JP2009220243A - 揺動開閉チャック - Google Patents
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Abstract
【課題】把持用フィンガーに対する摺動抵抗が低減して小型のシリンダーを使用してチャック自体を小型化及び軽量化してチャックの高速移動を可能にすると共に狭小空間内に対して容易に進入させることを可能する。偏平なピストンでシリンダーを構成することによりシリンダーの厚さ(高さ)を低減してチャック自体を薄型化すると共に小型化及び軽量化する。
【解決手段】シリンダー部材の非作動時には、各ピストン13a,13bは、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する各把持用フィンガー5の作動部5bに当接する押圧部材15a,15bにより互いに近づく方向へ移動される。シリンダー部材11の作動時には、各ピストンは、供給される流体の圧力により押圧部材を互いに遠ざかる方向へ移動して各作動部を、弾性部材の弾性力に抗して押圧し、各把持用フィンガーを把持部5a相互が互いに近づく方向へ揺動させてワークを把持する。
【選択図】図2
【解決手段】シリンダー部材の非作動時には、各ピストン13a,13bは、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する各把持用フィンガー5の作動部5bに当接する押圧部材15a,15bにより互いに近づく方向へ移動される。シリンダー部材11の作動時には、各ピストンは、供給される流体の圧力により押圧部材を互いに遠ざかる方向へ移動して各作動部を、弾性部材の弾性力に抗して押圧し、各把持用フィンガーを把持部5a相互が互いに近づく方向へ揺動させてワークを把持する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロボットハンドに取付けられてワークを把持したり、樹脂成形品取出し機の可動体に取付けられて樹脂成形品のランナを把持したりする揺動開閉チャックに関する。
例えば特許文献1に示す揺動開閉チャックにあっては、チャックの閉動作を流体圧力によって行い、開動作をスプリングによって行うロボットハンド用揺動開閉チャックに於いて、ケーシングの内部に先端の断面形状がV形状のピストンを備え、前記ピストンの内部にガイドロッドとスプリングをピストンと同軸上で作用するよう配置し、尚且つピストンとガイドロッドにそれぞれ接触する接触部を設けた一対のフィンガーを備え、閉動作を流体圧力によってピストンのV部がフィンガーに接触しながら押し出されることによりフィンガー先端を閉方向へと動作させることで行い、開動作を流体圧力の開放によって、ガイドロッドがスプリング力によりフィンガーと接触しながら押し出されることでフィンガー先端を開方向へ動作させるように構成される。
上記揺動開閉チャックにあっては、フィンガーに対してピストンのV部を直接摺接してフィンガーを閉作動させる構成のため、両者間の摺動抵抗が増大している。このため、フィンガーを閉動作させる作動部材としては、高トルクのシリンダーを使用する必要があり、チャック自体が大型か及び重量化する問題を有している。
しかし、シリンダーのピストンは、軸線直交方向断面が円形状であるため、高トルクを得るには、エアーの受承面積を大きくする必要からピストンを大径化しなければならず、シリンダー自体が大型化することが避けられなかった。この結果、大型のシリンダーを使用することによりチャック自体が大型化及び重量化する問題を有している。
特に、樹脂成形品取出し機の可動体に取付けられて樹脂成形品のランナを把持したりする揺動開閉チャックにあっては、成形品取出しサイクルを短縮して高速化すると共に一対の金型間に形成される狭小空間内に進入させて取出し動作を実行しているが、大型化及び重量化したチャックにあっては、金型間の狭小空間内に進入させたり、高速移動させて取出し時間を短縮することが困難であった。
更に、上記チャックにあっては、シリンダーの非作動時には、ピストンを初期位置に戻すためのばね部材を必要とするため、シリンダー構造が複雑化すると共に部品点数が増大して高コスト化する問題を有している。
特開2008−6549号公報
解決しようとする問題点は、把持用フィンガーに対してピストンを直接接触させて開閉するため、両者間の摺動抵抗が増大して大型の高トルクシリンダーを使用しなければならない点にある。また、高トルクのシリンダーにあっては、大型化及び重量化し、チャックを高速度で移動させることや狭小空間内で進入させることが困難な点にある。更に、高トルクのシリンダーにあっては、流体の受承面積を広くする必要から大型のピストンを使用しなければならず、シリンダーが大型化及び重量化してチャック自体が大型化及び重量化する点にある。また更に、チャックの非作動時には、ピストンを初期位置に戻すためのばね部材を必要とするため、構造が複雑化すると共に部品点数が増大して高コスト化する点にある。
本発明は、先端側に把持部及び後端側に作動部を有し、中間部にて揺動可能に支持される一対の把持用フィンガーと、各把持用フィンガーの把持部間に設けられ、弾性力により把持部相互が遠ざかる方向へ揺動するように付勢する弾性部材と、各把持用フィンガーの作動部間にて、チャックの中心軸線と直交する方向に軸線を有して配置され、上記軸線直交方向の断面が偏平楕円形からなる一対のピストンが上記軸線方向へ摺動可能に支持されたシリンダー部材と、各ピストンに対し、それぞれの作動部に相対して当接するように設けられる押圧部材とを備え、シリンダー部材の非作動時には、各ピストンは、弾性部材の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する各把持用フィンガーの作動部に当接する押圧部材により互いに近づく方向へ移動される一方、シリンダー部材の作動時には、各ピストンは、供給される流体の圧力により押圧部材を互いに遠ざかる方向へ移動して各作動部を、弾性部材の弾性力に抗して押圧し、各把持用フィンガーを把持部相互が互いに近づく方向へ揺動させてワークを把持することを特徴とする。
本発明は、把持用フィンガーに対する摺動抵抗が低減して小型のシリンダーを使用してチャック自体を小型化及び軽量化してチャックの高速移動を可能にすると共に狭小空間内に対して容易に進入させることを可能することができる。また、偏平なピストンでシリンダーを構成することによりシリンダーの厚さ(高さ)を低減してチャック自体を薄型化することができると共に小型化及び軽量化することができる。更に、チャックの非作動時に、ピストンを初期位置に戻すためのばね部材を不要にしてシリンダー構造を簡易化すると共に部品点数を低減して低コスト化することができる。
本発明は、シリンダー部材の非作動時には、各ピストンは、弾性部材の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する各把持用フィンガーの作動部に当接する押圧部材により互いに近づく方向へ移動される一方、シリンダー部材の作動時には、各ピストンは、供給される流体の圧力により押圧部材を互いに遠ざかる方向へ移動して各作動部を、弾性部材の弾性力に抗して押圧し、各把持用フィンガーを把持部相互が互いに近づく方向へ揺動させてワークを把持することを最良の形態とする。
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1及び3に示すように、揺動開閉チャック1の本体ブロック3前部には、一対の把持用フィンガー5が配置されている。各把持用フィンガー5は、先端側に把持部5aが設けられると共に後端側に作動部5bが設けられる。そして各把持用フィンガー5は、作動部5b寄りの中間部が本体ブロック3に取付けられた支持軸7に揺動するように軸支され、把持部5aが互いに近づく方向へ揺動された際に、各把持部5aの把持面が微小間隔をおいて相対させられる。
図1及び3に示すように、揺動開閉チャック1の本体ブロック3前部には、一対の把持用フィンガー5が配置されている。各把持用フィンガー5は、先端側に把持部5aが設けられると共に後端側に作動部5bが設けられる。そして各把持用フィンガー5は、作動部5b寄りの中間部が本体ブロック3に取付けられた支持軸7に揺動するように軸支され、把持部5aが互いに近づく方向へ揺動された際に、各把持部5aの把持面が微小間隔をおいて相対させられる。
また、各把持用フィンガー5間には、圧縮ばね、ゴム等の弾性部材9が支持軸7より把持部5a寄りに装着され、該弾性部材9の弾性力により把持部5a相互を常に離間させる開放側、従って作動部5b相互を互いに近づく方向へ揺動するように付勢する。
各把持用フィンガー5の作動部5b間に応じた本体ブロック3には、揺動開閉チャック1の中心軸線と直交する方向に軸線を有したシリンダー部材11のシリンダー室11aが形成されている。該シリンダー室11a内は、上記軸線直交方向断面が小判形(偏平楕円形)の中空部からなる。そしてシリンダー室11a内には、相対する一対のピストン13a・13bが、上記軸線方向へ摺動可能に支持される。
これら一対のピストン13a・13bの外面側には、作動部5bに対する当接面が球面状で、作動部5bの内面に当接する押圧部材15a・15bが設けられる。該押圧部材15a・15bとしては、例えばポリアミド樹脂でピストン13a・13bと一体成形した構造、またはピストン13a・13bとは別部材で、例えばポリアミド樹脂により成形されたものを固着した構造のいずれであってもよい。図は、ピストン13a・13bの端面に押圧部材15a・15bを一体形成した構造を示す。
尚、上記した一対のピストン13a・13bは、シリンダー部材11の非作動時には、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動される作動部5bに当接する押圧部材15a・15bを介して互いに近づく方向へ移動してシリンダー室11aの上記軸線方向中間部にて、両者間に空隙を有するように移動される。図中の符号13c・13dは、ピストン13a・13bが互いに近づく方向に移動した際に、上記した空隙を形成するための突部である。
上記本体ブロック3の後部には、互いに近づく方向へ移動した一対のピストン13a・13bにより形成される空隙に連通するエアー通路3aが形成され、該エアー通路3aに応じた本体ブロック3には、圧力エアー供給源やエアーを制御するバルブ(いずれも図示せず)に接続されたノズル17が取付けられ、該ノズル17を介して圧力流体としてのエアーがシリンダー室11a内に供給され、ピストン13a・13bを互いに離間する方向へ移動させる。
一方の把持用フィンガー5の把持部5aには、近接スイッチ、マイクロスイッチ等の把持検知器19が取付けられ、各把持用フィンガー5が閉動作されてワークや、樹脂成形品のランナ(以下、これらを総称してワークWとする。)を把持した際に、電気信号を出力してワークWが把持されたことを検知する。
尚、図中の符号21は、本体ブロック3の上面に取付けられ、一対の把持用フィンガー5の基端側や、シリンダー部材11を覆うカバーである。
次に、上記のように構成された揺動開閉チャック1の作用を説明する。
ワークの非把持時においては、シリンダー部材11に対するエアーの供給が遮断され、ピストン13a・13bは、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する作動部5bに当接する押圧部材15a・15bを介して互いに近づく方向へ移動してシリンダー室11aの軸線方向中間部に位置している。このとき、一対の把持用フィンガー5は、弾性部材9の弾性力により支持軸7を中心に各把持部5aが互いに離間する方向へ揺動して開状態になっている。(図2参照)
ワークの非把持時においては、シリンダー部材11に対するエアーの供給が遮断され、ピストン13a・13bは、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する作動部5bに当接する押圧部材15a・15bを介して互いに近づく方向へ移動してシリンダー室11aの軸線方向中間部に位置している。このとき、一対の把持用フィンガー5は、弾性部材9の弾性力により支持軸7を中心に各把持部5aが互いに離間する方向へ揺動して開状態になっている。(図2参照)
次に、上記状態にて各把持用フィンガー5の把持部5a間にワークWが位置されると、ノズル17を介してシリンダー部材11のシリンダー室11a内に所要圧力のエアーを供給し、該エアーの圧力により各ピストン13a・13bを互いに離間する方向へ移動させる。このとき、ピストン13a・13bが偏平な小判形であるため、シリンダー室11aの高さを低くした構造にも拘らず、エアーの受承面積を要求されるトルクに応じて広くすることができ、シリンダー部材11を高トルク化することができる。
また、ピストン13a・13bと一体に移動する押圧部材15a・15bは、当接する作動部5bを、弾性部材9の弾性力に抗して互いに離間する方向へ揺動して各把持用フィンガー5を、それぞれの把持部5aが互いに近づく方向へ揺動させる。これにより各把持部5a間に位置するワークWを、所定の把持力で把持させる。(図4参照)
一方、ワークWの把持を解除するには、シリンダー部材11に対するエアーの供給を中断すると共にシリンダー室11a内のエアーを排気すると、各把持用フィンガー5は、弾性部材9の弾性力により把持部5aが互いに離間する方向へ揺動してワークWの把持を解除させる。このとき、各把持用フィンガー5の作動部5bは、弾性部材9の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動し、当接する押圧部材15a・15bを介して各ピストン13a・13bを互いに近づく方向へ移動して初期位置に戻す。
本実施例は、各ピストン13a・13bを偏平小判形とすることによりシリンダー室11a、従って揺動開閉チャック1自体を薄型化しながらエアーの受承面積を広くして所定のトルクを得ることができる。また、シリンダー部材11に対するエアーの供給を中断して排気した際には、弾性部材9の弾性力により各ピストン13a・13bを初期位置に戻すことができ、従来のチャックに比べてピストンを初期位置に戻すための圧縮ばねを不要にしてシリンダー部材11の構造を簡易化すると共に部品点数を低減して低コスト化することができる。
1.上記説明は、ピストン13a・13bの端面に球面状の押圧部材15a・15bを一体形成した構造としたが、作動部5bに相対するピストン13a・13bの端面に軸部材やブロック等の押圧部材を、一体、若しくは別体で設けた構造であってもよい。
2.上記説明は、作動部5bにおける押圧部材15a・15bの当接面を平面状とし、押圧部材15a・15bの移動に伴って作動部5bを一定で押圧することにより把持用フィンガーを一定速度で揺動させる構造としたが、押圧部材15a・15bが当接する作動部5bの当接面に、押圧部材15a・15bの移動距離に対して把持用フィンガー5の揺動角度を小さくするために傾斜面を形成し、把持用フィンガー5の揺動初期においては大きい揺動角度で、その後においては小さい揺動角度で揺動させる構造であってもよい。
3.上記説明は、本体ブロック3にシリンダー室11aを形成し、該シリンダー室11a内に一対のピストン13a・13bを軸線方向へ摺動可能に支持してシリンダー部材11を構成したが、上下一対のカバー間にシリンダー部材11を固着した構造であってもよい。
1 揺動開閉チャック
3 本体ブロック
5 把持用フィンガー
5a 把持部
5b 作動部
7 支持軸
9 弾性部材
11 シリンダー部材
11a シリンダー室
13a・13b ピストン
15a・15b 押圧部材
3 本体ブロック
5 把持用フィンガー
5a 把持部
5b 作動部
7 支持軸
9 弾性部材
11 シリンダー部材
11a シリンダー室
13a・13b ピストン
15a・15b 押圧部材
Claims (6)
- 先端側に把持部及び後端側に作動部を有し、中間部にて揺動可能に支持される一対の把持用フィンガーと、
各把持用フィンガーの把持部間に設けられ、弾性力により把持部相互が遠ざかる方向へ揺動するように付勢する弾性部材と、
各把持用フィンガーの作動部間にて、チャックの中心軸線と直交する方向に軸線を有して配置され、上記軸線直交方向の断面が偏平楕円形からなる一対のピストンが上記軸線方向へ摺動可能に支持されたシリンダー部材と、
各ピストンに対し、それぞれの作動部に相対して当接するように設けられる押圧部材と、
を備え、
シリンダー部材の非作動時には、各ピストンは、弾性部材の弾性力により付勢されて互いに近づく方向へ揺動する各把持用フィンガーの作動部に当接する押圧部材により互いに近づく方向へ移動される一方、シリンダー部材の作動時には、各ピストンは、供給される流体の圧力により押圧部材を互いに遠ざかる方向へ移動して各作動部を、弾性部材の弾性力に抗して押圧し、各把持用フィンガーを把持部相互が互いに近づく方向へ揺動させてワークを把持する揺動開閉チャック。 - 請求項1において、押圧部材は、ピストンと一体形成された揺動開閉チャック。
- 請求項1において、押圧部材は、ピストンと別体に形成されて固着された揺動開閉チャック。
- 請求項1において、押圧部材は、作動部に当接する面が球面に形成された揺動開閉チャック。
- 請求項1において、作動部における押圧部材の当接面は、傾斜角度が異なる複数のテーパ面に形成した揺動開閉チャック。
- 請求項1において、一方の把持用フィンガーの把持部には、検知器を設け、把持用フィンガーがワークを把持した際に電気信号を出力してワーク把持を検知可能にした揺動開閉チャック。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008069391A JP2009220243A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 揺動開閉チャック |
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- 2008-03-18 JP JP2008069391A patent/JP2009220243A/ja active Pending
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