以下、本発明に係る一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、ガラス枠13の上方の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、ガラス枠13の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左側には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、図柄表示装置8の下側には、遊技球が入賞することで当たり判定が行われる契機となる特別図柄始動電動役物15が配設されており、特別図柄始動電動役物15の下方に大入賞口16が設けられている。そして、大入賞口16の左側に普通入賞口17,19が、右側に普通入賞口18,20が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に種々の電飾ランプやその他の電飾用LED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8は、中央にLCDからなる表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に当たり判定の結果を遊技者に報知するために、表示画面28に横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。そして、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、当たり判定の結果を示す図柄を確定表示させる変動演出を行うことで、当たり判定の結果を遊技者に報知する。さらに、変動演出に同期させて表示画面28やスピーカ48等による様々な演出を行い、遊技者の興趣を惹き付ける。
また、表示画面28の右下には、2つの7セグメントLEDによって構成される特別図柄表示部25、及び1つのLEDによって構成される普通図柄表示部24が設けられている。そして、特別図柄表示部25には、当たり判定の結果を遊技者に報知するために、アルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。先述したデモ図柄の変動開始及び確定表示のタイミングは、特別図柄の変動開始及び停止のタイミングと一致する。また、普通図柄表示部24では、点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す普通図柄の変動状態とされている。
また、特別図柄表示部25及び普通図柄表示部24の右下には、2つのLEDによって構成される特別図柄記憶数表示LED60及び普通図柄記憶数表示LED59が配設されている。特別図柄記憶数表示LED60は、当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数を表示し、普通図柄記憶数表示LED59は普通図柄作動保留球数を表示する。そして、2つのLEDのうちの下側のみの点灯が保留球数「1」、両方の点灯が「2」、下側の点滅が「3」、両方の点滅が「4」を示す。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1における遊技及び演出の概要について説明する。パチンコ機1の当たり遊技には、15R大当たり遊技、2R大当たり遊技、及び小当たり遊技が設けられている。15R大当たり遊技とは、1回の当たり遊技中に大入賞口16が15回開閉され、遊技者が多数の遊技球を獲得できる当たり遊技である。2R大当たり遊技とは、大入賞口16の開閉回数が2回であり、且つ1回の開放時間が15R大当たり遊技中よりも短い当たり遊技である。また、小当たり遊技とは、大入賞口16の動作が2R大当たり遊技中と同じであり、その前後で遊技状態が変化しない当たり遊技である。そして、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると当たり判定が行われ、15R大当たり、2R大当たり、小当たり、及びはずれのいずれであるかが乱数に基づいて判定される。
また、パチンコ機1では、大当たりと判定される確率が通常よりも高くなる確率変動状態と、単位時間当たりに行われる当たり判定の回数が通常よりも多くなる時短状態とを生起させることができる。すなわち、パチンコ機1の遊技状態には、確率変動状態及び時短状態のいずれも生起されていない「通常状態」と、確率変動状態のみが生起されている「確変非時短状態」と、時短状態のみが生起されている「非確変時短状態」と、確率変動状態及び時短状態が共に生起されている「確変時短状態」とがある。そして、大当たり時に決定された特別図柄が15R大当たりを示す確率変動図柄であれば、15R大当たり遊技終了後に「確変時短状態」が生起される。また、15R大当たりを示す非確率変動図柄であれば、100回の当たり判定、及び大当たり遊技のいずれかが実行されるまで継続する「非確変時短状態」が当たり遊技終了後に生起される。また、2R大当たりを示す特別図柄には確率変動図柄のみが設けられており、2R大当たりと判定された際に時短状態が生起されていれば、2R大当たり遊技終了後には「確変時短状態」が、2R大当たり判定時に時短状態が生起されていなければ、その後に「確変非時短状態」が生起される。
そして、パチンコ機1では、遊技状態が「通常状態」又は「確変非時短状態」である場合、演出モードを変化させることで、遊技状態が「確変非時短状態」であることの期待度を遊技者に報知することができる。この演出モードとは、当たり判定の結果を示す変動演出の種別を決定するためのモードであり、変動演出の内容を示す複数の変動パターンの1つが決定されると、決定された変動パターンが示す演出が、その時点で生起されている演出モードに対応させて実行されることとなる。パチンコ機1の演出モードには、「通常モード」、「モードA」、及び「モードB」の3つの演出モードが設けられている。「通常モード」中はデモ図柄の背景色が黒色となり、確変非時短状態であることの期待度が最も低いことを示す。「モードA」中のデモ図柄の背景色は緑色であり、期待度は通常モード中よりも高い。「モードB」中のデモ図柄の背景色は赤色であり、期待度は3つの演出モードの中で最も高い。
本実施の形態では、遊技の進行状況に応じて、演出モードを「通常モード」から「モードA」に移行させる割合を変化させることができる。詳細には、「通常モード」中に行われた当たり判定の回数が100回以上となった場合には、2R大当たり遊技の実行、及び小当たり遊技の実行に加えて、特定の変動パターンが決定された場合にも、演出モードを「モードA」に移行させることができる。これにより、期待度が最も低い「通常モード」が長時間継続されることを防止し、遊技者が遊技に飽きてしまう虞を低下させることができる。この詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、ランプドライバ基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期と、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を検出する普通図柄作動スイッチ71、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド72、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド73、大入賞口16に入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ75、普通入賞口17〜20に入賞した遊技球を検出するための普通入賞口スイッチ76、普通図柄表示部24、特別図柄表示部25、普通図柄記憶数表示LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御される表示部等への中継とを行っている。尚、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、及び普通入賞口17〜20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及びランプドライバ基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、ランプドライバ基板46、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、ランプドライバ基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、パチンコ機1の前面に多数設けられている電飾ランプ31が接続されている。そして、サブ統合基板58から送信されるコマンドに基づいて、電飾ランプ31の発光を制御している。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱調整ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図4に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、普通図柄始動ゲート12や特別図柄始動電動役物15等の各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。さらに、RAM52には図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。RAM52に記憶されるカウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、当たり判定カウンタ、大当たり特別図柄決定カウンタ、変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図8参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。そして、更新により値が一巡して初期値と同じ値となる毎に、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値の決定には、所定のアルゴリズムにより乱数を発生させる初期値乱数処理によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図8参照)、及び特別図柄処理(図9及び図10参照)において使用される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図8参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、大入賞口16が1回の開閉動作を行う間に、この大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、大入賞口16が閉鎖すると初期化される。
次に、当たり関係情報記憶エリア5205について、図5を参照して説明する。図5は、RAM52の当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。この当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9及び図10参照)において使用される。図5に示すように、当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア、及び第一〜第四記憶エリアが設けられている。そして、第一〜第四記憶エリアには、特別図柄始動電動役物15へ入賞し、まだ当たり判定の結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている当たり判定の結果報知や、当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、当たり判定カウンタの値が記憶される当たり乱数欄、大当たり特別図柄決定カウンタの値が記憶される大当たり特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15を遊技球が通過すると、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)、大当たりと判定された場合の特別図柄の決定、及び変動パターンの決定が行われる。そして、判定エリアに記憶されている値に対する処理が終了したら、第一記憶エリアに記憶されている値が判定エリアにシフトされ、この値に基づいて次の大当たり判定等の処理が行われる。これに伴い、第二〜第四記憶エリアの各値が1つ番号の若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、特別図柄作動保留球数の上限は4つであり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値は「4」より大きい値を取ることはない。尚、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203においても同様に判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、4球の遊技球の情報を保留できるようになっている。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて、図6を参照して説明する。図6は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41から各サブ基板に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶する特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304、特別図柄及びデモ図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報を記憶する特別図柄変動パターン記憶エリア5305、大当たり判定、普通当たり判定、特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア5306等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて、図7を参照して説明する。図7は、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。変動パターンとは、当たり判定の結果を示す際に用いられる図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、特別図柄表示部25、及び表示画面28のデモ図柄表示部に表示される図柄の変動時間や、これらの図柄の変動に同期して表示画面28、電飾ランプ31、スピーカ48等によって行われる演出の内容(パターン)が決定される。そして、サブ統合基板58は、主基板41で決定された変動パターンの内容を、その時点で生起されている演出モードに応じた背景色、登場キャラクタ、音楽等と共に表示画面28等に実行させる。
図7に示すように、変動パターン決定テーブルには、当たり判定時の遊技状態(通常・確変非時短状態、又は確変時短・非確変時短状態)、及び当たり判定の結果(はずれ、15R大当たり、2R大当たり、又は小当たり)に応じたテーブルが設けられている。例えば、確変非時短状態中に2R大当たりと判定され、取得されている変動パターン決定乱数が「35」である場合には、「移行チャンスB」の変動パターンが決定されることとなる。
ここで、通常・確変非時短状態中に2R大当たり又は小当たりと判定された場合には、「移行チャンスA〜C」の変動パターンが決定されることとなる。この変動パターンが決定された際に、確変非時短状態が生起されている期待度が最も低い演出モードである「通常モード」が生起されていれば、期待度がより高い「モードA」へ演出モードを移行させる変動演出が表示画面28等によって行われ、演出モードが「モードA」へ移行する。また、「移行チャンスA〜C」が決定された際の演出モードが「モードA」であれば、期待度が最も高い「モードB」へ演出モードを移行させる変動演出が行われ、「モードB」であれば、同一のモードを維持する変動演出が行われる。
また、確変時短・非確変時短状態中に2R大当たりと判定された場合には、「昇格・維持演出A〜C」の変動パターンが決定される。この変動パターンが決定された場合、遊技状態が「確変時短状態」であれば、遊技状態が維持されることを示す変動演出が、「非確変時短状態」であれば、遊技者に最も有利な「確変時短状態」が生起されることを示す変動演出が行われる。また、確変時短・非確変時短状態中に小当たりと判定された場合には、「非昇格・維持演出A〜C」の変動パターンが決定される。この変動パターンが決定された場合、遊技状態が「確変時短状態」であれば、遊技状態が維持されることを示す変動演出が、「非確変時短状態」であれば、「確変時短状態」への移行抽選に落選したことを示す変動演出が行われる。
本実施の形態では、通常・確変非時短状態中に決定される「移行チャンスA〜C」の変動時間(演出時間)と、「はずれリーチA」の変動時間とを同じ時間に設定している。そして、通常モード滞在中に行われた当たり判定の回数が100回以下である間に、「はずれリーチA」の変動パターンが決定された場合には、演出モードを移行させずにはずれを示す「はずれリーチA」の変動演出が実行される。一方で、通常モード滞在中に当たり判定が101回以上行われ、「はずれリーチA」の変動パターンが決定されると、「移行チャンスA〜C」の変動パターンが決定された場合と同様に、演出モードを「モードA」へ移行させる変動演出が行われる。これにより、遊技の進行状況に応じて演出モードの移行割合を変化させている。以後、通常・確変非時短状態中に決定され得る「はずれリーチA」の変動パターンを「特定変動パターン」という。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図9及び図10は、メイン処理で実行される特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、決定された特別図柄を指定するコマンド、変動パターンを指示するコマンド、特別図柄を停止させるタイミングを指示するコマンド、当たり遊技の開始を通知するコマンド、時短状態の終了を通知するコマンド、電動役物の開閉タイミングを指示するコマンド等、多数のコマンドがある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理において、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、普通入賞口17〜20、及び大入賞口16への遊技球の入賞を検知するための処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断され、遊技球が検出された場合には、RAM25の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。さらに、大入賞口16の1回の開放中に入賞した遊技球の個数が入賞球数カウンタによって計数される。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリアの全てのフラグがリセットされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、当たり遊技中に、大入賞口16の開閉動作を指示するためのコマンドの処理が行われる。また、大当たり遊技の終了時には、大当たり遊技の基となった特別図柄の種類と、大当たり判定時の遊技状態とに応じて、確変時短状態、非確変時短状態、及び確変非時短状態のいずれかを生起させるためのフラグ(確率変動フラグ及び時短中フラグ)の処理が行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、当たり判定、変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。この特別図柄処理については、図9及び図10のフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間開放させて遊技球の入賞を容易とする処理が行われる。尚、特別図柄始動電動役物15の1回の開放時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が長い。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。そして、取得された乱数に基づいて普通当たり判定が行われ、判定結果を普通図柄表示部24に表示させる処理が行われる。尚、普通図柄表示部24に表示される普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、スピーカ48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図9及び図10に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)、図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5208には、特別図柄表示状態フラグ、当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、時短中フラグ等が記憶されている。特別図柄表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25が変動している場合(変動中)には「1」、停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、当たり遊技状態フラグは、当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となっている。また、確率変動フラグは、大当たりと判定される確率が通常状態中よりも高くなる確率変動中に「1」が記憶されて「ON」となる。そして、時短中フラグは、普通図柄の変動時間が通常よりも短くなり、特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開放時間が通常よりも長くなる時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図9に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。スイッチ読込処理(S11、図8参照)において、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検出されていない場合には(S21:NO)、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検出されている場合には(S21:YES)、その遊技球についての乱数を取得する処理が行われる。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球数の数は「4」である。そこで、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われ(S22)、「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、当たり乱数欄には当たり判定カウンタの値が、大当たり特別図柄決定乱数欄には大当たり特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S26)。当たり遊技状態である場合には、当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、当たり遊技状態フラグが「ON」であり、当たり遊技状態であると判断された場合には(S26:YES)、そのままメイン処理へ戻る。
当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には(S26:NO)、当たり遊技状態ではないので、特別図柄表示部25及び変動演出の制御に関する処理が行われる。まず、特別図柄表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S27)。特別図柄表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S27:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S28)。特別図柄表示状態フラグが「2」でなく、特別図柄表示部25に表示されている特別図柄が停止表示中でなければ(S28:NO)、当たり判定が行われる。
そこで、図10のフローチャートに示すように、当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かが判断される(S31)。RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S31:NO)、当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S31:YES)、当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S32)、当たり関係情報記憶エリア(図5参照)に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S33)。
次いで、当たり判定が行われる(S35)。ここで、当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動中に用いられる低確率判定テーブルと、確率変動中に用いられ、大当たりと判定される確率が非確率変動中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。そして、当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている大当たりの組み合わせの中の1つが特別図柄として決定される(S40)。そして、決定された特別図柄が15R大当たりの特別図柄であれば(S41:YES)、特別図柄変動パターン決定テーブル(図7参照)が参照されて、遊技状態に応じた15R大当たりの変動パターンの1つが決定される(S42)。また、15R大当たりの特別図柄でなく、2R大当たりの特別図柄であれば(S41:NO)、遊技状態に応じて2R大当たりの変動パターンが決定される(S43)。そして、S52の処理へ移行する。
また、当たり判定によって大当たりと判定されず(S39:NO)、小当たりと判定された場合には(S45:YES)、小当たりを示す特別図柄(本実施の形態では「00」)が決定される(S46)。そして、遊技状態に応じて小当たりの変動パターンが決定されて(S47)、S52の処理へ移行する。また、当たり判定の結果が大当たりでなく(S39:NO)、小当たりでもない場合には(S45:NO)、はずれを示す特別図柄(本実施の形態では「−−」)が決定される(S48)。そして、遊技状態に応じてはずれの変動パターンが決定されて(S49)、S52の処理へ移行する。
次いで、決定された変動パターンを示すと共に、特別図柄及びデモ図柄の変動開始を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S52)。そして、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶され(S53)、変動パターン毎に決められている特別図柄の変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S54)。そして、特別図柄が変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S55)、メイン処理へ戻る。
また、図9に示すS27の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S27:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S71)。S54(図10参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S71:YES)、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に特別図柄停止コマンドが記憶される(S72)。この特別図柄停止コマンドは、特別図柄表示部25の特別図柄の変動停止、及び表示画面28等によって行われる変動演出の終了を指示するためのコマンドである。そして、所定の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S73)、特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S74)、メイン処理へ戻る。一方で、S71の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S71:NO)、特別図柄の変動が継続される。そこで、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S28の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S28:YES)、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S75)。S73でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には(S75:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方で、カウンタの値がカウンタ更新処理(S12、図8参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S75:YES)、特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S76)。そして、時短中フラグ処理が行われる(S77)。パチンコ機1では、15R大当たり遊技終了後に生起された非確変時短状態は、当たり判定が100回行われると終了する。そこで、S77の処理では、非確変時短状態中に当たり判定が100回行われた場合に、時短中フラグを「0」として、非確変時短状態が終了したことを示す時短終了コマンドを記憶する処理が行われる。
次いで、先に行われた当たり判定で当たりと判定された場合には(S78:YES)、当たり遊技状態であることを示す「1」が当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S79)、当たり遊技を開始することをサブ統合基板58へ通知する当たり遊技開始コマンドが記憶されて(S80)、メイン処理へ戻る。また、当たりと判定されなかった場合には(S78:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
次に、サブ統合基板58における処理について、図11乃至図15を参照して説明する。図11は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートであり、図12は、サブ統合基板処理で実行される演出決定処理のサブルーチンのフローチャートである。また、図13は、演出決定処理で実行される通常モード処理のサブルーチンのフローチャートであり、図14は、演出決定処理で実行されるモードA処理のサブルーチンのフローチャートであり、図15は、演出決定処理で実行されるモードB処理のサブルーチンのフローチャートである。サブ統合基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、電飾ランプ31、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、主基板41において決定された変動パターンに応じた変動演出の内容を、その時点で生起されている演出モードに対応させて実行させる。
まず、サブ統合基板58のRAM582、及びROM583について説明する。RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア、主基板41により指定された特別図柄が記憶される特別図柄記憶エリア、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア等の記憶エリアが設けられている。フラグ関係記憶エリアには、モードフラグ、移行高確率フラグ等の各種フラグが記憶されている。モードフラグは、その時点で生起されている演出モードを示すフラグであり、通常モード生起中に「0」が、モードA生起中に「1」が、モードB生起中に「2」が記憶される。また、移行高確率フラグは、通常モードからモードAへの移行割合が高くなっている場合に「1」が記憶されて「ON」とされる。また、ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラム等が記憶されている。
以下、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について説明する。図11に示すように、サブ統合基板処理が開始されると、まず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S101)。受信した場合には(S101:YES)、コマンドによって指定された変動パターンがRAM582に記憶されて(S102)、変動演出の内容、種別、演出モードの移行等を決定する演出決定処理が行われる(S103)。この詳細は、図12乃至図15を参照して後述する。
次いで、変動パターン指定コマンドと共に主基板41から送信される特別図柄指定コマンドが受信されて(S104)、コマンドによって指定された特別図柄がRAM582に記憶される(S105)。そして、特別図柄に応じて、遊技状態を把握するためのフラグの処理が行われる。特別図柄が大当たり特別図柄でなければ(S108:NO)、当たり判定の結果に起因して遊技状態が変更されることはないため、そのままS101の判断へ戻る。大当たりであれば(S108:YES)、確率変動大当たりを示す特別図柄であるか否かが判断される(S109)。確率変動大当たりでなければ(S109:NO)、大当たりは非確率変動の15R大当たりであるため、確変中フラグに確率変動中でないことを示す「0」が記憶されて「OFF」とされ(S113)、時短状態中であることを示す「1」が時短中フラグに記憶されて「ON」とされて(S114)、S101の判断へ戻る。また、確率変動大当たりであれば(S109:YES)、確変中フラグに確率変動中であることを示す「1」が記憶されて「ON」とされ(S110)、15R大当たりであるか否かが判断される(S111)。大当たりが確率変動の15R大当たりであれば(S111:YES)、さらに時短中フラグが「ON」とされて(S114)、S101の判断へ戻る。また、大当たりが2R大当たりであれば(S111:NO)、時短中フラグは変更されることなく、そのままS101の判断へ戻る。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S101:NO)、当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断され(S116)、受信した場合には(S116:YES)、当たり遊技中の演出を開始させる処理が行われて(S117)、S101の判断へ戻る。また、当たり遊技開始コマンドを受信していない場合には(S116:NO)、時短終了コマンドを受信したか否かが判断される(S119)。非確変時短状態中に100回の当たり判定が行われ、時短終了コマンドが主基板41から送信された場合には(S119:YES)、時短中フラグが「OFF」とされて(S120)、S101の判断へ戻る。時短終了コマンドを受信していない場合には(S119:NO)、その他の各種処理が行われて(S121)、S101の判断へ戻る。
次に、サブ統合基板処理で行われる演出決定処理について、図12乃至図15を参照して説明する。図12に示すように、演出決定処理が開始されると、時短状態中であるか否かが時短中フラグによって判断される(S131)。本実施の形態では、確変時短状態中、及び非確変時短状態中の演出モードはそれぞれ1種類であり、同一の遊技状態中に演出モードが移行することはない。よって、確変時短状態中、又は非確変時短状態中であれば(S131:YES)、指定された変動パターンに応じた変動演出がそのまま実行されて(S132)、サブ統合基板処理へ戻る。
また、時短状態が生起されておらず、遊技状態が通常状態又は確変非時短状態である場合には(S131:NO)、生起されている演出モードが通常モードであるか否かが、モードフラグによって判断される(S133)。確変非時短状態であることの期待度が最も低い通常モードが生起されていれば(S133:YES)、通常モード処理が行われる(S134)。
図13に示すように、通常モード処理が開始されると、モード非移行カウンタに「1」が加算される(S141)。このモード非移行カウンタとは、通常モードから他の演出モードへの移行がなされなかった期間を、通常モード中に行われた当たり判定の回数によってカウントするためのカウンタである。次いで、受信した変動パターンが2R大当たり、又は小当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S142)。本実施の形態では、通常モード中に2R大当たり又は小当たりとなると、演出モードは、確変非時短状態であることの期待度が通常モードよりも高いモードAへ必ず移行する。従って、2R大当たり又は小当たりであれば(S142:YES)、演出モードをモードAへ移行させるモードA移行変動演出が変動パターン(図7に示す「移行チャンスA〜C」のいずれか)に応じて実行され(S143)、モードA生起中であることを示す「1」がモードフラグに記憶される(S144)。そして、モード非移行カウンタの値が初期値である「0」へ初期化され(S145)、移行高確率フラグが「ON」となっている場合には「OFF」に変更されて(S146)、演出決定処理へ戻る。
また、2R大当たり又は小当たりの変動パターンでなければ(S142:NO)、15R大当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S148)。15R大当たりの変動パターンであれば(S148:YES)、変動パターンに応じた15R大当たりの変動演出が通常モードの種別(具体的には、背景色を黒色にする等)に応じて実行される(S149)。そして、モード非移行カウンタの値が初期化され(S145)、移行高確率フラグが「OFF」とされて(S146)、演出決定処理へ戻る。
また、15R大当たりの変動パターンでなく、はずれの変動パターンである場合には(S148:NO)、遊技状態が確変非時短状態中であるか否かが判断される(S151)。本実施の形態では、確変非時短状態中であるにも関わらず、期待度が最も低い通常モードが生起されている場合、所定の変動パターンが選択されることを条件として、モードAを経由させずに直接モードBへ移行させる抽選を行う。そこで、確変非時短状態中であれば(S151:YES)、モードBへ移行させるか否かを決定する処理が行われ(S152)、移行させることが決定されると(S153:YES)、演出モードをモードBへ移行させるモードB移行変動演出が実行される(S155)。そして、モードB生起中であることを示す「2」がモードフラグに記憶され(S156)、モード非移行カウンタの値が初期化され(S157)、さらに移行高確率フラグが「OFF」とされて(S158)、演出決定処理へ戻る。
また、モードBへ移行させないことが決定された場合(S153:NO)、又は遊技状態が通常状態である場合には(S151:NO)、移行高確率中であるか否かが移行高確率フラグによって判断される(S161)。移行高確率中は、2R大当たり及び小当たりに加えて、特定変動パターン決定時もモードAへの移行を行う。そこで、移行高確率中である場合には(S161:YES)、指定された変動パターンが特定変動パターン、すなわち、「はずれリーチA」(図7参照)の変動パターンであるか否かが判断される(S165)。特定変動パターンであれば(S165:YES)、モードA移行変動演出が実行され(S166)、モードA生起中であることを示す「1」がモードフラグに記憶される(S167)。そして、モード非移行カウンタが初期化され(S168)、移行高確率フラグが「OFF」とされて(S169)、演出決定処理へ戻る。また、特定変動パターンでない場合には(S165:NO)、変動パターンに応じたはずれの変動演出が通常モードの種別に応じて実行されて(S163)、演出決定処理へ戻る。
また、移行高確率中でない場合には(S161:NO)、モード非移行カウンタの値が「101」であるか否かが判断される(S162)。「101」であれば(S162:YES)、移行高確率中であることを示す「1」が移行高確率フラグに記憶されて「ON」とされ(S164)、S165の判断へ移行する。一方で、「101」でなければ(S162:NO)、移行高確率フラグが「OFF」とされたまま、変動パターンに応じてはずれの変動演出が通常モードの種別に応じて実行されて(S163)、演出決定処理へ戻る。演出決定処理(図12参照)では、通常モード処理(S134)が終了すると、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
また、図12に示す演出決定処理では、生起されている演出モードが通常モードでないと判断された場合には(S133:NO)、モードA生起中であるか否かが判断される(S136)。モードAであれば(S136:YES)、モードA処理が行われる(S137)。
図14に示すように、モードA処理が開始されると、受信した変動パターンが2R大当たり、又は小当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S171)。2R大当たり又は小当たりの変動パターンであれば(S171:YES)、確変非時短状態が生起されていることの期待度が最も高いモードBへ演出モードを移行させるために、モードB移行変動演出が実行される(S172)。そして、モードB生起中であることを示す「2」がモードフラグに記憶されて(S173)、演出決定処理へ戻る。
2R大当たり又は小当たりの変動パターンでない場合には(S171:NO)、15R大当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S175)。15R大当たりの変動パターンであれば(S175:YES)、変動パターンに応じた15R大当たりを示す変動演出がモードAの種別(具体的には、背景色を緑色にする等)に応じて実行される(S176)。そして、非確変時短状態終了後の演出モードを通常モードから開始させるために、モードフラグに「0」が記憶されて(S177)、演出決定処理へ戻る。
また、15R大当たりの変動パターンでなく、はずれの変動パターンである場合には(S175:NO)、通常モードへの移行抽選が行われる(S178)。この移行抽選はその時点での遊技状態に応じて行われ、通常状態中であれば、確変非時短状態中よりも高い割合で通常モードへの移行が決定されることとなる。これにより、モードA生起中の確変非時短状態の期待度を、通常モード中の期待度よりも高くしている。通常モードへ移行させることが決定された場合には(S180:YES)、演出モードを通常モードへ移行させるための通常モード移行変動演出が実行され(S181)、モードフラグに「0」が記憶されて(S182)、演出決定処理へ戻る。
また、通常モードへ移行させないことが決定された場合には(S180:NO)、モードBへの移行抽選が行われる(S183)。この移行抽選では、確変非時短状態中であれば、通常状態中よりも高い割合でモードBへの移行が決定されることとなる。モードBへ移行させることが決定された場合には(S185:YES)、モードB移行変動演出が実行され(S186)、モードフラグに「2」が記憶されて(S187)、演出決定処理へ戻る。一方で、モードBへ移行しないことが決定された場合には(S185:NO)、変動パターンに応じたはずれを示す変動演出が、モードAの種別に応じて実行されて(S188)、演出決定処理へ戻る。尚、演出決定処理(図12参照)では、モードA処理(S137)が終了すると、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
また、図12に示す演出決定処理では、生起されている演出モードが通常モードでなく(S133:NO)、モードAでもないと判断された場合には(S136:NO)、生起されている演出モードはモードBであるため、モードB処理が行われる(S138)。
図15に示すように、モードB処理が開始されると、受信した変動パターンが2R大当たり、又は小当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S191)。2R大当たり又は小当たりの変動パターンであれば(S191:YES)、確変非時短状態が生起されている期待度が最も高いモードBを維持することを示すモード維持変動演出が実行されて(S192)、演出決定処理へ戻る。
2R大当たり又は小当たりの変動パターンでない場合には(S191:NO)、15R大当たりの変動パターンであるか否かが判断される(S194)。15R大当たりの変動パターンであれば(S194:YES)、変動パターンに応じた15R大当たりを示す変動演出が、モードBの種別(具体的には、背景色を赤色にする等)に応じて実行される(S195)。そして、モードフラグに「0」が記憶されて(S196)、演出決定処理へ戻る。
また、15R大当たりの変動パターンでなく、はずれの変動パターンである場合には(S194:NO)、確変中フラグにより、確変非時短状態中であるか否かが判断される(S198)。確変非時短状態中であれば(S198:YES)、演出モードがモードBから移行することはなく、変動パターンに応じたはずれを示す変動演出が、モードBの種別に応じて実行されて(S199)、演出決定処理へ戻る。
一方で、確変非時短状態中でなく、通常状態中である場合には(S198:NO)、通常モードへの移行抽選が所定の条件で行われる(S200)。そして、移行させないことが決定された場合には(S202:NO)、モードBの種別に応じて変動演出が行われて(S199)、演出決定処理へ戻る。また、通常モードへ移行させることが決定された場合には(S202:YES)、演出モードを通常モードへ移行させるための通常モード移行変動演出が実行され(S203)、モードフラグに「0」が記憶されて(S204)、演出決定処理へ戻る。演出決定処理(図12参照)では、モードB処理(S138)が終了すると、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
次に、以上説明したサブ統合基板処理によって制御されるパチンコ機1の演出モードの移行、及びその効果について、図16を参照して説明する。図16は、通常状態又は確変非時短状態が生起されている場合に行われる演出モードの移行を示す説明図である。
まず、3つの演出モードについて説明する。先述したように、パチンコ機1の演出モードには、通常モード、モードA、及びモードBの3つの演出モードがある。通常モード中はデモ図柄の背景色が黒色となり、確変非時短状態であることの期待度が最も低いことを示す。モードA中のデモ図柄の背景色は緑色であり、期待度は通常モード中よりも高い。モードB中の背景色は赤色であり、期待度は3つの演出モードの中で最も高い。そして、モードAが生起されている場合の遊技状態が確変非時短状態であれば、通常状態(非確率変動非時短状態)中である場合よりも通常モードへ移行し難い。逆に、モードAからモードBへは、通常状態中よりも確変非時短状態中の方が移行しやすい。また、確変非時短状態中にモードBが生起されると、15R大当たり遊技が実行されるまでモードBが継続するが、モードB生起中の遊技状態が通常状態であれば、15R大当たり遊技を経ずに通常モードへ移行する場合がある。そして、確変非時短状態中である場合に限り、通常モードからモードBへ直接移行する場合がある。このように、遊技状態に応じて演出モードを移行させることで、確変非時短状態であることの期待度を演出モードによって遊技者に報知することができる。
次いで、通常モードからモードAへの移行について説明する。通常モードからモードAへ移行する主な契機は、2R大当たり遊技及び小当たり遊技である。パチンコ機1では、2R大当たり遊技中の動作と小当たり遊技中の動作とが同じであるため、これらを見分けることはできないが、2R大当たり遊技であった場合には、その後の遊技状態が遊技者に有利な確変非時短状態となる。そして、2R大当たり又は小当たりと判定された場合には、いずれの場合も演出モードをモードAに移行させることで、確変非時短状態が生起されている期待度が通常モード生起中よりも高いことを遊技者に報知する。これにより、小当たり遊技を実行した場合にも、確変非時短状態となったことを遊技者に期待させることができる。
しかし、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれも実行されずに遊技が進行すると、期待度の最も低い通常モードがいつまでも継続することとなり、遊技者が遊技に飽きてしまう虞がある。そこで、パチンコ機1では、通常モード中に当たり判定が100回行われた以降は、特定変動パターン(図7参照)が決定されたことを演出モードの移行契機として追加する。これにより、遊技の進行状況に応じて演出に変化を加えることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。すなわち、はずれが連続した場合でも、モードAへの移行割合を高くすることで、遊技者の期待感を損なうことなく遊技を長時間楽しませることができる。また、本実施の形態の演出モードは、単なる変動演出の種別を決定するためのモードではなく、遊技の有利度合の期待度を実際に示すモードであるため、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
また、パチンコ機1では、期待度が最も低い通常モードが所定期間継続して生起された場合のみ、演出モードの移行割合を高くする。よって、期待度が高い演出モード(モードA及びモードB)については長時間継続されることを許容して、遊技者の期待感を長時間維持することを可能にしつつ、通常モードの継続による興趣の低下を効果的に防止することができる。また、特定変動パターンを契機とする通常モードからモードAへの移行は、通常モードが所定期間継続して生起された以降のみである。これにより、通常モードからモードAへの移行は、当たり判定によって当たりと判定されたことを契機として行われる場合がより多くなる。従って、モードA生起中に確変非時短状態が生起されている割合が高くなるため、モードA生起中の遊技者の期待感を高めることができる。
尚、本実施の形態における特別図柄始動電動役物15が本発明の「始動口」に相当し、始動口スイッチ70が「遊技球検出手段」に相当する。また、図9に示すS24で当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が「当たり乱数取得手段」として機能し、図10に示すS35で当たり判定を行う主基板41のCPU51が「当たり判定手段」として機能する。また、変動パターンが「演出パターン」に相当し、主基板41におけるROM53の特別図柄変動パターン記憶エリアが「演出パターン記憶手段」に相当する。また、図10に示すS42,43,47,49で変動パターンを決定する主基板41のCPU51が「演出パターン決定手段」として機能し、3つの演出モードのいずれかを生起させるサブ統合基板58のCPU581が「演出モード生起手段」として機能する。また、表示画面28、電飾ランプ31、及びスピーカ48が「演出実行手段」に相当し、これらの動作を制御するサブ統合基板58、演出制御基板43、及びランプドライバ基板46が「演出実行制御手段」に相当する。また、図12に示す演出決定処理で、モードフラグを制御することによって演出モードを移行させるサブ統合基板58のCPU581が「モード移行手段」として機能する。
また、図13のS141でモード非移行カウンタによって当たり判定の回数を係数するサブ統合基板58のCPU581が「モード非移行カウント手段」として機能する。また、図8に示すS13、及び図9に示すS77で確率変動フラグ及び時短中フラグの「ON」「OFF」を制御する主基板41のCPU51が「遊技状態制御手段」として機能し、図10に示すS40で、遊技状態を決定するための特別図柄を決定する主基板41のCPU51が「遊技状態決定手段」として機能する。また、大入賞口16が「可変入賞口」に相当し、15R大当たり遊技が「第一大当たり遊技」に、2R大当たり遊技が「第二大当たり遊技」に相当する。また、モードAが「高期待度演出モード」に相当し、通常モードが「通常演出モード」に相当する。
尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、本実施の形態では、表示画面28等を用いて行われるデモ図柄の変動演出は当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)の結果を示す演出であるが、普通当たり判定等の他の当たり判定の結果を示す変動演出にも本発明を適用できる。また、図3に示す電気的構成や、図7に示す変動パターン決定テーブルの構成等も適宜変更が可能である。
また、本実施の形態では、通常モードからモードAへの移行割合のみを遊技の進行状況に応じて変化させているが、モードAとモードBとの間の移行割合等、他のモード間の移行割合も進行状況に応じて変化させることも可能である。また、決定された場合にモード移行の契機となり得る特定変動パターンは1種類のみ設けられているが、2種類以上の特定変動パターンを設けてもよい。また、3つ以上の演出モードを生起可能な遊技機や、非確率変動の2R大当たりが設定された遊技機、小当たり遊技が設けられていない遊技機等、様々な遊技機に本発明が適用できる。
また、本実施の形態では、通常モードが生起されている期間を、通常モード中に行われた当たり判定の回数を計数することでカウントしているが、これも変更が可能である。例えば、通常モードの生起時間を計測することで、通常モードが生起されている期間をカウントすることもできる。この場合、時間を計測するカウンタを設け、図13に示すS141のカウンタ加算処理を行う代わりに、通常モードが生起された時点(例えば、図14のS181、図15のS203、及び非確変時短状態における100回の当たり判定終了時)で時間の計測を開始する。そして、図13に示すS162の判断で、所定の時間が経過したか否かを判断し、経過している場合に移行割合を高くする処理を行えばよい。これにより、当たり判定が行われる頻度に関わらず、所定時間が経過することで移行割合を変化させることができる。
また、演出モードの移行がされていない期間をカウントするのではなく、所定の周期のカウントを繰り返し行い、所定の周期が到来する毎に演出モードの移行割合を変化させる構成とすることもできる。例えば、図13に示すS141では、通常モード中のみの当たり判定回数が計数されているが、他の演出モード中にも常に当たり判定の回数を計数し、所定の周期が到来した時点で通常モードが生起されていれば、その度に移行割合を高くする。これにより、通常モードからモードAへの移行が行われるタイミングにある程度の周期性を持たせることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、遊技者に多大な利益が付与される、出球のある大当たり遊技(本実施の形態では15R大当たり遊技)を、演出モードの移行割合を変化させる周期の起点とすることも可能である。例えば、通常モード中のみの当たり判定回数の計数(S141、図13参照)を行わずに、他の演出モード中にも常に当たり判定の回数をカウンタによって計数する。この処理は、当たり判定が行われる毎に、例えば図11に示すS102の処理の後に行えばよい。そして、所定の周期到達時に通常モード以外の演出モードが生起されていなければ、移行高確率フラグをONとしてカウンタの値をクリアする処理を、例えば図12に示すS133及びS136の間で行う。又は、カウンタの積算を継続させておき、通常モードへ戻った際に移行高確率フラグを「ON」として、カウンタの値をクリアする(この場合、図13に示すS162の判断で、カウンタの値が101以上であるか否かを判断すればよい)。そして、15R大当たりと判定された場合にも(例えば、S148:YES)、カウンタの値をクリアする処理を行う。これにより、遊技者にとって喜びの大きい15R大当たり遊技を起点として、少なくとも一定期間毎(当たり判定の回数を計数するカウンタが所定値に到達する毎)に、期待感がより高いモードAへの移行割合が高くなる。従って、遊技者に対して大当たり遊技への期待感を周期的に高めさせることができ、遊技者の遊技意欲をより長く継続させることができる。
また、本実施の形態では、通常モードでの当たり判定の回数が101回以上となった場合のみ、特定変動パターンが決定されることを契機としたモードAへの移行を行う構成となっている。しかし、特定変動パターンが決定された場合には常にモードAへの移行を行うか否かを抽選する構成とし、通常モードが生起されている期間が所定の長さに達した場合に、特定変動パターン決定時の移行抽選の確率を高くすることもできる。
また、通常モードにおいて、複数設定されている特定変動パターンのうちの一部が決定された場合には常にモードAへの移行を行うこととし、通常モードが生起されている期間が所定の長さに達した場合には、複数ある特定変動パターンのいずれが決定された場合も必ずモードAへの移行を行うように設定してもよい。さらに、通常モードにおいて、複数設定されている特定変動パターンのうちの一部が決定された場合のみ、常にモードAへの移行を行うこととし、通常モードが生起されている期間が所定の長さに達した場合には、前記一部以外の残りの特定変動パターンが決定された際に、モードAへ移行させるか否かの抽選を行うように設定してもよい。これにより、当たり遊技を介さない通常モードからモードAへの移行が、通常モードの生起期間に関わらず常に行われることとなる。よって、演出モードの移行割合の変化が遊技者に気付かれる可能性をより低くすることができ、遊技者に有利な遊技状態が生起されていることを所定の期間毎に期待させることができる。