JP2009218764A - 補聴器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電話機での音声通話時明瞭度を向上することのできる補聴器を提供する。
【解決手段】隔離配置された複数の音声入力部100で入力音からの入力音声信号を生成し、前記信号処理部110の中で前記入力音声信号に対して信号強度算出部111で複数の前記入力音声信号における信号強度を算出し、主信号判定部112で複数の前記音声入力信号から主音声信号をを識別し、前記主音声信号から出力音声信号を生成し、前記音声出力部120で前記出力音声信号から出力音を再生する構成を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、補聴器装用者が電話機などの出力音を補聴器に近接した状態で受聴する際、通話時音声明瞭度を向上する補聴器に関するもので、特に音声入力部を複数個以上持つ補聴器に関するものである。
補聴器装用者の課題としては、電話で音声通話時に、通話相手の発話内容を聞き取り難いという事がある。これに対する従来技術として、音声通話時のノイズ除去に関する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。この従来技術は、デジタル変換を行った音声信号をバンドパスフィルタで分割し、帯域分割された各帯域のノイズレベルを算出し、そのノイズレベルに従って各帯域の増幅特性を算出し、デジタル音声信号に含まれるノイズを除去するものがある。この従来技術により、狭帯域音声信号である通話時音声信号のノイズを低減する。
2マイク(ツーマイク)を搭載した補聴器により、収音に指向性をもたせ、発話者の音声を強調する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。この従来技術は、隔離配置された2つのマイクにより、マイクからの音声入力を処理する信号プロセッサと、上記信号プロセッサからの出力信号に応じて音信号を発生するトランスデューサを備えた補聴器であり、補聴器の受音特性を全指向型と指向型を切り替えるステップを含み、少なくとも1つの信号に調節可能な時間または位相差を加えるようにした方法がある。
また、2マイク(ツーマイク)を搭載した補聴器により、周囲の雑音環境に応じて、指向性を制御する信号処理技術が存在する(例えば、特許文献3参照)。この従来技術は、図7に示すように、2つのマイクからの信号(720,730)を受信し,かつ出力信号740を出力する指向性コントローラ710と,上記2つのマイクからの信号の少なくとも一方が不要信号であるかどうかを検出する信号分析部770と、上記指向性コントローラ710の適応指向性機能705の内部係数を調整する係数制御部790とを備えている。
信号分析器770において、所望信号検出部771において、信号(720,730)が所望信号か不要信号かを検出する。ここで所望信号の一例としては会話音声であり、不要信号の一例としては雑音がある。所望信号検出部771で不要信号を検出した場合のみ、係数制御部790の係数を更新し、所望信号検出部771で不要信号を検出しない場合は係数制御部790の係数を停止する制御信号780を出力し、係数制御部790で指向性コントローラ710の指向特性を調節することによって,出力信号740を最小化する技術が存在する。
さらに、補聴器装用者が、電話で音声通話状態であることを検出する従来技術も存在する。その一つが、両耳補聴器を装用するした場合、音声通話状態では受話側補聴器の入力信号レベルが、非受話側補聴器の入力信号レベルと比較して、大きい事により電話作動に自動的に切り換える技術が存在する(例えば、特許文献4参照)。また、別の技術として、電話機側で通話状態を検出し、検出結果に基づいて補聴器を制御する制御信号を発生させ、前記制御信号を音波に変換し、これを補聴器で受信して、補聴器の設定変更を行う技術が存在する(例えば特許文献5)。
特開2003−070097号公報 特表2003−503924号公報 特表2007−515830号公報 特開2005−124189号公報 特開2006−229866号公報
通話時の音声明瞭度を向上させるには、音声の母音(ホルマント周波数に特徴的な成分)のみならず、子音(高周波数帯域に特徴的な成分)を強調する事が重要で有る。しかしながら、通話時に電話器からの出力された出力音が、補聴器への入力音となる経路として、電話機から補聴器への直接波のみならず、電話筐体面および人体表面で反射する間接波が存在する。子音は母音と比較すると音声信号強度の弱く、また音声信号の継続時間も短いため、電話での音声通話時には、間接波の影響により子音の明瞭度が下がり、その結果として電話機での通話時音声明瞭度が低下するという課題がある。
更に、複数の音声入力部を保有した補聴器、その一例として2マイク(ツーマイク)を搭載した補聴器では、収音に指向性を持たせる事により、間接波の影響を低減する事が可能である。
しかしながら、2マイク(ツーマイク)を搭載した補聴器では、補聴器装用者が会話を行う相手と対峙するために、補聴器の前方から音声信号が到来すると仮定を置いている。例えば多人数との会話時において補聴器装用者が話者の方向に顔を向ければ、補聴器の指向性特性を前方に向ける事により、話者の会話音を強調し、周囲の雑音を低減する事が可能となる。
一方、補聴器装用者が電話機での通話時は、電話機の音声出力部と補聴器の音声入力部が近接しており、補聴器の前方から入力音が到来するという仮定を置くことが出来ない。その一例として、2マイク(ツーマイク)を搭載した補聴器において、電話機で音声通話をする時、補聴器装用者の電話機の保持位置によっては後方マイクからの音声信号の方が明瞭に聞こえる場合がある。また電話機として、近年普及している携帯電話機においては、家庭用電話機の受話器と比較して携帯電話機筐体の平面部が広いため、電話機筐体平面における間接波の影響が、家庭用電話機より大きくなる。すなわち、複数の音声入力部を持つ補聴器において、電話機での音声通話時は、どの音声入力部を主音声信号とするかを自動的に識別する事が出来ないという課題がある。
所望信号が前方以外の方向から到来している場合でも、所望信号に悪影響を及ぼすことなく、不要信号を最小化する技術の記載がある。しかしながら、所望信号が前方以外の方向から到来すると、指向性制御として無指向性または球形受音特性となるとため、上述した課題を解決する事が出来ない。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、複数の音声入力部を保有する補聴器において、電話機との音声通話時に、前記音声入力部からの入力音声信号の中で、どの音声信号を主音声信号として扱うかを自動的に識別する事により、電話機から補聴器への直接波の影響を強調し、また電話機から補聴器への間接波の影響を低減する事により、通話時音声明瞭度を向上する事のできる補聴器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の補聴器は、
信号処理部と音声出力部と隔離配置された複数の音声入力部とを備え、
前記音声入力部で入力音からの入力音声信号を生成し、
前記信号処理部で前記入力音声信号を変換して出力音声信号を生成し、
前記音声出力部で前記出力音声信号から出力音を再生し、
前記信号処理部で複数の前記入力音声信号における主音声信号を識別して
前記出力音声信号とする事を特徴とした構成を有している。
この構成により、従来の補聴器では補聴器装用者の前方方向の音声入力部の音声信号を主音声信号と仮定していたが、電話機での音声通話時においては、複数の音声入力部の中で最適な音声入力部を識別することができ、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記信号処理部において、複数の前記入力音声信号の信号強度を用いて
前記主音声信号を識別する事を特徴とした構成を有している。
この構成により、電話機での音声通話時において、電話機の音声出力部と補聴器の音声入力部の位置関係に関わらず、電話機の音声出力部からの直接波を最も短い距離で入力できる補聴器の音声入力部を、信号強度を用いて識別することができ、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記信号強度として、所定時間区間における
前記音声入力信号の振幅の総和値、もしくは平均値
前記音声入力信号のパワーの総和値、もしくは平均値
のいずれか一つである事を特徴とした構成を有している。
この構成により、低消費電力が求められる補聴器において、少ない演算量で信号強度を算出する事が可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記所定時間区間として、音速cとマイク間距離dとしたときd/cより長い時間区間である事を特徴とした構成を有している。
この構成により、信号強度を算出する際に、マイク間距離による遅延の影響を低減し、信号強度の算出精度を高める事が可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、前記信号強度として、前記音声入力信号の包絡線である事を
特徴とした構成を有している。
この構成により、信号強度を算出する際に、所定時間区間で区切る必要が無くなることにより、リアルタイム性の高いシステムを構築する事が可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記主音声信号と、他の前記入力音声信号との遅延時間を算出し、
前記遅延時間に基づいて前記主音声信号と他の前記入力音声信号とを合成して
出力音声信号を生成する事を特徴とした構成を有している。
この構成により、電話機の音声出力部から補聴器の音声入力部への直接波を強調し、電話機筐体面や体表面およびその他の反射面で反射する間接波の影響を低減することが可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記遅延時間から音源方向を推定する事を特徴とした構成を有している。
この構成により、補聴器の音声入力部に対する電話機の音声出力部からの音源方向を推定することができ、例えば補聴器装用者に対して、手で保持している電話機の位置として音声明瞭度が向上する方向へ誘導する事も可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
前記音声入力信号の指向性を合成する指向性合成部を備え、
前記音源方向に指向性を向ける事を特徴とした構成を有している。
この構成により、補聴器装用者は電話機を手で保持する位置を配慮することなく、現在の保持位置で音声明瞭度が最適となる出力音声信号を補聴器で生成する事が可能となり、その結果、通話時の音声明瞭度を向上する事が出来る。
また、本発明の補聴器は、
通話開始を検知して前記主音声信号の識別を開始し、
通話終了を検知して前記主音声信号の識別を終了する事を特徴とした構成を有している。
この構成により、補聴器装用者が電話機で音声通話を開始すると必要な信号処理を開始し、音声通話を終了すると不要な信号処理を停止する事が可能となり、その結果、補聴器で要求されている低消費電力で長時間動作する事が可能となる。
本発明は、複数の音声入力部を備える補聴器において、電話機との音声通話時に主音声信号を識別する処理を設ける事により、電話機の音声出力部に最も近接した補聴器の音声入力部を識別して、電話機の音声出力部からの直接波を強調し、間接波の影響を低減するという効果を有する通話時音声明瞭度を向上する補聴器を提供する事ことができるものである。
以下、本発明の実施の形態の通話時音声明瞭度を向上する補聴器について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態の補聴器の構成図を図1に示す。
図1における補聴器は、隔離配置された複数の音声入力部100と信号処理部110と音声出力部120を備え、入力音から音声入力部100において入力音声信号を生成し、この入力音声信号を信号処理部110で変換して出力音声信号を生成し、前記出力音声信号音声出力部で前記出力音声信号から出力音を再生し、補聴器装用者に出力音を伝える。
次に、図1を用いて処理の流れを説明する。音声入力部100は複数のマイクから構成し、入力音を音声信号に変換する。ここで複数のマイクを持つ事により、電話機との音声通話時に雑音を低下するために、電話機からの直接波を取り入れるべく、電話機の音声出力部と最も近い補聴器のマイクを選択する事を目的としている。図1では、音声入力部100は2つマイクとしてマイク101Fとマイク101Rから構成することを図では説明しているが、2個以上の複数個存在している場合も当然考えられる。
さらに、信号処理部110は、入力音声信号から音声信号強度を算出する信号強度算出部111と、前記音声信号強度から主音声信号を判定する主信号判定部112と、主音声信号の判定結果から主音声信号を選択する主信号選択部113から構成する。ここで、信号強度算出部111はマイク101で変換した音声信号の強度を算出する。信号強度の一例として、所定時間区間における音声信号振幅の総和値、平均値、中間値、もしくは音声信号パワーの総和値、平均値、中間値のいづれか一つが考えられる。この時、音声信号振幅値として、ここでは絶対値を用いている事を補足しておく。さらに、所定時間区間における音声信号の積である相互相関関数も信号強度を表す指標となる事を補足しておく。信号強度を表す指標として代表的な一例を示したが、前述の一例に限るものではない。
また、所定時間区間の設定する際、マイク間距離dを考慮する必要がある。すなわち、マイク101Fとマイク101Rとに到来する音波の遅延時間は、音波が2つのマイクの並列方向延長線上から到来する場合に遅延時間が最大となる。この場合、補聴器に入力する音の速度を音速cとすると、マイク101Fとマイク101Rに到来する音波の最大遅延時間はd/cとなる。ここで、信号強度を算出するための所定時間区間として、この最大遅延時間より短い時間間隔を設定すると、信号強度の差異が発生している原因が、音源位置の差によるものなのか、音波の位相差によるものなのかが判別できなくなる。よって、所定時間区間を設定する際は、最大遅延時間d/cより大きい時間間隔にする必要がある。こうすることで、音波の位相差による信号強度算出への影響を低減する事が出来る。
また、所定時間区間を用いない方法としては、信号強度として音声信号の包絡線を用いる方法がある。音声信号の包絡線を作成する方法は、従来技術として存在するので説明を割愛する。音声信号の包絡線を用いる事により、よりリアルタイム性の高いシステムを構築する事ができる。
主信号判定部112では、2つの入力音声信号に対して、信号強度算出部111で各々算出された信号強度を入力としている。そして2つの信号強度を比較し、信号強度が大きい方を主音声信号と判定する。主信号選択部113では、主信号判定部112の判定結果をもとに、マイク101Fおよびマイク101Rで入力した複数の入力音声信号から音声出力部120で出力する主音声信号を選択し、信号処理部110の出力音声信号とする。
音声出力部120では、出力音声信号をスピーカー121で出力音に変換して、補聴器装用者に対して出力音を伝える。この本発明の第1の実施の形態の補聴器により、電話機の音声出力部から最も近い補聴器のマイクを選択する事が可能となる。
次に図2、図3を用いて、主信号判定部112で判定できる理由を説明する。図2は、補聴器のマイク101Fと音源200との距離201、および補聴器のマイク101Rと音源200との距離202が、マイク101Fとマイク101Rとの距離203と比較して、十分に遠方の場合の補聴器および音源の位置関係図である。一方、図3は、補聴器のマイク101Fと音源200との距離301、および補聴器のマイク101Rと音源200との距離302が、マイク101Fとマイク101Rとの距離203と比較して、ほぼ同等もしくは近接している場合の補聴器および音源の位置関係図である。
ここで、音源200が点音源であると仮定すると、音源200から放射された音波は、球面上に伝搬し、各点の音と強さを表す音圧レベルは音源からの距離の2乗に反比例する。
すなわち、図2の位置関係では、距離201と距離202がほぼ同等であるため、各々のマイクに入力する音圧レベルも大きな差異が生じない。一方、図3の位置関係では、距離301と距離302との差が大きくなるため、各々のマイクに入力する音圧レベルは差異が生じる。そこで、補聴器装用者が電話機で音声通話を行っているときは、音源200とマイク101Fおよびマイク101Rが十分に近接している事から、各マイク入力の音圧レベル、言い換えれば入力音声信号強度を比較することにより、マイク101Fかマイク101Rのどちらが、音源200に近いかを判定する事が可能となる。
図2、図3は、2マイク(ツーマイク)の場合の音源とマイクの位置関係であるがマイクが3つ以上の複数個存在する場合にも拡張できることを補足しておく。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態の補聴器の構成図を図4に示す。本発明の第1の実施の形態の補聴器はアナログ補聴器を仮定していたが、補聴のためのデジタル信号処理を行うデジタル補聴器が近年急速に普及している。図4は、このデジタル補聴器における本発明の第2の実施の形態を表す構成図である。
図4において、隔離配置された複数の音声入力部100と信号処理部110と音声出力部120を備え、入力音から音声入力部100において入力音声信号を生成し、この入力音声信号を信号処理部110で変換して出力音声信号を生成し、音声出力部120で前記出力音声信号から出力音を再生し、補聴器装用者に出力音を伝える。
図4の音声入力部100は、入力音を入力アナログ音声信号に変換するマイク101Fおよびマイク101Rと、入力アナログ音声信号を入力デジタル音声信号に変換するA/D変換部401から構成する。
図4の信号処理部110は、入力音声信号の信号強度を算出する信号強度算出部410と、算出された信号強度から主音声信号を判定する主信号判定部411と、主信号判定結果から、主音声信号に対する他方の音声信号の遅延時間を算出する遅延時間算出部412と、算出された遅延時間からマイクから音源方向を推定して各々の入力音声信号を指向性を持たせて合成する指向性合成部413と、合成後の音声信号に対して周波数領域処理を加えて出力音声信号を生成する周波数領域処理部414とから構成する。
図4の音声出力部120は、信号処理部110の出力であるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部421と、アナログ音声信号を出力音に変換するスピーカー121から構成する。
次に、図4を用いて本発明の第2の実施の形態の補聴器における処理の流れについて説明を行う。入力音に対してマイク101Fおよびマイク101Rで変換した各々のアナログ音声信号は、A/D変換部401で各々の入力デジタル音声信号に変換し、音声入力部100の出力とする。
次に、信号処理部110の処理の流れについて説明する。この信号処理部110の中で、指向性をつける方向を制御する指向性制御部418の処理の流れについて、図5を用いて説明する。
図5において、音声入力部100の出力として、マイク101Fからのデジタル音声信号をS_f(t)、マイク101Rからのデジタル音声信号をS_r(t)と表現する。信号強度算出部410では、S_f(t)およびS_r(t)より信号強度を算出(S501)し、これをP_f(t)およびP_r(t)と表現する。ここで、引数は時刻tにおける音声信号、および信号強度を表してる。
ここでアナログ音声信号に対しては、所定時間区間であったが、アナログ音声信号を時間軸上で離散的にサンプリングしたものがデジタル音声信号となるため、デジタル音声信号に対する所定時間区間をフレームの定義とし、1フレームはサンプリング間隔の整数倍となる。信号強度として、所定時間区間内の音声信号に対する強度を用いるという点では、アナログ音声信号に対するものと等価となる。すなわち、信号強度の一例はデジタル音声信号でも、本発明の第1の実施の形態における信号強度の説明と同じであるため、説明を割愛する。
なお、補聴器では要求仕様として低消費電力が要求されるため、信号強度算出を行う上でも、演算量が少ない方法が望ましい。その観点では、所定時間時間区間における音声信号振幅の絶対値の総和値の演算量が少ない。
図5においては信号強度の一例として、フレーム内における音声信号振幅の絶対値の総和値としているが、この限りではない。また、1フレームにおけるサンプル数を2のべき乗とすれば、シフト演算のみで総和値を平均値に変換できるため、この場合は平均値算出も演算量を少なく出来る事を補足しておく。
またフレームを設定する際、所定時間区間の設定と同様の考え方が必要となる。すなわち、フレームとしては音速cとマイク間距離dとするとd/cより長い時間とする点は、アナログ音声信号に対してだけでなく、デジタル音声信号に対しても同様である。
信号強度算出部410の出力である2つの信号強度P_f(t)、P_r(t)に対して主信号判定部411では、2つの信号強度を比較し、信号強度が大きい方を主音声信号と判定する(S503)。図5では、主音声信号をS_0(t)と表記し、主音声信号に対する他方の音声信号を副音声信号とし、S_1(t)と表記している。ステップ(S503)の判定結果より、前方のマイク101Fからの音声信号を主音声信号とする場合はステップ(S504)の処理を、後方のマイク101Rからの音声信号を主音声信号とする場合はステップ(S505)の処理を行う。
主信号算出部411の出力である判定結果から、遅延時間算出部412では主音声信号S_0(t)に対する副音声信号S_1(t)の遅延時間を算出する(S507)。遅延時間の算出方法として、主音声信号に対する他方の音声信号の差分により算出し、その差分が最小となる時間間隔が最も相関が高い事を利用する。ここで、主音声信号に対する他方の音声信号の遅延時間τと定義し、時刻tにおける主音声信号と他方の音声信号との差分をD(t,τ)とする。遅延のない状態、すなわち遅延時間τ=0の場合の音声信号差異を算出し、そしてこの遅延時間τをサンプリング間隔毎に増加していき、主音声信号と他方の音声信号の差分D(t,τ)を算出する。これにより、遅延時間τが異なる差分D(t,τ)の集合が算出される。ここで電話機の音声出力部からの直接波にだけ着目するとマイク101Fとマイク101Rに到来する入力音の遅延時間τの上限は、マイク間距離dと音速cとするとd/cとなる。算出されたD(τ)を比較して、D(τ)が最小となる遅延時間τを算出する。この遅延時間τが遅延時間算出部412の出力とする。
ここで、ステップ(S507)では、演算量の少ない差分算出で行っているが、相互相関関数φ(t,τ)=Σ{s_0(t)*S_1(t+i-τ)}で算出する事が可能であり、その場合は、相互相関関数φ(t,τ)が最大となる遅延時間τを算出する。
さらに、ステップ(S508)では、音源方向の推定を行う。ここで、音波が無限遠から到来して、音波が並行平面であると仮定を置くと、遅延時間τ、音速c、マイク間距離d、マイク間を結ぶ延長線上に対する音源方向をθとすると、音源方向θ=sin-1(cτ/d)で算出することが出来る。図3に音源方向θ310を図示する。この音源方向θは、指向性合成部413において指向性合成処理を行う際に、適応フィルタの係数の調整に用いる。また別の用途として、音源方向θを推定する事により、例えば補聴器装用者が保持している電話機の音声出力部が、補聴器の音声入力部に近いのか、もしくは遠いのかを通知する事とも可能となる。これで、図5に示す指向性制御部518の処理を終了する。
マイクの数として、図4および図5では2つのマイクで説明を行っているが3つ以上のマイクに対応する事が可能である。すなわち、主音声信号に対して上述の2マイク(ツーマイク)の処理を複数回行う事により、各マイクに対する遅延時間τを算出する。
遅延時間算出部412の出力である遅延時間τと複数マイクからのデジタル音声信号により、指向性合成部412により入力音到来方向に対する指向性を強める指向性合成処理を行う。指向性合成方法としては、適応フィルタを用いた方法が従来技術として存在するため、説明を割愛する。
次に、指向性合成部413の出力を、周波数領域処理部414において非線形増幅処理、雑音抑圧処理、ハウリング抑圧処理などを行い、これを信号処理部110の出力とする。
信号処理部110の出力を、D/A変換部421でデジタル音声信号からアナログ音声信号に変換する。そして変換したアナログ音声信号をスピーカー121により出力音を再生して、補聴器装用者に出力音を伝える。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態の補聴器の構成図を図6に示す。図6において、通話検知部601以外の構成要素は、本発明の第2の実施の形態と同じである。通話検知部601は、補聴器装用者が電話機で音声通話時かどうかを検知するためもので、検知方法は従来技術に記載があるため、説明を割愛する。
なお、通話開始を検知する手段として、補聴器装用者が発信者の場合には、呼出音(Ring Back Tone)を、補聴器で検出する方法がある。ここで日本国内における呼出音とは、周波数400±20[Hz]の信号を15[Hz]以上20[Hz]以下の信号で変調(変調率85±15[%])した信号を、断続数20 IPM±20[%]以内、かつメーク率33±10[%]以内で断続送出した信号音である。
さらに、通話終了を検知する手段として、補聴器装用者の通話相手が切断した場合、もしくは補聴器装用者が発信者で着信者が通話中で切断する場合には、話中音(Busy Tone)を、補聴器で検出する方法がある。ここで、日本国内における話中音とは、周波数400[Hz]の信号を断続数60IPM±20[%]以内、かつメーク率50±10[%]以内で断続送出する信号音である。ここで説明した呼出音、および話中音の規定は、日本国内におけるものであり、他の国では、その国の規定に従うものとし、世界における電話における規定は、ITU-T勧告に従うものとすることを補足しておく。
通話検知部601で、電話機による音声通話状態である事を検知した場合は、指向性制御部418の処理を行う。すなわち、通話検知部601で、電話機で音声通話状態である事を検知しない場合は、指向性制御部401の処理を停止する。これは、補聴器装用者が電話機で音声通話状態である場合のみ、指向性制御部を動作させ、音声通話状態でない場合は、指向性制御部を停止させる。これにより、補聴器において低消費電力で所望の動作を実現する事が可能となる。
以上のように、本発明にかかる補聴器は、電話機の音声出力部に最も近接した補聴器の音声入力部を識別して、電話機の音声出力部からの直接波を強調し、間接波の影響を低減するという効果を有し、補聴器装用者が電話機などの出力音を補聴器に近接した状態で受聴する際、通話時音声明瞭度を向上する補聴器に関するもので、特に音声入力部を複数個以上持つ補聴器として有用である。
本発明の第1の実施の形態における補聴器の構成図 会話利用時の補聴器における音源とマイクの関係図 電話機で音声通話利用時の補聴器における音源とマイクの関係図 本発明の第2の実施の形態における補聴器の構成図 本発明の第2の実施の形態における補聴器の指向性制御部における処理の流れ図 本発明の第3の実施の形態における補聴器の構成図 従来技術における補聴器の構成図
符号の説明
100 音声入力部
101F マイク(前方)
101R マイク(後方)
110 信号処理部
111 信号強度算出部
112 主信号判定部
113 主信号選択部
120 音声出力部
121 スピーカー
200 音源
201 音源とマイク(前方)との距離
202 音源とマイク(後方)との距離
203 マイク(前方)とマイク(後方)との距離
301 音源とマイク(前方)との距離
302 音源とマイク(後方)との距離
310 音源方向θ
401 A/D変換部
410 信号強度算出部
411 主信号判定部
412 遅延時間算出部
413 指向性合成部
414 周波数領域処理部
418 指向性制御部
421 D/A変換部
601 通話検知部
700 信号処理部
710 指向性コントローラ
720、730 入力音声信号
740 出力音声信号
750 適応指向性機能
771 所望信号検出部
772 更新/停止回路
790 係数制御部
780 制御信号
795 指向性処理係数

Claims (9)

  1. 信号処理部と音声出力部と隔離配置された複数の音声入力部とを備え、
    前記音声入力部で入力音からの入力音声信号を生成し、
    前記信号処理部で前記入力音声信号を変換して出力音声信号を生成し、
    前記音声出力部で前記出力音声信号から出力音を再生し、
    前記信号処理部で複数の前記入力音声信号における主音声信号を識別して
    前記出力音声信号とする事を特徴とする補聴器。
  2. 前記信号処理部は、複数の前記入力音声信号の信号強度を用いて
    前記主音声信号を識別する事を特徴とする請求項1記載の補聴器。
  3. 前記信号強度は、所定時間区間における
    前記音声入力信号の振幅の総和値、もしくは平均値
    前記音声入力信号のパワーの総和値、もしくは平均値
    のいずれか一つである事を特徴とする請求項2記載の補聴器。
  4. 前記所定時間区間は、音速cとマイク間距離dとしたときd/cより長い時間区間である事を特徴とする請求項3記載の補聴器。
  5. 前記信号強度は、前記音声入力信号の包絡線である事を特徴とする請求項2記載の補聴器。
  6. 前記信号処理部は、前記主音声信号と他の前記入力音声信号との遅延時間を算出し、
    前記遅延時間に基づいて前記主音声信号と他の前記入力音声信号とを合成して
    出力音声信号を生成する事を特徴とする請求項1記載の補聴器。
  7. 前記信号処理部は、前記遅延時間から音源方向を推定する事を特徴とする請求項6記載の補聴器。
  8. 前記信号処理部は、前記音声入力信号の指向性を合成する指向性合成部を備え、
    前記音源方向に指向性を向ける事を特徴とする請求項7記載の補聴器。
  9. 前記信号処理部は、通話開始を検知して前記主音声信号の識別を開始し、
    通話終了を検知して前記主音声信号の識別を終了する事を特徴とする請求項1記載の補聴器。
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