JP2009214027A - 多孔質浄化材料及びそれを用いた多孔質フィルターによる浄化方法 - Google Patents

多孔質浄化材料及びそれを用いた多孔質フィルターによる浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液より合成される多孔質浄化材料及びそれを用いた多孔質フィルターによる浄化方法を提供する。
【解決手段】ブレーン比表面積が1000〜20000cm/gのアルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液を混合して合成した多孔質浄化材料である。アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液の混合割合が、質量比で20:80〜80:20である前記多孔質浄化材料であることが好ましい。さらに、水酸化カルシウム及び/又は水硬性材料や活性金属を混合してなる前記多孔質浄化材料である。前記多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターに水質汚濁物質を含有する水を通過させて水質汚濁物質の濃度を低減させる浄化方法、及び前記多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターにガスを通過させて大気汚染物質の濃度を低減する浄化方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液より合成される多孔質浄化材料と、該多孔質物質を用いた多孔質フィルターによる水や大気の浄化方法に関する。
従来、多孔質物質としては、排ガスの浄化を目的としたカルシウム化合物とケイソウ土などの多孔性物質からなる浄化剤(特許文献1)、建材用パネルを目的とした金属の硫酸と無機系発泡剤とエチレン性不飽和単量体の重合物からなる無機有機複合発泡体(特許文献2)、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥・熱処理して無機塩を溶解除去して得られる多孔質酸化物粒子(特許文献3)などが考案されてきた。これらは、排ガスの浄化を目的とした多孔性物質からなる浄化剤(特許文献1)や多孔質酸化物粒子(特許文献3)は前駆体を作製後に熱処理が必要であり、無機有機複合発泡体(特許文献2)は建材用パネルを目的としたものである。
また、ケイ酸カルシウムの顆粒または粉末を用いた液体・蒸気・気体の吸着剤としての使用方法(特許文献4)、硝酸イオンで汚染された水溶液の精製方法としてカルシウムとアルミニウム元素の供給剤を対象水に添加する浄化方法(特許文献5)、水酸化カルシウムとアルミン酸アルカリ塩及び/又は水酸化アルミニウムからなる反応物のアニオンの捕集剤(特許文献6)、カルシウムアルミネートゲルの合成法及びそれを有効成分とするアニオン捕集剤(特許文献7)、Al成分を含む化合物と2価金属の酸化物又は水酸化物を含有するアニオン捕捉剤(特許文献8、特許文献9)、石こう中のフッ素の除去方法として硫酸バンドのようなアルミニウム化合物を溶解した弱酸性雰囲気の洗浄水によりフッ素含有石こうを洗浄してフッ素を洗浄水に溶出させ、次いで石灰水又は炭酸カルシウムで凝集沈殿させる方法(特許文献10)、フッ素含有処理水に無害性多価金属イオンを存在させてアルカリを添加し、さらに希土類元素イオンを添加後にpHを調整してフッ素を除去する方法(特許文献11)、リチウム化合物とアルミニウム化合物を含有する有害物質捕集材(特許文献12)、バテライトを含有してなる水処理材(特許文献13)、焼却灰を酸化カルシウム類及び/又は水酸化カルシウム類、高炉セメント及び硫酸アルミニウム類との水の存在下に混合処理し、フッ素及びホウ素の溶出量を低減した焼却灰を調製する焼却灰の処理方法(特許文献14)などがあった。
上記方法では、被処理水に対して、粉末、もしくは顆粒の形態で添加しなければならず、対象物質を捕捉後のスラッジを回収する工程が必要であった。
排出ガス中の窒素酸化物の除去触媒として、触媒寿命を向上させるための硼酸、硼酸亜鉛、ベンガラ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、海綿鉄粉の少なくとも1種とセッコウ及び酸化チタンよりなる担体に活性成分を含有する組成物が提案されている(特許文献15)。この組成物は、半水もしくは無水石膏に水を加えて硬化・成形する方法、押出し機又は打錠機で成形するものであり、触媒の形状は、球状、円柱状、円筒状、板状、ハニカム状のものであり、多孔質フィルターよりも被処理物質との接触面積(処理面積)が得られないものであった。
特開昭61−293545号公報 特開2000−198870号公報 特開2006−16237号公報 特開昭55−116616号公報 特開平5−57289号公報 特開平9−248449号公報 特開2000−302438号公報 特開2001−252648号公報 特開2001−252675号公報 特開2004−299962号公報 特開2004−962号公報 特開2005−66424号公報 特開2005−279355号公報 特開2006−181535号公報 特開昭54−76490号公報
以上、有害物質の捕捉機能が高く、フィルター方式で対象物質を捕捉後はすぐに交換・処理でき、安価にフィルター成形できる材料の開発が待たれていた。
本発明は、前記課題を解消すべく種々検討した結果、アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液より合成される多孔質浄化材料及びそれを用いた多孔質フィルターによる浄化方法を提供する。
すなわち、本発明は、(1)ブレーン比表面積が1000〜20000cm/gであるアルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液を混合して合成した多孔質浄化材料、(2)アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液の混合割合が、質量比20:80〜80:20である(1)の多孔質浄化材料、(3)アルカリ土類炭酸塩が炭酸カルシウムである(1)又は(2)の多孔質浄化材料、(4)さらに、水酸化カルシウム及び/又は水硬性材料を混合してなる(1)〜(3)のいずれかの多孔質浄化材料、(5)水硬性材料がカルシウムアルミネートである(4)の多孔質浄化材料、(6)多孔質浄化材料の嵩密度が0.3〜1.5g/cmである(1)〜(5)のいずれかの多孔質浄化材料、(7)さらに、活性金属を含有した(1)〜(6)のいずれかの多孔質浄化材料、(8)(1)〜(7)のいずれかの多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターに水質汚濁物質を含有する水を通過させて水質汚濁物質の濃度を低減させる浄化方法、(9)水質汚濁物質がフッ素、リンである(8)の浄化方法、(10)(1)〜(7)のいずれかの多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターにガスを通過させて大気汚染物質の濃度を低減する浄化方法である。
本発明の多孔質浄化材料を使用することによって、短時間で有害物質の吸着が可能であり、フィルター方式で対象物を付着後はその交換・処理が容易になり、しかも安価に多孔質フィルターを成形できるといった効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明の多孔質浄化材料は、アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液を混合して合成されるものである。両者を混合することで、アルカリ土類炭酸塩中の炭酸ガスが酸性雰囲気のスラリー中で発泡しながら硬化し、最終的には微細な連続した開気孔を持つ多孔質浄化材料とすることができる。硬化後の多孔質浄化材料の組成は、結晶水を持つ硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、及び結晶水を持つアルミニウム化合物などである。これらの物質の中で、後者のものほど、有害物質の固定化能力が向上する。
また、これらに水酸化カルシウム及び/又は水硬化性材料を混合することで多孔質浄化材料の強度が向上し、さらに有害物質の捕捉機能を向上させることが可能となる。
水硬性材料を使用した場合には、硫酸アルミニウム水溶液との反応によって、水硬性材料の一部もしくは全部が水和物に変化する。この水和物は多孔質浄化材料の機械的強度の向上に寄与する。また、未反応の水硬性材料や水和物はともに有害物質の吸着に有効な物質となる。
本発明で使用するアルカリ土類炭酸塩の粉末は、特に限定されるものではないが、安価に入手可能であることから炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを使用することが好ましい。
炭酸カルシウムはCaCOと表わされるものであり、六方晶系のカルサイト型、斜方晶系のアラゴナイト型、及び擬六方晶系のバテライト型などがあるがいずれも使用可能である。また、炭酸カルシウムとして、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなどが使用可能である。さらに、カキ、ハマグリなどの貝殻を粉砕して得られるゴ粉なども使用可能である。石灰石粉末やゴ粉は安価に入手可能である。
炭酸マグネシウムはMgCOと表わされるものであり、さらにCaを含有するものも使用可能であり、その結晶構造は特に限定されるものではない。また、天然にはリョウクド石がありこれを粉砕したものやカルシウムを含有するクカイ石やドロマイトを粉砕したものが使用可能である。
アルカリ土類炭酸塩の粒度は、ブレーン比表面積で1000〜20000cm/gであり、2000〜6000cm/gがより好ましい。1000cm/g未満では開気孔が少なくなり、フィルターとしての機能が低下する場合があり、20000cm/gを超えると粉砕に要するエネルギーが大きく粉砕コストが上がるだけでなく機能の向上が少ない。
本発明で使用する硫酸アルミニウム水溶液は、Al(SOの含有量が水溶液100部中、10〜50部であることが好ましく、一部不溶化して懸濁液になっているものも使用可能である。10部未満では、多孔質浄化材料の強度が低い場合があり、50部を超えたものは不溶粒子が多く、アルカリ金属炭酸塩と均一に混合されない場合がある。なかでも市販の硫酸アルミニウム水溶液で水溶液100部中、Al(SOの含有量が26〜28部のものが好適である。
アルカリ土類炭酸塩と硫酸アルミニウム水溶液の混合割合は、質量比20:80〜80:20が好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。この範囲外では、均一に両者が混合されない場合や多孔質浄化材料の強度が低下して脆く崩れやすくなる場合がある。
本発明で使用する水酸化カルシウムは、特に限定されるものではなく、生石灰やカーバイドが水和した際に生じる消石灰を含むものである。硫酸アルミニウム水溶液の水と反応して水酸化カルシウムを生じる生石灰(CaO)を使用することが可能である。
本発明で使用する水硬性材料は、水と反応して水和反応する無機物質の総称であり、水和反応を伴って硬化するものであればいずれも使用可能である。水硬性材料を使用することで、多孔質浄化材料の強度の向上や有害物質の捕捉機能の向上が可能となる。水硬性材料としては、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、及び低熱などの各種ポルトランドセメントやカルシウムアルミネート(アルミナセメント含む)などが使用可能である。
カルシウムアルミネートは、CaO原料やAl原料などを混合したものを、キルンでの焼成、電気炉での溶融等といった熱処理をし、粉砕して得られるものである。CaOをC、AlをAと略記すると、例えば、CA、C12、C11・CaF、C11・CaCl、CA、及びCAなどであり、これらの一種又は二種以上を併用することが可能である。さらに、これらにNa、K、及びLiなどのアルカリ金属が0.05〜5%固溶したものやSiOを30%未満含有させたカルシウムアルミノシリケートも使用可能である。また、その他に第一酸化鉄、第二酸化鉄、酸化マンガン、マグネシア、リン酸、アルカリなどの一種又は二種以上を30%未満含有しても構わない。
カルシウムアルミネートは、非晶質、結晶質、いずれも使用可能であり、これらが混在することも問題ないが、急結性状が優れることから非晶質のものを80%以上含有することが好ましく、90%以上がより好ましい。
カルシウムアルミネート中のCaO/Alモル比は特に限定されないが、1.5〜3.0が好ましく、1.7〜2.3の範囲がより好ましい。この範囲外では、すぐれた硬化性状が得られない場合がある。
カルシウムアルミネートの粒度やその分布は特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積で2000cm/g以上が初期強度発現性の観点から好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。2000cm/g未満では優れた硬化性状が得られない場合がある。
水酸化カルシウム及び/又は水硬性材料の使用量は、特に限定されないが、多孔質浄化材料100部中、1〜70部が好ましく、3〜20部がより好ましい。1部未満では、強度の向上が望めない場合があり、70部を超えると、開気孔が少なくなり、フィルターとしての機能が低下する場合がある。
さらに、本発明の多孔質浄化材料は、活性金属を含有することにより、有害物質の分解機能を効果的に付与することができる。これは、多孔質構造により、被接触物質との接触面積が広いためである。例えば、活性金属をセラミックスフィルターなどに担持させる場合には、セラミックスを焼成・焼結まえに担持させるとセラミックスの成分と活性金属が焼成時に反応してしまい活性金属はその触媒効果を失うが、本発明の組成物は、多孔質浄化材料を形成する際にこれらの活性金属を混ぜることで、簡単に担持し、効果を得ることができる。
活性金属としては、被接触物質を分解する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、チタン、マンガン、ニッケル、セリウム、鉄、バナジウム、銅、クロム、コバルト、モリブデン、タングステン、ランタン、亜鉛、スズ、プラセオジウム、及び白金などが挙げられ、これらの酸化物、硫酸塩、硝酸塩、及び塩化物などが使用可能である。また、白金を担持した光触媒機能を持つものも使用可能である。
活性金属の使用量は、特に限定されないが、多孔質浄化材料100部中、0.1〜20部が好ましく、1〜10部がより好ましい。20部を超えるとさらなる効果の向上が望めない場合があり、0.1部未満では、目的とする効果が得られない場合がある。
本発明で云う有害物質とは、水質汚濁物質や大気汚染物質の総称である。
水質汚濁物質としては、例えば、カドニウム、鉛、水銀、セレン、銅、亜鉛、クロム、六価クロム、鉄、マンガン、ニッケル、スズ、アンチモン、及びモリブデンなどの金属類(捕捉したい対象金属に本発明の多孔質浄化材料を固定化材として使用する場合、捕捉対象金属と同じ金属を多孔質フィルターに含まない)、ヒ素、フッ素、ホウ素、塩素、臭素、シアン、アンモニウム、硝酸、亜硝酸、リン、亜硫酸、有機塩素化合物、農薬、ベンゼン、有機水銀、PCB、フェノール類、アミン類、トルエン類、キシレン、中性洗剤などが挙げられ、これらの誘導体も含まれる。
大気汚染物質としては、例えば、二酸化イオウ、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、トリクロロエチレンなどが挙げられる。この他、大気汚染防止法(1968年)により固定発生源からの排出が規制されている硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、カドミウム、塩素、鉛、塩化水素、フッ化水素などの「ばい煙」、鉱物などの堆積場から飛散する「一般粉じん」、「特定粉じん」であるアスベスト、「特定物質」として定められているベンゼンなどである。また、移動発生源からの排出が規制されている一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質なども該当する。近年、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒドなども含まれる。また、悪臭は大気汚染の1形態と考えることもでき、その原因物質もまた大気汚染物質として挙げられる。
本発明の多孔質浄化材料は、水質汚濁物質に関しては、フッ素、リン、アンモニウム、シアン、硝酸、亜硝酸などに対して高い固定化(分解)能力を示し、これらの中でも、フッ素、リンに対して優れた効果を示す。
また、大気汚染物質に関しては、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩素、塩化水素、フッ化水素、ホルムアルデヒドなどに対して高い固定化(分解)能力を示す。
本発明の多孔質浄化材料の嵩密度は、特に限定されないが、0.3〜1.5g/cmが好ましく、0.4〜1.0g/cmがより好ましい。0.3g/cm未満では、多孔質浄化材料の十分な強度が得られない場合があり、1.5g/cmを超えると、開気孔の割合が少なくなり、被対象物質が流れ難くなる場合がある。
多孔質浄化材料の気孔の大きさは、特に限定されないが、気孔の空間で最も狭い部分で1μmから大きいものでは10cmである。
多孔質浄化材料の製造条件としては、各原料を混合して発泡させて硬化するものであれば特にその混合順序や混合環境温度などは限定されない。すなわち、目的の気孔特性が得られるように製造条件を設定することができる。
多孔質浄化材料の原料を混合して多孔質フィルターを形成する際に、撹拌したり、振動を与えたり、消泡剤などを使用して、多孔質フィルターの嵩密度を調整することが可能である。
多孔質浄化材料の原料の混合方法としては、バッチ式と連続式のいずれの方法も可能である。例えば、バッチ式としては、攪拌している硫酸アルミニウム水溶液中にアルカリ土類炭酸塩の粉末を投入して、その後、反応モールド内に流し込んだり、両者を別々に送って流し込んで撹拌したりすることが可能である。
攪拌する場合は、アルカリ土類炭酸塩/硫酸アルミニウム水溶液の混合比が大きいほど、混合してスラリー状になってから硬化するまでの時間が早いために、混合比が高い場合は速やかに攪拌する必要がある。
攪拌方法は、特に限定されないが、例えば、エアを用いてバブリングする方法や回転翼を用いて攪拌する方法などが挙げられる。
混合してから硬化するまでの時間は数秒〜5分程度であり、例えば、ブレーン比表面積が4000cm/gの青海産石灰石粉末と27%の硫酸アルミニウム水溶液を50:50で混合した場合は、10秒程度で硬化する。
また、連続式としては、アルカリ金属炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液を別々に圧送し、対象とする箇所に両者を混合せしめて流し込んだり、もしくは、吹付けて短時間で多量の多孔質浄化材料を形成することが可能である。
反応時の温度は、特に限定されないが混合時の温度が高いほど反応が早く、発泡の勢いが強くなり、結果、嵩密度が低くなる傾向にある。また、硬化までの時間を延長したい場合には、環境温度を低くすればよい。
気孔径を小さくしたい場合には、アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液とを混合したスラリーに、バイブレーターを用いて振動を加えて脱気を促進したり、スラリー攪拌時の回転翼の回転速度を上昇させたりすることが有効である。また、反応モールド内での1回あたりの成形量を少なくしたり、連続式では同じ箇所に連続して成形させず、広く薄く成形させるようにすることで気孔径を小さくすることが可能である。また、消泡剤の使用も可能である。
気孔径を大きくしたい場合には、攪拌や振動の付与エネルギーを減らすことが有効である。
本発明の多孔質浄化材料を任意の形状や大きさに成形した多孔質フィルターによって、環境浄化能力を飛躍的に高めることができる。
以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実施例1」
アルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液の質量比を変えて合成した各種の多孔質浄化材料を用いて多孔質フィルターを成形し、フィルターの強度と、表1に示す模擬水をろ過し、各ろ過回数でのろ過水中のフッ素やリンの濃度を測定した。結果を表1に示す。
<使用材料>
炭酸カルシウム:天然鉱石粉砕品、ブレーン比表面積4000cm/g
炭酸マグネシウム:市販品、一級試薬、ブレーン比表面積5000cm/g
硫酸アルミニウム水溶液:27%硫酸アルミニウム水溶液、工業品、近藤産業社製
多孔質浄化材料A:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比20:80で混合したもの、嵩密度0.78g/cm
多孔質浄化材料B:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比30:70で混合したもの、嵩密度0.41g/cm
多孔質浄化材料C:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比40:60で混合したもの、嵩密度0.39g/cm
多孔質浄化材料D:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比50:50で混合したもの、嵩密度0.58g/cm
多孔質浄化材料E:炭酸マグネシウムと硫酸アルミニウム溶液を質量比50:50で混合したもの、嵩密度0.53g/cm
多孔質浄化材料F:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比60:40で混合したもの、嵩密度0.83g/cm
多孔質浄化材料G:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比70:30で混合したもの、嵩密度0.95g/cm
多孔質浄化材料H:炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム水溶液を質量比80:20で混合したもの、嵩密度1.53g/cm
<フィルター成形>
多孔質浄化材料を用いて下記の形状に成形した。
フィルターサイズ:内径φ5×20cmのアクリル樹脂パイプ中にφ5×10cmのフィルターを成形。アルカリ土類金属炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液の混合物を30g単位で樹脂パイプ内に流し込んで、ガラス棒を用いてパイプ内面を1回転/秒の速度で攪拌し、粘度が上昇して固まる前にガラス棒を引き抜き成形させた。
<測定方法>
模擬水1:フッ化水素酸を溶解させて調製し、フッ素を300ppm含む水溶液
模擬水2:NaHPO・12HOを溶解させて調製し、リンを300ppm含む水溶液
模擬水のろ過量:200ml
ろ過した模擬水中のフッ素、リンの測定:パーソナルイオンアナライザPIA−1000(島津製作所)を使用
<試験方法>
フィルターの圧縮強度:マルイ社製、1KNリング式耐圧機で測定
Figure 2009214027
表1より、本発明の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターは水溶液中のフッ素、リンを著しく捕捉していることが分かる。
「実施例2」
炭酸カルシウム粉末と硫酸アルミニウム水溶液が質量比で50:50となる組成に、表2に示す水硬性材料の量を内割り(多孔質浄化材料100部中の部)使用して多孔質フィルターを作製し、模擬水1を1回通過させた際のろ過した液中のフッ素の含有量を測定したこと以外は実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。
<使用材料>
水硬性材料イ:水酸化カルシウム、市販品、一級試薬、ブレーン比表面積13000cm/g
水硬性材料ロ:炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを所定量混合し、電気炉で溶融して得られた12CaO・7Al組成の非晶質カルシウムアルミネート、ブレーン比表面積6000cm/g
水硬性材料ハ:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン比表面積3500cm/g
Figure 2009214027
表2より、本発明の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターは水溶液中のフッ素を著しく捕捉していることが分かる。
「実施例3」
実施例1の実験No.1-4の多孔質浄化材料に表3に示す量の触媒金属を内割り(多孔質物質100部中の部)で含有させ、実施例1と同様にアクリル樹脂パイプ中にφ5×10cmのフィルターを成形した。ホルムアルデヒドを40ppm含有するガスを調製し、このガス1m中に多孔質フィルター(片側に1000ml/minで吸引できる吸引機を着用)を設置し、各浄化時間でのホルムアルデヒド濃度を測定した。測定中は、太陽光を照射し、比較として触媒金属を含有しないものについても測定した。結果を表3に示す。
<使用材料>
触媒金属:アナターゼ型二酸化チタン粉末、市販品
<測定機器>
ホルムアルデヒドの測定:ガステック社の検知管式気体測定器GV100Sを用いて測定
Figure 2009214027
表3より、本発明の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターは大気中のホルムアルデヒドを著しく捕捉していることが分かる。
「実施例4」
表4に示す比表面積の炭酸カルシウム粉末と硫酸アルミニウム水溶液が質量比で50:50となる組成の多孔質フィルターを作製し、表4に示す模擬水をろ過し、各ろ過回数でのろ過水中のフッ素やリンの濃度を測定したこと以外は実施例1と同様に試験した。結果を表4に示す。
<測定方法>
模擬水1:フッ化水素酸を溶解させて調製し、フッ素を300ppm含む水溶液
模擬水2:NaHPO・12HOを溶解させて調製し、リンを300ppm含む水溶液
模擬水のろ過量:200ml
ろ過した模擬水中のフッ素、リンの測定:パーソナルイオンアナライザPIA−1000(島津製作所)を使用
Figure 2009214027
表4より、本発明の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターは水溶液中のフッ素、リンを著しく捕捉していることが分かる。
本発明の多孔質浄化材料は、短時間で有害物質の吸着が可能であり、フィルター方式で対象物を付着後はその交換・処理が容易になり、しかも安価に多孔質フィルターを成形できるといった効果を奏するので、環境分野において好適に使用される。

Claims (10)

  1. ブレーン比表面積が1000〜20000cm/gのアルカリ土類炭酸塩の粉末と硫酸アルミニウム水溶液を混合して合成した多孔質浄化材料。
  2. アルカリ土類炭酸塩粉末と硫酸アルミニウム水溶液の混合割合が、質量比20:80〜80:20である請求項1に記載の多孔質浄化材料。
  3. アルカリ土類炭酸塩が炭酸カルシウムである請求項1又は2に記載の多孔質浄化材料。
  4. さらに、水酸化カルシウム及び/又は水硬性材料を混合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質浄化材料。
  5. 水硬性材料がカルシウムアルミネートである請求項4に記載の多孔質浄化材料。
  6. 多孔質浄化材料の嵩密度が0.3〜1.5g/cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質浄化材料。
  7. さらに、活性金属を含有した請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔質浄化材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターに水質汚濁物質を含有する水を通過させて水質汚濁物質の濃度を低減させることを特徴とする浄化方法。
  9. 水質汚濁物質がフッ素、リンであることを特徴とする請求項8記載の浄化方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質浄化材料を用いた多孔質フィルターにガスを通過させて大気汚染物質の濃度を低減することを特徴とする浄化方法。
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