JP2009212095A - 多層配線板用の部材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線板用の部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストが安価な厚膜工程を導電性バンプの形成に用いることで製造が可能で、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅が100μm以下の多層配線板を実現でき、積層時に、導電性バンプと配線パターンとの接触抵抗値を低く保持でき、かつ歩留まりの良い、低価格の多層配線板を実現できる部材およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】Cu箔1上の指定された位置に、導電性ペーストにて導電性バンプ2を印刷、乾燥する工程と、前記導電性バンプをすべて被覆するように絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31を塗布する工程と、前記流動性被膜を乾燥、固化し、揮発減量による厚さの低減によって前記導電性バンプの先端部を突出させるように、絶縁性未硬化被膜32を形成する工程とから成る多層配線板用部材の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線板用の部材およびその製造方法に係り、導電性箔上に導電性バンプ群を形成し、絶縁性樹脂配合液にて全体を塗布して流動性被膜を形成した後、溶剤揮発での膜減りによって、前記流動性被膜から、絶縁性未硬化被膜を形成させて、かつ前記導電性バンプ群の先端部を前記絶縁性未硬化被膜より露出させた、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅が100μm以下の多層配線板の形成にも好適な多層配線板用の部材およびその製造方法に関する。
従来、多層配線板を形成する方法の中で、多層間での電気的導通を確保する方法の一つとして、金属粉などの導電性材料を樹脂中に分散させた導電性ペーストにて突起状の導電性バンプを導電性箔上に形成した導電性バンプ群を、熱可塑性樹脂シート、あるいは硬化前状態に保持された熱硬化性樹脂シート(通称、プリプレグと呼ぶ)に押圧して貫挿させ、更に、他の導電性箔を上方より加圧、積層して、厚さ方向での電気的導通を確保して、多層配線板を形成する方法がある。
(特許文献1)
図6は、従来のプリプレグシートをバンプで貫挿させる方式の配線板の製造方法を示す図である。
図6(a)は、導電性箔501の上に、導電性ペーストの印刷工程によって、略円錐状の導電性バンプ502を形成した状態の説明図である。
図6(b)は、導電性箔10の上に略円錐状の導電性バンプ502を形成した中間物を、硬化前状態の絶縁性樹脂、プリプレグシート503と対向させた状態の図である。
図6(c)は、加熱下で導電性バンプ502の先端部を前記絶縁材料基板のプリプレグ503から突出させた状態の図で、プリプレグのガラス繊維基材の破断と樹脂層の分離が起きている様である。
図6(d)は前記導体バンプ20を硬化前状態の絶縁性樹脂、プリプレグシート503に貫挿させ、熱加圧でバンプが圧着された断面図である。
図6(e)は、プリプレグのガラス繊維基材の破断屑508がバンプ面に残っている状態である。
特許文献2には、絶縁材料基板のプリプレグに、略円錐状の導体バンプをプレスによって貫挿し、プリント配線基板を製造する方法について記載されている。
また、特許文献3には、山形の導電性バンプを用いて、合成樹脂系シートを貫挿して、多層配線板を製造する方法について記載されている。
また、特許文献4には、複数の導体バンプを印刷した上側に、カーテンコータなどの塗布装置を用いて、絶縁性樹脂組成物を塗布する方法について記載されている。
特許3251711号 ((株)東芝) 特開2007−13208号公報(大日本印刷(株)) 特許3167840号 ((株)東芝) 特開2002−353617号(京セラケミカル(株))
従来の多層配線板の製造方法には、以下の問題点があった。
第一に、突起状の導電性バンプによって、硬化前状態の絶縁性樹脂シートを貫挿するためには、突起状の導電性バンプには、機械的な強度が必要であり、このため、突起状の導電性バンプの底面径を100μm〜300μm程度とする必要があった。更に導電性バンプの形状については、硬化前状態の絶縁性樹脂シートを貫挿しやすくするためには、先端部が鋭角形状、即ちアスペクト比を高くする必要があった。
このように、従来は、導電性バンプの底面径を100μm〜300μm程度であって、配線板での配線幅は、100μm程度が限界となり、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅100μm以下の多層配線板の作製は、困難であった。
参考までに、例えば配線幅100μm以下の配線密度の高い多層配線板を作製するには、同時に層間接続ビアである突起状の導電性バンプの底面径を、100μm以下とすることも重要となる。しかし、従来の絶縁性樹脂のプリプレグシートをバンプにて貫挿する製造方法では、プリプレグの厚さが現状では最低でも30μm以上であり、バンプにてその厚さを安定して貫挿するには、バンプ高さを厚さの約3倍にする必要があり、バンプ径の微細化はバンプのアスペクト比を大きくせざるを得なくなり、底面径が100μm以下の微細バンプ形成は困難を極めた。参考までに、従来において、層間接続ビア径ならびに配線幅が100μm以下の配線密度を有する配線板を実現する方法については、製造コストや製造設備投資額の高価な、例えばセミアディティブ手法による微細配線パターン形成や、例えばフォトビア法による微細層間接続ビア形成等の薄膜プロセスを使用するのが一般的であった。
第二に従来、硬化前状態の絶縁性樹脂のプリプレグシートを加熱軟化させて突起状の導電性バンプに押圧して貫挿させる工程において、前記プリプレグシートはガラスクロス基材が繊維フィラメント束で縦横に織られた構造体になっているために、導電性バンプがフィラメント束の交差部に当たる場合とフィラメント束とフィラメント束との間に当たる場合とでは貫挿の抵抗差が大きく、抵抗の大きい部分ほど絶縁性樹脂プリプレグシートと導電性バンプとの界面部において、絶縁性樹脂および又はガラスクロスの破砕屑が生じてしまう。これらの絶縁性樹脂および又はガラスクロスの破砕屑は、後工程での導電性バンプと配線板の導体層との積層、加圧にて、接触抵抗値の増大ないしは導通不良を起こし、配線板の歩留まりを低下させていた。
本発明の課題は、上記問題を解決するためになされたものであり、製造コストが安価な厚膜プロセスを導電性バンプの形成に用いることで製造が可能で、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅が100μm以下の配線密度の多層配線板を実現でき、積層時に、導電性バンプと配線パターンとの接触抵抗値を低く保持でき、かつ歩留まりの良い、低価格の多層配線板を実現できる多層配線板用の部材およびその製造方法を提供することである。
本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔と、該導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて該導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記絶縁性未硬化被膜は、前記導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成し、前記絶縁性樹脂配合液の硬化反応をさせない条件で溶剤を揮発させて前記流動性被膜を固化させ、膜減りさせて形成した被膜であることを特徴とする多層配線板用の部材である。
ここで、前記導電性箔としては、例えばCu箔、ステンレス箔、アルミ箔その他の金属ないし合金の箔などが選択される。
本発明の多層配線板用の部材は、少なくとも導電性箔と、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの断面形状が略円錐台状、又は、略円柱状であり、前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧であることを特徴とする多層配線板用の部材である。
本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの底面積に対する上面の露出面積比が、20%以上であることを特徴とする多層配線板用の部材である
図8は、本発明の多層配線板用の部材におけるサイズパラメータの定義を説明する図である。
図8(a)は、絶縁性樹脂配合液72が、導電性バンプ71の全体を覆った状態の図、図8(b)は、絶縁性樹脂配合液72を硬化させない条件にて膜減りさせ、絶縁性未硬化被膜73を形成し、導電性バンプの先端部全体が、絶縁性未硬化被膜73から突出した状態の図であり、図8(c)は、絶縁性樹脂配合液72を硬化させない条件にて膜減りさせ、絶縁性未硬化被膜73を形成し、導電性バンプの先端部の一部分が露出している状態の説明図である。
(導電性バンプの表面形状の説明)
ここで、本発明では、前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧形状であるので、絶縁性未硬化樹脂が導電性バンプの先端部に残らない状態となる。一方中心角が180℃を越えると、導電性バンプの先端部は、くぼんだ形状となって、絶縁性未硬化樹脂が、導電性バンプの先端部のくぼんだ中央部分に残ってしまう。くぼんだ形状の場合、相手の部材の導体パターンとの接合にて、接続抵抗値の不具合を発生させる。
これは、本発明の多層配線板用の部材の製造方法による所が大きく関係しており、即ち、前記絶縁性未硬化被膜が、
前記導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性樹脂配合液を塗布し流動性被膜を形成し、前記絶縁性樹脂配合液の硬化反応をさせない条件で前記流動性被膜から溶剤を揮発させて流動性被膜の膜厚を減少させることにより形成することによる改善効果である。
図9は、多層配線板のビア抵抗測定用のテストパターンの説明図である。図9(a)は、平面図、図9(b)は、断面図である。
テストパターンは、第一層配線94、ビア95、第二層配線93、測定端子91、92により構成される。第一層配線94は絶縁性膜96の下面に形成された配線であり、第二層配線93は絶縁性膜96の上面に形成された配線である。測定端子91と測定端子92の間には、多数のビア95が第一層配線93の配線パターンと第二層配線94の配線パターンを介して直列に接続されている。ビアの抵抗は、測定端子91と測定端子92に所定の電圧を印加し、テストパターンに流れる電流を測定することにより求める。具体的には、端子間の抵抗から、配線抵抗を引いて、ビアの個数で割って、一個当たりの導電性バンプの抵抗を算出する。一般的に配線抵抗、ビアの抵抗とも、通常の電子部品である抵抗と比較して抵抗値が極めて低いので、高精度のビアの抵抗の算出には、多数のビアを直列に接続したパターンを用意して測定しなければならない。一般的には、数十個から数百個の導電性バンプのを直列に並べたパターンが用いられる。配線抵抗については、予め、配線材料の固有抵抗あるいは配線のシート抵抗のデータがあれば、配線のサイズにより理論的に算出することが可能である。ビアの数の異なる複数のパターンの測定により、ビアの抵抗と配線抵抗を独立に測定することも可能である
ここで、従来の製造方法による配線板の部材のテスト試料と、本発明の製造方法による多層配線板用の部材のテスト試料とを用いて、図9に示す方法にて導電性バンプの導体抵抗の評価を行った結果、本発明の多層配線板用の部材のテスト試料の層間接続バンプ抵抗値は、従来の配線板の部材テスト試料の層間接続バンプ抵抗値に対して30%〜90%に低減した。
(バンプ群に直接樹脂被膜を作ることの特徴)
ここで、本発明の多層配線板用の部材は、溶剤に溶解した樹脂をバンプ群の周囲に流延させて十分にバンプ周辺を濡らして乾燥・固化させた絶縁性未硬化被膜であることに特徴があるので、バンプと樹脂は緊密な密着構造で出来上がっている。一方、従来の、たとえばB2itでの絶縁性樹脂は、一般にBステージといわれる溶剤の蒸発された固体シートで、かかる固体シートを熱で軟化させてバンプに貫挿させる方法においては無理やりの破断での穿孔であるからバンプ周辺に隙間ができたりして、本発明に比べてバンプと樹脂の密着信頼性は劣るものである。
また、本発明の多層配線板用の部材において、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの断面形状が略円錐台状、又は、略円柱状であり、前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧であることを特徴とする。
(中心各が180℃以下の根拠)
導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下であると、溶剤に溶解した樹脂配合液をバンプ群の周囲に流延させて該流動性樹脂配合液の溶剤を揮発させて絶縁性未硬化被膜をバンプ群周囲に形成する時、導電性バンプの上面が、蒸発して体積が減少、膜減りしての頭出し露出が容易になるからである。
更に、本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を頭出しさせて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの底面積に対する上面の露出面積比が20%以上であることを特徴とする多層配線板用の部材である。
図7は、本発明の多層配線板用の部材に使用される導電性バンプの形状を示す図である。図7(a)は、略円錐台状の導電性バンプ、図7(b)は、略円柱状の導電性バンプを示す。
ここで、導電性バンプの形状の略円錐台状については、円錐台状の斜面が、直線でも良いしまた、くぼんでいたり、外側に湾曲していても良く、また上面が、平坦でも良いし、またゆるやかな円弧状でも良い。
また、導電性バンプの形状の略円柱状については、円柱台状の側面が、直線でも良いしまた、くぼんでいたり、外側に湾曲していても良く、また上面が、平坦でも良いし、またゆるやかな円弧状でも良い。
ここで、本発明の多層配線板用の部材での、絶縁性未硬化樹脂は、繊維基材を有しないことを特徴とする。絶縁性樹脂配合液にて、繊維基材を有しないので、粘度を低くすることに対して有利である。
本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔と、該導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて該導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の底面径が10〜150μmであることを特徴とする多層配線板用の部材である。
ここで、前記導電性バンプ群の高さをhとし、絶縁性未硬化被膜の厚さをt2としたとき、h>t2の関係であり、かつ厚さt2は、1.5μm〜40μmであり、前記導電性箔の厚さが、2〜18μmである。
前記導電性バンプ群は、前記導電性バンプ群の高さを底面径で割ったアスペクト比が、0.3から0.7である。
(導電性バンプ底面径の根拠)
導電性バンプ群の底面径が10μm以上であると、導電性バンプ群の先端部を絶縁性未硬化被膜から安定に突出することができ、また導電性バンプ群の底面径が150μm以下であると、高密度な配線パターンを実現することができる。
(絶縁性未硬化被膜の厚さの根拠)
絶縁性未硬化被膜の厚さが、1.5μm以上であると、絶縁性未硬化被膜の厚さのばらつきを5%以内に収めることができ、また、絶縁性未硬化被膜の厚さが、40μm以下であると導電性箔の面内での絶縁性未硬化被膜の厚さの差を減少することができる。
また、本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔と、該導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて該導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の底面径が30〜50μmであることを特徴とする多層配線板用の部材である。
ここで、前記導電性バンプ群の高さをhとし、絶縁性未硬化被膜の厚さをt2としたとき、h>t2の関係を満たし、かつ厚さt2は、10〜20μmであり、前記導電性箔の厚さが、3〜5μmである。
前記導電性バンプ群は、前記導電性バンプ群の高さを底面径で割ったアスペクト比が、0.3から0.7である。
(導電性バンプ底面径の根拠)
導電性バンプ群の底面径が30μm以上であると、導電性バンプ群の先端部を絶縁性未硬化被膜から安定に突出することができ、また導電性バンプ群の底面径が50μm以下であると、高密度な導電性バンプ群および配線パターンを実現することができる。
(絶縁性未硬化被膜の厚さの根拠)
絶縁性未硬化被膜の厚さが、10μm以上であると、絶縁性未硬化被膜の厚さのばらつきを5%以内に収めることができ、また、絶縁性未硬化被膜の厚さが、20μm以下であると導電性箔の面内での絶縁性未硬化被膜の厚さの差を減少させることができる。
本発明の多層配線板用の部材は、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の面密度が30万個/m2〜500万個/m2であることを特徴とする多層配線板用の部材である。
なお、前記多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜の熱軟化温度は、60℃以上から160℃以下である。
本発明の多層配線板用の部材に使用される絶縁性樹脂の好適例2種類について以下説明する。
その1例は、エポキシ系樹脂配合物であり(0020〜0052にて説明)、
その2例は、オリゴフェニレンエーテル系樹脂配合物であるが、好適例は、エラストマーを配合したものである(0053〜0066)。
エポキシ系樹脂配合物について、以下説明する。
本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(C)成分として、イソシアネート化合物を配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部とする。
また、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(D)成分を40〜180重量部とする。
このように(D)成分、ジビニルベンゼンの配合が被膜形成を助長するために好適である。
特にフイルムの形成性を向上させるためには、(D)成分、ジビニルベンゼンを40〜180部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート5〜12部配合が好ましい。
更に、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(C)成分として、イソシアネート化合物、および(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(C)成分を100〜400重量部で、(D)成分を40〜180重量部とする。
このように(D)成分、ジビニルベンゼンの配合が被膜形成を助長するために好適である。
特にフイルムの形成性を向上させるためには、(D)成分、ジビニルベンゼンを40〜180部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート5〜12部配合が好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂組成物としては、国際公開第2005/100435号に記載されたエポキシ樹脂組成物も好適に使用できる。具体的には、1つ以上のヒドロキシ基と2つ以上のエポキシ基とを有する重量平均分子量1,500〜70,000の直鎖状エポキシ樹脂(A)と、フェノール性ヒドロキシ基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物であって、上記変性フェノールノボラック(B)の含有量が、上記直鎖状エポキシ樹脂(A)100重量部に対して30〜200重量部であるエポキシ樹脂組成物が、誘電特性(例えば、低誘電率、低誘電正接)に優れる点から好適に挙げられる。
直鎖状エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は、1,500〜70,000のである。
直鎖状エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は、好ましくは3,700〜74,000、より好ましくは5,500〜26,000である。
直鎖状エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、5000g/eq以上が好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いた値とする。
直鎖状エポキシ樹脂(A)としては、重量平均分子量/数平均分子量が2〜3の範囲のものが特に好ましい。
直鎖状エポキシ樹脂(A)としては、具体的には、例えば、下記式(1)で示される化合物が好ましく、下記式(2)で示される化合物がより好ましい。
Figure 2009212095
上記式中、XおよびYは、それぞれ、単結合、炭素数1〜7の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−CO−または下記式で示される基である。XおよびYが複数ある場合は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2009212095
ここで、上記式中R2は、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子であり、R2が複数ある場合は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。R3は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子である。qは、0〜5の整数である。
上記式(1)〜(2)中、R1およびR4は、それぞれ、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子である。R1およびR4が複数ある場合は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。
pおよびsは、それぞれ、0〜4の整数であり、同一であっても、異なっていてもよい。
上記式(1)中、nは、平均値を表し、25〜500である。
上記式(2)中、tは、平均値を表し、10〜250である。
直鎖状エポキシ樹脂(A)は、上記式(1)において、pが0である、式(1′)で示される化合物であるのがより好ましい。
Figure 2009212095
上記式中、Xおよびnはそれぞれ上記式(1)中のXおよびnと同義である。
上述した直鎖状エポキシ樹脂(A)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記フェノール性ヒドロキシ基の少なくとも一部を脂肪酸エステル化した変性フェノールノボラック(B)としては、例えば、下記式(3)で表される変性フェノールノボラックが好適に挙げられる。
Figure 2009212095
上記式(3)中、R5は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、好ましくはメチル基であり、複数のR5は、同一であっても異なっていてもよい。
6は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していもよいフェニル基、置換基を有していもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR6は、同一であっても異なっていてもよい。
7は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR7は、同一であっても異なっていてもよい。
gは、0〜3の整数を表し、複数のgは、同一であっても異なっていてもよい。
hは、0〜3の整数を表し、複数のhは、同一であっても異なっていてもよい。
n:mは、1:1〜1.2:1であり、約1:1であることが好ましい。
nとmの合計としては、例えば2〜4とすることができる。
上記式(3)におけるn、mは、繰り返し単位の平均値であり、繰り返し単位の順序は限定されず、ブロックでもランダムでもよい。
変性フェノールノボラック(B)としては、好ましくは、下記式(3′)で表される変性フェノールノボラックが挙げられる。
Figure 2009212095
上記式(3′)中、R5、nおよびmは、それぞれ、上記式(3)のR5、nおよびmと同様である。
特に好ましくは、上記式(3′)においてR5がメチル基のアセチル化フェノールノボラックである。
これらの変性フェノールノボラックは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(B)成分の含有量は、上記(A)成分100重量部に対して30〜200重量部であるのが好ましい。(B)成分の含有量がこの範囲であると、誘電特性、フィルム形成性、硬化反応性に優れる。上記(B)成分の含有量は、上記(A)成分100重量部に対して、50〜180重量部であるのがより好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物に用いられる揮発性溶剤の種類や使用量については、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂組成物は、更に、イソシアネート化合物(C)を含有するのが好ましい態様の1つである。エポキシ樹脂中にヒドロキシ基がある場合は、そのヒドロキシ基や、エポキシ樹脂が開環した際に生成するヒドロキシ基と、イソシアネート化合物中のイソシアネート基が反応して、ウレタン結合を形成し、硬化後のポリマーの架橋密度を上げ、分子の運動性を更に低下させるとともに、極性の大きいヒドロキシ基が減少するため、一層の比誘電率の低下、誘電正接の低下が可能になる。更に、エポキシ樹脂は分子間力が大きく、フィルム化する場合に均一な成膜が困難であり、かつフィルム化してもフィルム強度が弱く、フィルム形成時にクラックが入り易い傾向があるが、イソシアネート化合物を配合することによりこれらの欠点を除くことができる。
上記イソシアネート化合物(C)としては、2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリ(イソシアネートフェニル)トリホスファート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
また、上記イソシアネート化合物(C)には、イソシアネート化合物の一部が環化反応により、イソシアヌレート環を形成したプレポリマーを含むものとする。例えば、イソシアネート化合物の3量体を含むプレポリマーが挙げられる。
上記イソシアネート化合物(C)は、特に、上述した直鎖状エポキシ樹脂(A)との組み合わせで使用することが好ましい。エポキシ樹脂の開環反応に伴う生成したヒドロキシ基とイソシアネート基との反応に加えて、直鎖状エポキシ樹脂(A)中にはヒドロキシ基が存在するため、このヒドロキシ基とイソシアネート基とが反応できるため、より大きな効果が得られる。
上記イソシアネート化合物(C)の含有量は、上記(A)成分100重量部に対して100〜400重量部であるのが好ましく、300〜350重量部であるのがより好ましい。イソシアネート化合物の含有量がこの範囲であると、硬化する際に発泡が抑えられ均一なフィルムになりやすく、また、硬化後にクラックが生じにくく、誘電特性(例えば、低誘電率、低誘電正接)にも優れる。
上記エポキシ樹脂組成物は、更に、ジビニルベンゼン(D)を含有するのが好ましい態様の1つである。ジビニルベンゼン(D)を含有すると、架橋成分の溶融温度の低温化、成型時の流動性の向上、硬化温度の低温化、相溶性の向上に優れる。
ジビニルベンゼンの含有量は、上記(A)成分100重量部に対して、50〜150重量部であるのが好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物は、任意の成分として硬化促進剤を含有してもよい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として公知のものを使用することができ、例えば、2−メチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の複素環化合物イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のリン化合物類、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンやその塩等のDBU類、アミン類、イミダゾ−ル類をエポキシ、尿素、酸等でアダクトさせたアダクト型促進剤類等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、上記(A)成分100重量部に対して、1〜10重量部であるのが好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物は、任意の成分として重合開始剤を含有してもよい。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができ、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、上記(A)成分100重量部に対して、1〜10重量部であるのが好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、粘着性付与剤、難燃化剤、消泡剤、流動調整剤、分散助剤等の添加剤を含有してもよい。
また、上記エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、弾性率の向上、膨張係数の低下、ガラス転移温度(Tg値)の変更等を目的として、必要に応じて、(A)成分以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。
(A)成分以外のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、脂肪酸エステル化されていないフェノールノボラック、クレゾールノボラック樹脂、フェノール多核体等の公知のエポキシ樹脂硬化剤を含有してもよい。
フェノール多核体としては、例えば、3〜5核体程度等のフェノール類が挙げられる。
上記エポキシ樹脂組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、溶媒の存在下または非存在下に(A)、(B)の各々をプロペラ撹拌機、バンバリー式ミキサー、遊星式ミキサー、加熱真空混合ニーダー等により混合できる。
また、例えば、樹脂成分は所定の溶剤濃度に溶解し、それらを25〜60℃に加温された反応釜に所定量投入し、常圧混合を30分〜6時間行うことができる。その後、真空下(最大1Torr)で更に5分〜60分混合撹拌することができる。
次ぎに、オリゴフェニレンエーテル系樹脂配合物について、以下説明する。
本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、(A)成分は、熱硬化性の数平均分子量1000以上3000以下の両末端に官能基をもったオリゴフェニレンエーテルであり、並びに(B)成分は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されたブロック共重合体であり、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液にて硬化反応をさせない条件で溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする。

ここで、前記絶縁性樹脂配合液にて(A)成分100重量部に対して、(B)成分が67重量部以上150重量部以下である。更に、前記絶縁性未硬化被膜の(B)成分は、ゴム及び/又はスチレンーブタジェンースチレンブロック共重合体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーエチレン/ブタジェンースチレン共重合体から選ばれた1以上の熱可塑性エラストマーである。

(樹脂成分の詳細と配合比の根拠の記載)
上記熱硬化性樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、両末端にスチレン官能基、ビニル基、グリシジル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基を有する熱硬化性オリゴフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、両末端にスチレン官能基を有する熱硬化性オリゴフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂が、誘電特性(例えば、低誘電率、低誘電正接)、低吸水性、塗膜形成性等に優れる点から好ましい。
上記熱硬化性樹脂組成物としては、特に、本願出願人が先に出願した特願2006−215464号明細書に記載されたオリゴフェニレンエーテル系樹脂組成物が好ましい。具体的には、例えば、数平均分子量500〜5000の両末端にスチレン官能基を有する熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)100重量部と、ビニル芳香族炭化水素モノマーに由来する繰返し単位と共役ジエンモノマーに由来する繰返し単位とを含むブロック共重合体(B)50〜250重量部とを含有する熱硬化性樹脂組成物が、誘電特性(例えば、低誘電率、低誘電正接)、低弾性、塗膜形成性に優れる点から好適に挙げられる。
上記熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)としては、例えば、特開2006−28111号公報に記載されている2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチルビフェニル‐4,4′−ジオール−2,6−ジメチルフェノール重縮合物とクロロメチルスチレンとの反応生成物が挙げられる。
このような熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)は、公知の方法により製造することができる。また、市販品を用いることもできる。例えば、OPE−2st 2200(三菱ガス化学社製)を好適に使用することができる。
熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)の数平均分子量が5,000を超えると、揮発性溶剤に溶解し難くなる。一方、数平均分子量が500未満であると、架橋密度が高くなりすぎるため、硬化物の弾性率や可撓性に悪影響がでる。そのため、熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)の数平均分子量は、500〜5,000であり、1、000〜3、000であるのが好ましい。
上記ブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されるブロック共重合体である。
上記ブロック共重合体(B)としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
ブロック共重合体(B)は、公知の方法により製造することができる。また、市販品を用いることもできる。例えば、TR2003(JSR社製)を好適に使用することができる。
上記熱硬化性樹脂組成物におけるブロック共重合体(B)の含有量は、熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)100重量部に対して、50〜250重量部であり、65〜200重量部であるのが好ましく、80〜150であるのがより好ましい。ブロック共重合体(B)の含有量がこの範囲であると、フィルム形成能、熱硬化性オリゴフェニレンエーテル(A)との相溶性に優れる。
上記オリゴフェニレンエーテル樹脂組成物に用いられる揮発性溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
揮発性溶剤の含有量は、組成物の粘度が上記の範囲になるように適宜調整すればよく特に限定されないが、樹脂成分が15〜45重量%となるように使用するのが好ましく、
15〜35重量%となるように使用するのがより好ましい。組成物中の樹脂成分の割合がこの範囲であると、繊維質基材に含浸しやすくなり、気泡を少なくすることができる。このような低濃度では、従来の縦型含浸装置では、所望の樹脂付着量を得るためには大量のワニス付着量にしなければならず、そうすると垂直方向に進行する際に含浸した樹脂が垂れて不均一な縦縞になって樹脂斑のひどいものになる上に、塗布膜内部に溶剤が残って表面だけが乾燥するといった現象が起きて均一な未硬化状態にはならない。
上記オリゴフェニレンエーテル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、無機フィラー、粘着性付与剤、難燃化剤、消泡剤、流動調整剤、成膜補助剤、分散助剤等の添加剤を含有していてもよい。
また、上記オリゴフェニレンエーテル樹脂組成物は、硬化触媒を含有していてもよいが、加熱のみによって硬化することができる。
上記オリゴフェニレンエーテル樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を採用できる。例えば、上述した各成分を撹拌機により十分混合して製造することができる。
本発明の多層配線板用の部材の製造方法は、導電性箔上に導電性バンプ群を形成する第一の工程と、前記導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性 樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成する第二の工程と、前記流動性被膜の絶縁性樹脂配合液の溶剤を揮発させて膜減りさせて、流動性被膜から絶縁性被膜を形成し、前記導電性バンプ群の先端部を前記絶縁性被膜から突出させる第三の工程とから成ることを特徴とする。
ここで、前記第二の工程における、流動性被膜の厚さt1と、前記第三の工程における絶縁性被膜の厚さt2との変化量(t1−t2)と、前記流動性被膜の厚さt1との割合である膜減り率[(t1−t2)/t1]×100は、25%以上から85%以下の範囲である。
ここで、前記絶縁性被膜は、硬化の条件を選択して、未硬化状態としているする。
(膜減り率の根拠)
膜減り率[(t1−t2)/t1]×100が、85%以下であると、絶縁性樹脂組成物の粘度を下限の近傍の値以上の範囲を選択でき、絶縁性樹脂配合液の流動性被膜が安定に保持されて、溶剤の揮発によって、導電性バンプの先端部が絶縁性被膜から安定に突出し、また、膜減り率が、25%以上であると、絶縁性樹脂配合液の粘度を上限近傍の値以下の範囲を選択でき、安定に溶剤の揮発による膜減りが行われて、導電性バンプの先端部を再現性良く絶縁性被膜から頭出しすることができる。
前記導電性パンプは、Ag、Cu、Au、Ni、いずれかあるいはそれらの少なくとも2種以上が混合された導電性ペ−ストを、前記導電性箔上に印刷・乾燥して形成することを特徴とする。
また、本発明の多層配線板用の部材の製造方法において、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの断面形状が略円錐台状、又は、略円柱状であり、前記バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧であることを特徴とする。
(中心角が180℃以下の根拠)
前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下であると、流動性被膜の溶剤を揮発させて絶縁性被膜を形成する際、導電性バンプの上面が、安定して流動性被膜から露出することができる。
本発明の製造方法において、多層配線板用の部材は、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を頭出しさせて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの底面積に対する上面の露出面積比が20%以上であることを特徴とする多層配線板用の部材である。
本発明の多層配線板用の部材の製造方法は、前記導電性バンプ群の底面径を
10〜150μmとすることを特徴とする多層配線板用の部材の製造方法である。
ここで、前記導電性バンプ群の高さをhとし、絶縁性未硬化被膜の厚さをt2としたとき、h>t2の関係であり、かつ厚さt2は、1.5μm〜40μmであり、前記導電性箔の厚さが、2〜18μmである。
また、前記導電性バンプ群は、前記導電性バンプ群の高さを底面径で割ったアスペクト比を、0.3から0.7とする。
(導電性バンプ底面径の根拠)
導電性バンプ群の底面径が10μm以上であると、層間の絶縁性を良好に保つことが出来、かつ導電性バンプ群の先端部を絶縁性被膜から安定に頭出しすることができ、また導電性バンプ群の底面径が150μm以下であると、高密度な層間接続ビア(バンプ)を実現することができる。
(絶縁性未被膜の厚さの根拠)
絶縁性被膜の厚さが、1.5μm以上であると、絶縁性被膜の厚さのばらつきを5%以内に収めることができ、また、絶縁性被膜の厚さが、40μm以下であると導電性箔の面内での絶縁性被膜の厚さの差を減少することができる。
ここで、本発明の多層配線板用の部材の製造方法において、絶縁性樹脂配合液は、均一にして薄い被膜を形成させるために繊維基材を有しないことを特徴とする。絶縁性樹脂配合液に仮にガラス繊維チョップを配合したりしても均一な分散状態で塗布することは実質的に不可能だからである。
本発明によれば、製造コストが安価な厚膜プロセスを導電性バンプの形成に用いることで製造が可能であり、設備投資が少なく、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅が100μm以下の配線密度を有する多層配線板を実現できる、積層時に、導電性バンプと配線パターンとの接続抵抗値を低く保持でき、歩留まりの良い、低価格の多層配線板を実現できる多層配線板用の部材およびその製造方法を提供することができる。
請求項1に係る発明によれば、絶縁性未硬化被膜を、絶縁性樹脂配合液の膜減りにより形成し、導電性バンプの先端部を頭出しするので、導電性バンプのアスペクト比を、従来の多層配線板の導電性バンプのアスペクト比より低くできる。
これによって、導電性バンプの密度を上げることができ、層間接続ビア(バンプ)径ならびに配線幅が100μm以下の層間接続ビア(バンプ)の形成が可能となる。
また、本発明の多層配線用の部材を、複数多層化したり、他のコア配線板との一括積層にも適合しており、絶縁性樹脂の熱成型による熱ひずみを1回で終了させることができる。
請求項2に係る発明により、導電性バンプの上面形状を中心角が180°以下のゆるやかな円弧とするため、絶縁性樹脂の膜減りにおいて、導電性バンプの先端部を安定の露出することができ、以後の多層化において、導電性バンプと配線パターンとの接合信頼性に大きく寄与する。
請求項13に係る発明により、多層配線板用の部材の導電性バンプ群の面密度が30万個/m2〜500万個/m2である多層配線板用の部材を提供できる。
請求項26に係る発明により、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜の硬化後の比誘電率が、5GHzにおいて2.0〜3.0の範囲、誘電正接が5GHzにおいて0.001〜0.005の範囲のいずれかを満たすものであり、優れた絶縁特性を有する
多層配線板用の部材を提供できる。
本発明の多層配線板用の部材およびその製造方法の実施の形態について、以下説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の多層配線板に用いられる多層配線板用の部材の製造方法の説明図である。
図1(a)は、導電性材料であるCu箔1の説明図である。
図1(b)は、Cu箔1上に、導電性ペーストにより、高さhの略円錐台状の導電性バンプ2を形成した状態である。ここで、4は、導電性バンプ2の先端部である。
ここで、前記導電性バンプ2は、導電性ペーストを、Cu箔1に印刷し、略円錐台状の形状を得ている。
なお、図1(b)の例では、導電性バンプ2の形状は、略円錐台状としているが、これに限られない。
図1(c)は、図1(b)の、Cu箔1、高さhの導電性バンプ2で成る導電性バンプ群の上に、絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜31を形成し、Cu箔1と、その上に形成された導電性バンプ2でなる導電性バンプ群の全体を覆った状態の図である。ここで、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31の厚みを、t1とし、前記絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31は、硬化反応が全く進んでいない未硬化の状態である。
図1(d)は、図1(c)の状態において、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31を実質的に硬化反応をさせない条件で、溶剤の揮発によって膜減りさせて、絶縁性未硬化被膜32として、多層配線板用の部材を構成した図である。ここで、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31の厚みt1は、溶剤の揮発によって絶縁性未硬化被膜32の厚みt2へと減少し、かつ、導電性バンプ2の高さh>t2の関係となり、導電性パンプ2の先端部4は、絶縁性未硬化被膜32の表面より、頭出しした状態となっている。
ここで、膜減り率の定義は、 [(t1−t2)/t1]×100
とする。
また、図7は、本発明の多層配線板用部材に使用される導電性バンプの形状を示す図である。図7(a)は、略円錐状台状の導電性バンプ、図7(b)は、略円柱状の導電性バンプを示す。
ここで、前記導電性バンプの上断面形状は、中心角が180°以下のゆるやかな円弧である。
また、前記導電性バンプの底面積に対する上面の露出面積比が20%以上であることを特徴とする。
図8は、本発明の多層配線板用の部材のおけるサイズパラメータの定義を説明する図である。図8(a) は、導電性バンプ71上に流動性被膜72を塗布により形成した後の多層配線板部材の断面図であり、図8(b)及び(c)は、流動性被膜72を膜減りし、絶縁性未硬化被膜73を形成した後の多層配線板部材の断面図である。バンプの頭出しは、典型的には、図8(b)のようにバンプの頭が完全に露出する。しかし、最悪の場合、図8(c)のようにバンプの頭の一部に絶縁性被膜が残る。
ここで、t1は、流動性絶縁樹脂被膜72の厚さであり、t2は、絶縁性未硬化被膜73の厚さであり、hは、導電性バンプ71の厚さである。また、aは、導電性バンプの底面径(底面の直径)であり、θは、導電性バンプ71の上断面の中心角である。また、図8(c)に示す最悪の場合において、Sbはバンプの底面積であり、Seはバンプの頭における導電性バンプ71の露出面積である。露出量は、Se/Sb×100(%)で定義する。
ここで、従来の製造方法による配線板の部材のテスト試料と、本発明の製造方法による多層配線板用の部材のテスト試料とを用いて、図9に示す方法にて接続抵抗値の評価を行った。
図9は、多層配線板のビアの導体抵抗測定用のテストパターンの図である。図9(a)は、平面図、図9(b)は、断面図である。
テストパターンは、第一層配線94、ビア95、第二層配線93、測定端子91、92により構成される。第一層配線94は絶縁性膜96の下面に形成された配線であり、第二層配線93は絶縁性膜96の上面に形成された配線である。測定端子91と測定端子92の間には、多数のビア95が第一層配線93の配線パターンと第二層配線94の配線パターンを介して直列に接続されている。ビアの抵抗は、測定端子91と測定端子92に所定の電圧を印加し、テストパターンに流れる電流を測定することにより求める。具体的には、端子間の抵抗から、配線抵抗を引いて、導電性バンプの個数で割って、一個当たりのビアの抵抗を算出する。一般的に配線抵抗、ビアの抵抗とも、通常の電子部品である抵抗と比較して抵抗値が極めて低いので、高精度の導電性バンプの抵抗の算出には、多数のビアを直列に接続したパターンを用意して測定しなければならない。一般的には、数十個から数百個のビアを直列に並べたパターンが用いられる。配線抵抗については、予め配線材料の固有抵抗あるいは、配線のシート抵抗のデータがあれば、配線のサイズにより理論的に算出することが可能である。導電性バンプの数の異なる複数のパターンの測定により、ビアの抵抗と配線抵抗を独立に測定することも可能である
ここで、従来の製造方法による配線板の部材のテスト試料と、本発明の製造方法による多層配線板用の部材のテスト試料とを用いて、図9に示す方法にてビアの導体抵抗の評価を行った結果、本発明の多層配線板用の部材のテスト試料の層間接続バンプ抵抗値は、従来の配線板の部材テスト試料の層間接続バンプ抵抗値に対して30%〜90%に低減した。
ここで、前記多層配線板用部材の絶縁性未硬化被膜の好適例は、以下に示される処方でつくられる。
その1はエポキシ樹脂系であり、その2はフェニレンエーテル樹脂である。
その1は、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(C)成分として、イソシアネート化合物を配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られた絶縁性未硬化被膜である。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部とする。
また、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られた絶縁性被膜である。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(D)成分を40〜180重量部とする。
このように(D)成分、ジビニルベンゼンの配合が被膜形成を助長するために好適である。
特にフイルムの形成性を向上させるためには、(D)成分、ジビニルベンゼンを40〜180部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート5〜12部配合が好ましい。
更に、(A)成分が、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分が、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに(C)成分として、イソシアネート化合物、および(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られた絶縁性未硬化被膜である。
ここで、前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分を30〜200重量部で、(C)成分を100〜400重量部で、(D)成分を40〜180重量部とする。
このように(D)成分、ジビニルベンゼンの配合が被膜形成を助長するために好適である。
特にフイルムの形成性を向上させるためには、(D)成分、ジビニルベンゼンを40〜180部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート5〜12部配合が好ましい。
その2は、前記多層配線板用部材の絶縁性未硬化被膜は、(A)成分は、熱硬化性の数平均分子量1000以上3000以下のオリゴフェニレンエーテルであり、並びに(B)成分は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されたブロック共重合体であり、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が67重量部以上150重量部以下で、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂組成物から溶剤を揮発させて得られた絶縁性未硬化被膜である。
ここで、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、常温にて固体であって硬化
反応が実質的に進んでいない未硬化の状態である。
一方、従来のコア配線板での絶縁性樹脂は、少なくとも5%程度のエポキシ基の反応が進んでいる状態である。
従って、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、明らかに、従来のコア配線板の絶縁性樹脂とは硬化の状態が異なる。
図2は、図1の多層配線板用部材の製造方法に準じたフローチャートである。
図2より、ステップ1にて、Cu箔の上に導電性バンプ群を形成し、ステップ2にて、
Cu箔とその上に形成された導電性バンプ群を覆うように絶縁性樹脂配合液を塗布し、ステップ3にて、絶縁性樹脂配合液の溶剤の乾燥を行い、同時に、ステップ2にて塗布した流動性被膜を膜減りさせて絶縁性未硬化被膜とし、ステップ4にて、作製された多層配線板用の部材の検査を行う。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、先の実施の形態1で作製した多層配線板用の部材につき、基板であるCu箔をフォトリソ工程により、配線パターン化する製造方法に関する。
本実施の形態2は、多層配線板用の部材を複数積層して、多層化する場合に用いられる。
図3は、本発明の実施の形態1で作製した多層配線板用の部材につき、前記多層配線板用の部材100のCu箔1(外部に露出している側)にフォトリソ工程を施して、Cu箔1による配線パターン101を形成する製造方法の説明図である。
図3(a)は、多層配線板用の部材100の説明図であり、図3(b)は、多層配線板用の部材100の導電性バンプ2と絶縁性未硬化被膜32を、保護用の有機樹脂フイルム60でラミネートし、また、Cu箔1の露出した側の面に、フォトレジスト50を一様に塗布した状態の説明図である。
ここで、導電性バンプ2の全体が、前記保護用の有機樹脂フイルム60の中にくい込むように入り込み、保持されている。
図3(c)は、図3(b)にて一様に塗布したフォトレジスト50を、所定の感光マスクを介して露光させた後、前記フォトレジスト50を現像処理して、パターン形成されたフォトレジスト510とした状態の説明図である。
図3(d)は、図3(c)に示す状態の多層配線板用の部材100と保護用の有機樹脂フイルム60との全体をエッチング液に浸漬するウエットプロセスにて、フォトレジスト51に覆われていないCu箔1の部分をエッチングして除去して、配線パターン101を形成した図である。パターン形成されたフォトレジスト510に相当するCu箔1の部分は、エッチング液から保護されて残る。
図3(e)は、図3(d)の状態から、パターン化されたフォトレジスト510を除去し
さらに保護用の有機樹脂フィルム60を剥離した後の、Cu箔を材質とした配線パターン101を有する多層配線板用の部材200を形成した状態の説明図である。
ここで、図3(e)に示すごとく、Cu箔1をエッチング処理して配線パターン101を形成した多層配線板用の部材200は、配線パターン処理されたCu箔による配線パターン101の上に、高さhの略円錐台状の導電性バンプ2が形成されており、
前記円錐台状の導電性バンプ2の先端部4が、厚さt2の絶縁性未硬化被膜32から頭出しの状態である。
例えば、流動性被膜の硬化条件が、100℃×3分の場合は、流動性被膜が、膜減りによって絶縁性未硬化被膜となるが、ここで、本発明の多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜は、常温にて固体であって硬化反応が全く進んでいない未硬化の状態である。
図4は、実施の形態2の多層配線板用の部材の製造方法のフローチャートを示す。
図4は、図3の多層配線板用の部材の製造方法に準じたフローチャートである。
図4より、ステップ1にて、Cu箔の上に導電性ペーストを複数回、印刷して導電性バンプ群を形成し、ステップ2にて、Cu箔とその上に形成された導電性バンプ群を覆うように絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成し、ステップ3にて前記流動性被膜の絶縁性樹脂配合液の溶剤を乾燥させ、同時に、先のステップ2にて塗布した流動性被膜を膜減りさせて絶縁性未硬化被膜とし、ステップ4にて、導電性バンプと、絶縁性未硬化被膜とを、保護用の有機樹脂フイルムでラミネートし、ステップ5にて、多層配線板用の部材の露出しているCu箔の面にフォトレジストを塗布し、ステップ6にて、フォトリソ工程を用いて、Cu箔をエッチングして配線パターンを形成し、ステップ7にて、先のステップ4にて使用した有機樹脂フイルムと、先のステップ6にて残ったフォトレジストを除去し、ステップ8にて、作製された多層配線板用の部材を検査を行う。
(実施の形態3)
本実施の形態3は、本発明の多層配線板用の部材を使用して多層配線板を構成する例を示すものである。
即ち、先の実施の形態1で説明した多層配線板用の部材を、コア配線板の両側面に積層、プレス、加熱処理して、高密度の、配線幅20μm前後のパターン(前記多層配線板用の部材でのパターンが配線幅20μm前後のパターンとなっている。)を含む多層配線板として形成するものである。
図5は、本発明の多層配線板用の部材を用いて、新たな多層配線板を作製する説明図である。
図5(a)は、すでに作製されたコア配線板300(絶縁層が、1層の構成)の、両面に形成された配線パターン53、54と対向して、本発明のCu箔51を基体とした多層配線板用の部材201の導電性バンプの先端部41を、コア配線板300の配線パターン53と対向させ、
また、本発明のCu箔52を基体とした多層配線板用の部材202の導電性バンプの先端部42を、コア配線板300の配線パターン54と対向させた図である。
ここで、コア配線板300は、樹脂層の両面に配線パターン53,54が形成されており、前記両面の配線パターン53,54間が、前記樹脂層33の内部に形成された導電性パンプ31により電気的に接続された構成である。
ここで、前記導電性バンプ21は、従来の製造方法によって、樹脂層33を貫挿している。
図5(a)中にて、コア配線板300の厚みを、Lとしている。ここで、導電性バンプ31の底面の外形は、150〜300μmであり、コア配線板300の厚みLは、
100〜200μmである。
図5(b)は、導電性バンプの先端部41を配線パターン53と接触させ、また導電性バンプ42を配線パターン54と接触させた状態の図である。
図5(c)は、図5(b)の状態にて、積層、加圧、加熱処理して、多層配線板を形成し、更にCu箔51,52をフトリソ工程によって配線パターン510、520とした状態を示す。
このように、図5(c)は、図5(b)の状態を、一括積層、加圧、加熱処理した後の、4層構造から成る多層配線板を形成している。ここで、図5(b)にて示した、多層配線板用部材201、および202の導電性バンプ21、22の先端部41、42は、一括積層プレスによって、コア配線材300の配線パターン53、あるいは54に圧着され、その結果、先端部41、42がつぶれて、図3(b)に示すごとく、導電性バンプ21、22は、配線パターン53、あるいは54と密着し、電気的な導通が実現される。
なお、積層プレスの条件は、温度170〜210℃、実圧力(5〜15kgf/cm2)
としている。
他の例として、本発明の多層配線板用の部材を複数重ねる場合、あるいは多層化された多層配線基板用の部材を使用する場合がある。また、コア配線板のどちらか片方に、多層配線板用の部材を配置して、積層・プレスしても良い。
ここで、コア配線板は、図5(a)の形状に限られない。例えば、導電バンプ21の変わりに、絶縁層内の導通手段として貫通スルホールを用いたコア配線板としても良い。
貫通スルホールを用いた場合、前記貫通スルホールの内部は、導電性樹脂が充填されるか、あるいは絶縁性樹脂が充填される。
(実施の形態4)
図10は、本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の説明図である。図10(a)は、多層配線板用部材の201および202と、コア配線板300に対向させた状態であり、図10(b)は、多層配線板用部材の201の導電性バンプを、多層配線板用の部材202の配線パターン52に接触させて、更に、多層配線板用の部材202の導電性バンプの先端部を、コア配線板の配線パターン53に接触させた状態を示す。図10(c)は、図10(b)の状態での多層配線板用部材の201および202を、コア配線板300を一括積層・プレス、加熱した状態である。

ここで、多層配線板用部材の201は、先の実施の形態1にて説明した、図1に示す製造方法によって作製されており、Cu箔51の上に導電性バンプ群が形成され、絶縁性未硬化樹脂33が形成され、導電性バンプ群の先端部41が前記絶縁性未硬化被膜33より頭出している。
また、多層配線板用部材の202は、先の実施の形態2にて説明した、図3の方法によって作製されており、Cu箔51をフォトリソ工程により加工し、配線パターン52が形成されている。
ここで、多層配線板用部材の201の絶縁性未硬化被膜は、全く硬化反応が進んでいない状態であり、また、多層配線板用部材の201の絶縁性未硬化被膜も同じく全く硬化反応が進んでいない状態である。このような全く硬化反応が進んでいない絶縁性未硬化被膜は、相手に部材と積層する場合に、接着性の特性において、優れた効果を示す。
なお、図(b)における、コア配線板300の絶縁層の樹脂の硬化状態は、熱プレス工程を経ており、完全硬化している。
また、他の例として、図(b)において、コア配線板300の絶縁層の樹脂の硬化状態は、完全硬化の前段階の未硬化状態の場合もありうる。
図10(c)の一括積層を行った後は、多層配線板用部材の201および202の絶縁性未硬化被膜は、コア配線板の絶縁層と同様に完全に硬化した状態となる。このように一括積層にて、コア配線以外は一回の工程にて、樹脂を完全硬化させることができる。多層配線板用の部材に加わる熱履歴が少なく、信頼性の面で優れている。
なお、積層プレスの条件は、温度170〜210℃、実圧力(5〜15kgf/cm2)としている。
また、図においては本発明による多層配線用部材は2層としているが、2層に限定するものではなく、数十層一括積層しても良い。さらに、図においては、コア配線版の表面より、本発明の多層配線板用部材を複数枚積層熱プレスしている方法を示しているが、表裏双方より本発明による多層配線板用の部材を複数枚積層熱プレスしても良い。
(実施の形態5)
図11は、本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の説明図である。図11(a)は、多層配線板用部材の201および202Bを、コア配線板300に対向させた状態であり、図11(b)は、多層配線板用部材の201の導電性バンプを、多層配線板用の部材202Bの配線パターン52に接触させて、更に、多層配線板用の部材202Bの導電性バンプの先端部を、コア配線板の配線パターン53に接触させた状態を示す。図11(c)は、図11(b)の状態での多層配線板用部材の201および202Bと、コア配線板300を一括積層し、加熱した状態である。
ここで、多層配線板用部材の201は、先の実施の形態1にて説明した図1に示す製造方法によって作製されており、Cu箔51の上に導電性バンプ群が形成され、絶縁性未硬化樹脂33が形成され、導電性バンプ群の先端部41が前記絶縁性未硬化被膜33より突出している。
ここで、絶縁性未硬化樹脂33は、全く硬化反応が進んでいない状態であって、相手の部材と積層する場合に、相手の部材との接着性の特性において、優れた効果を示す。
また、多層配線板用部材の202Bは、先の実施の形態2にて説明した、図3の方法によって作製されており、Cu箔51をフォトリソ工程により加工し、配線パターン52が形成されている。ここで、多層配線板用部材の202Bの絶縁性未硬化被膜34Bは、Cu箔をフォトリソ工程での薬品耐性が向上する程度に、樹脂の硬化を進めた状態としている。
なお、図11(b)における、コア配線板300の絶縁層35の樹脂の硬化状態は、熱プレス工程を経ており、完全硬化している。
他の例として、図(b)における、コア配線板300の絶縁層の樹脂の硬化状態は、完全硬化の前段階の未硬化状態の場合もありうる。
図11(c)の一括積層を行った後は、多層配線板用部材の201および202Bの絶縁性未硬化被膜は、コア配線板の絶縁層35と同様に完全に硬化した状態となる。
また、図においては本発明による多層配線用部材は2層としているが、2層に限定するものではなく、数十層一括積層しても良い。さらに、図においては、コア配線版の表面より、本発明の多層配線板用部材を複数枚積層熱プレスしている方法を示しているが、表裏双方より本発明による多層配線板用の部材を複数枚積層熱プレスしても良い。
なお、積層プレスの条件は、温度170〜210℃、実圧力(5〜15kgf/cm2)と
している。
(実施の形態6)
図12は、本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の説明図である。図12(a)は、多層配線板用部材の201および202Cを、コア配線板300に対向させた状態であり、図12(b)は、多層配線板用の部材の201の導電性バンプを、多層配線板用の部材202Cの配線パターン52に接触させて、更に、多層配線板用の部材202Cの導電性バンプの先端部を、コア配線板の配線パターン53に接触させた状態を示す。図12(c)は、図12(b)の状態での多層配線板用部材の201および202Cと、コア配線板300を一括積層し、加圧、加熱した状態である。
ここで、多層配線板用部材の201は、先の実施の形態1にて説明した図1に示す製造方法によって作製されており、Cu箔51の上に導電性バンプ群が形成され、絶縁性未硬化樹脂33が形成され、導電性バンプ群の先端部41が前記絶縁性未硬化被膜33より突出している。前記絶縁性未硬化樹脂33は、全く硬化反応が進んでいない状態であって(絶縁性樹脂配合液の溶剤の揮発させる乾燥・固化温度を160℃以下としており、全く硬化反応が進まないようにしている。)、相手の部材と積層する場合に、接着性の特性において、優れた効果を示す。
また、多層配線板用部材の202Cは、先の実施の形態2(図3を参照)にて説明した方法によって作製されており、Cu箔をフォトリソ工程により加工し、配線パターン52が形成されている。ここで、多層配線板用部材の202Cの絶縁性未硬化被膜は、34Cと34Dの2層構造となっている。
ここで、絶縁性未硬化被膜34Cは、Cu箔51をフォトリソ工程で加工するのに際して、フォトリソ工程を行う前に、あらかじめ薬品耐性が向上する程度に、樹脂の硬化反応を進めた状態である。加熱温度条件は、160℃以上から(260)℃以下で、処理時間は加熱温度に応じて(30)分間から(120)分間としている。
また、絶縁性未硬化被膜34Cを被覆している絶縁性未硬化被膜34Dは、Cu箔をフォトリソ工程を終了した後にて、絶縁性未硬化被膜34Cの上に新たに塗布されて形成されており、実質的に硬化反応を進めていない状態であって、(処理温度を160℃以下の絶縁性樹脂配合液の溶剤の蒸発には十分だけれども硬化反応はしないという乾燥・固化の加熱条件にしており、実質的に硬化反応が進まないようにしている。)、相手の部材と積層する場合に、接着性の特性において、優れた効果を示す。
なお、図(b)における、コア配線板300の絶縁層35の樹脂の硬化状態は、熱プレス工程を経ており、完全硬化している。
他の例として、図(b)における、コア配線板300の絶縁層の樹脂の硬化状態は、完全硬化の前段階の未硬化状態の場合もありうる。
図12(c)の一括積層を行った後は、多層配線板用の部材の201および202Cの絶縁性未硬化被膜は、コア配線板の絶縁層35と同様に完全に硬化した状態となる。この場合、多層配線板用の部材の201および202Cの相手の部材と接合する側の絶縁性未硬化被膜が、全く硬化反応が進んでいないので、図12(c)の一括積層にて、相手の部材との接着性の特性において、優れた効果を示す。
また、一回の工程にて、絶縁性未硬化被膜を完全硬化させることができ、樹脂の硬化の工程における熱ストレスを1回のみにすることができる。
多層配線板用の部材に加わる熱履歴が少なく、信頼性の面で優れている。
なお、積層プレスの条件は、温度170〜210℃、実圧力(5〜15kgf/cm2)としている。
また、図においては本発明による多層配線用部材は2層としているが、2層に限定するものではなく、数十層一括積層しても良い。さらに、図においては、コア配線版の表面より、本発明の多層配線板用部材を複数枚積層熱プレスしている方法を示しているが、表裏双方より本発明による多層配線板用の部材を複数枚積層熱プレスしても良い。
(実施の形態7)
図13は、本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを順次積層して多層化する場合の製造方法の説明図である。
図13(a)は、多層配線板用の部材の201を、コア配線板300に対向させた状態であり、図10(b)は、多層配線板用の部材の201の導電性バンプの先端部41を、コア配線板300の配線パターン53に接触させた状態を示す。図10(c)は、図10(b)の状態での多層配線板用の部材の201を、コア配線板300を積層し、加圧、加熱した状態である。
ここで、図13(a)において、多層配線板用の部材の201は、先の実施の形態1にて説明した図1に示す製造方法によって作製されており、Cu箔51の上に導電性バンプ群が形成され、絶縁性未硬化樹脂33が形成され、導電性バンプ群の先端部41が前記絶縁性未硬化被膜33より頭出ししている。前記絶縁性未硬化樹脂33は、全く硬化反応を進めていない状態であって(絶縁性樹脂配合液の溶剤の揮発させる処理温度を160℃以下としており、全く硬化反応が進まないようにしている。)相手の部材と積層する場合に、接着性の特性において、優れた効果を示す。
図13(c)においては、多層配線板用の部材の201の絶縁性未硬化被膜は、コア配線板の樹脂35と同様に完全硬化している。
図13(d)から図(g)までは、Cu箔51をフォトリソ工程によって、配線パターンを形成する工程の説明図である。
図13(d)は、Cu箔51にフォトレジスト600を塗布した状態を示し、図13(e)は、前記フォトレジスト600を所定の感光マスクを介して露光させた後、前記フォトレジスト600を現像処理して、パターン形成されたフォトレジスト601とした状態の説明図である。
図13(f)は、全体をエッチング液に浸漬するウエットプロセスにて、パターン形成されたフォトレジスト601に覆われていないCu箔の部分をエッチングして除去して、配線パターン51Bを形成した図である。パターン形成されたフォトレジスト601に相当するCu箔51の部分は、エッチング液から保護されて残る。
図13(g)は、図13(f)の状態から、パターン化されたフォトレジスト601を除去した後の、Cu箔を材質とした配線パターン51Bを形成した状態の説明図である。
図13(h)は、先の図13(g)の上に、多層配線板用の部材201Bを対向させた状態の説明図である。
構造は、先の多層配線板用の部材201と同一である。
図13(i)は、多層配線板用の部材の201Bの導電性バンプの先端部41を、配線パターン51Bに接触させた状態を示す。図13(j)は、多層配線板用の部材201Bと、先に一体化された配線板とを一括積層し、加熱した状態である。
この状態でのCu箔51Cを、さらに、先に説明した、フォトリソ工程によって、配線パターンを形成する。
以上のように工程を繰り返して、更なる多層化を実現する。
また、図においては本発明による多層配線用部材は2層としているが、2層に限定するものではなく、数十層順次積層しても良い。さらに、図においては、コア配線版の表面より、本発明の多層配線板用部材を複数枚積層熱プレスしている方法を示しているが、表裏双方より本発明による多層配線板用の部材を複数枚積層熱プレスしても良い。
但し、順次積層の場合は、多層配線板用の部材に加わる熱履歴が複数回加わるので、信頼性の面では、一括積層に比べて信頼性が低くなる問題点がある。
(実施の形態8)
図14は、本発明の他の例による、多層配線板用の部材の製造方法の説明図である。
図14(a)は、基板材料であるCu箔1の説明図である。
図14(b)は、Cu箔1上に、導電性ペーストにより、高さhの略円錐台状の導電性バンプ2を形成した状態である。ここで、4は、導電性バンプ2の先端部である。
ここで、前記導電性バンプ2は、導電性ペーストを、Cu箔1に印刷し、略円錐台状の形状を得ている。
図14(c)は、図14(b)の、Cu箔1、高さhの導電性バンプ2で成る導電性バンプ群の上に、絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜31を形成し、Cu箔1と、その上に形成された導電性バンプ2でなる導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成した状態の図である。ここで、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31の厚みを、t1とする。
ここで前記絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31は、硬化反応が全く進んでいない未硬化の状態である。
図14(d)は、図14(c)の状態において、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31を溶剤の揮発によって膜減りさせて、絶縁性未硬化被膜32Bとして、多層配線板用の部材を構成した図である。
ここで、前記絶縁性未硬化被膜32Bは、硬化反応を途中まで進めた未硬化の状態である。その未硬化の状態は、後工程にて、Cu箔1をフォトリソ工程にて配線パターンを形成する場合に、絶縁性未硬化被膜32Bが、フォトリソ工程で使用する薬品に対して、十分な耐薬品性を持つ程度に硬化が進められる場合もありうる。
その場合流動性被膜31の溶剤を揮発させるための乾燥・固化温度は、処理温度を160℃以下の絶縁性樹脂配合液の溶剤の蒸発には十分だけれども硬化反応はしないという乾燥・固化の加熱条件にしており、実質的に硬化反応が進まないようにする。
図15は、多層配線板用の部材を多層化する製造方法の説明図である。図15の例では、3個の多層配線板用の部材を多層化している。
図15(a)は、多層配線用の部材を積層させた状態であり、多層配線板用の部材の上の2個の部材については、Cu箔をフォトリソ工程によって配線パターン化しており、最下部の多層配線用の部材については、Cu箔を基体としている。
図15(b)は、導電性バンプ2の先端部4を、上側の部材の配線パターンに接触させた状態である。
図15(c)は、図15(b)の状態を、積層し、軽く加圧、加熱した状態である。
ここで、絶縁性未硬化被膜32C、32D、32Eともに、未硬化の状態であり、
積層した後も、未硬化の状態としている。
また、積層の時に、上部の多層配線板用の部材の導電性バンプの保護部材を準備しており、上部の部材の導電性バンプの先端部は、絶縁性未硬化被膜32Cの表面より、頭出しした状態を保っている。
この複合化された、多層配線板用の部材は、コア配線板へ積層熱プレスにより接合されて使用される。
ここで、図15においては、導電性バンプの硬化状態は、すべて完全硬化の状態に設定されている。
なお、多層配線板用の部材にて、導電性バンプの硬化状態と、絶縁性未硬化被膜の硬化状態との組み合わせは、以下の通りである。
(1)導電性バンプが、完全硬化状態で、絶縁性未硬化被膜が、硬化が全く進んでいない状態の場合。
(2)導電性バンプが、未硬化と完全硬化との間の状態で、絶縁性未硬化被膜が、硬化が全く進んでいない状態の場合。
(3)導電性バンプが、未硬化と完全硬化との間の状態で、絶縁性未硬化被膜が、硬化を進めている状態の場合。
ここで、
(3)の絶縁性未硬化被膜が、硬化を進めている状態は、フォトリソ工程での、耐薬品性を向上できる程度に、硬化を進めた場合である。
また、導電性バンプが、未硬化と完全硬化との間の状態であると、相手の配線パターンとの接着性の面で、導電性バンプが完全硬化の場合よりも優れた効果が出る。
導電性バンプの硬化状態を未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態とすると、所定の加熱条件でのバンプの塑性変形がしやすく、それは弾性率が低いことでもあるが、バンプと多層配線板などの相手回路面への密着度と接触面積が大きくなって導電性の信頼性が上がる。また、この加圧軟化で樹脂が押し出されることと加熱硬化による収縮でバンプ中の導電粒子が再配列して導電性が一層向上するという効果が得られる。
導電性バンプの状態については、完全硬化状態、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化度を有する状態の任意の状態を選択することが可能である。
従来は、絶縁性フィルムを貫挿して表面から先端部を突出させるためには、所定の値以上のアスペクト比が必要とされるとともに、所定の値以上の硬度が導電性バンプには必要とされていた。所定の硬度を得るためにはバンプの硬化度を高いものとせざるを得ず、実施は、完全硬化状態として使用されていた。
しかるに、本発明においては、膜減りという概念により表面から導電性バンプの先端部が突出した絶縁性被膜を形成することが可能なため導電性バンプには高い硬度は必要ではなく、ある所定の形態が保持されていれば十分である。そのため、熱硬化性樹脂成分を配合した導電性ペーストから形成された導電性バンプとしては、完全硬化状態、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化度を有する状態の任意の状態を選択することが可能となる。
硬化度は、印刷後における、乾燥・硬化の工程において、その温度あるいは時間をコントロールすることにより任意の値に制御することが可能である。導電性バンプの材料などにより温度、時間は変化するが具体的材料については、予め実験などにより求めておけばよい。
導電性バンプの状態として、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化度を有する状態にすることが可能なため、多層配線板用部材を積層する場合(特に多数の多層配線板用の部材を一括積層する場合)において従来よりもはるかに少ないプレス圧力で積層が可能となる。また、導電性バンプの流動性が良好であり、導電性バンプと相手方の配線パターンなどとのコンタクトがより完全にとることが可能となる。また、従来よりも優れた密着性が達成される。そのため接続抵抗を低減させることが可能となる。
もちろん、必要に応じて導電性バンプを完全硬化状態としてもよい。
導電性バンプの上記各状態に対応して、絶縁性被膜は未硬化状態、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化度を有する状態の任意の状態を選択することが可能である、それぞれの状態を必要に応じて組み合わせればよい。例えば次ぎの組合せとすればよい。
(1)絶縁性被膜は未硬化状態−導電性バンプ群は未硬化状態
(2)絶縁性被膜は未硬化状態−導電性バンプ群は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化硬化状態
(3)絶縁性被膜は未硬化状態−導電性バンプ群は完全硬化状態
(4)絶縁性被膜は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態−導電性バンプ群は未硬化状態
(5)絶縁性被膜は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態−導電性バンプ群は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態
(6)絶縁性被膜は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態−導電性バンプ群は完全硬化状態
(7)絶縁性被膜は完全硬化状態−導電性バンプ群は未硬化状態
(8)絶縁性被膜は完全硬化状態−導電性バンプ群は未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態
(9)絶縁性被膜は完全硬化状態−導電性バンプ群は完全硬化状態
ここで、導電性バンプは、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態とすることができ、特に導電性ペーストを導電性箔上に印刷し、乾燥固化し、その表面の状態が、表面のみべとつきがない程度に固化し、内部が未硬化とすることがこ好ましい。
従来の導電性バンプは、プリプレグを貫挿するために、貫挿工程(温度条件は80℃〜120℃)の段階にて完全硬化の状態とする必要があった。導電性パンプの硬度は、35から40が必要であった。
しかし、本発明の多層配線板用の部材での導電性バンプは、絶縁性樹脂配合液での膜減りによる頭出しの条件にて使用されるので、その硬化状態は、未硬化、あるいは、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態を選択できる。
ここで、導電性バンプの硬度は、未硬化状態で、15から30の範囲であり、完全硬化の状態で、硬度は、30〜40である。
本発明にて導電性バンプを、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態とした場合の効果は、以下のごとくである。
(なお、絶縁性被膜は未硬化状態あるいは、未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態としている。)
(1)本発明の製造方法は、絶縁性樹脂配合液の膜減りで導電性パンプを頭出しするので、従来のようなプリプレグを貫挿するような力は導電性バンプには印加されない。また、膜減りの乾燥・固化温度条件を、導電性バンプの硬化状態に影響を与えない範囲に設定すれば、導電性バンプの形状は、印刷直後の形状が、そのまま安定に維持される。
(2)導電性バンプを配線パターンと密着する場合、導電性パンプの先端部の塑性変形がなめらかに行われる。
導電性バンプが未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態であるので、相手の部材の配線パターンとの密着性が向上し、また相手の部材の配線パターンとの密着時に、導電性バンプがなめらかに変形することに伴い、導電性ペースト内では、導電性粒子の結合が促進される効果があり、導電性バンプの体積抵抗値を低減させることができる。
なお、導電性バンプが未硬化と完全硬化との間の所望の硬化状態の場合、導電性バンプの硬度は、15〜30の間、導電性バンプのガラス転移温度は110から140℃の間の値が選択される。硬度の調整手段は、導電性ペーストの処理温度条件にて行う。
絶縁性樹脂配合液をエポキシ系樹脂とした場合の、導電性バンプの頭出しの実施例について以下説明する。
表1は、図1に示した多層配線板用の部材を製造する場合に対応した導電性バンプの頭だしの製造条件(表中の実施例1、実施例2、実施例3、および比較例1、比較例2)に関して、各種の工程条件の数値を記載したものである。
導電性バンプを形成するための導電性ペーストの材料条件、および、絶縁性樹脂配合液の樹脂成分の材料条件は、実施例1、実施例2、実施例3、および比較例1、比較例2にて、材料条件は同一としている。以下にてこれらの条件について記載する。
(導電性ペーストの条件)
導電性バンプを形成するための導電性ペーストの材料の配合条件については、以下の通りである。
導電性ペーストの材料の配合条件については、形成された導電性バンプが、絶縁性樹脂配合液を塗布し、乾燥する場合に、支持基体との密着性を保持できるように、また、多層配線用の部材を、他のコア配線板等と熱圧着する場合に、同じく支持基体との密着性を保持できるように考慮されている。
導電性ペーストの(a)樹脂成分は、ビフェニルタイプや3官能タイプの固形樹脂、ビスF型液状樹脂を適宜組み合わせて8〜12重量部、硬化剤にノボラック型フェノール2〜5重量部、ジシアンジアミド1〜3重量部を適宜組み合わせて使用する。これにエラストマーや、カプリング剤など、また流動性改善の目的で溶剤、チキソ調整剤など、バンプ径やバンプアスペクト比、プリント性などの目的に合わせて適宜配合される。
次に、(b)導電性材料の成分は、Ag粉末を粒度分布、形状などの組合せで80重量%以上配合しており、たとえば、前記Ag粉末は、リン片状形状の粉末と、球状粉末との割合を1:1(重量比)として
導電性ペーストを配合した。
(a)と(b)の前記配合物で、粘度を100Pas前後に調整した。
(絶縁性樹脂配合液の条件、その1.エポキシ系配合)
絶縁性樹脂配合液での樹脂成分の材料条件については、以下のごとくである。
(A)YX695BH30:(ジャパンエポキシレジン(株)商品名) 14.6重量部(100重量部)
(B)エピキュアDC808:(ジャパンエポキシレジン(株)商品名)22.6重量部(154重量部)
(C)コロネート2507:(日本ポリウレタン工業(株)商品名) 45.5重量部(312重量部)
(D)DVB―960: ( 新日鐵化学(株)商品名) 14.4重量部(98.6重量部)
2E4MZ:(イミダゾール系架橋触媒、四国化成(株)商品名 1.4重量部(9.6重量部)
ハーオタクO: ( 日本油脂(株)商品名) 1.4重量部(9.6重量部
上記の樹脂成分に対して、溶剤(MEK)を混合して、絶縁性樹脂配合液を配合し、
表1のごとく、各発明での絶縁性樹脂配合液の粘度を調整した。
ここで、上記樹脂成分の内、樹脂YX695BH30は、請求項17に記載した(A)成分に相当し、樹脂エピキュアDC808は、請求項17に記載した(B)成分に相当する。
樹脂:コロネート2507とDVB―960は可撓性膜にするための配合である。
表1に示すごとく、絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるMEKを配合して絶縁性樹脂配合液の粘度を調整した。
製造工程の手順は、以下の通りである。
先の(0109)にて記載した導電性ペーストを用いて、支持基体の上に導電性バンプを形成した。
導電性パンプの形状は、図7に示す形状の中で、図7(a)の、略円錐台状の導電性バンプを使用した。
導電性バンプの底面径:80μm
アスペクト比: 0.5
導電性バンプの高さ: 40μm とした。
上記の導電性バンプ(高さ40μm)を形成した支持基板(厚み12μm)を、クリアランス50μm、塗布スピード1m/minの低速で走らせながらドクターブレード方式で、前記配合比の絶縁性樹脂配合液(粘度300mPas)にて、厚みt1の流動性被膜を形成し、全体を乾燥炉内に投入し、乾燥・固化温度100℃で3分の乾燥処理を行い、前記流動性被膜の溶剤の揮発により膜減りさせて、厚みt2の絶縁性未硬化被膜を形成させ、多層配線板用の部材を作製した。ここで前記絶縁性未硬化被膜は、常温にて固体であって硬化反応が全く進んでいない未硬化の状態である。
流動性被膜から絶縁性未硬化被膜へ変化する間の、膜減り率は、実施例1、実施例2、実施例3にて、表1に示すごとくであった。
導電性バンプの先端部は、絶縁性未硬化被膜から突出した状態となっている。また、塗工面の外観は、良好であった。
なお、乾燥炉の乾燥・固化温度は60℃から100℃の範囲を選ぶことができる。参考として、他の乾燥・固化温度80℃であれば、乾燥時間は、5分となる。
ここで、表1にて記載した、クリアランスとは、絶縁性樹脂組成物を塗布する際の、塗布装置、ナイフ方式でのブレードと、導電性バンプ形成されたCu箔の面との隙間を言う。
ここで、本実施例2での多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜の硬化後の比誘電率は、2.71/1GHz,2.68/5GHzであり、誘電正接は、0.019/1GHz,0.0098/1GHzであった。
(比較例1)
比較例1の製造工程では、表1に示すごとく、絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるMEKを、25重量部(これで、絶縁性樹脂配合液の中での樹脂成分は、80%となる。)とし、絶縁性樹脂配合液の粘度を1Pasに調整した。
製造工程の手順は、以下の通りである。
先の(0109)にて記載した導電性ペーストを用いて、支持基体の上に導電性バンプを形成した。
導電性パンプの形状は、以下である。
バンプ径: 110μmφ
アスペクト比:0.23
バンプの高さ:25μm とした。
上記の導電性バンプ(25μm)を形成した支持基板を、クリアランス30μm、塗布スピード1m/minの低速で走らせながらドクターブレード方式で、前記配合比の絶縁性樹脂配合液(粘度1Pas)にて、厚み30μmの流動性被膜を形成し、全体を乾燥炉内に投入し、乾燥・固化温度100℃で3分の乾燥処理を行い、前記流動性被膜の溶剤の揮発により膜減りさせて、厚み25μmの絶縁性未硬化被膜を形成させ、多層配線板用の部材を作製した。
流動性被膜から絶縁性未硬化被膜へ変化する間の、膜減り率は、16%であって、高さ25μmの導電性バンプの先端部は、厚み25μmの絶縁性未硬化被膜から、頭出しが出来ない状態であった。→本願の目的とする多層配線板用の部材としては、導電性バンプの先端部の頭出しが出来ないので、不適切な状態であった。

(比較例2)
比較例2の多層配線板用の部材の製造では、表1に示すごとく、絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるMEKを、60重量部(これで、絶縁性樹脂配合液の中での樹脂成分は、62%となる。)とし、絶縁性樹脂配合液の粘度を300mPasに調整した。
製造工程の手順は、以下の通りである。
先の(0109)にて記載した導電性ペーストを用いて、支持基体の上に導電性バンプを形成した。
導電性パンプの形状は、以下である。
バンプ径: 110μmφ
アスペクト比:0.32
バンプの高さ:35μm とした。
上記の導電性バンプ(高さ35μm)を形成した支持基体を、クリアランス100μm、塗布スピード1m/minの低速で走らせながらドクターブレード方式で、前記配合比の絶縁性樹脂配合液(粘度300mPas)にて、厚み100μmの流動性被膜を形成し、全体を乾燥炉内に投入し、乾燥・固化温度100℃で3分の乾燥処理を行い、前記流動性被膜の溶剤の揮発により膜減りさせて、厚み60μmの絶縁性未硬化被膜を形成させて多層配線板用の部材を作製した。
流動性被膜から絶縁性未硬化被膜へ変化する間の、膜減り率は、40%であって、高さ35μmの導電性バンプの先端部は、厚み60μmの絶縁性未硬化被膜から、頭出しが出来ない状態であった。→本願の多層配線板用の部材の製造方法としては、不適切な状態であった。
絶縁性樹脂配合液をエポキシ系樹脂とした場合の実施例の全体について、以下述べる。
実施例1、実施例2、実施例3の結果から、絶縁性樹脂配合液の流動性被膜への膜減り率は、絶縁性樹脂配合液の粘度に、大きく依存することが分かる。絶縁性樹脂配合液の粘度が、低くなるに従って、膜減り率の数値は、大きくなる傾向がある。この理由は、粘度が低いことは、樹脂成分の比率が少ないため、揮発乾燥にて、膜減りする割合が、増大するためと考えられる。
本発明では、特に、導電性バンプ(高さh)の先端部を、流動性被膜を揮発乾燥させて膜減りした後の、絶縁性未硬化被膜より、頭出しすることが必須条件となっている。そのため導電性バンプの先端部が頭出しするための絶縁性樹脂配合液の粘度条件、流動性被膜の厚み条件を設定することが重要な事項である。
また、比較例1、比較例2に示すごとく、流動性被膜の厚みが最適な条件の範囲外であると、導電性バンプの高さhの先端部の頭出しが出来ない事がわかる。
Figure 2009212095
絶縁性樹脂配合液をOPE系樹脂とした場合の、導電性バンプの頭だしの実施例について実施例4、実施例5、実施例6、実施例7にて説明する。
表2は、図1に示した多層配線板用の部材を製造する場合に対応した導電性バンプの頭だしの実施例(表中の実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、および比較例3、比較例4)の製造条件に関して、各種の製造条件の数値を記載したものである。
導電性バンプを形成するための、導電性ペーストの材料の配合条件については、形成された導電性バンプが、絶縁性樹脂配合液を塗布し、乾燥する場合に、支持基体との密着性を保持できるように、また、多層配線板用の部材を、他のコア配線板等と熱圧着する場合に、同じく支持基体との密着性を保持できるように考慮されている。
導電性ペーストの(a)樹脂成分は、ビフェニール型液状エポキシ樹脂を、2〜10重量%、エポキシ/フェノールを、1〜10重量%、ビフェニル型エポキシ樹脂を5重量%以下、添加剤5重量%以下とし、
また、(b)導電性材料の成分は、Ag粉末を80重量%以上配合しており、ここで、前記Ag粉末は、リン片状形状の粉末と、球状粉末との割合を1:1(重量比)として
導電性ペーストを配合した。
ここで、前記配合された導電ペーストに、溶剤あるいは、反応性希釈剤を加えて、
粘度を100Pasに調整した。
(樹脂成分の材料条件1)
実施例4、実施例5、実施例6については、絶縁性樹脂配合液の材料条件を以下とした。
(A)OPE−2st2200(三菱瓦斯化学(株)商品名)15重量部(100重量部)
(B)TR2003 (JSR(株)商品名) 15重量部(100重量部)
ここで、OPE−2st2200は、請求項19に記載した(A)オリゴフェニルエーテルに相当し、TR2003は、請求項19に記載した(B)ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されたブロック共重合体に相当する。
絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるトルエンを、70重量部(絶縁性樹脂配合液の中での樹脂成分は30重量%となる)とし、絶縁性樹脂配合液の粘度を250mPasに調整した。
(樹脂成分の材料条件2)
実施例7については、絶縁性樹脂配合液の材料条件を以下とした。

(A)OPE−2st2200(三菱瓦斯化学(株)商品名)7.5重量部(100重量部)
(B)TR2003 (JSR(株)商品名) 7.5重量部(100重量部)

ここで、OPE−2st2200は、請求項19に記載した(A)オリゴフェニルエーテルに相当し、TR2003は、請求項19に記載した(B)ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成された

絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるトルエンを、85重量部(絶縁性樹脂配合液の中での樹脂成分は15重量%となる)とし、絶縁性樹脂配合液の粘度を100mPasに調整した。

先の(0115)にて記載した導電性ペーストを用いて、支持基体の上に導電性バンプを形成した。
導電性パンプの形状は、図7に示す形状の中で、図7(a)の、略円錐台状の導電性バンプを使用した。

導電性バンプの底面径:80μm
アスペクト比: 0.5
導電性バンプの高さ: 40μm とした。

上記の導電性バンプ(高さ40μm)を形成した支持基体(厚み12μm)を、クリアランス100μm、塗布スピード1m/minの低速で走らせながらドクターブレード方式で、前記配合比の絶縁性樹脂配合液(粘度250mPas)にて、厚みt1流動性被膜を形成し、全体を乾燥炉内に投入し、乾燥・固化温度100℃で3分の乾燥処理を行い、前記流動性被膜の溶剤の揮発により膜減りさせて、厚みt2の絶縁性未硬化被膜を形成させ、多層配線板用の部材を作製した。ここで前記絶縁性未硬化被膜は、常温にて固体であって硬化反応が全く進んでいない未硬化の状態である。

なお、乾燥炉の乾燥・固化温度は60℃から100℃の範囲を選ぶことができる。参考として、他の乾燥・固化温度80℃であれば、乾燥時間は、5分となる。
表2中にて記載した、クリアランスとは、絶縁性樹脂組成物を塗布する際の、塗布装置ナイフ方式での、ブレードと、導電性バンプ形成されたCu箔の面との隙間を言う。

ここで、実施例6での多層配線板用の部材の絶縁性未硬化被膜の硬化後の比誘電率は、2.40/5GHzであり、誘電正接は、0.0019/5GHzであった。
(比較例3)
絶縁性樹脂配合液の材料条件を以下とした。
(樹脂成分の材料条件)
OPE−2st2200(三菱瓦斯化学株式会社製商品名) 5重量部
TR2003 (JSR株式会社製商品名) 5重量部
(溶剤)
トルエン 90重量部

比較例3の多層配線板用部材の製造では、表2に示すごとく、絶縁性樹脂配合液の樹脂成分に、溶剤であるトルエンを、90重量部(絶縁性樹脂配合液の中での樹脂成分は10%となる)とし、絶縁性樹脂配合液の粘度を60mPasに調整した。
製造工程の手順は、以下の通りである。

先の(0115)にて記載した導電性ペーストを用いて、支持基体の上に導電性バンプを形成した。
導電性パンプの形状は、実施例4の場合と同様である。

導電性バンプの底面径:110μm
アスペクト比: 0.36
導電性バンプの高さ: 40μm とした。

上記の導電性バンプ(高さ40μm)を形成した支持基体(厚み12μm)を、クリアランス100μm、塗布スピード1m/minの低速で走らせながらドクターブレード方式で、前記配合比の絶縁性樹脂配合液(粘度250mPas)にて、厚み100μmの流動性被膜を形成し、全体を乾燥炉内に投入し、乾燥・固化温度100℃で3分の乾燥処理を行い、前記流動性被膜の溶剤の揮発により膜減りさせて、厚み8μmの絶縁性未硬化被膜を形成させ、多層配線板用の部材を作製した。(膜減り率は、92%である。)
しかし、絶縁性樹脂配合液の塗布の工程にて、絶縁性樹脂配合液の流れ出しが発生し、実用上は使用できない結果となった。
(比較例4)
絶縁性樹脂配合液の材料条件を以下とした。
(樹脂成分の材料条件)
OPE−2st2200(三菱瓦斯化学株式会社製商品名) 40重量部
TR2003 (JSR株式会社製商品名) 40重量部
(溶剤)
トルエン 20重量部
とし、混合を試みたが、混合不可という結果であった。
従って、上記の絶縁性樹脂配合液の材料条件は、実用上は使用できない結果となった。
絶縁性樹脂配合液をOPE系樹脂とした場合の実施例の多層配線板用の部材の製造方法に関して、全体の傾向について、以下説明する。
実施例4、実施例5、実施例6、実施例7の数値から、絶縁性樹脂配合液の粘度が、250mPasの場合、流動性被膜の厚さには依存せず、膜減り率は、70%に保たれていることが分かる。
さらに粘度を低くし、絶縁性樹脂配合液の粘度を100mPasとした実施例7の場合、膜減り率は、更に数値が増加して、85%となっている。
先の実施例1の場合と同様に、絶縁性樹脂配合液の粘度が、低くなるに従って、膜減り率は増加する傾向が見られる。この理由は、粘度が低いことは、樹脂成分の比率が少ない分、揮発乾燥にて、膜減りする度合いが、増すからと考えられる。
Figure 2009212095
導電性バンプの硬化状態を未硬化から完全硬化状態の所望の値とした場合の、導電性バンプの頭出しの実施例について、以下説明する。

(実施例)
導電性ペーストの配合条件を以下とした。
配合は最適の範囲で示したものである。

エポキシ樹脂(固形樹脂含むビスF型) 8〜12重量部
ノボラック型フェノール 2〜5重量部
ジシアンジアミド 1〜3重量部
銀粉(粒径5μm以下) 80〜90重量部
以上の配合による導電ペーストで通常の方法でバンプ成形を行った。
その後、バンプの加熱を、
(120℃ x 10分)〜(120℃ x 30分)〜(150℃ x 30分)の3水準の加熱処理を行って乾燥度合いを乾燥・固化に近い未硬化状態〜硬化がすすんではいるが未硬化状態〜完全硬化、にした状態のものを得た。
この処理後、乾燥後の厚さが膜減り後にバンプ高さの60%になるように下記の絶縁樹脂配合液を塗布・乾燥固化し、200℃まで昇温させながらの熱圧着条件で硬化させて導通性を確認した結果、これらの3水準の導電性バンプにおいては充分な導通性が得られた。

絶縁樹脂配合液
(A)OPE−2st2200(三菱瓦斯化学(株)商品名)15重量部(100重量部)
(B)TR2003 (JSR(株)商品名) 15重量部(100重量部)
トルエン 70重量部(樹脂濃度30重量%)
絶縁性樹脂配合液の粘度を250mPasに調整した。
(比較例)
実施例同様、3水準の加熱処理を施した導電性バンプに、味の素株式会社のB−ステージのエポキシ樹脂フィルム「ABF」(参考特許:特開2000-345119)厚さ35μm を、140℃の熱圧着条件でバンプに貫挿させて導通性を確認した結果、該導電性バンプは3水準とも、貫通不良のために導通性は得られなった。
本発明の多層配線板用の部材の製造方法の説明図である。図1(a)は、基板材料であるCu箔1の説明図である。図1(b)は、Cu箔1上に、導電性ペーストにより、略円錐台状の導電性バンプ2を形成した状態である。図1(c)は、図1(b)の、Cu箔1、導電性バンプ2で成る集合体の上に、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31を塗布し、導電性バンプ2の全体を覆った状態の図である。図1(d)は、図1(c)の状態において、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31の溶剤を揮発させることによって、絶縁性樹脂配合液による流動性被膜31を膜減りさせて、絶縁性未硬化被膜32として、多層配線板用の部材を構成した図である。 実施の形態1の多層配線板用の部材の製造方法のフローチャートを示す。 本発明の多層配線板用の部材のCu箔に配線パターンを形成する製造方法の説明図である。図3(a)は、すでに作成した多層配線板用の部材の説明図であり、図3(b)は、円錐台状の導電性バンプ2と、絶縁性未硬化被膜32を、保護用の有機樹脂フイルム60でラミネートし、また、Cu箔1の露出した面に、フォトレジスト50を塗布した状態の説明図であり、図3(c)は、図3(b)でのフォトレジスト50を、指定されたフォトマスクを介して感光させて、パターン化されたフォトレジスト510とした状態の説明図であり、図3(d)は、図3(c)でのCu箔1をWETプロセスにて、エッチングして、配線パターン101を形成した図であり、図3(e)は、図3(d)の状態から、保護用の有機樹脂フイルム60を剥離し、さらにパターン化されたフォトレジスト510を除去した後の、Cu箔を配線パターンとした多層配線板用の部材200を形成した状態の説明図である。 実施の形態2の多層配線板用の部材でのCu箔配線パターンの製造方法のフローチャートを示す。 本発明の多層配線板用の部材を用いた新たな多層配線板の説明図である。 従来の多層配線板の製造方法を示す図である。 本発明の多層配線板用の部材に使用される導電性バンプの形状を示す図。図7(a)は、略円錐台状の導電性バンプ、図7(b)は、略円柱状の導電性バンプを示す。 本発明の多層配線板用の部材におけるサイズパラメータの定義を説明する図である。 多層配線板のビア抵抗測定用のテストパターンの説明図である。図9(a)は、平面図、図9(b)は、断面図である。 本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の説明図である。 本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の他の例の説明図である。 本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを一括積層する場合の製造方法の他の例の説明図である。 本発明の多層配線用の部材とコア配線板とを順次積層して多層化する場合の製造方法の説明図である。 本発明の他の実施例の多層配線板用の部材の製造方法の説明図である。 本発明の多層配線板用の部材を多層化する場合の製造方法の説明図である。
符号の説明
1 Cu箔
11 第2のCu箔
2、20 導電性バンプ
31 流動性被膜
32 絶縁性未硬化被膜
4、41 導電性バンプの先端部
5 配線パターン
6 樹脂フイルム
7 硬化前状態の絶縁性樹脂シート
8 第1の導体層
10 第2の導体層
100 多層配線板用部材
50 フォトレジスト
510 パターン形成されたフォトレジスト
60 保護用の有機樹脂フイルム
101 Cu箔配線パターン
200 Cu箔を配線パターン処理した多層配線板用の部材
300 コア配線板
91,92 測定端子
93 第二層配線
94 第一層配線
95 ビア
501 導電性箔
502 導電性バンプ
503 プリプレグ
508 破断屑

Claims (42)

  1. 少なくとも導電性箔と、前記導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記絶縁性未硬化被膜が、前記導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成し、前記絶縁性樹脂配合液の樹脂を実質的に硬化反応させない条件で溶剤を揮発させて前記流動性被膜を固化させ、膜減りさせて形成した被膜であることを特徴とする多層配線板用の部材。
  2. 少なくとも導電性箔と、導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの断面形状が略円錐台状、又は、略円柱状であり、前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧であることを特徴とする多層配線板用の部材。
  3. 前記導電性バンプ群を構成する導電性バンプの断面形状が略円錐台状、又は、略円柱状であり、前記導電性バンプの上断面形状が、中心角が180°以下のゆるやかな円弧であることを特徴とする請求項1記載の多層配線板用の部材。
  4. 導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、導電性バンプ群を構成する導電性バンプの底面積に対する上面の露出面積比が20%以上であることを特徴とする多層配線板用の部材。
  5. 前記導電性バンプ群を構成するバンプの底面積に対する上面の露出面積比が20%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  6. 少なくとも導電性箔と、前記導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の底面径が10〜150μmであることを特徴とする多層配線板用の部材。
  7. 前記導電性バンプ群の底面径が10〜150μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  8. 少なくとも導電性箔と、前記導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性箔上に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の底面径が30〜50μmであることを特徴とする多層配線板用の部材。
  9. 前記導電性バンプ群の底面径が30〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  10. 前記導電性バンプ群の高さをhとし、絶縁性未硬化被膜の厚さをt2としたとき、h>t2の関係であり、かつ厚さt2が、1.5μm〜40μmであり、前記導電性箔の厚さが、2〜18μmであることを特徴とする請求項6記載の多層配線板用の部材。
  11. 前記導電性バンプ群の高さをhとし、絶縁性未硬化被膜の厚さをt2としたとき、h>t2の関係を満たし、かつ厚さt2が、10〜20μmであり、前記導電性箔の厚さが、3〜5μmであることを特徴とする請求項8記載の多層配線板用の部材。
  12. 前記導電性バンプ群が、前記導電性バンプ群の高さを底面径で割ったアスペクト比が、0.3から0.7であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  13. 少なくとも導電性箔と、前記導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の面密度が30万個/m2〜500万個/m2であることを特徴とする多層配線板用の部材。
  14. 少なくとも導電性箔と、前記導電性箔上に形成された導電性バンプ群と、前記導電性バンプ群の先端部を突出させて前記導電性バンプ群周囲に形成された絶縁性未硬化被膜とからなり、前記導電性バンプ群の面密度が30万個/m2〜500万個/m2であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  15. 前記絶縁性未硬化被膜の熱軟化温度が、60℃以上から160℃以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに1項記載の多層配線板用の部材。
  16. 前記絶縁性未硬化樹脂は、繊維基材を有しないことを特徴とする請求項
    1乃至15のいずれかに1項記載の多層配線板用の部材。
  17. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (C)成分として、イソシアネート化合物を配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  18. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部であることを特徴とする請求項17記載の多層配線板用の部材。
  19. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  20. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(D)成分が40〜180重量部であることを特徴とする請求項19記載の多層配線板用の部材。
  21. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (C)成分として、イソシアネート化合物、および(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  22. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部で、(D)成分が40〜180重量部であることを特徴とする請求項21記載の多層配線板用の部材
  23. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、熱硬化性の数平均分子量1000以上3000以下の両末端に官能基をもったオリゴフェニレンエーテルであり、並びに(B)成分は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されたブロック共重合体であり、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  24. 前記絶縁性樹脂配合液にて(A)成分100重量部に対して、(B)成分が67重量部以上150重量部以下であることを特徴とする請求項23記載の多層配線板用の部材。
  25. 前記絶縁性未硬化被膜の(B)成分が、ゴム及び/又はスチレンーブタジェンースチレンブロック共重合体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、
    スチレンーエチレン/ブタジェンースチレン共重合体から選ばれた1以上の熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項23記載の多層配線板用の部材。
  26. 前記絶縁性未硬化被膜の硬化後の比誘電率が、5GHzにおいて2.0〜3.0の範囲であり、誘電正接が5GHzにおいて0.001〜0.005の範囲のいずれかを満たすものであることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項記載の多層配線板用の部材。
  27. 導電性箔上に導電性バンプ群を形成する第一の工程と、前記導電性バンプ群上及び前記導電性バンプ群周囲に絶縁性樹脂配合液を塗布して流動性被膜を形成する第二の工程と、前記絶縁性樹脂配合液の溶剤を前記絶縁性樹脂配合液の樹脂を実質的に硬化反応させない条件で揮発させ、前記流動性被膜を固化、膜減りさせて絶縁性被膜を形成し、前記導電性バンプ群の先端部を前記絶縁性被膜から突出させる第三の工程とから成ることを特徴とする多層配線板用の部材の製造方法。
  28. 前記第二の工程における、流動性被膜の厚さt1と、前記第三の工程における絶縁性被膜の厚さt2との変化量(t1−t2)と、前記流動性被膜の厚さt1との割合である膜減り率[(t1−t2)/t1]×100が、25%以上から85%以下の範囲であることを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  29. 前記導電性パンプが、Ag、Cu、Au、Ni、いずれかあるいはそれらの少なくとも2種以上が混合された導電性ペ−ストを、前記導電性箔上に印刷・乾燥して形成することを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  30. 前記導電性バンプ群が、前記導電性バンプの高さを底面径で割った、アスペクト比を、0.3〜0.7とすることを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  31. 前記絶縁性被膜の乾燥・固化温度が、60℃以上から160℃以下であることを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  32. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (C)成分として、イソシアネート化合物を配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項27乃至31のいずれか1項記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  33. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部であることを特徴とする請求項32記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  34. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項27乃至32のいずれか1項記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  35. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(D)成分が40〜180重量部であることを特徴とする請求項34記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  36. 前記絶縁性未硬化被膜が、(A)成分は、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、及び/又は重量平均分子量が1,500〜70,000であり、かつ水酸基を有する二官能性直鎖状エポキシ樹脂であり、並びに(B)成分は、フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含むエポキシ樹脂組成物であり、さらに
    (C)成分として、イソシアネート化合物、および(D)成分として、ジビニルベンゼンを配合し、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得られたことを特徴とする請求項27乃至33のいずれか1項記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  37. 前記(A)成分100重量部に対して、(B)成分が30〜200重量部で、(C)成分が100〜400重量部で、(D)成分が40〜180重量部であることを特徴とする請求項36記載の多層配線板用の部材。
  38. 前記絶縁性被膜が、(A)成分は、熱硬化性の数平均分子量1000以上3000以下の両末端に官能基をもったオリゴフェニレンエーテルであり、並びに(B)成分は、ビニル芳香族炭化水素を主体とするハードセグメントブロック部と、共役ジエンを主体とするソフトセグメントブロック部とから構成されたブロック共重合体であり、かつ溶剤を配合された絶縁性樹脂配合液から溶剤を揮発させて得ることを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  39. 前記絶縁性樹脂配合液にて、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が67重量部以上150重量部以下であることを特徴とする請求項38記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  40. 前記絶縁性樹脂配合液の(B)成分が、ゴム及び/又はスチレンーブタジェンースチレンブロック共重合体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、
    スチレンーエチレン/ブタジェンースチレン共重合体から選ばれた1以上の熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項39記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  41. 前記絶縁性樹脂配合液における、(A)成分と(B)成分を合計した樹脂濃度を15重量%以上から40重量%以下として、流動性被膜の厚さt1ならびに絶縁性被膜の厚さt2を制御することを特徴とする請求項39記載の多層配線板用の部材の製造方法。
  42. 前記絶縁性未硬化被膜の硬化後の比誘電率が、5GHzにおいて2.0〜3.0の範囲であり、誘電正接が5GHzにおいて0.001〜0.005の範囲のいずれかを満たすものであることを特徴とする請求項27記載の多層配線板用の部材の製造方法。
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