JP2009221267A - ポリプロピレン樹脂組成物及びその樹脂製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できるポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂製品を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂製品(10)は、240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上のPPに、ガラス転移点が130℃以上のマレイミド変性PSと、相溶化剤とが含まれ、PPとマレイミド変性PSとの質量比が85/15〜50/50であり、相溶化剤の添加量がPPとマレイミド変性PSとの合計量100質量部に対し、5〜10質量部であり、加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の樹脂製品(10)は、240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上のPPに、ガラス転移点が130℃以上のマレイミド変性PSと、相溶化剤とが含まれ、PPとマレイミド変性PSとの質量比が85/15〜50/50であり、相溶化剤の添加量がPPとマレイミド変性PSとの合計量100質量部に対し、5〜10質量部であり、加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高耐熱性のポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂製品に関するものである。
今日、ポリプロピレンは、安価で成形しやすく、耐薬品性に優れ、耐熱性も比較的高いことから、多くの樹脂製品に用いられている。
しかし、耐熱性が比較的高いといっても、ポリプロピレンのガラス転移点(Tg)は−20〜−10℃にあり、成形等して樹脂製品として実使用されているものは、ゴム状領域にあることから、温度上昇に従い分子運動が活発となり、樹脂製品の変形も大きくなっていく。
そのため、高温(80℃以上)下において、荷重負荷がかかる製品に対しては、ポリプロピレンは使用することができなかった。
そのため、高温(80℃以上)下において、荷重負荷がかかる製品に対しては、ポリプロピレンは使用することができなかった。
なお、特許文献1、2には、ABS樹脂等の耐熱性を向上させるために、マレイミド変性ポリスチレンが添加されたものが記載されているが、マレイミド変性ポリスチレンは、ポリプロピレンとの相溶性が悪いため、マレイミド変性ポリスチレンをポリプロピレンに添加したものの記載はない。
特開平6−293815号公報
特開平7−316384号公報
そこで、本発明は、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できるポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂製品を提供することを目的とする。
A.ポリプロピレン樹脂組成物
上記目的を達成するため、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン(PP)にマレイミド変性ポリスチレン(マレイミド変性PS)と相溶化剤とが含まれ、
加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン(PP)にマレイミド変性ポリスチレン(マレイミド変性PS)と相溶化剤とが含まれ、
加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴としている。
ここで、加熱変形温度は、ISO75に準拠し、応力1.82MPaで測定した値である。
加熱変形温度は、75℃以上であることが好ましい。
加熱変形温度は、75℃以上であることが好ましい。
また、アイゾット衝撃強度は、ASTM D256に準拠し、厚さ1/4インチ(1インチは、0.0254m)、ノッチ付の試験片を用いて測定した値である。
アイゾット衝撃強度は、6.8kJ/m2以上であることが好ましい。
アイゾット衝撃強度は、6.8kJ/m2以上であることが好ましい。
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの質量比(PP/マレイミド変性PS)としては、特に限定はされないが、85/15〜50/50であることが好ましい。より好ましくは、80/20〜60/40である。85/15よりマレイミド変性ポリスチレンの質量比が小さいと(例えば90/10等)、加熱変形温度が低くなるからである。
B.樹脂製品
上記目的を達成するため、本発明の樹脂製品は、上記ポリプロピレン樹脂組成物を成形してなっている。
上記目的を達成するため、本発明の樹脂製品は、上記ポリプロピレン樹脂組成物を成形してなっている。
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
1.ポリプロピレン(PP)
ポリプロピレンとしては、特に限定はされないが、240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上のものであることが好ましい。より好ましくは、250〜600Pa・sであり、さらに好ましくは、290〜530Pa・sである。このせん断粘度が250Pa・s未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
ポリプロピレンとしては、特に限定はされないが、240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上のものであることが好ましい。より好ましくは、250〜600Pa・sであり、さらに好ましくは、290〜530Pa・sである。このせん断粘度が250Pa・s未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
ここで、240℃におけるせん断粘度は、ダイス径(内径)が1mmで、ダイス長(長さ)が10mmのダイス(キャピラリー)を取付けたキャピラリーレオメーターを用い、240℃において、せん断速度365s−1で測定したときのせん断粘度である。
2.マレイミド変性ポリスチレン(マレイミド変性PS)
マレイミド変性ポリスチレンとしては、特に限定はされないが、ガラス転移点(Tg)が130℃以上のものであることが好ましい。より好ましくは、130〜220℃であり、さらに好ましくは、140〜210℃である。ガラス転移点が130℃未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
また、平均分子量としては、特に限定はされないが、110000以上であることが好ましい。より好ましくは、110000〜210000であり、さらに好ましくは、120000〜200000である。平均分子量が110000未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
マレイミド変性ポリスチレンとしては、特に限定はされないが、ガラス転移点(Tg)が130℃以上のものであることが好ましい。より好ましくは、130〜220℃であり、さらに好ましくは、140〜210℃である。ガラス転移点が130℃未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
また、平均分子量としては、特に限定はされないが、110000以上であることが好ましい。より好ましくは、110000〜210000であり、さらに好ましくは、120000〜200000である。平均分子量が110000未満では、加熱変形温度及びアイゾット衝撃強度が低くなるからである。
ここで、この平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて測定し、スチレン換算した重量平均分子量(Mw)である。
特に限定されるわけではないが、マレイミド変性ポリスチレンの平均分子量の値とポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度の値との比(マレイミド変性PSのMw/PPの240℃におけるせん断粘度)が220〜690であることが好ましい。
3.相溶化剤
相溶化剤としては、特に限定はされないが、マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(マレイン酸変性SEBS)又はマレイン酸変性ポリプロピレン(マレイン酸変性PP)であることが好ましい。相溶化剤として、マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はマレイン酸変性ポリプロピレンを添加することにより、ポリプロピレンの海相にマレイミド変性ポリスチレンがよりよく微分散し、アイゾット衝撃強度が向上するからである。
相溶化剤としては、特に限定はされないが、マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(マレイン酸変性SEBS)又はマレイン酸変性ポリプロピレン(マレイン酸変性PP)であることが好ましい。相溶化剤として、マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はマレイン酸変性ポリプロピレンを添加することにより、ポリプロピレンの海相にマレイミド変性ポリスチレンがよりよく微分散し、アイゾット衝撃強度が向上するからである。
相溶化剤の添加量としては、特に限定はされないが、ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、3〜12質量部であることが好ましく、より好ましくは、5〜10質量部である。3質量部未満では、アイゾット衝撃強度が低くなるからである。
3−1.マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(マレイン酸変性SEBS)
マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体としては、特に限定はされないが、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が20〜60質量%のものであることが好ましい。
KOH価としては、特に限定はされないが、5〜20mgKOH/gであることが好ましい。
マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体としては、特に限定はされないが、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が20〜60質量%のものであることが好ましい。
KOH価としては、特に限定はされないが、5〜20mgKOH/gであることが好ましい。
3−2.マレイン酸変性ポリプロピレン(マレイン酸変性PP)
マレイン酸変性ポリプロピレンとしては、特に限定はされないが、KOH価が26〜52mgKOH/gのものであることが好ましい。
マレイン酸変性ポリプロピレンとしては、特に限定はされないが、KOH価が26〜52mgKOH/gのものであることが好ましい。
4.その他の添加剤
着色剤、充填剤、難燃剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
着色剤、充填剤、難燃剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
5.成形方法
樹脂製品を成形するための成形方法としては、特に限定はされないが、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形等が例示できる。
樹脂製品を成形するための成形方法としては、特に限定はされないが、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形等が例示できる。
6.樹脂製品の具体的製品
樹脂製品の具体的製品としては、特に限定はされないが、カップホルダー、コインボックス等の自動車の内装樹脂製品、フェンダー、バックドア等の自動車の外装樹脂製品等が例示できる。
樹脂製品の具体的製品としては、特に限定はされないが、カップホルダー、コインボックス等の自動車の内装樹脂製品、フェンダー、バックドア等の自動車の外装樹脂製品等が例示できる。
本発明によれば、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用できるポリプロピレン樹脂組成物及びそのポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂製品を提供することができる。
240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上のポリプロピレンに、ガラス転移点が130℃以上のマレイミド変性ポリスチレンと、相溶化剤とが含まれ、
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの質量比(ポリプロピレン/マレイミド変性ポリスチレン)が85/15〜50/50であり、
相溶化剤の添加量がポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、5〜10質量部であり、
加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの質量比(ポリプロピレン/マレイミド変性ポリスチレン)が85/15〜50/50であり、
相溶化剤の添加量がポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、5〜10質量部であり、
加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、図1に示すような、カップホルダー10等に用いられるものである。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の12種類の実施例及び6種類の比較例の配合及び物性の測定結果を、次の表1に示す。表の配合の欄における各原料成分の配合量(添加量)の単位は質量部である。
本発明の実施例又は比較例に用いた、3種類のポリプロピレン(PP)、3種類のマレイミド変性ポリスチレン(マレイミド変性PS)及び5種類の相溶化剤は、次のものである。
PP1は、240℃におけるせん断粘度が530Pa・sのポリプロピレンである。
PP2は、240℃におけるせん断粘度が290Pa・sのポリプロピレンである。
PP3は、240℃におけるせん断粘度が140Pa・sのポリプロピレンである。
PP2は、240℃におけるせん断粘度が290Pa・sのポリプロピレンである。
PP3は、240℃におけるせん断粘度が140Pa・sのポリプロピレンである。
ここで、ポリプロピレンのせん断粘度の測定は、ダイス径(内径)が1mmで、ダイス長(長さ)が10mmのダイス(キャピラリー)を取付けたキャピラリーレオメーターを用い、ポリプロピレンを240℃に加熱し、せん断速度365s−1で行った。
なお、せん断速度365s−1は、押出時の速度である。
なお、せん断速度365s−1は、押出時の速度である。
M−PS1は、ガラス転移点(Tg)が210℃で、重量平均分子量(Mw)が200000のマレイミド変性ポリスチレンである。
M−PS2は、ガラス転移点(Tg)が140℃で、重量平均分子量(Mw)が120000のマレイミド変性ポリスチレンである。
M−PS3は、ガラス転移点(Tg)が120℃で、重量平均分子量(Mw)が100000のマレイミド変性ポリスチレンである。
M−PS2は、ガラス転移点(Tg)が140℃で、重量平均分子量(Mw)が120000のマレイミド変性ポリスチレンである。
M−PS3は、ガラス転移点(Tg)が120℃で、重量平均分子量(Mw)が100000のマレイミド変性ポリスチレンである。
ここで、マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点の測定は、DSC(示差走査熱量計)を用い、昇温速度10℃/分で行った。
また、重量平均分子量(Mw)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて行い、スチレン換算した値である。
また、重量平均分子量(Mw)の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いて行い、スチレン換算した値である。
MAH−SEBS1は、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が20質量%で、KOH価が5mgKOH/gのマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である。
MAH−SEBS2は、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が20質量%で、KOH価が20mgKOH/gのマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である。
MAH−SEBS2は、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が20質量%で、KOH価が20mgKOH/gのマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である。
MAH−PP1は、KOH価が26mgKOH/gのマレイン酸変性ポリプロピレンである。
MAH−PP2は、KOH価が52mgKOH/gのマレイン酸変性ポリプロピレンである。
SEBSは、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が15質量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である。
MAH−PP2は、KOH価が52mgKOH/gのマレイン酸変性ポリプロピレンである。
SEBSは、スチレン成分(含むポリスチレン成分)の含有率が15質量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である。
ここで、マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及びマレイン酸変性ポリプロピレンのKOH価の測定は、試料溶液を1NのKOH(水酸化カリウム)溶液を用いてPHを12以上に調整した後、1NのHCL(塩化水素)溶液を用いて、滴定して求めた。求め方は、滴定に使用した1NのHCLの溶液量(ml)にKOHの分子量を掛け、それを試料量(g)で割って算出した。
本発明の実施例及び比較例のそれぞれの物性は以下のようにして測定した。
各試料の試験片の作成は、二軸スクリュ押出機を用い、各試料を240℃で混練してペレット状にした。
その後、このペレットを用いて、各物性試験用の試験片を射出成形機を用いて成形した。
その後、このペレットを用いて、各物性試験用の試験片を射出成形機を用いて成形した。
(1)加熱変形温度
加熱変形温度の測定は、ISO75に準拠し、応力1.82MPaの条件で行った。
加熱変形温度の測定は、ISO75に準拠し、応力1.82MPaの条件で行った。
(2)アイゾット衝撃強度
アイゾット衝撃強度の測定は、ASTM D256に準拠し、温度23℃で、厚さ1/4インチ(1インチは、0.0254m)、ノッチ付の試験片を用いて行った。
アイゾット衝撃強度の測定は、ASTM D256に準拠し、温度23℃で、厚さ1/4インチ(1インチは、0.0254m)、ノッチ付の試験片を用いて行った。
以上の結果より、
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの質量比(PP/マレイミド変性PS)が85/15よりマレイミド変性PSの質量比が大きい(80/20以上)全ての実施例は、マレイミド変性PSの質量比が小さい(90/10又は100/0)比較例1、2と違い、加熱変形温度が75℃以上であった。
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、相溶化剤が5〜10質量部添加されている全ての実施例は、相溶化剤が添加されていない比較例3と違い、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
ポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度が290Pa・s以上である全ての実施例は、ポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度が140Pa・sである比較例4と違い、加熱変形温度が75℃以上であり、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点(Tg)が140℃以上であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が120000以上である全ての実施例は、マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点(Tg)が120℃であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が100000である比較例4、5と違い、加熱変形温度が75℃以上であり、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
相溶化剤がマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はマレイン酸変性ポリプロピレンである全ての実施例は、相溶化剤がスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である比較例6と違い、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの質量比(PP/マレイミド変性PS)が85/15よりマレイミド変性PSの質量比が大きい(80/20以上)全ての実施例は、マレイミド変性PSの質量比が小さい(90/10又は100/0)比較例1、2と違い、加熱変形温度が75℃以上であった。
ポリプロピレンとマレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、相溶化剤が5〜10質量部添加されている全ての実施例は、相溶化剤が添加されていない比較例3と違い、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
ポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度が290Pa・s以上である全ての実施例は、ポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度が140Pa・sである比較例4と違い、加熱変形温度が75℃以上であり、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点(Tg)が140℃以上であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が120000以上である全ての実施例は、マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点(Tg)が120℃であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が100000である比較例4、5と違い、加熱変形温度が75℃以上であり、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
相溶化剤がマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はマレイン酸変性ポリプロピレンである全ての実施例は、相溶化剤がスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である比較例6と違い、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上であった。
本発明の実施例のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレンと非晶性高ガラス転移点材料であるマレイミド変性ポリスチレンとをポリマーアロイにしたことにより、耐熱性が向上し、加熱変形温度が75℃以上となったことから、高温下で荷重負荷がかかる樹脂製品にも使用することができる。
また、相溶化剤を添加したことにより、ポリプロピレンの海相にマレイミド変性ポリスチレンが微分散し、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上となったことから、衝撃強度が要求される樹脂製品に用いることができる。
また、相溶化剤を添加したことにより、ポリプロピレンの海相にマレイミド変性ポリスチレンが微分散し、アイゾット衝撃強度が6.8kJ/m2以上となったことから、衝撃強度が要求される樹脂製品に用いることができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
10 カップホルダー
Claims (7)
- ポリプロピレンにマレイミド変性ポリスチレンと相溶化剤とが含まれ、
加熱変形温度が70℃以上であり、且つ、23℃におけるアイゾット衝撃強度が6.5kJ/m2以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 - 前記ポリプロピレンと前記マレイミド変性ポリスチレンとの質量比(ポリプロピレン/マレイミド変性ポリスチレン)が85/15〜50/50である請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記ポリプロピレンの240℃におけるせん断粘度が250Pa・s以上である請求項1又は2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記マレイミド変性ポリスチレンのガラス転移点が130℃以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記相溶化剤がマレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体又はマレイン酸変性ポリプロピレンである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記相溶化剤の添加量が前記ポリプロピレンと前記マレイミド変性ポリスチレンとの合計量100質量部に対し、3〜12質量部である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形してなる樹脂製品。
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US9562154B1 (en) | 2015-09-25 | 2017-02-07 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Resin composition, resin molded article, and method of preparing resin composition |
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2008
- 2008-03-13 JP JP2008064948A patent/JP2009221267A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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US9663646B2 (en) | 2015-09-25 | 2017-05-30 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Resin composition, resin molded article, and method of preparing resin composition |
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