JP2007308677A - 膜形成組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度、耐熱性等の膜特性が良好な組成物に関し、さらには該組成物を用いて得られる絶縁膜、およびそれを有する電子デバイスに関する。
【解決手段】カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物、該組成物を用いて得られる絶縁膜、およびそれを有する電子デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度、耐熱性等の膜特性が良好な膜形成用組成物に関し、さらには該組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスに関する。
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得る優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得る耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
高耐熱性の層間絶縁膜としては古くからポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリアリーレン(エーテル)等が開示されているが、高速デバイスを実現するためには更に誘電率の低い材料が要望されている。該材料のようにポリマー分子内に酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子や芳香族炭化水素ユニットを導入すると、高モル分極に起因して誘電率が高くなったり、吸湿に起因して経時で誘電率が上昇したり、さらには電子デバイスの信頼性を損なう問題が生じるため改良が必要であった。
一方、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することは出来ない。
リジッドなカゴ型構造の飽和炭化水素であるアダマンタンやジアマンタンを分子内に導入したポリマーが開示されている。(特許文献1、2、3)アダマンタンやジアマンタンはダイヤモンドイド構造を有し、高い耐熱性と低い誘電率を示す点で好ましいユニットである。しかしながら、これらのポリマーは溶剤への溶解性が低く、薄膜形成が困難であったり、カゴ型構造を連結する基の影響で誘電率が高くなることが課題であり、改良が要求されている。
特開2000−100808号明細書 特開2001−2899号明細書 特開2001−2900号明細書
本発明は上記問題点を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる誘電率、耐熱性等の膜特性が良好な膜形成用組成物に関し、さらには該組成物を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスに関する。
上記課題が下記の<1>〜<11>の構成により解決されることを見出した。
<1>
カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
<2>
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする<1>に記載の膜形成用組成物。<3>
酸化防止剤としてヒンダードアミン系酸化防止剤を含むことを特徴とする<1>に記載の組成物。
<4>
カゴ型構造を有する化合物としてカゴ型構造を有するモノマーの重合体を含むことを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<5>
カゴ型構造を有するモノマーが炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することを特徴とする<4>に記載の膜形成用組成物。
<6>
カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、およびテトラマンタンから選択されることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<7>
カゴ型構造を有するモノマーが下記一般式(I)〜(VI)のいずれかで表される化合物から選択されることを特徴とする<4>〜<6>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
Figure 2007308677
一般式(I)〜(VI)中、一般式(I)〜(VI)中、
〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基から選ばれる原子または基を表す。
〜Yはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基から選ばれる原子または基を表す。
1、m5はそれぞれ独立に1〜16の整数を表す。
1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表す。
2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表す。
2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表す。
4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。
4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表す。
<8>
カゴ型構造を有する化合物がカゴ型構造を有するモノマーを遷移金属触媒存在下またはラジカル開始剤存在下で重合して得られることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<9>
カゴ型構造を有する化合物がシクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<10>
さらに有機溶剤を含むことを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<11>
<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
<12>
<1>〜<10>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜を有する電子デバイス。
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、低比誘電率、耐熱性等を有する絶縁膜を形成することができ、特に膜形成後に高湿度条件で保存しても低比誘電率を有する絶縁膜を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の膜形成用組成物は、カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする。
酸化防止剤を含有することにより、フォトリソ、CMP等各工程に起因する膜の酸化による誘電率等、特性劣化を抑制することができる。
<酸化防止剤>
本発明に用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-P-クレゾール、4,4´-ブチリデンビス-(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2´-メチレンビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2´-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタンが挙げられる。
本発明の組成物は、さらに酸化防止剤を含有することを特徴とする。酸化防止剤を添加することにより、フォトリソ、CMP等各工程に起因する膜の酸化による誘電率上昇等、特性劣化を抑制することができる。
ここで酸化防止剤は、たとえば大成社「新版プラスチックス配合剤 基礎と応用」、大成社「酸化防止剤ハンドブック」、工業調査会「プラスチック添加剤ノート」等に記載されたものがあげられる。
本発明で使用できる酸化防止剤の質量平均分子量は100〜50000が好ましく、より好ましくは150〜30000、特に好ましくは200〜20000である。
酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤がとくに好ましい。
フェノール系酸化防止剤は、下記構造を分子内に少なくとも一つ有するものが好ましい。
Figure 2007308677
上記式中、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素、メチル基、t-ブチル基または連結基であり、R、RおよびRのうち少なくとも1つはt-ブチル基であり、かつ残りの2つのうち水素は1つ以下である。R〜Rが連結基(好ましくは2〜4価)となって複数の当該構造を連結していてもよい。
4は水素原子または置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子)、アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル)、アリール基(炭素数2〜20のアリール基で、たとえば、フェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(炭素数1〜20のヘテロ環基で、例えば、4−ピペリジニル、2−フリル、2−ピラニル)、アルコキシ基(炭素数1〜20のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ドデシルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アシルオキシ基(炭素数2〜20のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ブトキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基で、たとえば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ)、アミノ基(炭素数0〜20のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、エチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、ブチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、テトラデシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アリールアミノ基(炭素数6〜20のアリールアミノ基で、例えば、アニリノ、1−ナフチルアミノ)、アシルアミノ基(炭素数2〜20のアシルアミノ基で、例えば、アセチルアミノ、ブタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(炭素数1〜20のアミノカルボニルアミノ基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(炭素数1〜20のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、ドデシルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜20のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ)、及びアルコキシカルボニル基(炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル)が挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基およびアルコキシ基であり、アルキル基がさらに好ましい。該置換基が連結基(好ましくは2〜4価)となって複数の当該構造を連結していてもよい。R4は炭素数1〜30を有する基であるのが好ましく、その中に、アルキレン基、−COO−、−OCO−、−O−またはイソシアヌレート構造を有していてもよい。nは0〜3の整数、好ましくは1を表す。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4・ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、下記構造を分子内に少なくとも一つ有するものが好ましい。
Figure 2007308677
式中、R11は、水素原子または置換基を表し、好ましくは水素またはメチル基である。R12は水素原子または置換基を表し、置換基としては、前記R4で表される置換基として挙げたものが挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、及びアシルアミノ基であり、アシルオキシ基及びアミノ基がさらに好ましい。前記置換基が2価以上の連結基となって複数の当該ヒンダードアミン構造を連結していてもよく、前記連結基としては、アルキレン基、−COO−、−OCO−、−O−、イソシアヌレート構造、またはこれらを組み合わせてなる基が好ましい。R12は好ましくは窒素原子を含んでいてもよい、炭素数1〜30の基である。またヒンダードアミン系酸化防止剤は当該構造を繰り返し単位中に含むポリマーであってもよい。
ヒンダードアミン系酸化防止剤の具体例としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシ−ベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、下記一般式で表される構造を有するイオウ酸化防止剤を使用してもよい。
Figure 2007308677
式中、R21は、水素原子または置換基を表し、R22は、水素原子または置換基を表し、該置換基が連結基となって複数の当該構造を連結していてもよい。置換基としては、前記R4で表される置換基として挙げたもののうち、炭素原子で結合する基を挙げることができ、アルキル基が好ましい。置換基としては、その中に、−COO−、−OCO−、−O−を有していてもよく、−COO−、−OCO−、−O−を有しているアルキル基が好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
また、下記一般式で表される構造を有するリン系酸化防止剤を使用することもできる。
Figure 2007308677
式中、R31、R32、R33はそれぞれ独立して、置換基を表し、置換基としては、前記R4で表される置換基として挙げたもののうち、炭素原子で結合する基を挙げることができる。置換基は、好ましくはアルキル基及びアリール基である。該アルキル基にはエーテル結合が含まれていてもよい。R31、R32、R33は連結基となって複数の当該構造を連結していてもよい。さらにR31、とR32、あるいはR31とR33、またはR32とR33は互いに結合して環を形成してもよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等が好適に用いられる。
これらの酸化防止剤は、市販のものを用いることもできるし、一般的な合成法で合成することもできる。市販の酸化防止剤としては、(株)ADEKA製のアデカスタブシリーズ、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガノックス(Irganox)シリーズ、住友化学(株)製のスミライザーシリーズ、川口化学工業(株)製のアンテージ(Antage)シリーズ、又は(株)エーピーアイコーポレーション製のヨシノックスシリーズを好ましく用いることができる。
本発明において、酸化防止剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてよい。
本発明で使用できる酸化防止剤の分子量は好ましくは100〜50000が好ましく、より好ましくは150〜30000、特に好ましくは200〜20000である。この範囲内であれば、焼成時に揮発若しくは昇華せず、膜内に残存することが出来、ろ過性、溶媒溶解性も良好に保たれる。酸化防止剤が重合体である場合には、前記分子量は重量平均分子量を意味する。
本発明における酸化防止剤の使用量はポリマー100質量%に対して、好ましくは0.001〜50質量%、より好ましくは0.005〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5質量%である。
<カゴ型構造を有する化合物>
本発明で述べる「カゴ型構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ型構造とは考えられない。
本発明においてカゴ型構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいても良く、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含んでも良いが、低誘電率の見地から飽和炭化水素が好ましい。
本発明においてカゴ型構造は、好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、およびドデカヘドランであり、より好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、およびジアマンタンであり、低誘電率である点で特にビアダマンタンおよびジアマンタンが好ましい。
本発明におけるカゴ型構造は1つ以上の置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル等)、炭素数1〜10のカルバモイル基(N,N−ジエチルカルバモイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等である。
本発明におけるカゴ型構造は2〜4価であることが好ましい。このとき、カゴ型構造に結合する基は1価以上の置換基でも2価以上の連結基でも良い。カゴ型構造は好ましくは、2または3価であり、特に好ましくは2価である。
本発明に用いるカゴ型構造を有する化合物とは、カゴ型構造を有するモノマーの重合体を含むことが好ましい。カゴ型構造を有するモノマーは重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することが好ましい。重合可能な炭素−炭素二重結合としては、アルケニル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。重合可能な炭素−炭素三重結合としては、アルキニル基が好ましく、エチニル基が特に好ましい。
ここでモノマーとは、互いに重合して2量体以上の重合体になるものを指す。この重合体は、ホモポリマーでもコポリマーでも良く、カゴ状構造を有するモノマーの単独重合体、カゴ状構造を有するモノマーと他の重合性化合物との共重合体、2種以上のカゴ状構造を有するモノマーの共重合体、または2種以上のカゴ状構造を有するモノマーと他の1種以上の重合性化合物との共重合体が挙げられる。
本発明に用いるカゴ型構造を有する化合物は、下記式(I)〜(VI)で表される化合物(モノマー)の重合体であることがより好ましい。
Figure 2007308677
一般式(I)〜(VI)中、
〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばビニル、アリル、2−ブテン−1−イル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばエチニル、プロパルギル、1−ブチン−4−イル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例えばフェニル、p−トリル、1−ナフチル等)、シリル基(好ましくは炭素数0〜20、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジエトキシメチルシリル、ジメトキシメチルシリル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばアセチル、イソブチリル、ベンゾイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル等)等を表す。このうち、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数0〜20のシリル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくは水素原子である。
〜Yはそれぞれ独立にハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)またはシリル基(好ましくは炭素数0〜20)を表し、より好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくはアルキル基(メチル基等)である。
〜X、Y〜Yはさらに別の置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、直鎖、分岐、環状のアルキル基(炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基で、メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチル等)、アルキニル基(炭素数2〜10のアルキニル基で、エチニル、フェニルエチニル等)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基で、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、アシル基(炭素数1〜10のアシル基で、アセチル、ベンゾイル等)、アリールオキシ基(炭素数6〜10のアリールオキシ基で、フェノキシ等)、アリールスルホニル基(炭素数6〜10のアリールスルホニル基で、フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(炭素数1〜10のシリル基で、トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基で、メトキシカルボニル等)、カルバモイル基(炭素数1〜10のカルバモイル基で、カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル等)等が挙げられる。
1、mはそれぞれ独立に1〜16の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。
1、nはそれぞれ独立に0〜15の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
、m、m、mはそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。
、n、n、nはそれぞれ独立に0〜14の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
、mはそれぞれ独立に1〜20の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。
、nはそれぞれ独立に0〜19の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
本発明に用いられるカゴ型構造を有するモノマーは好ましくは上記式(II)、(III)、(V)、(VI)で表される化合物であり、より好ましくは上記式(II)、(III)で表される化合物であり、特に好ましくは上記式(III)で表される化合物である。
以下に本発明で使用できるカゴ型構造を有するモノマーの具体例を記載するが、本発明はこれらに限定はされない。
Figure 2007308677
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本発明に用いられるカゴ型構造を有するモノマーのうち、例えば、炭素−炭素三重結合を有するモノマーは、市販のジアマンタンを原料として、臭化アルミニウム触媒存在下または非存在下で臭素と反応させて臭素原子を所望の位置に導入、続けて臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸の存在下で臭化ビニルとフリーデルクラフツ反応させて2,2−ジブロモエチル基を導入、続けて強塩基で脱HBr化してエチニル基に変換することで合成することができる。具体的にはMacromolecules., 1991年 24巻 5266〜5268頁、 1995年 28巻 5554〜5560、Journal of Organic Chemistry., 39, 2995-3003 (1974)等に記載された方法に準じて合成することが出来る。また、炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、エチニル基を有するモノマーを水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)などで還元することによって容易に得ることができる。
また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することが出来る。
モノマーの重合反応はモノマーに置換した重合性基によって起こる。ここで重合性基とは、モノマーを重合せしめる反応性の置換基を指す。該重合反応としてはどのような重合反応でも良いが、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、遷移金属触媒重合等が挙げられる。
本発明において、モノマーの重合反応は非金属の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤存在下で重合することが出来る。
重合開始剤としては有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ-t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく用いられる。
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類、2,2−アゾビス(4−メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、1−〔(1−シアノ-1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2−アゾビス{2−メチル-N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス〔2−メチル-N−(2−ヒドロキシブチル)プロピオンアミド〕、2,2−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル-2−メチルプロピオアミド)、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジスルフェートジヒドレート、2,2−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン-2−イル〕プロパン}ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−〔2−イミダゾリン-2−イル〕プロパン〕、2,2−アゾビス(1−イミノー1−ピロリジノ-2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕テトラヒドレート、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が好ましく用いられる。
本発明において重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
本発明におけるモノマーの重合反応は遷移金属触媒存在下で行うことも好ましい。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーを例えばPd(PPh3)4、Pd(OAc)2等のPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl等のW系触媒、MoCl等のMo系触媒、TaCl等のTa系触媒、NbCl等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等を用いて重合することが好ましい。
本発明において、遷移金属触媒は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における遷移金属触媒の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
本発明におけるカゴ型構造はポリマー中にペンダント基として置換していて良く、ポリマー主鎖の一部となっていても良いが、ポリマー主鎖の一部となっている形態がより好ましい。ここで、ポリマー主鎖の一部になっている形態とは、本ポリマーからカゴ化合物を除去するとポリマー鎖が切断されることを意味する。この形態においては、カゴ型構造は直接単結合するかまたは適当な2価の連結基によって連結される。連結基の例としては、−C(R11)(R12)−、−C(R13)=C(R14)−、−C≡C−、アリーレン基、−CO−、−O−、−SO2−、−N(R15)−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。ここで、R11〜R17はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。これらの連結基は置換基で置換されていてもよく、例えば前述の置換基が好ましい例として挙げられる。
この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、低誘電率である見地から−C(R11)(R12)−、−CH=CH−である。
本発明においてカゴ型構造を有する化合物とは、低分子化合物であっても高分子化合物(たとえばポリマー)であっても良いが、好ましいものはポリマーである。カゴ型構造を有する化合物がポリマーである場合、その重量平均分子量は好ましくは1000〜500000、より好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。カゴ型構造を有するポリマーは分子量分布を有する樹脂組成物として膜形成用塗布液に含まれていても良い。カゴ型構造を有する化合物が低分子化合物である場合、その分子量は好ましくは150〜3000、より好ましくは200〜2000、特に好ましくは220〜1000である。
重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒などが利用できる。
これらの中でより好ましい溶媒はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、更に好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
反応液中のモノマーの濃度は好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは50℃〜170℃、特に好ましくは100℃〜150℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの質量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
本発明においてカゴ型構造を有する化合物は有機溶剤へ十分な溶解性を有することが好ましい。好ましい溶解度は25℃でシクロヘキサノンまたはアニソールに3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。
本発明におけるカゴ型構造を有する化合物としては、例えば特開平11−322929号、特開2003−12802号、特開2004−18593号記載のポリベンゾオキサゾール、特開2001−2899号に記載のキノリン樹脂、特表2003−530464号、特表2004−535497号、特表2004−504424号、特表2004−504455号、特表2005−501131号、特表2005−516382号、特表2005−514479号、特表2005−522528号、特開2000−100808号、米国特許6509415号に記載のポリアリール樹脂、特開平11−214382号、特開2001−332542号、特開2003−252982号、特開2003−292878号、特開2004−2787号、特開2004−67877号、特開2004−59444号に記載のポリアダマンタン、特開2003−252992号、特開2004−26850号に記載のポリイミド等が挙げられる。
本発明において重合体は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明に使用する化合物の重合体は、誘電率・膜の吸収性の観点からポリイミド以外の化合物、即ちポリイミド結合を有しない化合物であることが好ましい。
カゴ型構造を有する化合物とともに、塗布溶剤として有機溶剤を含むことで塗布液として好ましい膜形成用組成物とすることができる。
本発明に用いられる有機溶剤は、本発明に使用するカゴ型構造を有する化合物を溶解することができるものであれば特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシー2−プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい有機溶剤は、1−メトキシー2−プロパノール、プロパノール、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼンであり、特に好ましくは1−メトキシー2−プロパノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、t−ブチルベンゼン、アニソールである。
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜15質量%であり、特に好ましくは3〜10質量%である。
本発明の膜形成用組成物には不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。
膜形成用組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
膜形成用組成物の金属濃度は本発明の膜形成用組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010cm−2以下、特に好ましくは400×1010cm−2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。
更に、本発明の膜形成用組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明にいかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40質量%程度のものである。
本発明にいかなる界面活性剤を使用してもよいが、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成塗布液の全量に対して0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、シリコーン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、いかなるシリコーン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。下記化学式を含む構造であることが更に好ましい。
Figure 2007308677
式中Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、xは1〜20の整数であり、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数である。複数のRは同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、いかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、いかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、いかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
本発明にいかなるシランカップリング剤を使用してもよいが、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。シランカップリング剤の好ましい使用量は、全固形分100重量部に対して10重量部以下、特に0.05〜5重量部であることが好ましい。
本発明にはいかなる密着促進剤を使用してもよいが、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100重量部に対して10重量部以下、特に0.05〜5重量部であることが好ましい。
本発明の膜形成用組成物には膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶剤との溶解性、本発明重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体のモノマー量に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶剤を加熱処理で除去することにより形成することができる。溶媒を乾燥するための加熱は40℃〜250℃で0.1分〜10分行うことが好ましい。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スキャン法によるものが好ましい。
特に好ましくは、スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコーン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。
また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶剤のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
本発明に用いられる重合体は基盤上に塗布した後に加熱処理することによって硬化させることが特に好ましい。例えば重合体中に残存する炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存する炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合の重合反応を起こして硬化させても良い。
高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0〜50keVが好ましく、より好ましくは0〜30keV、特に好ましくは0〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0〜5μC/cm 2 、より好ましくは0〜2μC/cm 2 、特に好ましくは0〜1μC/cm 2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。重合物の酸化を防止するという観点から、基盤周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm−2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。重合物の酸化を防止するという観点から、基盤周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMPでの剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては、市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製、荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
<実施例1>
Macromolecules.,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、オルトジクロロベンゼン10mlを窒素気流下で内温140℃で5時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.4万の重合体(A)を1.0g得た。
重合体(A)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で20質量%以上であった。
重合体(A)0.99g、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.01gをシクロヘキサノン10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.42であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例2>
実施例1のテトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタンに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.43であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例3>
文献(Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.30, 1747-1754(1992))に記載の方法に従って、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンを合成した。あとは実施例1の4,9−ジエチニルジアマンタンを、3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した。結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.42であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例4>
Macromolecules.,5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、オルトジクロロベンゼン10mlを窒素気流下で内温140℃で5時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.4万の重合体(A)を1.0g得た。
得られた組成物を0.99g、ADEKA社のアデカスタブAO−60(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン)を0.01g、シクロヘキサノン10gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.42であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例5>
実施例4のアデカスタブAO−60をAldrich社のビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートに代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.43であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例6>
実施例4のアデカスタブAO−60をアデカスタブLA−52(テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)に代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.41であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<実施例7>
実施例4のアデカスタブAO−60をアデカスタブLA−57(テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート)に代えた以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度で200℃1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.42であり、酸化促進条件でも、比誘電率に変化がないことが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークは確認されなかった。
<比較例1>
実施例1のテトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを添加しないこと以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中に温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であり、FT-IRスペクトルに酸化に由来するピークが確認された。
<比較例2>
実施例4のアデカスタブAO−60を添加しないこと以外は同じ方法で、塗布液を調合し、製膜した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。膜を温度45℃湿度90%の恒温恒湿槽に24時間保管し、その後大気中において温度200℃で1分さらした。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、製膜直後が2.41であったのに対し、2.62であり、酸化促進条件で、比誘電率が変化することが確認された。また、FT−IRスペクトルに酸化に由来するピークが顕著に検出された。

Claims (12)

  1. カゴ型構造を有する化合物及び酸化防止剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
  2. 酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
  3. 酸化防止剤としてヒンダードアミン系酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. カゴ型構造を有する化合物としてカゴ型構造を有するモノマーの重合体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜形成用組成物。
  5. カゴ型構造を有するモノマーが炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することを特徴とする請求項4に記載の膜形成用組成物。
  6. カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、およびテトラマンタンから選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜形成用組成物。
  7. カゴ型構造を有するモノマーが下記一般式(I)〜(VI)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の膜形成用組成物。
    Figure 2007308677
    一般式(I)〜(VI)中、
    〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基から選ばれる原子または基を表す。
    〜Yはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シリル基から選ばれる原子または基を表す。
    1、m5はそれぞれ独立に1〜16の整数を表す。
    1、n5はそれぞれ独立に0〜15の整数を表す。
    2、m3、m6、m7はそれぞれ独立に1〜15の整数を表す。
    2、n3、n6、n7はそれぞれ独立に0〜14の整数を表す。
    4、m8はそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。
    4、n8はそれぞれ独立に0〜19の整数を表す。
  8. カゴ型構造を有する化合物がカゴ型構造を有するモノマーを遷移金属触媒存在下またはラジカル開始剤存在下で重合して得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜形成用組成物。
  9. カゴ型構造を有する化合物がシクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で3質量%以上溶解することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の膜形成用組成物。
  10. さらに有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の膜形成用組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜を有する電子デバイス。
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