JP2009216865A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性ドラム基体とこれを支持する導電性シャフトとの導通状態が良好に維持されることで、良好な画像形成が安定的に行われ得る、電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体は、感光ドラムと、シャフトと、導通板と、を備えている。前記感光ドラムは、導電性の円筒状部材からなるドラム基体を備えている。前記シャフトは、金属からなる丸棒状のシャフト本体と、その外周面上に形成された金属被膜と、を備えている。前記導通板は、前記ドラム基体の内周面と係合する係合部と、前記シャフトの外周面と弾性的に接触する接点部と、を備え、前記係合部を介して前記感光ドラムに固定され、前記係合部及び前記接点部を介して前記ドラム基体と前記シャフトとの導通を形成する。本発明の特徴は、前記金属被膜が、前記シャフト本体の主成分よりもイオン化傾向が高い材質からなることにある。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子写真感光体は、感光ドラムと、シャフトと、導通板と、を備えている。前記感光ドラムは、導電性の円筒状部材からなるドラム基体を備えている。前記シャフトは、金属からなる丸棒状のシャフト本体と、その外周面上に形成された金属被膜と、を備えている。前記導通板は、前記ドラム基体の内周面と係合する係合部と、前記シャフトの外周面と弾性的に接触する接点部と、を備え、前記係合部を介して前記感光ドラムに固定され、前記係合部及び前記接点部を介して前記ドラム基体と前記シャフトとの導通を形成する。本発明の特徴は、前記金属被膜が、前記シャフト本体の主成分よりもイオン化傾向が高い材質からなることにある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真方式の画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ)に用いられる電子写真感光体であって、当該画像形成装置の本体に着脱自在なプロセスカートリッジに内蔵されるものは、通常、比較的小径の円筒状に形成されている。このような電子写真感光体は、導電性の材質からなる円筒状のドラム基体(例えばアルミニウム管)の外周に感光体層を形成するとともに、当該ドラム基体の両端にフランジを装着することによって構成されている。一対の前記フランジの一方には、当該電子写真感光体を回転駆動するためのギヤが形成されている。
このような構成の電子写真感光体においては、重量やコストの関係から、前記フランジとして、合成樹脂製のものが広く用いられている。ここで、電子写真プロセスにおいては、前記ドラム基体は、接地等のために前記本体と電気的に接続される必要がある。このため、この種の電子写真感光体には、合成樹脂製の前記フランジの軸中心を挿通する導電性のシャフトと、このシャフトと前記ドラム基体とに対して接点を有する導通板(アース板)と、が設けられている。
具体的には、前記導通板は、通常、略円板状に形成されていて、前記フランジとともに、前記ドラム基体の端部における内側に、圧入、嵌合されている。この導通板の、外周部には前記ドラム基体と接触するための突起部が設けられ、中心部には前記シャフトを挿通するための貫通孔が設けられている。また、この導通板には、前記貫通孔に挿通された前記シャフトの外周面と弾性的に接触する舌片状の接点部が設けられている。
上述のような構成は、例えば、特開平10−207291号公報、特開平10−207291号公報、特開2002−91234号公報、特開2004−102270号公報、特開2006−72039号公報、等に開示されている。
特開平10−207291号公報
特開平10−240103号公報
特開2002−91234号公報
特開2004−102270号公報
特開2006−72039号公報
前記画像形成装置が比較的長時間運転された場合、前記シャフトと前記導通板における前記接点部との接触による、前記ドラム基体と前記シャフトとの導通が、不安定になることがある。この導通の不安定化は、前記シャフトと前記接点部との接触部における、腐食による酸化物の生成等のために生じる。例えば、酸化物が前記シャフトに付着すると、前記電子写真感光体の回転周期(前記シャフトと前記接点部との相対的な回転の周期)毎に、主走査方向と平行なスジが、形成画像中に発生する。
本発明は、このような課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、導電性ドラム基体とこれを支持する導電性シャフトとの導通状態が良好に維持されることで、良好な画像形成が安定的に行われ得る、電子写真感光体を提供することにある。
本発明の電子写真感光体は、感光ドラムと、シャフトと、導通板と、を備えている。
前記感光ドラムは、導電性の円筒状部材からなるドラム基体と、そのドラム基体の外周に形成された感光体層と、を備えている。
前記シャフトは、前記ドラム基体の中心軸線上に設けられている。このシャフトは、金属からなる丸棒状のシャフト本体と、前記シャフト本体の外周面上に形成された金属被膜と、を備えている。前記金属被膜は、メッキ、塗布、蒸着、等の任意の方法によって形成され得る。もっとも、コスト、形成膜厚、平滑度、等を考慮すると、前記金属被膜はメッキにより形成されることが好適である。
前記導通板は、前記ドラム基体の内周面と係合する係合部と、前記シャフトの外周面と弾性的に接触する接点部と、を備えている。この導通板は、前記係合部を介して前記感光ドラムに固定されていて、前記係合部及び前記接点部を介して前記ドラム基体と前記シャフトとの導通を形成するように構成されている。この導通板は、板状の金属に対してプレス加工や放電加工(ワイヤカット加工)等を施すことによって、同一材質により継ぎ目なく一体に形成され得る。
本発明の特徴は、前記金属被膜の材質が、前記接点部における前記シャフトと対向する表面を構成する材質と同じ主成分からなることにある。例えば、前記金属被膜は、前記接点部における前記シャフトと対向する表面を構成する材質と同じ材質によって構成され得る。具体的には、前記接点部における前記表面を構成する材質がニッケルである場合、前記金属被膜はニッケルから構成され得る。あるいは、前記接点部における前記表面を構成する材質が銅である場合、前記金属被膜は銅から構成され得る。あるいは、前記導通板がリン青銅により一体に形成されている場合、前記金属被膜は銅から構成され得る。
かかる構成においては、画像形成プロセスの実行時に、前記導通板における前記接点部が、前記シャフトの前記外周面(前記金属被膜)と摺動しつつ接触することで、前記ドラム基体と前記シャフトとの導通が図られ、例えば、前記ドラム基体が接地される。
ここで、本発明においては、前記金属被膜が、前記接点部における前記シャフトと対向する表面を構成する材質と同じ主成分の材質(典型的には同材質)によって構成されている。これにより、両者の接触部における導通状態が良好に維持される。したがって、本発明によれば、良好な画像形成が安定的に行われ得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<電子写真感光体の構成>
図1は、本発明の一実施形態である電子写真感光体1の要部構成を示す、一部拡大断面図である。以下、図1を参照すると、この電子写真感光体1は、感光ドラム2と、シャフト3と、フランジ4と、導通板5と、を備えている。
図1は、本発明の一実施形態である電子写真感光体1の要部構成を示す、一部拡大断面図である。以下、図1を参照すると、この電子写真感光体1は、感光ドラム2と、シャフト3と、フランジ4と、導通板5と、を備えている。
感光ドラム2は、アルミニウム製の円筒管状部材からなるドラム基体21と、そのドラム基体21の外周に形成された感光体層22と、を備えている。
シャフト3は、ドラム基体21の中心軸線上に設けられている。このシャフト3は、ステンレス鋼からなる丸棒状のシャフト本体31と、このシャフト本体31の外周面上に形成された金属被膜32と、を備えている。金属被膜32は、シャフト3と導通板5との接触による導通状態を良好にするために形成されている。
フランジ4は、合成樹脂からなる略円柱状の部材であって、感光ドラム2の一端部における内径と嵌め合いの関係にある小径部41と、この小径部41及び感光ドラム2よりも外径が大きい大径部42と、から構成されている。フランジ4は、小径部41が感光ドラム2の前記一端部に嵌め込まれることで、感光ドラム2に固定されている。大径部42には、感光ドラム2及びフランジ4を上述の中心軸線を中心として回転駆動するためのギヤ42aが形成されている。
また、フランジ4には、シャフト3が挿通されるように、当該シャフト3の外径よりも若干大きい内径を有する貫通孔43が形成されている。この貫通孔43は、その中心軸線が、感光ドラム2(ドラム基体21)の上述の中心軸線と一致するように設けられている。
導通板5は、平面視にて略円板状の部材であって、継ぎ目なく一体に成形されている。この導通板5の中心部には、シャフト3を挿通するための貫通孔51が形成されている。
導通板5の外周部には、本発明の係合部に相当する、複数の係合突起部52が設けられている。これらの係合突起部52は、導通板5が、フランジ4における小径部41の端面に固定された状態で、当該小径部41とともに感光ドラム2の前記一端部に嵌め込まれた際に、弾性変形しつつドラム基体21の内周面と係合するようになっている。
また、導通板5における、貫通孔51の近傍位置には、舌片状の接点部53が設けられている。接点部53は、フランジ4及び導通板5が感光ドラム2に組み付けられた状態でシャフト3が貫通孔43及び51に挿通された際に、シャフト3の外周面と弾性的に接触するように、導通板5の本体部から突出した板バネ状に構成されている。この接点部53は、プレス加工によって形成された舌片を曲げ加工することで形成されている。
このように、導通板5は、係合突起部52を介して感光ドラム2に固定されていて、係合突起部52及び接点部53を介して、ドラム基体21とシャフト3との導通を形成するように構成されている。
<第一実施形態の構成>
本実施形態においては、金属被膜32は、銅メッキによって形成されている。また、導通板5は、プレス加工で打ち抜かれたステンレス板に銅メッキを施すことによって形成されている。
本実施形態においては、金属被膜32は、銅メッキによって形成されている。また、導通板5は、プレス加工で打ち抜かれたステンレス板に銅メッキを施すことによって形成されている。
<第一実施形態の構成による効果>
かかる構成を有する電子写真感光体1においては、画像形成プロセスの実行時に、感光ドラム2がシャフト3に対して相対的に回転すると、導通板5における接点部53が、シャフト3の外周面を構成する金属被膜32の表面と接触しつつ摺動する。
かかる構成を有する電子写真感光体1においては、画像形成プロセスの実行時に、感光ドラム2がシャフト3に対して相対的に回転すると、導通板5における接点部53が、シャフト3の外周面を構成する金属被膜32の表面と接触しつつ摺動する。
このとき、本実施形態における金属被膜32と、接点部53とは、ともに表面が銅である。このため、異種金属同士の接触部とは異なり、両者の接触部における腐食が発生しにくい。また、摺動により一方のみが磨耗すること(特にシャフト3における金属被膜32のみが一方的に磨耗してシャフト本体31の外周面(ステンレス鋼の表面)が露出すること)が、効果的に抑制される。これにより、シャフト3と接点部53との摺動部における酸化皮膜の形成、及びかかる酸化皮膜の形成による導通不安定状態の発生が、効果的に抑制される。
このように、本実施形態の構成によれば、シャフト3と接点部53との接触安定性、すなわち、ドラム基体21とシャフト3との安定した導通状態が、良好に維持される。
<第二実施形態の構成>
本実施形態においては、金属被膜32は、銅メッキによって形成されている。また、導通板5は、プレス加工で打ち抜かれたリン青銅の板材からなる。
本実施形態においては、金属被膜32は、銅メッキによって形成されている。また、導通板5は、プレス加工で打ち抜かれたリン青銅の板材からなる。
<第二実施形態の構成による効果>
かかる構成においては、金属被膜32を構成する材質と、接点部53の表面を構成する材質の主成分が、ともに銅である。このため、両者の接触部における腐食が発生しにくい。これにより、上述と同様に効果が得られる。
かかる構成においては、金属被膜32を構成する材質と、接点部53の表面を構成する材質の主成分が、ともに銅である。このため、両者の接触部における腐食が発生しにくい。これにより、上述と同様に効果が得られる。
<変形例>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の実施形態や変形例の、全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、互いに複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
(1)本発明は、上述の実施形態にて開示された具体的構成に限定されるものではない。例えば、フランジ4の形状や、接点部53の材質・形状・数についても、特に限定はない。
(2)第一実施形態において、導通板5における銅メッキは、接点部53におけるシャフト3と対向する表面にのみ設けられていれば充分であるが、加工コストの関係からは、導通板5の表面全体に銅メッキが施されることが好適である。
また、第一実施形態において、導通板5は、銅あるいは銅合金(例えばリン青銅)の板材によって形成されていてもよい。この場合、導通板5の(少なくとも接点部53における上述の表面の)銅メッキは、省略され得る。
(3)金属被膜32は、メッキ以外の、利用可能なあらゆる方法(塗布、蒸着等)で形成され得る。
(4)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
1 … 電子写真感光体
2 … 感光ドラム
21 … ドラム基体
22 … 感光体層
3 … シャフト
31 … シャフト本体
32 … 金属被膜
4 … フランジ
41 … 小径部
42 … 大径部
42a… ギヤ
43 … 貫通孔
5 … 導通板
51 … 貫通孔
52 … 係合突起部
53 … 接点部
2 … 感光ドラム
21 … ドラム基体
22 … 感光体層
3 … シャフト
31 … シャフト本体
32 … 金属被膜
4 … フランジ
41 … 小径部
42 … 大径部
42a… ギヤ
43 … 貫通孔
5 … 導通板
51 … 貫通孔
52 … 係合突起部
53 … 接点部
Claims (8)
- 導電性の円筒状部材からなるドラム基体と、そのドラム基体の外周に形成された感光体層と、を備えた、感光ドラムと、
前記ドラム基体の中心軸線上に設けられたシャフトと、
前記ドラム基体の内周面と係合する係合部と、前記シャフトの外周面と弾性的に接触する接点部と、を備え、前記係合部を介して前記感光ドラムに固定されるとともに当該係合部及び前記接点部を介して前記ドラム基体と前記シャフトとの導通を形成するように構成された、導通板と、
を備えた、電子写真感光体であって、
前記シャフトは、
金属からなる丸棒状のシャフト本体と、
前記シャフト本体の外周面上に形成された金属被膜と、
を備え、
前記金属被膜は、前記接点部における前記シャフトと対向する表面を構成する材質と同じ材質からなることを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項1に記載の、電子写真感光体であって、
前記導通板は、同一材質により一体に形成されていることを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項1又は請求項2に記載の、電子写真感光体であって、
前記材質はニッケルであることを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項1又は請求項2に記載の、電子写真感光体であって、
前記材質は銅であることを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項3又は請求項4に記載の、電子写真感光体であって、
前記金属被膜は、メッキによって形成されたことを特徴とする、電子写真感光体。 - 導電性の円筒状部材からなるドラム基体と、そのドラム基体の外周に形成された感光体層と、を備えた、感光ドラムと、
前記ドラム基体の中心軸線上に設けられたシャフトと、
前記ドラム基体の内周面と係合する係合部と、前記シャフトの外周面と弾性的に接触する接点部と、を備え、前記係合部を介して前記感光ドラムに固定されるとともに当該係合部及び前記接点部を介して前記ドラム基体と前記シャフトとの導通を形成するように構成された、導通板と、
を備えた、電子写真感光体であって、
前記導通板は、リン青銅により一体に形成され、
前記シャフトは、
金属からなる丸棒状のシャフト本体と、
前記シャフト本体の外周面上に形成された、銅からなる金属被膜と、
を備えたことを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項6に記載の、電子写真感光体であって、
前記金属被膜は、メッキによって形成されたことを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の、電子写真感光体であって、
前記シャフト本体は、ステンレス鋼からなることを特徴とする、電子写真感光体。
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