JP2009214115A - 仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機および圧延方法 - Google Patents
仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機および圧延方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】熱延鋼板のクラウン・エッジドロップをサイクル全体にわたり小さくすることが可能な圧延機および圧延方法を提供する。
【解決手段】バレルの端部に設けた先細り部が上下で互いに逆向きになるよう、上下のワークロールをスタンドに組み込み、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせるロール軸方向シフト機構を具備した圧延機において、上下のワークロールに外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いたことを特徴とする仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機およびそれを用いた圧延方法。
【選択図】図1
【解決手段】バレルの端部に設けた先細り部が上下で互いに逆向きになるよう、上下のワークロールをスタンドに組み込み、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせるロール軸方向シフト機構を具備した圧延機において、上下のワークロールに外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いたことを特徴とする仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機およびそれを用いた圧延方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱延鋼板のクラウン・エッジドロップをサイクル全体にわたり小さくすることが可能な仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機および圧延方法に関する。
熱延鋼板は、熱間圧延工程で、鋼スラブを粗圧延し、板厚20〜50mmのシートバーとし、引き続きシートバーを仕上げ圧延機で圧延して製造される。このようにして製造される熱延鋼板に対し、クラウン・エッジドロップをますます小さくすることが強く望まれている(図8参照)。
クラウンとは、熱延鋼板の両エッジ部を除いた幅中央部分での幅方向板厚偏差であり、エッジドロップとは、熱延鋼板のエッジ両部における幅方向板厚偏差である。このクラウン・エッジドロップが制御可能な圧延機として、図1に示した圧延機が公知である(特許文献1)。
クラウンとは、熱延鋼板の両エッジ部を除いた幅中央部分での幅方向板厚偏差であり、エッジドロップとは、熱延鋼板のエッジ両部における幅方向板厚偏差である。このクラウン・エッジドロップが制御可能な圧延機として、図1に示した圧延機が公知である(特許文献1)。
図1中、Sは被圧延材、Wはワークロール、2は駆動モータを示す。3はワークロールWの端部に設けた先細り部と先細り部でない部分の境を示す。
先細り部は一般に、テーパ状に形成され、先細り部でない部分との境3から被圧延材Sのエッジまでの距離ELを有効テーパ長ELという。この有効テーパ長ELを、クラウン・エッジドロップを小さくするため、被圧延材Sの幅に応じて制御している。すなわち、図1に示した圧延機(以下、片台形ワークロールシフト圧延機ともいう)は、先細り部が被圧延材Sの両エッジ部に位置するよう、上下のワークロールWを互いにロール軸方向反対向きにシフトさせている。
先細り部は一般に、テーパ状に形成され、先細り部でない部分との境3から被圧延材Sのエッジまでの距離ELを有効テーパ長ELという。この有効テーパ長ELを、クラウン・エッジドロップを小さくするため、被圧延材Sの幅に応じて制御している。すなわち、図1に示した圧延機(以下、片台形ワークロールシフト圧延機ともいう)は、先細り部が被圧延材Sの両エッジ部に位置するよう、上下のワークロールWを互いにロール軸方向反対向きにシフトさせている。
この片台形ワークロールシフト圧延機のクラウン・エッジドロップ制御能力を十分発揮させるには、上下のワークロールWに耐摩耗性に優れるロールを組み込む必要がある。
ところで、仕上げ圧延機の上下のワークロールWに、図2(a)、(b)に示した構造のロールを組み込むことで、クラウン制御能力を維持する技術が開示されている(特許文献2、3)。
ところで、仕上げ圧延機の上下のワークロールWに、図2(a)、(b)に示した構造のロールを組み込むことで、クラウン制御能力を維持する技術が開示されている(特許文献2、3)。
図2(a)は、鋼製軸芯5の胴部に超硬合金スリーブ4を嵌め込み、鋼製側端リングで固定してなる構造のロールである。図2(b)は、超硬合金スリーブ4と鋼製軸芯5の間に鋼製緩衝材6を設けた構造のロールである。どちらも圧延部表層が超硬合金スリーブ4からなる耐摩耗性に優れたロールである。図2(c)には、一般的に用いられるロール7(ハイスロールあるいはNiグレンロール)の構造を示した。
特開昭61-2351号公報
特開2001-321804号公報
特開2004-195515号公報
しかしながら、片台形ワークロールシフト圧延機の上下のワークロールWには、ハイスロールあるいはNiグレンロールが用いられていた。このため、先細り部と先細り部でない部分の境3の近傍でロール摩耗が促進され、サイクル全体にわたりクラウン・エッジドロップを小さくすることが困難であるという問題があった。
また、片台形ワークロールシフト圧延機の上下のワークロールWに、一般的に用いられるロールのヤング率に比べてヤング率が大きい圧延部外層が超鋼合金スリーブからなるロールを用いると、以下のような問題も生じた。
(1)上下のワークロールに用いる、ロールのバレル表面の粗さが好適範囲でない場合、予測圧延荷重と実績圧延荷重とに大差が生じ、熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化する、あるいは被圧延材Sの板厚制御が不能となる。
(2)ワークロールと被圧延材S間の偏平変形が小さくなるため、一般的に用いられるロールを用いた場合と同じクラウン・エッジドロップ制御を行うと、次工程の冷間圧延工程で要求されるクラウン・エッジドロップが得られない。
また、片台形ワークロールシフト圧延機の上下のワークロールWに、一般的に用いられるロールのヤング率に比べてヤング率が大きい圧延部外層が超鋼合金スリーブからなるロールを用いると、以下のような問題も生じた。
(1)上下のワークロールに用いる、ロールのバレル表面の粗さが好適範囲でない場合、予測圧延荷重と実績圧延荷重とに大差が生じ、熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化する、あるいは被圧延材Sの板厚制御が不能となる。
(2)ワークロールと被圧延材S間の偏平変形が小さくなるため、一般的に用いられるロールを用いた場合と同じクラウン・エッジドロップ制御を行うと、次工程の冷間圧延工程で要求されるクラウン・エッジドロップが得られない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、熱延鋼板のクラウン・エッジドロップをサイクル全体にわたり小さくすることが可能な圧延機および圧延方法を提供することを目的とする。
本発明らは、クラウン・エッジドロップ制御能力を十分発揮することが可能な圧延機について鋭意検討した結果、図1に示した片台形ワークロールシフト圧延機の上下のワークロールWに、圧延部外層が超鋼合金スリーブからなるロールを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.バレルの端部に設けた先細り部が上下で互いに逆向きになるよう、上下のワークロールをスタンドに組み込み、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせるロール軸方向シフト機構を具備した圧延機において、前記上下のワークロールに圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いたことを特徴とする仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。
2.前記上下のワークロールの、バレル表面の算術平均粗さを0.5μm以上2.0μm以下とすることを特徴とする上記1.に記載の仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。
3.上記1.または2.に記載のクラウン・エッジドロップ制御圧延機を用い、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせつつ被圧延材を圧延することを特徴とする仕上げ圧延機における圧延方法。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.バレルの端部に設けた先細り部が上下で互いに逆向きになるよう、上下のワークロールをスタンドに組み込み、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせるロール軸方向シフト機構を具備した圧延機において、前記上下のワークロールに圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いたことを特徴とする仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。
2.前記上下のワークロールの、バレル表面の算術平均粗さを0.5μm以上2.0μm以下とすることを特徴とする上記1.に記載の仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。
3.上記1.または2.に記載のクラウン・エッジドロップ制御圧延機を用い、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせつつ被圧延材を圧延することを特徴とする仕上げ圧延機における圧延方法。
本発明によれば、前記したロール軸方向シフト機構と、上下のワークロールに圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いることの併用効果によって、熱延鋼板のクラウン・エッジドロップをサイクル全体にわたり小さくすることができる。
本発明にかかるクラウン・エッジドロップ制御圧延機は、前掲図1に示した片台形ワークロールシフト圧延機の上下のワークロールWに、前掲図2(a)、(b)に示したような、圧延部外層が超鋼合金スリーブ4からなるロールを用いた圧延機である。
この超硬合金スリーブ4は、複数個の超硬材料混合粉末からなるスリーブ部材をロール軸方向に接合・一体化して形成したものである。WC粉末にCo:5〜50mass%(好ましくはCo:20mass%)とNi適量を添加した混合粉末を用いるのが、焼結して得られる超硬合金の耐摩耗性、靭性などの観点から好ましい。このようにして得た超硬合金スリーブ4を鋼製軸芯5の胴部に嵌め込み、鋼製側端リングで固定してロールとすることができる。このような構造をもつロールは、公知のロール製造技術で製造することが可能である。
この超硬合金スリーブ4は、複数個の超硬材料混合粉末からなるスリーブ部材をロール軸方向に接合・一体化して形成したものである。WC粉末にCo:5〜50mass%(好ましくはCo:20mass%)とNi適量を添加した混合粉末を用いるのが、焼結して得られる超硬合金の耐摩耗性、靭性などの観点から好ましい。このようにして得た超硬合金スリーブ4を鋼製軸芯5の胴部に嵌め込み、鋼製側端リングで固定してロールとすることができる。このような構造をもつロールは、公知のロール製造技術で製造することが可能である。
次いで、片台形ワークロールシフト圧延機のクラウン・エッジドロップ制御能力を十分発揮させるために行った実験結果について説明する。
この実験は、圧延部外層が超鋼合金であるロールを上下のワークロールWに組み込んでなるラボ圧延機を用い、被圧延材Sを熱間圧延することで行った。図3に示したワークロールWと被圧延材S間の摩擦係数は、圧延荷重を実測し、圧延荷重理論式(Orowanの荷重式 圧延理論と実際 鉄鋼協会編)を介して求めた。
この実験は、圧延部外層が超鋼合金であるロールを上下のワークロールWに組み込んでなるラボ圧延機を用い、被圧延材Sを熱間圧延することで行った。図3に示したワークロールWと被圧延材S間の摩擦係数は、圧延荷重を実測し、圧延荷重理論式(Orowanの荷重式 圧延理論と実際 鉄鋼協会編)を介して求めた。
圧延部外層が超鋼合金であるロールの、バレル表面の算術平均粗さは研磨で変化させ、その算術平均粗さはJIS B0601-1994bで規定される方法で測定した。
図3に示した結果から、バレル表面の算術平均粗さが好適範囲を外れた場合、ワークロールWと被圧延材S間の摩擦係数が急激にかわることがわかる。摩擦係数が急激にかわると、予測圧延荷重と実績圧延荷重とに大差が生じ、熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化する、あるいは被圧延材Sの板厚制御が不能となる。
図3に示した結果から、バレル表面の算術平均粗さが好適範囲を外れた場合、ワークロールWと被圧延材S間の摩擦係数が急激にかわることがわかる。摩擦係数が急激にかわると、予測圧延荷重と実績圧延荷重とに大差が生じ、熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化する、あるいは被圧延材Sの板厚制御が不能となる。
なお、バレル表面の算術平均粗さ0.5μm未満では、超硬合金材料のバインダーであるCoとNiと、被圧延材との接触が主体的となるため、摩擦係数が急に低下すると推定される。一方、算術平均粗さ2.0μm以上では超硬合金材料のWC粒子が過度に表面に突出するため、摩擦係数が急増すると推定される。
そこで、本発明に用いる上下のワークロールWは、そのバレル表面の算術平均粗さを0.5μm以上2.0μm以下と限定した。このように、バレル表面の粗さを限定したことで前掲した課題(1)が解決できる。
そこで、本発明に用いる上下のワークロールWは、そのバレル表面の算術平均粗さを0.5μm以上2.0μm以下と限定した。このように、バレル表面の粗さを限定したことで前掲した課題(1)が解決できる。
(その他のラボ実験条件)
ワークロールの直径=200mm、バレル長=200mm。被圧延材Sの鋼種=低炭素鋼、被圧延材Sの圧延前板厚=10mm、幅=150mm、長さ=500mm。加熱温度=1000℃×20分、圧下率=30%。
また、前掲した課題(2)は、被圧延材Sの幅に応じて最適な有効テーパ長ELを求め、ロール軸方向シフト機構1で、先細り部が被圧延材Sの両エッジ部に位置するように上下のワークロールWをロール軸方向反対向きにシフトさせる制御を行うことで解決できる。
ワークロールの直径=200mm、バレル長=200mm。被圧延材Sの鋼種=低炭素鋼、被圧延材Sの圧延前板厚=10mm、幅=150mm、長さ=500mm。加熱温度=1000℃×20分、圧下率=30%。
また、前掲した課題(2)は、被圧延材Sの幅に応じて最適な有効テーパ長ELを求め、ロール軸方向シフト機構1で、先細り部が被圧延材Sの両エッジ部に位置するように上下のワークロールWをロール軸方向反対向きにシフトさせる制御を行うことで解決できる。
このようなクラウン・エッジドロップ制御を行うことが可能な圧延機は、仕上げ圧延機のF7スタンドあるいはF7スタンドを含む複数スタンドに適用するのが効果的である。
図4には、本発明にかかるクラウン・エッジドロップ制御圧延機を仕上げ圧延機のF6,F7スタンドに適用した場合を示した。図4中、8は板厚を幅方向に検出可能なプロフィルメータ、9はシフト演算装置である。
図4には、本発明にかかるクラウン・エッジドロップ制御圧延機を仕上げ圧延機のF6,F7スタンドに適用した場合を示した。図4中、8は板厚を幅方向に検出可能なプロフィルメータ、9はシフト演算装置である。
シフト演算装置9は、プロフィルメータ8からのクラウン・エッジドロップ測定結果に基づき最適な有効テーパ長ELを求め、制御信号を信号ケーブル10でロール軸方向シフト機構1へ送ることで、被圧延材Sの圧延中、圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いた上下のワークロールWをシフトさせることができる。この仕上げ圧延機のF1〜F5スタンドは、ロール軸方向シフト機構1を具備せず、上下のワークロールWに一般的に用いられるロールを用いている。
以上説明した本発明にかかるクラウン・エッジドロップ制御圧延機によれば、ロール軸方向シフト機構1と、上下のワークロールWに圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いることの併用効果によって、熱延鋼板のクラウン・エッジドロップをサイクル全体にわたり小さくすることができる。
それを実証した実施例を以下に述べる。
それを実証した実施例を以下に述べる。
(本発明例)
図4に示した7スタンドからなる仕上げ圧延機を用い、1サイクル=120本の被圧延材Sを仕上げ圧延機の出側圧延速度=800〜1400m/分で圧延した。
圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールの構造:図2(b)。有効テーパ長EL=50〜100mm、上下のワークロールWの端部に設けた先細り部のテーパ勾配=1mm/200mm、上下のワークロールWのバレル表面の算術平均粗さ=1.2μm。
図4に示した7スタンドからなる仕上げ圧延機を用い、1サイクル=120本の被圧延材Sを仕上げ圧延機の出側圧延速度=800〜1400m/分で圧延した。
圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールの構造:図2(b)。有効テーパ長EL=50〜100mm、上下のワークロールWの端部に設けた先細り部のテーパ勾配=1mm/200mm、上下のワークロールWのバレル表面の算術平均粗さ=1.2μm。
被圧延材S:鋼種=熱延鋼板、仕上げ板厚=1.2〜5mm、板幅=1000〜1600mm、1本当りの被圧延材Sの重量=24〜30トン。仕上げ圧延機のロール寸法:ワークロール直径=650mm、バレル長=2050mm、バックアップロール直径=1600mm。
(従来例1)F6、F7スタンドの上下のワークロールWにNiグレンロールを用いた以外は、本発明例と同じ条件。
(従来例2)F6、F7スタンドの上下のワークロールWに先細り部を設けず、ストレート形状とした以外は、本発明例と同じ条件。
(従来例1)F6、F7スタンドの上下のワークロールWにNiグレンロールを用いた以外は、本発明例と同じ条件。
(従来例2)F6、F7スタンドの上下のワークロールWに先細り部を設けず、ストレート形状とした以外は、本発明例と同じ条件。
図5には本発明例の結果を、図6、図7には従来例1,2の結果をそれぞれ示した。
この結果から、本発明例では、サイクル全体を通して実績クラウンと目標クラウンがほぼ一致しており、サイクル全体にわたり実績クラウンが小さい。また、実績エッジドロップも小さい。
一方従来例1では、サイクルの前半においては実績クラウンと目標クラウンがほぼ一致しているが、F6、F7スタンドのNiグレンロールの摩耗が原因で、圧延本数=70本目以降からワーク実績クラウンと目標クラウンが離れ始め、圧延本数=100本目以降では実績クラウンが過大となり、次工程の冷間圧延で形状不良が発生した。また、実績エッジドロップも圧延本数=100本目以降で過大になっている。
この結果から、本発明例では、サイクル全体を通して実績クラウンと目標クラウンがほぼ一致しており、サイクル全体にわたり実績クラウンが小さい。また、実績エッジドロップも小さい。
一方従来例1では、サイクルの前半においては実績クラウンと目標クラウンがほぼ一致しているが、F6、F7スタンドのNiグレンロールの摩耗が原因で、圧延本数=70本目以降からワーク実績クラウンと目標クラウンが離れ始め、圧延本数=100本目以降では実績クラウンが過大となり、次工程の冷間圧延で形状不良が発生した。また、実績エッジドロップも圧延本数=100本目以降で過大になっている。
また、従来例2では、サイクルの前半においても実績クラウンと目標クラウンが一致しておらず、サイクル全体を通して実績クラウンが過大であり、実績エッジドロップも過大になっている。
なお、クラウンはCr25で定義し、エッジドロップはE15=(E15op+E15dr)/2で定義した(図8参照)。図8でhは板厚を表し、その添字であるCは幅中央を表し、hの添字である数字はエッジからの距離を、数字の次の英文字はエッジの位置が操作側か駆動側かを表す。クラウンおよびエッジドロップの実績値は、プロフィルメータで測定した板厚に基づき下記式で求めた。
なお、クラウンはCr25で定義し、エッジドロップはE15=(E15op+E15dr)/2で定義した(図8参照)。図8でhは板厚を表し、その添字であるCは幅中央を表し、hの添字である数字はエッジからの距離を、数字の次の英文字はエッジの位置が操作側か駆動側かを表す。クラウンおよびエッジドロップの実績値は、プロフィルメータで測定した板厚に基づき下記式で求めた。
Cr25=hc−(h25、op+h25、dr)/2・・・(1)
E15op=h100、op−h15、op・・・(2)
E15dr=h100、dr−h15、dr・・・(3)
E15op=h100、op−h15、op・・・(2)
E15dr=h100、dr−h15、dr・・・(3)
本発明に用いて好適な上下のワークロールWの、バレル表面の粗さの範囲を確認した。図3に示したラボ実験結果によれば、本発明に用いる上下のワークロールWには、バレル表面の粗さに好適範囲(算術平均粗さで0.5μm以上2.0μm以下)がある。
(本発明例)実施例1を参照方。
(本発明例の別形態1)F6、F7スタンドの、上下のワークロールWのバレル表面を算術平均粗さ=0.35μmとした以外は、本発明例と同条件。
(本発明例の別形態2)F6、F7スタンドの、上下のワークロールWのバレル表面を算術平均粗さ=2.8μmとした以外は、本発明例と同条件。
(本発明例)実施例1を参照方。
(本発明例の別形態1)F6、F7スタンドの、上下のワークロールWのバレル表面を算術平均粗さ=0.35μmとした以外は、本発明例と同条件。
(本発明例の別形態2)F6、F7スタンドの、上下のワークロールWのバレル表面を算術平均粗さ=2.8μmとした以外は、本発明例と同条件。
その結果、本発明例の別形態1では、図9に示すように、目標クラウンと実績クラウンとの差が10μm以内となり、サイクル全体にわたり安定した実績クラウンが得られ、また、実績エッジドロップもサイクル全体にわたり安定した値となった。
本発明例の別形態2の場合も、図10に示すように、別形態1と同様の結果であった。
ただし、本発明例の別形態1、2の場合、F6、F7スタンド用いた上下のワークロールWの、バレル表面の粗さが好適範囲を外れているため、算術平均粗さ=1.2μmとした本発明例に比べ、得られた熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化した。
本発明例の別形態2の場合も、図10に示すように、別形態1と同様の結果であった。
ただし、本発明例の別形態1、2の場合、F6、F7スタンド用いた上下のワークロールWの、バレル表面の粗さが好適範囲を外れているため、算術平均粗さ=1.2μmとした本発明例に比べ、得られた熱延鋼板の先端部の板厚精度が悪化した。
なお、本発明例では、F6、F7スタンドに本発明を適用したとして説明した(実施例1
)が、本発明はそれに限定されず、仕上げ圧延機のスタンドに適宜適用できる。
)が、本発明はそれに限定されず、仕上げ圧延機のスタンドに適宜適用できる。
S 被圧延材
W ワークロール
EL 有効テーパ長
1 ロール軸方向シフト機構
2 駆動モータ
3 先細り部と先細り部でない部分の境
4 超硬合金スリーブ
5 鋼製軸芯
6 鋼製緩衝材
7 一般的に用いられるロール
8 プロフィルメータ
9 シフト演算装置
10 信号ケーブル
W ワークロール
EL 有効テーパ長
1 ロール軸方向シフト機構
2 駆動モータ
3 先細り部と先細り部でない部分の境
4 超硬合金スリーブ
5 鋼製軸芯
6 鋼製緩衝材
7 一般的に用いられるロール
8 プロフィルメータ
9 シフト演算装置
10 信号ケーブル
Claims (3)
- バレルの端部に設けた先細り部が上下で互いに逆向きになるよう、上下のワークロールをスタンドに組み込み、前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせるロール軸方向シフト機構を具備した圧延機において、
前記上下のワークロールに圧延部外層が超硬合金スリーブからなるロールを用いたことを特徴とする仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。 - 前記上下のワークロールの、バレル表面の算術平均粗さを0.5μm以上2.0μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の仕上げ圧延機におけるクラウン・エッジドロップ制御圧延機。
- 請求項1または2に記載のクラウン・エッジドロップ制御圧延機を用い、
前記先細り部が被圧延材の両エッジ部に位置するように上下のワークロールをロール軸方向反対向きにシフトさせつつ被圧延材を圧延することを特徴とする仕上げ圧延機における圧延方法。
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JP2014014838A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 熱延鋼板の製造方法、熱延鋼板の製造装置 |
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