JP2009212201A - 有機発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率・高輝度・高寿命の有機電解発光素子。
【解決手段】陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成され、該有機化合物層に、アリーレン基(たとえばクリセニレン、フルオランテニレン、ペリレニレン、トリフェニレン、ピレニレン、フルオレニレン、フェナントリレン等)で連結された、8,8’ジアリール−ビスナフタレン誘導体が少なくとも一種類含まれることを特徴とする、有機発光素子。
【選択図】なし
【解決手段】陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成され、該有機化合物層に、アリーレン基(たとえばクリセニレン、フルオランテニレン、ペリレニレン、トリフェニレン、ピレニレン、フルオレニレン、フェナントリレン等)で連結された、8,8’ジアリール−ビスナフタレン誘導体が少なくとも一種類含まれることを特徴とする、有機発光素子。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機発光素子に関するものである。
有機発光素子は、電極間に蛍光性又は燐光性有機化合物を含む薄膜を挟持されている素子である。各電極から電子及びホール(正孔)を注入することにより、蛍光性又は燐光性化合物の励起子が生成され、この励起子が基底状態に戻る際に有機発光素子は光を放射する。
有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は、低印加電圧で高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。このことから、有機発光素子は広汎な用途への可能性を示唆している。
しかしながら、現状では更なる高輝度の光出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気等による劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。さらにはフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場合、色純度のよい青色、緑色、赤色の発光が必要となるが、これらの問題に関してまだ十分でない。この三色の中で、一番バンドギャップが広い青色発光素子においては、バンドギャップが広くなるため、自ずとHOMO準位が深くなりLUMO準位が浅くなる。このため電荷輸送層(ホール輸送層、電子輸送層)から発光層へキャリアが注入しにくくなる。さらに、緑色発光材料及び赤色発光材料と比較すると、青色発光材料はπ共役系の広がりが小さいため、分子構造上キャリア移動度を稼ぐことが難しくなる傾向にある。
上述した課題を解決する方法として、縮合多環芳香族化合物を有機発光素子の構成材料として使用することが提案されている。ただし非特許文献1、2に記載されているように、縮合多環芳香族化合物を有機発光素子の発光材料として使用すると、凝集体を形成し濃度消光し易くなることが知られている。従って、縮合多環芳香族化合物を使用する場合は、高濃度化による発光材料からなる凝集体の形成のため発光効率の向上が難しくなるという課題がある。さらに、青色発光材料においては、上述のバンドギャップの問題も含まれるので、さらに発光効率の向上が難しくなる傾向にある。
ところで縮合多環炭化水素化合物にナフタレンを二つ置換されている化合物が提案されており有機発光素子への応用が検討されている。具体例としては、特許文献1に開示されている3,11−ジ(1’−ナフチル)アセナフト[1,2−k]フルオランテン誘導体、特許文献2に開示されホール輸送性材料である9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン等の種々のアントラセン誘導体が挙げられる。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、高効率で高輝度、かつ高寿命の光出力を有する有機発光素子を提供することにある。また本発明の他の目的は、製造が容易でかつ比較的安価に作製可能な有機発光素子を提供することにある。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成され、該陽極及び該陰極のいずれかが透明か半透明であり、該有機化合物層に下記一般式(1)で示されるナフタレン誘導体が少なくとも一種類含まれることを特徴とする。
本発明によれば、高効率で高輝度、かつ高寿命の光出力を有する有機発光素子を提供することができる。
以下、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成される。尚、陽極及び陰極のいずれかが透明か半透明である。
以下、図面を参照しながら本発明の有機発光素子についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の有機発光素子における第一の実施形態を示す断面図である。図1の有機発光素子10は、基板1上に、陽極2、発光層3及び陰極4が順次設けられている。この有機発光素子10は、発光層3が、ホール輸送能、電子輸送能及び発光性の性能を全て有する化合物で構成されている場合に有用である。またホール輸送能、電子輸送能及び発光性の性能のいずれかの特性を有する化合物を混合して構成される場合にも有用である。
図2は、本発明の有機発光素子における第二の実施形態を示す断面図である。図2の有機発光素子20は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4が順次設けられている。この有機発光素子20は、ホール輸送性及び電子輸送性のいずれかを備える発光性の化合物と電子輸送性のみ又はホール輸送性のみを備える有機化合物とを組み合わせて使用する場合に有用である。また、有機発光素子20は、ホール輸送層5又は電子輸送層6が発光層を兼ねている。
図3は、本発明の有機発光素子における第三の実施形態を示す断面図である。図3の有機発光素子30は、図2の有機発光素子20において、ホール輸送層5と電子輸送層6との間に発光層3を挿入したものである。この有機発光素子30は、キャリア輸送と発光との機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した有機化合物を適宜組み合わせて使用することができる。このため、極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の有機化合物が使用できるので、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3にキャリアあるいは励起子を有効に閉じこめて有機発光素子30の発光効率の向上を図ることも可能になる。
図4は、本発明の有機発光素子における第四の実施形態を示す断面図である。図4の有機発光素子40は、図3の有機発光素子30において、陽極2とホール輸送層5との間にホール注入層7を設けたものである。この有機発光素子40は、ホール注入層7を設けたことにより、陽極2とホール輸送層5との間の密着性が改善され、又はホールの注入性が改善されるので低電圧化に効果的である。
図5は、本発明の有機発光素子における第五の実施形態を示す断面図である。図5の有機発光素子50は、図3の有機発光素子30において、ホール又は励起子(エキシトン)が陰極4側に抜けることを阻害する層(ホール/エキシトンブロッキング層8)を、発光層3と電子輸送層6との間に挿入したものである。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホール/エキシトンブロッキング層8として用いることにより、有機発光素子50の発光効率が向上する。
ただし、図1乃至図5はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機化合物層との界面に絶縁性層、接着層又は干渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される等多様な層構成をとることができる。
本発明の有機発光素子は、図1乃至図5のいずれの形態でも使用することができる。
また、本発明の有機発光素子は、有機化合物層に下記一般式(1)で示されるナフタレン誘導体が少なくとも一種類含まれることを特徴とする。
式(1)において、R1乃至R12は、それぞれ水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基を表す。
R1乃至R12で表される置換あるいは無置換のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、4−クロロブチル基、5−クロロペンチル基、6−クロロヘキシル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、4−フルオロシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
式(1)において、Ar1は、クリセニレン基、フルオランテニレン基、ペリレニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基、フェナントリレン基、インデノクリセニレン基、ベンゾ[e]アセフェナントリレン基、ベンゾ[ghi]フルオランテニレン基又はベンゾ[c]フェナントリレン基を表す。尚、Ar1で表される置換基は、さらにメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、等の置換基を有してもよい。
式(1)において、Ar2及びAr3は、それぞれ置換又は無置換のアリール基を表す。
Ar2又はAr3で表される置換又は無置換のアリール基として、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、メシチル基、4−tert−ブチルフェニル基、ジトリルアミノフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
ところで、式(1)に示される化合物は、Ar1を中心にしてみると、中心にあるAr1に、1位にアリール基が置換され8位がAr1との結合手であるナフチル基が2個結合されている、というように見える。ここで当該ナフチル基は、Ar1にとって立体的な保護基として有効に機能する。この立体的な保護基を有することによって、本発明のナフタレン誘導体は青色発光材料として好適な材料となる。
有機化合物層に含まれるナフタレン誘導体は、好ましくは、下記一般式(2)で示される化合物である。
式(2)において、R1乃至R12は、それぞれ水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基を表す。R1乃至R12で表される置換あるいは無置換のアルキル基の具体例は、式(1)中のR1乃至R12の具体例と同様である。
式(2)において、R13乃至R22は、それぞれ水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のフェニル基を表す。R13乃至R22で表される置換あるいは無置換のアルキル基の具体例は、式(1)中のR1乃至R12の具体例と同様である。
R13乃至R22で表される置換基が置換あるいは無置換のフェニル基の場合、当該フェニル基がさらに有してもよい置換基として、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、ジトリルアミノ基等の置換アミノ基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
式(2)において、Ar1は、クリセニレン基、フルオランテニレン基、ペリレニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基、フェナントリレン基、インデノクリセニレン基、ベンゾ[e]アセフェナントリレン基、ベンゾ[ghi]フルオランテニレン基又はベンゾ[c]フェナントリレン基を表す。尚、Ar1で表される置換基は、さらにメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、等の置換基を有してもよい。
式(1)及び(2)のナフタレン誘導体は、炭化水素からなる縮合多環系の化合物であり、色純度に優れるため発光材料として有用である。ここで縮合多環系の発光材料は、発光の中心となる縮合多環が芳香環をある程度縮合した構造であり、環自体の共役長が比較的長いため、一般的にπ共役系が発達している。発光の中心となる骨格が、π共役系が発達している骨格であることにより、適当な置換基を導入することで発光色を青、緑、赤と調節するのが容易になる。しかし、π共役系を発達させたとしても、一番バンドギャップが広い青色発光素子においては、基本的にバンドギャップが広い。このため、発光層のHOMO準位は深くなる一方でLUMO準位は浅くなることから、電荷輸送層(ホール輸送層又は電子輸送層)から発光層へキャリアを注入しにくくなる。
また緑、赤色発光材料に比べて、青色発光材料は、π共役系の広がりが小さいので分子構造上キャリア移動度を稼ぎづらくなっている。ここで、キャリア移動度を稼ぐ方法として、発光層中の発光材料の濃度を濃くする方法が考えられる。しかし発光材料が芳香族炭化水素化合物である場合は、発光材料である分子同士のスタッキングの確率が高くなるため、濃度消光や酸素による酸化等といった発光に不利な現象が発生し易くなるからと考えられる。この濃度消光を回避するために、一般的に長鎖アルキル基や嵩高いアルキル基を置換基として導入するが、このような置換基を導入するとπ共役面の重なりが過度に減少するためキャリア移動度が著しく減少する。
一方、式(1)及び式(2)のナフタレン誘導体は、発光部位となるAr1に、1位をアリール置換し8位をAr1との結合手とするナフチル基を2個置換している。このように発光部位をアリール基であるナフチル基で挟み込むことで、立体的に嵩高い大きな分子になり濃度消光を抑制できるという利点を有することになる。また、分子全体が有する立体的嵩高さをベンゼン環やナフタレン環のようなπ共役面を有する置換基で作りだしているため、長鎖アルキル基や嵩高いアルキル基で立体的嵩高さを作り出すよりもキャリア移動度の低下が起こりにくいという利点を有することになる。
他方、電荷輸送層の構成材料は、連続通電時における電荷移動度の変化が無い方が好ましい。連続通電時に、電荷移動度が変化すると、発光層中に到達する電荷のバランスを崩すことなり、素子劣化の原因となるからである。電荷移動度の変化は、素子に通電する際に、電荷を帯びた電荷輸送層の構成材料が、電気的に中性な分子や不純物等の異分子と反応し新たな分子が形成されるからであると考えられる。
同様に、発光材料もπ共役面が発達している化合物、例えば芳香族炭化水素化合物である場合、電荷移動度が早くなる反面、成膜時にアモルファス性が低下し結晶化し易くなるという問題点がある。以上のように、通電の際に発生し得る化学的変化とアモルファス性の低下を抑制する方法として、ベンゼン環やナフタレン環のようなπ共役面を有する置換基を導入し分子全体を嵩高くする方法が挙げられる。
式(1)及び式(2)のナフタレン誘導体は、以上の考察をもとに分子設計し、発明がなされたものである。
以下式(1)及び式(2)のナフタレン誘導体の具体例を示す。但し、これらは代表例を例示しただけで、本発明はこれに限定されるものではない。
以上述べたように本発明の有機発光素子は、有機化合物層に式(1)又は式(2)で示されるナフタレン誘導体が含まれるものである。ここで有機化合物層とは、具体的には、図1乃至図5にて示されている発光層3、ホール輸送層5、電子輸送層6、ホール注入層7及びホール/エキシトンブロッキング層8のいずれかをいう。好ましくは、発光層3である。尚、本発明の有機発光素子の構成材料として使用される式(1)又は式(2)で示されるナフタレン誘導体は、一種類であっても二種類以上であってもよい。
さらに、本発明の有機発光素子において、好ましくは、発光層3はホストとゲストとからなり、そのうちゲストは式(1)又は式(2)で示されるナフタレン誘導体である。
発光層3が、キャリア輸送性のホストとゲストとからなる場合、発光に至る主な過程は以下のいくつかの過程からなる。
1.発光層内での電子・ホールの輸送
2.ホストの励起子生成
3.ホスト分子間の励起エネルギー伝達
4.ホストからゲストへの励起エネルギー移動
1.発光層内での電子・ホールの輸送
2.ホストの励起子生成
3.ホスト分子間の励起エネルギー伝達
4.ホストからゲストへの励起エネルギー移動
それぞれの過程における所望のエネルギー移動や、発光はさまざまな失活過程と競争でおこる。
有機発光素子の発光効率を高めるためには、発光中心材料そのものの発光量子収率が大きいことは言うまでもない。しかしながら、ホスト−ホスト間、あるいはホスト−ゲスト間のエネルギー移動が如何に効率的にできるかも大きな問題となる。また、通電による発光劣化は今のところ原因は明らかではないが、少なくとも発光中心材料そのもの、又はその周辺分子による発光材料の環境変化に関連したものと想定される。
発光中心材料そのものの劣化の原因としては、酸素や水分によるもの、カチオン又はアニオンの形成に起因する電気化学的要因によるもの、三重項励起子形成等による励起状態形成に関するもの、発光材料間のエキサイマー形成によるものが挙げられる。これを回避する一つの手段として、発光材料の発光部位を何らかの形で保護する方法がある。ここで発光部位を保護する方法として、発光の中心となる骨格に嵩高い置換基を導入する方法がある。こうすることで発光の中心となる骨格である縮合多環基のπ共役面に異分子(ゲスト又はホスト)がスタッキングしたり、発光材料となる分子とその他発光に影響を及ぼす分子とが相互作用したりするのを防ぐことができる。このように他の分子との相互作用を生じさせないようにすることで、有機発光素子を連続駆動した際に予想される素子劣化要因に対する保護が期待できる。例えば、凝集による濃度消光からの保護、酸素や水分からの保護、及びその他発光に影響を及ぼす不純物等からの保護が期待できる。
次に、本発明の有機発光素子を構成する他の部材について説明する。
ホール輸送層5やホール注入層7の構成材料であるホール輸送性材料として、α−NPD、下記に示される化合物B−1、化合物B−2等が挙げられる。
電子輸送層5の構成材料である電子輸送性材料として、Bphen(同仁化学研究所製)、2,9−ビス[2−(9,9’−ジメチルフルオレニル)]−1,10−フェナントロリン等が挙げられる。
発光層3の構成材料であるホストとして、下記に示される化合物B−3等が挙げられる。また、発光層3におけるホストとゲストとの混合比は、好ましくは、重量比にして[ホスト]:[ゲスト]=99.9:0.1〜80:20である。
陽極2の構成材料として、ITO等が挙げられる。
陰極4の構成材料として、Al、ITO等が挙げられる。
本発明のナフタレン誘導体を含む有機化合物層を形成する場合は、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、インクジェット法等により製膜することができる。また、本発明のナフタレン誘導体を含まない層においても、材料に応じて真空蒸着法等の公知の方法を用いることでその層を形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成例1〕(例示化合物A−1の合成)
出発原料として1,8−ジアミノナフタレンを使用して、下記に示す合成フロー(A),(B)の流れに沿って例示化合物A−1を合成した。
出発原料として1,8−ジアミノナフタレンを使用して、下記に示す合成フロー(A),(B)の流れに沿って例示化合物A−1を合成した。
(1)合成中間体1−3の合成
まずTetrahedron Letters,46(16),2923−2926(2005)に記載の合成法を参考にして、1,8−ジアミノナフタレンから合成中間体1−1を合成した。次に、Journal of Organic Chemistry,37,1003−1011(1972)に記載の合成法を参考にして、合成中間体1−1から合成中間体1−2を合成した。次に、ORGANIC SYNTYHESES VIA BORANES Volume3を参考にして、合成中間体1−2から合成中間体1−3を合成した。
まずTetrahedron Letters,46(16),2923−2926(2005)に記載の合成法を参考にして、1,8−ジアミノナフタレンから合成中間体1−1を合成した。次に、Journal of Organic Chemistry,37,1003−1011(1972)に記載の合成法を参考にして、合成中間体1−1から合成中間体1−2を合成した。次に、ORGANIC SYNTYHESES VIA BORANES Volume3を参考にして、合成中間体1−2から合成中間体1−3を合成した。
(2)例示化合物A−1の合成
鈴木カップリング反応(ORGANIC SYNTYHESES VIA BORANES Volume3)により例示化合物A−1の合成を行った。具体的方法を以下に示す。
鈴木カップリング反応(ORGANIC SYNTYHESES VIA BORANES Volume3)により例示化合物A−1の合成を行った。具体的方法を以下に示す。
100mlの三口フラスコに以下の試薬、溶媒を仕込んだ。
合成中間体1−3:490mg(1.5mmol)
合成中間体1−4:260mg(0.68mmol)
Pd(OAc)2:6mg
ジシクロへキシル(2,6−ジメトキシビフェニル)フォスフィン:22mg
K2PO4:0.29g
トルエン:30ml
水:3ml
合成中間体1−3:490mg(1.5mmol)
合成中間体1−4:260mg(0.68mmol)
Pd(OAc)2:6mg
ジシクロへキシル(2,6−ジメトキシビフェニル)フォスフィン:22mg
K2PO4:0.29g
トルエン:30ml
水:3ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しながら9時間攪拌した。反応終了後、反応溶液にトルエン及び水を加え有機層を分液抽出した。次に、この有機層を乾燥し減圧濃縮することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン/へプタン=1/3)で精製することで得られた結晶を120℃で真空乾燥することにより、例示化合物A−1を130mg(収率:30%)得た。
MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)によりこの化合物のM.W.:632.79を確認した。
また、NMR測定によりこの化合物を同定した。
1H−NMR(CDCl3,600MHz):δ(ppm)=8.33(d,1H),8.09(d,2H),8.02(d,1H),7.69(t,1H,),7.65(d,1H),7.52(t,1H),7.46(t,1H),7.40(d,1H),7.31(t,1H),7.18(d,1H),6.69(d,1H),6.29(d,1H),6.11(t,1H),6.04(t,1H),5.96(t,1H)
さらに例示化合物A−1のトルエン溶液(1.0×10-5mol/L)を調製し、このトルエン溶液のPL(フォトルミネッセンス)スペクトルを測定した。その結果、図6に示されるように、発光ピーク438nm、半値幅70nmの色純度の優れた青色発光スペクトルであることがわかった。
さらに例示化合物A−1のトルエン溶液(1.0×10-5mol/L)を調製し、このトルエン溶液のPL(フォトルミネッセンス)スペクトルを測定した。その結果、図6に示されるように、発光ピーク438nm、半値幅70nmの色純度の優れた青色発光スペクトルであることがわかった。
尚、合成例1において、合成中間体1−4の代わりに下記表1に示されるジブロモ化合物を使用する以外は、合成例1と同様の方法により、下記表1に示される例示化合物を合成できる。
〔実施例1〕
図4に示す構造の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
図4に示す構造の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
ガラス基板(基板1)上に、スパッタ法により酸化錫インジウム(ITO)を成膜して陽極2を形成した。このとき陽極2の膜厚を120nmとした。次に、この陽極付基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いで純水で洗浄後乾燥した。次に、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
次に、正孔注入材料である下記に示される化合物B−1とクロロホルムとを混合し、濃度0.1重量%のクロロホルム溶液を調製した。
このクロロホルム溶液を陽極2上に滴下し、最初に回転数500RPMで10秒、次に回転数1000RPMで40秒スピンコートを行うことで、膜を形成した。この後80℃の真空オーブンで10分間乾燥し、薄膜中の溶剤を完全に除去することによりホール注入層7を製膜した。このときホール注入層7の膜厚は15nmであった。
次に、ホール注入層7上に、真空蒸着法により下記に示される化合物B−2を成膜しホール輸送層5を形成した。このときホール輸送層5の膜厚を15nmとした。
次に、ホール輸送層5上に、真空蒸着法によりゲストである例示化合物A−1と、ホストである下記に示される化合物B−3とを、重量比が2:98となるように共蒸着して発光層3を形成した。このとき発光層3の膜厚を30nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とした。
次に、発光層3上に真空蒸着法により2,9−ビス[2−(9,9’−ジメチルフルオレニル)]−1,10−フェナントロリンを成膜し電子輸送層6を形成した。このとき電子輸送層6の膜厚を30nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.1nm/sec乃至0.2nm/secの条件とした。
次に、電子輸送層6上に、真空蒸着法によりフッ化リチウム(LiF)を成膜し第一の電子注入電極を形成した。このとき第一の電子注入電極の膜厚を0.5nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.01nm/secとした。次に、真空蒸着法によりアルミニウム膜を形成し第二の電子注入電極を形成した。このとき第二の電子注入電極の膜厚を100nmとし、蒸着時の真空度を1.0×10-4Paとし、成膜速度を0.5nm/sec乃至1.0nm/secの条件とした。ここで、第一の電子注入電極及び第二の電子注入電極は陰極4として機能する。
次に、水分の吸着によって素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。以上のようにして有機発光素子を得た。
得られた素子について、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして電圧を印加すると、継続して良好な青色発光を観測することができた。
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホール/エキシトンブロッキング層
10,20,30,40,50 有機発光素子
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホール/エキシトンブロッキング層
10,20,30,40,50 有機発光素子
Claims (4)
- 陽極と陰極と、
該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成され、
該陽極及び該陰極のいずれかが透明か半透明であり、
該有機化合物層に下記一般式(1)で示されるナフタレン誘導体が少なくとも一種類含まれることを特徴とする、有機発光素子。
- 前記ナフタレン誘導体が下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
- 前記ナフタレン誘導体が発光層に含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光素子。
- 前記発光層がホストとゲストとからなり、該ゲストが前記ナフタレン誘導体であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子。
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-
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- 2008-03-03 JP JP2008051941A patent/JP2009212201A/ja not_active Withdrawn
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