JP2009216347A - 対向燃焼ボイラ装置及びその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粉炭及び一次空気が供給されるバーナ3を水平方向に複数並べて成るバーナ列4を垂直方向に複数段配置して形成したバーナ群及びこれらの上方において二次空気を通す複数の二段燃焼用ポート5を有する互いに対向する缶前壁11及び缶後壁12を具備した対向燃焼ボイラ10と、各二段燃焼用ポート5を通してボイラ内に供給する二次空気の量を調節する缶前側ダンパ6及び缶後側ダンパ7を備え、各バーナ列4にボイラ内の燃焼ガスGの流れに対する影響度ゲインを割り付けて、使用中のバーナ列4の影響度ゲインから算出した数値指標Npにより燃焼ガスGの流れのパターンを指標化する制御部20を設け、制御部20では、数値指標Npに対向燃焼ボイラ10内の負荷状況を対応させて、缶前側ダンパ6及び缶後側ダンパ7を作動させる。
【選択図】図2
Description
本発明に係る対向燃焼ボイラ装置及びその運転方法では、上記のようにして得た燃焼ガス流のパターンの数値指標が所定値以下の大きさの場合において、すなわち、Np≦0の場合において、低負荷状況下では、図5に示すように、燃焼ガスGが大きく缶前壁11側に偏流するので、図6のグラフに示す制御プログラムを用いて、二次空気の量を缶前壁11の二段燃焼用ポート5側にバイアスさせ、高負荷状況下では、図7に示すように、燃焼ガスが缶後壁12側に偏流して缶後壁12側の酸素濃度が低くなるので、二次空気の量を缶後壁12の二段燃焼用ポート5側にバイアスさせるべく制御し、一方、燃焼ガス流のパターンの数値指標が所定値を越える場合において、すなわち、Np>0の場合において、低負荷状況下では、図8に示すように、燃焼ガスが大きく缶後壁12側に偏流するので、図9のグラフに示す制御プログラムを用いて、二次空気の量を缶後壁12側の二段燃焼用ポート5側にバイアスさせ、高負荷状況下では、図10に示すように、燃焼ガスが缶前壁11側に偏流して缶前壁11側の酸素濃度が低くなるので、二次空気の量を缶前壁11の二段燃焼用ポート5側にバイアスさせるべく制御する。
図1〜図10は、本発明に係る対向燃焼ボイラ装置の一実施形態を示しており、この実施形態では、対向燃焼ボイラ装置が石炭焚きボイラ装置である場合を例に挙げて説明する。
図1及び図2に示すように、この石炭焚きボイラ装置1は、互いに対向する缶前壁11及び缶後壁12を有していると共に上部に過熱器13及び再熱器14を配置した全体で箱型を成す石炭焚きボイラ(送電能力70万kW)10を備えている。
[実施例1]
次に、上記した石炭焚きボイラ装置1の運転方法の一実施例を説明する。
この状況において、制御部20では、運転中の缶前壁11のバーナ列4U,4M及び缶後壁12のバーナ列4Lに上記した要領で影響度ゲイン(2),(1),(2)をそれぞれ割り付けしたうえで、式(1)を用いて数値指標Np=1>0を算出し、この結果に基づいて、図9のグラフに示す制御プログラムを自動的に採用して、二次空気の量を缶後壁12の二段燃焼用ポート5側にバイアスさせるべく、図12に示すように、缶前側ダンパ6の開度を減らすと共に缶後側ダンパ7の開度を増加させる。
[実施例2]
図15(a)は、石炭焚きボイラ装置1の石炭焚きボイラ10における缶前壁11の上段,中段及び下段のバーナ列4U,4M,4Lを使用している場合で且つ石炭焚きボイラ10内が低負荷の状況にある場合において、燃焼ガスGの流れが缶後壁12側に偏流して、石炭焚きボイラ10内での滞留時間が増大することにより、燃焼ガスGの流れの缶前壁11側にスペースSが生じて不安定傾向になった状況を示している。
[実施例3]
図16(a)は、石炭焚きボイラ装置1の石炭焚きボイラ10における缶前壁11の下段のバーナ列4L及び缶後壁12の上下段のバーナ列4U,4Lを使用している場合で且つ石炭焚きボイラ10内が低負荷の状況にある場合において、燃焼ガスGの流れが缶前壁11側に偏流して、石炭焚きボイラ10内での滞留時間が減少することにより、燃焼ガスGの流れの缶後壁12側にスペースSが生じて不安定傾向になった状況を示している。
[実施例4]
図17(a)は、石炭焚きボイラ装置1の石炭焚きボイラ10における缶前壁11の上段,中段及び下段のバーナ列4U,4M,4Lと、缶後壁12の下段のバーナ列4Lを使用している場合で且つ石炭焚きボイラ10内が高負荷の状況にある場合において、燃焼ガスGの流れが缶前壁11側に偏流して、石炭焚きボイラ10上方における缶前壁11側の酸素濃度が低くなっている状況を示している。
[実施例5]
図18(a)は、石炭焚きボイラ装置1の石炭焚きボイラ10における缶前壁11の中段及び下段のバーナ列4M,4Lと、缶後壁12の上下段のバーナ列4U,4Lを使用している場合で且つ石炭焚きボイラ10内が高負荷の状況にある場合において、燃焼ガスGの流れが缶後壁12側に偏流して、石炭焚きボイラ10上方における缶後壁12側の酸素濃度が低くなっている状況を示している。
上記したように、この実施形態による石炭焚きボイラ装置1では、石炭焚きボイラ10の高負荷状況及び低負荷状況のいずれの状況下においても、石炭焚きボイラ10内における燃焼ガスGの流れ状態を修正して、常に安定した状態で運転させ得ることとなる。
3 バーナ
4(4U,4M,4L)バーナ列
5(5A) 二段燃焼用ポート
6 缶前側ダンパ
7 缶後側ダンパ
10 石炭焚きボイラ(対向燃焼ボイラ)
11 缶前壁
12 缶後壁
20 制御部
G 燃焼ガス
Np 数値指標
Claims (6)
- 燃料及び一次空気が供給されるバーナを水平方向に複数並べて成るバーナ列を垂直方向に複数段配置して形成したバーナ群を有していると共に、前記バーナ群の上方に位置して該バーナ群をバイパスして供給される二次空気を通す二段燃焼用ポートを有する互いに対向する缶前壁及び缶後壁を具備した対向燃焼ボイラと、
この対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を調節する缶前側ダンパ及び缶後側ダンパを備えた対向燃焼ボイラ装置において、
前記缶前壁及び缶後壁に配置した各バーナ群における複数段のバーナ列のそれぞれに対して、前記対向燃焼ボイラ内の燃焼ガスの流れに及ぼす影響の度合いに応じた影響度ゲインを割り付けると共に、運転中に使用しているバーナ列に割り付けされた前記影響度ゲインに基づいて算出した数値指標により燃焼ガスの流れのパターンを指標化する制御部を設け、
この制御部は、燃焼ガスの流れのパターンを表す前記数値指標に前記対向燃焼ボイラ内の負荷状況を対応させて、前記対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を適正化するべく前記缶前側ダンパ及び缶後側ダンパを作動させる
ことを特徴とする対向燃焼ボイラ装置。 - 前記制御部は、前記対向燃焼ボイラ内が高負荷である状況及び低負荷である状況の各状況下において、燃焼ガスの流れのパターンを表す前記数値指標の大小に応じて前記対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を適正化するべく前記缶前側ダンパ及び缶後側ダンパをそれぞれ作動させる二種類の制御プログラムを有している請求項1に記載の対向燃焼ボイラ装置。
- 前記制御部において、二種類の制御プログラムは、前記燃焼ガスの流れのパターンを表す数値指標の大小に応じて自動的に切り換わる請求項2に記載の対向燃焼ボイラ装置。
- 燃料及び一次空気が供給されるバーナを水平方向に複数並べて成るバーナ列を垂直方向に複数段配置して形成したバーナ群を有していると共に、前記バーナ群の上方に位置して該バーナ群をバイパスして供給される二次空気を通す複数の二段燃焼用ポートを有する互いに対向する缶前壁及び缶後壁を具備した対向燃焼ボイラを備えた対向燃焼ボイラ装置の運転方法であって、
前記缶前壁及び缶後壁に配置した各バーナ群における複数段のバーナ列のそれぞれに対して、前記対向燃焼ボイラ内の燃焼ガスの流れに及ぼす影響の度合いに応じた影響度ゲインを割り付けると共に、運転中に使用しているバーナ列に割り付けされた影響度ゲインに基づいて算出した数値指標により燃焼ガスの流れのパターンを指標化し、
この燃焼ガスの流れのパターンを表す前記数値指標に前記対向燃焼ボイラ内の負荷状況を当てはめて、前記対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を適正化する
ことを特徴とする対向燃焼ボイラ装置の運転方法。 - 前記燃焼ガスの流れのパターンを表す数値指標が所定値以下の大きさの場合には、一方の制御プログラムを用いて、前記対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を適正化すると共に、前記燃焼ガスの流れのパターンを表す数値指標が所定値を越える場合には、他方の制御プログラムを用いて、前記対向燃焼ボイラにおける缶前壁及び缶後壁の各二段燃焼用ポートを通して該対向燃焼ボイラ内に供給する二次空気の量を適正化する請求項4に記載の対向燃焼ボイラ装置の運転方法。
- 前記一方の制御プログラム及び他方の制御プログラムが、前記燃焼ガスの流れのパターンを表す数値指標の大小に応じて自動的に切り換わる請求項5に記載の対向燃焼ボイラ装置の運転方法。
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