JP2009221522A - 大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スキンプレート用鋼板は、C、Si、Mn等を含有するとともにTi、N、Bが下記式(1)〜(3)を満たし、鋼板の縦断面において、Caを含有する円相当径5μm以上の介在物が5個/mm2以下で、長さ50μm以上のMnS系介在物が2個/cm2以下であり、鋼板の中心偏析部のC濃度が、鋼板全体の平均C濃度の1.2倍以下である。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
【選択図】なし
Description
N]比を3.5〜5.0と、N量に比してTi量を多くした提案がなされている。しかし、溶接金属と溶接熱影響部(HAZ)との界面(フュージョンライン)近くは、1400℃を超える温度になる。特に建築での溶接は超大入熱溶接が行われるため、高温での滞留時間が長くなる。高温での滞留時間が長くなるほど、TiN粒子が溶解してしまい、HAZ靭性改善効果が低減する。また、このようなTiN粒子の溶解を防止するために、Ti量を多くしてTiN粒子を大きくすると、TiN粒子の粗大化によって却って靭性が劣化する。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
本発明のスキンプレート用鋼板は、さらにCr:0.05〜1.5%および/またはV:0.005〜0.05%を含有していてもよい。
介在物や組織を制御する観点から言えば、(i―1)TiN、BNなどの析出状態と固溶B量を制御するためにTi、N、Bの量を制御すること、(i―2)Caを含有する介在物、展伸によって板厚方向の靭性を下げるMnS系介在物(A系介在物)を制御するためにCa量やS量を制御すること、(i―3)MA(martensite austenite constituent、島状マルテンサイト)を抑制するためにC量を制御することなどの成分制御を行うことが重要である。なおHAZ靭性に有害なNbを添加しないこと、Cu、Ni、B添加によって強度を確保することも重要である。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。)
図1に基づき、「[Ti]/[N]」を1.0以上、3.0以下と定めた。「[Ti]/[N]」はTiN粒子の分散状態と関係がある。TiN粒子は、オーステナイト粒子の粗大化防止作用と、冷却過程でのオーステナイト粒内からの変態促進作用があり、これらの作用によってHAZ靭性が改善される。TiN粒子を、微細に多く分散させるほど、HAZ靭性が向上する。[Ti]/[N]を1.0以上にすることによって、微細なTiN粒子を増やすことができ、HAZ靭性が向上する。一方、「[Ti]/[N]」が3.0を超えると、TiN粒子が粗大化してTiN粒子の個数が減少し、HAZ靭性が急激に低下する。「 [Ti]/[N]」の好ましい下限は1.5(特に2.0)、好ましい上限は2.9(特に2.8)である。
図2に基づき、「[N]−[Ti]/3.4」を0.0003以上、0.0035以下と定めた。
図3に基づき、「[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}」(以下、BK値と呼ぶことがある)を−0.0005以上、0.0015以下と定めた。BK値はトータルB量からBNとして析出したB量を減じたものであり、BNが析出した後に残存する固溶B量を意味している。ただし、BK値は固溶B量の絶対値を表すものではなく、相対的に固溶B量の大小を表すものである。固溶B量(BK値)が多くなるほど、HAZ靭性が向上し、また母材強度も向上する。よってBK値は−0.0005以上に定めた。一方、固溶B量(BK値)が多すぎると、オーステナイト粒内からの変態促進を阻害する。BK値が0.0015を超えると靭性が急激に劣化することから、BK値を0.0015以下に定めた。BK値の好ましい下限は−0.0003(特に0.0000)であり、好ましい上限は0.0012(特に0.0010)である。
板厚方向のHAZ靭性を向上させる観点からすれば、(ii―1)粗大なCa含有介在物を低減し、(ii―2)展伸したMnS系介在物を低減し、(ii―3)中心偏析を軽減することが大切である。
粒径の大きなCa含有介在物、特に粒径(円相当径)が5μm以上のCa含有介在物は、HAZ靭性に悪影響を与える。従って本発明では円相当径5μm以上の介在物を5個/mm2以下、好ましくは4個/mm2以下、さらに好ましくは3個/mm2以下とする。なお介在物個数の下限は特に限定されないが、例えば、0.1個/mm2程度(特に0.5個/mm2程度)であってもよい。
圧延により展伸したMnS系介在物(A系介在物)、特に長さ50μm以上のMnS系介在物が存在すると、その介在物と鋼材の地鉄との界面が剥離し、その部分が破壊発生の起点となり、板厚方向の靭性を劣化させる。これを防止するため、長さ50μm以上のMnS系介在物を2個/cm2以下、好ましくは1個/cm2以下、さらに好ましくは0.5個/cm2以下にする。
鋼板の化学成分が中心偏析していると、溶接熱影響が板厚中心近傍まで及んだとき、この板厚中心の偏析部(化学成分濃化部)の組織が大きく変化し、島状マルテンサイト(MA)、マルテンサイト、ベイナイトなどの硬質相が、板面と平行な面に多く生成する。板厚方向に応力がかかったときにこのMAから破壊が発生するため、板厚方向のHAZ靭性が大きく劣化する。HAZ靭性の劣化を防止するためには、中心偏析を軽減する必要がある。この偏析の程度はCの偏析度で評価することができ、(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比が1.2を超えるとMAの生成が多くなりHAZ靭性が劣化する。そこで(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比の上限を1.2と定めた。(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)の比の好ましい範囲は、1.1以下である。
Cは鋼板の強度を確保するために必要な元素である。C量が0.02%未満では、強度を確保することができなくなる。一方、C量が0.10%を超えると、大入熱溶接時の溶接熱影響部(HAZ)に、島状マルテンサイト(MA)と呼ばれる硬質組織が生じやすくなり、HAZ靭性が劣化する。そこでC量を0.02〜0.10%と定めた。C量の好ましい下限は0.03%であり、好ましい上限は0.09%である。
Siは、脱酸に必要な元素である。Si量が0.05%未満では、脱酸の効果が有効に発揮できない。一方、Si量が0.5%を超えると溶接性が劣化する。そこでSi量を0.05〜0.5%と定めた。Si量の好ましい下限は0.1%であり、好ましい上限は0.4%である。
Mnは、鋼板の強度を確保するとともに、靭性の向上に有効な元素である。Mn量が1.0%未満では、鋼板の強度および靭性を確保することができない。一方、Mn量が2.0%を超えると、溶接性が劣化する。そこで、Mn量を1.0〜2.0%と定めた。Mn量の好ましい下限は1.2%であり、好ましい上限は1.8%である。
Pは不純物元素として不可避的に混入する元素であるが、P量が0.015%を超えると靭性を劣化させるため、上限を0.015%とした。P量の好ましい上限は0.013%である。
Sは不純物元素として不可避的に混入する元素である。Sは、MnS系やCaS系の介在物となり、板厚方向の母材性能を劣化させるとともに、これら介在物が破壊発生の起点となり、HAZ靭性を劣化させる。MnS系介在物は、圧延後、板厚中心部および板厚方向のさまざまな位置で、展伸した状態で存在する。そして大入熱溶接を行った場合、溶接熱影響により、展伸したMnS系介在物と鋼板の地鉄との界面が剥離して破壊発生の起点となり、板厚方向のHAZ靭性を劣化させる。また、展伸したMnS系介在物は中心偏析部と共存しやすく、島状マルテンサイト(MA)と隣接するとさらにHAZ靭性が劣化する。S量が過剰になると、前述のMnS系やCaS系の介在物が粗大化し、介在物の個数も増加するため、破壊発生の起点となる箇所が増え、HAZ靭性が劣化する。そこで、S量の上限を0.0010%とした。S量の好ましい上限は0.009%である。
Alは脱酸剤として作用する元素である。Al量が0.01%未満では脱酸の効果が有効に発揮されない。一方、Al量が0.05%を超えると靭性を劣化させる。そこでAl量を0.01〜0.05%と定めた。Al量の好ましい下限は0.02%であり、好ましい上限は0.04%である。
Cuは強度の上昇に有効であり、HAZ靭性の劣化が小さい元素である。Cu量が0.05%未満では強度を確保することができない。一方、Cu量が1.5%を超えると、溶接性が劣化する。そこでCu量を0.05〜1.5%と定めた。Cu量の好ましい下限は0.2%、好ましい上限は1%である。
Niは強度の上昇に有効であり、HAZ靭性の劣化が小さい元素である。Ni量が0.05%未満では強度を確保することができない。一方、Ni量が1.5%を超えると、溶接性が劣化する。そこでNi量を0.05〜1.5%と定めた。Ni量の好ましい下限は0.2%、好ましい上限は1.3%である。
TiはHAZ靭性の向上に極めて有効な元素である。TiNを微細に多く分散させることで、溶融点近くまで溶接熱が加わったとき、オーステナイト粒径の粗大化をピン止め効果により防止し、一方冷却時にはオーステナイト粒内のフェライト/ベイナイト核生成サイトとして働き、HAZ組織を微細化する。Ti量が0.003%未満では、このような効果を発揮させるためのTiNの個数を十分に確保することができない。一方、Ti量が0.02%を超えると、TiNが粗大化し、TiNの個数が減少する。そこで、Ti量を0.003〜0.02%と定めた。Ti量の好ましい下限は0.005%、好ましい上限は0.018%である。
Bは微量で強度上昇に有効であるとともに、Tiと同様にHAZ靭性の向上に有効な元素である。圧延後の冷却時にオーステナイト粒界に固溶偏析して焼入れ性を向上させ、強度を向上させる。また、溶接熱影響部において、TiN粒子は溶融線近傍の1400℃以上の高温で一旦溶解して粒子数が減少すると再析出しないのに対し、Bは溶接加熱後の冷却過程でBNとして析出し、オーステナイト粒内のフェライト/ベイナイト核生成サイトとして働き、HAZ組織を微細化する。このような効果を発揮させるために、B量の下限は0.0005%とした。一方、0.0030%を超えて含有すると、Bの固溶量が過剰となり、溶接性、HAZ靭性が劣化するため、B量の上限は0.0030%とした。B量の好ましい下限は0.001%であり、好ましい上限は0.0025%である。
Caは、MnS系の長大な介在物を、CaS単独あるいはCaSとの複合介在物に変化させることで、球状化し、長さを短くする作用を有し、板厚方向特性の改善に寄与する元素である。さらにCaは、TiNとの複合介在物を形成し、高温で安定な微細介在物となり、HAZ靭性を改善する。この効果を得るために、Ca量の下限は0.0015%とした。一方、Ca量が0.0030%を超えると、Caを含む介在物が粗大化し、数も増加して、HAZ靭性が劣化するので、Ca量の上限を0.0030%とした。Ca量の好ましい下限は、0.0017%であり、好ましい上限は0.0029%である。
Nは、TiNやBNの窒化物粒子となりHAZ靭性の改善に有効な元素である。N量が0.0040%未満では、HAZ靭性を改善する効果が発揮できない。一方、N量が0.008%を超えると、固溶Nが過剰となりHAZ靭性が劣化する。そこで、N量を0.0040〜0.008%とした。N量の好ましい下限は0.0045%、好ましい上限は0.007%である。
Oは過剰に添加するとアルミナ系介在物が増加するとともに、Caを含む酸化物が粗大化し、数も増加するためHAZ靭性を劣化させる。そこでO量の上限を0.0030%とした。O量の好ましい上限は、0.0025%である。また、Oは製鋼過程で不可避的に残存するので、下限を0.0005%とした。
Crは強度上昇に有効な元素である。このような効果を発揮させるために、Cr量は好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.5%以上であることが推奨される。一方、Cr量が過剰であると溶接性が劣化するので、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下とするのが良い。
Vは強度と靭性を向上させるのに有効な元素である。このような効果を発揮させるために、V量は好ましくは0.005%以上、さらに好ましくは0.01%以上であることが推奨される。一方、V量が過剰であるとHAZ靭性が劣化するので、好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.04%以下とするのがよい。
鋼スラブの圧延時の加熱温度は、均一にオーステナイト組織に変態させる必要があるため、950℃以上にする必要がある。一方、加熱温度が高すぎるとオーステナイト結晶粒径が粗大化し、靭性が劣化するため上限を1250℃とした。加熱温度の好ましい下限は1000℃であり、好ましい上限は1200℃である。
圧延仕上温度は、靭性を確保するため、未再結晶域でオーステナイト粒内に歪(変形帯)を導入できる温度が望ましく、上限を900℃とした。一方、圧延仕上温度が低温になりすぎると超音波探傷試験での音響異方性が大きくなり、溶接部の検査効率に弊害が生じるため、下限を800℃とした。圧延仕上温度の好ましい下限は820℃であり、好ましい上限は870℃である。
圧延完了後、加速冷却(直接焼入れ(DQ))の冷却(水冷など)を開始するまでの間に、30秒以上空冷する必要がある。この空冷によって、鋼板の表面温度を均一化して鋼板内の材質ばらつきを低減するとともに、冷却開始温度を低下させ降伏比(YR)を低減させることができる。好ましい空冷時間は、60秒以上である。
圧延後の冷却速度が速いほど強度が上昇するため、冷却速度は1℃/s以上とする。一方、冷却速度が速すぎると硬質組織となり、靭性が劣化するので上限は100℃/sとする。冷却速度の好ましい下限は3℃/sであり、好ましい上限は30℃/s(特に15℃/s)である。
冷却停止温度が低いほど低温変態組織となり強度が上昇するので、冷却停止温度は300℃以下とする。好ましい冷却停止温度は200℃以下である。
本発明の製造方法では、前記のようにして加速冷却(直接焼入れ)した鋼板を、例えばオフラインで焼戻ししてもよい。焼戻しによって、硬質組織を軟化させ、さらに靭性を改善することができる。
前記加速冷却(直接焼入れ)と焼戻しの間に、フェライト―オーステナイト二相域からの焼入れ(Q’)を実施してもよい。二相域からの焼入れ(Q’)は特に低YR化に有効な方法である。
。
Ca含有介在物の測定には、FE−SEMを用いた。鋼板の縦断面のt/4位置(t:板厚)における任意の測定領域(約300μm×300μm)を、倍率1000倍で測定し、Caを含有する介在物を抽出し、円相当粒径5μm以上の介在物の個数をカウントした。測定は10視野について行い、得られた介在物の個数(10視野分の合計)を、1mm2あたりの個数に換算した。
MnS系介在物の測定には、光学顕微鏡を用いた。鋼板の縦断面のt/4位置とt/2位置(t:板厚)における任意の測定領域(約15mm×15mm)を、倍率100倍で観察し、長さ50μm以上のMnS系介在物の個数をカウントした。測定は、鋼板の縦断面のt/4位置とt/2位置(t:板厚)についてそれぞれ5視野ずつ、合計10視野について行い、得られたMnS系介在物の個数(10視野分の合計)を、1cm2あたりの個数に換算した。
鋼板を横断し、幅方向中央からサンプルを切り出し、マクロエッチングして偏析部を現出した。ドリル径1〜1.2mmのドリルで切削し、その切り粉を湿式分析により化学分析した。そして(中心偏析部のC濃度)/(鋼板全体の平均C濃度)を計算により求め、中心偏析度とした。
溶接継手部の靭性評価では、上記実験例で得られた鋼板をスキンプレートに見立てた。図4に示すようにして、板厚50mmのダイヤフラムと、スキンプレートとをT字型に配置し、これらを以下に示す条件でエレクトロスラグ溶接した。ダイヤフラム板厚の1/2の延長上であってスキンプレートと溶接金属の接続部分から、スキンプレートの板厚方向が長手方向となるシャルピー標準衝撃試験片(JIS Z 2242)を採取した。試験片の溶接溶融線(Fusion Line)上に、ノッチ長手方向が溶接方向となるVノッチを入れ、JIS Z 2242に従って、試験温度0℃でシャルピー衝撃試験を行った。3本の試験片について吸収エネルギー(vE0)を測定し、その平均値を求めた。吸収エネルギー(vE0)が70J以上の溶接継手部を合格とした。
入熱量:850kJ/cm
溶接電流:380A
溶接電圧:52V
溶接速度:14mm/分
鋼板のt(板厚)/4部位から、JIS Z 2201の4号試験片を採取し、JIS Z 2241に従って引張強度(TS)、降伏強度(YS)を測定し、降伏比(YR)を求めた。引張試験時の試験速度は10N/mm2・秒とした。引張強度(TS)490MPa以上が合格であり、降伏比(YR)80%以下が合格である。
Claims (5)
- C :0.02〜0.10%(質量%の意味。以下、同じ。)、
Si:0.05〜0.5%、
Mn:1.0〜2.0%、
P :0.015%以下(0%を含まない)、
S :0.0010%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜0.05%、
Cu:0.05〜1.5%、
Ni:0.05〜1.5%、
Ti:0.003〜0.02%、
B :0.0005〜0.0030%、
Ca:0.0015〜0.0030%、
N :0.0040〜0.008%、
O :0.0005〜0.0030%
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物であって、上記Ti、B、Nの含有量(質量%)が下記式(1)〜(3)を満たし、
鋼板の縦断面において、Caを含有する円相当径5μm以上の介在物が5個/mm2以下で、長さ50μm以上のMnS系介在物が2個/cm2以下であり、
鋼板の中心偏析部のC濃度が、鋼板全体の平均C濃度の1.2倍以下であることを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板。
(1)1.0≦[Ti]/[N]≦3.0
(2)0.0003≦[N]−[Ti]/3.4≦0.0035
(3)−0.0005≦[B]−{([N]−[Ti]/3.4)×11/14}≦0.0015
(但し、[Ti]、[N]、[B]は、夫々Ti、N、Bの含有量(質量%)を表す。) - 更に、Cr:0.05〜1.5%および/またはV:0.005〜0.05%を含有する請求項1に記載の鋼板。
- 請求項1または2に記載の鋼板を製造する方法であって、
鋼スラブを、950〜1250℃に加熱し、圧延仕上温度が800〜900℃となるように圧延した後、30秒以上の空冷を行い、その後1〜100℃/sの冷却速度で300℃以下の温度まで冷却することを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。 - 請求項3に記載の300℃以下の冷却の後、さらに450〜600℃に再加熱し、空冷することを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。
- 請求項3に記載の300℃以下の冷却の後、
(1)700〜850℃の再加熱と、それに続く1℃/s以上の冷却速度での200℃以下までの冷却、
(2)450〜600℃の再加熱と、それに続く空冷
を順次行うことを特徴とする、大入熱溶接熱影響部の板厚方向靭性に優れたスキンプレート用鋼板の製造方法。
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