JP2009220404A - 偽造防止帳票、帳票の真偽判別方法 - Google Patents

偽造防止帳票、帳票の真偽判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原本が盗まれた場合に本物を容易に複製できないようにするとともに、情報を印字した後の帳票が本物であるか偽物であるかの区別を確実に行うことができるようにすること。
【解決手段】帳票シート11の上に耐熱性インキで印刷した標章部13と、標章部13の上にレーザプリンタのトナー定着温度より高い温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部14とからなる真偽判別欄12を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度をサーモクロミックインキの変色温度より高い温度に設定し、帳票シート11に正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄12の隠蔽部14が変色して標章部13が現れるようにして、標章部13が現れていれば本物と判別し、標章部13が現れていなければ偽物と判別するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、証明書や金券として好適な帳票に関し、特に偽造防止加工を施した帳票とその真偽を判別する方法に関する。
従来、例えば身分証明書や会員証等の証明書、あるいは入場券や商品券等の金券に関する偽造防止策が数多く存在しており、その一例として下記の特許文献1に開示された偽造防止帳票が挙げられる。
特許文献1の偽造防止帳票は、帳票シートの上に透かし印刷用インキで印刷した偽造防止画像と、この偽造防止画像の部分にサーモクロミックインキで印刷した隠蔽印刷層とを備えたものである。そして、隠蔽印刷層の部分を指で触るとサーモクロミックインキが温められて透明に変色し、その下に隠れていた偽造防止画像が現れて本物であると判別することができる。また、この帳票をコピー機で複写して複製しても、指で触った時に隠蔽印刷層が変色せず偽造防止画像が現れないので、偽物であると判別することができる。
このように、上記のような従来の偽造防止帳票では、特殊インキで印刷を施しているため、本物の帳票を真似てコピー機で複製したものに対しては有効である。ところが、帳票に情報を印字する前の原本そのものが盗まれた場合、その原本を使用してあたかも本物の製品のように情報が印字されてしまうと、それらは本物と偽物の区別が付かないという問題があった。
特許第3963240号公報
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、原本そのものが盗まれた場合に本物を容易に複製できないようにするとともに、情報を印字した後の帳票が本物であるか偽物であるかの区別を確実に行うことができる偽造防止帳票とその真偽判別方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、この真偽判別欄は、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された標章部と、標章部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より高い温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されていることを特徴とする。この帳票においては、例えばレーザプリンタのトナー定着温度が120℃であれば、隠蔽部はトナー定着温度より高い130℃で変色するサーモクロミックインキで印刷すればよい。
また、この帳票の真偽判別方法は、請求項6に記載した通り、帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した標章部と、標章部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より高い温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度をサーモクロミックインキの変色温度より高い温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、標章部が現れていなければ偽物と判別することを特徴とする。
ここで、サーモクロミックインキとは、所定温度で変色する感温変色物質を配合したインキで「示温インキ」ともいい、その変色原理としては熱分解(例:金属塩)、結晶転移(例:金属錯塩)、分子配向性の変化(例:結晶)、異分子間の電子授受(例:ラクトン型等の染料とフェノール化合物との電子授受)等が挙げられる。サーモクロミックインキの種類には、温度が元に戻れば復色する可逆性のインキと、温度が元に戻っても復色しない不可逆性のインキとがあるが、本発明では後者の不可逆性のインキを使用する。また、サーモクロミックインキが「変色」するという概念には少なくとも次のものを含む。
A.常温で発色し、所定温度でその色が別の色に変化するもの
B.常温で無色透明であり、所定温度で発色するもの
C.常温で発色し、所定温度でその色が無色透明に変化(消色)するもの
また、標章部とは、識別機能を有する模様、絵柄、文字等のデザイン化されたものを意味し、以下に例示するものを含む。
A.都道府県、市町村、会社、その他の団体等を表わす紋章やシンボルマーク
B.例えば県の花、木、鳥等をデザイン化したもの
C.上記AやBのような発行元を特定するものに限らず、一般的な文字、記号、図形等をデザイン化した真偽判別用のマーク
上記の構成からなる偽造防止帳票はあくまで一例であり、本発明は以下のような各種の変形例が可能である。例えば、請求項2に記載した発明は、帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、この真偽判別欄は、帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の標章部と、帳票シートの上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の標章部とから構成されていることを特徴とする。この帳票においては、例えばレーザプリンタのトナー定着温度が120℃であれば、第1の標章部はトナー定着温度より低い100℃で変色するサーモクロミックインキで印刷し、第2の標章部はそれより低い80℃で変色するサーモクロミックインキで印刷すればよい。
また、この帳票の真偽判別方法は、請求項7に記載した通り、帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第1の標章部と、帳票シートの上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第2の標章部とからなる真偽判別欄を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の第2の標章部が変色するようにして、第1の標章部が変色せずに残っていれば本物と判別し、第1の標章部と第2の標章部が両方変色せずに残っているか、あるいは両方変色していれば偽物と判別することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、この真偽判別欄は、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された警告部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された標章部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されていることを特徴とする。この帳票においては、例えばレーザプリンタのトナー定着温度が120℃であれば、標章部はトナー定着温度より低い100℃で変色するサーモクロミックインキで印刷し、隠蔽部はそれより低い80℃で変色するサーモクロミックインキで印刷すればよい。
また、この帳票の真偽判別方法は、請求項8に記載した通り、帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した警告部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した標章部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、隠蔽部と標章部が両方変色して警告部が現れているか、あるいは両方変色せずに隠蔽部が残っていれば偽物と判別する。
請求項4に記載した発明は、帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、この真偽判別欄は、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された第1の標章部と、帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の標章部と、第1の標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されていることを特徴とする。この帳票においては、例えばレーザプリンタのトナー定着温度が120℃であれば、第2の標章部はトナー定着温度より低い100℃で変色するサーモクロミックインキで印刷し、隠蔽部はそれより低い80℃で変色するサーモクロミックインキで印刷すればよい。
また、この帳票の真偽判別方法は、請求項9に記載した通り、帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した第1の標章部と、帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第2の標章部と、第1の標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して第1の標章部が現れるようにして、第1の標章部と第2の標章部が両方現れていれば本物と判別し、隠蔽部と第2の標章部が両方変色しているか、あるいは両方変色していなければ偽物と判別することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、この真偽判別欄は、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された警告部と、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された標章部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の隠蔽部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の隠蔽部とから構成されていることを特徴とする。この帳票においては、例えばレーザプリンタのトナー定着温度が120℃であれば、第1の隠蔽部はトナー定着温度より低い100℃で変色するサーモクロミックインキで印刷し、第2の隠蔽部はそれより低い80℃で変色するサーモクロミックインキで印刷すればよい。
また、この帳票の真偽判別方法は、請求項10に記載した通り、帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した警告部と、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した標章部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の隠蔽部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の第2の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、第1の隠蔽部と第2の隠蔽部が両方変色して警告部が現れているか、あるいは両方変色していなければ偽物と判別することを特徴とする。
上記の構成から明らかなように、本発明によれば、偽造防止帳票の原本に正規のレーザプリンタを使用して通常の印字作業を行うだけで、本物と偽物とでは製品の見た目が異なって現れるので、特別な操作をしなくても真偽判別を確実に行うことができるという効果がある。また、使用する正規のレーザプリンタのトナー定着温度が限定されているので、偽造防止帳票の原本が盗まれても本物の製品であるか偽造した偽物の製品であるかの区別が可能になるという効果がある。
以下、本発明の詳細について、実施例を挙げて説明する。
図1は、実施例1の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図である。本実施例の偽造防止帳票10は、地方公共団体が認証して発行する本人確認用の身分証明書に適用したものであり、用紙で構成された帳票シート11の表面にあらかじめ「身分証明書」なる表題や、氏名、本籍、住所等の項目欄が印刷インキで印刷され、その同じ面に偽造防止加工が施されている。この偽造防止加工は、帳票シート11の印字面に身分証明書の偽造を判別するための真偽判別欄12を設けるというものであり、本実施例の真偽判別欄12は標章部13と隠蔽部14を備えて構成されている。
標章部13は、図1(A)に示すように、帳票シート11の表面に発行元を証明するシンボルマークを耐熱性の印刷インキで印刷したものである。標章部13の形状は識別機能を有する模様、絵柄、文字等がデザイン化されたもの、特に発行元を特定できるものが望ましいが、真偽判別用のマークとして使用することができれば特に限定されない。なお、このインキとしては例えば「UV RNC シリーズ」(株式会社T&K TOKA製、商品名)を使用することができる。
隠蔽部14は、図1(B)に示すように、標章部13をすべて覆い隠すようにサーモクロミックインキで円形マークを印刷したものである。隠蔽部14を構成するサーモクロミックインキは、一定の温度で変色する感温変色物質を配合したインキであり、本実施例では常温で発色し、かつ一般的なレーザプリンタのトナー定着温度(約120℃)より高い温度、例えば約130℃で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、消色温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては、熱溶融により不可逆的に透明変色する感温インキ(例えば特開2005−291825号公報を参照)を使用することができる。
本実施例の偽造防止帳票10を使用して身分証明書を発行する場合には、発行元に設置されるプリンタについて、特定温度域でトナー定着するレーザプリンタを使用する。本実施例では、正規のレーザプリンタのトナー定着温度をサーモクロミックインキの消色温度より高い温度、例えば約140℃に設定する。そして、図1(C)に示すように、身分証明書の原本に正規のレーザプリンタで氏名、本籍、住所、生年月日等の個人情報15を印字すると、トナー定着時の熱が帳票シート11に加わり、隠蔽部14を構成するサーモクロミックインキがその熱に反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。従って、正規のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄12に印刷された隠蔽部14が消えて無くなり、その下に隠れていた標章部13のシンボルマークが浮き出るように現れる。また、標章部13は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。
これに対して、身分証明書の原本を盗んで偽造しようとしても、本物の身分証明書と完全に同一のものを複製することはできない。すなわち、図1(D)に示すように、市販のレーザプリンタで身分証明書の原本に氏名等の個人情報16を印字すると、一般にレーザプリンタのトナー定着温度はサーモクロミックインキの消色温度より低いため、サーモクロミックインキが反応せず変色しない。従って、通常のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄12に印刷された隠蔽部14が消えずに残るので、その下に隠れている標章部13を見ることは不可能である。
このように、発行された身分証明書の真偽判別欄12を確認し、発行元を証明するシンボルマークを印刷した標章部13が現れていれば、認証された本物の身分証明書であると判断することができる。これに対して、標章部13が現れていなければ、正規のレーザプリンタ以外のプリンタで印字したものであるから、偽造された偽物の身分証明書であると判断することができる。
一方、身分証明書の原本を見ただけでは、隠蔽部14の下に証明用のシンボルマークを印刷した標章部13が隠れていることを確認することができないので、身分証明書の原本を盗んだ者に対しても所定の偽造防止効果が得られる。また、原本を複製しようとして、隠蔽部14の円形マークをサーモクロミックインキと同じ色の印刷インキで再現した場合には、印字後もその円形マークが消えずに残るので、一目で偽物と分かり容易に真偽判別を行うことができる。
図2は、実施例2の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図である。本実施例の偽造防止帳票20は、実施例1と同様に身分証明書に適用したものであるが、帳票シート21の印字面に偽造防止加工として設けた真偽判別欄22の構造が異なっており、この真偽判別欄22は第1の標章部23と第2の標章部24を備えて構成されている。
第1の標章部23は、図2(A)に示すように、帳票シート21の表面に発行元を証明する円形マークをサーモクロミックインキで印刷したものである。第1の標章部23を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く一般的なレーザプリンタのトナー定着温度(約120℃)より低い温度(約100℃、以下本実施例で「第1の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第1の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては、熱溶融により不可逆的に透明変色する感温インキ(例えば特開2005−291825号公報を参照)を使用することができる。
第2の標章部24は、第1の標章部23に隣接させた2個の円形マークを第1の標章部23のサーモクロミックインキと異なる種類のサーモクロミックインキで印刷したものである。第2の標章部24を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ第1の温度より低い温度(約80℃、以下本実施例で「第2の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第2の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては第1の標章部23のインキと同じインキを使用することができ、そのインキに含まれる熱溶融性物質を替えることにより消色温度を異なる温度に設定すれば良い。
本実施例の偽造防止帳票20を使用して身分証明書を発行する場合には、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の温度(約90℃、以下本実施例で「中間温度」という)に設定して使用する。そして、図2(B)に示すように、身分証明書の原本に正規のレーザプリンタで氏名等の個人情報25を印字すると、トナー定着時の熱が帳票シート21に加わり、中間温度より低い第2の温度で消色する第2の標章部24のサーモクロミックインキがその熱に反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色しない。ところが、第1の標章部23を構成するサーモクロミックインキの消色温度は正規のレーザプリンタのトナー定着温度より高いので、サーモクロミックインキは反応せず消色しない。従って、正規のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄22に印刷された第2の標章部24が消えて無くなり、第1の標章部23の円形マークのみが残る。
これに対して、図2(C)に示すように、市販のインクジェットプリンタで身分証明書の原本に氏名等の個人情報26を印字すると、一般にインクジェットプリンタはトナー定着時に熱が加わらないため、第1の標章部23のサーモクロミックインキと第2の標章部24のサーモクロミックインキはどちらも反応せず変色しない。従って、通常のインクジェットプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄22に印刷された第1の標章部23と第2の標章部24が両方とも消えず、3個の円形マークが残った状態になる。
また、図2(D)に示すように、市販のレーザプリンタで身分証明書の原本に氏名等の個人情報27を印字した場合、一般にレーザプリンタのトナー定着温度は第1の温度と第2の温度より高いため、第1標章部23のサーモクロミックインキと第2の標章部24のサーモクロミックインキはどちらも反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。従って、通常のレーザプリンタで印字した身分証明書では、真偽判別欄22に印刷された第1の標章部23と第2の標章部24が両方とも消えて無くなり、3個の円形マークがすべて見えなくなってしまう。
このように、発行された身分証明書の真偽判別欄22を確認し、発行元を証明する円形マークを印刷した第1の標章部23のみが残っていれば、認証された本物の身分証明書であると判断することができる。これに対して、第1の標章部23と第2の標章部24が両方残っているか、あるいは両方消えていれば、正規のレーザプリンタ以外のインクジェットプリンタやレーザプリンタで印字したものであるから、偽造された偽物の身分証明書であると判断することができる。
一方、身分証明書の原本を見ただけでは、第1の標章部23と第2の標章部24が異なる種類のサーモクロミックインキで印刷されていることを確認することができないので、身分証明書の原本を盗んだ者に対しても所定の偽造防止効果が得られる。また、原本を複製しようとして、第1の標章部23と第2の標章部24の円形マークをサーモクロミックインキと同じ色の印刷インキで再現した場合には、印字後もその円形マークが消えずに残るので、一目で偽物と分かり容易に真偽判別を行うことができる。なお、第2の標章部23と第2の標章部24のサーモクロミックインキの色は異なる色であってもよいが、2種類のインキを使用していることを悟られないようにする観点からいえば同じ色であるのが望ましい。
図3は、実施例3の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図である。本実施例の偽造防止帳票30は、実施例1と同様に身分証明書に適用したものであるが、帳票シート31の印字面に偽造防止加工として設けた真偽判別欄32の構造が異なっており、この真偽判別欄32は警告部33と標章部34と隠蔽部35を備えて構成されている。
警告部33は、図3(A)に示すように、帳票シート31の表面に偽物であることを警告する表示であり、本実施例では「偽造」なる文字が耐熱性の印刷インキで印刷されている。警告部33の表示は「偽造」の文字に限らず、例えば「複製」や「使用不可」といった文字あるいは文字以外の図形や絵柄であってもよい。なお、このインキとしては例えば「UV RNC シリーズ」(株式会社T&K TOKA製、商品名)を使用することができる。
標章部34は、図3(B)に示すように、警告部33の文字をすべて覆い隠すようにサーモクロミックインキで発行元を証明する楕円形マークを印刷したものである。標章部34を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く一般的なレーザプリンタのトナー定着温度(約120℃)より低い温度(約100℃、以下本実施例で「第1の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第1の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては、熱溶融により不可逆的に透明変色する感温インキ(例えば特開2005−291825号公報を参照)を使用することができる。
隠蔽部35は、図3(C)に示すように、更に標章部34をすべて覆い隠すように標章部34のサーモクロミックインキと異なる種類のサーモクロミックインキで円形マークを印刷したものである。隠蔽部35を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ第1の温度より低い温度(約80℃、以下本実施例で「第2の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第2の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては標章部34のインキと同じインキを使用することができ、そのインキに含まれる熱溶融性物質を替えることにより消色温度を異なる温度に設定すれば良い。
本実施例の偽造防止帳票30を使用して身分証明書を発行する場合には、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の温度(約90℃、以下本実施例で「中間温度」という)に設定して使用する。そして、図3(D)に示すように、身分証明書の原本に正規のレーザプリンタで氏名等の個人情報36を印字すると、トナー定着時の熱が帳票シート31に加わり、中間温度より低い第2の温度で消色する隠蔽部35のサーモクロミックインキがその熱に反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。ところが、標章部34を構成するサーモクロミックインキの消色温度は正規のレーザプリンタのトナー定着温度より高いので、サーモクロミックインキは反応せず消色しない。従って、正規のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄32に印刷された隠蔽部35が消えて無くなり、その下に隠れていた標章部34の楕円形マークが浮き出るように現れる。
これに対して、図3(E)に示すように、市販のレーザプリンタで身分証明書の原本に氏名等の個人情報37を印字すると、一般にレーザプリンタのトナー定着温度は第1の温度と第2の温度より高いため、標章部34のサーモクロミックインキと隠蔽部35のサーモクロミックインキはどちらも反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。従って、通常のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄32に印刷された標章部34と隠蔽部35が両方とも消えて無くなり、その下に隠れていた「偽造」の文字からなる警告部33が浮き出るように現れる。また、警告部33は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。なお、図示しないが、インクジェットプリンタで印字した場合には、トナー定着時に熱が加わらないため、標章部34のサーモクロミックインキと隠蔽部35のサーモクロミックインキはどちらも変色せずに隠蔽部35が残る。
このように、発行された身分証明書の真偽判別欄32を確認し、発行元を証明する楕円形マークを印刷した標章部34が現れていれば、認証された本物の身分証明書であると判断することができる。これに対して、標章部34の替わりに「偽造」の文字からなる警告部33が現れているか、あるいは隠蔽部35が残っていれば、正規のレーザプリンタ以外のプリンタで印字したものであるから、偽造された偽物の身分証明書であると判断することができる。また、通常のレーザプリンタの場合、偽物の身分証明書には警告部33の「偽造」の文字が表示されるので、偽物であることの判断を簡単に行える。
一方、身分証明書の原本を見ただけでは、隠蔽部35の下に証明用の楕円形マークを印刷した標章部34が隠れていることを確認することができないので、身分証明書の原本を盗んだ者に対しても所定の偽造防止効果が得られる。また、原本を複製しようとして、隠蔽部35の円形マークをサーモクロミックインキと同じ色の印刷インキで再現した場合には、印字後もその円形マークが消えずに残るので、一目で偽物と分かり容易に真偽判別を行うことができる。
図4は、実施例4の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図である。本実施例の偽造防止帳票40は、実施例1と同様に身分証明書に適用したものであるが、帳票シート41の印字面に偽造防止加工として設けた真偽判別欄42の構造が異なっており、この真偽判別欄42は第1の標章部43と第2の標章部44と隠蔽部45を備えて構成されている。
第1の標章部43は、図4(A)に示すように、帳票シート41の表面に発行元を証明するシンボルマークの一部を耐熱性の印刷インキで印刷したものである。第1の標章部43は第2の標章部44と一体となって一つの正式なシンボルマークを表示する。なお、このインキとしては例えば「UV RNC シリーズ」(株式会社T&K TOKA製、商品名)を使用することができる。
第2の標章部44は、図4(B)に示すように、第1の標章部43と重ならないように円形マークをサーモクロミックインキで印刷したものである。第2の標章部44を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く一般的なレーザプリンタのトナー定着温度(約120℃)より低い温度(約100℃、以下本実施例で「第1の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第1の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては、熱溶融により不可逆的に透明変色する感温インキ(例えば特開2005−291825号公報を参照)を使用することができる。
隠蔽部45は、第1の標章部43の部分のみを覆い隠すように第2の標章部44のサーモクロミックインキと異なる種類のサーモクロミックインキで円形マークを印刷したものである。隠蔽部45を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く第1の温度より低い温度(約80℃、以下本実施例で「第2の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第2の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、隠蔽部45は、第2の標章部44と一体となって正式なシンボルマークとは別のシンボルマークに見せ掛けるような形状であるのが望ましい。なお、このインキとしては第2の標章部44のインキと同じインキを使用することができ、そのインキに含まれる熱溶融性物質を替えることにより消色温度を異なる温度に設定すれば良い。
本実施例の偽造防止帳票30を使用して身分証明書を発行する場合には、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の温度(約90℃、以下本実施例で「中間温度」という)に設定して使用する。そして、図4(C)に示すように、身分証明書の原本に正規のレーザプリンタで氏名等の個人情報46を印字すると、トナー定着時の熱が帳票シート41に加わり、中間温度より低い第2の温度で消色する隠蔽部45のサーモクロミックインキがその熱に反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。ところが、第2の標章部44を構成するサーモクロミックインキの消色温度は正規のレーザプリンタのトナー定着温度より高いので、サーモクロミックインキは反応せず消色しない。従って、正規のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄42に印刷された隠蔽部45だけが消えて無くなり、その下に隠れていた第1の標章部43が浮き出るように現れて、第1の標章部43と第2の標章部44とが一体となって正式なシンボルマークを表示する。また、第1の標章部43は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。
これに対して、図4(D)に示すように、市販のレーザプリンタで身分証明書の原本に氏名等の個人情報47を印字すると、一般にレーザプリンタのトナー定着温度は第1の温度と第2の温度より高いため、第2の標章部44のサーモクロミックインキと隠蔽部45のサーモクロミックインキはどちらも反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。従って、通常のレーザプリンタで印字した身分証明書を見ると、真偽判別欄42に印刷された第2の標章部44と隠蔽部45が両方とも消えて無くなり、その下に隠れていた第1の標章部43が浮き出るように現れる。第1の標章部43は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。なお、図示しないが、インクジェットプリンタで印字した場合には、トナー定着時に熱が加わらないため、第2の標章部44のサーモクロミックインキと隠蔽部45のサーモクロミックインキはどちらも変色せずに3個の円形マークが残る。
このように、発行された身分証明書の真偽判別欄42を確認し、発行元を証明する正式なシンボルマークを印刷した第1の標章部43と第2の標章部44が現れていれば、認証された本物の身分証明書であると判断することができる。これに対して、第2の標章部44と隠蔽部45が両方消えて第1の標章部43しか残っていないか、あるいは第2の標章部44と隠蔽部45が両方残っていれば、正規のレーザプリンタ以外のプリンタで印字したものであるから、偽造された偽物の身分証明書であると判断することができる。第1の標章部43だけであると正式なシンボルマークが不完全な形で表示されるので、偽物であることの判断を簡単に行える。
一方、身分証明書の原本を見ただけでは、真偽判別欄42が正式なシンボルマークのように見せ掛けられているので、身分証明書の原本を盗んだ者に対して偽造防止加工が施されていることを悟られる可能性が低くなる。また、原本を複製しようとして、第2の標章部44と隠蔽部45からなる偽装のシンボルマークをサーモクロミックインキと同じ色の印刷インキで再現した場合には、印字後もその円形マークが消えずに残るので、一目で偽物と分かり容易に真偽判別を行うことができる。
図5は、実施例5の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図である。本実施例の偽造防止帳票50は、チケット発券所で入場料の支払いと引き換えに発券される入場券に適用したものであり、用紙で構成された帳票シート51の表面にあらかじめ「入場券」なる表題や、発券元等の必要情報が印刷インキで印刷され、その同じ面に偽造防止加工が施されている。この偽造防止加工は、帳票シート51の印字面に入場券の偽造を判別するための真偽判別欄52を設けるというものであり、本実施例の真偽判別欄52は警告部53、標章部54、第1の隠蔽部55、及び第2の隠蔽部56を備えて構成されている。
警告部53は、図5(A)に示すように、帳票シート51の右上部に偽物であることを警告する表示であり、本実施例では「偽造」なる文字が耐熱性の印刷インキで印刷されている。警告部53の表示が「偽造」の文字に限られない点は実施例3と同様である。なお、このインキとしては例えば「UV RNC シリーズ」(株式会社T&K TOKA製、商品名)を使用することができる。
標章部54は、帳票シート51の左下部に発券元を証明するキャラクターの絵柄を耐熱性インキで印刷したものである。なお、このインキとしては警告部53のインキと同じインキを使用することができる。
第1の隠蔽部55は、図5(B)に示すように、警告部53の文字をすべて覆い隠すようにサーモクロミックインキでベタ印刷したものである。第1の隠蔽部55を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く一般的なレーザプリンタのトナー定着温度(約120℃)より低い温度(約100℃、以下本実施例で「第1の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第1の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては、熱溶融により不可逆的に透明変色する感温インキ(例えば特開2005−291825号公報を参照)を使用することができる。
第2の隠蔽部56は、標章部54の絵柄部分のみを覆い隠すように第1の隠蔽部55のサーモクロミックインキと異なる種類のサーモクロミックインキでベタ印刷したものである。第2の隠蔽部56を構成するサーモクロミックインキは、常温で発色し、かつ常温より高く第1の温度より低い温度(約80℃、以下本実施例で「第2の温度」という)で消色する不可逆性のインキが使用されている。この不可逆性のサーモクロミックインキは、第2の温度以上の熱を加えて消色させた後は元の温度に戻しても復色しないようになっている。なお、このインキとしては第1の隠蔽部55のインキと同じインキを使用することができ、そのインキに含まれる熱溶融性物質を替えることにより消色温度を異なる温度に設定すれば良い。
本実施例の偽造防止帳票50を使用して入場券を発券する場合には、正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の温度(約90℃、以下本実施例で「中間温度」という)に設定して使用する。そして、図5(C)に示すように、入場券の原本に正規のレーザプリンタで有効期限等の重要情報57を印字すると、トナー定着時の熱が帳票シート51に加わり、中間温度より低い第2の温度で消色する第2の隠蔽部56のサーモクロミックインキがその熱に反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。ところが、第1の隠蔽部55を構成するサーモクロミックインキの消色温度は正規のレーザプリンタのトナー定着温度より高いので、サーモクロミックインキは反応せず消色しない。従って、正規のレーザプリンタで印字した入場券を見ると、真偽判別欄52に印刷された第2の隠蔽部56だけが消えて無くなり、その下に隠れていた標章部54のキャラクターが浮き出るように現れる。また、標章部54は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。
これに対して、図5(D)に示すように、市販のレーザプリンタで入場券の原本に有効期限等の重要情報58を印字すると、一般にレーザプリンタのトナー定着温度は第1の温度と第2の温度より高いため、第1の隠蔽部55のサーモクロミックインキと第2の隠蔽部56のサーモクロミックインキはどちらも反応して消色する。一度消色したサーモクロミックインキは常温に戻っても復色せず、消色状態が維持される。従って、通常のレーザプリンタで印字した入場券を見ると、真偽判別欄52に印刷された第1の隠蔽部55と第2の隠蔽部56が両方とも消えて無くなり、第1の隠蔽部55の下に隠れていた「偽造」の文字からなる警告部53が浮き出るように現れる。また、警告部53は耐熱性インキであるのでトナー定着時の熱で消えることはない。なお、図示しないが、インクジェットプリンタで印字した場合には、トナー定着時に熱が加わらないため、第1の隠蔽部55のサーモクロミックインキと第2の隠蔽部56のサーモクロミックインキはどちらも変色せずに残る。
このように、発行された入場券の真偽判別欄52を確認し、発行元を証明するキャラクターを印刷した標章部54が現れていれば、正規に発券された本物の入場券であると判断することができる。これに対して、標章部54だけでなく「偽造」の文字からなる警告部53が現れているか、あるいは第1の隠蔽部55と第2の隠蔽部56が両方残っていれば、正規のレーザプリンタ以外のプリンタで印字したものであるから、偽造された偽物の入場券であると判断することができる。また、通常のレーザプリンタの場合、偽物の入場券には警告部53の「偽造」の文字が表示されるので、偽物であることの判断を簡単に行える。
一方、入場券の原本を見ただけでは、第1の隠蔽部55の下に証明用のキャラクターの絵柄を印刷した標章部54が隠れていることや、第2の隠蔽部56の下に警告文字を印刷した警告部53が隠れていることを確認することができないので、入場券の原本を盗んだ者に対しても所定の偽造防止効果が得られる。また、原本を複製しようとして、第1の隠蔽部55と第2の隠蔽部56をサーモクロミックインキと同じ色の印刷インキで再現した場合には、印字後もその隠蔽部が消えずに残るので、一目で偽物と分かり容易に真偽判別を行うことができる。
以上詳細に説明したように、本発明の偽造防止帳票によれば、原本に正規のレーザプリンタを使用して通常の印字作業を行うだけで、本物と偽物とでは製品の見た目が異なって現れるので、特別な操作をしなくても真偽判別を行うことができる。また、使用する正規のレーザプリンタのトナー定着温度が限定されているので、偽造防止帳票の原本が盗まれても本物の製品であるか偽造した偽物の製品であるかの区別が可能になる。
上述した実施例では、常温で発色し、所定温度でその色が無色透明に変化(消色)するサーモクロミックインキを使用したが、完全に消色しなくても常温で発色した色が別の色(例えば無色透明に近い色)に変化することによってサーモクロミックインキの下層の標章部や警告部が見えるようになっていれば同様の効果がある。また、この他にも常温で無色透明であり、所定温度で発色するサーモクロミックインキとして、マイクロカプセル式の不可逆性の感温インキ(例えば特開2002−294123号公報を参照)を使用しても良い。なお、上述した実施例では本発明の偽造防止帳票を身分証明書や入場券に適用した例について説明したが、本発明はその他の帳票として、例えば会員証、金券、商品券、有価証券等のように盗難や偽造の対象となり易い帳票全般にも同様に適用することができる。
実施例1の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図。 実施例2の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図。 実施例3の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図。 実施例4の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図。 実施例5の偽造防止帳票とその真偽判別方法を示す説明図。
符号の説明
10 偽造防止帳票
11 帳票シート
12 真偽判別欄
13 標章部
14 隠蔽部
20 偽造防止帳票
21 帳票シート
22 真偽判別欄
23 第1の標章部
24 第2の標章部
30 偽造防止帳票
31 帳票シート
32 真偽判別欄
33 警告部
34 標章部
35 隠蔽部
40 偽造防止帳票
41 帳票シート
42 真偽判別欄
43 第1の標章部
44 第2の標章部
45 隠蔽部
50 偽造防止帳票
51 帳票シート
52 真偽判別欄
53 警告部
54 標章部
55 第1の隠蔽部
56 第2の隠蔽部

Claims (10)

  1. 帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    この真偽判別欄は、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された標章部と、
    標章部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より高い温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  2. 帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    この真偽判別欄は、
    帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の標章部と、
    帳票シートの上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の標章部とから構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  3. 帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    この真偽判別欄は、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された警告部と、
    警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された標章部と、
    標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  4. 帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    この真偽判別欄は、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された第1の標章部と、
    帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の標章部と、
    第1の標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された隠蔽部とから構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  5. 帳票シートに真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    この真偽判別欄は、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された警告部と、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷された標章部と、
    警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の隠蔽部と、
    標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の隠蔽部とから構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  6. 帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した標章部と、標章部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より高い温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、
    正規のレーザプリンタのトナー定着温度をサーモクロミックインキの変色温度より高い温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、標章部が現れていなければ偽物と判別する
    ことを特徴とする帳票の真偽判別方法。
  7. 帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、
    帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第1の標章部と、帳票シートの上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第2の標章部とからなる真偽判別欄を設けておき、
    正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の第2の標章部が変色するようにして、第1の標章部が変色せずに残っていれば本物と判別し、第1の標章部と第2の標章部が両方変色せずに残っているか、あるいは両方変色していれば偽物と判別する
    ことを特徴とする帳票の真偽判別方法。
  8. 帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した警告部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した標章部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、
    正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、隠蔽部と標章部が両方変色して警告部が現れているか、あるいは両方変色せずに隠蔽部が残っていれば偽物と判別する
    ことを特徴とする帳票の真偽判別方法。
  9. 帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した第1の標章部と、帳票シートの上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した第2の標章部と、第1の標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷した隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、
    正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の隠蔽部が変色して第1の標章部が現れるようにして、第1の標章部と第2の標章部が両方現れていれば本物と判別し、隠蔽部と第2の標章部が両方変色しているか、あるいは両方変色していなければ偽物と判別する
    ことを特徴とする帳票の真偽判別方法。
  10. 帳票シートに設けた真偽判別欄を用いて帳票の真偽を判別する真偽判別方法であって、
    帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した警告部と、帳票シートの上に耐熱性インキで印刷した標章部と、警告部の上にレーザプリンタのトナー定着温度より低い第1の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第1の隠蔽部と、標章部の上に第1の温度より低い第2の温度で変色する不可逆性のサーモクロミックインキで印刷された第2の隠蔽部とからなる真偽判別欄を設けておき、
    正規のレーザプリンタのトナー定着温度を第1の温度と第2の温度の間の中間温度に設定し、帳票シートに正規のレーザプリンタで情報を印字した時に真偽判別欄の第2の隠蔽部が変色して標章部が現れるようにして、標章部が現れていれば本物と判別し、第1の隠蔽部と第2の隠蔽部が両方変色して警告部が現れているか、あるいは両方変色していなければ偽物と判別する
    ことを特徴とする帳票の真偽判別方法。
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