JP2009214168A - 自動肉盛熔接システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】肉盛熔接による表面改質であって、熔加材供給手段と、母材表面部を予熱する火炎トーチと、火炎トーチにて予熱される母材表面部に向けて照射する光源と、当該母材表面部で反射した反射光を受光する受光器とを備え、母材表面薄層の熔融による表面平滑化現象を受光強度変化として検知し、熔接条件を自動制御する制御部を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
金属表面に母材と異なる金属や合金を肉盛する方法としては、各種肉盛熔接法が提案されているが、母材の熔け込み量が多いとそれだけ肉盛用の金属や合金が母材に希釈されるために肉盛効果が不充分になる場合がある。
そこで、母材の熔け込み量を少なく抑える熔接方法としてアセチレンガス熔接法が採用されている。
しかし、アセチレンガス熔接法は、アセチレン過剰炎のフェザ炎により母材を予熱することで、母材表面の薄層部分が熔融し、いわゆる汗ばみ現象を確認し、その上に熔加材を熔融滴下し凝固することで冶金的接合が得られる肉盛方法であることから、高度な技術と熟練が必要であり、自動化は困難とされてきた。
特開2005−334957号公報には、熔接部から発生するレーザやプラズマの散乱光よりも高輝度の照明用短パルスレーザ光及びファンビームを照射し、高速度シャッタカメラで熔接部を撮影する可視化装置を開示するが、この技術も熔融池及びその周辺の凹凸形状を可視化できても母材表面の汗ばみ現象を可視化できるものではない。
特開2000−351071号公報には、熔融池の特徴を赤外線カメラでとり込んだ撮像データを画像処理し、目標値と比較制御する自動熔接システムを開示するが、この技術も母材表面の汗ばみ現象を識別できるものではない。
また、ガス熔接において、加熱された母材温度を検知して熔加材の供給を開始する技術(特開昭52−74553号公報)や、放射温度計により母材表面の融点を計測する技術も考えられるが、母材の融点を予め把握しておくことは容易でないことに加えて、予熱時に浸炭や酸化により予熱部の融点が変化する問題がある。
また、放射温度計の場合には、放射率が対象物の表面状態や材質により変化するために、正確な測定そのものが容易ではない。
即ち、本発明はこの汗ばみ現象により、母材表面からの光の反射が顕著になることに着目したことにより完成したものである。
光源から特定の波長の光を母材表面に照射し、その反射光を受光器で検知するようにすると、予熱された母材表面に熔融薄層ができ、汗ばみ現象が現れた際には、母材表面が平滑になり反射率が高くなるように変化するために、受光強度が高くなる。
従って、この受光強度が所定の値より高くなることで汗ばみ現象を検知することができる。
よって、照射する光の波長は、炎の光など外乱光の波長と異なる波長を選ぶのが好ましく、例えば緑色の波長であってもよい。
また、光源は、電気信号による照射強度変調手段を有し、受光器は、反射光強度を電気信号に変換する受光電気信号変換手段を有し、光源側の電気信号と受光電気信号との同期検波による信号処理部を有し、外乱光要因による影響を低減するとさらによい。
ここで、火炎トーチ、光源及び受光器の母材に対する相対的な位置を走査制御すれば母材表面全体を自動制御できる。
これにより、光の反射強度から汗ばみ現象が検知できることになり、アセチレンガス熔接の自動化が可能になることから、従来は職人の技量差により生じていた品質のばらつきを低減できる。
このような装置を用いると経験の浅い職人が汗ばみ現象を見極める際の参照装置として活用できる。
図1にシステムの構成を模式的に示す。
肉盛の対象となる金属の母材1に対して、アセチレンガスの火炎トーチ11がトーチ位置制御手段10にて位置制御されている。
肉盛に用いる熔加材21も母材及び火炎トーチ11との関係において、熔加材位置制御手段20にて位置制御されている。
光源41が熔接部2に向けて特定波長の光を照射するように位置制御され、熔接部2から反射してくる反射光を受光する受光器42が位置制御されている。
これらの各構成部品は信号処理・制御装置30にてシステム制御されている。
光源から照射された緑のレーザ光の熔接部で反射した反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサで受光し、反射強度及びその変化を検知する。
なお、赤外線LEDを光源として、CCDセンサ又は、フォトダイオードで受光してもよく、紫外線LEDを光源として、例えばGaN紫外線受光素子で受光してもよい。
図2の写真1に示すように、母材表面にアセチレンガスによるアセチレン過剰炎の外炎を当てて母材が十分赤熱するまで予熱した後、アセチレン過剰炎のフェザ炎を当てて母材の表面を加熱する。
すると、図2の写真2に示すように、母材表面に熔融した薄層が現われる。
これが汗ばみ現象といわれるものであり、写真1から写真2までの変化に際して、図3に示すように反射光の強度を測定したところ、母材の融点温度を境にして反射光の強度が強く変化するのが確認できた。
この汗ばみ状態を検知したとき、図2の写真3に示すように火炎内に熔加材21を供給し、母材表面に熔解滴下する。
所定の量の滴下後に熔加材21を火炎から遠ざけ、図2の写真4に示すように火炎トーチ11を横向きとし上方に移動させ、肉盛の下部から上部に向けて徐々に冷却するように制御する。
この一連の操作により、母材の熔け込み量を少なくし、肉盛金属や合金が母材にて希釈されるのを低減できる。
具体例としては、機械駆動部品、エンジン部品、バルブ類、加工工具類等が挙げられる。
さらには、金属表面の熔融状態を検知することから、汗ばみ現象以外にも試料表面の熔融状態の検知全般に応用できる可能性も有している。
2 熔接部
10 トーチ位置制御機構
11 火炎トーチ
12 火炎
21 熔加材
30 信号処理・制御装置
41 光源
42 受光器
Claims (4)
- 肉盛熔接による表面改質であって、
熔加材供給手段と、母材表面部を予熱する火炎トーチと、火炎トーチにて予熱される母材表面部に向けて照射する光源と、当該母材表面部で反射した反射光を受光する受光器とを備え、
母材表面薄層の熔融による表面平滑化現象を受光強度変化として検知し、熔接条件を自動制御する制御部を有していることを特徴とする自動肉盛熔接システム。 - 光源は、電気信号による照射強度変調手段を有し、
受光器は、反射光強度を電気信号に変換する受光電気信号変換手段を有し、光源側の電気信号と受光電気信号との同期検波による信号処理部を有し、外乱光要因による影響を低減したことを特徴とする請求項1記載の自動肉盛熔接システム。 - 熔加材供給手段と、母材表面部を予熱する火炎トーチと、火炎トーチにて予熱される母材表面部に向けて照射する光源と、当該母材表面部で反射した反射光を受光する受光器とを備え、母材表面薄層の熔融による表面平滑化現象を受光強度変化として検知し、熔接条件を自動制御する制御部を有し、
母材表面部を火炎トーチにて予熱し、
受光強度の検知により、母材表面薄層が熔融状態になると、
熔加材を火炎に挿入して、
熔加材が所定量熔融滴下すると、熔加材を火炎から遠ざけ、
肉盛下部から上部に向けて徐々に温度低下するように火炎トーチを位置制御する操作を、必要に応じてくり返し自動制御することを特徴とする自動肉盛熔接方法。 - 母材表面部を予熱する火炎トーチと、
火炎トーチにて予熱される母材表面部に向けて照射する光源と、
当該母材表面部で反射した反射光を受光する受光器とを備え、
母材表面薄層の熔融状態を受光強度変化として検知することを特徴とする金属表面熔融検出装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5250950A (en) * | 1975-10-20 | 1977-04-23 | Trw Inc | Method and device for depositing metal on surface of article |
JPS56122673A (en) * | 1980-03-04 | 1981-09-26 | Shin Meiwa Ind Co Ltd | Location detecting sensor of groove welding line |
JPS56161863A (en) * | 1980-05-16 | 1981-12-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Thick padding method for flash-smelting metal |
JPH08323477A (ja) * | 1995-03-24 | 1996-12-10 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 溶接管製造用シームセンター検出装置および溶接管の製造方法 |
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