以下、本発明を具現化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
<第1の実施形態>
まず、図1〜図22を参照して、本発明を翻訳依頼システムに適用した第1の実施形態について説明する。最初に、図1を参照して、本実施形態に係る翻訳依頼システム30の概略構成について説明する。図1は、翻訳依頼システム30の概略構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、翻訳依頼システム30は、管理サーバ1、依頼者端末2、翻訳者端末3、二次利用者端末4、Webサーバ5、および著作者端末6を含み、これらはすべてインターネット9に接続されている。管理サーバ1、依頼者端末2、翻訳者端末3、二次利用者端末4、Webサーバ5、および著作者端末6は、例えば、汎用型のコンピュータである。なお、図1では、依頼者端末2、翻訳者端末3、二次利用者端末4、Webサーバ5、および著作者端末6はいずれも1つしか図示されていないが、いずれも複数存在してもよい。本実施形態において、管理サーバ1が、本発明の「利用許諾依頼サーバ」に相当し、Webサーバ5が、「コンテンツ提供サーバ」に相当し、依頼者端末2が、「クライアント端末」に相当する。
依頼者端末2は、インターネット9のWWW上に設けられたWebサイトで公開されているコンテンツであるWebコンテンツについて、翻訳依頼を行う者(以下、翻訳依頼者という)が使用する端末装置である。翻訳者端末3は、翻訳依頼に応じてWebコンテンツの翻訳を行う者(以下、翻訳者という)が使用する端末装置である。二次利用者端末4は、翻訳者によって翻訳されたWebコンテンツの翻訳結果を利用する者(以下、二次利用者という)が使用する端末装置である。著作者端末6は、Webコンテンツを作成した著作者の使用する端末装置である。Webサーバ5は、著作者端末6から提供されたWebコンテンツを記憶し、Webサイトで公開する装置である。管理サーバ1は、Webサーバ5が公開しているのとは別の、翻訳依頼用のWebサイト(以下、翻訳依頼サイトという)を公開している。管理サーバ1は、翻訳依頼サイトを介してWebコンテンツの翻訳依頼および利用許諾依頼を行ったり、これらに関連する情報を管理したりする装置である。図1では図示されていないが、管理サーバ1は、インターネット9以外に、例えば、専用のネットワークを介して、クレジット会社の管理装置や銀行の管理装置にも接続されている。
Webサーバ5が公開するWebサイトは、例えば、ユーザ毎にアカウントが管理され、公開される内容が比較的頻繁に更新され、且つ、時系列で表示される、ウェブログ(以下、ブログという)である。Webサーバ5が、ブログを公開するサーバ(以下、ブログサーバという)の場合、Webサーバ5にアカウントを有するブログユーザは、著作者端末6から自己のアカウントにログインして、記事を作成し、そのデータをWebサーバ5に送信する。すると、Webサーバ5によって、このブログ記事の著作者のアカウントに対応するURLのWebページに、記事が順次追加され、時系列で表示されていく。本実施形態では、Webサーバ5がこのようなブログサーバであるものとして、以下の説明を行う。
本実施形態の翻訳依頼システム30全体で行われる処理の手順について、簡単に説明する。例えば、依頼者端末2を使用する翻訳依頼者が、Webサーバ5が公開するブログの記事の翻訳を入手したいと考えている場合、翻訳依頼者は、管理サーバ1が公開している翻訳依頼サイトにアクセスし、翻訳対象の記事(以下、対象記事という)のURL(Uniform Resource Locator)を入力する。通常、Webコンテンツは著作物である。したがって、対象記事を翻訳し、その後、翻訳結果を二次利用するためには、著作権者の許諾を得なければならない。ブログの記事の著作権は、原始的には、記事を創作した著作者に帰属する。そこで、管理サーバ1は、依頼者端末2から対象記事のURLを受信すると、対象記事へのトラックバック機能を利用して、著作者に対して、翻訳に関する許諾依頼交渉を行う。
トラックバック機能とは、あるWebコンテンツ(コンテンツAとする)に関連付けられた別のWebコンテンツ(コンテンツBとする)についての情報をWebコンテンツAに通知して、WebコンテンツAをWebコンテンツBに関連付けさせる機能である。つまり、トラックバック機能を利用すれば、コンテンツAとコンテンツBとを双方向に関連付けることができる。コンテンツBについての情報をコンテンツAに通知する際の通知をトラックバックピング(TrackBack Ping)という。トラックバックピングの送信先は通常URLで指定されており、トラックバックURLという。以下の説明では、単に「トラックバックする」という場合、トラックバックピングを送信することを意味する。また、「トラックバック先」および「トラックバック元」という場合には、それぞれ、トラックバックピングの送信先および送信元を意味する。
本実施形態では、管理サーバ1は、許諾依頼交渉にあたり、対象記事の利用に関する許諾依頼内容を記載したWebページ(以下、許諾依頼ページという)を作成して、許諾依頼ページの情報を対象記事にトラックバックする。すると、ブログサーバであるWebサーバ5により、対象記事にトラックバック元である許諾依頼ページのURLが表示され、このページへのリンクが作成される。よって、対象記事の著作者は、容易に許諾依頼ページを参照して、依頼内容を確認することができる。
さらに、許諾依頼ページには、著作者に対して、トラックバックを利用した、許諾依頼に対する返答方法が記載されている。管理サーバ1は、トラックバックによる許諾依頼への返答を確認し、許諾が得られた場合には、対象記事の翻訳依頼を、選択された翻訳者に送信する。翻訳者による翻訳が行われ、対象記事の翻訳結果が翻訳者端末3から管理サーバ1へ送信されると、翻訳結果は、管理サーバ1に記憶される。その後、二次利用者端末4から翻訳結果の提供依頼を受けた場合には、管理サーバ1は、二次利用者端末4に翻訳結果を提供する。また、管理サーバ1は、対象記事の翻訳や翻訳結果の二次利用については、翻訳依頼者や二次利用者から料金を徴収し、その一部を、コンテンツの利用料として著作者に支払う。なお、ここまでで簡単に説明した各処理については、後で詳述する。
次に、図2〜図7を参照して、管理サーバ1の構成について説明する。図2は、管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。図3は、依頼者データベース1510の説明図である。図4は、翻訳者データベース1520の説明図である。図5は、依頼管理データベース1530の説明図である。図6は、著作者データベース1540の説明図である。図7は、口座仮登録データベース1550の説明図である。
図2に示すように、管理サーバ1は、CPU10と、CPU10に各々接続されたROM11およびRAM12を備えている。CPU10には、その他、入出力(I/O)インタフェイス14が接続されている。I/Oインタフェイス14には、ハードディスク装置(HDD)15、マウスコントローラ16、キーコントローラ17、ビデオコントローラ18、および通信装置19が接続されている。
CPU10は、管理サーバ1の全体の制御を司る。ROM11は、BIOSを含む、管理サーバ1を動作させるための各種のプログラムを記憶している。CPU10は、ROM11や、後述するHDD15に記憶されたプログラムに従って、管理サーバ1の動作を制御する。RAM12は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。マウスコントローラ16、キーコントローラ17、およびビデオコントローラ18には、それぞれマウス161、キーボード171およびビデオコントローラ181が接続されている。通信装置19は、インターネット9およびその他のネットワークに接続し、外部機器との間でデータの送受信を行うためのものである。
ここで、HDD15の詳細について説明する。図2に示すように、HDD15は、依頼者データベース(DB)記憶エリア151、翻訳者データベース(DB)記憶エリア152、依頼管理データベース(DB)記憶エリア153、著作者データベース(DB)記憶エリア154、口座仮登録データベース(DB)記憶エリア155、翻訳結果記憶エリア158、対象記事記憶エリア159、およびプログラム記憶エリア160を含む複数の記憶エリアを備えている。
依頼者DB記憶エリア151には、翻訳依頼者に関する情報(以下、依頼者情報という)を格納する依頼者DB1510(図3参照)が記憶されている。依頼者情報は、翻訳依頼者の個人情報が依頼者端末2で入力され、管理サーバ1に送信される度に、1名毎に作成され、依頼者DB1510に登録される。図3に示すように、依頼者情報は、例えば、依頼者ID、氏名、住所、および連絡先を含む情報である。依頼者IDとは、各翻訳依頼者を識別するための識別コードである。氏名および住所は、翻訳依頼者の氏名および住所である。連絡先は、翻訳依頼者の連絡先である電子メールアドレスである。
翻訳者DB記憶エリア152には、翻訳者に関する情報(以下、翻訳者情報という)を格納する翻訳者DB1520(図4参照)が記憶されている。翻訳者情報は、管理サーバ1の運営者と翻訳者との間で翻訳委託契約が交わされた場合に、翻訳者1名毎に作成され、翻訳者DB1520に登録される。図4に示すように、翻訳者情報は、例えば、翻訳者ID、氏名、住所、連絡先、振込先口座、および言語を含む情報である。翻訳者IDとは、各翻訳者に固有の識別コードである。氏名、住所および連絡先は、翻訳者の氏名、住所およびメールアドレスである。振込先口座とは、翻訳者に対する報酬の振込先の銀行等の口座に関する情報である。言語とは、翻訳者が翻訳可能な言語である。
依頼管理DB記憶エリア153には、管理サーバ1が受け付けた翻訳依頼について、利用許諾状況や翻訳結果の利用許諾状況に関する情報(以下、依頼管理情報という)を格納する依頼管理DB1530(図5参照)が記憶されている。依頼管理情報は、新規の翻訳依頼1件毎に作成され、その翻訳依頼に対応する情報が順次追加されていく。図5に示すように、依頼管理情報は、例えば、依頼ID、依頼者ID、対象記事URL、対象記事トラックバック(TrackBack)URL、送信日、著作者ID、許諾依頼ページURL、返答トラックバックURL、許諾可否、翻訳者ID、翻訳ID、翻訳料金、二次利用料、および利用回数を含む情報である。なお、本実施形態では、依頼管理DB1530は、本発明の「依頼情報記憶手段」に相当する。
依頼IDは、各依頼管理情報を識別するための固有の識別コードである。依頼者IDは、翻訳依頼を行った翻訳依頼者の依頼者IDである。対象記事URLは、翻訳の対象である対象記事のURLである。対象記事トラックバックURLは、対象記事に関連づけられたWebページの情報を送信する送信先である、対象記事のトラックバックURLである。送信日は、対象記事のトラックバックURLにトラックバックピングが送信された日である。著作者IDは、対象記事の著作者の識別コードである、著作者IDである。許諾依頼ページURLは、対象記事に対応して作成される許諾依頼ページ204(図14参照)のURLである。返答トラックバックURLは、許諾依頼に対する返答を含むブログ記事が作成された場合のトラックバックピングの送信先として指定されたURLである。許諾可否は、現在の利用許諾交渉状況を示す情報である。例えば、図5では、「許諾」は、著作者から利用許諾が得られたことを示し、「拒否」は利用許諾が得られなかったことを示し、「依頼中」は、著作者に利用許諾の依頼中であることを示している。また、図5には図示されていないが、対象記事へのトラックバックが不可能と判断された場合には、許諾可否として、「TB不能」が記憶される。
翻訳者IDは、対象記事の翻訳依頼先の翻訳者の翻訳者IDである。すなわち、依頼管理DB1530に翻訳者IDが記憶されている場合、すでに対象記事の翻訳が翻訳者に依頼されたことを示している。翻訳IDは、翻訳結果を二次利用する際、翻訳結果記憶エリア158から翻訳結果を読み出すために使用される、翻訳結果の翻訳IDである。すなわち、依頼管理DB1530に翻訳IDが記憶されている場合、すでに対象記事の翻訳が完了し、翻訳結果が登録されていることを示している。翻訳料金は、対象記事の翻訳について、翻訳依頼者から徴収される金額である。二次利用料は、二次利用者に対象記事の翻訳結果を提供する際、二次利用者から徴収される金額である。利用回数は、対象記事の翻訳結果が二次利用された回数であり、初期値は0である。利用回数は、著作者への利用料を算出する際に使用される。なお、図5には図示されていないが、依頼管理情報には、対象記事の言語および翻訳先の言語、翻訳結果が登録された際の翻訳依頼者以外の連絡先等、その他の情報も含まれている。
著作者DB記憶エリア154には、翻訳がなされたブログの記事の著作者に関する情報(以下、著作者情報という)を格納する著作者DB1540(図6参照)が記憶されている。著作者情報は、著作者から対象記事の利用許諾が得られた場合に、著作者1名毎に作成され、著作者DB1540に記憶される。図6に示すように、著作者情報は、例えば、著作者ID、口座名義、振込口座、および依頼IDを含む情報である。著作者IDは、各著作者を識別するための固有の識別コードである。口座名義および振込口座は、著作者によって指定された、対象記事の利用料の振込先口座の名義人、および、銀行名や口座番号を含む情報である。依頼IDは、利用料が支払われる対象記事を特定するための、依頼管理情報の依頼IDである。なお、本実施形態では、著作者DB1540は、本発明の「支払先記憶手段」に相当する。
口座仮登録DB記憶エリア155には、指定された返答方法に従って管理サーバ1に送信された、利用料の振込先口座に関する情報(以下、口座情報という)を格納する口座仮登録DB1550(図7参照)が記憶されている。図7に示すように、口座情報は、例えば、確認番号、口座名義、および振込口座を含む情報である。確認番号は、各口座情報を識別するための固有の番号である。口座名義および振込口座は、口座情報の送信者によって指定された、対象記事の利用料の振込先口座の名義人、および、銀行や口座番号を含む情報である。なお、本実施形態では、口座仮登録DB1550は、本発明の「支払先記憶手段」に相当する。
詳細は図示しないが、図2に示す翻訳結果記憶エリア158には、著作者からの利用許諾が得られた後に、管理サーバ1からの依頼に応じて作成され、翻訳者端末3から送信された翻訳結果が、翻訳結果の識別コードである翻訳IDと対応付けて記憶されている。対象記事記憶エリア159には、Webサーバ5から取得された対象記事のデータが、対応する依頼管理情報の依頼IDと対応付けて記憶されている。プログラム記憶エリア160には、各種処理を管理サーバ1に実行させるための各種プログラムが記憶されている。HDD15には、その他、各種処理で使用される設定値等も記憶されている。
以下に、このように構成された管理サーバ1において行われる各種処理について、図8〜図22を参照して説明する。図8は、翻訳依頼処理のフローチャートである。図9は、翻訳依頼ページ201の説明図である。図10は、翻訳依頼処理で行われる新規依頼処理のフローチャートである。図11は、依頼確定問合せページ202の説明図である。図12は、新規依頼処理で行われる許諾依頼処理のフローチャートである。図13は、トラックバックURL問合せページ203の説明図である。図14は、許諾依頼ページ204の説明図である。図15は、翻訳依頼処理で行われる二次利用処理のフローチャートである。図16は、二次利用問合せページ205の説明図である。図17は、口座情報受付処理のフローチャートである。図18は、口座登録ページ206の説明図である。図19は、返答作成依頼ページ207の説明図である。図20は、返答監視処理のフローチャートである。図21は、翻訳結果登録処理のフローチャートである。図22は、報酬支払い処理のフローチャートである。なお、図8、図10、図12、図15、図17、図20〜図20に示す各処理は、HDD15のプログラム記憶エリア160に記憶されたプログラムに従って、CPU10により実行される。
まず、図8および図9を参照して、翻訳依頼処理について説明する。この処理は、依頼者端末2から送信された翻訳依頼に応じて、利用許諾交渉を行ったり、すでに登録されている翻訳結果を提供したりする処理である。
翻訳依頼者が、依頼者端末2でWebブラウザを起動し、管理サーバ1が公開する翻訳依頼サイトにアクセスすると、依頼者端末2のディスプレイには、管理サーバ1から送信された表示用データに基づき、メニュー(図示外)が表示される。図8に示す翻訳依頼処理は、このメニューで「翻訳依頼」が選択され、その情報を管理サーバ1が受信すると開始される。処理が開始されるとまず、管理サーバ1のCPU10は、翻訳依頼ページ201(図9参照)の表示用データを依頼者端末2に送信し、翻訳依頼ページ201を依頼者端末2に表示させる(S1)。図9に示すように、翻訳依頼ページ201には、対象記事のURL、対象記事の言語(以下、元言語という)、および翻訳先の言語(以下、翻訳先言語という)をそれぞれ指定するための入力欄と、OKボタンとが設けられている。翻訳依頼者によって入力欄への入力が行われ、OKボタンが選択されると、入力された情報が依頼者端末2から管理サーバ1に送信され、受け付けられて、RAM12に一時的に記憶される(S2)。なお、本実施形態では、翻訳対象である対象記事が、本発明の「対象コンテンツ」に相当し、対象記事のURLが、「対象コンテンツ情報」に相当する。
続いて、対象記事の翻訳先言語への翻訳の依頼が、すでに受け付けられているか否かの判断が行われる(S3)。より具体的には、依頼管理DB1530に、S2で受け付けられたのと同一の対象記事URL、元言語および翻訳先言語を含む依頼管理情報がすでに記憶されているか否かが判断される。同一の翻訳依頼が受け付けられていなければ(S3:NO)、受け付けられたのは新規の翻訳依頼であるから、新規依頼処理が行われる(S10、図10)。一方、同一の翻訳依頼がすでに受け付けられている場合には(S3:YES)、翻訳が完了しているか否かが判断される(S4)。より具体的には、依頼管理DB1530において、その翻訳依頼に対応する翻訳IDが記憶されているか否かが判断される。翻訳IDが記憶されていれば、翻訳依頼に応じて作成された翻訳結果がすでに翻訳結果記憶エリア158に記憶されている。したがって、この場合には、翻訳は完了していると判断され(S4:YES)、翻訳結果を二次利用する場合の処理である二次利用処理(S20、図15)が行われる。一方、依頼管理DB1530に、同一の対象記事URL、元言語および翻訳先言語は記憶されているが、翻訳IDが記憶されていない場合には(S4:NO)、現在、対象記事は翻訳中である。したがって、CPU10は、翻訳が完了して翻訳結果が登録された後に、翻訳依頼者に連絡して二次利用できるようにするために、連絡先の入力を受け付けるための連絡先受付ページ(図示外)の表示用データが依頼者端末2に送信される(S5)。その後、依頼者端末2から送信される連絡先が受け付けられ、依頼管理DB1530の同一の翻訳依頼の依頼管理情報において、追加連絡先として記憶される(S6)。
図10および図11を参照して、図8の翻訳依頼処理のS10で行われる新規依頼処理について説明する。処理が開始されると、まず、予め設定された方法で翻訳料金が算出される(S11)。例えば、HDD15の所定の記憶エリアに、1単語あたり、または1ページあたりの単価を記憶させておき、対象記事の単語数または文字数に基づいて、翻訳料金を算出すればよい。または、対象記事の難易度や、専門性の高さに応じて、翻訳料金を高くする算出方法を採用してもよい。算出された翻訳料金は、RAM12に一時的に記憶される。翻訳料金が算出されると、依頼を確定するか否かを問合せるページの表示用データが依頼者端末2に送信され、依頼確定問合せページ202(図11参照)が、依頼者端末2に表示される(S12)。依頼確定問合せページ202には、例えば図11に示すように、対象記事のURL、元言語および翻訳先言語、ならびに、算出された翻訳料金が表示される。他に、翻訳結果の予定納期等を表示させてもよい。また、依頼確定問合せページ202には、表示された条件で翻訳を依頼するか否かを問うメッセージと、依頼を確定するためのOKボタンおよび依頼をキャンセルするためのキャンセルボタンが表示される。
翻訳依頼者がOKボタンまたはキャンセルボタンを選択し、その入力情報が依頼者端末2から管理サーバ1へ送信され、管理サーバ1で受け付けられると(S13)、受信された情報が依頼を確定するものか否かが判断される(S14)。キャンセルボタンが選択されたことを示す情報が受信されていれば、依頼がキャンセルされたと判断され(S14:NO)、図10の新規依頼処理は終了して、図8の翻訳依頼処理に戻る。一方、OKボタンが選択されたことを示す情報が受信されていれば、依頼が確定されたと判断され(S14:YES)、許諾依頼処理(S15、図12)が行われた後、図10の新規依頼処理は終了して、図8の翻訳依頼処理に戻る。
図12〜図14を参照して、許諾依頼処理の詳細について説明する。図12に示す許諾依頼処理が開始されるとまず、管理サーバ1から依頼者端末2に表示用データが送信され、依頼者端末2では、個人情報入力ページ(図示外)が表示される(S111)。個人情報入力ページには、翻訳依頼者の氏名、住所、連絡先のメールアドレスの入力欄と、入力を確定するためのOKボタンが表示される。他に、電話番号や頻繁に閲覧するWebサイトの入力欄等を設けてもよい。OKボタンが選択されると、依頼者端末2から入力された情報が管理サーバ1に送信され、受け付けられる(S112)。受け付けられた情報(氏名、住所、連絡先)に、依頼者IDが割り当てられ、依頼者情報として依頼者DB1510に登録される。なお、過去に翻訳依頼をしたことがある翻訳依頼者については、すでに依頼者DB1510(図3参照)に依頼者情報が登録されているので、新たに登録する必要はない。
続いて、依頼管理DB1530(図5参照)に、依頼管理情報が新規登録される(S113)。具体的には、新たな依頼IDが割り当てられ、翻訳依頼処理(図8)のS2で受け付けられた対象記事URL、元言語および翻訳先言語、新規依頼処理(図10)のS11で算出された翻訳料金、ならびにS112で取得された依頼者IDが、依頼管理DB1530の対応する欄にそれぞれ記憶される。また、許諾可否欄には、利用許諾の依頼中であることを示す「依頼中」が記憶される。図5には図示されていないが、翻訳依頼処理(図8)のS6で取得された追加連絡先も記憶される。
対象記事URLに基づいて対象記事のデータが取得され、依頼IDと対応づけて、対象記事記憶エリア159に記憶される(S114)。そして、取得された対象記事のデータに含まれるトラックバックURLが検索される(S115)。ブログで公開される記事の多くは、RDF(Resource Description Framework)で記述されたメタデータを有する。ブログの記事のメタデータとは、記事の内容そのもののデータではなく、記事に関連する情報のデータであり、例えば、記事のURL、タイトル、作成日時、トラックバックURL等を含んでいる。なお、本実施形態では、対象記事のトラックバックURLが、本発明の「関連情報送信先」に相当する。
そこで、本実施形態では、対象記事のメタデータ中のトラックバックURLが検索される。検索の結果、トラックバックURLが発見されれば(S117:YES)、発見されたトラックバックURLが、依頼管理DB1530に記憶される(S122)。一方、トラックバックURLが発見できない場合には(S117:NO)、対象記事が公開されているブログは、トラックバック機能に対応していない可能性がある。そこで、依頼者端末2にトラックバックURLを問合せるためのページの表示用データが送信され、例えば、図13に示すトラックバックURL問合せページ203が表示される(S118)。トラックバックURL問合せページ203には、対象記事URLおよび対応するトラックバックURLを入力するよう促すメッセージが表示され、トラックバックURLの入力欄、OKボタン、および不明ボタンが設けられている。
翻訳依頼者が対象記事の公開されているブログを確認する等してトラックバックURLを発見し、入力欄に入力してOKボタンを選択した場合には、入力されたトラックバックURLが、管理サーバ1に送信され、問合せ結果として受け付けられ、RAM12に記憶される(S119)。一方、翻訳依頼者が、トラックバックURLが発見できず、不明ボタンを選択した場合には、その情報が管理サーバ1に送信され、問合せ結果として受け付けられる(S119)。トラックバックURLが受け付けられた場合には、トラックバックURLが判明したので、(S121:YES)、受け付けたトラックバックURLが、依頼管理DB1530に記憶される(S122)。一方、依頼者端末2で不明ボタンが選択された場合には、ブログがトラックバック機能を備えていない等の理由で、トラックバックURLは判明していない(S121:NO)。よって、対象記事に対するトラックバックをすることができない。前述したように、本実施形態では、トラックバック機能を利用して自動的に利用許諾の依頼を行うので、トラックバックができなければ、依頼を行うことができない。よって、依頼管理DB1530の許諾可否欄に記憶されている「依頼中」が、トラックバック不可能であることを示す「TB不能」に変更される(S125)。そして、別途何らかの方法で利用許諾交渉を行うため、管理サーバ1のオペレータに、対象記事へのトラックバックが不可能である旨の通知をした後(S126)、図12の許諾依頼処理を終了して、図10の新規依頼処理に戻る。
トラックバックURLが取得でき、依頼管理DB1530に記憶された場合には(S117:YESまたはS121:YES→S122)、対象記事の著作者に対して利用許諾を依頼するための許諾依頼ページ204(図14参照)が作成される(S123)。許諾依頼ページ204には、例えば図14に示すように、著作者に対して利用許諾を依頼する依頼文、許諾対象記事のURL、許諾条件、および許諾方法の案内、および注意事項が記載される。なお、本実施形態では、許諾依頼ページ204は、本発明の「依頼コンテンツ」に相当する。
許諾条件には、例えば、管理サーバ1の運営者によって定められる、利用許諾の範囲および著作者に支払われる利用料を含めることができる。利用許諾の範囲として、本実施形態では、対象記事の翻訳と、翻訳結果の第三者への提供とが定められている。また、著作者へ支払われる利用料として、翻訳料金の3%と、翻訳結果の第三者への提供料、すなわち、二次利用料の3%とが定められている。これらの範囲や金額(還元率)は、必ずしもこの例に限られず、管理サーバ1の運営者が適宜定め、例えばHDD15の所定の記憶エリアに記憶させておけばよい。許諾方法の案内には、利用許諾に同意する場合に、利用料の振込先口座を指定し、さらに手続を進めるためのページである、口座登録ページ206(図18参照)へのリンクが張られたURLが記載されている。したがって、著作者が利用許諾に同意する場合には、このURLを参照することにより、次の手続段階に進むことができる。なお、口座登録ページで口座情報が入力された場合については、後で詳述する。
さらに、図14に示す許諾依頼ページ204には、注意事項として、著作者が著作権者でない場合の対処法が記載されている。前述したように、著作物であるブログの記事の著作権は、原始的には著作者に帰属する。したがって、原則的には、著作者は著作権者であるため、著作者から利用許諾を得ればよい。しかし、例えば、ブログによっては、著作者が著作権をブログの運営者に譲渡することに同意した場合に限って利用できるものもある。また、例えば、著作者が第三者に個別に著作権を譲渡してしまった場合もありうる。そのような場合、著作者ではなく、著作権を譲り受けた現在の著作権者の利用許諾を得る必要がある。通常、著作者は著作権者の情報を有しているため、著作者から著作権者の連絡先等の情報を得られる可能性は高い。そこで、著作権を譲渡した著作者から、個別に著作権者の情報を得るためのメールアドレスが記載されている。このように、著作者から著作権者の情報を積極的に得ることにより、著作権者に利用許諾を依頼できる可能性が高くなる。
許諾依頼ページ204が作成されるのと合わせて、許諾依頼ページ204のURLと、許諾依頼に対して後で返答が作成された際の通知であるトラックバックピングを受け付けるための返答トラックバックURLが割り当てられ、依頼管理DB1530に記憶される(S123)。なお、許諾依頼ページ204は、対象記事1件毎に作成されるので、各URLは各対象記事に固有のURLである。その後、対象記事のトラックバックURLへトラックバックピングが送信される(S124)。本実施形態で送信されるトラックバックピングには、トラックバック元の許諾依頼ページ204のタイトルである「著作者様への利用許諾に関するお願い」と、許諾依頼ページ204のURLが含まれている。以下、トラックバックピングに含まれる情報を、トラックバック情報という。トラックバックピングが送信されると、図12の許諾依頼処理は終了し、図10の新規依頼処理に戻る。なお、対象記事を含むブログのWebサーバ5は、受信したトラックバック情報に基づいて、対象記事に対するトラックバック元の一覧を自動的に生成し、対象記事のWebページにリンク表示させることができる。したがって、対象記事の著作者は、トラックバック元として表示された許諾依頼ページ204を容易に参照して閲覧することができる。なお、本実施形態では、許諾依頼ページ204のURLが、本発明の「依頼コンテンツ情報」に相当する。
次に、図15および図16を参照して、図8の翻訳依頼処理のS20で行われる二次利用処理について説明する。処理が開始されるとまず、管理サーバ1から、二次利用者端末4に対して、二次利用問合せページ205(図16参照)の表示用データが送信され、二次利用者端末4に利用問合せページ205が表示される(S21)。図16に示すように、二次利用問合せページ205には、対象記事URL、言語、および二次利用料が記載されている。二次利用料は、例えば、翻訳料金の10%というように、予め管理サーバ1の運営者によって定められ、HDD15の所定の記憶エリアに記憶されている。また、利用に同意する場合に、二次利用者から二次利用料を徴収するためのクレジットカードの情報の入力欄が設けられている。二次利用者が、カード番号、名義等、クレジットカードの情報を入力し、OKボタンを選択した場合には、クレジットカードの情報が管理サーバ1に送信され、問合せ結果として受け付けられる(S22)。二次利用者が、利用問合せページ205に表示された条件に同意せず、キャンセルボタンを選択した場合には、その情報が管理サーバ1に送信され、受け付けられる(S22)。
問合せ結果として、キャンセルボタンが選択されたことを示す情報が受け付けられた場合には、二次利用が確定されていないので(S23:NO)、そのまま図15に示す二次利用処理は終了し、図8の翻訳依頼処理に戻る。一方、二次利用を確定することを示すクレジットカードの情報が受け付けられた場合には、二次利用料金の請求処理が行われる(S24)。具体的には、受け付けられたクレジットカードの情報に基づき、二次利用者から二次利用料を徴収するための依頼データが、クレジットカード会社の管理装置へ送信される。そして、依頼管理DB1530の利用回数欄に記憶された利用回数に1が加算される(S25)。翻訳IDに基づいて、翻訳結果記憶エリア158から対応する翻訳結果が読み出され、二次利用者端末4で表示可能な表示用データに変換されて送信されると(S26)、図15の二次利用処理は終了し、図8の翻訳依頼処理に戻る。
以上に説明したように、翻訳依頼処理では、翻訳依頼が新規であれば、著作者に対してトラックバック機能を用いて利用許諾を依頼する処理が行われ、翻訳依頼が新規でなく、翻訳がすでに完了している場合には、翻訳結果を二次利用する処理が行われる。
次に、図17〜図19を参照して、口座情報受付処理について説明する。この処理は、前述した許諾依頼処理(図12参照)において対象記事へのトラックバックが行われ、対象記事にリンクされた許諾依頼ページ204(図14参照)に表示される指示に従って口座情報が入力された場合の処理である。
図17の口座情報受付処理は、管理サーバ1の電源がONである間、継続して繰り返し行われる。まず、口座登録ページ206の表示要求があったか否かが判断される(S31)。前述したように、対象記事にリンクされた許諾依頼ページ204(図14参照)には、利用許諾に同意する場合には振込口座に関する情報の登録を行うよう依頼する依頼文と、口座登録ページ206(図18参照)のURLが表示されている(3.許諾方法の案内)。口座登録ページ206のURL表示にはリンクが張られているので、このURLが選択されると、口座登録ページ206の表示要求が管理サーバ1に送信される。管理サーバ1のCPU10は、表示要求を受信しない間は、受信するまで待機する(S31:NO→S31)。表示要求を受信すると(S31:YES)、口座登録ページ206の表示用データを、表示要求の送信元に送信する(S32)。なお、本実施形態では、口座登録ページ206は、本発明の「入力画面コンテンツ」に相当し、そのURLは、「入力画面コンテンツ情報」に相当する。
なお、表示要求の送信元は、対象記事の著作者の著作者端末6である場合と、著作者端末6以外の端末装置である場合がある。前述したように、対象記事はブログで公開されており、著作者以外でも閲覧することができる。したがって、対象記事へのトラックバック元の一覧表示から、著作者以外の者が許諾依頼ページ204(図14参照)を参照した場合、さらに口座登録ページ206を参照することができるためである。
口座登録ページ206には、例えば図18に示すように、入力を促すメッセージおよび対象記事のURLが表示され、著作者に対する利用料の振込先口座の口座情報を入力するための入力欄、およびOKボタンが設けられている。口座情報が入力され、OKボタンが選択されると、口座情報が管理サーバ1に送信され、受け付けられる(S33)。続いて、確認番号が生成される(S34)。確認番号は、口座情報が受信される毎に割り当てられる固有の番号である。そして、生成された確認番号に対応づけられた口座情報が、口座仮登録DB記憶エリア155の口座仮登録DB1550(図7参照)に新規登録される。口座情報は、本来、対象記事の著作者から入力される情報のみが必要である。しかし、前述したように、口座登録ページ206は著作者以外でも容易に参照できるので、著作者以外から入力された情報も管理サーバ1で受け付けられてしまう。そこで、このように、受け付けられた口座情報は、すべて確認番号を付与して仮登録しておき、後で、著作者から入力された口座情報を識別するのに使用される。なお、本実施形態では、口座情報毎に生成される確認番号は、本発明の「識別情報」に相当する。
口座情報が仮登録されると(S35)、返答作成依頼ページ207(図19参照)の表示用データが生成され、口座情報の送信元に送信された後(S36)、処理は口座登録ページ206の表示要求を受信したか否かの判断に戻る。返答作成依頼ページ207には、例えば図19に示すように、対象記事のURLおよび仮登録された口座情報が確認のために表示され、さらに、利用許諾依頼に対する返答記事の作成方法が指示されている。具体的には、対象記事と同一のブログ内に、規定の書式をコピーした返答を作成し、指定されたトラックバックURL(返答トラックバックURL)にトラックバックする方法が指示されている。規定の書式には、口座情報に割り当てられた固有の確認番号、対象記事URL、および規定の許諾文が含まれている。したがって、返答の作成者は、返答作成依頼ページ207に記載された規定の書式をコピーして、自己のブログの記事に貼り付けるだけで、許諾依頼に対する返答を容易に作成することができる。なお、本実施形態では、返答作成依頼ページ207は、本発明の「指示画面コンテンツ」に相当する。
次に、図20を参照して、返答監視処理について説明する。この処理では、許諾依頼に対する返答の有無や、著作者からの通知の有無が監視されており、必要に応じて各種の処理が行われる。
図20の返答監視処理は、管理サーバ1の電源がONである間、継続して繰り返し行われる。まず、返答トラックバックURLへのトラックバックがあったか否か、すなわち、トラックバックピングを受信したか否かが判断される(S41)。このトラックバックピングは、返答作成依頼ページ207に記載された指示に従って、利用許諾依頼に対する返答が作成された場合に送信されるものである。トラックバックピングを受信していなければ(S41)、返答はまだ作成されていない。そこで、著作者権者の情報を受信したか否かが判断される(S51)。前述したように、著作者が著作権を譲渡しており、別途、著作権者から利用許諾を得なければならない場合に、許諾依頼ページ204(図14参照)の注意事項として記載された指示により、著作者から、指定のメールアドレスに著作権者の情報が送信される場合がある。よって、このメールアドレスへのメールを受信した場合には(S51:YES)、個別に著作権者との交渉を行うべく、管理サーバ1のオペレータに通知がなされ(S58)、CPU10はトラックバックピング受信の監視に戻る(S41)。
一方、著作権者の情報も受信していなければ(S51:NO)、所定期間が経過した依頼管理情報があるか否かが判断される(S52)。著作者の返答があるまで何も処理を行わないとすると、翻訳依頼者は、翻訳結果を入手できるのか、また、できるならいつになるのかがわからないまま待ち続けることになる。そこで、依頼管理DB1530が参照され、返答がないまま、トラックバックピングの送信日から所定期間が経過した依頼管理情報がある場合には(S52:YES)、許諾の同意が得られなかったとみなして処理が行われる。なお、所定期間として、予め設定され、例えばHDD15の所定の記憶エリアに記憶された期間(例えば、2週間)を使用することができる。まず、トラックバックピングの送信日から所定期間が経過している依頼管理情報において、許諾可否が「依頼中」から「拒否」に変更される(S55)。そして、その依頼管理情報に含まれる依頼者IDに対応する翻訳依頼者の連絡先に、依頼無効の通知メールが送信される(S56)。このメールには、例えば、著作者から翻訳に関する許諾が得られなかったため、翻訳を行うことができない旨が記載される。依頼無効通知メールの送信後、CPU10は、トラックバックピングの受信有無の監視に戻る(S41)。
返答作成依頼ページ207のトラックバックURLへのトラックバックピングを受信した場合には(S41:YES)、利用許諾依頼に対する返答が、指示通り、対象記事と同一ブログに作成されているか否かが判断される。具体的には、トラックバックピングにトラックバック情報として含まれるトラックバック元のURLが、利用許諾の対象記事の著作者のブログアカウントに属するか否かが判断される(S42)。前述したように、返答トラックバックURLは、対象記事毎に割り当てられるので、依頼管理DB1530に記憶されている返答トラックバックURLに対応する対象記事URLと、受信したトラックバック情報に含まれるトラックバック元のURLとが比較される。例えば、対象記事URLが「http//www.blog4.co.jp/abc/080212」であり、トラックバック元のURLが「http//www.blog4.co.jp/abc/080303」であったとする。この場合、ブログのユーザアカウントに対応する部分(http//www.blog4.co.jp/abc/)が同一であるため、両者は同一のアカウントに属すると判断される(S42:YES)。このような場合、対象記事の著作者からの返答がトラックバック元のURLに公開されていると判断される。なお、本実施形態では、受信したトラックバック情報に含まれるトラックバック元のURLが、「返答コンテンツ情報」に相当する。
前述したように、許諾依頼ページ204(図14参照)、口座登録ページ206(図18参照)、および返答作成依頼ページ207(図19参照)は、すべて著作者以外の者も閲覧できる。よって、著作者以外の者からのトラックバックが可能であるが、このように、ブログのアカウントを参照することにより、著作者からのトラックバックと、著作者以外の者からのトラックバックとを区別し、著作者からの返答のみを抽出することができる。
対象記事URLとトラックバック元のURLが同一のアカウントに属すると判断された場合には(S42:YES)、CPU10は、トラックバック元URLに表示要求を送信し、要求に応じて送信されたデータに基づき、返答を確認する(S43)。返答は、前述したように、規定の書式通りに作成されていれば、口座情報登録時に割り当てられた確認番号、対象記事URL、および許諾文が記載されているはずである。したがって、CPU10は、口座仮登録DB1550(図7参照)に記憶されているエントリの内、当該エントリの確認番号が返答の確認番号と一致するものがあるか否か、返答の対象記事URLが依頼管理DB1530(図5参照)に記憶されている対象記事URLと一致するか、および許諾文が規定の許諾文と一致するか否かを確認する。いずれも一致する場合には、トラックバック元の返答は、著作者からの対象記事の利用許諾依頼に対する同意の返答であると判断される(S44:YES)。したがって、CPU10は、口座仮登録DB1550に仮登録されていた、返答に記載されている確認番号を有する口座情報を読み出し、口座名義および振込口座を、新たに割り当てた著作者IDおよび対応する依頼IDとともに、著作者情報として著作者DB1540(図6参照)に登録する(S45)。なお、著作者DB1540に、すでに同一の口座名義および振込口座が記憶されている場合には、新規登録はされず、著作者情報が更新される。具体的には、著作者ID、口座名義および振込口座はそのままとされ、依頼ID欄に、新たな依頼IDが追加される。また、口座仮登録DB1550からは、該当する口座情報が削除される(S46)。さらに、依頼管理DB1530において、対応する依頼管理情報の許諾可否を、「依頼中」から「許諾」に変更する(S47)。このようにして、HDD15の該当するデータベースに記憶された情報が、適宜更新される。
続いて、翻訳依頼者に対して、翻訳料金の請求処理が行われる(S48)。具体的には、例えば、カード番号、名義等、クレジットカードの情報の入力用ページの表示用データが依頼者端末2に送信される。そして、翻訳依頼者から入力されたクレジットカードの情報に基づき、翻訳依頼者から翻訳料金を徴収するための依頼データが、クレジットカード会社の管理装置へ送信される。翻訳料金請求後、翻訳者への翻訳依頼が行われる(S49)。具体的には、まず、翻訳者DB1520に記憶された翻訳者のうち、対象記事の元言語および翻訳先言語の翻訳が可能な翻訳者が1名選択される。なお、ここでの翻訳者選択方法は、どのような方法を採用してもよい。選択された翻訳者の翻訳者IDは、依頼管理DB1530に記憶される。そして、選択された翻訳者の連絡先に、依頼IDと、対象記事URLを記載した翻訳依頼メールが送信される。翻訳依頼メールには、対象記事記憶エリア159に記憶されている対象記事のデータを添付してもよい。翻訳者への翻訳依頼が行われた後、トラックバックピングの受信有無の監視に戻る(S41)。なお、翻訳依頼は、翻訳者1名に限らず、記事を複数に分割して、複数の翻訳者に依頼することも可能である。
返答トラックバックURLへのトラックバックピングは受信したが(S41:YES)、対象記事URLとトラックバック元URLが同一のブログアカウントに属さないと判断された場合には(S42:NO)、トラックバック元に作成されている返答は、対象記事の著作者のものではない。したがって、CPU10は、この返答については何も処理を行わず、トラックバックピングの受信有無の監視に戻る(S41)。また、対象記事URLとトラックバック元URLが同一のブログアカウントに属する、すなわち、著作者からの返答である場合でも(S42:YES)、次のような場合には、許諾の同意が得られなかったと判断される(S44:NO)。すなわち、返答の確認番号が口座情報にない場合、対象記事URLが一致しない場合、および許諾文が規定の文章と一致しない場合の少なくともいずれかに該当する場合である。この場合には、依頼管理DB1530の許諾可否が「依頼中」から「拒否」に変更され(S55)、翻訳依頼者の連絡先に、依頼無効の通知メールが送信される(S56)。依頼無効通知メールの送信後、CPU10は、トラックバックピングの受信有無の監視に戻る(S41)。
以上に説明したように、返答監視処理では、利用許諾依頼に対する返答の有無、返答があった場合の送信者の適格性および内容判断、および著作者が著作権を譲渡した場合の通知の有無が監視され、必要に応じて適切な処理が行われる。
次に、図21を参照して、翻訳結果登録処理について説明する。この処理では、翻訳依頼に応じて作成された翻訳結果が翻訳依頼者に提供されるとともに、翻訳料金の徴収が行われ、著作者には利用料が支払われる。
翻訳者は、前述のように依頼を受けた対象記事の翻訳を行った後、翻訳者端末3でWebブラウザを起動し、管理サーバ1が公開する翻訳依頼用サイトにアクセスして、メニューから「翻訳結果登録」を選択する。すると、その情報が管理サーバ1に受け付けられ、図21に示す翻訳結果登録処理が開始される。まず、翻訳結果登録ページ(図示外)の表示用データが翻訳者端末3に送信され、翻訳者端末3に翻訳結果登録ページが表示される(S61)。翻訳結果登録ページには、少なくとも、依頼IDの入力欄、翻訳結果ファイルの添付欄、および登録ボタンが設けられている。翻訳者が、翻訳依頼時に受信した依頼IDを入力し、翻訳結果ファイルを添付して、登録ボタンを選択すると、依頼IDと翻訳結果ファイルが管理サーバ1に送信される。依頼IDと翻訳結果ファイルは、管理サーバ1で受け付けられ、新たに割り当てられた翻訳IDとともに、翻訳結果記憶エリア158に登録される(S62)。また、依頼管理DB1530に翻訳IDが記憶されることにより、依頼管理情報が更新される。(S63)。
翻訳が出来上がったので、依頼管理DB1530と依頼者DB1510が参照され、翻訳依頼者の連絡先および追加連絡先に、翻訳完了通知のメールが送信される(S64)。なお、翻訳依頼者は、すでに翻訳料金を支払い済みであるから、翻訳依頼者へのメールには、翻訳結果のURLが記載されており、翻訳依頼者はそのURLを参照するだけで、翻訳結果を閲覧することができる。一方、追加連絡先の依頼者は、翻訳料金は支払っておらず、二次利用者と同じ扱いになる。したがって、追加連絡先へのメールには、対象記事の翻訳が完了した旨と、二次利用問合せページ205(図16参照)のURLが記載される。よって、追加連絡先の依頼者は、二次利用者と同様にして、翻訳結果を二次利用することができる。
また、翻訳者に対する報酬が算出され、振込み処理が行われる(S65)。報酬は、例えば、翻訳依頼者によって支払われた翻訳料金の80%として算出することができる。翻訳者の報酬を算出するための料率は、管理サーバ1の運営者が適宜設定し、例えばHDD15の所定の記憶エリアに記憶させておけばよい。振込み処理では、例えば、翻訳者DB1520に記憶された翻訳者の振込口座の情報に基づいて、算出された報酬の振込処理用のデータが作成される。作成されたデータは、インターネット9または専用のネットワークを通じて、該当する銀行の管理装置(図示外)に転送すればよい。また、翻訳料金に対して著作者に支払われる利用料が算出され、振込み処理が行われる(S66)。翻訳料金に対して著作者に支払われる利用料は、前述したように、例えば、翻訳料金の3%と設定されている。したがって、設定された料率に応じて利用料が算出され、著作者DB1540に記憶された翻訳者の振込先口座の情報に基づいて、算出された利用料の振込処理用のデータが作成される。その後、作成されたデータは、翻訳者の場合と同様に、該当する銀行の管理装置(図示外)に転送される。翻訳者および著作者への振込処理の後、図21の翻訳結果登録処理は終了する。
次に、図22を参照して、報酬支払い処理について説明する。この処理は、所定の期間毎に翻訳結果の二次利用料を算出し、二次利用料に対する利用料を著作者に支払う処理である。所定の期間を1ヶ月とする場合、例えば、毎月末日の0時に報酬支払い処理を開始すればよい。所定の期間は、管理サーバ1の運営者が適宜設定し、例えばHDD15の所定の記憶エリアに記憶させておけばよい。
処理が開始されると、まず、著作者DB1540から、最初の著作者の著作者情報が読み出される(S91)。図6に示す例では、著作者ID「C1」の著作者情報が読み出される。そして、著作者情報に含まれる依頼IDに対応する二次利用料と利用回数が、依頼管理DB1530から読み出される(S92)。図6に示す例では、依頼IDが「1」および「3」の二次利用料(¥500および¥400)と利用回数(50および100)がRAM12に取得される。これらの情報と、予め定められた著作者への還元率(例えば、3%)に基づいて、著作者に支払われる利用料が算出される(S93)。前述の例では、著作者に支払われる利用料は、{(¥500×50)+(¥400×100)}×3%=¥1,950と算出される。続いて、翻訳料金に対する利用料の振込処理(図21、S66)と同様にして、算出された利用料の振込み処理が行われる(S94)。最初の著作者の処理が完了したので、著作者DB1540に記憶されているすべての著作者情報について、処理が完了したか否かが判断される(S95)。図6の例のように、まだ処理されていない著作者情報があれば(S95:NO)、処理はS91に戻り、次の著作者情報が読み出される。そして、同様に前述のS91〜S95の処理が繰り返される。すべての著作者情報の処理が完了すると(S95:YES)、依頼管理DB1530に記憶されているすべての利用回数が次の処理のために0にクリアされ(S96)、図22の報酬支払い処理は終了する。
以上に説明したように、本実施形態の翻訳依頼システム30では、管理サーバ1によって、翻訳依頼者が使用する依頼者端末2から受け付けられた翻訳依頼について、自動的に著作者に対する利用許諾の依頼が行われる。利用許諾依頼には、翻訳対象のWebコンテンツであるブログの対象記事と別のWebコンテンツである許諾依頼ページ204(図14参照)とを双方向に関連付ける、トラックバック機能が利用される。トラックバックを受けた対象記事の著作者は、許諾依頼ページ204を参照して、許諾依頼の内容を知ることができる。対象記事の著作者が著作権を譲渡していない場合には、著作者と著作権者は同一であるため、このようにして、著作権者(=著作者)に対して、直接、利用許諾の依頼をすることができる。また、著作者から第三者に著作権が譲渡されている場合であっても、通常、著作者は著作権者に関する情報を持っているため、著作者から著作権者の情報を得たり、著作者を通じて著作権者に利用許諾の依頼をしたりできる可能性が高くなる。したがって、対象記事の著作権者やその連絡先が不明の場合でも、管理サーバ1により、著作権者への利用許諾の依頼を効率的に行うことができる。
許諾依頼ページ204には、対象記事URLおよび利用料が記載されるので、トラックバックを受けた対象記事の著作者は、利用許諾に同意するか否かの判断が容易となる。また、著作者は、許諾依頼ページ204に記載された指示に基づき、利用料の振込口座の登録後、利用許諾の依頼に対する返答を記載した記事を対象記事と同一のブログ内に作成し、管理サーバ1の返答受付用のトラックバックURLにトラックバックする。このように、返答を記載した記事が同一ブログ内に作成されることにより、対象記事の許諾依頼に対する返答が著作者からのものであることが明確となる。そして、返答の内容に基づき、翻訳依頼や翻訳依頼者への依頼無効通知を行うことが可能となる。一方、利用料の振込口座の情報を、返答とあわせてブログの記事に記載したのでは、振込口座の情報が公開されてしまうことになり問題である。したがって、利用料の振込口座の登録には、別の口座登録ページ206(図18参照)が用意されており、著作者は、振込口座の情報を他人に公開することなく入力することができる。入力された振込口座の情報は、固有の確認番号とともに管理サーバ1に仮登録されている。したがって、確認番号を返答の記事に記載させることによって、仮登録された振込口座の情報から、著作者の情報を識別することができる。
本実施形態では、図8のS2および図12のS113の処理が、本発明の「受付けステップ」に相当し、処理を行うCPU10が、「受付け手段」に相当する。図12のS115〜S119の処理が、「情報送信先取得ステップ」に相当し、処理を行うCPU10が、「情報送信先取得手段」に相当する。S123の処理が、「依頼コンテンツ作成ステップ」に相当し、処理を行うCPU10が、「依頼コンテンツ作成手段」に相当する。S124の処理が、「依頼送信ステップ」に相当し、処理を行うCPU10が、「依頼送信手段」に相当する。図12のS117およびS121の処理が、「通知判断ステップ」に相当する。図20のS41の処理が、「返答受信判断ステップ」に相当し、S42の処理が「アカウント判断ステップ」に相当し、S43〜S44の処理が、「返答判断ステップ」に相当する。図20のS56および図21のS64の処理が「結果通知ステップ」に相当する。図17のS32の処理が、「入力画面コンテンツ送信ステップ」に相当し、S34の処理が「識別情報生成ステップ」に相当し、S35の処理が「支払先仮登録ステップ」に相当し、S36の処理が、「指示画面コンテンツ送信ステップ」に相当する。図20のS45の処理が、「支払先正式登録ステップ」に相当する。図20のS49の処理が、「翻訳依頼送信ステップ」に相当し、図21のS62の処理が、「翻訳コンテンツ登録ステップ」に相当し、S64の処理が、「翻訳完了通知ステップ」に相当する。
<第2の実施形態>
以下に、図23〜図25を参照して、第2の実施形態について説明する。図23は、第2の実施形態に係る管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。図24は、第2の実施形態に係る依頼管理DB1530の説明図である。図25は、第2の実施形態に係る許諾依頼処理のフローチャートである。
本実施形態は、管理サーバ1によって、著作権者への利用許諾依頼の必要性およびサイトの種類を考慮した上で、必要に応じて利用許諾の依頼が行われる点に特徴を有する。例えば、第1の実施形態では、すべての翻訳依頼について、トラックバックによる利用許諾の依頼が試みられる。しかしながら、例えば、Webサイトの中には、そこで公開するWebコンテンツの利用について、著作権による制限を一切課さないことを明示しているものがある。つまり、このようなWebサイトで公開されているWebコンテンツについては、著作権者の新たな許諾を得ることなく、翻訳したり、翻訳結果を第三者に提供したりすることが可能である。そこで、本実施形態では、著作権者の新たな許諾を得る必要がない場合には、利用許諾の依頼は行わず、直ちに翻訳依頼に移ることとしている。
また、第1の実施形態では、管理サーバ1は、まず、対象記事のトラックバックURLを検索し、発見できない場合には翻訳依頼者に情報の入力を求め、それでも判明しない場合に、トラックバックが不可能であると判断して、オペレータに通知する。すなわち、Webコンテンツの利用許諾依頼にトラックバック機能が利用できるか否かを、他段階にわたって確認した上で、その後の処理を行っている。しかしながら、トラックバック機能の利用可否は、Webコンテンツでなく、Webサイトを公開するWebサーバ5に依存する。そこで、本実施形態では、翻訳依頼が行われる度に翻訳対象のWebコンテンツがトラックバック可能か否かを判断するのではなく、Webサイト単位で判断することとしている。
本実施形態に係る翻訳依頼システム30の全体構成は、図1に示す第1の実施形態と同一である。また、依頼者端末2、翻訳者端末3、二次利用者端末4、および著作者端末6についても、第1の実施形態と同様である。Webサーバ5は、第1の実施形態ではブログサーバであることを前提として説明したが、本実施形態では、Webサーバ5は、ブログサーバであっても、他のWebサーバであってもよい。よって、本実施形態では、以下の説明で対象記事という場合、翻訳対象とされたブログの記事のみを限定するものではなく、翻訳対象とされたWebコンテンツのことをいう。
図23に示すように、第2の実施形態に係る管理サーバ1は、第1の実施形態と、HDD150の構成のみが異なる。よって、ここではHDD150についてのみ説明する。HDD150は、第1の実施形態に係るHDD15と同一の記憶エリアに加え、許諾不要サイト記憶エリア156およびTB可能ブログ記憶エリア157を備えている。
許諾不要サイト記憶エリア156には、公開するWebコンテンツの利用について、前述したように、著作権による一切の制限を課さないことを明示しているWebサイト(以下、許諾不要サイトという)のURLが記憶されている。
TB可能ブログ記憶エリア157には、トラックバックピングを送受信可能なブログ(以下、TB可能ブログという)、のURLが記憶されている。TB可能ブログとは、例えば、ブログサーバが公開する記事にトラックバックURLを含むメタデータを付与することが可能、トラックバックピングを受信して、少なくとも、トラックバック先の記事の著作者に対してトラックバック情報を通知することが可能、且つ、公開する記事が他のWebコンテンツに関連づけられた場合に、関連先のWebコンテンツのトラックバックURLにトラックバックピングを送信可能なブログである。トラックバックピング受信時に、トラックバック元へのリンクが作成されるブログであれば、より好ましい。TB可能ブログは、管理サーバ1の運営者が、予め、数多く存在するWebサイトから、適切な機能を有するブログを適宜選択し、TB可能ブログ記憶エリア157に記憶させておくことができる。
図24に示すように、本実施形態の依頼管理DB1530の構成は、第1の実施形態と同一である。ただし、許諾可否として、第1の実施形態でも使用される「許諾」、「拒否」、「依頼中」および「TB不能」に加え、図24の依頼ID「5」の依頼管理情報に示すように、「依頼不要」が記憶される場合がある。これは、後述する許諾依頼で、対象記事に関する利用許諾の依頼が不要とされた場合に記憶される情報である。
以下に、本実施形態において、管理サーバ1で行われる処理について説明する。本実施形態の管理サーバ1でも、第1の実施形態と同様、翻訳依頼処理(図8参照)、口座情報受付処理(図17参照)、および返答監視処理(図20参照)によって、翻訳対象のWebコンテンツに関する利用許諾の依頼交渉が行われる。これらの処理のうち、翻訳依頼が新規の場合に行われる許諾依頼処理(図10、S15および図12)について、本実施形態では異なる処理が行われるため、図25を参照して、この処理についてのみ具体的に説明する。
図25に示す許諾依頼処理が開始されると、第1の実施形態と同様、管理サーバ1から依頼者端末2に表示用データが送信される(S141)。個人情報が入力され、OKボタンが選択されると、依頼者端末2から入力された情報が管理サーバ1に送信され、受け付けられる(S142)。受け付けられた個人情報は、依頼者DB1510に登録される。続いて、依頼管理DB1530(図24参照)に、依頼管理情報が新規登録される(S143)。このとき、許諾可否欄には、利用許諾の依頼中であることを示す「依頼中」が記憶される。
対象記事URLに基づいて対象記事のデータが取得され、依頼IDと対応づけて、対象記事記憶エリア159に記憶される(S144)。続いて、HDD15の許諾不要サイト記憶エリア156が参照され、対象記事URLに基づいて、対象記事が、許諾不要サイトで公開されているWebコンテンツであるか否かが判断される(S146)。前述したように、許諾不要サイトに公開されているWebコンテンツについては、著作権による利用の制限が一切課されない。よって、対象記事が、許諾不要サイトで公開されているWebコンテンツであると判断された場合には(S146:YES)、自由に対象記事の翻訳および二次利用ができる。そこで、例えば図24の依頼ID「5」の依頼管理情報に示すように、依頼管理DB1530に記憶された対応する許諾可否が、初期値の「依頼中」から「依頼不要」に変更される(S161)。そして、翻訳依頼者に翻訳料金が請求され(S162)、翻訳者が選択されて、翻訳の依頼メールが送信される(S163)。なお、S162〜S163の処理については、第1の実施形態の返答監視処理のS48〜S49と同様の処理とすればよい。
一方、対象記事が、許諾不要サイトで公開されているWebコンテンツではないと判断された場合には(S146:NO)、TB可能ブログ記憶エリア157が参照され、対象記事が、TB可能ブログで公開されているWebコンテンツであるか否かが判断される(S147)。対象記事が、例えば、ブログの記事ではなく、何らの製品説明を表示するWebページだったような場合、トラックバックによって利用許諾の依頼を行ったとしても、その後、同一ページ内に、著作者からの返答を掲載することは難しい。よって、著作者からの返答があったことをトラックバックによって判別することができない虞がある。また、例えば、対象記事がブログの記事であっても、そのブログ自体がトラックバック機能に対応していなければ、利用許諾の依頼交渉は行えない。対象記事が、TB可能ブログ記憶エリア157に記憶されたTB可能ブログで公開されているWebコンテンツであれば(S147:YES)、適切な処理ができることが確実である。よって、このような場合には、そこで、本実施形態では、取得された対象記事のデータに含まれるトラックバックURLが検索される。検索の結果、対象記事のトラックバックURLが発見され(S152)、依頼管理DB1530に記憶される(S153)。その後、図25の許諾依頼処理は終了する。
続いて、対象記事の著作者に対して利用許諾を依頼するための許諾依頼ページ204(図14参照)が作成され(S154)、対象記事のトラックバックURLに対してトラックバックピングが送信された後(S155)、図25の許諾依頼処理は終了する。なお、S154〜S155の処理については、第1の実施形態の許諾依頼処理のS123〜S124と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
一方、対象記事が、TB可能ブログで公開されているWebコンテンツではないと判断された場合には(S147)、例えば図24の依頼ID「6」の依頼管理情報に示すように、依頼管理DB1530に記憶された対応する許諾可否が、初期値の「依頼中」から「TB不能」に変更される(S158)。そして、その旨が管理サーバ1のオペレータに通知され(S159)、図25の許諾依頼処理は終了する。なお、通知を受けたオペレータは、対象記事が公開されているWebサイトが、TB可能ブログとしての条件を満たすか否かを個別に確認し、可能であれば、新たにTB可能ブログ記憶エリア157に記憶させてもよい。これにより、以降は、同じWebサイトで公開されているWebコンテンツについて、自動的に利用許諾を依頼することが可能となる。または、オペレータによって、対象記事が公開されているWebサイトが、TB可能ブログとしての条件を満たすと判断された場合には、S152〜S155の処理が行われるようにしてもよい。
以上に説明したように、本実施形態では、許諾不要サイト記憶エリア156に記憶された許諾不要サイトに基づいて、新たに対象記事の翻訳に関する許諾が必要な場合に限って許諾の依頼が行われる。また、TB可能ブログ記憶エリア157に記憶されたTB可能ブログに基づいて、確実に依頼交渉が行える場合に限って許諾の依頼が行われる。したがって、処理効率を向上することができる。
本実施形態では、図25のS143の処理が、本発明の「受付けステップ」に相当し、S146の処理が、「利用判断ステップ」に相当し、S147の処理が、「通知判断ステップ」に相当する。S151〜S153の処理が、「情報送信先取得ステップ」に相当し、S154の処理が、「依頼コンテンツ作成ステップ」に相当し、S155の処理が、「依頼送信ステップ」に相当する。
なお、前述の実施形態に示される構成や処理は例示であり、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、前述の実施形態では、利用許諾の範囲は、著作物であるWebコンテンツの翻訳、および、二次的著作物である翻訳結果の第三者への提供(複製と公衆送信)とされているが、本発明は、その他の著作権に関する利用許諾の依頼に使用してもよい。例えば、Webコンテンツの出版や、商品化に関する利用許諾の依頼であってもよい。
また、前述の実施形態では、利用許諾の依頼を自動的に行うために、対象記事が公開されているWebサイトが、ユーザ毎にアカウントが管理され、公開される内容が比較的頻繁に更新され、且つ、時系列で表示される、ブログである例について説明している。しかしながら、対象記事が公開されているWebサイトは、少なくとも、サーバによってユーザ毎にアカウントが管理され、アカウント毎に複数のコンテンツを識別可能に登録することができ、トラックバックピングの送受信機能に対応していれば、必ずしもブログである必要はない。
前述の実施形態では、著作権者による新たな利用許諾が必要か否かについて、予め登録された許諾不要サイトに基づいて判断が行われているが、他の方法で判断することも可能である。例えば、近年、各種の団体が、Webコンテンツの著作権情報を明示するために、様々なマークを提案している。そこで、提案されているマークのうち、一切の制限なく自由な利用を認めることを示すマークを、例えば、HDD15の所定の記憶エリア(図示外)に記憶させておく。そして、対象記事に、記憶されているマークが含まれているか否かに基づいて、判断すればよい。また、例えば、対象記事のメタデータに、「COPYRIGHT」タグを用いて記述されている情報が、対象記事を一切の制限なく利用することを明示的に認めることを示す場合には、新たな利用許諾は不要と判断すればよい。
前述の実施形態では、許諾依頼ページ204(図14参照)において、許諾条件や許諾方法の案内とともに、著作者が対象記事の著作権を第三者に譲渡しており、著作権者ではない場合には、著作権者の情報を所定の情報送信先に送信するように依頼が、注意事項として記載されている。この場合、著作権を譲渡している著作者が、注意事項をよく確認せず、許諾に同意する場合がありうる。よって、例えば、まず、利用許諾の依頼文と、対象記事を特定するための情報(例えば、URL)と、「著作権を他者に譲渡しましたか?」のメッセージと、YESおよびNOボタンとを表示させる。そして、YESボタンが選択された場合には、著作権者に関する情報を入力するための画面を表示させ、NOボタンが選択された場合には、許諾条件や許諾方法の案内を表示させるようにしてもよい。
前述の実施形態では、翻訳依頼の受付時には、対象記事のURLを受け付け、その後、対象記事のURLの取得を試みているが、最初から翻訳依頼者から、トラックバックURLの入力を受け付けてもよい。
前述の実施形態では、翻訳結果の二次利用について、著作者に対してのみ、利用料を支払う処理を行っているが、最初に翻訳料金を負担した翻訳依頼者や、翻訳者にも所定の還元率に基づいて算出された報酬を支払ってもよい。