JP2009203309A - 膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】低誘電率であり、かつ、機械強度に優れた膜を形成することができる膜形成用組成物、前記膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜、並びに、前記絶縁膜を有する電子デバイスを提供すること。
【解決手段】式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物、前記膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜、並びに、前記絶縁膜を有する電子デバイス。式中、R1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、ジアマンチル又は式(B)で表される構造を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、又は、重合性基を表し、少なくとも1つのR2は重合性基である。
【選択図】なし
【解決手段】式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物、前記膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜、並びに、前記絶縁膜を有する電子デバイス。式中、R1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、ジアマンチル又は式(B)で表される構造を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、又は、重合性基を表し、少なくとも1つのR2は重合性基である。
【選択図】なし
Description
本発明は、膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイスに関する。
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得る優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得る耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
高耐熱性の層間絶縁膜としては、古くからポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリアリーレン(エーテル)等が開示されているが、高速デバイスを実現するためには、さらに誘電率の低い材料が要望されている。該材料のようにポリマー分子内に酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子や芳香族炭化水素ユニットを導入すると、高モル分極に起因して誘電率が高くなったり、吸湿に起因して経時で誘電率が上昇したり、さらには電子デバイスの信頼性を損なう問題が生じるため改良が必要であった。
また、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することはできない。
一方、特許文献1には、フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物を、塩基性触媒の存在下に脱水縮合反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂の製造方法が開示されている。
また、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することはできない。
一方、特許文献1には、フェノール性水酸基を1分子中に2つ以上有する多価ヒドロキシ芳香族化合物を、塩基性触媒の存在下に脱水縮合反応させることを特徴とするポリアリーレンエーテル構造を有するフェノール樹脂の製造方法が開示されている。
本発明の目的は、低誘電率であり、かつ、機械強度に優れた膜を形成することができる膜形成用組成物、前記膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜、並びに、前記絶縁膜を有する電子デバイスを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、上記課題が下記の<1>、<3>又は<4>の構成により解決されることを見出した。好ましい実施態様である<2>と共に以下に示す。
<1> 下記式(A)で表される構造及び下記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物、
<1> 下記式(A)で表される構造及び下記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物、
<2> 有機溶剤を含む上記<1>に記載の膜形成用組成物、
<3> 上記<1>又は<2>に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜、
<4> 上記<3>に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
本発明によれば、低誘電率であり、かつ、機械強度に優れた膜を形成することができる膜形成用組成物、前記膜形成用組成物を用いて得られる絶縁膜、並びに、前記絶縁膜を有する電子デバイスを提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の膜形成用組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、下記式(A)で表される構造及び下記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする。
(式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物)
前記式(A)で表される構造及び前記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物(以下、「特定フェニルエーテル化合物」ともいう。)は、フェニルエーテル結合、及び、重合性基を1つ以上有するケイ素原子を少なくとも有する化合物である。
特定フェニルエーテル化合物は、式(A)で表される構造、及び、式(B)で表される構造をそれぞれ、1種単独で有していても、2種以上有していてもよい。
特定フェニルエーテル化合物は、ベンゼン環を2個以上有していることが好ましく、平均3個以上有していることが好ましく、平均5〜1,000個有していることが好ましい。
また、特定フェニルエーテル化合物は、ヒドロキシ基をできるだけ有しないことが好ましく、ヒドロキシ基を有しないことがより好ましい。
本発明の膜形成用組成物に含有される全ての特定フェニルエーテル化合物のヒドロキシ基は、本発明の膜形成用組成物に含有される全ての特定フェニルエーテル化合物の平均分子量1,000あたり平均1つ以下であることがより好ましく、平均分子量2,000あたり平均1つ以下であることがさらに好ましく、平均分子量5,000あたり平均1つ以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる膜の誘電率を低くすることができ、また、組成物時又は膜形成後において、特定フェニルエーテル化合物若しくはその重合体への水分の吸着を抑制することができ、得られる膜の経時耐久性に優れる。
前記式(A)で表される構造及び前記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物(以下、「特定フェニルエーテル化合物」ともいう。)は、フェニルエーテル結合、及び、重合性基を1つ以上有するケイ素原子を少なくとも有する化合物である。
特定フェニルエーテル化合物は、式(A)で表される構造、及び、式(B)で表される構造をそれぞれ、1種単独で有していても、2種以上有していてもよい。
特定フェニルエーテル化合物は、ベンゼン環を2個以上有していることが好ましく、平均3個以上有していることが好ましく、平均5〜1,000個有していることが好ましい。
また、特定フェニルエーテル化合物は、ヒドロキシ基をできるだけ有しないことが好ましく、ヒドロキシ基を有しないことがより好ましい。
本発明の膜形成用組成物に含有される全ての特定フェニルエーテル化合物のヒドロキシ基は、本発明の膜形成用組成物に含有される全ての特定フェニルエーテル化合物の平均分子量1,000あたり平均1つ以下であることがより好ましく、平均分子量2,000あたり平均1つ以下であることがさらに好ましく、平均分子量5,000あたり平均1つ以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる膜の誘電率を低くすることができ、また、組成物時又は膜形成後において、特定フェニルエーテル化合物若しくはその重合体への水分の吸着を抑制することができ、得られる膜の経時耐久性に優れる。
前記式(A)で表される構造におけるR1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、ジアマンチル、又は、式(B)で表される構造(−Si(R2)3)を表し、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、又は、ジアマンチルであることが好ましく、水素原子、又は、メチルであることがより好ましい。前記アルキルは、炭素数1〜10であることが好ましく、メチルであることがより好ましい。また、前記アルキルは、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。なお、式(B)で表される構造(−Si(R2)3)については、後述する。
式(A)で表される構造における波線部分は、他との結合位置を表し、他の式(A)で表される構造と、又は、式(B)で表される構造との結合位置であることが好ましい。ただし、他の式(A)で表される構造と結合する場合、酸素原子−酸素原子結合ではなく、例えば、ベンゼン環−O−ベンゼン環のように、1つのエーテル結合で結合しているものとする。
式(A)で表される構造における波線部分は、他との結合位置を表し、他の式(A)で表される構造と、又は、式(B)で表される構造との結合位置であることが好ましい。ただし、他の式(A)で表される構造と結合する場合、酸素原子−酸素原子結合ではなく、例えば、ベンゼン環−O−ベンゼン環のように、1つのエーテル結合で結合しているものとする。
前記式(A)で表される構造は、以下の式(A−1)〜式(A−11)で表される構造が例示できる。式(A−1)〜式(A−11)中、R1及び波線部分は、前記式(A)のR1及び波線部分と同義である。
これらの中でも、式(A)で表される構造としては、式(A−1)〜式(A−9)で表される構造であることが好ましく、式(A−1)〜式(A−6)で表される構造であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−4)、及び/又は、式(A−5)で表される構造であることがさらに好ましい。
前記式(A)で表される構造におけるmとnとの和(m+n)は、m+n=6を満たす。
また、前記式(A)で表される構造におけるmは、0〜4の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。
また、前記式(A)で表される構造におけるnは、2〜6の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
前記式(A)で表される構造におけるmとnとの和(m+n)は、m+n=6を満たす。
また、前記式(A)で表される構造におけるmは、0〜4の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。
また、前記式(A)で表される構造におけるnは、2〜6の整数を表し、2〜4の整数であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
前記式(B)で表される構造におけるR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルを表し、アルキル、ビニル、エチニル、又は、フェニルエチニルであることが好ましく、メチル、又は、ビニルであることがより好ましい。前記アルキルは、炭素数1〜10であることが好ましく、メチルであることがより好ましい。また、前記アルキルは、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
また、前記式(B)で表される構造における少なくとも1つのR2は、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルであり、ビニル、エチニル、又は、フェニルエチニルであることが好ましく、ビニルであることがより好ましい。
また、前記式(B)で表される構造における少なくとも1つのR2は、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルであり、ビニル、エチニル、又は、フェニルエチニルであることが好ましく、ビニルであることがより好ましい。
また、式(B)で表される構造として具体的には、下記に示す式(B−1)〜式(B−5)で表される構造が好ましく例示できる。なお、本発明において、Phはフェニル基を表す。
また、式(B)における構造は、特定フェニルエーテル化合物の全重量に対し、1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
特定フェニルエーテル化合物は、下記式(C)で表される構造、及び、下記式(D)で表される構造のみからなる化合物であることが好ましい。
式(C)及び式(D)中、R1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、ジアマンチル、又は、式(D)で表される構造を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルを表し、式(D)で表される構造における少なくとも1つのR2は、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルであり、mは0〜4の整数を表し、nは2〜6の整数を表し、mとnとはm+n=6を満たす。
式(C)で表される構造におけるO0.5は、他の式(C)で表される構造におけるO0.5、又は、式(D)で表される構造におけるO0.5で結合し、前記他の式(C)で表される構造におけるO0.5と、又は、前記式(D)で表される構造におけるO0.5とともにエーテル結合(−O−)を形成していることを表す。
式(D)で表される構造におけるO0.5は、式(C)で表される構造におけるO0.5で結合し、前記式(C)で表される構造におけるO0.5とともにエーテル結合(−O−)を形成していることを表す。
また、式(C)及び式(D)で表される構造におけるR1、R2、m及びnの好ましい範囲は、式(A)及び式(B)で表される構造におけるR1、R2、m及びnと同様である。
式(C)で表される構造におけるO0.5は、他の式(C)で表される構造におけるO0.5、又は、式(D)で表される構造におけるO0.5で結合し、前記他の式(C)で表される構造におけるO0.5と、又は、前記式(D)で表される構造におけるO0.5とともにエーテル結合(−O−)を形成していることを表す。
式(D)で表される構造におけるO0.5は、式(C)で表される構造におけるO0.5で結合し、前記式(C)で表される構造におけるO0.5とともにエーテル結合(−O−)を形成していることを表す。
また、式(C)及び式(D)で表される構造におけるR1、R2、m及びnの好ましい範囲は、式(A)及び式(B)で表される構造におけるR1、R2、m及びnと同様である。
本発明の膜形成用組成物は、特定フェニルエーテル化合物中における全ての式(C)で表される構造のうち、80モル%以上が下記式(C−1)〜(C−6)で表される構造であることが好ましく、90モル%以上が下記式(C−1)〜(C−6)で表される構造であることがより好ましく、90モル%以上が下記式(C−1)、式(C−2)、式(C−4)、及び/又は、式(C−5)で表される構造であることがさらに好ましい。上記範囲であると、有機溶剤への溶解性が良好であり、合成時の反応のコントロールも容易にでき、得られる膜の経時耐久性に優れる。
また、本発明の膜形成用組成物は、特定フェニルエーテル化合物中における全ての式(C)で表される構造のうち、50モル%以上が下記式(C−4)〜(C−6)で表される構造であることが好ましい。上記範囲であると、膜の形成が容易であり、得られる膜の機械強度に優れる。
また、例えば、厚さが1μm以上であるような厚膜を形成する場合、膜の柔軟性を向上させるため、本発明の膜形成用組成物は、特定フェニルエーテル化合物中における全ての式(C)で表される構造のうち、10モル%以上が下記式(C−1)〜(C−3)で表される構造であることが好ましく、20モル%以上が下記式(C−1)〜(C−3)で表される構造であることがより好ましい。
前記式(C)で表される構造は、前記式(A−1)〜式(A−11)において「−O−(波線部分)」を「−O0.5」に代えたものが例示できるが、その中でも、以下に示す式(C−1)〜式(C−6)で表される構造が好ましく例示できる。
また、本発明の膜形成用組成物は、特定フェニルエーテル化合物中における全ての式(C)で表される構造のうち、50モル%以上が下記式(C−4)〜(C−6)で表される構造であることが好ましい。上記範囲であると、膜の形成が容易であり、得られる膜の機械強度に優れる。
また、例えば、厚さが1μm以上であるような厚膜を形成する場合、膜の柔軟性を向上させるため、本発明の膜形成用組成物は、特定フェニルエーテル化合物中における全ての式(C)で表される構造のうち、10モル%以上が下記式(C−1)〜(C−3)で表される構造であることが好ましく、20モル%以上が下記式(C−1)〜(C−3)で表される構造であることがより好ましい。
前記式(C)で表される構造は、前記式(A−1)〜式(A−11)において「−O−(波線部分)」を「−O0.5」に代えたものが例示できるが、その中でも、以下に示す式(C−1)〜式(C−6)で表される構造が好ましく例示できる。
また、式(D)における構造のうちO0.5を除いた部分の構造は、特定フェニルエーテル化合物の全重量に対し、1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
特定フェニルエーテル化合物は、フェノール性ヒドロキシ基を2以上有するフェノール化合物を1種単独又は2種以上縮合し、残ったヒドロキシ基をシリル化した化合物であることが好ましく、また、フェノール性ヒドロキシ基を2以上有するフェノール化合物の三量体以上の縮合物をシリル化した化合物であることがより好ましい。
特定フェニルエーテル化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成すればよいが、下記式(E)で表される化合物を脱水縮合し縮合物を得る縮合工程、及び、前記縮合物のヒドロキシ基と下記式(F)で表される化合物とを反応させるシリル化工程を含む合成方法が好ましい。
特定フェニルエーテル化合物の合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成すればよいが、下記式(E)で表される化合物を脱水縮合し縮合物を得る縮合工程、及び、前記縮合物のヒドロキシ基と下記式(F)で表される化合物とを反応させるシリル化工程を含む合成方法が好ましい。
式(E)及び式(F)中、R1はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、アダマンチル、ジアマンチル、又は、−Si(R2)3を表し、R2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル、フェニル、フェノキシ、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルを表し、式(F)で表される構造における少なくとも1つのR2は、ビニル、エチニル、スチリル、フェニルエチニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボネニル、エポキシ、エポキシシクロヘキシル、又は、ベンゾシクロブテニルであり、Xは脱離基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは2〜6の整数を表し、mとnとはm+n=6を満たす。
Xは、アルコキシ、ヒドロキシ、又は、ハロゲン原子であることが好ましく、アルコキシ、又は、ハロゲン原子であることがより好ましく、アルコキシであることがさらに好ましい。
また、式(E)及び式(F)で表される構造におけるR1、R2、m及びnの好ましい範囲は、式(A)及び式(B)で表される構造におけるR1、R2、m及びnと同様である。
Xは、アルコキシ、ヒドロキシ、又は、ハロゲン原子であることが好ましく、アルコキシ、又は、ハロゲン原子であることがより好ましく、アルコキシであることがさらに好ましい。
また、式(E)及び式(F)で表される構造におけるR1、R2、m及びnの好ましい範囲は、式(A)及び式(B)で表される構造におけるR1、R2、m及びnと同様である。
前記縮合工程では、塩基を用いることが好ましい。
塩基としては、特に制限はないが、無機塩基であることが好ましく、アルカリ金属化合物であることがより好ましく、アルカリ金属の水酸化物であることがより好ましい。
前記縮合工程における反応温度は、特に制限はないが、80〜500℃であることが好ましく、100〜400℃であることがより好ましく、200〜350℃であることがさらに好ましい。
前記縮合工程では、後述するような有機溶剤を用いてもよいが、用いないことが好ましい。また、前記縮合工程において有機溶剤を用いない場合、反応温度は式(E)で表される化合物の融点以上、式(E)で表される化合物の沸点以下であることが好ましい。
前記縮合工程では、脱水縮合反応を効率よく進行させるため、生成する水を除去する手段を備えた反応装置を用いることが好ましい。
塩基としては、特に制限はないが、無機塩基であることが好ましく、アルカリ金属化合物であることがより好ましく、アルカリ金属の水酸化物であることがより好ましい。
前記縮合工程における反応温度は、特に制限はないが、80〜500℃であることが好ましく、100〜400℃であることがより好ましく、200〜350℃であることがさらに好ましい。
前記縮合工程では、後述するような有機溶剤を用いてもよいが、用いないことが好ましい。また、前記縮合工程において有機溶剤を用いない場合、反応温度は式(E)で表される化合物の融点以上、式(E)で表される化合物の沸点以下であることが好ましい。
前記縮合工程では、脱水縮合反応を効率よく進行させるため、生成する水を除去する手段を備えた反応装置を用いることが好ましい。
前記シリル化工程においては、前記式(E)で表される化合物の縮合物が有するヒドロキシ基を十分シリル化できる量の前記式(F)で表される化合物を用いることが好ましく、前記ヒドロキシ基の量がわかっている場合、又は、推測できる場合は、前記ヒドロキシ基のモル量に対し、前記式(F)で表される化合物を過剰量用いることがより好ましい。
前記シリル化工程では、後述するような有機溶剤を用いてもよいが、用いないことが好ましい。
前記シリル化工程における反応温度は、特に制限はないが、0〜100℃であることが好ましい。
また、前記シリル化工程において、前記ヒドロキシ基と前記式(F)で表される化合物との反応により酸が発生する場合、反応を阻害しない量又は種類の塩基を反応系中に添加してもよい。
また、前記シリル化工程の後、必要に応じて、公知の方法により、抽出、単離、精製、洗浄、及び/又は、乾燥などの工程を行ってもよい。
前記シリル化工程では、後述するような有機溶剤を用いてもよいが、用いないことが好ましい。
前記シリル化工程における反応温度は、特に制限はないが、0〜100℃であることが好ましい。
また、前記シリル化工程において、前記ヒドロキシ基と前記式(F)で表される化合物との反応により酸が発生する場合、反応を阻害しない量又は種類の塩基を反応系中に添加してもよい。
また、前記シリル化工程の後、必要に応じて、公知の方法により、抽出、単離、精製、洗浄、及び/又は、乾燥などの工程を行ってもよい。
本発明の膜形成用組成物において特定フェニルエーテル化合物を用いる場合、特定フェニルエーテル化合物の添加量は、膜形成用組成物の固形分に対して、30〜100重量%であることが好ましく、70〜100重量%であることがより好ましく、90〜100重量%であることがさらに好ましい。なお、膜形成用組成物の固形分とは、膜形成用組成物を用いて得られる膜を構成する全成分に相当する。
(式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物を少なくとも用いて重合した重合体)
本発明の膜形成用組成物は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含む。
前記重合体は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物(特定フェニルエーテル化合物)に由来するモノマー単位を少なくとも有し、特定フェニルエーテル化合物に由来するモノマー単位を、重合体の全モノマー単位のうち、10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することがより好ましく、50モル%以上含有することがさらに好ましい。
また、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体は、特定フェニルエーテル化合物のみを重合した重合体、又は、特定フェニルエーテル化合物と特定フェニルエーテル化合物以外の他の重合性化合物との共重合体であり、特定フェニルエーテル化合物のみを重合した重合体であることが好ましい。
前記重合体に用いる特定フェニルエーテル化合物における好ましい化合物は、前述した特定フェニルエーテル化合物における好ましい化合物と同様である。
前記重合体に用いる特定フェニルエーテル化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記他の重合性化合物としては、特定フェニルエーテル化合物と共重合可能であれば特に制限はなく、公知の重合性化合物を用いることができる。
また、前記他の重合性化合物を使用する場合、他の重合性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の膜形成用組成物は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含む。
前記重合体は、式(A)で表される構造及び式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物(特定フェニルエーテル化合物)に由来するモノマー単位を少なくとも有し、特定フェニルエーテル化合物に由来するモノマー単位を、重合体の全モノマー単位のうち、10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することがより好ましく、50モル%以上含有することがさらに好ましい。
また、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体は、特定フェニルエーテル化合物のみを重合した重合体、又は、特定フェニルエーテル化合物と特定フェニルエーテル化合物以外の他の重合性化合物との共重合体であり、特定フェニルエーテル化合物のみを重合した重合体であることが好ましい。
前記重合体に用いる特定フェニルエーテル化合物における好ましい化合物は、前述した特定フェニルエーテル化合物における好ましい化合物と同様である。
前記重合体に用いる特定フェニルエーテル化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記他の重合性化合物としては、特定フェニルエーテル化合物と共重合可能であれば特に制限はなく、公知の重合性化合物を用いることができる。
また、前記他の重合性化合物を使用する場合、他の重合性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の製造方法としては、特に制限はないが、熱のみにより、又は、重合開始剤若しくは遷移金属触媒存在下で前記特定フェニルエーテル化合物を少なくとも重合する工程を含む方法であることが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、有機アゾ系化合物及びアルキルフェノン系化合物などが例示できる。その中でも、有機過酸化物又は有機アゾ系化合物が好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、有機アゾ系化合物及びアルキルフェノン系化合物などが例示できる。その中でも、有機過酸化物又は有機アゾ系化合物が好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。
有機過酸化物としては、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル 4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ 2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく例示できる。
また、有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート等が好ましく用いられる。
有機アゾ系化合物としては、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフェートジハイドレート、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート、ジメチル 2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が好ましく例示できる。
また、有機アゾ系化合物としては、和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類等が好ましく用いられる。
アルキルフェノン系化合物としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−ジメチルアミノ−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等が好ましく例示できる。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン等のジフェニルエタン誘導体を用いてもよい。
重合開始剤は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、モノマー1モルに対して、0.001〜2モルであることが好ましく、0.01〜1モルであることがより好ましく、0.05〜0.5モルであることが特に好ましい。
重合開始剤の使用量は、モノマー1モルに対して、0.001〜2モルであることが好ましく、0.01〜1モルであることがより好ましく、0.05〜0.5モルであることが特に好ましい。
モノマーの重合反応は、遷移金属触媒の存在下で行うことも好ましい。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh3)4)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)等のPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等を用いて重合することが好ましい。
遷移金属触媒は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
遷移金属触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の重量平均分子量は、1,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましく、8,000〜50,000が特に好ましい。
特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体は、分子量分布を有する樹脂組成物として、本発明の膜形成用組成物に含まれていてもよい。
特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体は、分子量分布を有する樹脂組成物として、本発明の膜形成用組成物に含まれていてもよい。
重合反応で使用する溶剤は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用してもよい。
例えば、水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−o−キシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。
例えば、水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−o−キシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。
これらの中でより好ましい溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−o−キシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、さらに好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。
有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよい。
反応液中のモノマーの濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよい。
反応液中のモノマーの濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶剤の種類、濃度等によって異なるが、内温が、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜170℃、特に好ましくは100〜150℃で、反応時間が、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
(添加量)
本発明の膜形成用組成物における特定フェニルエーテル化合物、及び、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の総添加量は、膜形成用組成物に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1.5〜20重量%であることが特に好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物における特定フェニルエーテル化合物、及び、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の総添加量は、膜形成用組成物の固形分に対して、20〜100重量%であることが好ましく、40〜100重量%であることがより好ましく、60〜100重量%であることがさらに好ましい。
本発明の膜形成用組成物における特定フェニルエーテル化合物、及び、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の総添加量は、膜形成用組成物に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1.5〜20重量%であることが特に好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物における特定フェニルエーテル化合物、及び、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の総添加量は、膜形成用組成物の固形分に対して、20〜100重量%であることが好ましく、40〜100重量%であることがより好ましく、60〜100重量%であることがさらに好ましい。
(有機溶剤)
本発明の膜形成用組成物は、有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、特に限定はされないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の膜形成用組成物は、有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、特に限定はされないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられる。
有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
より好ましい有機溶剤は、1−メトキシ−2−プロパノール、プロパノール、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼンであり、特に好ましい有機溶剤は1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、t−ブチルベンゼン、アニソールである。
(固形分濃度)
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは2〜15重量%であり、特に好ましくは3〜10重量%である。
特定フェニルエーテル化合物、及び/又は、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の溶解度は、25℃でシクロヘキサノンに対し、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上の溶解度である。
本発明の膜形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは2〜15重量%であり、特に好ましくは3〜10重量%である。
特定フェニルエーテル化合物、及び/又は、特定フェニルエーテル化合物を少なくとも用いて重合した重合体の溶解度は、25℃でシクロヘキサノンに対し、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以上の溶解度である。
(金属含量)
本発明の膜形成用組成物には、不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。膜形成用組成物の金属濃度は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は、好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。
また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうが好ましい。遷移金属含有量は、具体的には、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
本発明の膜形成用組成物の金属濃度は、本発明の膜形成用組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。
X線源としてW(タングステン)線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010atom・cm-2以下が好ましく、50×1010atom・cm-2以下がより好ましく、10×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。
また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10,000×1010atom・cm-2以下が好ましく、1,000×1010atom・cm-2以下がより好ましく、400×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。また、ハロゲンとしてClも観測可能であり、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010atom・cm-2以下が好ましく、50×1010atom・cm-2以下がより好ましく、10×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。
本発明の膜形成用組成物には、不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。膜形成用組成物の金属濃度は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は、好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。
また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうが好ましい。遷移金属含有量は、具体的には、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
本発明の膜形成用組成物の金属濃度は、本発明の膜形成用組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。
X線源としてW(タングステン)線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010atom・cm-2以下が好ましく、50×1010atom・cm-2以下がより好ましく、10×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。
また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10,000×1010atom・cm-2以下が好ましく、1,000×1010atom・cm-2以下がより好ましく、400×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。また、ハロゲンとしてClも観測可能であり、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010atom・cm-2以下が好ましく、50×1010atom・cm-2以下がより好ましく、10×1010atom・cm-2以下が特に好ましい。
(その他の添加剤)
さらに、本発明の膜形成用組成物には、得られる膜(好ましくは絶縁膜)の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着促進剤などの添加剤を添加してもよい。
さらに、本発明の膜形成用組成物には、得られる膜(好ましくは絶縁膜)の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着促進剤などの添加剤を添加してもよい。
<コロイド状シリカ>
本発明に用いることができるコロイド状シリカとしては、いかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶剤若しくは水に分散した分散液であり、好ましくは平均粒径5〜30nm、より好ましくは10〜20nm、固形分濃度が好ましくは5〜40重量%のものである。
本発明に用いることができるコロイド状シリカとしては、いかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶剤若しくは水に分散した分散液であり、好ましくは平均粒径5〜30nm、より好ましくは10〜20nm、固形分濃度が好ましくは5〜40重量%のものである。
<界面活性剤>
本発明に用いることができる界面活性剤としては、いかなる界面活性剤を使用してもよい。例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、いかなる界面活性剤を使用してもよい。例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤の添加量は、膜形成用組成物の全量に対して、0.01重量%以上1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上0.5重量%以下であることがより好ましい。
本発明において、シリコーン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に用いることができるシリコーン系界面活性剤としては、いかなるシリコーン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましく、下記化学式を含む構造であることがより好ましい。
上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、xは1〜20の整数であり、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数である。また、Rが複数存在する場合、それぞれ同じあっても異なっていてもよい。
本発明に用いることができるシリコーン系界面活性剤としては、例えば、BYK−306、BYK−307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
本発明に用いることができるノニオン系界面活性剤としては、いかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明に用いることができる含フッ素系界面活性剤としては、いかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に用いることができるアクリル系界面活性剤としては、いかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、アクリル酸系共重合体やメタクリル酸系共重合体等が挙げられる。
<シランカップリング剤>
本発明に用いることができるシランカップリング剤としては、いかなるシランカップリング剤を使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明に用いることができるシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができるシランカップリング剤としては、いかなるシランカップリング剤を使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明に用いることができるシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<密着促進剤>
本発明に用いることができる密着促進剤としては、いかなる密着促進剤を使用してもよい。
密着促進剤としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。
密着促進剤の使用量は、本発明の膜形成用組成物の全固形分100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、特に0.05〜5重量部であることがより好ましい。
本発明に用いることができる密着促進剤としては、いかなる密着促進剤を使用してもよい。
密着促進剤としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。
密着促進剤の使用量は、本発明の膜形成用組成物の全固形分100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、特に0.05〜5重量部であることがより好ましい。
<空孔形成因子>
本発明の膜形成用組成物には、膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては、特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用組成物で使用される溶剤との溶解性、前記式(1)で表される化合物、及び/又は、前記式(1)で表される化合物を少なくとも用いて重合した重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。
また、この空孔形成剤の沸点又は分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。
分子量としては、好ましくは200〜50,000、より好ましくは300〜10,000、特に好ましくは400〜5,000である。
添加量は、膜を形成する重合体に対して、好ましくは0.5〜75重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいてもよい。
前記分解性基の分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。
分解性基の含有率は、膜を形成する重合体に対して、好ましくは0.5〜75モル%、より好ましくは0.5〜30モル%、特に好ましくは1〜20モル%である。
本発明の膜形成用組成物には、膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては、特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用組成物で使用される溶剤との溶解性、前記式(1)で表される化合物、及び/又は、前記式(1)で表される化合物を少なくとも用いて重合した重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。
また、この空孔形成剤の沸点又は分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。
分子量としては、好ましくは200〜50,000、より好ましくは300〜10,000、特に好ましくは400〜5,000である。
添加量は、膜を形成する重合体に対して、好ましくは0.5〜75重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいてもよい。
前記分解性基の分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。
分解性基の含有率は、膜を形成する重合体に対して、好ましくは0.5〜75モル%、より好ましくは0.5〜30モル%、特に好ましくは1〜20モル%である。
(膜)
本発明の膜は、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜であり、絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の膜は、本発明の膜形成用組成物を硬化して得られる膜であることが好ましく、本発明の膜形成用組成物のみを硬化して得られる膜であることがより好ましい。
また、本発明において、膜の製造方法は、特に制限はないが、本発明の膜形成用組成物を調製する工程、本発明の膜形成用組成物を膜状に塗布する工程、及び、塗布した膜を加熱する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の膜の膜厚は、特に制限はなく、所望の厚さに形成すればよいが、10nm〜100μmであることが好ましい。
本発明の膜は、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜であり、絶縁膜として好適に用いることができる。また、本発明の膜は、本発明の膜形成用組成物を硬化して得られる膜であることが好ましく、本発明の膜形成用組成物のみを硬化して得られる膜であることがより好ましい。
また、本発明において、膜の製造方法は、特に制限はないが、本発明の膜形成用組成物を調製する工程、本発明の膜形成用組成物を膜状に塗布する工程、及び、塗布した膜を加熱する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の膜の膜厚は、特に制限はなく、所望の厚さに形成すればよいが、10nm〜100μmであることが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶剤を加熱処理で除去することにより形成することができる。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは、スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン(株)製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製造(株)製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコン基板においては1,300rpm程度の回転速度が好ましい。
また、膜形成用組成物の吐出方法においては、回転する基板上に膜形成用組成物を吐出する動的吐出、静止した基板上へ膜形成用組成物を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶剤のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン(株)製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製造(株)製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン(株)製)等が好ましく使用できる。
また、膜形成用組成物の吐出方法においては、回転する基板上に膜形成用組成物を吐出する動的吐出、静止した基板上へ膜形成用組成物を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶剤のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン(株)製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製造(株)製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン(株)製)等が好ましく使用できる。
本発明の膜形成用組成物は、基板上に塗布した後に加熱処理することによって硬化させることが特に好ましい。例えば、膜形成用組成物により形成した膜に残存する炭素三重結合等の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行ってもよい。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存する炭素三重結合等の重合反応を起こして硬化させてもよい。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは、0〜50keVが好ましく、0〜30keVがより好ましく、0〜20keVが特に好ましい。電子線の総ドーズ量は、好ましくは0〜5μC/cm2、より好ましくは0〜2μC/cm2、特に好ましくは0〜1μC/cm2である。電子線を照射する際の基板温度は、0〜450℃が好ましく、0〜400℃がより好ましく、0〜350℃が特に好ましい。圧力は、好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明において、電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2,000mWcm-2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましく、250〜350℃が特に好ましい。重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気は、Ar、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは、0〜50keVが好ましく、0〜30keVがより好ましく、0〜20keVが特に好ましい。電子線の総ドーズ量は、好ましくは0〜5μC/cm2、より好ましくは0〜2μC/cm2、特に好ましくは0〜1μC/cm2である。電子線を照射する際の基板温度は、0〜450℃が好ましく、0〜400℃がより好ましく、0〜350℃が特に好ましい。圧力は、好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明において、電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2,000mWcm-2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましく、250〜350℃が特に好ましい。重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気は、Ar、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、その用途に応じて所望の比誘電率とすることが好ましいが、比誘電率が低いことが好ましく、絶縁膜であることがより好ましい。比誘電率は、2.65以下であることが好ましく、2.60以下であることが好ましく、2.55以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、機械強度に優れる膜であり、高いヤング率を有していることが好ましい。前記膜のヤング率は、5GPa以上であることが好ましく、6〜12GPaであることがより好ましい。
なお、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、比誘電率及びヤング率がいずれも上記範囲内であることが特に好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜における比誘電率の測定方法としては、公知の方法を用いることができ、フォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出することが好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜におけるヤング率の測定方法としては、公知の方法を用いることができ、MTS社ナノインデンターSA2を使用して測定することが好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、機械強度に優れる膜であり、高いヤング率を有していることが好ましい。前記膜のヤング率は、5GPa以上であることが好ましく、6〜12GPaであることがより好ましい。
なお、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、比誘電率及びヤング率がいずれも上記範囲内であることが特に好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜における比誘電率の測定方法としては、公知の方法を用いることができ、フォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出することが好ましい。
また、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜におけるヤング率の測定方法としては、公知の方法を用いることができ、MTS社ナノインデンターSA2を使用して測定することが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、絶縁膜として好適に使用することができ、半導体用層間絶縁膜としてより好適に使用することができる。すなわち、本発明の膜形成用組成物を使用して得られる絶縁膜は、電子デバイスに好適に使用できる。
例えば、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があってもよく、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMP(化学的機械的研磨)での剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、さらには層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けてもよい。
例えば、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があってもよく、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMP(化学的機械的研磨)での剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、さらには層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けてもよい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMPをすることができる。CMPスラリー(薬液)としては、市販のスラリー(例えば、(株)フジミインコーポレーテッド製、ロデールニッタ(株)製、JSR(株)製、日立化成工業(株)製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製、(株)荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することができる。例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することができる。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナー又はアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することもできる。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナー又はアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することもできる。
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
(実施例1)
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(A)を得た。
化合物(A)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(A)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(A)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.5GPaであった。
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(A)を得た。
化合物(A)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(A)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(A)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.55であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.5GPaであった。
(実施例2)
市販の1,3,5−ベンゼントリオール70重量部とハイドロキノンを30重量部との混合物を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに4時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(B)を得た。
化合物(B)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(B)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(B)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.50であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.0GPaであった。
市販の1,3,5−ベンゼントリオール70重量部とハイドロキノンを30重量部との混合物を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに4時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(B)を得た。
化合物(B)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(B)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(B)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.50であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.0GPaであった。
(実施例3)
市販の1,3,5−ベンゼントリオール70重量部と2,3−ジメチルハイドロキノン30重量部との混合物を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに4時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(C)を得た。
化合物(C)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(C)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(C)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.5GPaであった。
市販の1,3,5−ベンゼントリオール70重量部と2,3−ジメチルハイドロキノン30重量部との混合物を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに4時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(C)を得た。
化合物(C)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上のブロードなピークは見られず、化合物(C)はヒドロキシ基を有していないことがわかった。
化合物(C)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.5GPaであった。
(実施例4)
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(A)を得た。化合物(A)をジフェニルエーテルに完全に溶解させ、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂(株)製)を10重量部添加し、窒素気流下で内温140℃で5時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール79重量部に添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。重量平均分子量約1.4万の重合体(D)を1.0重量部得た。
重合体(D)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.57であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.6GPaであった。
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、さらにトリビニルメトキシシランを30重量部添加し、8時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(A)を得た。化合物(A)をジフェニルエーテルに完全に溶解させ、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂(株)製)を10重量部添加し、窒素気流下で内温140℃で5時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール79重量部に添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。重量平均分子量約1.4万の重合体(D)を1.0重量部得た。
重合体(D)1.0重量部をシクロヘキサノン8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.57であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、7.6GPaであった。
(比較例1)
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(E)を得た。
化合物(E)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上におけるブロードなピークが見られ、化合物(E)はヒドロキシ基を有していることがわかった。
化合物(E)1.0重量部をn−ブタノール8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.9であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、3.5GPaであった。
市販の1,3,5−ベンゼントリオール100重量部を窒素気流下で215℃に加熱し、溶融させた。溶融後、水酸化カリウム50%水溶液を18重量部添加した。その後、分留管にて水を除去し、さらに6時間反応させた。反応終了後、メチルイソブチルケトンを1,500重量部加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで水洗後、加熱減圧し、溶媒を除去し、化合物(E)を得た。
化合物(E)をフーリエ変換赤外分光光度計により測定したところ、3,200cm-1以上におけるブロードなピークが見られ、化合物(E)はヒドロキシ基を有していることがわかった。
化合物(E)1.0重量部をn−ブタノール8重量部に完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で、200℃で60秒間加熱し、溶剤を乾燥させた後、さらに窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローバ及び横川ヒューレットパッカード社製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.9であった。
また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定したところ、3.5GPaであった。
Claims (4)
- 下記式(A)で表される構造及び下記式(B)で表される構造を少なくとも1つ有する化合物、及び/又は、前記化合物を少なくとも用いて重合した重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
- 有機溶剤を含む請求項1に記載の膜形成用組成物。
- 請求項1又は2に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
- 請求項3に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
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JP2008045863A JP2009203309A (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイス |
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JP2008045863A JP2009203309A (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイス |
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JP2008045863A Pending JP2009203309A (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 膜形成用組成物、絶縁膜、及び、電子デバイス |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022239631A1 (ja) * | 2021-05-11 | 2022-11-17 | 旭化成株式会社 | 新規末端変性ポリフェニレンエーテルおよび末端変性ポリフェニレンエーテル組成物 |
-
2008
- 2008-02-27 JP JP2008045863A patent/JP2009203309A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022239631A1 (ja) * | 2021-05-11 | 2022-11-17 | 旭化成株式会社 | 新規末端変性ポリフェニレンエーテルおよび末端変性ポリフェニレンエーテル組成物 |
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