JP2009211943A - 電池セパレータ用多孔質フィルム及び該フィルムを備える電池 - Google Patents

電池セパレータ用多孔質フィルム及び該フィルムを備える電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ブツの発生等の外観上の問題が少なく、実質的に必要な強度を有し、かつ、低抵抗な電池セパレータ用多孔質フィルム、及び該フィルムを備え、優れた出力特性を有する電池を提供すること
【解決手段】無機フィラーを分散させた熱可塑性樹脂からなり、貫通微細孔を有する電池セパレータ用多孔質フィルムであって、
前記無機フィラーは、粒子径が0.1μm未満である粒子(A)と、粒子径が0.1μm以上10μm以下である粒子(B)と、からなり、
前記粒子(A)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して1体積%以上15体積%以下であり、
前記粒子(B)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して10体積%以上25体積%以下である、
電池セパレータ用多孔質フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池セパレータ用多孔質フィルム及び該フィルムを備える電池に関する。
近年、電気、電子機器の開発に伴い、様々なタイプの一次電池、二次電池が開発されており、そのエネルギー密度、出力密度等の性能の向上は目覚しい。特に、二次電池は携帯電話等の通信機器や、ノートパソコン、電動工具等に汎用されており、さらに最近では、電気自動車やハイブリット自動車等の電源等への適用も検討されている。
電池構成部材の一つであるセパレータは、電池内において正負極間に設置されて両極間の短絡を完全に防ぎつつ、電解質を良好に透過させることができる低抵抗なものが望まれており、例えば、特許文献1〜7に記載されたような熱可塑性樹脂からなる単層あるいは多層の多孔質フィルムが使用されている。
しかしながら、未だに、外観上の問題が少なく、強度に優れ、かつ、電池セパレータとして用いたときの抵抗が十分に低い多孔質フィルムは開発されていないのが現状である。
また、最近では電気・電子機器類の高性能化及び多機能化等の影響でさらに高いエネルギー密度及び出力密度等の優れた出力特性を有する電池、特に二次電池が求められており、中でも、最も性能の高い二次電池であるリチウムイオン二次電池への期待は大きい。
特公昭50−2176号公報 特開昭52−32976号公報 特開平10−110052号公報 特開2001−6739号公報 特開2001−93498号公報 特開2002−25531号公報 特開2005−30341号公報
上記事情に鑑み、本発明は、ブツの発生等の外観上の問題が少なく、実質的に必要な強度を有し、かつ、低抵抗な電池セパレータ用多孔質フィルム、及び該フィルムを備え、優れた出力特性を有する電池を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粒子径の異なる2種以上の無機フィラー粒子を含有し、その無機フィラー粒子の含有量が特定範囲に設定された多孔質フィルムが、電池セパレータとして使用した場合に、外観上の問題が少なく、実質的に必要な強度を有し、かつ、既存のセパレータと比較して特に低抵抗になることを発見した。
さらに、その多孔質フィルムを備える電池が、特に優れた出力特性を有することを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
無機フィラーを分散させた熱可塑性樹脂からなり、貫通微細孔を有する電池セパレータ用多孔質フィルムであって、
前記無機フィラーは、粒子径が0.1μm未満である粒子(A)と、粒子径が0.1μm以上10μm以下である粒子(B)と、からなり、
前記粒子(A)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して1体積%以上15体積%以下であり、
前記粒子(B)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して10体積%以上25体積%以下である、
電池セパレータ用多孔質フィルム。
[2]
前記貫通微細孔は、界面剥離法により形成された孔である、上記[1]記載の電池セパレータ用多孔質フィルム。
[3]
最大空孔径が0.5μm以上20μm以下である、上記[1]又は[2]記載の電池セパレータ用多孔質フィルム。
[4]
正極、負極、電解液及び前記正極と前記負極の間に介在したセパレータとを備える電池であって、
前記セパレータが上記[1]〜[3]のいずれか記載の電池セパレータ用多孔質フィルムである、電池。
[5]
以下の各工程を含む、電池セパレータ用多孔質フィルムの製造方法:
(a)無機フィラー及び熱可塑性樹脂を溶融押出し成型して原反フィルムを得る工程、
(b)前記原反フィルムを延伸により多孔化し、熱固定する工程。
本発明により、ブツの発生等の外観上の問題が少なく、実質的に必要な強度を有し、かつ、既存のセパレータと比較して特に低抵抗な電池セパレータ用多孔質フィルムを提供することができる。
また、本発明の多孔質フィルムをセパレータとして用いることで、既存の電池と比較して、特に優れた出力特性を有する電池を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の電池セパレータ用多孔質フィルム(以下、単に多孔質フィルムとも言う)は、無機フィラーを分散させた熱可塑性樹脂からなり、貫通微細孔を有する電池セパレータ用多孔質フィルムであって、前記無機フィラーは、粒子径が0.1μm未満である粒子(A)(以下、単に粒子(A)とも言う)と、粒子径が0.1μm以上10μm以下である粒子(B)(以下、単に粒子(B)とも言う)からなり、かつ、前記粒子(A)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して1体積%以上15体積%以下であり、前記粒子(B)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して10体積%以上25体積%以下である。
多孔質フィルムに分散させた無機フィラーとして、粒子(A)の含有量が1体積%以上であると、膜強度を高めながら電池セパレータとして使用した場合の抵抗を低くすることができるが、15体積%を超えるとフィルム中にブツが発生する等の外観上の問題が発生し易くなる傾向にある。また、粒子(B)の含有量が10体積%以上であると、電池セパレータとして使用した場合の抵抗を低くすることができるが、25体積%を超えるとフィルムの膜強度が低減する傾向にある。
また、無機フィラーとして、粒子径が10μmを超える粒子が含まれていると、膜強度が顕著に低減する傾向にあるため、本実施の形態の多孔質フィルムには、実質的に、粒子径が10μmを超える粒子は含まれない。
本実施の形態の多孔質フィルムは、粒子(A)と、粒子(B)の含有量が、上記特定の範囲にあることにより、フィルム中のブツの発生や、フィルム加工時、電池製造時におけるフィルムの裂け等の不良発生率を低く抑えながら、電池セパレータとして使用した場合の抵抗を特に低くすることができる。
ここで、無機フィラーの粒子径は、レーザー回折法を用いて測定した値(JIS Z 8825−1)を意味する。
また、無機フィラーの含有量は、式1で表すことができる。
[含有量(体積%)]
=[無機フィラー量(m3)]
/([無機フィラー量(m3)]+[熱可塑性樹脂量(m3)])×100
・・・(式1)
多孔質フィルムの材料として使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、単一の樹脂でも2種以上の混合物であってもよい。これらの熱可塑性樹脂には、酸化防止等の目的で適宜公知の添加剤を加えてもかまわない。
多孔質フィルムに含まれる無機フィラーとしては、電池反応を阻害しなければ特に限定されず、例えば、硫酸バリウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、チタン酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化硼素、雲母、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸バリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、ジルコニア等が挙げられ、中でも、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、硫酸バリウム、チタニア、炭酸カルシウム、ジルコニアが好ましい。無機フィラーは、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。また、電池反応を阻害しないものであれば、無機フィラーに公知の手法で表面処理等を施すこともできる。
無機フィラーの形状としては特に制限は無く、球状、繊維状、板状、その他無定形状、あるいはそれらの混合物であってもかまわない。
通常、多孔質フィルムの多孔化方法には、大別して湿式法と乾式法とが挙げられる。湿式法では、熱可塑性樹脂組成物に充填材や可塑剤を混合したものをフィルム状に押し出し成型し、その後フィルムから充填材や可塑剤を抽出等することで多孔化を行う。一方、乾式法では、熱可塑性樹脂を溶融押し出し成型する過程で該樹脂の結晶構造を制御し、その後、延伸に伴うラメラ結晶間のクレーズの発生及び成長によって多孔化を行う方法(延伸法)と、熱可塑性樹脂にフィラー等を分散させたものを溶融押出し成型して原反フィルムを得た後、該原反フィルムを延伸することによって樹脂/フィラー界面を剥離して多孔化する方法(界面剥離法)の大きく2通りある。ここで、本実施の形態の多孔質フィルムに存在する貫通微細孔は、好ましく上記の界面剥離法により形成された孔である。
本実施の形態の多孔質フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上50μm以下である。多孔質フィルムの厚さが薄くなると強度が落ちて破断しやすくなる傾向があり、厚くなると電池セパレータに使用した場合の抵抗が高くなる傾向があるが、厚さが上記範囲にあると、延伸工程や電池製造時にフィルムが破れることが特に少なく、かつ電池セパレータとして使用した場合に、抵抗を特に低く抑えることができる。
また、多孔質フィルムの空孔率は、好ましくは30%以上80%以下、より好ましくは40%以上75%以下である。空孔率が小さいと電池セパレータに使用した場合に抵抗が高くなる傾向があり、大きいと強度が落ちて破断しやすくなる傾向があるが、空孔率が上記範囲にあると、延伸工程や電池製造時にフィルムが破れることが特に少なく、かつ電池セパレータとして使用した場合に、抵抗を特に低く抑えることができる。ここで多孔質フィルムの空孔率は、下記の式2で表すことができる。
[空孔率(%)]
=(1−[膜質量(kg)]/[樹脂及びフィラー混合物密度(kg/m3)]/[膜体積(m3)])×100
・・・(式2)(ここで、
[樹脂及びフィラー混合物密度(kg/m3)]
=([樹脂比率(体積%)]×[樹脂比重(kg/m3)]+[フィラー比率(体積%)]×[フィラー比重(kg/m3)])/100)
さらに、多孔質フィルムの最大空孔径は、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上5μm以下である。最大空孔径が大きくなるとフィルムの強度が弱くなる傾向があり、小さくなると電池用セパレータとして使用した場合に抵抗が高くなる傾向があるが、最大空孔径が上記範囲にあると、延伸工程や電池製造時にフィルムが破れることが少なく、かつ電池セパレータとして使用した場合に、抵抗を特に低く抑えることができる。ここで最大空孔径とは、多孔質フィルムの表面及びMD方向に平行に切り出した断面を電子顕微鏡でそれぞれ観察し、各画像の中で最大となる空孔の径をさす。ただし、空孔の形状で長径と短径で異なる場合は長径を空孔径として選択する。
本実施の形態の多孔質フィルムは、単層で使用してもよいし、積層して使用してもよい。積層品の場合、その内の少なくとも1層が実質的に本実施の形態の多孔質フィルム層であればかまわない。積層方法としては、所望の層を形成するように溶融共押出し成型した後、延伸多孔化して積層多孔質フィルムを得る方法や、所望の層をそれぞれ別々に作製した後に積層多孔化して積層多孔質フィルムを得る方法等を用いることができる。
[電池セパレータ用多孔質フィルムの製造方法]
本実施の形態の電池セパレータ用多孔質フィルムの製造方法は、(a)無機フィラー及び熱可塑性樹脂を溶融押出し成型して原反フィルムを得る工程、(b)前記原反フィルムを延伸により多孔化し、熱固定する工程、を含む。
[工程(a)]
工程(a)は、無機フィラー及び熱可塑性樹脂を溶融押出し成型して原反フィルムを得る工程である。
本工程においては、無機フィラーと熱可塑性樹脂を事前に混合・分散し、それを押出し機に供給して溶融押出し成型してもよいし、押出し機に熱可塑性樹脂及び無機フィラーを別々に供給して溶融押出し成型してもかまわない。事前に混合・分散にする方法としては公知の手法を用いることができ、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機、ミキシングロール等を用いて溶融混練してペレットを得る方法、ヘンシェルミキサー、タンブラー等でエアブレンドを行う方法等が挙げられる。溶融押出し成型は公知の1軸あるいは2軸の押出し機を用いることができ、ダイスもまたTダイ、サーキュラーダイ等、フィルム作製時に使用する公知のものを用いることができる。
[工程(b)]
工程(b)は、前記原反フィルムを延伸により多孔化し、熱固定する工程である。
延伸の際の延伸方法は1軸延伸法でも2軸延伸法でもよく、2軸延伸法では同時2軸延伸法でも逐次2軸延伸法でもかまわない。また延伸温度は、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上融点以下であるのが好ましく、ガラス転移温度以上融点−10℃以下であるのがより好ましい。この温度範囲で延伸すると原反フィルムが破断等することなく延伸が可能で、かつ孔が高度に連結した多孔質構造になりやすい。さらに、所望の延伸倍率まで1度に延伸しても、複数回に分けて延伸してもよく、延伸温度もそれぞれで変更することができる。
また、本工程においては、上記延伸により多孔化した多孔質フィルムに対して熱固定を実施する。熱固定の際の温度は、使用した熱可塑性樹脂の融点や軟化点以下等の実質的に形状変化が起こらない温度領域で行う必要がある。
さらに、上記のようにして得られた原反フィルムに、結晶配向性を高めるためにアニール処理を施してもよい。アニール温度は、使用した熱可塑性樹脂の、好ましくは融点−80℃以上融点−5℃以下である。アニール温度が高すぎると原反フィルムが溶解して結晶構造自体を壊してしまうおそれがあり、低すぎると配向性を高める効果が低くなる傾向があるが、アニール温度が上記範囲にあると、特に結晶構造を壊さずに配向性を高めることができる。
[電池]
本実施の形態においては、上記で得られた多孔質フィルムをセパレータとして利用することで、出力特性に優れた電池を提供することができる。本実施の形態における電池は、公知の方法により、円筒型、角型、コイン型等の形状に作製される。該電池を構成するセパレータ以外の構成部材は特に限定されないが、以下のようなものが例示できる。
正極材料(正極活物質)としては、リチウム含有金属酸化物、硫化物又は塩化物のようなリチウム含有金属化合物が使用される。リチウム含有金属酸化物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上の金属とリチウムとのリチウム複合酸化物が使用される。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2等が挙げられる。
正極は、上記の正極材料をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に塗布して、乾燥、加圧成型後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度、真空加熱処理することにより作製される。
負極(負極活物質)としては、リチウムを吸蔵・放出可能なカーボン又はグラファイトを含む炭素材料、例えば、コークス、天然黒鉛や人造黒鉛等の炭素材料、複合スズ酸化物が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。なお、粉末状の炭素材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤と混練して負極合剤として使用される。
電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に電解質を溶解したものが使用される。電解質としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi、LiC(SO2CF33等が挙げられる。これらの電解質は、1種で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質は、前記の有機溶媒に通常0.1〜3M/L、好ましくは0.5〜1.5M/Lの濃度で溶解されて使用される。
上記構成部材を使用するリチウム電池の製造方法については特に限定されないが、例えば円筒型電池は以下のような方法により製造できる。LiCoO2(正極活物質)を80質量%、アセチレンブラック(導電剤)を10質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10質量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製する。グラファイト(負極活物質)を90質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10質量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製する。そして、前記正極、負極及び本発明のセパレータを円筒状に捲回し、前記非水電解液を注入させて円筒型リチウム二次電池(直径18mm、高さ65mm)を作製することができる。
以下に本実施の形態を具体的に説明した実施例及び比較例を例示するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、各種特性値の評価方法は以下の通りである。
[評価方法]
(1)無機フィラー粒子径:レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD−7100)を用いて測定した。
(2)膜厚:ダイヤルゲージ(尾崎製作所製 PEACOCK No.25(商標))を用いて測定した。
(3)空孔率:10cm角のサンプルをとり、その体積と質量から前述の(式2)を用いて算出した。
(4)最大空孔径:サンプルの表面及び断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S4700)にて、それぞれ任意に5枚撮影し(倍率5000倍(視野広さ約25μm×約17μmで撮影、空孔径が小さく孔が確認できない場合は倍率30000倍、視野広さ約4μm×約3μmで撮影))、各写真において空孔の径が最大となるものの径を最大空孔径とした。ただし、空孔の形状が長円状、楕円状、あるいは層状等で長径と短径で異なる場合は長径側を空孔径とした。
(5)突刺強度:カトーテック製「KES−G5ハンディー圧縮試験器」(商標)を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き刺し速度2mm/secの条件で突き刺し試験を行い、最大突き刺し荷重(N)を測定した。なお、評価は下記基準にて行った。
○:2N以上
×:2N未満
(6)電池出力特性:下記実施例及び比較例で得られた多孔質フィルムをセパレータとし、LiCoO2を正極活物質、グラファイト及びアセチレンブラックを導電剤、フッ素ゴムを結着剤として各々LiCoO2:グラファイト:アセチレンブラック:フッ素ゴム=88:7.5:2.5:2の質量比で混合したものをジメチルホルムアミドペーストとしてアルミニウム箔に塗布乾燥したシートを正電極とし、ニードルコークス:フッ素ゴム=95:5の質量比で混合したものをジメチルホルムアミドペーストとして銅箔に塗布乾燥したシートを負電極として用い、電解液としてプロピレンカーボネートとブチロラクトンを1:1で混合した溶媒にホウフッ化リチウム1.0Mで調整した溶液を用いてリチウムイオン二次電池を製造した。
この電池の放電終止電圧3Vまでの1C放電容量と5C放電容量を測定し、5C容量/1C容量を出力特性値とした。出力特性の評価は、下記基準に即して行った。
○:0.7以上
△:0.5以上0.7未満
×:0.5未満
(7)フィルム外観:フィルム1m2あたりに直径(長径)1mm以上のブツ等が10個以上ある場合を「ブツ等有」、10個以下である場合を「ブツ等無」とした。
(実施例1)
ポリプロピレン(PP)(商品名:F113G(株式会社プライムポリマー製)密度0.90、重量平均分子量30万)を80体積%、シリカフィラー(商品名:RX−300(日本アエロジル株式会社製)、平均粒子径0.01μm)5体積%、アルミナフィラー(商品名:アドバンストアルミナAA03(住友化学株式会社製)平均粒子径0.3μm)15体積%となるように、2軸押出し機にフィーダーを介して投入した。押出し機は口径25mm、L/D=48のものを使用し、成型温度は220℃、押出し回転数は100rpmとして投入した原料を混練した。その後、溶融樹脂を幅400mm、リップ間隔0.5mmのTダイより押出し、95℃に温度調整したキャストロールで引き取り、延伸開孔原反フィルムを得た。
得られた原反フィルムを130℃環境下に1時間の条件でアニールした後、30℃の環境下でフィルム走行方向に原反寸法に対し+50%寸法変化するように1軸延伸し、その後110℃の環境下でフィルム走行方向に原反寸法に対し+150%寸法変化するように1軸延伸した。その後、150℃環境下、2分間の条件で熱固定し、多孔質フィルムを作製した。
(実施例2)
ポリプロピレンを83体積%、アルミナフィラーを15体積%、シリカフィラーを2体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(実施例3)
ポリプロピレンを75体積%、アルミナフィラーを15体積%、シリカフィラーを10体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(実施例4)
ポリプロピレンを78体積%、アルミナフィラーを20体積%、シリカフィラーを2体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(実施例5)
ポリプロピレンをポリエチレン(PE)(商品名:S160S(旭化成ケミカルズ株式会社製)、密度0.95、重量平均分子量20万)に変更したこと、原反フィルムのアニール条件を110℃環境下、1時間としたこと、及び熱固定条件を130℃環境下、2分間としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例1)
ポリプロピレンを65体積%、アルミナフィラーを35体積%、シリカフィラーを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例2)
ポリプロピレンを85体積%、シリカフィラーを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例3)
ポリプロピレンを95体積%、アルミナフィラーを5体積%、シリカフィラーを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例4)
ポリプロピレンを45体積%、アルミナフィラーを35体積%、シリカフィラーを20体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例5)
ポリプロピレンを65体積%、シリカフィラーを20体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例6)
ポリプロピレンを75体積%、アルミナフィラーを5体積%、シリカフィラーを20体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例7)
ポリプロピレンを60体積%、アルミナフィラーを35体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例8)
ポリプロピレンを90体積%、アルミナフィラーを5体積%としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
(比較例9)
アルミナフィラーの平均粒子径を15μm(商品名:AS-20(昭和電工株式会社製))としたこと以外は実施例1と同様の方法により多孔質フィルムを作製した。
各実施例及び比較例における、原料割合、成型条件、物性等を表1にまとめた。
Figure 2009211943
表1の結果から明らかなように、本実施の形態の多孔質フィルム(実施例1〜5)は、粒子径の異なる2種以上の無機フィラー粒子を含有し、その無機フィラー粒子の含有量が特定範囲に設定されているため、ブツの発生等の外観上の問題がなく強度に優れると共に、抵抗が特に低いため、それを用いて作製された電池の出力特性に優れていた。
これに対して、比較例1〜9の多孔質フィルムは、粒子径の異なる無機フィラーの含有量が、特定範囲に設定されていないため、ブツが発生し外観上に問題があるか、強度や出力特性に劣るものであった。
特に、比較例2の多孔質フィルムは、粒子径が0.1μm未満の粒子(A)の含有量が、1体積%よりも小さいため、抵抗が大きく、出力特性に劣っていた。
比較例5の多孔質フィルムは、強度及び出力特性は良好であったが、粒子径が0.1μm未満の粒子(A)の含有量が、15体積%を超えているため、ブツが発生し、外観上に問題があった。
比較例7の多孔質フィルムは、粒子径が0.1μm以上10μm以下の粒子(B)の含有量が、25体積%を超えているため、フィルムの強度に劣っていた。
比較例9の多孔質フィルムは、粒子径が10μmを超える粒子が含まれているため、フィルムの強度に劣っていた。

Claims (5)

  1. 無機フィラーを分散させた熱可塑性樹脂からなり、貫通微細孔を有する電池セパレータ用多孔質フィルムであって、
    前記無機フィラーは、粒子径が0.1μm未満である粒子(A)と、粒子径が0.1μm以上10μm以下である粒子(B)と、からなり、
    前記粒子(A)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して1体積%以上15体積%以下であり、
    前記粒子(B)の含有量が、前記貫通微細孔を除いた多孔質フィルム全体に対して10体積%以上25体積%以下である、
    電池セパレータ用多孔質フィルム。
  2. 前記貫通微細孔は、界面剥離法により形成された孔である、請求項1記載の電池セパレータ用多孔質フィルム。
  3. 最大空孔径が0.5μm以上20μm以下である、請求項1又は2記載の電池セパレータ用多孔質フィルム。
  4. 正極、負極、電解液及び前記正極と前記負極の間に介在したセパレータとを備える電池であって、
    前記セパレータが請求項1〜3のいずれか1項記載の電池セパレータ用多孔質フィルムである、電池。
  5. 以下の各工程を含む、電池セパレータ用多孔質フィルムの製造方法:
    (a)無機フィラー及び熱可塑性樹脂を溶融押出し成型して原反フィルムを得る工程、
    (b)前記原反フィルムを延伸により多孔化し、熱固定する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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