JP2009215365A - 膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)下記式(1)で表されるモノマー単位を含み、重量平均分子量が1,500以上である重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
式(1)中、XはO、S又はCH2を表し、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基又はトリアリールシリル基を表し、Rはさらに置換基を有していてもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。nは0〜4の整数を表す。
【選択図】なし
Description
また、特許文献5及び6に記載の技術は、誘電率を低下させる点について有効であるが、機械強度の低下や極端に大きい空孔が生じる、等の弊害が見られる場合があり、依然として新たな技術開発が求められている。
<1> (A)下記式(1)で表されるモノマー単位を含み、重量平均分子量が1,500以上である重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物、
<3> 前記(C)が、炭素−炭素三重結合を有する化合物である、上記<2>に記載の膜形成用組成物、
<4> 上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜、
<5> 上記<4>に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
また、本発明の低誘電率膜形成用組成物は、(B)有機溶媒と、(C)該有機溶媒に可溶であり、かつ熱及び/又はエネルギー線照射により、該有機溶媒に対して不溶化させることができる化合物(以下、「成分(C)」ともいう。)とを含有することが好ましい。
本発明の膜形成用組成物は、成分(A)を含有することにより、優れた耐熱性、低比誘電率、機械強度及び表面平滑性を有する低誘電率膜を形成可能である。
また、本発明の膜形成用組成物は、半導体素子、電子デバイスなどの層間絶縁膜を形成するのに好適に使用され、該絶縁膜を層構成層として有する電子デバイスに好適に用いられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「X以上Y以下」を「X〜Y」とも記載することとする。すなわち、「X〜Y」は、その端点であるX及びYをも含む意である。
本発明の低誘電率膜形成用組成物は、下記式(1)で表されるモノマー単位を含み、重量平均分子量が1,500以上の重合体を含有する。
本発明者は、膜形成用組成物において、特定のモノマー単位を有する重合体を空孔形成因子として使用することにより、機械強度及び膜特性に優れ、かつ、低誘電率を有する膜を形成可能であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
Rは、炭素数20以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、トリアルキルシリル基及びトリアリールシリル基、並びに、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子であることが好ましい。これらの中でも、Rは炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、又は、カルボキシル基であることが好ましい。
Rはさらに置換基を有していてもよく、該置換基としては上記のRに挙げた置換基が例示できる。
すなわち、本発明において、式(1)で表されるモノマー単位がクマロン残基又はインデン残基であることが特に好ましい。
重量平均分子量は、1,500以上150,000以下が好ましく、2,000以上100,000以下がより好ましく、3,000以上50,000以下がさらに好ましい。
なお、成分(A)が共重合体である場合、式(1)で表されるモノマー単位を60モル%以上含有するものであり、70モル%以上含有することがより好ましく、さらに好ましくは80モル%以上含有する。
これらの中でも、共重合するモノマーとしては、置換又は非置換のスチレン類、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類、アクリロニトリル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、無水マレイン酸、マレイミド、α−ヒドロキシメタクリル酸及びその誘導体、置換又は非置換のエチレン類がより好ましく、置換又は無置換のスチレン類であることがさらに好ましい。
合成品、天然物、いずれの場合も、金属等の不純物を除去する精製処理を施すことが好ましい。精製処理としては、イオン交換樹脂による処理、クロマトグラフィによる処理、分液処理、再沈処理、等が好ましい。
合成の際、原料となる単量体は、蒸留等の精製処理をしてから使用してもよい。
成分(C)中に式(1)で表されるモノマー単位を化学結合させる場合には、成分(C)を構成するモノマー量に対して、0.5〜75モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜30モル%であり、さらに好ましくは1〜20モル%である。
ここで、固形分とは、膜形成用組成物から溶媒を除いた全成分を意味する。
成分(A)の添加量が上記範囲内であると、低誘電率であり、機械的強度に優れる膜を形成可能であるので好ましい。
以下、本発明において、好適に使用される成分(C)について詳述する。
なお、本発明においてエネルギー線とは、UV(紫外線)、電子線、マイクロ波、X線、を指すものとする。
成分(C)は、熱又はエネルギー線照射により、化学変化が生じ、溶媒不溶となることが好ましく、化学変化としては、成分(C)同士の共有結合形成反応が好ましい。
すなわち、成分(C)は、共有結合形成のための反応性部位を有していることが好ましい。
該反応性部位としては、熱及び又はエネルギー線照射により、共有結合を形成可能な部位であれば、何を用いてもよく、同一種類の反応性部位同士の反応でも、異なる種類の反応性部位間の反応であってもよい。必要に応じて、反応を促進する触媒や反応開始剤、増感剤等を用いてもよい。
炭素−炭素三重結合を有する化合物は、下記式(C1)で表される炭素−炭素三重結合を含む部分構造を、少なくとも一つ有する化合物であることが好ましく、2つ以上有することがより好ましく、3つ以上有することがさらに好ましい。
成分(C)中の式(C1)で表される部分構造以外の部位は、任意の構造を取ってよい。
本発明に用いられる『炭素−炭素三重結合を有する化合物』は、『カゴ型構造を有する化合物』であることが好ましい。すなわち、本発明において、成分(C)として、炭素−炭素三重結合を有し、カゴ型構造を有するモノマー(以下、「カゴ型構造を有するモノマー」ともいう。)及び/又は前記カゴ型構造を有する化合物の重合体(以下、「カゴ型構造を有する重合体」ともいう。)を好適に使用することができる。なお、カゴ型構造を有する化合物とは、カゴ型構造を有するモノマー及びカゴ型構造を有する重合体の総称である。
また、本発明において、成分(C)として、少なくともカゴ型構造を有する重合体を含有することが好ましい。
本明細書で述べる「カゴ型構造」とは、「カゴ型多環炭素環構造」を指しており、共有結合した原子で形成された複数の炭素環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子構造を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。一方、ノルボルナン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)などの単結合架橋を有する環状構造は、単結合架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、多環炭素環構造ではあってもカゴ型構造には該当しない。
本発明において、カゴ型構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいてもよく、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含んでもよいが、低誘電率の見地から飽和炭化水素が好ましい。
置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル等)、炭素数1〜10のカルバモイル基(N,N−ジエチルカルバモイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等が例示できる。
式(I)〜(VI)中、Y1〜Y8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数0〜20のシリル基を表し、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくはアルキル基(メチル基等)である。
X1〜X8、Y1〜Y8は、さらに別の置換基で置換されていてもよい。
式(I)又は式(IV)中、n1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表し、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
式(II)又は式(V)中、m2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
式(II)又は式(V)中、n2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表し、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
式(III)又は式(VI)中、m4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表し、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
式(III)又は式(VI)中、n4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表し、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することができる。
溶液重合法において、反応液中のモノマーの濃度は好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。1重量%以上であると、製造効率が良好であり、また、50重量%以下であると、撹拌性に優れるので好ましい。
例えば、炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生するラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)の存在下で重合することができる。
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、又は、有機アゾ化合物が好ましく用いられる。
とりわけ、有機過酸化物が、少量で効果的に重合できる点で最も好ましい。
本発明においてラジカル発生剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.75モルである。
遷移金属触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
また、酸素によるラジカル発生剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
連結基の例としては例えば、−C(R11)(R12)−、−C(R13)=C(R14)−、−C≡C−、アリーレン基、−CO−、−O−、−SO2−、−N(R15)−、−Si(R16)(R17)−又はこれらを組み合わせた基が挙げられる。ここで、R11〜R17はそれぞれ独立に置換基を表し、その置換基は、式(I)〜(VI)の置換基として前記したX1〜X8、Y1〜Y8が当てはまり、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。これらの連結基は任意の置換基で置換されていてもよく、例えば前述の置換基が好ましい例として挙げられる。
この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−又はこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、低誘電率である見地から−C(R11)(R12)−、−CH=CH−である。
本発明において、カゴ型構造を有する重合体は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の膜形成用組成物は有機溶媒を含んでいてもよく、塗布液として使用することもできる。有機溶媒としては特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール,1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶媒、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい有機溶媒は、1−メトキシ−2−プロパノール、プロパノール、アセチルアセトン,シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼンであり、特に好ましくは1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、t−ブチルベンゼン、アニソールである。
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは2〜15重量%であり、特に好ましくは3〜10重量%である。
ここで固形分とは、溶媒を除く全成分に相当する。
シランカップリング剤の好ましい使用量は、全固形分100重量部に対して10重量部以下であることが好ましく、特に0.05〜5重量部であることが好ましい。
上記成分(A)及び必要に応じて他の空孔形成因子により形成される空孔径の大きさとしては、最大で10nmが好ましく、より好ましくは最大5nmであり、特に好ましくは最大1nmである。空孔径の最大径が上記範囲内であると、形成される膜の強度に優れるので好ましい。
空孔形成剤となる添加剤としてのその他の空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶媒との溶解性、成分(C)との相溶性を同時に満たすことが必要である。
具体的には、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリフェニルオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリテトラヒドロフラン、ポリエチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、ポリエチルオキサゾリン、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸及びポリビニルピリジンのホモポリマーもしくはコポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。
またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜200,000であることが好ましく、より好ましくは300〜100,000、特に好ましくは400〜50,000である。添加量は膜を形成する重合体(成分(C))に対して、重量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。また、空孔形成因子として、重合体(成分(C))の中に分解性基を含んでいてもよく、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であるとよい。分解性基の含有率は膜を形成する重合体のモノマー量に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に膜形成用組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ膜形成用組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、膜形成用組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶媒のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存する炭素−炭素三重結合の重合反応を起こして硬化(焼成)させてもよい。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは50keV以下が好ましく、より好ましくは30keV以下、特に好ましくは20keV以下である。電子線の総ドーズ量は好ましくは5μC/cm2以下、より好ましくは2μC/cm2以下、特に好ましくは1μC/cm2以下である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2,000mWcm-2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。成分(C)の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナー又はアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することもできる。
<合成例1:重合体(A−1)の合成>
反応容器に、インデン10.0gとAIBN0.14gを測り取り、5分間真空引きした後、乾燥窒素にてパージする操作を3回繰り返し、反応系内の酸素を十分除去した。次いで、反応液を80℃に加熱し、24時間撹拌後、反応液をエタノール500mlに滴下し、1時間撹拌した。生じた沈殿を濾取し、さらにエタノール100mlでリスラリーし、再度粉体を濾取、真空乾燥し、白色粉体の重合体(A−1) 2.4g(Mw2,000)を得た。
反応容器に、インデン1.0g、トルエン6.4gを入れ、窒素気流下0℃に冷却した。次に、BF3OEt2を108μl添加し、2時間撹拌後、反応液をメタノール500mlに添加し、生じたポリマー固体を濾取・乾燥して、重合体(A−2)0.80g(Mw18,000、Mn7,000)を得た。
反応容器に、クマロン1.0g、塩化メチレン6.4gを入れ、窒素気流下−72℃に冷却した。次に、BF3OEt2を163μl添加し、1時間撹拌後、反応液をメタノール500mlに添加し、生じたポリマー固体を濾取・乾燥して、重合体(A−3)0.60g(Mw11,000、Mn5,000)を得た。
反応容器に、インデン5.0g、トルエン10.0g、AIBN0.28gを測り取り、5分間真空引きした後、乾燥窒素にてパージする操作を3回繰り返し、反応系内の酸素を十分除去した。次いで、反応液を80℃に加熱し、24時間撹拌後、反応液を減圧濃縮し、得られた混合物にメタノール500mlを加えて、2時間撹拌した。生じた粉体を濾取、真空乾燥し、白色粉体の重合体(A−4)2.2g(Mw1,000)を得た。
Macromolecules., p.5266 (1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。
次に、4,9−ジエチニルジアマンタン100gと563gのジフェニルエーテルを反応容器内に入れ、窒素気流下で撹拌しながら内温155℃に加熱し、4,9−ジエチニルジアマンタンを完全に溶解した。次に、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)21.6gをジフェニルエーテル18.9gに溶解した溶液を、反応液の内温を150℃〜160℃に保ちながら、1時間かけて反応液へ滴下した。
反応後、反応液を50℃まで冷却後、2−プロパノール4Lに添加し、析出した固体を濾過して、2−プロパノールで洗浄した。得られた重合体をTHF400mlに溶解して、メタノール4Lへ添加し、再沈精製した。真空乾燥後、重量平均分子量約3.8万の重合体(C)を62g得た。
重合体(C)1.0重量部及び重合体(A−1)0.30重量部をシクロヘキサノン9.0重量部に完全に溶解させて膜形成用組成物(塗布液)を調製した。この溶液を0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、塗膜を形成した。この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.22であった。得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察したが、塗膜表面にクラックは認められなかった。
○:塗膜表面にクラック(ひび割れ)及びムラが認められない。
×:塗膜表面にクラック(ひび割れ)及び/又はムラが認められる。
実施例2では、重合体(A−1)を重合体(A−2)に変更した以外は実施例1と同様にして膜形成用組成物を調製した。また、これを用いて膜を形成した。
実施例3では、重合体(A−1)を重合体(A−3)に変更した以外は実施例1と同様にして膜形成用組成物を調製した。また、これを用いて膜を形成した。
外観の評価結果は、表1に示す。
実施例1の重合体(A−1)を添加しない以外は実施例1と同様にして膜形成用組成物を調製し、塗膜を形成した。
得られた塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.44であった。得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察したが、塗膜表面にクラックは認められなかった。
実施例1の重合体(A−1)の代わりに、市販のポリスチレン(Mw2,000)を添加した以外は、実施例1と同様にして膜形成用組成物を調製し、塗膜を形成した。
得られた塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.34であった。得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察したが、塗膜表面にクラックは認められなかった。
比較例2で添加した市販のポリスチレン(Mw2,000)の添加量を0.8重量部とした以外は比較例2と同様にして膜形成用組成物を調製し、塗膜を形成した。
得られた塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.22であった。得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察したところ、塗膜表面に若干ムラが見られた。
実施例1の重合体(A−1)の代わりに、重合体(A−4)を添加した以外は、実施例1と同様にして膜形成用組成物を調製し、塗膜を形成した。
得られた塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察したが、塗膜表面にクラックは認められなかった。
<耐熱性比較>
実施例及び比較例の膜をそれぞれ、空気中400℃30秒加熱し、膜厚変化率を測定したところ、実施例の膜が12%減であったのに対し、比較例1では12%減、比較例2では25%減、比較例3では35%減、比較例4では12%減であった。
実施例及び比較例の膜の機械強度を測定したところ、比較例1及び比較例4がヤング率7.5GPaであったのに対し、実施例1〜3では5.5GPaでありやや悪化する結果であったが、比較例2は5.5GPa、比較例3では4.2GPaであり、同程度誘電率を下げたサンプル同士の比較において、ポリスチレンより優れる結果であった。
結果を以下の表1に示す。
合成例2において、モノマー濃度及びBF3OEt2添加量を調整することで、同様の方法で、Mw5,000(重合体(A−5))、8,000(重合体(A−6))、12,000(重合体(A−7)、15,000(重合体(A−8))、24,000(重合体(A−9))のポリマーを得た。
実施例1において、重合体(A−1)の代わりに重合体(A−5)〜重合体(A−9)をそれぞれ使用した以外は同様にして膜を形成した。その結果、実施例1と同等の結果が得られた。
Claims (5)
- (B)有機溶媒と、
(C)該有機溶媒に可溶であり、かつ熱及び/又はエネルギー線照射により、該有機溶媒に対して不溶化させることができる化合物と
を含有する、請求項1に記載の膜形成用組成物。 - 前記(C)が、炭素−炭素三重結合を有する化合物である、請求項2に記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜3いずれか1つに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
- 請求項4に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
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