0.02%、B:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0015〜0.0030%、N:0.0040〜0.008%、O:0.0005〜0.0030%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物であって、上記Ti、B、Nの含有量(質量%)が下記式(1)〜(3)を満たし、鋼板の縦断面において、Caを含有する円相当径5μm以上の介在物が5個/mm2以下で、長さ50μm以上のMnS系介在物が2個/cm2以下であり、鋼板の中心偏析部のC濃度が、鋼板全体の平均C濃度の1.2倍以下である点にその要旨を有する。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
本発明のスキンプレート用鋼板は、さらにCr:0.05〜1.5%および/またはV:0.005〜0.05%を含有していてもよい。
本発明のスキンプレート用鋼板は、前記成分組成を満足し、かつ前記式(1)〜(3)を満足する鋼スラブを、1)950〜1250℃に加熱し、2)圧延仕上温度が800〜900℃となるように圧延した後、3)30秒以上の空冷を行い、4)その後1〜100℃/sの冷却速度で300℃以下の温度まで冷却することによって製造できる。
前記製造方法では、4)300℃以下の冷却の後、さらに5)450〜600℃に再加熱し、空冷してもよい。またこの4)300℃以下の冷却と、5)450〜600℃の再加熱及び空冷との間で、700〜850℃の再加熱と、それに続く1℃/s以上の冷却速度での200℃以下までの冷却を実施してもよい。
本発明のスキンプレート用鋼板では、各元素の量をそれぞれ制御し、Ti、B、Nの含有量の相互関係も適切に制御してTiNやBN等の窒化物を微細分散させるとともに、粗大なCa含有介在物および板厚方向靭性に有害な展伸したMnS系介在物を抑制し、さらにCの中心偏析を抑制しているので、サブマージアーク溶接やエレクトロスラグ溶接などの超大入熱溶接を行った場合でも、溶接熱影響部(HAZ)での板厚方向(Z方向)の靭性を確保することができる。
通常、造船メーカー等で行われる鋼板と鋼板との突合せエレクトロガス溶接継手や、突合せサブマージアーク溶接継手では、鋼板の圧延方向(L方向)又は圧延直角方向(C方向、板幅方向)のHAZ靭性評価を行っている。しかし、突き合せ溶接継手では、板厚方向(Z方向)を長手方向とする試験片を採取できず、板厚方向(Z方向)のHAZ靭性を評価できない。また、通常行われている、大入熱溶接での熱履歴を模擬した再現熱サイクル試験でも、試験片の採取方向はL方向又はC方向で行われるのみで、Z方向のHAZ靭性を評価したものはなかった。
圧延された鋼板は、圧延方向(L方向)、圧延直角方向(C方向)、および板厚方向(Z方向)においてそれぞれ異なった状態を示し、例えば、圧延によって展伸した介在物が存在したり、圧延履歴を受けた金属組織が存在する場合などは、板厚方向(Z方向)のHAZ靭性はL方向や、C方向の靭性に比べて劣化するため、板厚方向(Z方向)の靭性を向上するには、介在物制御や組織制御の観点も必要である。
そこで、本発明者は、L方向、C方向のみならず、板厚方向(Z方向)の大入熱HAZ靭性を向上させることに主眼を置き研究を重ねたところ、(i)介在物制御や組織制御の観点から成分組成を高度に制御するとともに、(ii)介在物や組織状態を直接的にコントロールすることによって、大入熱溶接の溶接熱影響部で板厚方向靭性を確保できることを見出した。
(i)介在物や組織を制御する観点からの成分制御
介在物や組織を制御する観点から言えば、(i―1)TiN、BNなどの析出状態と固溶B量を制御するためにTi、N、Bの量を制御すること、(i―2)Caを含有する介在物、展伸によって板厚方向の靭性を下げるMnS系介在物(A系介在物)を制御するためにCa量やS量を制御すること、(i―3)MA(martensite austenite constituent、島状マルテンサイト)を抑制するためにC量を制御することなどの成分制御を行うことが重要である。なおHAZ靭性に有害なNbを添加しないこと、Cu、Ni、B添加によって強度を確保することも重要である。
特に(i―1)Ti量、N量、B量の制御は重要であるため、以下、より詳細に説明する。
本発明では、TiN、BNなどの析出状態と固溶B量を制御するために、Ti量、N量、B量を下記式(1)〜(3)の関係を全て満足するように制御する。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
上記(1)〜(3)の関係を決定した理由について、図1〜3を参照しながら説明する。図1〜3は、基本成分を0.04%C−0.15%Si−1.35%Mn−0.008%P−0.001%S−0.030%Al−0.6%Cu−0.6%Ni−0.6%Cr−0.0020%Ca−0.0015%Oとし、表1に示すようにTi、N、B量を変化させた鋼板について、HAZ靭性を評価し、Ti−N−Bの成分制御との関係を整理したものである。以下に、図1〜3に用いた鋼板の製造方法およびHAZ靭性の評価手順について説明する。
まず、図1〜3に用いた鋼板の製造方法について説明する。表1に示す量に成分調整した鋼を連続鋳造して、厚さ280mmのスラブを得た(脱酸は転炉でAl脱酸およびRH脱ガス処理を行った)。なお、連続鋳造の際、凝固完了位置近傍で圧下ロール間隙(上側ロールと下側ロールの距離)を絞り込んで圧下した。次に、スラブを1200℃に再加熱した後、圧下して厚さ230mmのブレークダウンスラブとし、室温まで冷却した。さらに、前記ブレークダウンスラブを加熱温度1100℃、仕上温度850℃で板厚60mmまで圧延し、その後冷却速度9℃/sで加速冷却した。
次に、HAZ靭性の評価手順について説明する。まず初めに前記要領で製造された鋼板から、熱サイクル試験片を作製した。次いで、エレクトロスラグ溶接の入熱量800kJ/cmに相当する溶接溶融線(Fusion Line)近傍の最脆化域の組織を再現するため、再現溶接熱サイクル試験を実施した。この再現溶接熱サイクル試験では、熱サイクル試験片を1400℃で30秒保持した後、800〜500℃までの冷却時間が730秒になるような冷却速度で冷却した。熱サイクル試験片から、板厚方向(Z方向)を長手方向とするVノッチ標準試験片(JIS Z 2242)を採取し、試験温度0℃でシャルピー衝撃試験(JIS Z 2242;衝撃刃半径2mm)を行い、吸収エネルギーvE0を求めた。
図1は「[Ti]/[N]」とvE0の関係を示すグラフであり、図2は「[N]−[Ti]/3.4」とvE0との関係を示すグラフであり、図3は「[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}」とvE0との関係を示すグラフである。
Figure 2009221522
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
図1に基づき、「[Ti]/[N]」を1.0以上、3.0以下と定めた。「[Ti]/[N]」はTiN粒子の分散状態と関係がある。TiN粒子は、オーステナイト粒子の粗大化防止作用と、冷却過程でのオーステナイト粒内からの変態促進作用があり、これらの作用によってHAZ靭性が改善される。TiN粒子を、微細に多く分散させるほど、HAZ靭性が向上する。[Ti]/[N]を1.0以上にすることによって、微細なTiN粒子を増やすことができ、HAZ靭性が向上する。一方、「[Ti]/[N]」が3.0を超えると、TiN粒子が粗大化してTiN粒子の個数が減少し、HAZ靭性が急激に低下する。「 [Ti]/[N]」の好ましい下限は1.5(特に2.0)、好ましい上限は2.9(特に2.8)である。
(2)0.0003≦[N][Ti]/3.4≦0.0035
図2に基づき、「[N]−[Ti]/3.4」を0.0003以上、0.0035以下と定めた。
図2は「[N]−[Ti]/3.4」とvE0との関係を示したものである。「[Ti]/3.4」は、TiとNが化学量論比で結合したときの、TiNに使われるN量を示す。従って、「[N]−[Ti]/3.4」は、トータルのN量からTiNに使われたN量を減じたもの、すなわちTiNが生成した後に残存するフリーのN量を意味する。NはTiとの結合力が強く、鋳造時にはTiNが優先的に生成する。そして溶接時の高温に加熱された後の冷却過程でフリーN(TiNが生成した後に残存するN)はBと結合し、BNとして析出する。言い換えると、「[N]−[Ti]/3.4」はBNの析出に有効に作用できる残存N量を意味しているとも言える。BNもTiNと同様に、適切に分散させれば、オーステナイト粒内からの変態を促進してHAZ靭性を向上させる。
「[N]−[Ti]/3.4」の値が小さいときは、フリーN量が少ないため、BNが不足してHAZ靭性は低い。「[N]−[Ti]/3.4」の値が0.0003以上になると、BNが適切に分散するようになり、HAZ靭性が急激に向上する。一方「[N]−[Ti]/3.4」が0.0035を超えるとフリーNが過剰となり、BNとして固定できないフリーNが増え、HAZ靭性が劣化する。「[N]−[Ti]/3.4」の好ましい下限は0.0005(特に0.0008)であり、好ましい上限は0.0025(特に0.0020)である。
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
図3に基づき、「[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}」(以下、BK値と呼ぶことがある)を−0.0005以上、0.0015以下と定めた。BK値はトータルB量からBNとして析出したB量を減じたものであり、BNが析出した後に残存する固溶B量を意味している。ただし、BK値は固溶B量の絶対値を表すものではなく、相対的に固溶B量の大小を表すものである。固溶B量(BK値)が多くなるほど、HAZ靭性が向上し、また母材強度も向上する。よってBK値は−0.0005以上に定めた。一方、固溶B量(BK値)が多すぎると、オーステナイト粒内からの変態促進を阻害する。BK値が0.0015を超えると靭性が急激に劣化することから、BK値を0.0015以下に定めた。BK値の好ましい下限は−0.0003(特に0.0000)であり、好ましい上限は0.0012(特に0.0010)である。
(i―2)Ca量、S量制御、(i―3)C量制御、及びCu、Ni、Bなどの添加については、後述する。
(ii)介在物や組織状態の直接的コントロール
板厚方向のHAZ靭性を向上させる観点からすれば、(ii―1)粗大なCa含有介在物を低減し、(ii―2)展伸したMnS系介在物を低減し、(ii―3)中心偏析を軽減することが大切である。
(ii―1)粗大なCa含有介在物の低減
粒径の大きなCa含有介在物、特に粒径(円相当径)が5μm以上のCa含有介在物は、HAZ靭性に悪影響を与える。従って本発明では円相当径5μm以上の介在物を5個/mm2以下、好ましくは4個/mm2以下、さらに好ましくは3個/mm2以下とする。なお介在物個数の下限は特に限定されないが、例えば、0.1個/mm2程度(特に0.5個/mm2程度)であってもよい。
粗大化の防止対象とするCaを含有する介在物としては、Caを含有する全ての介在物が含まれ、特に粗大化し易い(従って重点的に制御すべき)介在物としては、CaS等の硫化物系介在物の他、酸化物との複合介在物、窒化物との複合介在物などが挙げられる。
粗大なCa含有介在物を低減するためには、鋼材成分(特にCa量、S量)、酸素含有量の制御の他、脱ガス処理時間を制御することが有効である。
なお、粗大なCa含有介在物の個数は、鋼板の縦断面の観察結果に基づく。すなわち粗大なCa含有介在物の個数は、該断面をEPMAやFE−SEMなどで観察してCaを含む介在物を抽出し、その粒径(円相当径)を測定することで求められる。
(ii―2)展伸したMnS系介在物の低減
圧延により展伸したMnS系介在物(A系介在物)、特に長さ50μm以上のMnS系介在物が存在すると、その介在物と鋼材の地鉄との界面が剥離し、その部分が破壊発生の起点となり、板厚方向の靭性を劣化させる。これを防止するため、長さ50μm以上のMnS系介在物を2個/cm2以下、好ましくは1個/cm2以下、さらに好ましくは0.5個/cm2以下にする。
展伸したMnS系介在物(A系介在物)が存在すれば、溶接時にラメラテア割れが生じることは良く知られている(例えば、「新しい建築構造用鋼材」、鋼構造出版、p.88〜92)。しかし、板厚方向のHAZ靭性改善という観点では、MnS系介在物の影響は定量的に明確になっておらず、本発明で初めて明らかになった。
展伸したMnS系介在物を低減するためには、鋼材成分(特にCa量、S量)を制御することが有効である。
展伸したMnS系介在物の個数は、鋼板の縦断面を光学顕微鏡(倍率は例えば100倍程度)により測定することで求められる。
(ii―3)中心偏析の軽減
鋼板の化学成分が中心偏析していると、溶接熱影響が板厚中心近傍まで及んだとき、この板厚中心の偏析部(化学成分濃化部)の組織が大きく変化し、島状マルテンサイト(MA)、マルテンサイト、ベイナイトなどの硬質相が、板面と平行な面に多く生成する。板厚方向に応力がかかったときにこのMAから破壊が発生するため、板厚方向のHAZ靭性が大きく劣化する。HAZ靭性の劣化を防止するためには、中心偏析を軽減する必要がある。この偏析の程度はCの偏析度で評価することができ、(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比が1.2を超えるとMAの生成が多くなりHAZ靭性が劣化する。そこで(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比の上限を1.2と定めた。(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比の好ましい範囲は、1.1以下である。
展伸したMnS系介在物(A系介在物)と同様、中心偏析が生じた場合にも、溶接時にラメラテア割れが生じることが良く知られている(前記「新しい建築構造用鋼材」、鋼構造出版、p.88〜92)。しかし、板厚方向のHAZ靭性改善という観点では、中心偏析の影響は定量的に明確になっておらず、本発明で初めて明らかになった。
中心偏析の程度は、連続鋳造の鋳造温度、鋳造ロール間隙制御、鋳造スラブの再加熱ブレークダウンなどによって変化させることができる。より詳細には、鋳型への鋳入温度と凝固温度の差が小さいほど中心偏析を軽減でき、鋳造ロール間隙については、溶鋼の凝固完了位置近傍で圧下ロール間隙(上側ロールと下側ロールの距離)を絞り込んで圧下することによって中心偏析を軽減できる。また、鋳造スラブを再加熱し、高温で熟熱することにより中心偏析成分が拡散され、さらにブレークダウン圧延することにより中心部の凝固すきまを圧着でき、中心偏析を軽減できる。
中心偏析部のC濃度は、測定方法に応じて異なる値になる。従って、定量的な制御を行うには、測定方法を統一しておく必要がある。例えば、EPMAによれば、極めて微小な領域を分析するため、分析値にばらつきが生じやすくなる。そこで本発明では、以下のような方法で中心偏析部のC濃度を測定する。
鋼板の縦断面を切り出し、マクロエッチングして中心偏析部を現出し、その濃化部位から特定の厚みで鋼材を削り出し、切り粉を化学分析することで、中心偏析部のC濃度を決定する。削り出し厚さは、板厚×0.02とする。例えば、板厚が100mmであれば、削り出し厚さは、100×0.02=2mmとする。削り出しには、削り出し厚さと同じ直径のドリルを使用するのが便利である。ただし、板厚との関係で削り出し厚みを決定したとき、その厚さによっては適切なドリル径の工具が入手できない場合があり、また板厚毎にドリル径を変更すると作業効率が低下し、削り出しが困難となる場合がある。そこで板厚50〜100mmの鋼板であれば、削り出し厚さ(ドリル径)を1〜1.2mmに設定してもよい。また中心偏析部が表面に出るように切削し、その表面を発光分析(カントバック)して中心偏析部のC濃度を決定してもよい。
上述したように、本発明では(i―1)Ti−B−N間の成分量を制御したり、(ii)介在物や組織状態を直接的にコントロールする点に大きな特徴を有するが、さらに(i―2)Ca量、S量、および(i―3)C量、Cu量、Ni量、B量を制御することも重要であり、これらの制御を含め、鋼板の成分組成を適切に設計することも重要である。本発明の鋼板の成分組成及びその限定理由は、以下の通りである。
[C:0.02〜0.10%]
Cは鋼板の強度を確保するために必要な元素である。C量が0.02%未満では、強度を確保することができなくなる。一方、C量が0.10%を超えると、大入熱溶接時の溶接熱影響部(HAZ)に、島状マルテンサイト(MA)と呼ばれる硬質組織が生じやすくなり、HAZ靭性が劣化する。そこでC量を0.02〜0.10%と定めた。C量の好ましい下限は0.03%であり、好ましい上限は0.09%である。
[Si:0.05〜0.5%]
Siは、脱酸に必要な元素である。Si量が0.05%未満では、脱酸の効果が有効に発揮できない。一方、Si量が0.5%を超えると溶接性が劣化する。そこでSi量を0.05〜0.5%と定めた。Si量の好ましい下限は0.1%であり、好ましい上限は0.4%である。
[Mn:1.0〜2.0%]
Mnは、鋼板の強度を確保するとともに、靭性の向上に有効な元素である。Mn量が1.0%未満では、鋼板の強度および靭性を確保することができない。一方、Mn量が2.0%を超えると、溶接性が劣化する。そこで、Mn量を1.0〜2.0%と定めた。Mn量の好ましい下限は1.2%であり、好ましい上限は1.8%である。
[P:0.015%以下(0%を含まない)]
Pは不純物元素として不可避的に混入する元素であるが、P量が0.015%を超えると靭性を劣化させるため、上限を0.015%とした。P量の好ましい上限は0.013%である。
[S:0.0010%以下(0%を含まない)]
Sは不純物元素として不可避的に混入する元素である。Sは、MnS系やCaS系の介在物となり、板厚方向の母材性能を劣化させるとともに、これら介在物が破壊発生の起点となり、HAZ靭性を劣化させる。MnS系介在物は、圧延後、板厚中心部および板厚方向のさまざまな位置で、展伸した状態で存在する。そして大入熱溶接を行った場合、溶接熱影響により、展伸したMnS系介在物と鋼板の地鉄との界面が剥離して破壊発生の起点となり、板厚方向のHAZ靭性を劣化させる。また、展伸したMnS系介在物は中心偏析部と共存しやすく、島状マルテンサイト(MA)と隣接するとさらにHAZ靭性が劣化する。S量が過剰になると、前述のMnS系やCaS系の介在物が粗大化し、介在物の個数も増加するため、破壊発生の起点となる箇所が増え、HAZ靭性が劣化する。そこで、S量の上限を0.0010%とした。S量の好ましい上限は0.009%である。
[Al:0.01〜0.05%]
Alは脱酸剤として作用する元素である。Al量が0.01%未満では脱酸の効果が有効に発揮されない。一方、Al量が0.05%を超えると靭性を劣化させる。そこでAl量を0.01〜0.05%と定めた。Al量の好ましい下限は0.02%であり、好ましい上限は0.04%である。
[Cu:0.05〜1.5%]
Cuは強度の上昇に有効であり、HAZ靭性の劣化が小さい元素である。Cu量が0.05%未満では強度を確保することができない。一方、Cu量が1.5%を超えると、溶接性が劣化する。そこでCu量を0.05〜1.5%と定めた。Cu量の好ましい下限は0.2%、好ましい上限は1%である。
[Ni:0.05〜1.5%]
Niは強度の上昇に有効であり、HAZ靭性の劣化が小さい元素である。Ni量が0.05%未満では強度を確保することができない。一方、Ni量が1.5%を超えると、溶接性が劣化する。そこでNi量を0.05〜1.5%と定めた。Ni量の好ましい下限は0.2%、好ましい上限は1.3%である。
[Ti:0.003〜0.02%]
TiはHAZ靭性の向上に極めて有効な元素である。TiNを微細に多く分散させることで、溶融点近くまで溶接熱が加わったとき、オーステナイト粒径の粗大化をピン止め効果により防止し、一方冷却時にはオーステナイト粒内のフェライト/ベイナイト核生成サイトとして働き、HAZ組織を微細化する。Ti量が0.003%未満では、このような効果を発揮させるためのTiNの個数を十分に確保することができない。一方、Ti量が0.02%を超えると、TiNが粗大化し、TiNの個数が減少する。そこで、Ti量を0.003〜0.02%と定めた。Ti量の好ましい下限は0.005%、好ましい上限は0.018%である。
[B:0.0005〜0.0030%]
Bは微量で強度上昇に有効であるとともに、Tiと同様にHAZ靭性の向上に有効な元素である。圧延後の冷却時にオーステナイト粒界に固溶偏析して焼入れ性を向上させ、強度を向上させる。また、溶接熱影響部において、TiN粒子は溶融線近傍の1400℃以上の高温で一旦溶解して粒子数が減少すると再析出しないのに対し、Bは溶接加熱後の冷却過程でBNとして析出し、オーステナイト粒内のフェライト/ベイナイト核生成サイトとして働き、HAZ組織を微細化する。このような効果を発揮させるために、B量の下限は0.0005%とした。一方、0.0030%を超えて含有すると、Bの固溶量が過剰となり、溶接性、HAZ靭性が劣化するため、B量の上限は0.0030%とした。B量の好ましい下限は0.001%であり、好ましい上限は0.0025%である。
[Ca:0.0015〜0.0030%]
Caは、MnS系の長大な介在物を、CaS単独あるいはCaSとの複合介在物に変化させることで、球状化し、長さを短くする作用を有し、板厚方向特性の改善に寄与する元素である。さらにCaは、TiNとの複合介在物を形成し、高温で安定な微細介在物となり、HAZ靭性を改善する。この効果を得るために、Ca量の下限は0.0015%とした。一方、Ca量が0.0030%を超えると、Caを含む介在物が粗大化し、数も増加して、HAZ靭性が劣化するので、Ca量の上限を0.0030%とした。Ca量の好ましい下限は、0.0017%であり、好ましい上限は0.0029%である。
[N:0.0040〜0.008%]
Nは、TiNやBNの窒化物粒子となりHAZ靭性の改善に有効な元素である。N量が0.0040%未満では、HAZ靭性を改善する効果が発揮できない。一方、N量が0.008%を超えると、固溶Nが過剰となりHAZ靭性が劣化する。そこで、N量を0.0040〜0.008%とした。N量の好ましい下限は0.0045%、好ましい上限は0.007%である。
[O:0.0005〜0.0030%]
Oは過剰に添加するとアルミナ系介在物が増加するとともに、Caを含む酸化物が粗大化し、数も増加するためHAZ靭性を劣化させる。そこでO量の上限を0.0030%とした。O量の好ましい上限は、0.0025%である。また、Oは製鋼過程で不可避的に残存するので、下限を0.0005%とした。
本発明鋼板の成分組成は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物である。
本発明では更に他の元素として、Cr:0.05〜1.5%および/またはV:0.005〜0.05%を含んでいても良い。以下、これらの成分について説明する。
[Cr:0.05〜1.5%]
Crは強度上昇に有効な元素である。このような効果を発揮させるために、Cr量は好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.5%以上であることが推奨される。一方、Cr量が過剰であると溶接性が劣化するので、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下とするのが良い。
[V:0.005〜0.05%]
Vは強度と靭性を向上させるのに有効な元素である。このような効果を発揮させるために、V量は好ましくは0.005%以上、さらに好ましくは0.01%以上であることが推奨される。一方、V量が過剰であるとHAZ靭性が劣化するので、好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.04%以下とするのがよい。
本発明の鋼板は、上記化学成分量と、Ti、N、Bについて上記(1)〜(3)式の要件を満たす鋼スラブを、950〜1250℃に加熱し、圧延仕上温度が800〜900℃となるように圧延した後、30秒以上の空冷を行い、その後1〜100℃/sの冷却速度で300℃以下の温度まで冷却することによって製造できる。
[圧延時の加熱温度:950〜1250℃]
鋼スラブの圧延時の加熱温度は、均一にオーステナイト組織に変態させる必要があるため、950℃以上にする必要がある。一方、加熱温度が高すぎるとオーステナイト結晶粒径が粗大化し、靭性が劣化するため上限を1250℃とした。加熱温度の好ましい下限は1000℃であり、好ましい上限は1200℃である。
[圧延仕上温度:800〜900℃]
圧延仕上温度は、靭性を確保するため、未再結晶域でオーステナイト粒内に歪(変形帯)を導入できる温度が望ましく、上限を900℃とした。一方、圧延仕上温度が低温になりすぎると超音波探傷試験での音響異方性が大きくなり、溶接部の検査効率に弊害が生じるため、下限を800℃とした。圧延仕上温度の好ましい下限は820℃であり、好ましい上限は870℃である。
[圧延後の30秒以上の空冷]
圧延完了後、加速冷却(直接焼入れ(DQ))の冷却(水冷など)を開始するまでの間に、30秒以上空冷する必要がある。この空冷によって、鋼板の表面温度を均一化して鋼板内の材質ばらつきを低減するとともに、冷却開始温度を低下させ降伏比(YR)を低減させることができる。好ましい空冷時間は、60秒以上である。
[冷却速度:1〜100℃/s]
圧延後の冷却速度が速いほど強度が上昇するため、冷却速度は1℃/s以上とする。一方、冷却速度が速すぎると硬質組織となり、靭性が劣化するので上限は100℃/sとする。冷却速度の好ましい下限は3℃/sであり、好ましい上限は30℃/s(特に15℃/s)である。
[冷却停止温度:300℃以下]
冷却停止温度が低いほど低温変態組織となり強度が上昇するので、冷却停止温度は300℃以下とする。好ましい冷却停止温度は200℃以下である。
[焼戻し(T)]
本発明の製造方法では、前記のようにして加速冷却(直接焼入れ)した鋼板を、例えばオフラインで焼戻ししてもよい。焼戻しによって、硬質組織を軟化させ、さらに靭性を改善することができる。
焼戻し条件は、再加熱温度:450〜600℃、冷却手法:空冷にするのが望ましい。再加熱温度が450℃未満では、硬質組織の軟化が十分でなく、一方600℃を超えると引張強度(TS)が低下し規格強度を下回る場合があるとともに、引張強度(TS)の低下代に比べて降伏強度(YS)の低下が小さく降伏比(YR)が上昇する。
[二相域からの焼入れ(Q’)]
前記加速冷却(直接焼入れ)と焼戻しの間に、フェライト―オーステナイト二相域からの焼入れ(Q’)を実施してもよい。二相域からの焼入れ(Q’)は特に低YR化に有効な方法である。
再加熱温度は、Ac1点以上(例えば700℃以上)、Ac3点以下(例えば850℃以下)である。鋼板を二相域(Ac1点以上Ac3点以下)に再加熱することによって、鋼板組織の一部がオーステナイト化し、残りは軟化したり、フェライト化する。次いで焼入れすることによってオーステナイトが硬質相になり、硬質相とフェライト相を適度にバランスさせることができ、低YR化することができる。好ましい再加熱温度は、700℃以上、850℃以下である。好ましい焼入れ条件は、冷却速度:1℃/s以上、冷却終了温度:200℃以下である。二相焼入れした鋼板は、焼入れままでは靭性が劣化するため、通常、前記と同様の焼戻し処理をする。
また介在物の形態制御および中心偏析を軽減するためには、上記製造方法において更に、RH脱ガスの処理時間の制御、鋳造温度の制御、鋳造ロール間隙の制御、再加熱ブレークダウンを行うことも重要である。
RH脱ガスの処理時間の制御は、酸化物系介在物の大きさの制御に有効であり、好ましい処理時間は、20〜30分程度である。
鋳造温度の制御、鋳造ロール間隙の制御、再加熱ブレークダウンは中心偏析の制御に有効である。鋳造温度については、鋳型への鋳入温度と凝固温度の差(ΔT)が小さいほど中心偏析を軽減でき、好ましいΔTの範囲は15〜25℃程度である。鋳造ロール間隙については、溶鋼の凝固完了位置近傍で圧下ロール間隙(上側ロールと下側ロールの距離)を絞り込んで圧下することによって中心偏析を軽減できる。圧下ロール間隙の絞込みの程度は、圧下ロールの配置される全長に亘って徐々に絞り込んでいく場合(つまり圧下勾配が小さい場合)を「小」、凝固完了間際で一気に絞り込む場合(つまり圧下勾配が大きい場合)を「大」、これらの中間を「標準」とすると、「大」または「標準」で絞り込むことが好ましい。また、特に極厚鋼板(板厚80mm以上)では、鋳造スラブを再加熱して拡散均熱処理を行い、ブレークダウン圧延することで中心偏析を軽減できる。ブレークダウン圧延の好ましい加熱温度は1200℃程度であり、好ましい圧下率は10〜20%程度である。
本発明の鋼板は、大入熱溶接をしたときの板厚方向のHAZ靭性、引張強度(TS)、に優れ、降伏比(YR)が低い。そのため本発明の鋼板を建築鉄骨として使用されるボックス柱のスキンプレートに用いると、ボックス柱の耐震性を著しく向上できる。
本発明の鋼板の板厚は、例えば30〜100mm程度、好ましくは40〜80mm程度である。引張強度は、例えば490〜740MPa程度である。降伏比(YR)は、例えば65〜80%程度である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される
表2に示す組成の鋼を、転炉で溶製した後、表3に示す方法で脱酸し、表3に示す条件で連続鋳造した後、表3に示す条件で鋳造スラブを再加熱して中間スラブ厚までブレークダウン圧延し、その後、表3に示す条件で所定の板厚まで熱間圧延・加速冷却を行った。一部の鋼板は、そのまま又は2相焼入れを行った後、焼戻しした。
Figure 2009221522
Figure 2009221522
上記のように製造した鋼板について、下記の要領で測定した。
[Ca含有介在物の測定]
Ca含有介在物の測定には、FE−SEMを用いた。鋼板の縦断面のt/4位置(t:板厚)における任意の測定領域(約300μm×300μm)を、倍率1000倍で測定し、Caを含有する介在物を抽出し、円相当粒径5μm以上の介在物の個数をカウントした。測定は10視野について行い、得られた介在物の個数(10視野分の合計)を、1mmあたりの個数に換算した。
[MnS系介在物の測定]
MnS系介在物の測定には、光学顕微鏡を用いた。鋼板の縦断面のt/4位置とt/2位置(t:板厚)における任意の測定領域(約15mm×15mm)を、倍率100倍で観察し、長さ50μm以上のMnS系介在物の個数をカウントした。測定は、鋼板の縦断面のt/4位置とt/2位置(t:板厚)についてそれぞれ5視野ずつ、合計10視野について行い、得られたMnS系介在物の個数(10視野分の合計)を、1cmあたりの個数に換算した。
[中心偏析部のC濃度の測定]
鋼板を横断し、幅方向中央からサンプルを切り出し、マクロエッチングして偏析部を現出した。ドリル径1〜1.2mmのドリルで切削し、その切り粉を湿式分析により化学分析した。そして(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)を計算により求め、中心偏析度とした。
[HAZ靭性の測定]
溶接継手部の靭性評価では、上記実験例で得られた鋼板をスキンプレートに見立てた。図4に示すようにして、板厚50mmのダイヤフラムと、スキンプレートとをT字型に配置し、これらを以下に示す条件でエレクトロスラグ溶接した。ダイヤフラム板厚の1/2の延長上であってスキンプレートと溶接金属の接続部分から、スキンプレートの板厚方向が長手方向となるシャルピー標準衝撃試験片(JIS Z 2242)を採取した。試験片の溶接溶融線(Fusion Line)上に、ノッチ長手方向が溶接方向となるVノッチを入れ、JIS Z 2242に従って、試験温度0℃でシャルピー衝撃試験を行った。3本の試験片について吸収エネルギー(vE0)を測定し、その平均値を求めた。吸収エネルギー(vE0)が70J以上の溶接継手部を合格とした。
(エレクトロスラグ溶接条件)
入熱量:850kJ/cm
溶接電流:380A
溶接電圧:52V
溶接速度:14mm/分
[引張強度の測定]
鋼板のt(板厚)/4部位から、JIS Z 2201の4号試験片を採取し、JIS Z 2241に従って引張強度(TS)、降伏強度(YS)を測定し、降伏比(YR)を求めた。引張試験時の試験速度は10N/mm2・秒とした。引張強度(TS)490MPa以上が合格であり、降伏比(YR)80%以下が合格である。
これらの結果を表4に示す。
Figure 2009221522
表4の鋼板No.1、7〜10、12〜14は、本発明の成分組成およびTi、B、N相互の関係式(1)〜(3)を満足する鋼A〜Eを用いて、本発明の製造方法によって製造されたものであり、Ca含有介在物、MnS系介在物の個数および中心偏析部のC濃度において本発明の要件を満たすため、良好な板厚方向HAZ靭性を示し、母材特性(引張強度、降伏比)も良好である。
表4の鋼板No.2は、圧延時の加熱温度が低いため、母材の引張強度が低く、鋼板No.3は圧延仕上温度が低いため、母材の引張強度が低い例である。鋼板No.4と11は、圧延終了後冷却までの空冷時間が短いため、冷却開始温度が高くなり、母材のYRが高くなっている。鋼板No.5は圧延終了後、水冷ではなく空冷しているため冷却速度が遅く、母材の引張強度が低い。鋼板No.6は冷却停止温度が高いため、母材の引張強度が低い。
鋼板No.15、16は中心偏析度(中心偏析部のC濃度/鋼板全体の平均C濃度)が高いため、Z方向溶接継手靭性が低い例である。鋼板No.17〜19は、長さの長いMnS形介在物が多く存在するため、Z方向の溶接継手靭性が低い。また鋼板No.19、24は、粗大なCa含有介在物が多く存在するため、Z方向の溶接継手靭性が低い。鋼板No.20〜23、25〜27は、Ti、N、Bのバランス(前記式(1)〜(3))が本発明で規定する範囲にないため、Z方向の溶接継手靭性が低くなっている。
「[Ti]/[N]」とHAZ靭性の関係を示すグラフである。 「[N]−[Ti]/3.4」とHAZ靭性の関係を示すグラフである。 「[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}」とHAZ靭性の関係を示すグラフである。 溶接方法およびシャルピー試験片の採取要領を模式的に示した概略断面図である。

Claims (5)

  1. C :0.02〜0.10%(質量%の意味。以下、同じ。)、
    Si:0.05〜0.5%、
    Mn:1.0〜2.0%、
    P :0.015%以下(0%を含まない)、
    S :0.0010%以下(0%を含まない)、
    Al:0.01〜0.05%、
    Cu:0.05〜1.5%、
    Ni:0.05〜1.5%、
    Ti:0.003〜0.02%、
    B :0.0005〜0.0030%、
    Ca:0.0015〜0.0030%、
    N :0.0040〜0.008%、
    O :0.0005〜0.0030%
    を含有し、残部が鉄および不可避的不純物であって、上記Ti、B、Nの含有量(質量%)が下記式(1)〜(3)を満たし、
    鋼板の縦断面において、Caを含有する円相当径5μm以上の介在物が5個/mm2以下で、長さ50μm以上のMnS系介在物が2個/cm2以下であり、
    鋼板の中心偏析部のC濃度が、鋼板全体の平均C濃度の1.2倍以下であることを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板。
    (1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
    (2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
    (3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
    (但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
  2. 更に、Cr:0.05〜1.5%および/またはV:0.005〜0.05%を含有する請求項1に記載の鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の鋼板を製造する方法であって、
    鋼スラブを、950〜1250℃に加熱し、圧延仕上温度が800〜900℃となるように圧延した後、30秒以上の空冷を行い、その後1〜100℃/sの冷却速度で300℃以下の温度まで冷却することを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の300℃以下の冷却の後、さらに450〜600℃に再加熱し、空冷することを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。
  5. 請求項3に記載の300℃以下の冷却の後、
    (1)700〜850℃の再加熱と、それに続く1℃/s以上の冷却速度での200℃以下までの冷却、
    (2)450〜600℃の再加熱と、それに続く空冷
    を順次行うことを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。
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