JP2009212121A - プリント基板収容ケースおよび高周波部品、ならびにその製造方法 - Google Patents

プリント基板収容ケースおよび高周波部品、ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリント基板を容易に収容し、ケース内に十分に固定することが可能なプリント基板収容ケースを提供する。
【解決手段】高周波部品10において、基板1を収容する金属製の枠形状のケース2は、ツメ4およびストッパー3を備えている。高周波部品10の組み立て時において、基板1はケース2のツメ4が形成された側の開口から収容される。ツメ4における基板1の収容方向に垂直な方向の高さは、収容方向奥側よりも収容方向手前側が低くなっている。また、ツメ4は、収容方向手前側から加わる力に対して、ケース2の内側側面方向に押し出されて元の位置に戻るような弾性を有している。したがって、基板1をケース2のツメ4とストッパー3との間に容易に収容し、固定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばチューナ等のように、高周波回路を備えた電子機器が備える、高周波回路が形成されたプリント基板を収容するためのプリント基板収容ケース、これを備えた高周波部品、およびこれらの製造方法に関するものである。
一般に、チューナ等のように、高周波回路を備えた電子機器においては、他回路への本来意図していない電波の放射、いわゆる不要輻射を防止するために、電磁的にシールドされている。このような電子機器のシールドを実現するための方法として、例えば高周波回路を搭載したプリント基板を、プリント基板用ケースの金属製の枠の内側に固定する方法が挙げられる。
このようにプリント基板をケース内に固定する方法が、特許文献1および2に開示されている。特許文献1においては、ケースの金属製の枠に形成された挿入片に嵌入されるスリットを有するプリント基板を取り付け、挿入片が折り曲げられて構成される半田溜め部に半田を塗布することによって、プリント基板を固定している。また、特許文献2においては、プリント基板を収容ケース内に収容した後に、プリント基板に接する金属製の枠の一部を折り曲げ、折り曲げた部分を半田付けすることによってプリント基板を固定している。
ここで、従来の収容ケースの構造、およびプリント基板を固定し、高周波部品を製造する方法について、図10〜14を参照して以下に説明する。図10〜14は、従来の収容ケース13にプリント基板1を固定する工程を説明する概略図である。
図10に示すように、高周波部品12は、プリント基板1を、プリント基板1を取り囲む枠形状のケース13に取り付けることによって製造される。ケース13の側面には、プリント基板1をケース内に固定するためのストッパー14およびツメ部15が形成されている。ツメ部15は、ケース13の側面に、L字型および逆L字型の切り込みを入れることによって形成されている。ストッパー14は、ケース13の側面において、プリント基板1が収容される面側に突出するように形成されている。高周波部品12の製造工程においては、図10に示すように、まず、ケース13の内側に、プリント基板1を挿入する。このようにプリント基板1をケース13内に挿入すると、図11に示すように、挿入された基板1は、ケース13の側面に形成されたストッパー14に当接して支持される。次いで、図12に示すように、ツメ部15をケース13の内側に折り曲げることによって、プリント基板1をストッパー14とツメ部15との間に挟むように固定する。さらに、図13に示すように、ツメ部15と基板1との間に半田16を塗布し、半田付けすることによって、プリント基板1をケース13に電気的に接続させる。
特開平9−148778号公報(1997年6月6日公開) 特開平9−260884号公報(1997年10月3日公開)
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ケースに収容するプリント基板に、ケースの金属製の枠に形成された挿入片に嵌合するスリットを予め形成しておく必要があり、製造工程が増加してしまう。また、プリント基板に特定の加工が必要であるため、汎用されているプリント基板の収容には適さない。また、特許文献2および図10〜14に記載の従来の構成では、高周波部品の製造工程において、ケース内にプリント基板を挿入した後にツメ部を折り曲げる工程、すなわち曲げ加工工程が必要となる。このようなツメ部の曲げ加工においては、ツメ部の曲げ角度の管理が困難であるという問題がある。例えば、曲げ角度が小さい場合、基板の固定が不十分となって基板がぐらついてしまう。一方、曲げ角度が大きい場合、基板の歪みやひび割れが生じ、基板に実装された部品が破損しやすいという問題がある。また、ツメ部と基板とを半田付けした箇所においては、ツメ部の曲げ加工による残留応力や、ケースと基板との熱膨張係数の違いによる力が加わることによって、高周波部品の品質や信頼性を低下させる要因となっていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば高周波回路等が搭載されたプリント基板を、容易に収容ケース内に収容および固定することが可能な収容ケースを実現し、当該収容ケースを用いた高周波部品の組み立て作業を簡素化すると共に、品質および信頼性が向上した高周波部品を提供することにある。
本発明に係るプリント基板収容ケースは、上記の課題を解決するために、金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースであって、上記金属枠は、その内側に突出するように形成され、プリント基板を固定するツメ部および支持部を備えており、上記ツメ部は、一方の線分の端部の一方が他方の線分の端部の一方に接するように、上記金属枠に切り込まれた2本の線分のそれぞれにおいて、他方の線分に接していない方の端部を両端とする線分を折り目として、上記金属枠をその内側に向かって折り曲げるように形成されており、上記支持部は、上記ツメ部よりも上記収容方向奥側に形成されており、上記ツメ部と上記支持部との間に挟むようにプリント基板を収容するようになっていることを特徴としている。
上記構成によれば、ツメ部は、金属枠に2本の線分を切り込み、切り込まれた部分を折り曲げて金属枠の内側に突出させることによって形成される。この2本の線分は、それぞれの一方の端部が互いに接するように切り込まれており、この2本の線分が互いに接する接点は、収容方向奥側に位置するように形成されている。そして、2本の線分のそれぞれにおいて、他方の線分に接していない方の端部を両端とする線分を折り目として、2本の線分と折り目とに囲まれる領域を、金属枠の内側に向かって引き出すように折り曲げる。このようにして形成されたツメ部は、収容方向手前側から収容方向奥側に向かって収容方向に垂直な方向の高さが徐々に高くなるような、収容方向に対する傾きを有している。
したがって、プリント基板を金属枠の内側に収容する場合に、金属枠のツメ部が形成されている側の開口から、プリント基板を金属枠の内側に収容すると、プリント基板はまず、ツメ部に当接する。次いで、プリント基板をツメ部と支持部との間に収容するために、金属枠の内側に押し込むように力を加えると、プリント基板を介してツメ部に収容方向手前側から力が加わる。ツメ部は、上述したように傾斜しており、収容方向手前側から加わる力に対して弾性を有しているので、ツメ部は折り目を伸ばすように金属枠の内側側面方向に押し出される。このように、プリント基板はツメ部に沿って滑らかに収容される。
プリント基板がツメ部を越える位置まで挿入されると、ツメ部に加えられる力は失われるため、ツメ部は自身の弾性の働きによって折り目において折り曲げられて元の位置に戻る。元の位置に戻った後のツメ部は、収容方向奥側の面においてプリント基板に当接し、収用方向手前側からプリント基板の収容方向への移動を抑制する。また、プリント基板は、ツメ部よりも収容方向奥側に形成された支持部によって、収容方向奥側から支持されるため、プリント基板を、ツメ部と支持部との間に挟むように固定することができる。このように、よりスムーズにプリント基板を収容することが可能であり、かつ収容されたプリント基板はケース内に確実に固定することが可能である。
本発明に係るプリント基板収容ケースは、上記の課題を解決するために、金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースであって、上記金属枠は、その内側に突出するように形成され、プリント基板を固定するツメ部および支持部を備えており、上記ツメ部の高さは、上記金属枠の内側へのプリント基板の収容方向手前側から、上記収容方向奥側に段階的に高くなるように形成されており、上記収容方向手前側から上記ツメ部に加わる力に対して、上記金属枠の内側側面方向に押し出された後元の位置に戻るような弾性を有しており、上記支持部は、上記ツメ部よりも上記収容方向奥側に形成されており、上記ツメ部と上記支持部との間に挟むようにプリント基板を収容するようになっていることを特徴としている。
本発明に係るプリント基板収容ケースは、金属枠を有しており、その内側にプリント基板を収容するものである。このプリント基板収容ケースにプリント基板を収容するとき、プリント基板を金属枠の開口の片側から収容する。また、金属枠には、収容されるプリント基板を固定するためのツメ部および支持部が形成されており、ツメ部はプリント基板の収容方向手前側に位置し、支持部は収容方向奥側に形成されている。
ここで、金属枠に形成されたツメ部の高さは、金属枠の内側へのプリント基板の収容方向手前側から、上記収容方向奥側に段階的に高くなるように形成されている。そして、ツメ部に収容方向手前側から力が加わったとき、ツメ部は、金属枠の内側側面方向に押し出された後元の位置に戻るような弾性を有している。また、支持部は、ツメ部よりも収容方向奥側に形成されており、ツメ部と支持部との間に挟むようにプリント基板を収容するようになっている。
上記構成によれば、プリント基板をプリント基板収容ケースに収容する場合に、金属枠のツメ部が形成されている側の開口から、プリント基板を金属枠の内側に収容すると、プリント基板はまず、金属枠内側のツメ部に当接する。さらに、プリント基板をツメ部と支持部との間に収容するために、金属枠の内側に押し込むように力を加えると、プリント基板は、ツメ部に沿って金属枠の収容方向奥側に押し込まれ、プリント基板を介してツメ部に収容方向手前側から力が加わる。ツメ部は、金属枠の内側へのプリント基板の収容方向手前側における上記収容方向に垂直な方向の高さが、上記収容方向奥側における上記収容方向に垂直な方向の高さよりも低くなるように形成されており、収容方向手前側から加わる力に対して弾性を有している。したがってツメ部は、プリント基板を介して加わる力によって金属枠の内側側面方向に徐々に押し出される。そのため、プリント基板を金属枠の内側の収容方向奥側に収容することができる。
そして、プリント基板をツメ部よりもさらに収容方向奥側まで収容すると、ツメ部に加えられる力は失われるため、ツメ部は自身の弾性の働きによって元の位置に戻る。それにより、元の位置に戻ったツメ部は、収容方向手前側からプリント基板の収容方向への移動を抑制する。また、プリント基板は、ツメ部よりも収容方向奥側に形成された支持部によって、収容方向奥側から支持されるため、収容方向奥側からプリント基板の収容方向への移動を抑制する。このように、プリント基板をツメ部と支持部との間に挟むようにプリント基板を収容する。
このように、本発明に係るプリント基板収容ケースによれば、プリント基板の収容が容易であり、かつ収容されたプリント基板はケース内に確実に固定することが可能である。したがって従来のように、ケースにプリント基板を収容した後に、ツメを折り曲げてプリント基板に当接させることによってプリント基板を固定する必要がなく、作業時間の短縮およびコストダウンを実現することができる。
また、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部および上記支持部は、上記金属枠の内側に正対する面のそれぞれに、少なくとも1つずつ形成されていることが好ましい。上記構成によれば、金属枠の内側に収容されるプリント基板の重心を保つように、プリント基板の正対する端部の両側をツメ部と支持部とによって支持し、固定する。したがって、プリント基板を金属枠の内側に安定して収容することができる。
さらに、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部および上記支持部は、上記金属枠の内側の全ての面のそれぞれに、少なくとも1つずつ形成されていることが好ましい。上記構成によれば、金属枠の内側に収容されるプリント基板は、金属枠の内側の全ての面のそれぞれにおいて、上記ツメ部および上記支持部によって支持される。したがって、プリント基板を金属枠の内側により安定して収容することができる。
また、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部の上記収容方向奥側の面は、上記収容方向に垂直な線に対して平行であることが好ましい。上記構成によれば、ツメ部の曲げ加工を調節することによって、ツメ部における収容方向奥側の面を、ケース収容方向に対して略垂直にすることができる。それにより、ツメ部の収容方向奥側の面は、その一部分ではなく全てにおいて、金属枠の内側に収容されるプリント基板に接するため、プリント基板をより確実に金属枠の内側に固定することができる。
また、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部と上記支持部との間の、上記収容方向の距離は、収容されるプリント基板の厚さに相当することが好ましい。上記構成によれば、金属枠の内側に収容されるプリント基板は、ツメ部と支持部との間に隙間なく挟まれるため、金属枠の内側においてぐらつくことなく十分に固定することができる。
さらに、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部と上記支持部との間の、上記収容方向の距離は、収容されるプリント基板の厚さよりも0.02mm〜0.05mm短く、上記ツメ部と上記支持部との間の、上記収容方向に垂直な方向の距離は、5mm〜6mmであるであることが好ましい。
上記構成によれば、金属枠の内側に収容されるプリント基板は、ツメ部および支持部との間に隙間なく挟まれ、かつ収容方向両側から一定の力が加えられる。さらに、プリント基板において、ツメ部側から力が加わる位置と、支持部側から力が加わる位置は異なるため、プリント基板がバネのように撓み、金属枠の内側でぐらつくことない。したがって、プリント基板をより確実に固定することができる。
また、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部において、上記収容方向に垂直な方向の高さが最も高い位置における高さをHとし、上記金属枠の内側の上記収容方向に垂直な方向の長さをL1とし、収容されるプリント基板において、上記金属枠の内側に収容されたときに上記収容方向に垂直な方向の長さをL2としたとき、高さHは、長さL1から長さL2を引いた値を2で割ることによって算出された値よりも0.1mm〜0.6mm大きいことが好ましい。
上記構成によれば、プリント基板を、金属枠のツメ部が形成されている側から収容する場合、プリント基板によって金属枠の側面側に押されていたツメ部は、プリント基板がツメ部を越えたときに、金属枠の内側方向の位置に戻る弾性を示す。それのため、プリント基板がツメ部と支持部との間まで挿入されたことを容易に判別することが可能であり、プリント基板の挿入が不十分になることを防ぐことができる。
さらに、本発明に係るプリント基板収容ケースにおいて、上記ツメ部において、上記収容方向に垂直な方向の高さが最も高い位置における高さをHとし、上記金属枠の内側の上記収容方向に垂直な方向の長さをL1とし、収容されるプリント基板において、上記金属枠の内側に収容されたときに上記収容方向に垂直な方向の長さをL2としたとき、高さHは、長さL1から長さL2を引いた値を2で割ることによって算出された値よりも0.4mm〜0.6mm大きいことが好ましい。
上記構成によれば、金属枠の内側に収容されるプリント基板とツメ部とが当接する箇所を半田付けする場合に、半田付けのための十分な面積を確保することができる。
本発明に係る高周波部品は、上記プリント基板収容ケースの、上記ツメ部と上記支持部との間に、高周波回路が形成されたプリント基板が収容されていることを特徴としている。上記構成によれば、プリント基板を収容ケース内に十分に固定することが可能であり、また製造も容易である。
また、本発明に係る高周波部品は、上記ツメ部と上記プリント基板とが接触する面が半田付けされていることが好ましい。上記構成によれば、ケースと基板とが電気的に接続されるため、基板のインピーダンスを下げることができる。
さらに、本発明に係る高周波部品は、上記ツメ部を、上記収容方向に垂直な方向に挟み込むように半田付けされていることが好ましい。上記構成によれば、温度サイクル負荷による半田付け箇所のひび割れを防ぐことができる。
本発明に係る高周波部品の製造方法は、上記プリント基板収容ケースの上記金属枠の内側において、上記ツメ部が形成されている側から、高周波回路が形成されたプリント基板を上記金属枠の内側に収容し、上記ツメ部と上記支持部との間に挟みこむように上記プリント基板を固定する工程を包含することを特徴としている。
上記製造方法によれば、本発明に係るプリント基板収容ケースを用いて、ツメ部を金属枠側に押し戻し、プリント基板を金属枠の内側に容易に挿入することができる。また、プリント基板をツメ部と支持部との間まで挿入した際には、ツメ部が元の位置に戻っているため、プリント基板はツメ部と支持部とによって金属枠の内側に固定される。したがって、プリント基板を金属枠の内側に挿入した後において、ツメ部の曲げ加工等の工程を必要としない。よって、高周波部品の製造に要する作業時間の短縮およびコストダウンを図ることができる。
本発明に係るプリント基板収容ケースの製造方法は、金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースを製造する方法であって、上記金属枠に、一方の線分の端部の一方が他方の線分の端部の一方に接するように2本の線分を切り込み、他方の線分に接していない方の端部を両端とする線分を折り目として、上記金属枠をその内側に折り曲げることによって、プリント基板を固定するためのツメ部を形成する工程と、上記ツメ部よりも、上記金属枠の内側へのプリント基板の収容方向奥側に、プリント基板を固定するための支持部を形成する工程とを包含し、上記ツメ部の形成工程において、上記折り目は、上記収容方向手前側から上記収容方向奥側に向かう直線であり、上記2本の線分が互いに接する点は、上記2本の線分のうち、上記収容方向奥側の線分の、上記収容方向手前側の線分に接していない端部により近い位置になるように形成されることを特徴としている。
上記製造方法によれば、プリント基板を金属枠の内側に収容する際、プリント基板が収容方向に加える力によって金属枠の内側側面方向に押し戻され、力が加えられなくなると、金属の弾性によって元の位置に戻るようなツメ部を形成することができる。さらに、ツメ部の形成はプリント基板収容ケースの製造段階において、全て金型によって行われるため、寸法精度が高く、信頼性の高いプリント基板収容ケースを製造することができる。
本発明に係るプリント基板収容ケースによれば、プリント基板を収容する金属枠の内側に突出するように形成されたツメ部および支持部を備える金属枠を有し、当該ツメ部は、プリント基板の収容方向から加わる力に対して、金属枠の内側側面方向に押し出された後元の位置に戻るような弾性を有しているので、金属枠の内側にプリント基板を容易に収容することが可能であり、かつツメ部と支持部との間に挟むようにプリント基板を固定することができる結果、製造される高周波部品の品質および信頼性を向上させる効果を奏する。
本発明の一実施形態について、図1から図9を参照して以下に説明する。なお、本実施形態においては、ケース2(プリント基板収容ケース)に高周波回路が形成された基板1(プリント基板)が収容された高周波部品10を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
高周波部品10の構成について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る高周波部品10を説明する斜視図である。図1に示すように、高周波部品10は、基板1とケース2とを備えており、基板1はケース2の内側に収容されている。ケース2は弾性を有する金属製の金属枠により構成されている。また、基板1はケース2の金属枠の開口の片側から収容され、基板1のケース2への収容方向とは、ケース2における金属枠の開口の縁に対して略垂直である。
ケース2には、ケース2の内側に突出した、ツメ(ツメ部)4およびストッパー(支持部)3が形成されている。ツメ4およびストッパー3は、ケース2の内側に正対する1組の側面に各2つずつ形成されているが、その数は特に限定されない。また、ツメ4およびストッパー3が形成されるケース2の内側側面については、正対する1組の側面に限られず、図2に示すように、ケース2の内側の全ての側面であってもよい。図2は、本発明の他の実施形態に係る高周波部品を説明する斜視図である。
また、ツメ4およびストッパー3は基板1を収容方向両側から挟むように配置されている。そのため、基板1はツメ4およびストッパー3に当接することによって、ケース2の内側に固定されている。本実施形態においては、ツメ4とストッパー3との間の基板1の収容方向における距離は、基板1の厚さと略同一であるため、ツメ4とストッパー3との間に基板1をしっかりと挟むことができる。ストッパー3は、基板1の収容方向に垂直な方向において、ツメ4とは異なる位置に形成されている。
また、ツメ4とストッパー3との間の基板1の収容方向における距離は、基板1の厚さよりも短いことが好ましく、0.02mm〜0.05mm短いことがより好ましい。さらに、ツメ4とストッパー3との間の、基板1の収容方向に垂直な方向の距離は、5mm〜6mmであることが好ましい。上記構成によって、基板1はバネのように撓んだ状態でケース2に固定されるため、基板1がケース2内でぐらつくことを抑制できる。
ツメ4の構成について、図6を参照して以下に詳しく説明する。図6(a)は図1におけるXで囲まれた部分を拡大した斜視図であり、(b)はその断面図である。図6(a)に示すように、ツメ4は、ケース2の内側側面に、1つの角を挟んだ2本の線分からなる切り込みを形成し、折り目6に沿って切り込み5の2本の線分に囲まれた部分に曲げ加工を施すことによって、内側に突出するように形成されている。なお、折り目6は、切り込み5の2本の線分が互いに接していない方のそれぞれの端部を両端とする線分である。したがって、ツメ4は、切り込み5の2つの線分により形成される2つの辺5aおよび5bと、折り目6とに囲まれた三角形状の平面を有している。
また、図6(b)に示すように、ツメ4において、基板1の収容方向に垂直な方向の高さ、すなわちケース側面からの高さは、収容方向手前側から収容方向奥側に段階的に高くなるように形成されている。さらに、ツメ4の辺5aと辺5bが成す角の頂点9は、辺5b側の端部により近い位置になるよう形成されている。よって、ツメ4におけるケース2側面からの高さは、基板1の収容方向手前側から辺5aに沿って徐々に高くなり、辺5bに沿って低くなっている。したがって、辺5aは、基板1の収容方向に対してなだらかな傾きを形成し、辺5bは基板1の収容方向に対して比較的急な傾きを形成しているといえる。
上記構成によって、高周波部品10の製造時に基板1をケース2に収容する際、すなわち図6(b)においては矢印の方向に基板1をケース2に挿入する際、基板1は、折り目6を伸ばすようにツメ4をケース2の内側側面方向に押し戻しつつ挿入される。その時、基板1はまず、収容方向に対してなだらかな傾きを有するツメ4の辺5aに沿って容易に挿入することができる。また、基板1がツメ4の辺5aを乗り越えると、ツメ4を押し付けるように働いていた力がなくなり、ツメ4は自身の弾性によって元の状態に戻る。その後、基板1は、収容方向に対して傾きを有するツメ4の辺5bに接することによって、逆止されることができる。
ここで、ツメ4を形成するための、切り込みおよび曲げ加工について、図3〜5、7〜9を参照して、以下に詳しく説明する。図3に示すように、ケース2の枠の開口側の縁を通り、基板1の収容方向手前側から収容方向奥側に伸びる線分と、当該線分の収容方向奥側の端部に接し、当該線分と直角を成し、収容方向に対して垂直な方向に伸びる線分との2つの線分が、ケース2の側面に切りこまれる。これにより、ツメ4の2つの辺5aおよび5bが形成される。上記切りこみの基板1の収容方向手前側から収容方向奥側に伸びる線分が、ツメ4の辺5aに対応し、上記線分と直角を成し、収容方向に対して垂直な方向に伸びる線分が、ツメ4の辺5bに対応している。図3は、曲げ加工を施される前の切り込みを示す正面図である。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、上述のツメの構成条件を満たすことができればよい。
例えば、図7に示すように、ケース2の枠の開口部側の縁を通り、基板1の収容方向手前側から収容方向奥側に伸びる線分と、当該線分の収容方向奥側の端部に接し、当該線分と鋭角を成し、収容方向に対して垂直な方向に伸びる線分との2つの線分が、ケース2の側面に切りこまれていてもよい。基板1の収容方向手前側から収容方向奥側に伸びる線分が、ツメ8の辺7aに対応し、上記線分と鋭角を成し、収容方向に対して垂直な方向に伸びる線分が、ツメ8の辺7bに対応している。図7は、曲げ加工を施される前の切り込みを示す正面図である。このような切り込み7の曲げ加工を調節することによって、図8(a)(b)に示すように、ツメ8の辺7bを基板1に対して平行にすることができる。図8(a)(b)は、ツメ8を示す拡大図である。それにより、ツメ8の辺7bと基板1とが、点ではなく線で接触するため、基板1をより強固にケース2に固定することができる。
次に、本実施形態における曲げ加工については、図5に示すように、ケース2の辺5aおよび5bに囲まれた部分をこれらの端部を両端とする折り目6に沿って内側に折り曲げ、ツメ4の辺5bが基板1に接することができるように、ツメ4の曲げ加工の角度を調節している。ツメ4において、収容方向に垂直な方向の高さが最も高い位置における高さ、すなわちケース2の側面から、辺5aおよび5bがなす角の頂点9までの距離は以下のように設定する。このツメ4の高さの設定方法について、図9を参照して以下に説明する。図9は、高周波部品10の断面図である。
図9に示すように、ツメ4の高さをHとし、ケース2の内側における収容方向に垂直な方向の長さをL1とし、基板1がケース2に収容されたときの収容方向に垂直な方向の長さをL2としたとき、Hは(L1−L2)/2よりも0.1mm以上大きいことが好ましく、さらには0.4mm以上であることさらに好ましい。ツメ4の高さHを(L1−L2)/2よりも0.1mm以上大きくすることによって、ツメ4はケース2に組み込まれた基板1をしっかりと固定することができる。また、ツメ4の高さhを(L1−L2)/2よりも0.4mm以上大きくすることによって、ツメ4と基板1との当接箇所を半田付けすることに対して好適な高さとなる。なお、Hは、(L1−L2)/2よりも0.6mm大きい値を上限とすることが好ましい。
なお、ツメ4と基板1との接触している部分は、半田付けされていてもよい。それにより、ケース2と基板1とが電気的に接続されるため、基板1のインピーダンスを下げることができる。また、半田付けは、ツメ4の三角形状の面を両側から挟み込むように施されることが好ましい。それにより、温度サイクル負荷による半田接合箇所のひび割れなどを防止することができる。
ここで、図5(a)(b)に示すように、ストッパー3は、ツメ4と同程度にケース2の内側に突出し、基板1に接することができるようになっていればよい。
高周波部品10の製造方法について、図4〜図6を参照して、以下に説明する。まず、ケース2の製造段階においては、図4(a)(b)に示すように、ケース2の側面に対して、切り込みおよびストッパー3を形成する。図4(a)は、ケース2に形成された切り込みおよびストッパー3を示す図であり、図4(b)はその断面図である。さらに、図5(a)(b)に示すように、ケース2の辺5aと辺5bとに囲まれた部分を、辺5aおよび辺5bの端部を結ぶ折り目6に沿って、ケース2の内側に折り曲げる。これにより、ツメ4が形成され、本発明に係るケース2が完成する。
次に、図6(a)(b)に示すように、ケース2に基板1を収容する。まず、基板1は、図6(b)における矢印の方向、つまりツメ4の辺5a側から、ケース2内に挿入される。基板1は辺5aに沿って、ツメ4をケース2の内側側面方向に押し出しつつ挿入される。基板1がツメ4の頂点9を超えた瞬間に、ツメ4は金属の弾性により、元の状態に戻り、曲げ角度が復元される。そして、基板1はツメ4およびストッパー3との間に嵌る。このように、本発明に係るケース2を高周波部品10の組み立てに用いることにより、基板1を容易に収容することが可能であり、かつ収容後の基板1は、ツメ4とストッパー3との間に十分に固定される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係るプリント基板収容ケースは、プリント基板を容易に収容し、かつ十分に固定することが可能であるため、様々な回路が形成された基板を備える電子機器の製造等に好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係る高周波部品を説明する斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る高周波部品を説明する斜視図である。 本発明に係る高周波部品の一部を拡大した平面図である。 (a)は本発明に係る高周波部品の一部を拡大した斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)は本発明に係る高周波部品の一部を拡大した斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)は本発明に係る高周波部品の一部を拡大した斜視図であり、(b)はその断面図である。 本発明に係る高周波部品の一部を拡大した平面図である。 (a)は本発明に係る高周波部品の一部を拡大した斜視図であり、(b)はその断面図である。 本発明の一実施形態に係る高周波部品の断面図である。 従来の高周波部品の製造工程を説明する斜視図である。 従来の高周波部品の製造工程を説明する斜視図である。 従来の高周波部品の製造工程を説明する斜視図である。 従来の高周波部品の製造工程を説明する斜視図である。
符号の説明
1 基板
2 ケース(プリント基板収容ケース)
3 ストッパー(支持部)
4、8 ツメ(ツメ部)
5 切り込み
6 折り目
10 高周波部品

Claims (14)

  1. 金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースであって、
    前記金属枠は、その内側に突出するように形成され、プリント基板を固定するツメ部および支持部を備えており、
    前記ツメ部は、一方の線分の端部の一方が他方の線分の端部の一方に接するように、前記金属枠に切り込まれた2本の線分のそれぞれにおいて、他方の線分に接していない方の端部を両端とする線分を折り目として、前記金属枠をその内側に向かって折り曲げるように形成されており、
    前記支持部は、前記ツメ部よりもプリント基板の収容方向奥側に形成されており、
    前記ツメ部と前記支持部との間に挟むようにプリント基板を収容するようになっていることを特徴とするプリント基板収容ケース。
  2. 金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースであって、
    前記金属枠は、その内側に突出するように形成され、プリント基板を固定するツメ部および支持部を備えており、
    前記ツメ部の高さは、前記金属枠の内側へのプリント基板の収容方向手前側から、前記収容方向奥側に段階的に高くなるように形成されており、前記収容方向手前側から前記ツメ部に加わる力に対して、前記金属枠の内側側面方向に押し出された後元の位置に戻るような弾性を有しており、
    前記支持部は、前記ツメ部よりも前記収容方向奥側に形成されており、
    前記ツメ部と前記支持部との間に挟むようにプリント基板を収容するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板収容ケース。
  3. 前記ツメ部および前記支持部は、前記金属枠の内側に正対する面のそれぞれに、少なくとも1つずつ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント基板収容ケース。
  4. 前記ツメ部および前記支持部は、前記金属枠の内側の全ての面のそれぞれに、少なくとも1つずつ形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケース。
  5. 前記ツメ部の前記収容方向奥側の面は、前記収容方向に垂直な線に対して平行であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケース。
  6. 前記ツメ部と前記支持部との間の、前記収容方向の距離は、収容されるプリント基板の厚さに相当することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケース。
  7. 前記ツメ部と前記支持部との間の、前記収容方向の距離は、収容されるプリント基板の厚さよりも、0.02mm〜0.05mm短く、
    前記ツメ部と前記支持部との間の、前記収容方向に垂直な方向の距離は、5mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケース。
  8. 前記ツメ部において、前記収容方向に垂直な方向の高さが最も高い位置における高さをHとし、前記金属枠の内側の前記収容方向に垂直な方向の長さをL1とし、収容されるプリント基板において、前記金属枠の内側に収容されたときに前記収容方向に垂直な方向の長さをL2としたとき、高さHは、長さL1から長さL2を引いた値を2で割ることによって算出された値よりも、0.1mm〜0.6mm大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケース。
  9. 前記ツメ部において、前記収容方向に垂直な方向の高さが最も高い位置における高さをHとし、前記金属枠の内側の前記収容方向に垂直な方向の長さをL1とし、収容されるプリント基板において、前記金属枠の内側に収容されたときに前記収容方向に垂直な方向の長さをL2としたとき、高さHは、長さL1から長さL2を引いた値を2で割ることによって算出された値よりも、0.4mm〜0.6mm大きいことを特徴とする請求項8に記載のプリント基板収容ケース。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケースの、前記ツメ部と前記支持部との間に、高周波回路が形成されたプリント基板が収容されていることを特徴とする高周波部品。
  11. 前記ツメ部と前記プリント基板とが接触する面が半田付けされていることを特徴とする請求項10に記載の高周波部品。
  12. 前記ツメ部を、前記収容方向に垂直な方向に挟み込むように半田付けされていることを特徴とする請求項11に記載の高周波部品。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプリント基板収容ケースの、前記金属枠の内側において、前記ツメ部が形成されている側から、高周波回路が形成されたプリント基板を前記金属枠の内側に収容し、前記ツメ部と前記支持部との間に挟むように前記プリント基板を収容する工程を包含する高周波部品の製造方法。
  14. 金属枠の内側にプリント基板を収容するプリント基板収容ケースを製造する方法であって、
    前記金属枠に、一方の線分の端部の一方が他方の線分の端部の一方に接するように2本の線分を切り込み、他方の線分に接していない方の端部を両端とする線分を折り目として、前記金属枠をその内側に折り曲げることによって、プリント基板を固定するためのツメ部を形成する工程と、
    前記ツメ部よりも、前記金属枠の内側へのプリント基板の収容方向奥側に、プリント基板を固定するための支持部を形成する工程とを包含することを特徴とするプリント基板収容ケースの製造方法。
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