JP2009212152A - 光学部材、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

光学部材、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】照度ムラを抑えながら再生像の忠実性と回折効率を向上する光学部材を提供する。
【解決手段】局在した複数の像からなる再生像を形成する光学部材であって、前記複数の像のそれぞれを形成する複数の計算機ホログラムを、前記再生像を形成するように組み合わせたサブユニットが複数配列された第1の光学素子部と、前記第1の光学素子部を通過する光のうち、隣接する少なくとも2つの前記サブユニットをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させる第2の光学素子部と、を有することを特徴とする光学部材を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体デバイスを製造する際に、投影露光装置が従来から使用されている。投影露光装置は、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウエハ等の基板に投影して回路パターンを転写する。
投影露光装置の解像度Rは、露光光の波長λ、投影光学系の開口数(NA)及び現像プロセスなどによって定まるプロセス定数kを用いて、以下の数式1で与えられる。
従って、露光光の波長を短くすればするほど、或いは、投影光学系のNAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。但し、露光光の波長が短くなると硝材の透過率が低下するため、現在の露光光を更に短波長化することは困難である。また、投影光学系のNAに反比例して焦点深度が小さくなること、及び、高NAの投影光学系を構成するためのレンズの設計及び製造は困難であることから、投影光学系の高NA化を進めることも難しい。
そこで、プロセス定数kを小さくすることにより解像度の向上を図る超解像技術(RET:Resolution Enhanced Tecnology)が提案されている。かかるRETの1として、変形照明法(又は斜入射照明法)と呼ばれるものがある。
変形照明法は、一般的に、光学系の光軸上に遮光板を有する開口絞りを、均一な面光源を形成するオプティカルインテグレータの射出面近傍に配置することによって、レチクルに対して露光光を斜めに入射させる。変形照明法は、開口絞りの形状(即ち、光強度分布の形状)に応じて、輪帯照明法や四重極照明法などを含む。また、変形照明法においては、露光光の利用効率(照明効率)を向上させるため、開口絞りの代わりに計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)を用いた技術も提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−005319号公報
しかしながら、変形照明法で代表的に形成される四重極形状の光強度分布のように、光強度(像)が一箇所に局在していない一般的な形状の光強度分布を形成するCGHの構造は非常に複雑であるため、製造誤差が生じやすい。また、複雑な構造を有するCGHでは、フーリエ変換などのスカラー解析ではなく、ベクトル解析を必要とするレベルの周期構造の割合が多くなるため、再生像(CGHによって形成される光強度分布)の忠実性と回折効率が低下してしまう。
一方、特許文献1は、CGHを4分割してサブCGHを構成し、入射光の強度分布を変化させることで、CGHによる再生像の極のバランスを変化させることを可能とする技術を開示している。但し、特許文献1のように、1つのCGHを大きく分割してしまうと、入射光の光強度分布がオプティカルインテグレータで補正しきれていない場合(例えば、CGHの一部にしか光が入射しない場合)、再生像に照度ムラが生じてしまう。また、CGHの位置が所定の位置からシフトしてしまった場合も同様に、再生像に照度ムラが生じてしまう。
そこで、本発明は、このような従来技術の課題に鑑みて、照度ムラを抑えながら再生像の忠実性と回折効率を向上することができる光学部材を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学部材は、局在した複数の像からなる再生像を形成する光学部材であって、前記複数の像のそれぞれを形成する複数の計算機ホログラムを、前記再生像を形成するように組み合わせたサブユニットが複数配列された第1の光学素子部と、前記第1の光学素子部を通過する光のうち、隣接する少なくとも2つの前記サブユニットをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させる第2の光学素子部と、を有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての光学部材は、局在した複数の像からなる再生像を形成する光学部材であって、前記複数の像のそれぞれを形成する複数の計算機ホログラムを、前記再生像を形成するように組み合わせたサブユニットが複数配列された光学素子部を有し、前記サブユニットのそれぞれは、第1の方向にq個、前記第1の方向に直交する方向にp個の互いに異なる複数の計算機ホログラムを組み合わせて構成され、前記サブユニットは、前記第1の方向及び前記第2の方向において、同一の計算機ホログラムがp×qの周期で存在するように配列されていることを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系と、を有し、前記照明光学系は、上述の光学部材を含むことを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて基板を露光するステップと、露光された前記基板を現像するステップと、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、照度ムラを抑えながら再生像の忠実性と回折効率を向上する光学部材を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての露光装置1の構成を示す概略図である。露光装置1は、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式でレチクル30のパターンをウエハ50に転写する投影露光装置である。但し、露光装置1は、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式も適用することができる。
露光装置1は、光源10及び照明光学系20を含み、転写用の回路パターンが形成されたレチクル30を照明する照明装置と、レチクル30を支持するレチクルステージ(不図示)と、投影光学系40と、ウエハ50を支持するウエハステージ(不図示)とを備える。
光源10は、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザーや波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどのエキシマレーザーを使用する。但し、光源10は、エキシマレーザーに限定されず、波長約157nmのFレーザーや、狭帯域化した水銀ランプなどを使用してもよい。
照明光学系20は、光源10からの光を用いてレチクル30を照明する光学系であって、本実施形態では、所定の照度を確保しながら所定の偏光状態でレチクル30を変形照明する。照明光学系20は、引き回し光学系201と、ビーム整形光学系202と、偏光制御部203と、位相制御部204と、射出角度保存光学素子205と、リレー光学系206と、多光束発生部207と、光学部材210とを含む。更に、照明光学系20は、リレー光学系221と、アパーチャ222と、ズーム光学系223と、多光束発生部224と、開口絞り225と、照射部226とを含む。
引き回し光学系201は、光源10からの光を偏向してビーム整形光学系202に導光する。
ビーム整形光学系202は、例えば、複数のシリンドリカルレンズを備えるビームエクスパンダなどを使用する。ビーム整形光学系202は、光源10からの光(平行光)の断面形状の寸法の縦横比率を所望の値に変換して(例えば、断面形状を長方形から正方形にして)、光源10からの光の断面形状を所望の形状に整形する。ビーム整形光学系202は、多光束発生部207を照明するために必要な大きさ及び発散角を有する光束を形成する。
偏光制御部203は、直線偏光子などを含み、不要な偏光成分を除去する機能を有する。光源10がArFエキシマレーザーなどのレーザーを使用する場合、光源10から射出される光は略直線偏光であるため、引き回し光学系201で偏光面の乱れが多少生じたとしても、直線偏光が支配的な光として偏光制御部203に入射する。偏光制御部203は、透過可能な直線偏光の方向と入射光の支配的な偏光方向とを一致させており、入射光が不要な偏光成分を含んでいる場合に、かかる不要な偏光成分を除去する。このように、偏光制御部203で除去(遮光)される偏光成分を最小限にすることで、光源10からの光を効率よく所望の直線偏光にすることができる。
位相制御部204は、偏光制御部203によって直線偏光となった光にλ/4の位相差を与えて円偏光に変換する。換言すれば、位相制御部204は、直線偏光を円偏光又は略円偏光に変換する位相板(λ/4位相板)として機能する。位相制御部204は、光学系で発生した位相ずれの影響で所望の偏光状態が得られない場合に、かかる位相ずれを打ち消す(キャンセルする)ように、位相を調整することができる。なお、位相板としては、λ/4位相板に限らず、例えば、λ/2位相板であってもよい。
射出角度保存光学素子205は、例えば、オプティカルインテグレータ(複数の微小レンズで構成されるハエの目レンズやファイバー束など)で構成され、一定の発散角度で光を射出する。
リレー光学系206は、射出角度保存光学素子205から射出した光を多光束発生部207に集光する。リレー光学系206は、射出角度保存光学素子205の射出面と多光束発生部207の入射面との関係をフーリエ変換の関係(物体面と瞳面の関係、或いは、瞳面と像面の関係)にする。
多光束発生部207は、光学部材210を均一に照明するためのオプティカルインテグレータ(複数の微小レンズで構成されるハエの目レンズやファイバー束など)で構成される。但し、多光束発生部207は、複数の光学軸を有すると共に、各々の光学軸を中心として有限な面積の領域を有し、各々の領域において1つの光が特定できるような光学素子で構成されていればよい。多光束発生部207の射出面は、複数の点光源からなる光源面を形成する。多光束発生部207から射出された光は、円偏光として光学部材210に入射する。
光学部材210は、リレー光学系221を介して、アパーチャ222の位置に、所望の光強度分布を再生像として形成する回折光学素子である。
以下、光学部材210について詳細に説明する。本実施形態では、光学部材210が、図2に示すように、回転対称な四重極形状の再生像を形成する場合を例に説明する。図2は、光学部材210によって形成される再生像の一例(四重極形状の再生像)を示す図である。
まず、図2に示す四重極形状の再生像を形成する回折光学素子として、従来技術で設計された計算機ホログラム(CGH)について説明する。図3は、図2に示す四重極形状の再生像を形成するために従来技術で設計された位相型のCGH1000を示す図であって、色の濃淡は位相を表している。CGH1000は、図3に示すように、2つの特徴的な部分α及びβで構成されている。
CGH1000の部分αは、図4(a)及び(b)に示すように、周期構造が大きく単純な鋸形状を有する。なお、鋸形状とは、図4(b)によく示されているように、理想的には回折効率が100%となる、所謂、ブレーズド・シェープBSに近い形状である。ここで、図4(a)は、CGH1000の部分αの拡大図であり、図4(b)は、図4(a)に示す部分αの断面図である。
一方、CGH1000の部分βは、図5に示すように、周期構造が小さく複雑な渦形状を有する。なお、渦形状とは、CGH1000上の1つの点Pの周りで矢印Aに示すように位相が360°変化する、或いは、360°の整数倍変化する形状である。なお、本実施形態では、「360°」と表現しているが、CGH1000が多段である場合には、1段分又は数段分に相当する角度だけ360°を下回ることになる。ここで、図5は、CGH1000の部分βの拡大図である。
鋸形状の部分αは、渦形状の部分βに比べて回折効率がよいため、渦形状の部分βに対する鋸形状の部分αの比率を大きくすればするほど、CGHの回折効率は向上する。また、鋸形状の部分αは、渦形状の部分βに比べて周期構造が大きいため、製造誤差を少なくすることが可能であり、CGHの製造において有利となる。更に、鋸形状の部分αは、ピクセルサイズが小さい場合、波長オーダーに近づく構造を設計するために生じるベクトル解析の必要性が渦形状の部分βに対して低く、この点からも有利である。
図6は、図2に示す四重極形状の再生像を単極化した再生像(1つの局在した像)の一例を示す図である。図7は、図2に示す再生像を形成するために設計された計算機ホログラム(CGH)211を示す図である。図7を参照するに、CGH211は、図6に示す再生像のような局在した1つの像を形成するCGHであるため、図2に示す再生像のような局在した4つの像を形成するCGH1000よりも鋸形状の部分αの割合が多くなっている。従って、CGH211は、CGH1000に比べて回折効率が向上していると言える。具体的には、CGH1000の回折効率が84%(設計値)であるのに対して、CGH211の回折効率は88%(設計値)になっており、回折効率が数%も向上している。なお、実際には、上述した鋸形状の部分αの有利性によって、数%以上の回折効率の向上が得られると考えられる。
図2に示す四重極形状の再生像を局在した4つの像とみなし、CGH211を90度ずつ回転させた4種類のCGHを組み合わせて1つのCGHとして光学部材210を構成すれば、CGH1000よりも回折効率を向上させることができる。但し、この場合、光学部材210に入射する入射光の光強度分布が多光束発生部207で補正しきれていなかったり、光学部材210に入射する入射光の中心が光軸からずれていたりすると、光学部材210によって形成される再生像に照度ムラが現れてしまう。
また、図8(a)及び(b)に示すように、CGH211を90度ずつ回転させた4種類のCGH211a乃至211dを組み合わせたサブユニットSUを横方向及び縦方向に周期的に複数配列することで光学部材210を構成することも考えられる。換言すれば、サブユニットSUを構成する複数のCGHは、相互に同一の周期構造を有し、且つ、相互に異なる回転角度で配列されている。図8(a)を参照するに、サブユニットSUは、CGH211を90度ずつ回転させた4種類のCGH211a乃至211dを組み合わせであるため、主に、鋸形状の部分のみで構成されている(即ち、渦形状の部分が殆ど無い)ことが分かる。ここで、図8(a)は、CGH211を90度ずつ回転させた4種類のCGH211a乃至211dを組み合わせたサブユニットSUを示す図であり、図8(b)は、サブユニットSUを周期的に配列して構成された光学部材210を示す図である。
ここで、図8(a)及び(b)に示す光学部材210(サブユニットSU)は、図9に示す再生像を形成するように設計されているものとする。図9に示す再生像は、図2に示す四重極形状の再生像のグリッド数を削減した像であり、以下では、図9に示す再生像をターゲット像(即ち、理想的な再生像)とする。図9は、光学部材210によって形成される理想的な再生像を示す図である。
図10は、図8(a)及び(b)に示す光学部材210が実際に形成する再生像を示す図である。図10を参照するに、サブユニットSUを周期的に配列することによって、入射光の光強度分布に起因する照度ムラが抑制されているものの、CGH211a乃至211dが飛び飛びで配列されているため、再生像の忠実性が低下していることが分かる。
光学部材210に完全な平面波が入射されれば、再生像(光強度分布)はドットの正方格子で形成される。但し、本実施形態では、光学部材210に入射する入射光は、多光束発生部207によって、ある程度の広がりを有している。従って、光学部材210によって形成される再生像はドットで形成されず、なだらかな光強度分布となる。
そこで、本実施形態では、図11に示すように、第1の光学素子部212と、第2の光学素子部214とで光学部材210を構成する。第1の光学素子部212は、複数のサブユニットSUを周期的に配列して構成される。第2の光学素子部214は、サブユニットSUを周期的に配列した第1の光学素子部212と、隣接する少なくとも2つのサブユニットSUをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させる機能を有する。第2の光学素子部214は、図11では、隣接する少なくとも2つのサブユニットSUをそれぞれ通過する光に互いに異なる位相を与える(具体的には、0乃至2πの位相をランダムに与える)波面進退板214Aとして実現されている。なお、波面進退板214Aは、例えば、複数のサブユニットSUのそれぞれに対応して配置され、互いに異なる厚さを有する位相板で構成される。なお、サブユニットSUを周期的に配列した第1の光学素子部212と第2の光学素子部214としての波面進退板214Aは張り合わせてもよいし、エッチングによって波面進退板214Aを形成してもよい。ここで、図11は、光学部材210の構成を示す概略断面図である。
図11に示す光学部材210によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図12(a)及び(b)に示す。また、波面進退板214A(第2の光学素子部214)を有していない、即ち、サブユニットSUを周期的に配列した第1の光学素子部212のみで構成された光学部材によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図13(a)及び(b)に示す。
図12と図13とを比較するに、波面進退板214Aで隣接するサブユニットSUを通過する光のコヒーレンシーを低減させたことによって、図11に示す光学部材210によって形成された再生像は、図9に示す理想的な再生像に近づいている。特に、図12(b)に示す光強度分布のエッジLE1は、図13(b)に示す光強度分布のエッジLE2よりも立っており、再生像の忠実性が向上していることが分かる。
波面進退板214Aが与える位相については、最大値と最小値との差(位相差)を2πとすると、コヒーレンシーを最も低減させることが可能であるが、製造とのバランスを考慮して位相差を2πよりも小さい値にしてもよい。また、本実施形態では、波面進退板214Aは、隣接するサブユニットSUを通過する光にランダムに位相を与えているが、隣接するサブユニットSUを通過する光のコヒーレンシーを低減させることができればよく、位相の与え方を限定するものではない。
また、第2の光学素子部214は、図14に示すように、複数のサブユニットSUのそれぞれに対応した複数のプリズムを有するマイクロプリズムアレイ(MPA)であってもよい。なお、マイクロプリズムアレイを構成する複数のプリズムのうち少なくとも隣接するプリズムは、互いに異なる形状(互いに異なる角度)を有する。MPA214Bは、波面進退板214Aと同様に、隣接する少なくとも2つのサブユニットSUをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させる機能を有する。なお、サブユニットSUを周期的に配列した第1の光学素子部212と第2の光学素子部214としてのMPA214Bは張り合わせてもよいし、エッチングによってMPA214Bを形成してもよい。ここで、図14は、光学部材210の別の構成を示す概略断面図である。
図14に示す光学部材210によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図15(a)及び(b)に示す。また、MPA214B(第2の光学素子部214)を有していない、即ち、サブユニットSUを周期的に配列した第1の光学素子部212のみで構成された光学部材によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図16(a)及び(b)に示す。
図15と図16とを比較するに、MPA214Bで隣接するサブユニットSUを通過する光のコヒーレンシーを低減させたことによって、図14に示す光学部材210によって形成された再生像は、図9に示す理想的な再生像に近づいている。特に、図15(b)に示す光強度分布は、図16(b)に示す光強度分布よりもピークでの光強度の一様性が改善され、再生像の忠実性が向上していることが分かる。
なお、MPA214Bを構成する各プリズムの角度が非常に大きい場合には、図14に示す光学部材210によって形成される再生像が必要以上に広がりをもってしまう。従って、MPA214Bを構成する複数のプリズムのそれぞれの角度は、隣接するサブユニットSUを通過する光のコヒーレンシーを低減することが可能な極小さな角度でよい。また、本実施形態では、MPA214Bを構成する複数のプリズムのそれぞれの角度をランダムにしているが、隣接するサブユニットSUを通過する光のコヒーレンシーを低減させることができればよく、プリズムの角度を限定するものではない。
また、第2の光学素子部214ではなく、第1の光学素子部212におけるサブユニットSU(CGH211a乃至211d)の配列によって、隣接する少なくとも2つのサブユニットSUをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させることも可能である。例えば、図17に示すように、4種類のサブユニットSU1乃至SU4を1単位として複数単位並べて光学部材210を構成することで、隣接するサブユニットSU1乃至SU4を通過する光のコヒーレンシーを低減させることができる。サブユニットSU1乃至SU4のそれぞれは、局在した1つの像を形成するCGH211a乃至211dで構成されているが、CGH211a乃至211dの配列が異なる。光学部材210は、CGH単位で見て、縦方向(第1の方向)及び横方向(第1の方向に直交する第2の方向)の両方向において、同一のCGHの間に3個の異なるCGHが存在するように、サブユニットSU1乃至SU4を配列して構成される。例えば、左上に存在するCGH211aに注目して横方向の配列を見ると、次のCGH211aが配列されるまでの間に、CGH211b、211c及び211dが存在している。同様に、左上に存在するCGH211aに注目して縦方向の配列を見ると、次のCGH211aが配列されるまでの間に、CGH211c、211d及び211bが存在している。ここで、図17は、光学部材210の更に別の構成を示す図である。図17では、光学部材210の構成を分かり易くするために、4種類のサブユニットSU1乃至SU4を分離して示しているが、実際には、4種類のサブユニットSU1乃至SU4は結合されている。
図17に示す光学部材210によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図18(a)及び(b)に示す。また、1種類のサブユニットで構成された(即ち、CGH単位で見て、縦方向及び横方向の両方において、1個おきに同一のCGHが存在する)光学部材によって形成される再生像及びかかる再生像の光強度分布を図19(a)及び(b)に示す。
図18と図19とを比較するに、サブユニット(CGH)の配列で隣接するサブユニットを通過する光のコヒーレンシーを低減させたことによって、図17に示す光学部材210によって形成された再生像は、図9に示す理想的な再生像に近づいている。特に、図18(b)に示す光強度分布は、図19(b)に示す光強度分布よりもエッジが立っており、ピークでの光強度の一様性が改善されて再生像の忠実性が向上していることが分かる。
なお、図17に示す光学部材210におけるCGH211a乃至CGH211dの配列は一例に過ぎない。
サブユニットSUが縦方向(第1の方向)にq個、横方向(第2の方向)にp個のCGHで構成される場合には、CGH単位で見て、縦方向及び横方向の両方向において、同一のCGHがp×qの周期で存在するようにサブユニットSUを配列すればよい。但し、同一のCGHが斜めに直線的に配列されると、CGH全体として斜め方向に成分を有する回折格子として機能してしまうため、斜め方向に縞の入った再生像が形成されてしまう。従って、同一のCGHがp×qの周期で存在し、且つ、同一のCGHが斜めに直線的に配列されないようにすることが好ましい。
また、光学部材210においては、4種類のCGH211a乃至211dを組み合わせてサブユニットSUを構成することによって、CGH211a乃至211dを組み合わせた結合部(境界部)に僅かな渦形状の部分βが生じる場合がある。そこで、図20に示すように、CGH211a乃至211dの結合部には、遮光板216を配置することが好ましい。遮光板216は、渦形状の部分βの製造誤差などで発生する不要な光を遮光する機能を有し、再生像の忠実性を更に向上させることに寄与する。但し、遮光板216は、回折効率の低減を防止するために、渦形状の部分βを覆うことが可能な最小幅で構成することが好ましい。ここで、図20は、遮光板216を有する光学部材210の構成を示す図である。
このように、本実施形態の光学部材210は、照度ムラを抑えながら再生像の忠実性と回折効率を向上することができる。なお、本実施形態では、四重極形状の再生像を形成する場合を説明したため、サブユニットを構成するCGHの数は2×2であったが、六重極形状の再生像を形成する場合には、2×3のCGHでサブユニットを構成すればよい。また、輪帯形状のように、像が局在していない(連続的な)再生像を形成する場合には、かかる再生像を4つ又は6つの像に分割して考えればよい。従って、光学部材210は、四重極形状に限らず、多重極形状や輪帯形状などを含む全ての形状の再生像を形成することができる。
図1に戻って、アパーチャ222は、光学部材210によって形成される再生像(光強度分布)のみを通過させる機能を有する。光学部材210とアパーチャ222とは、互いにフーリエ変換面の関係になるように配置されている。
ズーム光学系223は、光学部材210によって形成される再生像を所定の倍率で拡大して多光束発生部224に投影する。
多光束発生部224は、照明光学系20の瞳面に配置され、アパーチャ222の位置に形成された再生像(光強度分布)に対応した光源像(有効光源分布)を射出面に形成する。多光束発生部224は、本実施形態では、ハエの目レンズやシリンドリカルレンズアレイなどのオプティカルインテグレータで構成される。なお、多光束発生部224の射出面近傍には、開口絞り225が配置される。
照射部226は、コンデンサー光学系などを有し、多光束発生部224の射出面に形成される有効光源分布でレチクル30を照明する。
レチクル30は、回路パターンを有し、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル30から発せされた回折光は、投影光学系40を介して、ウエハ50に投影される。露光装置1は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル30とウエハ50とを走査することによって、レチクル30のパターンをウエハ50に転写する。
投影光学系40は、レチクル30のパターンをウエハ50に投影する光学系である。投影光学系40は、屈折系、反射屈折系、或いは、反射系を使用することができる。
ウエハ50は、レチクル30のパターンが投影(転写)される基板であり、図示しないウエハステージに支持及び駆動される。但し、ウエハ50の代わりにガラスプレートやその他の基板を用いることもできる。ウエハ50には、レジストが塗布されている。
露光において、光源10から発せられた光は、照明光学系20によってレチクル30を照明する。レチクル30のパターンを反映する光は、投影光学系40によってウエハ50上に結像する。露光装置1が使用する照明光学系20において、光学部材210は、上述したように、照度ムラを抑えながら高精度に所望の再生像(光強度分布)を形成する。従って、露光装置1は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、露光装置1を利用したデバイス(半導体IC素子、液晶表示素子等)の製造方法を説明する。
デバイスは、露光装置1を使用して、レジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、その基板(感光剤)を現像する工程と、他の公知の工程と、を経ることにより製造される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置1を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態では、局在した1つの像毎に計算機ホログラム(CGH)を設計しているが、局在した1つの像を更に複数の部分に分割し、かかる部分毎にCGHを設計してもよい。このように、局在した1つの像を分割してCGHを設計することは、局在した1つの像の形状が複雑な場合や広範囲にわたる場合に有効である。
本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略図である。 図1に示す露光装置の光学部材によって形成される再生像の一例(四重極形状の再生像)を示す図である。 図2に示す四重極形状の再生像を形成するために従来技術で設計された位相型の計算機ホログラム(CGH)を示す図である。 図4(a)は図3に示すCGHの特徴的な部分の拡大図であり、図4(b)は図4(a)に示す部分の断面図である。 図3に示すCGHの特徴的な部分の拡大図である。 図2に示す四重極形状の再生像を単極化した再生像の一例を示す図である。 図7は、図2に示す再生像を形成するために設計された計算機ホログラムを示す図である。 図8(a)は図7に示す計算機ホログラムを90度ずつ回転させた4種類の計算機ホログラムを組み合わせたサブユニットを示す図であり、図8(b)は図8(a)に示すサブユニットを周期的に配列して構成された光学部材を示す図である。 図8(a)及び(b)に示す光学部材によって形成される理想的な再生像を示す図である。 図8(a)及び(b)に示す光学部材が実際に形成する再生像を示す図である。 図1に示す露光装置の光学部材の構成を示す概略断面図である。 図12(a)は図11に示す光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図12(b)は図12(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図13(a)は、サブユニットを周期的に配列した第1の光学素子部のみで構成した光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図13(b)は図12(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図1に示す露光装置の光学部材の別の構成を示す概略断面図である。 図15(a)は図14に示す光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図15(b)は図15(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図16(a)は、サブユニットを周期的に配列した第1の光学素子部のみで構成した光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図16(b)は図16(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図1に示す露光装置の光学部材の更に別の構成を示す図である。 図18(a)は図17に示す光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図18(b)は図18(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図19(a)は1種類のサブユニットで構成された光学部材によって形成される再生像を示す図であり、図19(b)は図19(a)に示す再生像の光強度分布を示す図である。 図1に示す露光装置の光学部材の構成を示す図である。
符号の説明
1 露光装置
10 光源
20 照明光学系
210 光学部材
211、211a乃至211d 計算機ホログラム(CGH)
212 第1の光学素子部
214 第2の光学素子部
214A 波面進退板
214B マイクロプリズムアレイ(MPA)
30 レチクル
40 投影光学系
50 ウエハ
SU サブユニット

Claims (8)

  1. 局在した複数の像からなる再生像を形成する光学部材であって、
    前記複数の像のそれぞれを形成する複数の計算機ホログラムを、前記再生像を形成するように組み合わせたサブユニットが複数配列された第1の光学素子部と、
    前記第1の光学素子部を通過する光のうち、隣接する少なくとも2つの前記サブユニットをそれぞれ通過する光のコヒーレンシーを低減させる第2の光学素子部と、
    を有することを特徴とする光学部材。
  2. 前記再生像は、回転対称な形状を有し、
    前記サブユニットを構成する複数の計算機ホログラムは、相互に同一の周期構造を有し、且つ、相互に異なる回転角度で配列されていることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第2の光学素子部は、隣接する少なくとも2つの前記サブユニットをそれぞれ通過する光に互いに異なる位相を与える波面進退板を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  4. 前記第2の光学素子部は、前記サブユニットのそれぞれに対応した複数のプリズムを有するマイクロプリズムアレイを含み、
    前記複数のプリズムのうち少なくとも隣接するプリズムは、互いに異なる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  5. 局在した複数の像からなる再生像を形成する光学部材であって、
    前記複数の像のそれぞれを形成する複数の計算機ホログラムを、前記再生像を形成するように組み合わせたサブユニットが複数配列された光学素子部を有し、
    前記サブユニットのそれぞれは、第1の方向にq個、前記第1の方向に直交する方向にp個の互いに異なる複数の計算機ホログラムを組み合わせて構成され、
    前記サブユニットは、前記第1の方向及び前記第2の方向において、同一の計算機ホログラムがp×qの周期で存在するように配列されていることを特徴とする光学部材。
  6. 前記サブユニットは、前記計算機ホログラムを組み合わせた結合部に遮光板を有することを特徴とする請求項1又は5に記載の光学部材。
  7. 光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、
    前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系と、
    を有し、
    前記照明光学系は、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の光学部材を含むことを特徴とする露光装置。
  8. 請求項7に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップと、
    を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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