JP2007308677A - 膜形成組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物、該組成物を用いて得られる絶縁膜、およびそれを有する電子デバイス。
【選択図】なし
Description
一方、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することは出来ない。
<1>
カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
<2>
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする<1>に記載の膜形成用組成物。<3>
酸化防止剤としてヒンダードアミン系酸化防止剤を含むことを特徴とする<1>に記載の組成物。
<4>
カゴ型構造を有する化合物としてカゴ型構造を有するモノマーの重合体を含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<5>
カゴ型構造を有するモノマーが炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することを特徴とする<4>に記載の膜形成用組成物。
<6>
カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、およびテトラマンタンから選択されることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<7>
カゴ型構造を有するモノマーが下記一般式(I)〜(VI)のいずれかで表される化合物から選択されることを特徴とする<4>〜<6>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
X1〜X8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基から選ばれる原子または基を表す。
Y1〜Y8はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基から選ばれる原子または基を表す。
m1、m5はそれぞれ独立に1〜16の整数を表す。
n1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表す。
m2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表す。
n2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表す。
m4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。
n4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表す。
<8>
カゴ型構造を有する化合物がカゴ型構造を有するモノマーを遷移金属触媒存在下またはラジカル開始剤存在下で重合して得られることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<9>
カゴ型構造を有する化合物がシクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<10>
さらに有機溶剤を含むことを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<11>
<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
<12>
<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜を有する電子デバイス。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
酸化防止剤を含有することにより、フォトリソ、CMP等各工程に起因する膜の酸化による誘電率等、特性劣化を抑制することができる。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-P-クレゾール、4,4´-ブチリデンビス-(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2´-メチレンビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2´-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタンが挙げられる。
ここで酸化防止剤は、たとえば大成社「新版プラスチックス配合剤 基礎と応用」、大成社「酸化防止剤ハンドブック」、工業調査会「プラスチック添加剤ノート」等に記載されたものがあげられる。
本発明で使用できる酸化防止剤の質量平均分子量は100〜50000が好ましく、より好ましくは150〜30000、特に好ましくは200〜20000である。
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤がとくに好ましい。
R4は水素原子または置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子)、アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル)、アリール基(炭素数2〜20のアリール基で、たとえば、フェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(炭素数1〜20のヘテロ環基で、例えば、4−ピペリジニル、2−フリル、2−ピラニル)、アルコキシ基(炭素数1〜20のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ドデシルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アシルオキシ基(炭素数2〜20のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ブトキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基で、たとえば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ)、アミノ基(炭素数0〜20のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、エチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、ブチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、テトラデシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アリールアミノ基(炭素数6〜20のアリールアミノ基で、例えば、アニリノ、1−ナフチルアミノ)、アシルアミノ基(炭素数2〜20のアシルアミノ基で、例えば、アセチルアミノ、ブタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(炭素数1〜20のアミノカルボニルアミノ基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(炭素数1〜20のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、ドデシルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜20のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ)、及びアルコキシカルボニル基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル)が挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基およびアルコキシ基であり、アルキル基がさらに好ましい。該置換基が連結基(好ましくは2〜4価)となって複数の当該構造を連結していてもよい。R4は炭素数1〜30を有する基であるのが好ましく、その中に、アルキレン基、−COO−、−OCO−、−O−またはイソシアヌレート構造を有していてもよい。nは0〜3の整数、好ましくは1を表す。
本発明で述べる「カゴ型構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ型構造とは考えられない。
ここでモノマーとは、互いに重合して2量体以上の重合体になるものを指す。この重合体は、ホモポリマーでもコポリマーでも良く、カゴ状構造を有するモノマーの単独重合体、カゴ状構造を有するモノマーと他の重合性化合物との共重合体、2種以上のカゴ状構造を有するモノマーの共重合体、または2種以上のカゴ状構造を有するモノマーと他の1種以上の重合性化合物との共重合体が挙げられる。
X1〜X8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばビニル、アリル、2−ブテン−1−イル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばエチニル、プロパルギル、1−ブチン−4−イル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例えばフェニル、p−トリル、1−ナフチル等)、シリル基(好ましくは炭素数0〜20、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジエトキシメチルシリル、ジメトキシメチルシリル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばアセチル、イソブチリル、ベンゾイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル等)等を表す。このうち、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数0〜20のシリル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくは水素原子である。
n1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
m2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。
n2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
m4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。
n4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することが出来る。
重合開始剤としては有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ-t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく用いられる。
本発明における重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
本発明における遷移金属触媒の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、低誘電率である見地から−C(R11)(R12)−、−CH=CH−である。
反応液中のモノマーの濃度は好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの質量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
また、本発明に使用する化合物の重合体は、誘電率・膜の吸収性の観点からポリイミド以外の化合物、即ちポリイミド結合を有しない化合物であることが好ましい。
本発明に用いられる有機溶剤は、本発明に使用するカゴ型構造を有する化合物を溶解することができるものであれば特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシー2−プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
膜形成用組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100重量部に対して10重量部以下、特に0.05〜5重量部であることが好ましい。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶剤との溶解性、本発明重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体のモノマー量に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
特に好ましくは、スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコーン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。
高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0〜50keVが好ましく、より好ましくは0〜30keV、特に好ましくは0〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0〜5μC/cm 2 、より好ましくは0〜2μC/cm 2 、特に好ましくは0〜1μC/cm 2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。重合物の酸化を防止するという観点から、基盤周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
Macromolecules.,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、オルトジクロロベンゼン10mlを窒素気流下で内温140℃で5時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.4万の重合体(A)を1.0g得た。
重合体(A)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で20質量%以上であった。
重合体(A)0.99g、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.01gをシクロヘキサノン10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.42であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
実施例1のテトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタンに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.43であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
文献(Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.30, 1747-1754(1992))に記載の方法に従って、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンを合成した。あとは実施例1の4,9−ジエチニルジアマンタンを、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した。結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.42であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
Macromolecules.,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、オルトジクロロベンゼン10mlを窒素気流下で内温140℃で5時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.4万の重合体(A)を1.0g得た。
得られた組成物を0.99g、ADEKA社のアデカスタブAO−60(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン)を0.01g、シクロヘキサノン10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.42であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
実施例4のアデカスタブAO−60をAldrich社のビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.43であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
実施例4のアデカスタブAO−60をアデカスタブLA−52(テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)に代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.41であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
実施例4のアデカスタブAO−60をアデカスタブLA−57(テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)に代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度で200℃1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.42であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
実施例1のテトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを添加しないこと以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークが確認された。
実施例4のアデカスタブAO−60を添加しないこと以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.62であり、酸化促進条件で、比誘電率が変化することが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークが顕著に検出された。
Claims (12)
- カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
- 酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
- 酸化防止剤としてヒンダードアミン系酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- カゴ型構造を有する化合物としてカゴ型構造を有するモノマーの重合体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造を有するモノマーが炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することを特徴とする請求項4に記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、およびテトラマンタンから選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造を有するモノマーが下記一般式(I)〜(VI)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の膜形成用組成物。
X1〜X8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基から選ばれる原子または基を表す。
Y1〜Y8はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基から選ばれる原子または基を表す。
m1、m5はそれぞれ独立に1〜16の整数を表す。
n1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表す。
m2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表す。
n2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表す。
m4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。
n4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表す。 - カゴ型構造を有する化合物がカゴ型構造を有するモノマーを遷移金属触媒存在下またはラジカル開始剤存在下で重合して得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- カゴ型構造を有する化合物がシクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- さらに有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜を有する電子デバイス。
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