JP2009211969A - 陰極体及びそれを用いた面発光型蛍光発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属材料によって形成された電極より仕事関数の小さな材料によって電子放出層を有する陰極電極が得られる。電子放出層と電極との間に、電子放出層よりも抵抗率の小さい薄膜を介在させることにより、電子放出効率を更に改善できる。
【選択図】 図1
Description
図1を参照して、本発明の実施例1に係る陰極体を説明する。図1では、平面状の陰極体を示しているが、実際に、面発光型蛍光発想装置に実装される場合には、コーン状に成形される。図示された陰極体は、スパッタで成膜したタングステン薄膜(膜厚300nm)1、スパッタで成膜したRu薄膜(50nm)2、及びスパッタで成膜したLa2O3薄膜(2nm)3によって構成されている。即ち、図示された陰極体は、陰極電極を形成する導電性の第1の薄膜1(ここでは、タングステン(W)薄膜)、導電性を有すると共にその酸化物も導電性を示す第2の薄膜(ここでは、Ru薄膜)2、及び、絶縁性で且つ電子放出効率の高い極めて薄い第3の薄膜(ここでは、La2O3薄膜)3によって構成されている。この実施例で使用されたRu薄膜の抵抗率は6.71μΩ・cm、W薄膜の抵抗率は5μΩ・cmであり、更に、La2O3薄膜の仕事関数は2.8〜4.2eVである。
図3を参照して、本発明の実施例2に係る陰極体を説明する。図示された陰極体は、スパッタで成膜したタングステン薄膜(膜厚300nm)4、スパッタで成膜したY薄膜(50nm)5によって構成されている。
2、5 第2の薄膜
3、5−1 第3の薄膜
Claims (24)
- 第1の金属によって形成され、電極を構成する第1の層と、当該第1の層上に形成された導電性を有する第2の層と、前記第2の層上に形成され、前記第1の金属よりも小さな仕事関数を有し、且つ、電子放出層を構成する第3の層とを備え、第2の層を形成する材料は前記第3の層よりも小さい抵抗率を有していることを特徴とする陰極体。
- 請求項1において、前記第2の層は、厚さ1nmから200nmの間の膜厚を有する金属または合金の薄膜であり、前記第2の層を形成する金属または合金は、その酸化物も導電性を有する性質をもつ材質であり、前記第3の層は、1原子層から10nmの間の膜厚を有し、仕事関数が3.6eV以下の酸化物によって形成されていることを特徴とする陰極体。
- 請求項2において、前記第2の層は、前記第3の層に接する側の一部、または前記第2の層全部が酸化されていることを特徴とする陰極体。
- 請求項1において、前記第1の層上に形成される第2の層は、厚さ1nmから200nmの間の膜厚の、金属または合金によって形成されており、且つ、前記第2の層を形成する金属または合金は、その酸化物の仕事関数が3.6eV以下であり、且つ、前記第3の層は、前記第2の層の金属または合金の酸化物であり1原子層から10nmの間の厚さを有することを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第1の金属はタングステン又はモリブデンからなることを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第1の金属はタングステン又はモリブデンを主成分とし、La2O3、ThO2、及びY2O3からなる群から選択された少なくとも一つを含むことを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜3、請求項5〜6のいずれかにおいて、前記第2の層はRu又はIrよりなることを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記第3の層は、La2O3、Y2O3、MgO、ThO2、CeO2、またはZrO2よりなることを特徴とする陰極体。
- 請求項4〜6のいずれかにおいて、前記第2の層は、La、Y、Mg、Th、Ce、またはZrよりなることを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜9のいずれかにおいて、前記第3の層は、La、Y、Mg、Th、Ce、またはZrをターゲットとして酸化性雰囲気中でスパッタするリアクティブスパッタリングによって形成されたものであることを特徴とする陰極体。
- 請求項1〜9のいずれかにおいて、前記第3の層は、La2O3、Y2O3、MgO、ThO2、CeO2、またはZrO2をターゲットとして酸化性雰囲気中でスパッタするリアクティブスパッタリングによって形成されたものであることを特徴とする陰極体。
- 請求項10または11において、前記第2の層の前記一部または全部は、その少なくとも一部が前記リアクティブスパッタリングの際に形成されたものであることを特徴とする陰極体。
- 請求項4乃至6の一つまたは請求項8乃至10の一つにおいて、前記第2の層は、La、Y、Mg、Th、Ce、またはZrをターゲットとして不活性雰囲気中でスパッタするより非リアクティブスパッタリングによって形成されたものであり、前記第3の層は前記第2の層を酸化することによって形成されたものであることを特徴とする陰極体。
- 電極金属体の表面に、直接又は他の材料層を介して、電子放出層を有する陰極体において、前記電子放出層は仕事関数が3.6eV以下の金属酸化物を含み、かつトンネル電流によって電子放出が可能な膜厚を有することを特徴とする陰極体。
- 前記他の材料層は、前記金属酸化物を構成する金属、その酸化物も導電性を有する性質をもつ金属または合金、およびその酸化物も導電性を有する性質をもつ金属または合金の当該酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項14に記載の陰極体。
- 前記電子放出層の膜厚は1原子層から10nmの間であることを特徴とする請求項14または15に記載の陰極体。
- 前記他の材料層は厚さが1nm乃至200nmであることを特徴とする請求項14乃至16の一つに記載の陰極体。
- 前記電極金属体の材料は、タングステン、モリブデン、またはタングステンもしくはモリブデンを主成分とし、La2O3、ThO2、及びY2O3からなる群から選択された少なくとも一つを含む材料を含むことを特徴とする請求項14乃至17の一つに記載の陰極体。
- 前記電子放出層は、La2O3、Y2O3、MgO、ThO2、CeO2、およびZrO2の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項14乃至18の一つに記載の陰極体。
- 前記電子放出層は、La、Y、Mg、Th、Ce、Zr、La2O3、Y2O3、MgO、ThO2、CeO2、またはZrO2をターゲットとして酸化性雰囲気中でスパッタするリアクティブスパッタリングによって形成されたものであることを特徴とする請求項14乃至19の一つに記載の陰極体。
- 前記電子放出層は、La2O3、Y2O3、MgO、ThO2、CeO2、またはZrO2をターゲットとして不活性雰囲気中でスパッタするより非リアクティブスパッタリングによって形成されたものであることを特徴とする請求項14乃至19の一つに記載の陰極体。
- 前記他の材料層はLa、Y、Mg、Th、Ce、Zr、Ru、Ir、Ruの酸化物、およびIrの酸化物の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項14乃至21の一つに記載の陰極体。
- 前記他の材料層はRuの酸化物およびIrの酸化物の少なくとも一つを含み、かつ該酸化物は前記電子放出層をリアクティブスパッタリングで成膜する際に形成されたものであることを特徴とする請求項14乃至21の一つに記載の陰極体。
- 請求項1から23のいずれかに記載の陰極体を電子エミッタとして有することを特徴とする面発光型蛍光発光装置。
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