JP2005317542A - 電界放出素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電界放出素子を提供する。
【解決手段】 カソード電極20上に形成されるものであって、CNTを含む電子放出物質50と、電子放出物質50から電子を抽出するゲート電極40と、を備え、電界放出物質50上にCNT50aを保護し、CNT50aから電子放出を安定化するRuOxまたはPdOx51がコーティングされている電界放出素子である。これにより、電界放出素子のCNTエミッタ50の表面またはその主な構成要素であるCNT50aの表面、特に、放出端に電子放出構造を安定化させ、そして放出端を保護する安定化物質51がコーティングされることによって過電流または電子放出過程中に発生するCNT50aの摩耗を抑制する。したがって、このような摩耗の抑制を通じてCNT50aの寿命を延長する。このようなCNTの安定化及び寿命の延長は、電界放出素子の信頼性及び商品的な価値を大きく高める。
【選択図】 図2
【解決手段】 カソード電極20上に形成されるものであって、CNTを含む電子放出物質50と、電子放出物質50から電子を抽出するゲート電極40と、を備え、電界放出物質50上にCNT50aを保護し、CNT50aから電子放出を安定化するRuOxまたはPdOx51がコーティングされている電界放出素子である。これにより、電界放出素子のCNTエミッタ50の表面またはその主な構成要素であるCNT50aの表面、特に、放出端に電子放出構造を安定化させ、そして放出端を保護する安定化物質51がコーティングされることによって過電流または電子放出過程中に発生するCNT50aの摩耗を抑制する。したがって、このような摩耗の抑制を通じてCNT50aの寿命を延長する。このようなCNTの安定化及び寿命の延長は、電界放出素子の信頼性及び商品的な価値を大きく高める。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電界放出素子に係り、電子放出安定性及び耐久性が向上した電界放出素子に関する。
カーボンナノチューブ(CNT)は、短い直径とチューブ端の鋭さとによって電界放出がとても低い電圧でもなされる材料である。特許文献1には、電子放出物質混合ペーストを利用した電界放出アレイ及び製造方法について開示され、特許文献2には、成長法によって得られたCNTをエミッタとして利用する電界放出アレイ及びその製造方法が開示されている。一般的に、エミッタを成長法によって形成するよりも、ペーストを利用して形成することが容易であるため、後者の方法が主に選好される。
このような従来の方法によって得られたCNTエミッタは、カソードまたはカソード上に形成される高導電性物質層上に形成される。図1は、3極型の従来のCNT FEA(電界放出アレイ)の典型的な例を示す図面である。
図1を参照すれば、基板1上にカソード電極2が形成され、その上にゲート絶縁層3が形成される。ゲート絶縁層3には、貫通孔3aが形成されており、その底部に複数のCNTよりなるCNTエミッタ5が設けられている。CNTエミッタ5は、貫通孔3aの底部に露出されたカソード電極2上に形成される。前記ゲート絶縁層3上には、前記CNTエミッタ5から電子を抽出するゲートホール4aを有するゲート電極4が形成される。
このようなCNTエミッタを利用したFED(電界放出ディスプレイ)で最も至急な課題は、均等に分布された各CNTの先端部、すなわち、電子放出端が長時間損傷されず、安定した電子放出をそのまま維持させる信頼性向上である。ペーストによって形成されるCNTエミッタは、抵抗性物質と導電性物質とが共に混ざっており、このような物質を通じてCNTの放出点に電子が供給される。このとき、CNTに供給される電子の経路は、いくつかの導電性が良好な経路に限定され、したがって、このような経路に過電流が流れる。このような過電流によって電子放出時、CNTの放出点での電気化学的ポテンシャルの上昇によって、電子放出が起こるCNTの放出点に摩耗のような損傷が誘導される。現在、このような摩耗の原因が明確に究明されていないが、公知の文献によれば、放出電流のフロー、特に、過電流のフローによる温度上昇がCNTの放出点周囲に存在する反応性物質、例えば、酸素の反応性を高めることによって、前記放出点の分解を促進すると理解されている。このようなCNTの放出点の摩耗のようなCNTの損傷は、画像品質の低下、寿命の短縮をもたらす。
米国特許6,339,281号明細書
米国特許6,440,761号明細書
本発明が解決しようとする課題は、CNTの放出点を効果的に保護し、したがって、安定した電子放出が可能な電界放出素子を提供することである。
前記課題を解決するために本発明の一類型によれば、基板と、前記基板上に形成されるカソード電極と、前記カソード電極上に形成されるものであって、CNTを含む電子放出物質と、前記電子放出物質から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、前記電界放出物質上に前記CNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層が形成されていることを特徴とする電界放出素子が提供される。
前記課題を解決するために本発明の他の類型によれば、基板と、前記基板上に形成されるカソード電極と、前記カソード電極上に形成されるものであって、電子放出端を有するCNTを複数個含む電子放出物質と、前記CNTの放出端から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、前記各CNTの表面にCNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層がコーティングされていることを特徴とする電界放出素子が提供される。
前記課題を解決するために本発明のさらに他の類型によれば、基板と、前記基板上に形成されるカソード電極と、前記カソード電極上に形成されるものであって、電子放出端を有するCNTを複数個含む電子放出物質と、前記CNTの放出端から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、前記各CNTの電子放出端にCNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層がコーティングされていることを特徴とする電界放出素子が提供される。
前記本発明の電界放出素子において、前記電子放出物質に導電性物質がさらに含まれていることが望ましく、前記導電性物質は、銀(Ag)であることがさらに望ましい。
本発明によれば、電界放出素子のCNTエミッタの表面またはその主な構成要素であるCNTの表面、特に、放出端に電子放出構造を安定化させ、そして放出端を保護する安定化物質がコーティングされることによって、過電流または電子放出過程中に発生するCNTの摩耗を抑制し、したがって、このような摩耗の抑制を通じてCNTの寿命を延長する。このようなCNTの安定化及び寿命の延長は、電界放出素子の信頼性及び商品的な価値を非常に高める。
以下、添付された図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
<第1実施例>
図2を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、複数のCNT50aを含み、ここで、CNT50aへのさらに効果的な電流供給のために導電性物質、例えば、銀(Ag)パーチクルがさらに含まれうる。
図2を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、複数のCNT50aを含み、ここで、CNT50aへのさらに効果的な電流供給のために導電性物質、例えば、銀(Ag)パーチクルがさらに含まれうる。
ここで、本発明の特徴によって、前記CNTエミッタ50上にはCNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層51がコーティングされている。ここで、安定化物質層51は、CNTからの電子の放出を許容しつつもエミッタの表面でCNT50aをカバーする。このような安定化物質としては、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxよりなるグループから選択された何れか一つまたは少なくとも2つ以上の混合物が使用され、電子放出を許容するために1ないし100nmの厚さに形成される。
一方、前記ゲート絶縁層30上には、前記エミッタ50の電子放出物質層52から電子を抽出するゲートホール40aを有するゲート電極40が形成されている。
本実施例で、前記エミッタ50は、ペースト状態のCNTをスクリーンプリンティングまたはスピンコーティング後のリフトオフによって形成され、CNTエミッタ50上の安定化物質層51は、安定化物質ペースを利用したスクリーン印刷、ゾル−ゲル法によるスピンコーティング、スパッタリングまたは蒸着によって形成されうる。
<第2実施例>
図3を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、複数のCNT50aを含み、ここで、CNT50aへのさらに効果的な電流供給のために導電性物質、例えば、銀(Ag)パーチクルがさらに含まれうる。
図3を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、複数のCNT50aを含み、ここで、CNT50aへのさらに効果的な電流供給のために導電性物質、例えば、銀(Ag)パーチクルがさらに含まれうる。
ここで、本発明の特徴によって、前記各CNTエミッタ50の表面には、各CNT50aから電子放出を安定化する安定化物質層51aがコーティングされている。ここで、安定化物質としては、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxが使用され、電子放出を許容するために1ないし100nmの厚さに形成される。
一方、前記ゲート絶縁層30上には、前記エミッタ50の電子放出物質層52から電子を抽出するゲートホール40aを有するゲート電極40が形成されている。
本実施例で、前記エミッタ50は、ペースト状態のCNTをスクリーンプリンティングまたはスピンコーティング後のリフトオフによって形成される。
本実施例で使われるCNT50a、すなわち、安定化物質層51aがコーティングされたCNT50aの製造方法は多様である。
その一つの方法は、ゾル−ゲル法によって前記CNT50aの表面に安定化物質層51aを形成することである。この方法によれば、CNT粉末を安定化物質または安定化物質電極体が収容されている溶液内に投入することによって、スラリー状態のCNTの表面に前記安定化物質を反応物としてコーティングする。
以下、具体的な他の色々なコーティング方法を説明する。
<CNTにSiO2をコーティングする方法>
1.所定の方法によって合成されたCNTパウダー、例えば、高圧CVD、すなわち、HiPCO(High Pressure Carbon monoOxide)工程によって製造されたCNTパウダー、例えば、約1nmの直径を有する所定量のSWNT(単層カーボンナノチューブ)にTEOS(テトラエトキシシラン)またはシリコンn−ブトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に適切に攪拌し、このときにH2OをCNTの重量と同じ量を加える。
1.所定の方法によって合成されたCNTパウダー、例えば、高圧CVD、すなわち、HiPCO(High Pressure Carbon monoOxide)工程によって製造されたCNTパウダー、例えば、約1nmの直径を有する所定量のSWNT(単層カーボンナノチューブ)にTEOS(テトラエトキシシラン)またはシリコンn−ブトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に適切に攪拌し、このときにH2OをCNTの重量と同じ量を加える。
2.前記混合物を60〜90℃で1日ほど乾燥した後、再び200〜300℃の空気中で1ないし5日間焼成する。
<CNTにMgOをコーティングする方法>
1.前記のような所定量のCNTパウダーにMgメトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に適切に攪拌する。
1.前記のような所定量のCNTパウダーにMgメトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に適切に攪拌する。
2.前記混合物を60〜90℃で1日間乾燥し、再び200〜300℃の空気中で1ないし5日間焼成する。
<CNTにTiO2をコーティングする方法>
1.前記のような所定量のCNTパウダーにTinブトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に攪拌し、このときにH2OをCNTの重量と同じ量で加える。
1.前記のような所定量のCNTパウダーにTinブトキシド溶液を1:10の重量比で加えた後に攪拌し、このときにH2OをCNTの重量と同じ量で加える。
2.前記混合物を60〜90℃で1日間乾燥し、再び200〜300℃の空気中で1ないし5日間焼成する。
<CNTにRuOxをコーティングする方法>
1.前記のような所定量のCNTパウダーにRuペンタンジオネートをアセトンに飽和に溶かした溶液を1:10の重量比で加えた後に攪拌する。
1.前記のような所定量のCNTパウダーにRuペンタンジオネートをアセトンに飽和に溶かした溶液を1:10の重量比で加えた後に攪拌する。
2.前記混合物を60〜90℃で1日間乾燥し、再び200〜300℃の空気中で1ないし5日間焼成する。
<CNTにPdOxをコーティングする方法>
1.前記のような所定量のCNTパウダーにPdアセテートをアセトンに飽和で溶かした溶液を1:10〜20の重量比で入れた後によく混合する。
1.前記のような所定量のCNTパウダーにPdアセテートをアセトンに飽和で溶かした溶液を1:10〜20の重量比で入れた後によく混合する。
2.このように混合された混合物を60〜90℃で1日間乾燥し、再び200〜300℃、空気中で1ないし5日間焼成する。
図4Aは、安定化物質としてSiO2がコーティングされたCNTのTEM(透過電子顕微鏡)イメージであり、図4Bは、さらに拡大して示すCNTのTEMイメージである。前記のようなSiO2がコーティングされたCNTをEDX(エネルギー分散型X線分析装置)の検出によってCNTの表面にSiが存在することを確認した。
図5A及び図5Bは、安定化物質としてRuOxがコーティングされた1.37nmの直径を有するSWNT CNTのTEMイメージである。図6A及び6Bは、RuOxがコーティングされた2.671nmの直径を有するDWNT(二層なのチューブ)のTEMイメージである。SWNTの場合は、RuOx粒子サイズが小さく、全体的に均等に分布され、一方、DWNTの場合は、RuOx粒子が固まっていることを確認した。
安定化物質がコーティングされたCNTの工程劣化に対する安定度を実験した結果、コーティング物質が厚いほど熱に対してさらに安定的であることが確認できた。図7は、異なる厚さのコーティング層が形成されたCNTエミッタ(#1、#2、#3)を570℃の空気中で20分間焼成したサンプルを示す写真である。図7で、CNTに対するコーティング物質の厚さは、#1<#2<#3であり、結果的にコーティング物質が最も厚い第3サンプル#3が最大の残存率を示すことが分かる。
下記表1は、サンプル別CNTの残存率実験結果を示す。
実験によれば、コーティング物質が厚ければ、CNTの残存率が上昇する一方、電流密度は低下する。このような結果は、前述した全てのコーティング物質について同一に現れた。
図8は、安定化物質がコーティングされていない従来のエミッタとSiO2がコーティングされた本発明によるエミッタの寿命特性を示す。図8を通じて、本発明によるCNTは、経時的な電流密度の低下が従来のCNTに比べてあまり急激でないということが分かり、特に、電流密度が相当時間従来のCNTに比べて高くかつ安定的に維持されるということが分かる。
<第3実施例>
図9を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、カソード電極20上に成長された複数のCNT50bを含む。
図9を参照すれば、基板10上にカソード電極20が形成されており、その上にゲート絶縁層30が形成されている。前記ゲート絶縁層30には、CNTエミッタ50が収容される貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aの底部に電子放出のためのCNTエミッタ50が設けられている。前記エミッタ50は、貫通孔30aの底部に露出されたカソード電極20上に形成される。前記CNTエミッタ50は、カソード電極20上に成長された複数のCNT50bを含む。
ここで、本発明の特徴によって前記カソード電極20上で垂直に成長されたCNT50bの上端部、すなわち、電子放出端に電子放出を安定化する安定化物質層51bがコーティングされている。ここで、安定化物質としては、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxよりなるグループから選択された何れか一つまたは少なくとも2つ以上の混合物が使用され、電子放出を許容するために1ないし100nmの厚さに形成される。図9で、CNT50bの放出端に形成された安定化物質層51bが、理解を助けるために誇張されて示されている。
一方、前記ゲート絶縁層30上には、前記エミッタ50の電子放出物質層52から電子を抽出するゲートホール40aを有するゲート電極40が形成されている。
本実施例で、前記エミッタ50のCNT50bは、一般的な成長法によって形成され、前記CNT50bの表面に形成される安定化物質層51bは、スパッタリング法または蒸着法によって形成される。前記のように、CNT50bの放出端にのみ安定化物質層51bが形成されることは、安定化物質スパッタリングまたは蒸着による結果である。
図10は、カソード電極上で垂直に成長されたCNTの走査電子顕微鏡写真(SEM)であり、図11、12及び図13は、それぞれCNTの放出端(先端部)に約200Å、500Å及び1000Åの厚さにSiO2安定化物質がスパッタリング法によってコーティングされた状態を示すSEMである。
図14は、カソード電極上に成長されたCNTに安定化物質層が形成されていないサンプルと、SiO2が安定化物質でCNTの放出端に50Å、100Å、200Å、450Å及び1000Åの厚さにコーティングされているサンプルとの電流−電圧比較グラフである。
この実験によれば、SiO2コーティングがとても薄い(50Å)か、または200Å以上である場合、ターンオンフィールドは、コーティングされていないサンプルに比べて高く、そのコーティングが厚くなるにつれてさらに高まる。しかし、SiO2が100Å厚さにコーティングされているサンプルの場合には、電界放出特性が最も良く現れ、これは、全くコーティングされていないサンプルに比べてもターンオンフィールドが低い。したがって、安定化物質層のコーティングには、最適の厚さが存在し、それは、各サンプルの条件及び工程によって変化されるが、1000Å以下の領域にあると期待され、この実験の条件では、100Åであることが分かる。
図15ないし図18は、成長されたCNTによるサンプル別の時間−電流変化グラフである。ここで、図15は、安定化物質がコーティングされていないCNTの時間−電流変化グラフであり、図16ないし図18は、それぞれ安定化物質としてMgOが120Å、180Å、400Åの厚さにコーティングされたサンプルの時間−電流変化グラフである。そして図19ないし図21は、安定化物質としてSiO2が200Å、450Å及び1000Åの厚さに形成されたサンプルの時間−電流変化をそれぞれ示すグラフである。
この図面は、測定雰囲気が高真空状態で少量の酸素を吹き込む状態に転換され、再び高真空状態に変化された時、各サンプルの電界放出電流の変化を測定したものである。図15に示されたように、全くコーティングされていないCNTでの電界放出電流は、酸素雰囲気で減少し、再び高真空状態になっても回復されない。しかし、図16及び図17に示されたように、MgOが120Å及び180Åコーティングされた時、または図19に示されたように、SiO2が200Åにコーティングされた時、CNTの電界放出電流は、酸素雰囲気では減少するが、再び高真空状態になった時には、ほぼ元状態の電流に回復されることが分かる。
しかし、図18に示されたように、MgOが400Åにコーティングされた時または図20及び図21に示されたように、SiO2が450Å以上にコーティングされ時、CNTの電界放出電流は、酸素雰囲気での減少はもとより、再び高真空状態になっても回復されないことが分かる。このように安定化物質の厚さが400Å以上にコーティングされた時、電界放出電流が回復されない理由は、その確実なメカニズムがまだ明らかになっていないが、コーティング膜が高電圧に耐えられずに損傷されている可能性がある。すなわち、コーティングの厚さがある程度以上(約400Å以上)になれば、図10ないし図16に示されたように、1uAの初期電流を得るために5V/μm以上の電圧が加えられねばならないが、この時に加えられる電圧がコーティングされた安定化物質のブレーキダウンを誘導すると推定されている。
したがって、安定化物質層のコーティングは、電界放出電流に大きい影響を及ぼすだけでなく、酸素雰囲気による損傷からの放出物質の保護において、最適のコーティング厚さが存在し、その最適の厚さは、各サンプルの条件及び工程によって変化するが、1000Å以下の領域にあると期待され、この実験の条件では、100Åないし200Å間であることが分かる。
このような本発明は、図面に示された実施例を参考として説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならない。
本発明は、電子放出ソース、例えば、電界放出表示素子などに適用可能である。
10 基板
20 カソード電極
30 ゲート絶縁層
30a 貫通孔
40 ゲート電極
40a ゲートホール
50 CNTエミッタ
50a CNT
51 安定化物質層
20 カソード電極
30 ゲート絶縁層
30a 貫通孔
40 ゲート電極
40a ゲートホール
50 CNTエミッタ
50a CNT
51 安定化物質層
Claims (15)
- 基板と、
前記基板上に形成されるカソード電極と、
前記カソード電極上に形成されるものであって、CNTを含む電子放出物質と、
前記電子放出物質から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、
前記電界放出物質上に前記CNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層が形成されていることを特徴とする電界放出素子。 - 前記エミッタに導電性物質がさらに含まれていることを特徴とする請求項1に記載の電界放出素子。
- 前記導電性物質は、銀であることを特徴とする請求項2に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、1〜100nmの厚さを有することを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxのうち少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
- 基板と、
前記基板上に形成されるカソード電極と、
前記カソード電極上に形成されるものであって、電子放出端を有するCNTを複数個含む電子放出物質と、
前記CNTの放出端から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、
前記各CNTの表面にCNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層が形成されていることを特徴とする電界放出素子。 - 前記エミッタに導電性物質がさらに含まれていることを特徴とする請求項6に記載の電界放出素子。
- 前記導電性物質は、銀であることを特徴とする請求項7に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、1〜100nmの厚さを有することを特徴とする請求項6ないし8のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxのうち少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項6ないし8のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
- 基板と、
前記基板上に形成されるカソード電極と、
前記カソード電極上に垂直に成長されたものであって、電子放出端を有するCNTを複数個含む電子放出物質と、
前記CNTの放出端から電子を抽出するゲート電極と、を備える電界放出素子において、
前記各CNTの電子放出端にCNTを保護し、CNTから電子放出を安定化する安定化物質層が形成されていることを特徴とする電界放出素子。 - 前記エミッタに導電性物質がさらに含まれていることを特徴とする請求項11に記載の電界放出素子。
- 前記導電性物質は、銀であることを特徴とする請求項12に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、1〜100nmの厚さを有することを特徴とする請求項11ないし13のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
- 前記安定化物質層は、SiO2、MgO、TiO2、BN、RuOx、PdOxのうち少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項11ないし13のうち何れか1項に記載の電界放出素子。
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