JP2009215840A - 引き戸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉の高さを調整できる機構を備え、必要に応じて、内扉および外扉を左右引き違いに開閉させ、または連動させることができる引き戸装置を提供する。
【解決手段】建物の開口上縁部に沿って、取付具を介して設置される固定レールと、該固定レールに転動自在に支持されたローラーを有する内扉および外扉とからなる引き戸装置であって、前記固定レールが、前記内扉のローラーを支持するための第一レール部と、前記外扉のローラーを支持するための第二レール部とからなり、前記外扉の上縁部に沿って、長手方向に当接体が延設され、該当接体が、前記内扉のローラーと当接してなり、前記当接体に、当接体の上下位置の調節部材が設けられてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、引き戸装置に関する。さらに詳しくは、建物の開口上縁部の長手方向に沿って設置される引き戸装置であって、2つの固定レールに、外扉および内扉が、ローラーを介して転動自在かつ安定に載架されてなる引き戸装置に関する。
従来の引き戸装置としては、引き戸を支える敷居に溝を設けるか、または引き戸の下部に戸車、敷居にはレールを設けていたため、敷居の溝やレールにはごみが溜まり易く、また設置場所が建物の中である場合、たとえば杖をついた老人の歩行を妨げたり、車椅子の方の通過を妨げることがあった。そこで、最近では吊下げ式の引き戸装置が種々開発されている。
たとえば、特許文献1には、引き戸のためのレール金具を壁面上部に固定した引き戸装置に関する技術が開示されている。引き戸は、レール金具により吊下げられているため、歩行の妨げとなる敷居の溝やレールを排除することができる。
また、特許文献2には、扉の高さを調整できる機構を備え、必要に応じて、内扉および外扉を左右引き違いに開閉させ、または連動させることができる引き戸装置に関する技術が開示されている。
登録実用新案第3058457号公報 登録実用新案第3138687号公報
しかし、特許文献1に記載された引き戸装置は、レール金具のレールが1本であり、1枚扉にしか対応できないという問題がある。仮に、2枚扉を設けた場合、レールが1本のため、左右に引き違えることができず、扉の左右に戸袋を設ける必要がある。また、その際は、2枚の扉を左右に開ける必要があり、手間もかかるため、必ずしも杖をついた老人や車椅子の使用者にとって利便性が優れているとは言えない。さらに、床を、たとえばフローリングから畳に変更した場合や、床の上にカーペットなどの敷物を敷いた場合(もしくはすでに敷かれている敷物を取り払った場合)に実質的な床の高さが変わるときに対応できず、床の高さが高くなった場合は扉の底部が床と接して床面を傷つける、または開閉不可能となる。逆に床の高さが低くなった場合はスペースが生じるために、冷暖房の効率が悪くなる、さらにスペースに足の先などを挟み、家庭内事故の原因となることがある。
また、特許文献2に記載された引き戸装置は、外扉および内扉が、それぞれ固定レールの側面に対して内側方向から外側方向にかけて一方向にローラーが載架されているため、ローラーを含めた扉の重心と、固定レールの中心がずれる結果、わずかに扉が傾くこととなる。その結果、扉の開閉動作において、必ずしも安定ではなく、急な開閉動作においては、その厚さ方向の振りが特に顕著なものとなり、異音を発生させたり、両扉の接触が生じ、かかる接触によっても異音が生じることとなる。かかる異音を解消するために両扉の間に緩衝部材(スペーサー)を設けた場合であっても、当該緩衝部材と扉との接触を防ぐことはできず、少なからず異音を発生すると言う問題がある。また、当該緩衝部材の設置は、部材点数を増加させるという問題がある。
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、部材点数の増加によらず、開閉動作における扉の安定性を向上させ、扉のがたつきをなくすこと、また、必要に応じて、内扉および外扉を左右引き違いに開閉させ、または連動させることができ、扉閉鎖時に、負荷を生じることなく、スムーズな開閉を可能とすることができる引き戸装置を提供することを目的とする。
本発明の引き戸装置は、引き戸が取り付けられるべき建物の開口上縁部の長手方向に沿って取付具を介して互いに並行に配設された第一および第二固定レールと、該第一および第二固定レールに転動自在に支持されたローラーとを有する内扉および外扉とからなる引き戸装置であって、前記第一および第二固定レールに、それぞれ固定レールの長手方向に沿って互いに並行に第一載架部と、第二載架部とが、仕切部によって離間されて設けられ、前記ローラーが、前記第一載架部に載架される第一ローラーと、前記第二載架部に載架される第二ローラーとからなることを特徴とする。
前記外扉の上縁部に沿って、長手方向にほぼL字状の当接体が延設され、該当接体が、前記内扉の上端部に設けられた前記ローラーと当接することが好ましい。
前記当接体に、当接体の上下方向の位置を調節するための調節部材が設けられてなることが好ましい。
前記調節部材が、前記外扉の上縁部に設けられたローラー支持部と、前記ローラー支持部の上縁部より延設された当接体とを接続する部材であることが好ましい。
前記固定レールの上縁部から水平方向に延設された後、鴨居の下縁部に向かって延設されたほぼL字状の化粧板が設けられてなることが好ましい。
前記内扉に設けられた一対の前記第一ローラーおよび第二ローラーのうち、扉閉鎖動作時の進行方向を前方とした場合の後方端部に設けられた一対の前記第一ローラーおよび第二ローラーのローラー径のみが、他のローラー径よりも小さく形成されてなることが好ましい。
前記内扉の後方側に設けられた前記第一ローラーの厚さが、前記内扉の前方側に設けられた前記第一ローラーの厚さよりも小さく、前記当接体に、前記内扉の前方側に設けられた第一ローラーの厚さよりも小さく、かつ後方側に設けられた前記第一ローラーの厚さよりも大きく形成された切欠きが設けられてなることが好ましい。
本発明によれば、部材点数の増加によらず、開閉動作における扉の安定性を向上させ、扉のがたつきをなくすことができる。また、必要に応じて、内扉および外扉を左右引き違いに開閉させ、または連動させることができる。さらに、扉閉鎖時に、負荷を生じることなく、スムーズな開閉を可能とすることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の引き戸装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態1)における断面図である。図2は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における断面図である。図3は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における正面断面図である。図4は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における開放途中の状態を説明するための上面図であり、図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。図5は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態3)における調節部材と当接体の動作を説明するための断面図であり、図5(a)は調節部材を締め、当接体が内扉のローラーから浮いた状態、図5(b)は調節部材を緩め、当接体が内扉のローラーと当接した状態を説明するための断面図である。図6は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態4)における断面図である。図7は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態5)における上面図である。図8は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態5)における断面図である。図9は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態6)における上面図である。図10は、本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態6)における断面図である。
実施の形態1
実施の形態1の引き戸装置1は、図1に示されるように、下方向に開口した偏平なほぼC字断面を呈する固定レール2と、該固定レール2の開口面に設けられた載架部3に、ローラー4を介して支持された内扉5および外扉6とからなる。
固定レール2は、ローラー4を介して外扉6および内扉5を吊下げるための部材であり、前記ローラー4を介して外扉6および内扉5を横方向に転動し得るものである。また、固定レール2は、外扉6を載架する第一固定レール2aと、内扉を載架する第二固定レール2bとからなる。固定レール2の上面には、鴨居などと固着するための取付用孔部7が設けられている。固定レール2は、該取付用孔部7を介してねじやくぎなどの取付具により固着される。なお、取付方法はねじやくぎといった取付部材に限定されることはなく、単に鴨居との設置面を接着剤で接着してもよく、当業者に自明の各種取付方法(接着方法)を採用することができる。また、固定レール2の材質としては、アルミニウムやステンレスが挙げられるが、本発明において特に限定されることなく、当業者に自明の各種素材を用いることができる。好ましくは軽量かつ充分な強度を併せ持つアルミニウムが用いられる。
前記載架部3は、固定レール2の内側方向に設けられた第一載架部3aと、外側方向に設けられた第二載架部3bとからなり、第一載架部3aには第一ローラー4a、第二載架部3bには第二ローラー4bが載架される。図1に示されるように、第一ローラー4aと第二ローラー4bは、固定レール2の仕切部2cを介して離間されている。これにより、内扉5と外扉6、ローラー4を含めた重心の位置が、外扉6および内扉5の厚さ方向の中心線Aと同軸上に形成され、かつ第一固定レール2aおよび第二固定レール2bの仕切部2cの厚さ方向の重心と重なるため、内扉5および外扉6を開閉させた際の、扉進行方向と垂直な方向(図1における紙面左右方向)への安定性を高めることができる。また、急な開閉動作においても、内扉5と外扉6が互いに接触するほど振れることはなく、衝突による異音が発生することがない。したがって、通常の使用の範囲内において、別途緩衝部材(スペーサー)を設ける必要がない。なお、仕切部2cは、第一ローラー4aと第二ローラー4bが、互いに離間され、かつ安定に転動し得るようガイドとなるものであればよく、図1に示されるように、第二固定レール2bの側面を代用してもよい。仮に、引き戸装置全体の軽量化等の目的で、固定レール2を、金属パイプ等を用いて骨組のみの構成とした場合(つまり輪郭のみで側面を有さないよう構成した場合)、扉を安定に転動させるため、仕切部2cを別途設けるとよい。ローラー4の材質としては、樹脂およびゴム材が挙げられるが、本発明において特に限定されることはなく、当業者に自明の各種素材を用いることができる。好ましくは載架部3において、スムーズに転動する必要があるため、エンジニアリング樹脂が用いられる。
さらに、内扉5と外扉6は、それぞれ別の載架部3に載架されるため、内扉5と外扉6は互いに引き違えて開閉することが可能である。これにより、各扉を重ね合わせて1個所に設けられた戸袋に収納することができ、従来のレールが1本の引き戸装置1(扉が2枚以上の場合は、それぞれの扉を収納するための戸袋が必要)と比べ、占有スペースを減らすことができる。
ローラー4は、ローラー支持部8を介してそれぞれの扉の上端部と接続されている。ローラー支持部8は、ローラー軸8aと固着されたローラー軸受け8bとからなる。ローラー軸8aとローラー軸受け8bとの固着は、リベット接合など、当業者に自明の各種固着方法を選択することができる。また、ローラー軸受け8bと内扉5および外扉6との固着は、ねじなどによって固着されているが、当業者に自明の各種固着部材、固着方法を選択することができ、たとえば別途固着用の金具(図示せず)を介してねじやくぎなどで固着してもよい。ローラー4およびローラー支持部8は、内扉5および外扉6に対して複数個所設けられている。ローラー支持部8を複数個所設けることにより、内扉5および外扉6の重量を固定レール2に分散することができ、固定レール2やローラー4の破損や磨耗を軽減することができ、さらに、内扉5および外扉6の転動時に、前後左右にがたつくことがなく、さらにスムーズに開閉することができる。
実施の形態2
実施の形態2の引き戸装置9は、図2に示されるように、外扉6の上縁部に沿って、長手方向にほぼL字状の当接体10が延設され、該当接体10が、前記内扉5の上端部に設けられた第一ローラー4aと当接していること以外は、実施の形態1の引き戸装置1と同様である。
前記当接体10は、外扉6の第一ローラー4aに接続された当接体支持部10aにより延設されており、固着ねじ11によって固着されている。固着方法は、当業者に自明の各種固着部材、固着方法を選択することができる。たとえばリベット接合であってもよい。
図2、図3、図4に示されるように、当接体10は、内扉5の第一ローラー4aと当接する位置に設けられているため、外扉6を転動すると、当接体10を介して当接している内扉5にも外扉6の進行方向と同方向の力のモーメントが生じ、連動させることができる。なお、連動率(外扉6の移動距離に対する内扉5の移動距離の割合)は、内扉5の各ローラー4、外扉6の各ローラー4の大きさを選択すること、当接体10の材質、当接の程度により自由に設定できる。
本実施の形態の引き戸装置9は、図2に示されるように、当接体10の、内扉5の第一ローラー4aとの接する面に、当接体10の長手方向に沿ってゴム12が固着されている。これにより、内扉5の第一ローラー4aと接する際に摩擦抵抗を生じ、連動率を向上させることができる。また、ゴム12によって、連動時のノイズを低減することができる。ゴム12としては、天然ゴム、合成ゴムやエラストマーなどの各種弾性体が挙げられ、これらの素材の選択に際しては、本発明において特に限定されることなく、当業者に自明の各種素材を用いることができる。また、ゴム12は、ローラー4の材質等によっては必須の構成ではなく、ローラー4に当業者が自明の材質を選択することにより、ゴム12の設置の有無を選択することができる。
なお、本実施の形態では、外扉6の第一載架部3aに載架された第一ローラー4aについての当接体支持部10aに当接体10が固着されている場合について詳述したが、本実施の形態の当接体10は、これに限定されるものではなく、当接体支持部10aと当接体10を一体成形してもよい。
実施の形態3
実施の形態3の引き戸装置13は、図4に示されるように、当接体10と内扉5の第一ローラー4aの当接状態が、固着部材による固着を締めた際に解除され(図4(a)参照)、固着部材による固着を緩めた際に当接する(図4(b)参照)ような構成をとる以外は、実施の形態2の引き戸装置9と同様である。なお、本実施の形態では、上記構成は実質的に固着ではないため、区別する目的で調節ねじ14と称して説明するが、実施の形態2の固着ねじ11と同じ構成である。
さらに、調節ねじ14は、当接体10の長手方向の中心位置付近に1個所設けられていても問題なく高さを調節できるが、好ましくは適度な間隔で、使用者の手間のかからない範囲で複数(たとえば当接体10の両端付近に2個所)設けられていることが好ましい。これにより、当接体10が内扉5の第一ローラー4aと当接状態、非当接状態を選択することができ、内扉5と外扉6を別々に転動させることのみならず、連動させることも自由に選択可能である。
なお、図4に示されるように、ローラー4およびそれを支持するローラー支持部8は、それぞれの扉の両端付近に2個所設けられている。本実施の形態の引き戸装置1におけるローラー4およびローラー支持部8の個数はこれに限定されるものではなく、両端付近の2個所とは別に、さらに長手方向の中心付近に1個所設けてもよい。これにより、さらに安定かつスムーズな転動が可能である。ローラー4およびローラー支持部8の個数は、当業者に自明の範囲で適宜増減することが可能である。
実施の形態4
実施の形態4の引き戸装置15は、図6に示されるように、固定レール2の上面に設けられた溝16に、ほぼL字状の化粧板17が挿入されているほかは実施の形態2の引き戸装置9と同様である。
前記化粧板17は、固定レール2の上面に設けられた溝16から、外側水平方向(図5の紙面左右方向)に延設された後、垂直方向(図5の紙面下方向)に延設される部材である。化粧板17の水平方向の長さは、内扉5および外扉6の第二ローラー4bのローラー支持部8よりもさらに外側まで延設され、その後、垂直方向に、各ローラー4や、各ローラー支持部8が外部から視認されないよう延設されている。これにより、各ローラー4や各ローラー支持部8に対する埃等の堆積、湿気からの防御が可能である。また、外部から各ローラー4や各ローラー支持部8といった各部材が視認されないよう保護できるため、外観上の見栄えを向上させることが可能である。なお、化粧板17の材質は、特に限定されるものではなく、金属製、木製等であってもよい。加工の利便性、コスト、強度等の観点から、アルミニウムが好ましい。
また、本実施の形態では、化粧板17の形状がほぼL字状のものについて詳述したが、本実施の形態の化粧板17の形状はこれに限定されるものではなく、溝16に一端が挿入されたのちに、外方向の下方に延設される形状でもよく、当業者に自明の各種形状を採用することができる。さらに、溝16に挿し込まれることなく、固定レール2と一体的に成形されていてもよく、その場合、部材点数が少なくて済み、かつ強度を高く保つことが可能となる。
実施の形態5
実施の形態5の引き戸装置18は、図7に示されるように、内扉5に設けられたローラーのうち、扉開放動作における扉の進行方向の、後側に位置する第一ローラー19a、第二ローラー19bのローラー径のみが、他のローラーのローラー径よりも小さく形成されているほかは、実施の形態2の引き戸装置9と同様である。
図2、図7に示されるように、引き戸装置18のB−B断面の形状は、図2の形状と同じであるが、C−C断面の形状は、図7、図8に示されるように、第一ローラー19aと第二ローラー19bのローラー径が他のローラー4a、4bよりも小さく、当接体10のゴム12が接することがないよう形成されている。これにより、扉の開放時(建具収納時)に当接体10のゴム12が、第一ローラー19aに乗り上げることがなく、抵抗なくスムーズに扉の全開が可能である。
なお、本実施の形態では、第一ローラー19aと第二ローラー19bが同径の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、第二ローラー19bのローラー径は、他のローラー4a、4bのローラー径と同じであってもよく、載架する扉を安定に摺動させることができる範囲で適宜選択することが可能である。
実施の形態6
実施の形態6の引き戸装置20は、図9、図10に示されるように、内扉5に設けられたローラーのうち、扉開放動作における扉の進行方向の、後側に位置する第一ローラー21の厚さが、前方に位置する第一ローラー4aの厚さよりも小さく形成され、当接体10のゴム22に、切欠き23が設けられているほかは、実施の形態2の引き戸装置9と同様である。図10は、図9の引き戸装置20のD−D断面の形状である。
切欠き23の切欠き幅は、前記内扉の前方側に設けられた第一ローラー4aの厚さよりも小さく、かつ後方側に設けられた前記第一ローラー21の厚さよりも大きい。これにより、扉の開放時(建具収納時)に当接体10のゴム22が、第一ローラー21と当接することなく、抵抗無くスムーズに扉の全開が可能である。また、扉を閉鎖する場合は、第一ローラー4aの厚さは切欠き23の切欠き幅よりも大きいため、常に当接したまま、2枚の扉を連動させることができる。
なお、本実施の形態では、当接体10に設けられたゴム22に切欠き23が設けられた場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、当接体10にゴム22を設けることなく、その場合は当接体10そのものに切欠きを設けてよい。
本発明の引き戸装置は、たとえば押入れ等の入口に設けた場合に有効である。つまり、押入れのように、普段は閉鎖されている扉を有するものであって、どのようなものがどの位置に入っているか予めある程度分かる場合、すべての扉を開閉するのではなく、取り出すために必要な個所(必要な扉)のみを、必要なだけ開放すればよい。この場合はすべての扉が連動すると、逆に利便性が悪いので、使用者は調節部材を調節し、必要な扉だけが連動するよう(当接体が実施の形態3の図4(a)に示される状態となるよう)調節すればよい。
他にも、建具の内部に本発明の引き戸装置を設置した場合においては、通行に必要な分を開放すればよく、それが扉1枚分であれば実施の形態1の図1、または実施の形態3の図4(a)の構成を選択し、扉2枚分であれば、実施の形態2の図2、または実施の形態3の図4(b)の構成を選択すればよい。
本実施の形態1〜6では、扉が2枚の場合について詳述したが、本発明の引き戸装置の構成はこれに限定されるものではなく、扉が3以上の複数枚であってもよい。3以上の複数枚の場合は、すべての扉を連動させることなく、必要な扉のみを開放することによって、たとえば押入れ中の物を効率よく取り出すことができ、さらに利用価値が高まる。もちろん連動させてもよく、扉が3以上の複数枚のときは、さらに開閉時の手間が省けることは明らかである。
また、本実施の形態1〜6では、各扉に設けられたローラーを載架する固定レールが、互いに水平位置に設けられている場合について詳述したが、本発明の引き戸装置の構成はこれに限定されるものではなく、各固定レールの水平位置が異なる場合(つまり各固定レールが水平位置に並行しない場合)であってもよい。
以上のように、本発明の引き戸装置を使用することにより、部材点数の増加によらず、開閉動作における扉の安定性を向上させ、扉のがたつきをなくすこと、また、必要に応じて、内扉および外扉を左右引き違いに開閉させ、または連動させることができる。
本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態1)における断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における正面断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態2)における開放途中の状態を説明するための上面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態3)における調節部材と当接体の動作を説明するための断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態4)における断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態5)における上面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態5)における断面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態6)における上面図である。 本発明の引き戸装置の一実施形態(実施の形態6)における断面図である。
符号の説明
1、9、13、15、18、20 引き戸装置
2 固定レール
2a 第一固定レール
2b 第二固定レール
2c 仕切部
3 載架部
3a 第一載架部
3b 第二載架部
4、19 ローラー
4a、19a、21 第一ローラー
4b、19b 第二ローラー
5 内扉
6 外扉
7 取付用孔部
8 ローラー支持部
8a ローラー軸
8b ローラー軸受け
10 当接体
10a 当接体支持部
11 固着ねじ
12、22 ゴム
14 調節ねじ
16 溝
17 化粧板
23 切欠き
A 中心線

Claims (7)

  1. 引き戸が取り付けられるべき建物の開口上縁部の長手方向に沿って取付具を介して互いに並行に配設された第一および第二固定レールと、該第一および第二固定レールに転動自在に支持されたローラーとを有する内扉および外扉とからなる引き戸装置であって、
    前記第一および第二固定レールに、それぞれ固定レールの長手方向に沿って互いに並行に第一載架部と、第二載架部とが、仕切部によって離間されて設けられ、
    前記ローラーが、前記第一載架部に載架される第一ローラーと、前記第二載架部に載架される第二ローラーとからなることを特徴とする引き戸装置。
  2. 前記外扉の上縁部に沿って、長手方向にほぼL字状の当接体が延設され、
    該当接体が、前記内扉の上端部に設けられた前記ローラーと当接する請求項1記載の引き戸装置。
  3. 前記当接体に、当接体の上下方向の位置を調節するための調節部材が設けられてなる請求項1または2記載の引き戸装置。
  4. 前記調節部材が、前記外扉の上縁部に設けられたローラー支持部と、前記ローラー支持部の上縁部より延設された当接体とを接続する部材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の引き戸装置。
  5. 前記固定レールの上縁部から水平方向に延設された後、鴨居の下縁部に向かって延設されたほぼL字状の化粧板が設けられてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の引き戸装置。
  6. 前記内扉に設けられた一対の前記第一ローラーおよび第二ローラーのうち、扉閉鎖動作時の進行方向を前方とした場合の後方端部に設けられた一対の前記第一ローラーおよび第二ローラーのローラー径のみが、他のローラー径よりも小さく形成されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の引き戸装置。
  7. 前記内扉の後方側に設けられた前記第一ローラーの厚さが、前記内扉の前方側に設けられた前記第一ローラーの厚さよりも小さく、
    前記当接体に、前記内扉の前方側に設けられた第一ローラーの厚さよりも小さく、かつ後方側に設けられた前記第一ローラーの厚さよりも大きく形成された切欠きが設けられてなる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の引き戸装置。
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