JP2009215596A - 金属Auの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Auと酸化剤を含有する水溶液中のAuを、低コストで効率良く、しかも高い回収率で回収する方法を提供する。
【解決手段】貯留層2に収容されたAuと酸化剤を含有する水溶液からAuを回収する際に、前記水溶液を貯留層2と電解槽1に循環させながら電気分解し、Auを析出させる工程と、電解槽1において析出したAuを、弁5,6をとじることによって前工程の水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解してAu濃縮液を得る工程と、前記Au濃縮液を電解槽7に移し、酸化剤を中和してから電気分解を行いAuを回収する工程と、を含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、Auと酸化剤を含有する水溶液から金属Auを回収する方法に関し、詳細には、電子機器やその材料・部品を製造する工程などで排出される酸化剤を含有した水溶液(具体的には、Au剥離廃液やエッチング廃液など)に含まれる微量のAu(Auイオン)を金属Auとして、高い回収率で効率良く回収する方法に関するものである。
Auは、導電性が高く、しかも耐食性に優れているため、電子機器分野をはじめ工業的に非常に有用な材料である。その一方で、Auは、非常に高価な材料である。そのため電気機器やその材料・部品を製造する工程などで排出される廃液等からも可能な限りAuを回収して再利用することが求められている。廃液等からAuを回収する方法としては、化学還元法や電気分解法などの様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、Auを含有した廃液には大きく2種類あり、メッキ廃液と剥離廃液・エッチング廃液がある。
メッキ廃液とは、電子材料や部品などにAuメッキを施す際に用いられたメッキ液の使用済み液である。この液は、電子材料や部品の表面にAuメッキを施すために調製された液であるため、Auイオンの他に、Auを析出し易くするための成分を含んでいる。そのためメッキ廃液からAuを回収する際には、化学還元法や電気分解法などの方法を適用すれば、Auを比較的容易に回収することができる。
一方、Au剥離廃液とは、Auメッキ装置内部の表面に析出したAuを溶解して装置内を洗浄するために調製された液(Au剥離液)を用い、装置内を洗浄した後の使用済み液である。エッチング廃液とは、Auメッキされた電子材料や部品の表面を溶解して微細加工するために調製された液(エッチング液)を用い、エッチングした後の使用済み液である。従ってAu剥離液やエッチング液は、Auを溶解させるために調製された液であるため、Au剥離廃液やエッチング廃液もAuを溶解させるための成分を含んでいる。特にAuは耐食性に優れるため、Auを溶解させるための成分として、Auの溶解を促す酸化剤を含んでいる。また、Auを溶解させるための成分として、Auと安定して結びつく塩素イオンやシアンイオンなども含んでいる。
酸化剤を含有した水溶液からAuを回収する場合には、化学還元法では、廃液中に含まれる酸化剤によって還元剤が消費されるため、Auの回収に多量の還元剤が必要となり、採算が取れないことがある。一方、電気分解法では、Auが電極表面に一旦析出しても水溶液に含まれる酸化剤による溶解反応が競争的に生じるため、効率よく、また経済的に有効にAuを回収することはできない。その顕著な例として、王水(濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合した溶液)系の剥離廃液の場合には、強酸化性の酸性液であるため、そもそも電極表面にAuが電着し難く、Auが電着したとしても、Auは電極表面に均一に電着せず、電極表面に粉末状に電着する。そのため電極に電着したAuは電気分解の途中であっても電極から剥離し、酸化剤の作用によって廃液中に再溶解することがある。また、電気分解を停止した後、Auが粉末状に電着した電極を電解槽から抜き出そうとすると、電気分解の停止直後からAuの強酸化性溶液への再溶解が進む。更に、電極を外す際の振動などにより、電極に析出した粉末状のAuは容易に剥離・落下し、再溶解してしまうなどし、Auの回収率は極めて低かった。
そこで、酸化剤を含有した水溶液の酸化力を低下させるため、電気分解前に水溶液を希釈または中和したり、還元剤を添加したり、或いは水溶液を加熱して酸化剤を分解する方法が採用されている。
しかし、上記の方法は、いずれもAuが含まれる溶液の全量を対象としているため、Auの回収に長時間を要し、処理効率が悪い。特に、微量のAuを含む溶液からAuを回収する場合、設備や回収に費やす費用が高額になって採算が取れないなどの問題がある。
Auを効率よく回収するため、Auのみを濃縮する方法が考えられる。濃縮方法としては、例えば、蒸発濃縮法やイオン交換樹脂法、逆浸透膜法、電気透析法などが知られているが、蒸発濃縮法では、水分の蒸発に多量のエネルギーを要し、設備が大型化するためランニングコストが大きくなる。また、イオン交換樹脂法、逆浸透膜法、電気透析法では、使用する樹脂や膜が上記水溶液に含まれる酸化剤によって劣化して寿命が短くなるなどの問題がある。
特開平5−78878号公報
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、Auと酸化剤を含有する水溶液中のAuを、低コストで効率良く、しかも高い回収率で回収する方法を提供すること、特に、強酸化性廃液中に含まれる微量のAuを回収するのに好適な方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るAuの回収方法は、Auと酸化剤を含有する水溶液からAuを回収する方法であって、前記水溶液を電気分解し、Auを析出させる工程と、析出したAuを、前記水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解してAu濃縮液を得る工程と、前記Au濃縮液からAuを回収する工程と、を含んでいる。
ここで、電気分解は30℃以下の温度で行うことが好ましい。また、電気分解によって得られたAuを再溶解するAu再溶解液としては、処理対象であるAuと酸化剤を含有する水溶液を用いることが好ましい。この水溶液としては、塩素イオンを含有している酸性液や、シアンイオンを含有している塩基性液を用いることが好ましい。酸化剤としては、硝酸や過酸化水素、ニトロ化合物が代表的に挙げられる。
本発明によれば、水溶液中のAuを電気分解によって金属Auとして回収するにあたり、電気分解によってAuを一旦析出させ、Auを濃縮する方法を用いているため、Auと酸化剤を含有する水溶液の全量を用いて一回の操作で電解回収を行う従来法に比べ、Auを高い回収率で、効率よく低コストで回収することができる。本発明の好ましい態様によれば、電気分解時の温度を低温に制御しているため、上記水溶液の酸化力が低減され、Auの回収率が一層高められる。本発明の回収方法は、特に、微量のAuを含有する強酸化性溶液からAuを回収するのに好適に用いられる。
本発明者らは、電気分解法により、強酸化性剥離廃液などに含まれるAuを高回収率で効率良く回収する方法を提供するため、鋭意検討を重ねてきた。その結果、電気分解によって析出したAuの濃縮液を用いて電気分解を行なえば、処理すべき液量が少なくなって生産性や回収率が向上すること;好ましくは、電気分解の際、Auと酸化剤を含有する水溶液(電解液)の温度を30℃以下の低温に維持して当該水溶液の酸化力を低下させた状態で電気分解を行うと、Auの回収率が一層向上するため、強酸化性溶液中に含まれる微量Auの回収にも適用できること、を見出し、本発明を完成した。
以下、本発明のAuの回収方法について説明する。
本発明のAuの回収方法は、
(1)Auと酸化剤を含有する水溶液を電気分解し、電極にAuを析出させる工程(以下、Au析出工程とよぶことがある)と、
(2)析出したAuを、Auと酸化剤を含有する水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解してAu濃縮液を得る工程(以下、濃縮工程とよぶことがある)と、
(3)得られたAu濃縮液からAuを回収する工程(以下、Au回収工程とよぶことがある)と、
を含むところに特徴がある。以下、各工程に沿って順に説明する。
[(1)Au析出工程]
Au析出工程では、Auと酸化剤を含有する水溶液(以下、「Au含有水溶液」または単に「水溶液」とよぶことがある)を電気分解し、Auイオンを金属Auとして析出させる。後記する実施例によれば、この工程により、水溶液に溶解しているAuイオンの約80%を金属Auとして析出させることができ、好ましくは、Au含有水溶液の温度を30℃以下(より好ましくは25℃以下)に維持することによってAuイオンの約90%(25℃以下では約99%以上)を金属Auとして析出させることができる。
本発明の回収対象であるAuと酸化剤を含有する水溶液としては、例えば、電子材料の製造過程や製造ラインの洗浄工程などで排出されたAuの剥離廃液やエッチング廃液などが代表的に例示される。
上記酸化剤としては、例えば、硝酸、過酸化水素、塩素ガス、酸化クロム、ニトロ化物(例えば、ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムやニトロ安息香酸など)などが挙げられる。
上記Au含有水溶液は、酸性液であってもよいし、塩基性液であってもよい。酸性液の場合は、例えば、塩酸、硝酸、塩酸と硝酸の混酸(王水など)などを含んでいてもよい。塩基性液の場合は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを含んでいてもよい。
上記Au含有水溶液としては、例えば、塩素イオンを含有している酸性液や、シアンイオンを含有している塩基性液であってもよい。
上記塩素イオンの供給源としては、例えば、塩酸、塩化ナトリウム、塩化アンモニウムなどが挙げられ、上記シアンイオンの供給源としては、例えば、シアン化ナトリウムやシアン化カリウムなどが挙げられる。例えば、王水のように酸化力が強い剥離廃液中には、塩素イオンと酸化剤の両方が含まれている。
上記(1)のAu析出工程では、Auイオンを電極表面に析出(電着)させる際に、電着させるAuの量を、電極表面に一旦電着したAuが電極表面から剥離しない程度に抑えることが重要である。電極表面に電着したAuの形態は、上記水溶液の酸化力が強いほど粉状になるため、電着した後であっても電極表面から剥離することがある。そこで電極表面に電着したAuを剥離させないためには、上記Au含有水溶液の酸化力の強さに応じて1回の電気分解処理で電着させるAuの量(即ち、水溶液のAu濃度×処理液量)を調整することが好ましい。電着させるAuの量は、Au含有水溶液のAu濃度を調整してもよいが、電気分解処理に供するAu含有水溶液の量(処理液量)を調整することが好ましい。
上記Au含有水溶液の酸化剤濃度は、おおむね、0.2mol/L以上10mol/L以下であることが好ましい。酸化剤濃度が低過ぎると還元剤を用いる等の従来法が適用できるため、本発明の効果が充分に発揮されない。一方、酸化剤濃度が高過ぎると、電気分解によって水溶液中のAuイオンを金属Auとして析出させることが困難である。酸化剤濃度は、0.5mol/L以上8mol/L以下であることがより好ましい。
また、上記Au含有水溶液に含まれるAu量は、おおむね、10〜1000mg/Lであることが好ましい。Au濃度が低過ぎると、本発明法を適用してもAuの回収率を充分高めることができず、一方、Au濃度が高過ぎると、電気分解中に電極に電着したAuが剥離し易くなる。本発明の回収方法は、特に、Au濃度が約20〜500mg/L程度の希薄なAuを含む水溶液からAuを回収するのに好適に用いられる。
上記電気分解の方法は特に限定されず、水溶液中のAuを回収するのに用いられる公知の電解回収方法を採用することができる。例えば、陰極の電流密度を0.005〜0.5A/cm2などに制御すれば、王水などの強酸溶液に溶解しているAuイオンを、電気分解によって金属Auとして析出させることができる。
特に、Auの回収率を一層高めるために、電気分解時におけるAu含有水溶液の液温は、30℃以下の低温に維持することが好ましい。これにより、Au含有水溶液に含まれる酸化剤の酸化力が低減され、電極に電着したAuがAu含有水溶液に再溶解するのを防止することができる。水溶液に含まれる酸化剤の酸化力を弱めてAuの回収率を増大させるためには、電気分解時の液温は低い方が良く、より好ましくは25℃以下であり、更に好ましくは20℃以下であり、更により好ましくは15℃以下である。液温の下限は、Au回収率増大の観点からは特に制限されず、電気分解を行うことができる温度(氷点以上)に制御すれば良い。但し、設備負荷の増大などを考慮すると、好ましくは5℃以上である。
本発明において、「30℃以下の低温に維持する」とは、電気分解を行う間、Au含有水溶液の温度を30℃以下に保持し、維持し続けることを意味する。電気分解を行うと、通常、電極近傍で発熱が起こり、電解液が加熱されて液温が上昇するため、例えば、電解槽に冷却器を設けるなどし、Au含有水溶液を常に30℃以下に制御した状態で電気分解を行なえばよい。また、処理対象であるAu含有水溶液は、電子材料の製造工程などで加熱されて30℃を超えることがあるが、その場合は、上述した冷却器を備えた電解槽に水溶液を投入し、温度を30℃以下に制御して電気分解を開始すればよい。電気分解の間、電解槽に水溶液を連続的に供給しても良い。
本発明では、例えば、後記する実施例で用いた、冷却器を備えた図1のAu回収システムを用いることができる。図1の詳細は後述するが、当該システムは、電解槽とAu含有水溶液を貯留する貯留槽とを有しており、電解槽と貯留槽とは配管で接続され、Au含有水溶液が電解槽と貯留槽とを循環するように構成されている。冷却器は、電解槽や貯留槽、或いは電解槽と貯留槽とを接続する配管、もしくは配管の途中(図1では、貯留槽のみ)に設置されており、これにより、電気分解時の温度を所定温度以下に制御することができる。
[(2)濃縮工程]
上記(1)のAu析出工程によって析出したAuは、少量のAu再溶解液に溶解して濃縮し、Au濃縮液とする。具体的には、上記(1)のAu析出工程の後、電気分解を停止し、電極に析出したAuを最初に用いたAu含有水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解させる。このようにして得られたAu濃縮液を用いて後記する(3)のAu回収処理を行えば、上記(1)と(2)の工程を経ずに(3)のAu回収処理を行なった場合に比べ、処理量が少なくなり、コストも削減できるなど処理効率が向上する。
電極に析出したAuを最初に用いたAu含有水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解させるには、例えば、後記する実施例で用いた図1のAu回収システムでは、電解槽と貯留槽との間の循環を停止し、電解槽内と貯留槽内の液が混ざらないように経路を弁などで遮断した後に、電極間の通電状態を解除して電極に析出したAuを溶解させればよい。
使用するAu再溶解液の量は、主に処理時間の短縮化の観点から、水溶液に含まれるAuの量や水溶液の種類などに応じて決定される濃縮倍率に基づいて適切に定めれば良い。具体的には、例えば、Au含有水溶液とAu再溶解液の量は、おおむね、Au含有水溶液:Au再溶解液=2〜200:1程度とすることが好ましい。すなわち、もとのAu含有水溶液の液量に対して、Au再溶解液の液量が、約1/2〜1/200程度になるように調整することが好ましい。より好ましくは、Au含有水溶液:Au再溶解液=2〜50:1程度である。
上記Au再溶解液としては、Auを溶解でき、且つ、後記する(3)のAu回収工程でAuを回収できる溶液が用いられる。代表的には、前述した(1)のAu析出工程に用いたAu含有水溶液が挙げられる。このAu含有水溶液を用いれば、新たな処理液を用意する必要がなく、電極に析出したAuを、損失なくAu再溶解液中に溶解できるため、回収率および処理効率が向上する。例えば、後記する実験例2〜4は、前述した図1の電解回収装置を用い、電極に析出したAuをAu含有水溶液で再溶解してAu濃縮液を調整した本発明例であるが、この方法によれば、後記する実験例1のように電極の取り出しを行なう必要もないため、Auの再溶解やAuの剥離などによるロスもなく、Au回収率が著しく向上した。
特に、Auの溶解能向上による処理時間の短縮といった観点からすれば、塩素イオンと酸化剤の両方を含有する酸性液(例えば、王水、塩酸と酸化クロムとの混酸、塩酸と過酸化水素との混酸など)や、シアンイオンと酸化剤の両方を含有する塩基性液の使用が好ましい。そのほか、ヨウ素系Au剥離液などを用いても良い。
Au含有水溶液をAu再溶解液として用いるときの好ましい酸化剤濃度は、おおむね、上記(1)に記載の範囲と同じように制御すればよい。例えば、後記する実験例6に示すように、酸化剤濃度が低いAu含有酸性液を処理する場合であっても、過酸化水素などの酸化力が非常に強い酸化剤を添加すればAuの溶解度が著しく増大するため、短時間でAuを溶解することができる。
[(3)Au回収工程]
Au回収工程では、上記濃縮工程で得られたAu濃縮液の酸化力を公知の技術によって弱めた後、例えば、化学還元法や電解回収法など、公知の回収法に従ってAuを回収する。本発明によれば、Au含有水溶液の全量を回収の対象とするのではなく、これよりも少量のAu濃縮液が対象となるため、回収時間を短縮でき、酸化剤の酸化力を弱めるために用いる薬剤(還元剤)の使用量なども抑えられる、といった効果が得られる。なお、本発明において、酸化剤とは、金属Auを酸化し、Auイオンにする薬剤を意味し、還元剤とは、酸化剤と反応することにより、酸化力を弱める(更には酸化力をなくす)薬剤を意味する。
具体的には、Au濃縮液の酸化力を弱める公知の手段(例えば、希釈、中和、還元、加熱など)を行なってから、電気分解を行なうことができる。あるいは、上記の酸化力低減手段を行なった後、更にAu濃縮液のpHを中性付近に調整すれば、公知の濃縮法(例えば、イオン交換樹脂法、逆浸透膜法、電気透析法など)を採用することもでき、これにより、回収率の増大を図ることができる。
以下、本発明を実験例によって更に詳細に説明するが、下記実験例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
[図1について]
下記実験例では、図1に示すAu回収システムを用いてAu含有水溶液からAuを回収した。図中、1と7は電解槽、2は貯留槽、3はポンプ、4は冷却器、5,6,8は弁、を夫々示している。
電解槽1,7としては、内壁面近傍に不溶性の金属製陽極(表面を酸化イリジウムで被覆したTi製DSE電極)を設け、中心部に円筒状のチタン製陰極を備えた電解槽を用いた。円筒状陰極は、周方向に回転するように回転機構を備えている。電気分解は、円筒状陰極を回転軸を中心に回転させつつ行った。周速は1m/秒とした。
なお、陽極としては、表面を酸化イリジウムで被覆したTi製DSE電極の代わりに、炭素電極を用いてもよい。
電解槽1の容量は15L、電解槽7の容量は25Lである。電解槽1の上部には排出口1aが設けられており、電解槽1からオーバーフローした水溶液は、経路10を通して貯留槽2へ送給されるように構成されている。経路10の途中には弁5が設けられている。貯留槽2の容量は100Lである。
貯留槽2と電解槽1は、経路11で接続されており、経路11の途中にはポンプ3と弁6が設けられている。電解槽1の下部には水溶液を供給するための供給口1bが設けられており、この供給口1bに経路11が接続されている。貯留槽2内の水溶液は、ポンプ3を動作させることによって電解槽1へ供給することができ、電解槽1内を下から上方向に移動するように構成されている。電解槽1は、経路13を介して電解槽7と接続されており、経路13の途中には、弁8が設けられている。冷却器4は、コイル状の配管で構成されている冷却手段4aに接続されており、冷却器4で発生した冷媒が経路12を通してコイル状の冷却手段4aに供給され、該コイル状冷却手段4aで熱交換してAu含有水溶液を冷却できる。
[実験例1]
実験例1および後記する実験例2〜4では、Au含有水溶液として、Auメッキ後の電解槽内を王水を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)を用いた。上記Au含有水溶液には、Auを0.1g/L(Au量は10g)、塩素イオンを1mol/L、酸化剤として硝酸を5mol/L含有している。上記塩素イオンの供給源としては塩酸を用いた。
実験例1は、上記(1)のAu析出工程のみを実施してAuの回収を行なった比較例である。詳細には、上記のAu含有水溶液100Lを貯留槽2に供給し、ポンプ3を稼動させてAu含有水溶液を貯留槽2と電解槽1の間を循環させつつ電気分解を行った。電気分解は、貯留槽2内のAu含有水溶液を冷却器4で冷却し、液温を15℃に維持して行なった。
電気分解を開始してから30時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.1g/Lから0.001g/Lに減少した。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中の99%が電極表面にAuとして析出したことになる。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽1から取り出して水洗した後、乾燥させた。次いで、筒状陰極の質量を測定し、質量増加分を回収できたAu量とした。実験に用いたAu量10gのうち、回収できたAuは2.6gであり、回収率は僅かに26%であった。詳細には、電気分解を停止し陰極を取り出す間に、Au含有水溶液(電解液)中に再溶解したAuが6.2g、水洗液中にAuが1.2g含まれていた。
[実験例2]
実験例2、並びに後記する実験例3および4は、本発明で規定する上記工程(1)〜(3)の回収方法を行なった本発明例であり、上記(1)における電気分解の温度を、35〜37℃(実験例2)、25〜30℃(実験例3)、15℃(実験例4)とそれぞれ変えて実験を行なった例である。
詳細には、実験例2は、上記実験例1において、冷却器4による冷却操作は行なわず液温を35〜37℃に維持した点以外は上記実験例1と同じ条件で電気分解を行った。本実験例は、Au剥離作業の際、Au剥離液である王水を加温したりポンプで循環したりして温度が加温される態様を模擬して行なったものである。
電気分解を開始してから40時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.1g/Lから0.021g/Lに減少した。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中のAuの79%が電極表面に金属Auとして析出したことになる。なお、電気分解開始時の液温は35℃であったが、40時間後は37℃まで上昇した。
参考のため、電解時間に対するAu濃度の変化を図2に◆で示す。図2から明らかなように、電気分解開始後20時間までは、時間と共にAu濃度は減少する傾向が見られたが、20時間経過後は、Au濃度はほぼ横ばいになった。
次に、電解槽1と貯留槽2との間の循環を停止すると共に、これらの槽間で液が混ざらないように弁5、6を閉じた。その後、電気分解を停止し、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10Lで電極に析出したAuを再溶解し、Auを濃縮した。1時間後、電解槽1内のAu濃度は0.79g/Lに上昇した。すなわち、電極に析出したAuのすべてを再溶解することができた。もとのAu濃度は0.1g/Lであるから、Auの濃縮倍率は約8倍である。
このようにして得られたAuの濃縮液10Lを、弁8を開いて電解槽1から電解槽7へ移液し、硝酸の酸化力を除去するため、NaOH(48%)水溶液3Lを用いて中和し、硝酸ナトリウムとした後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。なお、以下では、上記濃縮液を電解槽1から電解槽7へ移してから中和し、電気分解したが、電解槽1へ直接塩基性物質を供給して中和し、電気分解を行ってもよい。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、7.9gであった。なお、中和処理したためAuの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu10gを79%の回収率で回収することができた。また、本実験例によれば、もとのAu含有水溶液100LではなくAu濃縮液10Lを対象に電解回収を行なえばよいため、処理量を削減でき、中和に用いるNaOH量を1/10に低減することができ、処理時間を短縮できた。
なお、Auメッキ後の電解槽内を、王水を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)の代わりに、シアン系剥離液を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)を用いると共に、酸化剤の酸化力を除去するために、還元剤として20%亜硫酸ナトリウム水溶液を用いた場合であっても、同様の効果が得られることを確認している。
[実験例3]
実験例3は、上記実験例2において、液温を25〜30℃に維持した点以外は上記実験例2と同じ条件で電気分解を行った。
電気分解を開始してから30時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.1g/Lから0.009g/Lに減少し、40時間後もそのままであった。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中のAuの91%が電極表面に金属Auとして析出したことになる。なお、電気分解開始時の液温は25℃であったが、40時間後は30℃まで上昇した。参考のため、電解時間に対するAu濃度の変化を図2に■で示す。
次に、上記実験例2と同様に、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10Lで電極に析出したAuを再溶解し、Auを濃縮した。1時間後、電解槽1内のAu濃度は0.91g/Lに上昇した。すなわち、電極に析出したAuのすべてを再溶解することができた。もとのAu濃度は0.1g/Lであるから、Auの濃縮倍率は約9倍である。
このようにして得られたAuの濃縮液10Lを、電解槽1から電解槽7へ移液し、硝酸の酸化力を除去するため、NaOH(48%)水溶液3Lを用いて中和し、硝酸ナトリウムとした後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、9.1gであった。なお、中和処理したため、Auの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu10gを91%の回収率で回収することができ、前述した実験例2に比べて回収率が向上した。また、本実験例によれば、実験例2と同様、もとのAu含有水溶液100LではなくAu濃縮液10Lを対象に電解回収を行なえばよいため、処理量を削減でき、中和に用いるNaOHの量を1/10に低減することができ、処理時間を短縮できた。
なお、Auメッキ後の電解槽内を、王水を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)の代わりに、シアン系剥離液を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)を用いると共に、酸化剤の酸化力を除去するために、還元剤として20%亜硫酸ナトリウム水溶液を用いた場合であっても、同様の効果が得られることを確認している。
[実験例4]
実験例4は、上記実験例2において、液温を15℃に維持した点以外は上記実験例2と同じ条件で電気分解を行った。
電気分解を開始してから30時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.1g/Lから0.001g/Lに減少した。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中のAuの99%が電極表面に金属Auとして析出したことになる。電気分解の間、液温は、約15℃を維持していた。参考のため、電解時間に対するAu濃度の変化を図2に▲で示す。
次に、上記実験例2と同様に、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10Lで電極に析出したAuを再溶解し、Auを濃縮した。1時間後、電解槽1内のAu濃度は0.99g/Lに上昇した。すなわち、電極に析出したAuのすべてを再溶解することができた。もとのAu濃度は0.1g/Lであるから、Auの濃縮倍率は約9.9倍である。
このようにして得られたAuの濃縮液10Lを、電解槽1から電解槽7へ移液し、硝酸の酸化力を除去するため、NaOH(48%)水溶液3Lを用いて中和し、硝酸ナトリウムとした後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、9.9gであった。なお、中和処理したため、Auの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu10gを99%の回収率で回収することができ、前述した実験例3に比べて回収率が更に向上した。また、本実験例によれば、実験例2および実験例3と同様、もとのAu含有水溶液100LではなくAu濃縮液10Lを対象に電解回収を行なえばよいため、処理量を削減でき、中和に用いるNaOHの量を1/10に低減することができ、処理時間を短縮できた。
[実験例5]
実験例5および後記する実験例6は、酸化剤濃度が1.5mol/Lと、上記実験例1〜4の酸化剤濃度(5mol/L)に比べて低いAu含有水溶液を用いた本発明例である。
実験例5および実験例6で用いたAu含有水溶液100L(Au量は25g)は、Auを0.25g/L、塩素イオンを3mol/L、酸化剤として硝酸を1.5mol/Lを含有している。上記塩素イオンの供給源としては、塩化ナトリウムを用いた。
詳細には、実験例5は、上記実験例2において、上記のAu含有水溶液(酸化剤濃度が低いAu含有水溶液)を用い、液温を23℃とした点以外は上記実験例2と同じ条件で電気分解を行った。
電気分解を開始してから6時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.25g/Lから0.001g/L以下に減少し、液温は24℃に上昇した。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中のAuの99%以上が電極表面に金属Auとして析出したことになる。
次に、上記実験例2と同様に、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10Lで電極に析出したAuを再溶解し、Auを濃縮した。Auが再溶解するまでに要する時間とAu再溶解率との関係を図3に■で示す。図3に示すように、1時間後における電解槽10L中のAu濃度は0.42g/L(Au量4.2g)であり、電極に析出したAu(約24.9g)の約17%しか再溶解しなかった。析出したAuが全て溶解するのに9時間を要した。すなわち、本実験例では、実験例1〜4に比べて酸化剤濃度が低いAu含有水溶液を用いているため、Auの再溶解に9倍の時間を要し、処理時間が非常に長くなった。
このようにして得られたAuの濃縮液10Lを、電解槽1から電解槽7へ移液し、硝酸の酸化力を除去するため、NaOH(48%)水溶液1Lを用いて中和した後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、24.9gであった。なお、中和処理したため、Auの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu25gを99%以上の回収率で回収でき、且つ、Au含有水溶液の全量を中和する場合の1/10量のNaOHでAuを回収することができた。但し、Auの濃縮(再溶解)に長時間を要した。
[実験例6]
実験例6は、上記実験例5において、Auの再溶解にあたり、塩酸および過酸化水素を更に添加して処理時間の短縮効果を調べた例である。
詳細には、まず、上記実験例5と同様にして電気分解を行った(Au濃度は、0.25g/Lから0.001g/L以下に減少)。
次に、Auの再溶解に当たり、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10L中に35%塩酸を2L、および35%過酸化水素を3L加えた(全液量は15L)点以外は、上記実験例5と同じ条件でAuを再溶解させた。Auが再溶解するまでに要する時間とAu再溶解率との関係を図3に◆で示す。図3に示すように、0.5時間後に、電解槽15L中のAu濃度は1.19g/L(Au量17.85g)となり、電極に析出したAu(約24.9g)の約72%のAuが再溶解した。1時間後には、電解槽のAu濃度は1.66g/L(Au量24.9g)となり、析出したAuをほぼ全て溶解することができた。すなわち、上記実験例5と比べると、再溶解時間を1/9に短縮できた。
このようにして得られたAuの濃縮液15Lを、電解槽1から電解槽7へ移液し、過酸化水素の酸化力を除去するため、還元剤として20%亜硫酸ナトリウム水溶液3Lを用いて還元し、更に、硝酸の酸化力を除去するため、NaOH(48%)水溶液2.5Lを用いて中和した後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、24.9gであった。なお、中和処理してもAuの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu25gを99%以上の回収率で回収でき、且つ、Au含有水溶液の全量を中和する場合の1/4量のNaOHでAuを回収することができた。また、酸や酸化剤を添加しない実験例5に比べ、Auの濃縮時間を1/9に短縮できた。
[実験例7]
実験例7は、上記実験例4において、Au含有水溶液として、Auメッキ後の電解槽内を王水を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)の代わりに、Auメッキ後の電解槽内をシアン系剥離液を用いて洗浄したAu剥離廃液(100L)を用いた点以外は、上記実験例4と同じ条件で電気分解を行った。本実験例で用いたAu含有水溶液は、Auを0.1g/L(Au量は10g)、シアンイオンを1mol/L、酸化剤として過酸化水素を2mol/L含有しており、水溶液はNaOHを用いてpH11に調整されている。
なお、Au含有水溶液の液温は、上記実験例4と同様に、15℃を維持した。
電気分解を開始してから20時間後、Au含有水溶液のAu濃度は、0.1g/Lから0.001g/Lに減少した。すなわち、計算上は、Au含有水溶液中のAuの99%が電極表面に金属Auとして析出したことになる。電気分解の間、液温は、約15℃を維持していた。
次に、上記実験例2と同様に、電解槽1内に残った液(即ち、再溶解液)10Lで電極に析出したAuを再溶解し、Auを濃縮した。5時間後、電解槽1内のAu濃度は0.99g/Lに上昇した。すなわち、電極に析出したAuのすべてを再溶解することができた。もとのAu濃度は0.1g/Lであるから、Auの濃縮倍率は約9.9倍である。
このようにして得られたAuの濃縮液10Lを、電解槽1から電解槽7へ移液し、上記酸化剤の酸化力を除去するため、還元剤として20%亜硫酸ナトリウム水溶液10Lを用いて上記酸化剤(過酸化水素)を還元した後、電気分解を行った。電気分解後のAu濃度は0.001g/L以下まで減少した。
次に、電気分解を停止し、筒状陰極を電解槽から取り出して水洗した後、乾燥させた。筒状陰極の質量増加分(回収できたAu量)は、9.9gであった。なお、還元剤を用いて酸化剤を還元したため、Auの電解液への再溶解は起こらず、電解液のAu濃度は0.001g/L以下のままであった。
従って、本実験例によれば、Au含有水溶液100L中のAu10gを99%の回収率で回収することができた。また、本実験例によれば、もとのAu含有水溶液100LではなくAu濃縮液10Lを対象に電解回収を行なえばよいため、処理量を削減でき、還元剤の使用量を1/10に低減することができ、処理時間を短縮できた。
図1は、本発明の実施例で用いたAu電解回収システムを説明するための図である。 図2は、実験例2〜4における、電解時間に対するAu濃度の変化を示すグラフである。 図3は、実験例5および実験例6における、Auが再溶解するまでに要する時間とAu再溶解率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電解槽
2 貯留槽
3 ポンプ
4 冷却器
5,6,8 弁
7 電解槽

Claims (6)

  1. Auと酸化剤を含有する水溶液からAuを回収する方法であって、
    前記水溶液を電気分解し、Auを析出させる工程と、
    析出したAuを、前記水溶液よりも少ない量のAu再溶解液に溶解してAu濃縮液を得る工程と、
    前記Au濃縮液からAuを回収する工程と、
    を含むことを特徴とするAuの回収方法。
  2. 前記電気分解を30℃以下の温度で行う請求項1に記載の回収方法。
  3. 前記再溶解液として、前記水溶液を用いる請求項1または2に記載の回収方法。
  4. 前記水溶液として、塩素イオンを含有する酸性液を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の回収方法。
  5. 前記酸化剤として、硝酸を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の回収方法。
  6. 前記水溶液として、シアンイオンを含有する塩基性液を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の回収方法。
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