JP2009221402A - ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系、並びに開環重合体及び開環重合体水素化物の製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系、並びに開環重合体及び開環重合体水素化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノルボルネン系単量体の開環重合法の改善によって、比較的低コストで、濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体及びその水素化物を得ることができる開環重合触媒系を提供する。
【解決手段】ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系であって、(a)タングステン化合物、(b)有機アルミニウム化合物、(c)第二級アルコール、及び(d)第三級アルコールの組み合わせを含み、有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比(c/b)が、0.90〜1.15で、かつ、有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比(d/b)が、0.01〜0.11の範囲内であるノルボルネン系単量体の開環重合触媒系。
【選択図】なし

Description

本発明は、ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系、並びに開環重合体及び開環重合体水素化物の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の成分の組み合わせからなる開環重合触媒系に関する。本発明の開環重合触媒系を用いて製造したノルボルネン系開環重合体を含有する反応液、及び該開環重合体を水素添加してなる開環重合体水素化物の反応液は、濾過性能に優れているため、触媒や異物の除去が容易であり、フィルターの目詰まりを起こし難く、フィルターの頻繁な交換を必要としない。
ノルボルネン系開環重合体(「開環共重合体」を含む)及びその水素化物は、耐熱性、透明性、耐光性、耐吸水性、耐湿性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性(低誘電率及び低誘電損失)、低複屈折性、剛性、耐レーザー性等の諸特性のバランスに優れているため、射出成形、押出成形、圧縮成形、溶剤キャスト法などの各種成形法により、例えば、光学材料、医療用器材、電気絶縁材料、電子部品処理用器材などとして、広範な分野で使用されている。
ノルボルネン系開環重合体は、一般に、ノルボルネン系単量体をメタセシス重合触媒を用いて、有機溶剤中で開環重合する方法によって製造されている。例えば、特開2000−219725号公報(特許文献1)には、ノルボルネン系単量体を、メタセシス触媒及び分子量調節剤の存在下に開環重合した後、水素添加触媒の存在下に水素添加するノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法が開示されている。
特許文献1には、メタセシス触媒として、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、タングステン、モリブデン、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなど各種金属の化合物が例示されている。特許文献1には、助触媒として、有機アルミニウム化合物及び有機スズ化合物が示されている。特許文献1には、重合活性調整剤として、アルコール、アミン、エーテル、エステル、ケトン、ニトリルなどが例示されている。
特許文献1の実施例1〜5には、ノルボルネン系単量体を、六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウム、イソブチルアルコール、及びアセトンからなる開環重合触媒系を用いて開環重合し、次いで、得られた開環重合体を水素添加して、開環重合体水素化物を得たことが記載されている。特許文献1の各実施例には、水素添加反応後、反応液を濾過して、水素添加触媒を除去したことが示されている。
従来の開環重合触媒系を用いたノルボルネン系単量体の開環重合法によれば、得られたノルボルネン系開環重合体または該開環重合体水素化物を含有する反応液の濾過性能が必ずしも十分ではなく、フィルターの目詰まりが発生し易いという問題があった。フィルターが目詰まりし易いと、生産ラインを中断したり、フィルターの交換を頻繁に行ったりしなければならなかった。フィルターの目詰まりによって、フィルターが破損すれば、開環重合体またはその水素化物中に触媒や異物が混入する惧れがある。
特開平11−130842号公報(特許文献2)には、ジシクロペンタジエン類を90重量%以上の割合で含むノルボルネン系単量体を、(A)W化合物、Mo化合物、Re化合物、V化合物、及びTi化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属化合物(メタセシス重合触媒)、(B)有機アルミニウム化合物及び有機スズ化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合活性化剤(助触媒)、並びに(C)有機酸エステル化合物、エーテル、ケトン、及びニトリル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合活性調整剤を含有するメタセシス重合触媒系の存在下で重合し、次いで、水素添加触媒系の存在下に水素添加反応することを特徴とする水素化物の製造方法が提案されている。
特許文献2には、有機酸エステル化合物、エーテル、ケトンまたはニトリル化合物が、重合活性調整剤として存在することにより、分子間の架橋反応を抑制することができると記載されている。しかし、特許文献2に記載の製造方法は、ノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する反応液の濾過性能の点では、さらなる改良が求められている。
特開2007−106932号公報(特許文献3)には、ジシクロペンタジエン系単量体を含有するノルボルネン系単量体を開環重合した後、水素化反応を行うに際し、特定の金属ヒドリド錯体の存在下、比較的低温で水素化する方法が開示されている。特許文献3には、その製造方法によれば、濾過性能に優れた開環重合体水素化物の得られることが示されている。しかし、特許文献3に記載の方法は、水素添加反応のために、高価なルテニウムヒドリド錯体などの特定の金属ヒドリド錯体を使用する必要があり、その改善が求められていた。
特開2000−219725号公報 特開平11−130842号公報 特開2007−106932号公報
本発明の課題は、ノルボルネン系単量体の開環重合法の改善によって、比較的低コストで、濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体及びその水素化物を得ることができる開環重合触媒系を提供することにある。
本発明の他の課題は、該開環重合触媒系を用いて、ノルボルネン系単量体を開環重合するノルボルネン系開環重合体の製造方法を提供することにある。
本発明のさらなる他の課題は、該開環重合触媒系を用いて得られたノルボルネン系開環重合体を、水素添加触媒の存在下に水素添加するノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を行った。その研究の過程で、メタセシス開環重合触媒系において、従来技術ではそれほど注目されていなかった重合活性調整剤のアルコール類に着目し、ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の濾過性能との関連性を調べた。その結果、タングステン化合物と有機アルミニウム化合物からなるメタセシス触媒系に、重合活性調整剤として、第二級アルコールと第三級アルコールとを組み合わせて使用し、かつ、それぞれの有機アルミニウム化合物に対するモル比を特定の範囲内となるように使用比率を選択することによって、前記課題を達成できる開環重合触媒系の得られることを見出した。
本発明の開環重合触媒系を用いると、得られたノルボルネン系開環重合体の濾過性能に優れるだけではなく、通常の水素添加触媒を用いた水素添加反応によって、濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体水素化物を得ることができる。そのため、本発明の開環重合触媒系を用いて得られたノルボルネン系開環重合体は、その水素添加法に格別の制限がない。
本発明の製造方法によれば、ジシクロペンタジエンなどの分子内にオレフィン系不飽和結合を複数有するノルボルネン系単量体または該ノルボルネン系単量体を含むノルボルネン系単量体混合物を用いても、ミクロゲルの生成が抑制され、フィルターによる濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体とその水素化物を得ることができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系であって、
1)下記(a)乃至(d)成分
(a)タングステン化合物、
(b)有機アルミニウム化合物、
(c)第二級アルコール、及び
(d)第三級アルコール
の組み合わせを含み、
2)有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比(c/b)が、0.90〜1.15の範囲内であり、かつ、
3)有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比(d/b)が、0.01〜0.11の範囲内である
ことを特徴とするノルボルネン系単量体の開環重合触媒系が提供される。
また、本発明によれば、有機溶媒中でノルボルネン系単量体を開環重合触媒系により開環重合するノルボルネン系開環重合体の製造方法において、該開環重合触媒系が、
1)下記(a)乃至(d)成分
(a)タングステン化合物、
(b)有機アルミニウム化合物、
(c)第二級アルコール、及び
(d)第三級アルコール
の組み合わせを含み、
2)有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比(c/b)が、0.90〜1.15の範囲内であり、かつ、
3)有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比(d/b)が、0.01〜0.11の範囲内である
開環重合触媒系であることを特徴とするノルボルネン系開環重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記製造方法によって得られたノルボルネン系開環重合体を、水素添加触媒の存在下に、水素添加することを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法が提供される。
本発明の開環重合触媒系を用いてノルボルネン系単量体の開環重合を行うことにより、濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体とその水素添加物を製造することができる。本発明の製造方法により得られたノルボルネン系開環重合体とその水素添加物は、濾過性能に優れているため、触媒や異物を効率的に濾過して除去することができる。本発明の製造方法によれば、フィルターの目詰まりの発生が抑制されるため、フィルターの目詰まりに起因する生産ラインの中断や、フィルターの破損に起因する触媒や異物の混入のない開環重合体とその水素化物を得ることができる。本発明の製造方法により得られた開環重合体とその水素化物は、従来法により得られた重合体と同等の機械的物性を有している上、濾過性能に優れるため、触媒や異物の含有量を効率的に低減することができる。
1.ノルボルネン系単量体:
ノルボルネン系開環重合体は、ノルボルネン系単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて開環(共)重合させたポリマーである。
ノルボルネン系単量体の具体例としては、ノルボルナン環を有しないノルボルネン系単量体がある。その具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名「2−ノルボルネン」または「ノルボルネン」)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのノルボルネンとその誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名「ジシクロペンタジエン」)、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エンなどのジシクロペンタジエンとその誘導体;テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン」ともいう)とその誘導体;テトラシクロ[8.4.111,14.01,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン」ともいう)とその誘導体;などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体として、ノルボルナン環を有するノルボルネン系単量体がある。その具体例としては、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン(慣用名「テトラシクロドデセン」)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エンなどのテトラシクロドデセンとその誘導体;ペンタシクロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエンとその誘導体;ペンタシクロ[7.4.13,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエンとその誘導体;などが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ノルボルネン系単量体と、それ以外の共重合可能な単量体を使用して共重合体とすることもできる。
ノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20個を有するα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。
これらの共重合可能な単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。共重合可能な単量体の中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンは、分子量調節剤として用いられることがある。
2.開環重合触媒系:
ノルボルネン系単量体の開環重合は、一般に、メタセシス開環重合触媒系を用いて、有機溶媒中で行われる。本発明で用いる開環重合触媒系は、下記(a)乃至(d)成分:
(a)タングステン化合物、
(b)有機アルミニウム化合物、
(c)第二級アルコール、及び
(d)第三級アルコール
の組み合わせを含む開環重合触媒系である。
本発明では、メタセシス触媒として、タングステン化合物を選択して用いる。タングステン化合物としては、例えば、WCl、WCl、WCl、WCl、WBr、WBr、WBr、WF、WF、WI、WI等のハロゲン化タングステン;WOCl、WOBr、WOF等のオキシハロゲン化タングステン;W(OC等のアルコキシ化タングステン若しくはアリールオキシ化タングステン;WCl(OC等の部分ハロゲン化アルコキシ化タングステン若しくは部分塩素化アリールオキシ化タングステン;W(CO)(CHCN)、W(OCCl、(CO)WC(OCH)(CH)、(CO)WC(OC)(CH)、(CO)WC(OC)(C)などの(部分)カルボニル化、(部分)塩素化、(部分)ハロゲン化、(部分)アルコキシ化、または(部分)アリールオキシ化等されたタングステン化合物;が挙げられる。
これらのタングステン化合物の中でも重合活性が高く、好ましい化合物としては、WCl、W(OCClなどのハロゲン化若しくは部分アルコキシ化(またはアリールオキシ化)かつハロゲン化されたタングステン化合物が挙げられる。これらのタングステン化合物は、重合活性が高く、高分子量の開環重合体及びその水素添加物が得られ易い点で、特に好ましい。これらのタングステン化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その使用量は、モノマー全量100モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.005〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルの範囲である。
助触媒としては、有機アルミニウム化合物を選択して用いる。有機アルミニウム化合物の中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましい。好ましい有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムが挙げられるが、これらに限定されない。これらの有機アルミニウム化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。有機アルミニウム化合物の使用量は、反応条件に応じて適宜選択されるが、タングステン化合物:有機アルミニウム化合物の金属原子比で、通常1:1〜1:1000、好ましくは1:2〜1:100、より好ましくは1:5〜1:50の範囲である。
第二級アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、シクロヘキサノール、sec−ブタノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノールが挙げられる。
第三級アルコールとしては、例えば、t−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール(「t−アミルアルコール」)、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、1−メチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらのアルコールの中でも、第二級アルコールとしては、イソプロパノール及びシクロヘキサノールが好ましい。第三級アルコールとしては、t−ブタノール及び2−メチル−2−ブタノールが好ましい。これらの第二級アルコール及び第三級アルコールのそれぞれは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比と、有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比を、それぞれ特定の範囲内に厳密に制御することによって、濾過性能が顕著に改善されたノルボルネン系開環重合体とその水素化物を製造することができる。
本発明の開環重合触媒系において、有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比は、0.90〜1.15、好ましくは0.93〜1.13、より好ましくは0.94〜1.11の範囲内である。有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比は、0.01〜0.11、好ましくは0.02〜0.11、より好ましくは0.03〜1.10の範囲内である。
本発明の開環重合触媒系において、有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比、及び有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比を、それぞれ前記した特定の選択された範囲内とすることによって、得られるノルボルネン系開環重合体とその水素化物の濾過性能を顕著に向上させることができる。
本発明では、発明の目的を阻害しない範囲内において、第二級アルコール及び第三級アルコールとともに、その他の重合活性調整剤を併用することができる。その他の重合活性調整剤としては、有機酸エステル化合物、エーテル、ケトン、及びニトリル化合物を挙げることができる。
有機酸エステル化合物は、式RCOORで表される化合物であり、R及びRは、アルキル基やアリール基などの炭化水素基である。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20、好ましくは1〜10である。アリール基としては、フェニル基が好ましい。有機酸エステル化合物の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどが挙げられる。
エーテルは、式RORで表される化合物であり、R及びRは、アルキル基やアリール基などの炭化水素基である。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20、好ましくは1〜10である。アリール基としては、フェニル基が好ましい。エーテルの具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルフェニルエーテル、イソプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
ケトンは、式R−C(=O)−Rで表される化合物であり、R及びRは、アルキル基やアリール基などの炭化水素基である。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20、好ましくは1〜10である。アリール基としては、フェニル基が好ましい。ケトンの好ましい具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルフェニルケトンなどが挙げられる。
ニトリルは、式RCNで表される化合物であり、Rは、アルキル基やアリール基などの炭化水素基である。アルキル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、例えば、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、アルキル置換フェニル基(例えば、トリル基、キシリル基)、ナフチル基、アルキル置換ナフチル基などが挙げられる。ニトリルの好ましい具体例としては、t−ブチルニトリル、ベンゾニトリルなどが挙げられる。
その他の重合活性調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。その他の重合活性調整剤の中でも、濾過性能の観点から、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルが好ましい。その他の重合活性調整剤の使用量は、反応条件に応じて適宜選択されるが、第二級アルコール及び第三級アルコールの使用量と合わせて、単量体全量100モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.005〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルの範囲である。
3.有機溶媒:
開環重合は、溶媒を用いなくても可能であるが、通常は、不活性有機溶媒中で実施することが好ましい。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;スチレンジクロリド、ジクロルエタン、ジクロルエチレン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。ノルボルネン系開環重合体は、これらの有機溶媒に溶けるため、反応中に生成ポリマーが析出することなく重合することができる。さらに、これらの有機溶媒を用いると、開環重合後に有機溶媒を置換することなく、引き続いて水素添加反応を効率よく行うことができるので好ましい。
有機溶剤の使用量は、単量体100重量部に対して、通常10〜1,000重量部、好ましくは50〜700重量部、より好ましくは100〜500重量部の範囲内である。
4.開環重合反応:
開環重合は、通常、オリゴマー(特に環状オリゴマー)の生成を抑制するために、開環重合温度を特定の範囲内に調整して行う。重合温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは35〜75℃、特に好ましくは40〜70℃である。重合温度が低すぎると、転化率が十分に上がらない。重合温度が高すぎると、オリゴマーの生成量が増大するため、好ましくない。重合圧力は、通常0〜50kg/cm、好ましくは0〜20kg/cmである。
開環重合は、常法に従って行うことができるが、濾過性能の観点から、以下の方法を採用することが好ましい。この方法は、反応器中に、不活性有機溶媒、トリアルキルアルミニウム、及び活性調整剤を仕込み、次いで、反応系内の温度を前記範囲内に調整しながら、ノルボルネン系単量体とタングステン化合物とを、それぞれ別個に連続的に加える方法である。開環重合反応中、通常、反応系の攪拌を継続している。
5.水素添加反応:
水素添加は、常法に従って、ノルボルネン系開環重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素添加する方法により行うことができる。ノルボルネン系開環重合体は、不飽和結合を有するため、水素添加することが、透明性、耐熱性、耐レーザー性などの観点から好ましい。
ノルボルネン系開環重合体中の非共役の炭素−炭素二重結合の水素添加率は、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは100%である。ノルボルネン系開環重合体中の共役炭素−炭素二重結合(例えば、芳香環の共役二重結合)については、必ずしも水素添加する必要はないけれども、ノルボルネン系開環重合体中の共役炭素−炭素二重結合の通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは100%を水素添加することが、透明性、耐レーザー性などの観点から好ましい。
水素添加触媒としては、ノルボルネン系開環重合体の水素化に際して一般に使用されているものであれば使用可能であり、特に制限されないが、例えば、次のようなものが挙げられる。均一系触媒としては、遷移金属化合物とアルキル金属化合物の組み合わせからなる触媒系が挙げられ、その具体例として、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウム等の組み合わせが挙げられる。不均一触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、またはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固体触媒が挙げられ、その具体例としては、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等の触媒系が挙げられる。
水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中で実施する。水素添加反応は、使用する水素添加触媒系によっても適する条件範囲が異なるが、通常、−20℃から200℃の温度範囲で、0.01〜7MPaの水素圧力下で行う。
6.物性:
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは20,000〜100,000である。ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の重量平均分子量が前記範囲であることが、強度などの機械的物性と成形加工性とを高度にバランスさせる上で好ましい。GPCにより測定されるノルボルネン系開環重合体とその水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は、通常5.0以下、好ましくは4.5以下である。
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物には、一般に、結晶性であって、融点が測定できるものと、非晶性であって、ガラス転移温度が測定できるものの融点のないものの二種類がある。
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物のガラス転移温度(Tg)は、測定できる場合は、通常50〜300℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃である。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した値である。
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の融点は、測定できる場合は、通常130〜400℃、好ましくは130〜300℃である。融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した値である。
7.成形材料:
ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物は、必要に応じて、有機または無機の充填剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコーンオイル、発泡剤、界面活性剤、離型剤などの各種添加剤を配合することができる。ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物は、必要に応じて、他のポリマーとブレンドすることができる。添加剤等を配合したノルボルネン系開環重合体またはその水素化物は、通常は、140〜400℃程度の温度にて溶融混練した後、ペレタイザー等を用いてペレット化することにより、成形材料とする。添加剤の配合方法には、ドライブレンド法の他、ノルボルネン系開環重合体溶液またはその水素化物溶液に添加剤を混合した後、溶媒等の揮発成分を除去する方法もある。
8.成形方法:
上記の成形材料を成形して各種の成形品とすることができる。成形方法は、従来公知の成形方法に従えばよく、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、溶剤キャスト法、延伸成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、真空成形、回転成形、熱成形などが挙げられる。成形時の樹脂の溶融温度は、通常140〜400℃である。
9.成形品:
上記の成形材料を用いて、各種の成形品を成形することができるが、特に、配合剤等を選ぶことにより、透明な成形品を得ることが可能である。成形品は、耐衝撃性等の機械的強度に優れ、水分や水蒸気の透過率が低く、耐溶剤性にも優れることから、ピックアップレンズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡レンズ、レーザビーム用fθレンズなどのレンズ類;光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクなどの光ディスク類;偏向フィルム、位相差フィルム、反射フィルム、マーキングフィルム、OHPフィルム等の光学フィルム;プレススルーパッケージ、ディスポーザブルシリンジ、薬液バイヤル、輸液バッグ等の医療用途の成形品;フォトインタラプター、フォトカプラー、LEDランプ等の光半導体封止材、電線被覆、ウエハシッパー等の電気または電子材料用途の成形品;カーポート、グージング等の建材;ラップフィルム、ストレッチフィルム、シュリンクフィルム、ブリスターパック等の包装フィルム;ボールペン芯等の文具等に好適である。成形品の形状は、球状、棒状、板状、ファイバー状、筒状など任意である。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。以下の実施例及び比較例において、各種物性及び特性の測定法は、次のとおりである。
(1)開環重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn):
開環重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、トルエンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
測定装置として、GPC-8020シリーズ(DP8020、SD8022、AS8020、CO8020、RI8020、東ソー社製)を用いた。
標準ポリスチレンとしては、重量平均分子量(Mw)が、500、2630、10200、37900、96400、427000、1090000、5480000の計8種の標準ポリスチレン(東ソー社製)を用いた。
サンプルは、サンプル濃度1mg/mlになるように、測定試料をトルエンに溶解後、カートリッジフィルター(ポリテトラフルオロエチレン製、孔径0.5μm)で濾過して作成した。
測定は、カラムに、TSKgel GMHHR・H(東ソー社製)を2本直列に繋いで用い、流速1.0ml/min、サンプル注入量100μml、カラム温度40℃の条件で行った。
(2)開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn):
開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。測定装置として、HLC8121GPC/HT(東ソー社製)を用いた。
標準ポリスチレンとしては、重量平均分子量(Mw)が、988、2580、5910、9010、18000、37700、95900、186000、351000、889000、1050000、2770000、5110000、7790000、20000000の計15種の標準ポリスチレン(東ソー社製)を用いた。
サンプルは、サンプル濃度1mg/mlになるように、140℃にて測定試料を1,2,4-トリクロロベンゼンに加熱溶解させて作成した。
測定は、カラムに、TSKgel GMHHR・H(20)HT(東ソー社製)を3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/min、サンプル注入量300μml、カラム温度140℃の条件で行った。
(3)重合転化率:
開環重合体の重合転化率は、ガスクロマトグラフィにより、残留単量体量を測定し、その測定値から算出した。
(4)水素化率:
開環共重合体水素化物の水素化率は、溶媒に重クロロホルムを用いる、H-NMR測定により求めた。
(5)濾過性能:
濾過性能は、濾過時間延長率によって測定した。濾過時間延長率は、300gの水添溶液を濾過面積17.3cmの濾布(仁方鉄工所社製「PS#9A」)で、10回濾過を繰り返し、1回目と10回目の濾過時間より、以下の式により求めた。
濾過時間延長率%=〔(10回目の濾過時間−1回目の濾過時間)/1回目の濾過時間〕×100
(6)融点:
融点は、示差走査熱量分析計(DSC6220、SIIナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K7121に従って、試料を融点より30℃以上に加熱した後、冷却速度10℃/minで室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/minで測定した。
(7)ガラス転移温度:
ガラス転移温度は、示差走査熱量分析計(DSC6220、SIIナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K6911に基づいて測定した。
[実施例1]
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン5,000gに、1−ヘキセン53.1mmol、ジイソプロピルエーテル15.9mmol、トリイソブチルアルミニウム5.31mmol、イソプロパノール5.31mmol、t−ブタノール0.27mmolを、攪拌器付ステンレス鋼製オートクレーブに入れ、攪拌混合した。その後、攪拌下で55℃に保ちながら、2−ノルボルネン(「NB」と略記)1,000gと六塩化タングステン2.12mmolを3時間かけて反応液に連続添加した。さらに1時間攪拌し重合反応を完了し、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、53,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.0であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を耐圧の水素化反応器に移送した。そこへ、ケイソウ土担持ニッケル触媒(T8400、ニッケル担持率58重量%、ズードケミー触媒社製)0.5重量部を加えた。180℃、水素圧4.5MPaで6時間反応させ水添反応溶液を得た。
(濾過)
上記で得た溶液300gを、加圧濾過器(KST−47、ADVANTEC社製)及び濾布(仁方鉄工所社製「PS#9A」)を使用し、70℃、圧力0.20MPaで窒素加圧の加圧濾過を行った。濾過終了後、濾過層を取り除き、同じ濾布を用いて上記濾過作業を計10回繰り返した。
1回目の濾過時間は120分で、10回目の濾過時間は122分であり、したがって、濾過時間延長率は2%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は52,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、及び融点は136℃であった。
[実施例2]
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン5,000gに、1−ヘキセン49.1mmol、ジイソプロピルエーテル12.3mmol、トリイソブチルアルミニウム4.09mmol、イソプロパノール4.09mmol、t−ブタノール0.20mmolを攪拌器付ステンレス鋼製オートクレーブに入れ攪拌混合した。その後、攪拌下で55℃に保ちながら、ジシクロペンダジエン(「DCP」と略記)800gと2−ノルボルネン200gと六塩化タングステン1.64mmolを3時間かけて反応液に連続添加した。さらに、1時間攪拌し重合反応を完了し、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、43,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.0であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は110分で、10回目の濾過時間は111分であり、したがって、濾過時間延長率は1%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.8%、重量平均分子量(Mw)は42,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、及びガラス転移温度は75℃であった。
[実施例3]
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン5,000gに、1−ヘキセン50.7mmol、ジイソプロピルエーテル10.9mmol、トリイソブチルアルミニウム3.62mmol、イソプロピルアルコール3.62mmol、t−ブタノール0.18mmolを攪拌器付ステンレス鋼製オートクレーブに入れ攪拌混合した。その後、攪拌下で55℃に保ちながら、ジシクロペンダジエン900gと8−エチリデン―テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ―3−エン(「ETD」と略記)100gと六塩化タングステン1.64mmolを3時間かけて反応液に連続添加した。さらに、1時間攪拌し重合反応を完了し、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、33,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、2.0であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は90分で、10回目の濾過時間は91分であり、したがって、濾過時間延長率は1%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.8%、重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.4、及びガラス転移点は99℃であった。
[実施例4]
(開環重合)
イソプロパノールの代わりにシクロヘキサノール5.31mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、61,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.6であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は133分で、10回目の濾過時間は136分であり、したがって、濾過時間延長率は2%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.8%、重量平均分子量(Mw)は62,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.7、融点は137℃であった。
[実施例5]
(開環重合)
六塩化タングステンの代わりにオキソ四塩化タングステン2.12mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、64,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.7であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は150分で、10回目の濾過時間は153分であり、したがって、濾過時間延長率は2%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は65,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.7、及び融点は137℃であった。
[実施例6]
(開環重合)
t−ブタノールの量を0.05mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、54,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.5であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は140分で、10回目の濾過時間は143分であり、したがって、濾過時間延長率は2%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は55,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.5、及び融点は135℃であった。
[実施例7]
(開環重合)
t−ブタノールの量を0.53mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、99%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、71,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、4.0であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は200分で、10回目の濾過時間は206分であり、したがって、濾過時間延長率は3%であった。
得られた開環共重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は75,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.1、及び融点は138℃であった。
[実施例8]
(開環重合)
イソプロパノールの量を5.84mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、99%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、70,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.9であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は195分で、10回目の濾過時間は201分であり、したがって、濾過時間延長率は3%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は71,500、分子量分布(Mw/Mn)は4.1、及び融点は138℃であった。
[実施例9]
(開環重合)
イソプロパノールの量を5.04mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、80,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、4.2であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は298分で、10回目の濾過時間は313分であり、したがって、濾過時間延長率は5%であった。
得られた開環共重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は82,500、分子量分布(Mw/Mn)は4.3、及び融点は138℃であった。
[実施例10]
(開環重合)
t−ブタノールの代わりに2−メチル−2−ブタノールを0.27mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、53,400で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.2であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は115分で、10回目の濾過時間は117分であり、したがって、濾過時間延長率は2%であった。
得られた開環共重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は54,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.3、及び融点は136℃であった。
Figure 2009221402
[比較例1]
(開環重合)
第二級アルコールおよび第三級アルコールを用いず、第一級アルコールとして2−メチル−1−プロパノール(「イソブチルアルコール」)を5.57mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、99%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、55,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.3であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は350分で、10回目の濾過時間は1400分であり、したがって、濾過時間延長率は300%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は56,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.3、及び融点は136℃であった。
[比較例2]
(開環重合)
第二級アルコールおよび第三級アルコールを用いず、第一級アルコールとして2−メチル−1−プロパノール(「イソブチルアルコール」)を4.29mmolとした他は、実施例2と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、44,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.0であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は122分で、10回目の濾過時間は146分であり、したがって、濾過時間延長率は20%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.8%、重量平均分子量(Mw)は43,400、分子量分布(Mw/Mn)は3.1、及びガラス転移点は75℃であった。
[比較例3]
(開環重合)
第二級アルコールおよび第三級アルコールを用いず、第一級アルコールとして2−メチル−1−プロパノール(「イソブチルアルコール」)を3.80mmolとした他は、実施例3と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。得られた開環共重合体の重量平均分子量Mwは、34,300で、分子量分布(Mw/Mn)は、2.1であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は95分で、10回目の濾過時間は105分であり、したがって、濾過時間延長率は10%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.8%、重量平均分子量(Mw)は34,700、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、及びガラス転移点は99℃であった。
[比較例4]
(開環重合)
六塩化タングステンの代わりにオキソ四塩化タングステン2.12mmolとした他は、比較例1と同様にしてノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、100%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、63,300で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.5であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は330分で、10回目の濾過時間は1155分であり、したがって、濾過時間延長率は250%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は62,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.2、及び融点は136℃であった。
[比較例5]
(開環重合)
第二級アルコールを用いず、第一級アルコールとして2−メチル−1−プロパノール(「イソブチルアルコール」)を5.31mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、99%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、53,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.3であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は250分で、10回目の濾過時間は500分であり、したがって、濾過時間延長率は100%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は54,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.3、及び融点は136℃であった。
[比較例6]
(開環重合)
第三級アルコールを用いず、第一級アルコールとして2−メチル−1−プロパノール(「イソブチルアルコール」)を5.31mmol、第二級アルコールとしてイソプロパノールを0.27mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、99%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、55,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.4であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は305分で、10回目の濾過時間は915分であり、したがって、濾過時間延長率は200%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は56,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.4、及び融点は136℃であった。
[比較例7]
(開環重合)
t−ブタノールの量を0.64mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、97%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、69,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、3.7であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は250分で、10回目の濾過時間は326分であり、したがって、濾過時間延長率は30%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は71,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.9、及び融点は136℃であった。
[比較例8]
(開環重合)
イソプロパノールの量を4.51mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、97%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、83,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、4.3であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は270分で、10回目の濾過時間は608分であり、したがって、濾過時間延長率は125%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は84,600、分子量分布(Mw/Mn)は4.4、及び融点は138℃であった。
[比較例9]
(開環重合)
イソプロパノールの量を6.10mmolとした他は、実施例1と同様にして、ノルボルネン系開環重合体を得た。重合転化率は、95%であった。得られた開環重合体の重量平均分子量Mwは、91,000で、分子量分布(Mw/Mn)は、4.7であった。
(水素化反応)
上記で得た重合反応液を、実施例1と同様に水素化処理して、水添反応液を得た。
(濾過)
1回目の濾過時間は260分で、10回目の濾過時間は359分であり、したがって、濾過時間延長率は38%であった。
得られた開環重合体水素化物の水素化率は99.7%、重量平均分子量(Mw)は92,600、分子量分布(Mw/Mn)は4.8、及び融点は138℃であった。
Figure 2009221402
[考察]
重合活性調整剤として、第二級アルコール及び第三級アルコールの代わりに第一級アルコールを添加した比較例1は、濾過時間延長率が300%である。同じく、重合活性調整剤として、第二級アルコール及び第三級アルコールの代わりに第一級アルコールを添加した比較例2〜4は、濾過時間延長率が、それぞれ20%、10%、250%である。
重合活性調整剤として、第二級アルコールの代わりに第一級アルコールを添加した比較例5は、濾過時間延長率が100%である。重合活性調整剤として、第三級アルコールの代わりに第一級アルコールを添加した比較例6は、濾過時間延長率が200%である。第二級アルコール及び第三級アルコールを添加しているが、第3級アルコールの量が本発明の範囲外の比較例7〜9は、濾過時間延長率が、それぞれ30%、125%、38%である。
これらに対して、本発明の実施例1〜10は、濾過時間延長率が1〜5%であり、濾過性能が顕著に優れている。
したがって、本発明の開環重合触媒系を用いれば、濾過性能に優れたノルボルネン系開環重合体とその水素化物を製造することができる。
本発明の開環重合触媒系を用いて製造されたノルボルネン系開環重合体及びその水素化物は、光学材料、医療用器材、電気絶縁材料、電子部品処理用器材などとして、広範な分野で利用することができる。

Claims (6)

  1. ノルボルネン系単量体の開環重合触媒系であって、
    1)下記(a)乃至(d)成分
    (a)タングステン化合物、
    (b)有機アルミニウム化合物、
    (c)第二級アルコール、及び
    (d)第三級アルコール
    の組み合わせを含み、
    2)有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比(c/b)が、0.90〜1.15の範囲内であり、かつ、
    3)有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比(d/b)が、0.01〜0.11の範囲内である
    ことを特徴とするノルボルネン系単量体の開環重合触媒系。
  2. タングステン化合物が、六塩化タングステンまたはオキシ四塩化タングステンである請求項1記載の開環重合触媒系。
  3. 有機アルミニウム化合物が、トリアルキルアルミニウムである請求項1または2記載の開環重合触媒系。
  4. 有機溶媒中でノルボルネン系単量体を開環重合触媒系により開環重合するノルボルネン系開環重合体の製造方法において、該開環重合触媒系が、
    1)下記(a)乃至(d)成分
    (a)タングステン化合物、
    (b)有機アルミニウム化合物、
    (c)第二級アルコール、及び
    (d)第三級アルコール
    の組み合わせを含み、
    2)有機アルミニウム化合物に対する第二級アルコールのモル比(c/b)が、0.90〜1.15の範囲内であり、かつ、
    3)有機アルミニウム化合物に対する第三級アルコールのモル比(d/b)が、0.01〜0.11の範囲内である
    開環重合触媒系であることを特徴とするノルボルネン系開環重合体の製造方法。
  5. 有機溶媒中に、有機アルミニウム化合物、第二級アルコール、及び第三級アルコールを添加した後、これら各成分を含有する重合反応系内に、ノルボルネン系単量体とタングステン化合物とを、それぞれ別個に、連続的に添加しながら開環重合を行う請求項4記載の製造方法。
  6. 請求項4または5記載の製造方法によって得られたノルボルネン系開環重合体を、水素添加触媒の存在下に、水素添加することを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013075976A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Nippon Zeon Co Ltd ノルボルネン系開環重合体及びその水素化物の製造方法
WO2014103830A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 Rimtec株式会社 反応射出成形用配合液、反応射出成形体の製造方法および反応射出成形体
US11066497B2 (en) 2014-06-27 2021-07-20 Rimtec Corporation Liquid formulation for reaction injection molding and manufacturing method thereof
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