JP2009215114A - 水素発生用カートリッジ - Google Patents

水素発生用カートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2009215114A
JP2009215114A JP2008061379A JP2008061379A JP2009215114A JP 2009215114 A JP2009215114 A JP 2009215114A JP 2008061379 A JP2008061379 A JP 2008061379A JP 2008061379 A JP2008061379 A JP 2008061379A JP 2009215114 A JP2009215114 A JP 2009215114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
gallium
hydrogen
water
cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008061379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5344830B2 (ja
Inventor
Hidekazu Ido
秀和 井戸
Kenichi Oe
憲一 大江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco Research Institute Inc
Original Assignee
Kobelco Research Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco Research Institute Inc filed Critical Kobelco Research Institute Inc
Priority to JP2008061379A priority Critical patent/JP5344830B2/ja
Publication of JP2009215114A publication Critical patent/JP2009215114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5344830B2 publication Critical patent/JP5344830B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract


【課題】本発明は、効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能な水素発生用カートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】容器3内に水素発生用組成物1と水2が隔壁4によって予め分離されて収容され、水素の発生が必要な時には、容器3の右壁に密閉され取付けられたボルト5を回すことにより、ボルト5の先端が隔壁4を破り、水素発生用組成物1と水2が接触し、水素7を発生し、水素取出し口6より外部に取出せるように構成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素発生用組成物を用いた水素発生用カートリッジに関する。
近年、環境負荷を低減する技術として、燃料電池で発電される電気を動力源とする発電システムの開発が進められており、この燃料電池用の小型な水素発生カートリッジの研究開発も行なわれている(例えば、特許文献1)。
また、携帯電話に内蔵する燃料電池の開発も進められており、この燃料電池用の小型な水素発生カートリッジの研究開発も行なわれている(例えば、特許文献2)。
また、水素発生装置に内蔵する水素発生用カートリッジの研究開発も行なわれている(例えば、特許文献3)。
上記特許文献1には、カートリッジ1が第1室3と第2室2からなり、第1室には第1の液体原料6、第2室には第1の液体原料と反応して水素を発生さす第2の液体原料5がそれぞれ収容され、第2室が陰圧状態にされたとき、第1の液体原料を第2室に移送できるようにする連結手段と、第2室が所定量以上の液体量になったとき、過剰の液体を第1室に戻す移送手段とを備え、さらに第2室には発生した水素の排出口16を有し、第1室には前記連結手段と結合され、第1の液体原料を収容する伸縮自在な袋体4を有することを特徴とする燃料電池用水素発生カートリッジが開示されている。
また、上記特許文献2には、複数の収容室11が区画されて設けられ、各収容室11に、反応液と反応して水素ガスを発生する水素発生剤が収容される第1カートリッジ10と、これに対して着脱自在に取り付けられ、1つの収容室11Aに収容される水素発生剤と反応するのに必要な量の反応液が収容される第2カートリッジ20とを備え、第2カートリッジ20を第1カートリッジ10に取り付けた際に、1つの収容室11Aに対し、第2カートリッジ20内の反応液を供給可能に連結する手段と、発生した反応物を第2カートリッジ20側に取り込む手段と、反応液を消費後、反応物と共に第2カートリッジ20を取り外す手段と、この取り外し後に、残りの収容室11B,11Cのうちの1つに対して、新たに装着する第2カートリッジ20内の反応液を供給可能に連結する手段とを備えたことを特徴とする燃料電池用水素発生カートリッジが開示されている。
また、上記特許文献3には、容器1のスタート電極3A上に、反応金属体9を内蔵した水素発生用カートリッジ200を設け、このカートリッジ200内に水2を供給して電熱化学反応又は熱化学反応によって水素を発生させ、反応後の残滓をカートリッジ200内に残して廃棄する構成であることを特徴とする水素発生用カートリッジが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された技術には以下のような問題点が存在す
る。
すなわち、特許文献1に記載の燃料電池用水素発生カートリッジでは、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を用いるため、カートリッジを構成する材料に耐酸性、かつ、耐アルカリ性の材料しか使用できないといった問題があった。
また、特許文献2に記載の燃料電池用水素発生カートリッジでは、水素発生剤が粉体や粉体を成形した形態であるため、水を水素発生剤に対して均一に分布させて、反応させることが難しい。また、この水素発生剤では、その内部まで反応させることが困難であり、極めて非効率であるといった問題があった。
また、特許文献3に記載の水素発生用カートリッジでは、このカートリッジを構成する本体と蓋部との間のアーク放電による発熱の助けをかり、反応金属体と水とを反応させて水素を発生させる方法であるため、高電圧を必要とするといった問題があった。
特開2005−63698号公報 特開2007−230828号公報 特開平8−175801号公報
本発明の目的は、効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能な水素発生用カートリッジを提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物並びに水と、前記水素発生用組成物と水とを予め分離する隔壁と、前記水素発生用組成物と水とを接触させるための媒介手段とを備え、
前記媒介手段を作動させることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生用カートリッジである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記媒介手段は、前記隔壁を破ることが可能な針式機構、もしくは、捩じ込み式機構、または、前記隔壁を回転可能とする可動機構のいずれかである。
請求項3に記載の発明は、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物と、前記容器に設けられた水を受け入れるための受水口とを備え、
前記受水口から前記水を所定量受け入れることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生用カートリッジである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の発明において、
前記水素発生用組成物は、
前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め混合された形態であるか、
または、
前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め接触しており、前記金属元素が前記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であるか、
もしくは、
前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め分離しており、所定の操作に基づき前記ガリウム系金属と前記金属元素とが接触し、前記金属元素が前記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であるか
のいずれかである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明において、
前記ガリウム系金属は、スズとガリウムを含有した第1の金属、銀とガリウムを含有した第2の金属、ガリウムからなる第3の金属、または、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を含有した第4の金属から選択される少なくとも1種である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1の金属は、スズがW%(%は、質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記式(1)〜(6)を満たし、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である。
0<W≦96 … (1)
4≦X<100 … (2)
X=100-W … (3)
0<Y≦55 … (4)
45≦Z<100 … (5)
Z=100-Y … (6)
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記第4の金属は、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を0.05〜1%含有したものであり、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第4の金属基準で0.1%以上である。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である。
本発明の請求項1に記載の水素発生用カートリッジは、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物並びに水と、前記水素発生用組成物と水とを予め分離する隔壁と、前記水素発生用組成物と水とを接触させるための媒介手段とを備え、
前記媒介手段を作動させることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されているため、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。
また、本発明の請求項3に記載の水素発生用カートリッジは、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物と、前記容器に設けられた水を受け入れるための受水口とを備え、
前記受水口から前記水を所定量受け入れることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されているため、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る水素発生用カートリッジは、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物並びに水と、前記水素発生用組成物と水とを予め分離する隔壁と、前記水素発生用組成物と水とを接触させるための媒介手段とを備え、
前記媒介手段を作動させることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る別の水素発生用カートリッジは、
容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物と、前記容器に設けられた水を受け入れるための受水口とを備え、
前記受水口から前記水を所定量受け入れることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする。
また、前記ガリウム系金属は、スズとガリウムを含有した第1の金属、銀とガリウムを含有した第2の金属、ガリウムからなる第3の金属、または、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を含有した第4の金属から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、前記第1の金属は、スズがW%(%は、質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記式(1)〜(6)を満たし、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上であることが好ましい。
0<W≦96 … (1)
4≦X<100 … (2)
X=100-W … (3)
0<Y≦55 … (4)
45≦Z<100 … (5)
Z=100-Y … (6)
また、前記第4の金属は、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を0.05〜1%含有したものであり、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第4の金属基準で0.1%以上であることが好ましい。
ここで、標準電極電位がガリウムより低い金属元素であるアルミニウム、マグネシウム
および亜鉛は酸によって、アルミニウム、亜鉛およびシリコンはアルカリによって、それ
ぞれ溶解し水素を発生する。しかしながら、こられの単体金属元素は中性の水に対しては
ほとんど反応しない。これは、中性の水に含まれる水素イオン濃度が低いためと、各単体
金属元素の表面に酸化皮膜(または水酸化物皮膜)が形成されて内部を保護するためであ
る。
これに対して、上記本発明に係る水素発生用カートリッジで用いる水素発生用組成物は、中性の水でも水素を発生する。この水素発生の機構は以下のように考えられる。
例えば、上記ガリウム系金属を構成する代表的なガリウム、スズおよび銀について、まず考察してみると、次のようなことが明らかである。すなわち、ガリウムはpH3程度までの酸性の水に対しても安定であり、ほとんど消耗しない。また、スズはpH1〜2程度までの強酸性の水に対しても安定であり、ほとんど消耗しない。さらに、銀は水素より標準電極電位が高いため通常の酸、アルカリに対しても消耗しない。
したがって、例えば、このように水に対して安定なスズ−ガリウムをそれぞれ上記所定量の割合で含有した金属(以下、スズ−ガリウム系金属と称す)に、標準電極電位がガリウム(−0.56V)より低い(当然、スズ(−0.1375V)よりも低い)金属元素を添加すると、添加金属元素が選択的に水と反応することになる。また、水との反応によって添加金属元素の表面に形成される酸化皮膜(または水酸化物皮膜)は、添加金属元素を単体で用いたときにその表面に生成されるような通常の緻密な酸化皮膜ではなく、欠陥の多い疎な酸化皮膜になると推定される。さらに、この疎な酸化皮膜は、上記添加金属元素の選択的な消費による体積変化等によって容易に破壊され、また、発生する水素の気泡によって剥離し、内部の添加金属元素と水とが容易に接触して反応が進行する。したがって、このような上記スズ−ガリウム系金属と添加金属元素とを有した水素発生用組成物と、水とを必要な時に接触させれば、前記水素発生用組成物中に拡散している上記添加金属元素が酸化され、上記容器内の水の中にイオンとして溶け出す。これと引き換えに水の中の水素イオンが還元され、水素となって発生するものと考えられる。
ここで、スズ−ガリウム系金属におけるスズの含有量を96質量%以下に限定したのは、スズ含有量が96質量%を超えると、水素発生速度が急激に低下するためである。このようにスズ含有量が高くなると水素発生速度が急激に低下する理由は、現在のところ不明であるが、スズ−ガリウム系金属の組織等が変化することによる可能性も考えられる。また、標準電極電位がガリウム(−0.56V)より低い金属元素としては、アルミニウム(−1.66V)、マグネシウム(−2.37V)、シリコン(−0.86V)および亜鉛(−0.7628V)が、比較的安価で入手も容易なことから、好適なものとして例示できる。また、上記スズ−ガリウム系金属に添加する上記添加金属元素は、1種のみを単独で添加してもよいし、2種以上を一緒に添加してもよい。また、その添加量は、上記推定機構による水素発生効果を発揮させるため、合計量で0.1質量%以上とする。また、上記添加金属元素は、必ずしも純度の高いものに限定されるものではなく、例えば、アルミニウムの場合は、工業用アルミニウム合金でもよく、水素発生用組成物には、工業用アルミニウム合金等に含まれる鉄(Fe)、チタン(Ti)等の不避的不純物を有してもよい。さらに、これらの金属のスクラップ品やリサイクル品を用いることも可能である。また、添加量の上限は特に限定されないが、過剰に添加しても水素発生速度が徐々に鈍化する傾向を示すので、20質量%以下、さらには10質量%以下とするのがより好ましい。第1の金属としての上記スズ−ガリウム系金属と上記添加金属元素とを有した上記水素発生用組成物(ここに引用することで本明細書の一部をなすものとする特願2007−88801号に記載の水素発生用組成物、以下、スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物と称す)を、本発明に係る水素発生用カートリッジを構成する水素発生用組成物として使用することができる。
また、上記スズ−ガリウム系金属は、25℃〜30℃の室温でも液体であるため、上記添加金属元素が上記スズ−ガリウム系金属に接触するだけで、容易に上記スズ−ガリウム系金属内に溶解し、拡散する。したがって、上記水素発生用組成物は、上記スズ−ガリウム系金属と上記添加金属元素とを予め混合した形態に限定されるものではない。すなわち、上記ガリウム系金属と上記金属元素とが予め接触しており、上記金属元素が上記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であってもよし、または、上記ガリウム系金属と上記金属元素とが予め分離しており、所定の操作に基づき上記ガリウム系金属と上記金属元素とが接触し、上記金属元素が上記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であってもよい。
以上のようなさまざま形態からなる上記水素発生用組成物を用いて、本発明に係る水素発生用カートリッジを構成する場合には、下記の条件を整えさえすればよい。すなわち、
1)上記水素発生用組成物と水とが、予め容器内に収容されている場合
・上記水素発生用組成物と水とを予め分離する隔壁と、上記水素発生用組成物と水とを接触させるための媒介手段とを設けておき、水素を発生する必要がある時には、上記媒介手段を作動させることにより、上記水素発生用組成物と水とが接触するように構成されていればよい。
2)上記水素発生用組成物のみが、予め容器内に収容されている場合
・上記容器に水を受け入れるための受水口を設けておき、水素を発生する必要がある時には、前記受水口から前記水を所定量受け入れることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触するように構成されていればよい。
また、上記媒介手段は、上記水素発生用組成物と水とを隔壁により予め分離しておいたものを必要な時に接触させる機能を有するものであればよく、特定なものに限定されるものではない。例えば、隔壁を破ることが可能な針式機構、もしくは、捩じ込み式機構、または、隔壁を回転可能とする可動機構のいずれかのようなものが、好適なものとして例示できる。また、このような機械的手段に限らず、化学的手段や電気的手段等を用いることも可能である。
以上のように、上記本発明に係る水素発生用カートリッジは、さまざま形態からなる水素発生用組成物と水とを必要な時に接触できるような構成であるため、以下のような作用効果を奏する。
1)上述のような水素発生用組成物と水とを反応させる水素発生の機構に基づくものであるため、混合される添加金属元素量に対して効率的に水素を発生することができる。
2)水素発生のために熱の助けをかりる必要もないため、上記特許文献3に記載されたような高電圧も不要であり、簡易な構造とすることができる。
3)上記特許文献1に記載された酸性の水溶液やアルカリ性の水溶液を用いることなく、通常の水を用いて水素を発生することができるため、安全である。
また、上記スズ−ガリウム系金属よりさらに水に対して安定な銀とガリウムをそれぞれ
上記所定量の割合で含有した金属(以下、銀−ガリウム系金属と称す)に、標準電極電位
がガリウム(−0.56V)より低い(当然、銀(+0.8V)よりも低い)金属元素を
添加すると、添加金属元素が選択的に水と反応することになる。この銀−ガリウム系金属
を用いた場合の水素発生の機構も、上記スズ−ガリウム系金属を用いた場合と同様である
。したがって、添加金属元素と水とが容易に接触して反応が進行するため、効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生するものと考えられる。ここで、銀−ガリウム系金属における銀の含有量を55質量%以下に限定したのも、上記スズ−ガリウム系金属の場合と同様に、銀含有量が55質量%を超えると、水素発生速度が急激に低下するためである。また、標準電極電位がガリウムより低い金属元素としては、様々なものが利用可能であるが、水素発生量の点からも、また比較的安価で入手が容易な点からも、アルミニウム、マグネシウム、アルミニウムとマグネシウムの合金が、より好適なものとして例示できる。また、この添加金属元素も上記スズ−ガリウム系金属の場合と同様に、1種のみを単独で添加してもよいし、2種以上を一緒に添加してもよい。例えば、アルミニウムとマグネシウムの合金の添加の場合は、アルミニウム単独の添加に比べて、水素発生速度が高くなる。また、その添加量は、上記推定機構による水素発生効果を発揮させるため、合計量で0.1質量%以上とする。また、上記添加金属元素は、必ずしも純度の高いものに限定されるものではなく、例えば、アルミニウムの場合は、工業用アルミニウム合金でもよく、水素発生用組成物には、工業用アルミニウム合金等に含まれる鉄、チタン等の不可避的不純物を有してもよい。さらに、これらの金属のスクラップ品やリサイクル品を用いることも可能である。また、添加量の上限は特に限定されないが、過剰に添加しても水素発生速度が徐々に鈍化する傾向を示すので、25質量%以下、さらには20質量%以下とするのがより好ましい。第2の金属としての上記銀−ガリウム系金属と上記添加金属元素とを有した上記水素発生用組成物(ここに引用することで本明細書の一部をなすものとする特願2007−259022号に記載の水素発生用組成物、以下、銀−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物と称す)を、本発明に係る水素発生用カートリッジを構成する水素発生用組成物として使用することができる。
また、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を上記所定量の割合で含有した金属(以下、鉄−ガリウム系金属等と総称する)に、上記標準電極電位がガリウムより低い金属元素を添加してなる水素発生用組成物が存在することで、添加金属元素が選択的に水と反応することになる。この鉄−ガリウム系金属等を用いた場合の水素発生の機構も、上記スズ−ガリウム系金属や銀−ガリウム系金属を用いた場合と同様である。したがって、添加金属元素と水とが容易に接触して反応が進行するため、効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生するものと考えられる。第4の金属としての上記鉄−ガリウム系金属等に対する添加金属元素としてのアルミニウムの添加量が、0.1質量%以上である水素発生用組成物(例えば、ここに引用することで本明細書の一部をなすものとする特願2008−11769号に記載の水素発生用組成物、以下、鉄−ガリウム系金属等からなる水素発生用組成物と称す)を、本発明に係る水素発生用カートリッジを構成する水素発生用組成物として使用することができる。また、上記鉄−ガリウム系金属等に対する添加金属元素としては、アルミニウムに限定されるものではなく、マグネシウム、シリコンおよび亜鉛が、比較的安価で入手も容易なことから、好適なものとして例示できる。すなわち、前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量が、前記第4の金属基準で0.1質量%以上である条件を満足しさえすればよい。
また、第3の金属として、実質的にガリウムのみからなる金属(その他は不可避不純物)を用いても、効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生するものと考えられる。しかし、上記ガリウム系金属としては、第1、第2または第4の金属を用いるのが、水素の発生効率の点からより好ましい。
また、上記第1の金属、第2の金属、第3の金属、または、第4の金属を、それぞれ単独で用いることに限定されるものではなく、それぞれを組み合わせることも可能である。
以上のように、上記銀−ガリウム系金属および鉄−ガリウム系金属等からなる水素発生用組成物も上記スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物と同様に、基本的に水素を連続的に発生させる潜在能力を備えているため、後は水素発生用カートリッジとしてこの潜在能力を引き出すために、上記スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物を用いた場合と同様な条件を整えさえすればよい。これにより、水素発生用カートリッジとして、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。
また、上記スズ−ガリウム系金属、銀−ガリウム系金属、または、鉄−ガリウム系金属等からなる水素発生用組成物ともに接触させる水としては、完全に中性であるpH7の純水を用いることも可能であるが、当然、通常の水(安価な水道水)を用いることが推奨される。また、地下水を用いることも可能である。さらに、水素発生反応を促進するため、上記スズ−ガリウム系金属、銀−ガリウム系金属、または、鉄−ガリウム系金属等が腐食しない程度に弱酸性または弱アルカリ性としてもよい。なお、水は特に加熱する必要はなく、室温でも良いし、40℃程度等に加熱しても良い。また、水は液体状に限定されるものでなく、気体状であることも可能である。
また、上記各種の水素発生用組成物と水との接触方法としては、後記実施例に示すようにさまざま方式が考えられる。
また、上記本発明に係る水素発生用カートリッジであれば、水素発生が完了後に、このカートリッジを交換しさえすれば、再び水素を発生させることが可能である。さらに、上記交換されたカートリッジを回収し、このカートリッジ内で分離して存在する上記ガリウム系金属と副生物(例えば、水酸化アルミニウム)を別々にリサイクルすることもできる。
以下、本発明の水素発生用カートリッジの実施例について図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図である。図1において、1は添加金属元素としてアルミニウムが予め混合された上述のスズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物、2は水、3は水素発生用組成物1と水2を収容するための容器、4はスズ−ガリウム系金属1と水2とを予め分離しておくための容器3に固定された樹脂からなる隔壁、5は媒介手段としての水もしくはガリウムと反応しない金属であるステンレススチール製のボルト、6は容器3に設けられた水素取出し口、7は水素である。また、ボルト5は容器3に対してシールされているため、水2が漏れることもない。上記隔壁4を形成する樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂が使用できる。また、樹脂以外に、セラミックス、ガラス等も使用可能である。
次に、水素発生用カートリッジにおいて、水素が発生する動作について説明する。
上述のスズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物1は、室温でも液体として粘性の低い状態を呈している。この水素発生用組成物1と水2は、初期状態としては、隔壁4によって予め分離されているが、水素の発生が必要な時には、容器3の右壁に密閉され取付けられたボルト5を回し、ボルト5の先端側に進めることにより、ボルト5の先端が隔壁4を破り、水素発生用組成物1と水2が接触し、上述の水素発生機構に基づき、水素7が発生する。この水素7が水素取出し口6より外部に放出される。以上のように、水素発生用カートリッジとして、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。なお、容器3の左壁側からボルト5を押し進める構成としても良い。
本実施例においては、水素発生用組成物1として、スズ−ガリウム系金属とアルミニウムが予め混合された形態について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、スズ−ガリウム系金属とアルミニウムとが予め接触しており、アルミニウムがスズ−ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であってもよし、または、スズ−ガリウム系金属とアルミニウムとが予め分離しており、所定の操作に基づきスズ−ガリウム系金属とアルミニウムとが接触し、アルミニウムがスズ−ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であってもよい。
また、本実施例においては、水素発生用組成物1と水2とを接触させるための媒介手段として、捩じ込み式機構であるボルト5を用いた例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、必要な時に水素発生用組成物1と水2とを接触させる機能を有するものであればよい。例えば、隔壁を破ることが可能な針式機構(例えば、薄膜状の樹脂シートを金属製のピンで破るような構成)、または、隔壁を回転可能とする可動機構のいずれか又は組合せのようなものでもよい。また、これらの機構の内から選択した1種類の機構を複数設けてもよいし、これらの機構の内から選択した異種類の機構を複数設けてもよい。また、本実施例においては、ボルト5の材質として、水もしくはガリウムと反応しない金属としてのステンレススチール製を用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、セラミックス、ガラス、樹脂のいずれか又は複合体等、さまざまな物が使用可能である。さらに、上述のような機械的手段によらず、電気化学的手段を用いることも可能である。この電気化学的手段は、例えば隔壁4を薄膜状の鉄で形成し、これを陽極とし、ボルト5を陰極として、水(硫酸ナトリウム水溶液)を介して通電し、この隔壁を電気化学的に溶解し、水素発生用組成物1と水(硫酸ナトリウム水溶液)とを接触させる構成のものである。
また、本実施例においては、隔壁の材質として樹脂を用いた例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば上述した媒介手段として隔壁を回転可能とする可動機構を採用するような場合は、隔壁の材質として、水もしくはガリウムと反応しない金属を用いることもできる。
また、本実施例においては、標準電極電位がガリウムより低い金属元素としてアルミニウムを用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、マグネシウム、アルミニウムとマグネシウムの合金、シリコン、亜鉛、チタン、ランタン、セリウムを単独で用いる場合やアルミニウム、マグネシウムとシリコンの合金のような3種以上を一緒に用いる場合、ランタンとセリウムの合金(ミッシュメタル)を用いる場合は割愛したが、いずれの金属元素もガリウムより標準電極電位が低いため、当然、これらの金属元素すべてが選択的に水と反応するので、上記発明例と同様の作用効果が得られることが明らかである。
また、本実施例においては、水素発生用組成物1を構成するガリウム系金属として、第1の金属としてのスズ−ガリウム系金属について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、上述の第2の金属としての銀−ガリウム系金属、第3の金属としてのガリウムや第4の金属としての鉄−ガリウム系金属等を用いることもできる。また、上記第1の金属、第2の金属、第3の金属、または、第4の金属を、それぞれ単独で用いることに限定されるものではなく、それぞれを組み合わせることも可能である。
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図である。本実施例において、実施例1と同一の構成要素については、同一の番号を付与して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳述する。図2において、8は容器3に固定され、水が含浸され、かつ、上述のスズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物1と分離するための隔壁としての機能も有した吸水性樹脂である。
次に、この水素発生用カートリッジにおいて、水素が発生する動作について説明する。
この水素発生用組成物1と吸水性樹脂8は、初期状態としては、物理的には接触しているが、水素発生用組成物1と吸水性樹脂8内の水(図示せず)とが直接接触することがないように構成されている。ただし、水素の発生が必要な時には、容器3の右壁に密閉され取付けられたボルト5を回すことにより、ボルト5の先端が吸水性樹脂8を加圧し、吸水性樹脂8内から水が押し出され、この水が水素発生用組成物1と接触し、上述の水素発生機構に基づき、水素7が発生する。この方式によれば、ボルト5の捩じ込む量を調整することにより、吸水性樹脂8からの水の放出量を調節できるため、その結果として水素の発生量を調節することも可能となる。上記吸水性樹脂8としては、アクリル酸―ビニルアルコール共重合体やポリアクリル酸ナトリウム等が使用可能である。以上のように、水素発生用カートリッジとして、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。
また、本実施例においては、水素発生用組成物1として、スズ−ガリウム系金属とアルミニウムが予め混合された形態について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、実施例1同様に、さまざまな形態が考えられる。
また、本実施例においては、水素発生用組成物1と水2とを接触させるための媒介手段として、捩じ込み式機構であるボルト5を用いた例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、吸水性樹脂8を加圧し、吸水性樹脂8内から水が押し出せる機能を有するものであればよい。
また、本実施例においては、吸水性樹脂8自体に水素発生用組成物1と水とを分離するための隔壁としての機能を有しているため、別途隔壁を設ける必要がないが、積極的に隔壁を別途設けることも可能である。例えば、吸水性樹脂自体は、吸水性の機能のみ有し、吸水性樹脂と水素発生用組成物1との間に隔壁を設け、上記ボルト5を回すことにより、ボルト5の先端が隔壁を破り、さらに吸水性樹脂を加圧し、吸水性樹脂内から水が押し出され、水素発生用組成物1と水が接触し、水素7を発生するような構成であってもよい。
また、標準電極電位がガリウムより低い金属元素に関しては、実施例1に記載されたものと同様な、さまざまなものが使用可能である。
また、水素発生用組成物を構成するガリウム系金属に関しては、実施例1に記載されたものと同様な、さまざまなものが使用可能である。
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図であって、(a)は水を容器に供給する様子を説明する模式断面図、(b)は水素発生用組成物と水とが接触し、水素を発生する様子を説明する模式断面図である。本実施例において、実施例1と同一の構成要素については、同一の番号を付与して詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ詳述する。図3において、10は容器12に固定され、上述のスズ−ガリウム系金属が含浸された樹脂からなる不織布、11は不織布10に接触するように設けられた添加金属元素としての標準電極電位がガリウムより低い金属元素のアルミニウム、13は容器12の底に設けられた水2を受け入れるための受水口、14は受水口13に対応して容器12の底に設けられた逆止弁、15は容器12に設けられた水素取出し口である。
次に、この水素発生用カートリッジにおいて、水素が発生する動作について説明する。
図3(a)において、アルミニウム11が不織布10内のスズ−ガリウム系金属に初期段階から溶け出せる状態にあり、アルミニウム11がスズ−ガリウム系金属内に自然に拡散し水素発生用組成物が合成される点が特徴的である。また、水素発生が必要な時に、受水口13へ水2を供給すると逆止弁14が開き、水2を容器12内に導くことが可能なように構成されている。また、図3(b)に示すように、所定量の水2が収容された後は、逆止弁14が閉じ、収容された水2が上記水素発生用組成物と接触し、上述の水素発生機構に基づき、水素7が発生する。この水素7が水素取出し口15より外部に放出される。この方式によれば、受水口13から供給する水2の量をを調整することにより、その結果として水素の発生量を調節することも可能となる。以上のように、水素発生用カートリッジとして、必要な時に効率的で、簡易に、かつ、安全に水素を発生させることが可能である。
本実施例においては、水素発生用組成物1として、不織布10内に含浸されたガリウム系金属としてのスズ−ガリウム系金属と添加金属元素としてのアルミニウム11とが予め接触しており、アルミニウムがスズ−ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、ガリウム系金属と添加金属元素とが予め混合された形態であってもよし、または、ガリウム系金属と添加金属元素とが予め分離しており、所定の操作に基づきガリウム系金属と添加金属元素とが接触し、添加金属元素がガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であってもよい。
また、本実施例においては、ガリウム系金属としてのスズ−ガリウム系金属を含浸させる形態として不織布を用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、ガリウム系金属内に添加金属元素が順次拡散でき、かつ、混合された後の水素発生用組成物と水とが接触可能な機能を有していればよい。例えば、不織布以外にも多孔質体状、発泡体状、または、網状のいずれか又はこれらの組合せ等、さまざまな物が使用可能である。また、材質として、樹脂を用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、水もしくはガリウムと反応しない金属(例えば、ステンレススチール)、セラミックス、ガラスのいずれか又は複合体等、さまざまな物が使用可能である。
また、標準電極電位がガリウムより低い金属元素に関しては、実施例1および2に記載されたものと同様な、さまざまなものが使用可能である。
また、水素発生用組成物を構成するガリウム系金属に関しては、実施例1および2に記載されたものと同様な、さまざまなものが使用可能である。
また、本実施例においては、受水口13から供給する水2としては、液体について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、気体状であることも可能である。
また、上記実施例1〜3のいずれの場合においても、上述のスズ−ガリウム系金属、銀−ガリウム系金属、または、鉄−ガリウム系金属等からなる水素発生用組成物ともに接触させる水としては、完全に中性であるpH7の純水を用いることも可能であるが、当然、通常の水(安価な水道水)を用いることが推奨される。また、地下水を用いることも可能である。さらに、水素発生反応を促進するため、上記スズ−ガリウム系金属、銀−ガリウム系金属、または、鉄−ガリウム系金属等が腐食しない程度に弱酸性または弱アルカリ性としてもよい。なお、水は特に加熱する必要はなく、室温でも良いし、40℃程度等に加熱しても良い。
また、上記実施例1〜3のいずれの場合においても、水素発生が完了後に、このカートリッジを交換しさえすれば、再び水素を発生させることが可能である。さらに、上記交換されたカートリッジを回収し、このカートリッジ内で分離して存在する上記ガリウム系金属と副生物(例えば、水酸化アルミニウム)を別々にリサイクルすることもできる。
本発明の実施例1の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例2の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例3の水素発生用カートリッジの概略構成を示す模式断面図であって、(a)は水を容器に供給する様子を説明する模式断面図、(b)は水素発生用組成物と水とが接触し、水素を発生する様子を説明する模式断面図である。
符号の説明
1 水素発生用組成物
2 水
3、12 容器
4 隔壁
5 ボルト
6、15 水素取出し口
7 水素
8 吸水性樹脂
10 不織布
11 アルミニウム
13 受水口
14 逆止弁

Claims (8)

  1. 容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物並びに水と、前記水素発生用組成物と水とを予め分離する隔壁と、前記水素発生用組成物と水とを接触させるための媒介手段とを備え、
    前記媒介手段を作動させることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生用カートリッジ。
  2. 前記媒介手段は、前記隔壁を破ることが可能な針式機構、もしくは、捩じ込み式機構、または、前記隔壁を回転可能とする可動機構のいずれかである請求項1に記載の水素発生用カートリッジ。
  3. 容器と、この容器に収容されたガリウム系金属および標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を有した水素発生用組成物と、前記容器に設けられた水を受け入れるための受水口とを備え、
    前記受水口から前記水を所定量受け入れることにより、前記水素発生用組成物と前記水とが接触し、水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生用カートリッジ。
  4. 前記水素発生用組成物は、
    前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め混合された形態であるか、
    または、
    前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め接触しており、前記金属元素が前記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であるか、
    もしくは、
    前記ガリウム系金属と前記金属元素とが予め分離しており、所定の操作に基づき前記ガリウム系金属と前記金属元素とが接触し、前記金属元素が前記ガリウム系金属内に順次拡散されてなる形態であるか
    のいずれかである請求項1〜3に記載の水素発生用カートリッジ。
  5. 前記ガリウム系金属は、スズとガリウムを含有した第1の金属、銀とガリウムを含有した第2の金属、ガリウムからなる第3の金属、または、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を含有した第4の金属から選択される少なくとも1種である請求項1〜4に記載の水素発生用カートリッジ。
  6. 前記第1の金属は、スズがW%(%は、質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記式(1)〜(6)を満たし、
    前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である請求項5に記載の水素発生用カートリッジ。
    0<W≦96 … (1)
    4≦X<100 … (2)
    X=100-W … (3)
    0<Y≦55 … (4)
    45≦Z<100 … (5)
    Z=100-Y … (6)
  7. 前記第4の金属は、ガリウムに鉄、銅、ゲルマニウム、アンチモンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を0.05〜1%含有したものであり、前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素の合計量は、前記第4の金属基準で0.1%以上である請求項5に記載の水素発生用カートリッジ。
  8. 前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である請求項6または7に記載の水素発生用カートリッジ。
JP2008061379A 2008-03-11 2008-03-11 水素発生用カートリッジ Expired - Fee Related JP5344830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008061379A JP5344830B2 (ja) 2008-03-11 2008-03-11 水素発生用カートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008061379A JP5344830B2 (ja) 2008-03-11 2008-03-11 水素発生用カートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009215114A true JP2009215114A (ja) 2009-09-24
JP5344830B2 JP5344830B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=41187378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008061379A Expired - Fee Related JP5344830B2 (ja) 2008-03-11 2008-03-11 水素発生用カートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5344830B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015011846A1 (ja) * 2013-07-26 2015-01-29 Takehara Takashi 水素生成器、及び、水素生成容器

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57123801A (en) * 1980-12-31 1982-08-02 Ibm Method of simultaneously generating energy of heat and hydrogen type
JPH02126289U (ja) * 1989-03-28 1990-10-17
JPH07300301A (ja) * 1994-05-10 1995-11-14 Hitachi Ltd 水素ガス製造装置
JP2002161325A (ja) * 2000-11-20 2002-06-04 Ulvac Japan Ltd アルミニウム合金、水素ガス発生方法、水素ガス発生器及び発電機
JP2005268714A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Shin Etsu Handotai Co Ltd オーミック電極の形成方法及び半導体素子
JP2007230828A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Nitto Denko Corp 水素発生装置及び水素発生方法
WO2008004428A1 (fr) * 2006-07-05 2008-01-10 Central Glass Company, Limited Procédé de génération d'hydrogène, alliage générant de l'hydrogène et procédé de fabrication d'un tel alliage
JP2008038207A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Hitachi Cable Ltd 導電用アルミニウム合金配線材料及びそれを用いた配線材

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57123801A (en) * 1980-12-31 1982-08-02 Ibm Method of simultaneously generating energy of heat and hydrogen type
JPH02126289U (ja) * 1989-03-28 1990-10-17
JPH07300301A (ja) * 1994-05-10 1995-11-14 Hitachi Ltd 水素ガス製造装置
JP2002161325A (ja) * 2000-11-20 2002-06-04 Ulvac Japan Ltd アルミニウム合金、水素ガス発生方法、水素ガス発生器及び発電機
JP2005268714A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Shin Etsu Handotai Co Ltd オーミック電極の形成方法及び半導体素子
JP2007230828A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Nitto Denko Corp 水素発生装置及び水素発生方法
WO2008004428A1 (fr) * 2006-07-05 2008-01-10 Central Glass Company, Limited Procédé de génération d'hydrogène, alliage générant de l'hydrogène et procédé de fabrication d'un tel alliage
JP2008038207A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Hitachi Cable Ltd 導電用アルミニウム合金配線材料及びそれを用いた配線材

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015011846A1 (ja) * 2013-07-26 2015-01-29 Takehara Takashi 水素生成器、及び、水素生成容器
WO2015011847A1 (ja) * 2013-07-26 2015-01-29 Takehara Takashi 水素生成器、及び、水素生成容器
JPWO2015011846A1 (ja) * 2013-07-26 2017-03-02 隆 竹原 水素生成器、及び、水素生成容器
US10287163B2 (en) 2013-07-26 2019-05-14 Takashi TAKEHARA Hydrogen generation container with air-permeable and water-impermeable films
TWI660918B (zh) * 2013-07-26 2019-06-01 竹原隆 水素水生成器和水素水生成容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5344830B2 (ja) 2013-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Du Preez et al. Hydrogen generation by the hydrolysis of mechanochemically activated aluminum-tin-indium composites in pure water
Huang et al. A review: Feasibility of hydrogen generation from the reaction between aluminum and water for fuel cell applications
US20080190781A1 (en) Electrochemical Method for Producing and Storing Hydrogen by the Redox of Zinc and Water
JP2005520759A (ja) 化学的水素化物水素生成システム及びそれを備えたエネルギーシステム
WO2007120757A2 (en) Hydrogen fuel cartridge and methods for hydrogen generation
CN111971417B (zh) 用于生成气体的系统和方法
JP2007063113A (ja) 水素発生設備及び燃料電池システム
JP5753987B1 (ja) 水素発生合金、水素発生合金の製造方法、水素発生カートリッジ、水素製造装置、水素製造方法及び燃料電池システム
JP5344830B2 (ja) 水素発生用カートリッジ
JP4838952B2 (ja) 水素ガス生成装置及び発電機
JP2006056753A (ja) 水素発生方法、水素発生装置及び燃料電池システム
CN102306758A (zh) 一种镁干电池
JP4368284B2 (ja) 水素ガス発生装置、水素ガスの製造方法および燃料電池
JP2006273609A (ja) 水素発生装置およびそれを用いた燃料電池
JP2011011965A (ja) 水素酸素発生装置およびこれを用いた燃料電池システム
CN202333035U (zh) 一种复合型电极海水电池
JP5208532B2 (ja) 水素発生装置
US20090263690A1 (en) Apparatus for generating hydrogen and fuel cell power generation system having the same
Park et al. A small-scale and portable 50 W PEMFC system that automatically generates hydrogen from a mixture of Al, CaO, NaOH and sodium CMC in water without external power supply
JP2009298607A (ja) 水素製造方法および水素製造装置、ならびに燃料電池システム
JP2009155190A (ja) 水素ステーション
JP2010017700A (ja) 軽量構造材の廃材利用方法。
KR101449034B1 (ko) 화학적 수소화물을 이용한 수소발생장치
JP2008273827A (ja) 水素発生装置及び燃料電池発電システム
JP2016509570A (ja) アルミニウムとの反応により水素を生成する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5344830

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees