JP2009208704A - 車体前部構造 - Google Patents

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JP2009208704A JP2008055793A JP2008055793A JP2009208704A JP 2009208704 A JP2009208704 A JP 2009208704A JP 2008055793 A JP2008055793 A JP 2008055793A JP 2008055793 A JP2008055793 A JP 2008055793A JP 2009208704 A JP2009208704 A JP 2009208704A
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Abstract

【課題】衝突初期にフロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部で支持して、フロントサイドフレームの軸圧縮を誘発でき、衝突後期にフロントサイドフレームの車幅方向への変形を阻害しない構造と成して、衝突性能の向上を図る車体前部構造を提供する。
【解決手段】エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32が設けられ、フロントサイドフレーム32に前部が結合され、後部がダッシュパネル3とフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部5に結合される連結フレーム部材45を設け、連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、エンジンルームの下方に車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備えたような車体前部構造に関する。
従来、エンジンルームの下方に車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備えた車体前部構造において、上記左右一対のフロントサイドフレームと、トンネル部の車外側上部とを略直線状に連結するブレースを設けた連結構造がある(特許文献1参照)。
上述のブレースの前部は上下2本のボルト等の固定手段を用いて、フロントサイドフレームに固定されており、ブレースの後部も上下2本のボルト等の固定手段を用いてトンネル部に固定されているため、次のような問題点があった。
すなわち、車両の衝突時においては衝突エネルギを吸収して衝突性能の向上を図ることが望まれており、特に、衝突後期にはフロントサイドフレームを車幅方向へ変形させて、衝突エネルギを吸収することが望まれるが、上記特許文献1に記載の構造では、フロントサイドフレームとトンネル部の車外側上部との間がブレースで強固に固定されている関係上、このブレースによりフロントサイドフレームの車幅方向への変形が阻害されるため、充分な衝突性能の向上を図ることができない問題点があった。
特開2004−230984号公報
そこで、この発明は、フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネルとフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部に結合される連結フレーム部材を設け、この連結フレーム部材が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合することで、衝突初期においてはフロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部で支持して、該フロントサイドフレームの軸圧縮を誘発することができると共に、衝突後期においてはフロントサイドフレームの車幅方向への変形を阻害しない構造と成して、衝突性能の向上を図ることができる車体前部構造の提供を目的とする。
この発明による車体前部構造は、エンジンルーム下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレームが設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネルとフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部に結合される連結フレーム部材を設けると共に、該連結フレーム部材が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したものである。
上記構成によれば、連結フレーム部材で、フロントサイドフレームとトンネル部との間を連結したので、衝突初期においては、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部で支持することができて、フロントサイドフレームの軸圧縮を誘発し、衝突初期の衝突エネルギを良好に吸収することができる。
しかも、連結フレーム部材の後部は、車幅方向に揺動可能となるように車体に結合されているので、衝突後期においてはフロントサイドフレームの車幅方向への変形が阻害されることなく、該フロントサイドフレームの車幅方向への変形により、衝突後期の衝突エネルギを適切に吸収して、衝突性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記トンネル部に、上記連結フレーム部材の後方に連続する前後方向フレーム部材が設けられたものである。
上述の前後方向フレーム部材は、トンネル部の車室外側上端角部に沿うトンネルロアメンバであってもよく、トンネル部の車室外側下端角部に沿うトンネルサイドメンバであってもよい。
上記構成によれば、前後方向フレーム部材により車体剛性の向上を図ることができると共に、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部の前後方向フレーム部材に伝達して、荷重伝達性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記前後方向フレーム部材がダッシュパネルより前方に突出する突出部を有しており、該突出部とダッシュパネル前部に配設されたブラケットとにより上記連結フレーム部材の後部が揺動可能に支持されたものである。
上記構成によれば、上述の前後方向フレーム部材の突出部を利用して、連結フレーム部材の支持強度を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記連結フレーム部材の後部が上記トンネル部の車室外側上端角部に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材に結合されたものである。
上記構成によれば、フロントサイドフレームと連結フレーム部材と前後方向フレーム部材との三者により、フロントサイドフレームと高さ方向で略一致するフレーム経路が構成され、荷重を伝達する上で有利な構成とすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記連結フレーム部材の後部が上記トンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材に結合されたものである。
上記構成によれば、連結フレーム部材の後部を、トンネル部の車室外側下端角部の前後方向フレーム部材に結合したので、前後方向フレーム部材による荷重伝達性能の向上と、フロアパネルの車体前後方向の剛性向上と、の両立を図る上で有利な構成とすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記連結フレーム部材の前部はフロントサイドフレームのサスクロス取付け部、または、該取付け部の直後に結合されたものである。
上記構成によれば、サスクロス取付け部(詳しくは、サスペンションクロスメンバ取付け部)は、衝突荷重を受止めるのに充分な支持強度を有しており、またサスクロス取付け部の直後は、衝突荷重を伝達するのに充分な結合構造と成すことができるので、連結フレーム部材に対して、より一層確実な衝突荷重の伝達を行なうことができる。
この発明によれば、フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネルとフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部に結合される連結フレーム部材を設け、この連結フレーム部材が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したので、衝突初期においてはフロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部で支持して、該フロントサイドフレームの軸圧縮を誘発することができると共に、衝突後期においては、フロントサイドフレームの車幅方向への変形を阻害しない構造と成して、衝突性能の向上を図ることができる効果がある。
衝突初期には、フロントサイドフレームに入力される衝突荷重をトンネル部で支持して、該フロントサイドフレームの軸圧縮を誘発し、衝突後期には、フロントサイドフレームの車幅方向への変形を阻害することなく、衝突性能の向上を図るという目的を、エンジンルーム下方において車体前後方向に延設する左右一対のフロントサイドフレームを設けた車体前部構造において、上記フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネルとフロアパネルの結合部に形成したトンネル部に結合される連結フレーム部材を設け、該連結フレーム部材が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1に示す概略側面図において、エンジンルーム1と車室2とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル3を設け、このダッシュロアパネル3の後部には、後方に向けて略水平に延びるフロアパネル4を一体的に連設している。
上述のダッシュロアパネル3およびフロアパネル4の車幅方向中央部には、車室2内に突出して、車体前後方向に延びるダッシュロアパネル3のトンネル部5と、フロアパネル4のトンネル部6とを車体前後方向に連続するように一体形成している。
一方、エンジンルーム1内には、シリンダブロック7と、シリンダヘッド8と、シリンダヘッドカバー9と、オイルパン10とを備えたエンジン11を横置きに配置し、このエンジン11の一方側には図示しない変速機を配置して、エンジン11と変速機との両者でパワートレイン12を構成して、FF車と成している。
なお、図面ではレシプロエンジンを例示したが、これはロータリエンジンであってもよい。
エンジン11の前方には、気筒に吸気を導入する吸気マニホルド13(いわゆるインテーク・マニホルド)を取付け、エンジン11の後方には、気筒の排気を排出する排気マニホルド14(いわゆるエキゾースト・マニホルド)を取付けている。ここで、上述の吸気マニホルド13は気筒列方向に延びるサージタンク15を取囲むように湾曲形成されており、それぞれ所定の吸気通路長さを確保している。
一方、排気マニホルド14は、仮想垂直線(VER)に対して所定の角度θ(約15度)だけ後方側に傾斜したエンジン11のシリンダヘッド8における排気ポートから側面視でほぼ直線状に後方側斜め下方に延びるように形成されている。
上述の排気マニホルド14の下流側には直キャタリスト16、排気管17、フレキシブルジョイント18、アンダーフットキャタリスト19をこの順に接続して、これらの各要素14,16〜19にて排気系20を構成している。
上述の排気マニホルド14の前端部(上流部)から排気管17の中間部までは側面視でほぼ直線状に後方側斜め下方に延びるように形成されているので、上述のダッシュロアパネル3のトンネル部5は、フロアパネル4のトンネル部6の前部位置で、排気マニホルド14、直キャタリスト16、排気管17に沿って上方に大きく突出して、これら各要素14,16,17の傾斜角に対応するように傾斜拡大された上壁面を備えるトンネル拡大部21が形成されており、上述の排気系20の略直線化により、エンジン11の排気効率を高めるように構成している。
ここで、上述の直キャタリスト16、排気管17およびフレキシブルジョイント18の一部は、トンネル拡大部21を含むダッシュロアパネル3のトンネル部5の車外側に配設されており、フレキシブルジョイント18の下流側過半部およびアンダーフットキャタリスト19は、フロアパネル4のトンネル部6の車外側に配設されている。
また、上述のトンネル拡大部21は傾斜角度が大きい前部21aと、傾斜角度が小さい後部21bとを車体前後方向に連続して形成したものである。
図2は車体前部構造をエンジンルーム1側から見た状態で示す正面図、図3は車体前部構造を上方から見た状態で示す斜視図、図4は図2の要部平面図、図5はダッシュロアパネル3のトンネル部5を断面した状態で示す要部平面図である。但し、図3〜図5においては車体前部構造を図示の便宜上、車両右側の構成についてのみ示しているが、本実施例の車体前部構造はこの実施例1のみならず、後述する実施例2〜5の何れもが、左右ほぼ対称に構成されている。
図1、図2に示すように、上述のダッシュロアパネル3は、車体の上下方向に延びる縦壁3aと、この縦壁3aの下部から後方に向けて傾斜状に延びるスラント壁3bと、該スラント壁3bの後端から略水平に延びてフロアパネル4と面一状になる下壁3cとを備えている。
また、図2、図4、図5に示すように、フロアパネル4およびダッシュロアパネル3の下部における車幅方向の両サイド部には、サイドシルインナ22と、サイドシルアウタ23とを接合して、車体前後方向に延びるサイドシル閉断面24を備えた左右一対のサイドシル25,25を接合固定している。このサイドシル25は車体前後方向に延びる車体剛性部材であって、必要に応じてサイドシルインナ22とサイドシルアウタ23との間には、サイドシルレインフォースメントが介設される。
さらに、図2に示すように、ダッシュロアパネル3の車幅方向両側部には、ヒンジピラーインナ26と、ヒンジピラーアウタ27とを接合して、車体上下方向に延びるピラー閉断面を備えた左右一対のヒンジピラー28,28を接合固定している。このヒンジピラー28はフロントドア(図示せず)を開閉可能に支持する車体剛性部材であって、必要に応じてヒンジピラーインナ26とヒンジピラーアウタ27との間には、ヒンジピラーレインフォースメントが介設される。
図2に示すように、上述のヒンジピラー28の上部には、フロントピラーインナ29と、フロントピラーアウタ30とを接合して、斜め上方かつ後方に延びるピラー閉断面を備えた左右一対のフロントピラー31,31を接合固定している。このフロントピラー31は車体剛性部材であって、必要に応じてフロントピラーインナ29とフロントピラーアウタ30との間には、フロントピラーレインフォースメントが介設される。
一方、図2〜図5に示すように、エンジンルーム1の下方両サイドにおいて車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム32,32を設けている。該フロントサイドフレーム32は図2に示すように、フロントサイドフレームインナ33と、フロントサイドフレームアウタ34とを接合して構成した車体剛性部材であって、上述のフロントサイドフレームインナ33と、フロントサイドフレームアウタ34との間には、閉断面35が形成されている。
図2、図4、図5に示すように、左右一対のフロントサイドフレーム32の後部32Rは、ダッシュロアパネル3の下部からそれぞれ車幅方向外側に滑らかに傾斜して、サイドシル25を構成するサイドシルインナ22の車幅方向の内側面に結合され、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、その後部32Rを介して、サイドシル25に伝達して、荷重分散を図るように構成している。
また、図4、図5に示すように、左右一対のフロントサイドフレーム32の前端部には、クラッシュカン(衝突エネルギ吸収部材)36をそれぞれ取付け、これら左右のクラッシュカン36,36相互間には、車幅方向に延びるバンパレイン37に横架している。
さらに、図2に示すように、左右一対のフロントサイドフレーム32と、左右一対のフロントピラー31とを結合するピラー側フレーム部材38を設けている。このピラー側フレーム部材38は、フロントサイドフレーム32の中で剛性が高いサスペンションクロスメンバ取付け部位(サスクロス取付け部)の近傍に溶接固定され、かつコ字状断面構造のフレーム部材39と、前部が該フレーム部材39に接合固定され、前後方向の中間部乃至後部がヒンジピラー28内の閉断面を介して、フロントピラー31の閉断面内に配設されて、該後部40aがフロントピラーインナ29またはフロントピラーレインフォースメントに接合固定された丸パイプ40と、を備えている。
上述のピラー側フレーム部材38でフロントサイドフレーム32と、フロントピラー31とを連結することにより、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、該ピラー側フレーム部材38を介して、フロントピラー31に伝達して、荷重分散を図るように構成している。
ここで、該ピラー側フレーム部材38の丸パイプ40とヒンジピラーインナ26との境界部αは、その全周が溶接手段にて接合されるものである。
図6はダッシュロアパネル3のトンネル部5を断面して示す正面図であって、このトンネル部5の車室内側上端角部には、各トンネル部5,6に沿って車体前後方向に延びるトンネルアッパメンバ41を接合固定し、このトンネルアッパメンバ41と各トンネル部5,6との間には、車体前後方向に延びる閉断面42を形成して、車体合成なかんずくトンネル剛性の向上を図っている。
同図に示すように、上述のトンネル部5の車室外側上端角部には、各トンネル部5,6に沿って車体前後方向に延びるトンネルロアメンバ43を接合固定し、このトンネルロアメンバ43と各トンネル部5,6との間には、車体前後方向に延びる閉断面44を形成して、車体剛性なかんずくトンネル剛性の向上を図っている。
また、図6に示すように、上述の上下の閉断面42,44をトンネル部5,6の上端コーナ部を介して上下にオーバラップさせ、車体剛性の中心となるトンネル部5,6の剛性を高めるように構成している。
図3に示すように、前後方向フレーム部材としての上述のトンネルロアメンバ43は、ダッシュロアパネル3よりも前方に突出する突出部43Aを有している。
しかも、図2〜図5に示すように、フロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部(後述するサスクロス取付けボルト48の位置参照)と、トンネル部5,6の車外側に設けられたトンネルロアメンバ43の突出部43Aとの間を、連結フレーム部材45で略前後方向に連結している。
連結フレーム部材45の前部は図7に示すように、フロントサイドフレーム32に結合されている。
すなわち、同図に示すように、連結フレーム部材45の前部は、丸パイプ製の該連結フレーム部材45を偏平に加工して、取付け部45aを形成し、この取付け部45aを、ボルト46およびナット47を用いて、フロントサイドフレーム32におけるフロントサイドフレームインナ33の車幅方向内側の面に結合固定している。
図7に示すように、上述のボルト46はサスクロス取付けボルト48に所定のクリアランス(約5mm程度)を介してその車両後方側に位置し、車両の正面衝突時にサスクロス取付けボルト48がクリアランスに相当する距離だけ後退した時、両ボルト48,46が係合するように構成している。
連結フレーム部材45の後部は、図8、図9に示すように、該連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるように、車体に対して結合されている。
すなわち、上述のトンネルロアメンバ43およびその突出部43Aは、トンネル部5,6のトップデッキ面車外側に接合される上片43aと、この上片43aから下方に延びる側片43bと、この側片43bの下端から水平方向に延びる底片43cと、この底片43cから下方に延びてトンネル部5,6の車外側スカート部に接合される下片43dと、が一体形成されたものである。
このトンネルロアメンバ43の突出部43Aの形状と対応し、かつダッシュロアパネル3の前部に配設固定されるブラケット50を設けている。
このブラケット50は、上片50aと、この上片50aの車幅方向外方側の端部から下方に延びる側片50bと、上記上片50aおよび側片50bの後端に一体に折曲げ形成された接合片50c,50dとを備えている。
そして、上述のブラケット50の上片50a一側端部を突出部43Aの上片43aに接合固定し、ブラケット50の側片50b下部を突出部43Aの下片43dに接合固定すると共に、ブラケット50の各接合片50c,50dをダッシュロアパネル3の前部に接合固定している。
また、図8に示すように、ブラケット50の上片50aと、突出部43Aの底片43cとの上下対向部には、それぞれボルト挿通孔51,52を形成し、下側のボルト挿通孔52に対応して、上記底片43cの下面にはナット53を溶接固定している。
一方、連結フレーム部材45の後部には、緩み防止用のスペーサとして上下方向に指向するパイプ54を貫設固定し、図8、図9に示すように、該パイプ54を備えた連結フレーム部材45の後部を、突出部43Aとブラケット50とで囲繞形成される空間内に配置した後に、ボルト55を、ボルト挿通孔51、パイプ54内、ボルト挿通孔52を介してナット53に締結することで、連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるように、その後部を車体に結合したものであり、詳しくは、上述の突出部43Aとブラケット50との両者により、連結フレーム部材45の後部が揺動可能に支持されたものであって、このように支持された連結フレーム部材45の後端が揺動可能に支持されたものであって、このように支持された連結フレーム部材45の後方には、前後方向フレーム部材として上述のトンネルロアメンバ43が連続するように設けられている。
さらに、図8、図9に示すように、ブラケット50の側片50bと、突出部43Aの側片43bとには、衝突後期において連結フレーム部材45の車幅方向外方への揺動を円滑ならしめる目的で、切欠き部56,56をそれぞれ形成している。
なお、図中、57はステアリングシャフトの貫通孔である。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示す。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
車両が正面衝突すると、バンパレイン37およびクラッシュカン36を介してフロントサイドフレーム32に衝突荷重が入力される。
フロントサイドフレーム32に入力された衝突荷重は、連結フレーム部材45を介して、トンネルロアメンバ43およびトンネル部5,6に伝達されて、荷重分散される。ここで、図7に示す連結フレーム部材45の前部において、取付け部45aの後端側は、衝突荷重入力に対して反力(折れ曲がろうとする力に対して、これを阻止しようとする力)が生じるので、折れ曲がりにくい構造になっており、衝突荷重を該連結フレーム部材45それ自体を介して、その後端側へ伝達することができる。
また、フロントサイドフレーム32の後部32Rを、ダッシュロアパネル3の下部から車幅方向外側に傾斜してサイドシル25に結合しているので、衝突荷重は車体剛性部材としてのサイドシル25にも伝達されて、荷重分散される。
さらに、フロントサイドフレーム32とフロントピラー31とを結合するピラー側フレーム部材38を設けているので、衝突荷重は車体剛性部材としてのフロントピラー31にも伝達されて、荷重分散を図ることができる。
換言すれば、上述のフロントサイドフレーム32は、各要素32R,45,38を介して、サイドシル25とトンネル部5,6とフロントピラー31とで支持される構造であるから、衝突初期においては該フロントサイドフレーム32は図5の実線状態から同図に仮想線で示すように、軸圧縮して、衝突エネルギを吸収する。
しかも、上述の連結フレーム部材45は、該部材45が車幅方向外方へ揺動可能となるように、その後部を車体に枢支しているので、衝突後期において該連結フレーム部材45がフロントサイドフレーム32の車幅方向への変形を阻害することなく、衝突後期に該フロントサイドフレーム32が車幅方向の外方に折れ曲がって、衝突エネルギを吸収するため、衝突性能の向上を図ることができる。
図5に平面図で示すように、上述のフロントサイドフレーム32は前輪の操舵に対応して、そのサスクロス取付け部と、キックアップ部との間が若干車幅方向内方へ変位するように構成されているので、衝突後期においては該フロントサイドフレーム32を車幅方向の外方へ変形させるのが望ましい。
このように、図1〜図9で示した実施例の車体前部構造は、エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32,32が設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレーム32に前部が結合され、後部がダッシュロアパネル3とフロアパネル4の結合部に形成されたトンネル部5,6に結合される連結フレーム部材45を設けると共に、該連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したものである(図1、図3参照)。
この構成によれば、連結フレーム部材45で、フロントサイドフレーム32とトンネル部5,6との間を連結したので、衝突初期においては、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をトンネル部5,6で支持することができ、フロントサイドフレーム32の軸圧縮を誘発し、衝突初期の衝突エネルギを良好に吸収することができる。
しかも、連結フレーム部材45の後部は、車幅方向に揺動可能となるように車体に結合されているので、衝突後期においてはフロントサイドフレーム32の車幅方向への変形が阻害されることなく、該フロントサイドフレーム32の車幅方向への変形により、衝突後期の衝突エネルギを適切に吸収して、衝突性能の向上を図ることができる。
また、上記トンネル部5,6に、上記連結フレーム部材45の後方に連続する前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)が設けられたものである(図2参照)。
この構成によれば、前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)により車体剛性の向上を図ることができると共に、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をトンネル部5,6の前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)に伝達して、荷重伝達性能の向上を図ることができる。
さらに、上記前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)がダッシュロアパネル3より前方に突出する突出部43Aを有しており、該突出部43Aとダッシュロアパネル3前部に配設されたブラケット50とにより上記連結フレーム部材45の後部が揺動可能に支持されたものである(図3参照)。
この構成によれば、上述の前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)の突出部43Aを利用して、連結フレーム部材45の支持強度を確保することができる。
また、上記連結フレーム部材45の後部が上記トンネル部5,6の車室外側上端角部に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)に結合されたものである(図2参照)。
この構成によれば、フロントサイドフレーム32と連結フレーム部材45と前後方向フレーム部材(トンネルロアメンバ43参照)との三者により、フロントサイドフレーム32と高さ方向で略一致するフレーム経路が構成され、荷重を伝達する上で有利な構成とすることができる。
加えて、上記連結フレーム部材45の前部はフロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部(サスクロス取付けボルト48の配設部参照)、または、該取付け部の直後に結合されたものである(図3参照)。
この構成によれば、サスクロス取付け部は、衝突荷重を受止めるのに充分な支持強度を有しており、またサスクロス取付け部の直後は、衝突荷重を伝達するのに充分な結合構造と成すことができるので、連結フレーム部材45に対して、より一層確実な衝突荷重の伝達を行なうことができる。
また、前後方向フレーム部材としてのトンネルロアメンバ43と、連結フレーム部材45とをそれぞれ別部材にて構成したので、車室前部のフレーム部分と、車室部分と、を各ユニットとして構成することができて、生産性(輸送コストを含む)悪化の防止と、組付け性の向上との両立を図ることができる。
図10〜図12は車体前部構造の他の実施例を示し、図10は車体前部構造を示す斜視図、図11はその要部の分解斜視図、図12は連結フレーム部材45の枢支構造を示す正面図である。
図10〜図12で示すこの実施例においては、各要素50,43A(ブラケット50と突出部43A)と、連結フレーム部材45との間に、角パイプ製の軸受ブラケット58を介設したものである。
すなわち、トンネルロアメンバ43の突出部43Aと、ブラケット50とで囲繞された空間内に、上記軸受ブラケット58を内設して、接合固定すると共に、ボルト挿通孔51,52を該軸受ブラケット58に形成し、またナット53は軸受ブラケット58の底面下部に溶接固定し、さらに切欠き部56,56も該軸受ブラケット58に形成したものである。
そして、上下方向に指向するパイプ54が貫設固定された連結フレーム部材45の後部を、軸受ブラケット58の内部空間に配置した後に、ボルト55を、ボルト挿通孔51、パイプ54内、ボルト挿通孔52を介してナット53に締結することで、連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるように、その後部を車体に結合したものであって、詳しくは、上述の突出部43Aとブラケット50と軸受ブラケット58との三者により、連結フレーム部材45の後部が揺動可能に支持されたものであって、このように支持された連結フレーム部材45の後方には、先の実施例1と同様に、前後方向フレーム部材としてのトンネルロアメンバ43が連続するように設けられている。
このように構成すると、支持剛性に必要な板厚を、軸受ブラケット58の板厚のみで調整することができ、トンネルロアメンバ43をその全長にわたって厚肉化する必要がなくなるので、充分な支持剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
図10〜図12で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1と同様であるから、図10〜図12において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図13〜図15は車体前部構造のさらに他の実施例を示し、図13は車体前部構造を示す斜視図、図14はその要部の分解斜視図、図15は連結フレーム部材45後部の枢支構造を示す正面図である。
この実施例3においては、図14に示すように、トンネルロアメンバ43の突出部43Aにブラケット50を結合固定すると共に、該ブラケット50および突出部43Aの前端部には円弧状の凹部60を形成し、この凹部60に対してパイプ54を上下方向に指向させて溶接固定している。ここで、上述のブラケット50には、図14、図15に示すように、その側片50b下部から略水平方向に折曲がる接合片50eを形成すると共に、トンネルロアメンバ43の下片43dはダッシュロアパネル3の位置で止め、突出部43Aにおいては底片43cと連続する接合片43eを形成して、これら両接合片50e,43eを溶接固定するものである。
また、パイプ54には車両の衝突時において、そのリヤ側の面に荷重が付加されるので、該パイプ54はそのリヤ側の面を上記凹部60に溶接固定すれば充分である。
一方、連結フレーム部材45の後端部には、コ字状のブラケット59を、かしめ手段または/および溶接手段にて一体的に取付けて、このブラケット59の上下対向位置にボルト挿通孔51,52を形成し、下側のボルト挿通孔52に対応して、ブラケット59の底片下面にはナット53を溶接固定している。
そして、上下方向に指向するパイプ54に対して、連結フレーム部材45後端のブラケット59を装着した後に、ボルト55を、ボルト挿通孔51、パイプ54内、ボルト挿通孔52を介してナット53に締結することで、連結フレーム部材45が車幅方向に揺動可能となるように、その後部を車体に結合したものであって、詳しくは、上述の突出部43Aとブラケット50との両者により、連結フレーム部材45の後端が揺動可能に支持されたものであって、このように支持された連結フレーム部材45の後方には、先の各実施例1,2と同様に、前後方向フレーム部材としてのトンネルロアメンバ43が連続するように設けられている。
図13〜図15で示した実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の各実施例1,2と同様であるから、図13〜図15において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図15に示す構成に代えて、図16の構造を採用してもよい。
図16の実施例では、トンネルロアメンバ43の形状をそのままに設定し、かつ前方へ延ばして突出部43Aを形成したもので、図15の接合片43e,50eを省略したものである。但し、パイプ54の上下方向の長さ、およびコ字状のブラケット59の大きさは、連結フレーム部材45の揺動時に、突出部43Aおよびブラケット50と干渉しない所定の長さ、および大きさに設定されている。
このように構成すると、接合片43e,50eの折曲げ加工が不要になる分、加工工数の低減を図ることができる。なお、図16において図15と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図17〜図20は車体前部構造のさらに他の実施例を示し、図17は車体前部構造をエンジンルーム1の下方から見上げた状態で示す斜視図、図18はその正面図、図19は分解斜視図、図20は連結フレーム部材を車体に組付けた状態で示す斜視図である。
この実施例では、図17、図18に示すように、フロントサイドフレーム32にその前部が結合され、後部がトンネル部5に結合される連結フレーム部材61と、この連結フレーム部材61に結合され、かつ、ダッシュロアパネル3のトンネル部5の車室外側下端角部62およびフロアパネル4のトンネル部6の車室外側下端角部62に沿って車体前後方向に延びる前後方向フレーム部材としてのトンネルサイドメンバ63と、を備えている。
図19、図20を参照して、上述の連結フレーム部材61およびトンネルサイドメンバ63の構成について、さらに詳述する。
上述のトンネルサイドメンバ63は略ハット状の断面構造を有し、各トンネル部5,6の車室外側下端角部62に沿って車体前後方向に延びる剛性部材(強度部材)であって、これら両者63,62間には車体前後方向に延びる閉断面64が形成されている。
一方、上述のフロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部と、トンネルサイドメンバ63前部のサスクロス取付け部とには、下方に延びるサスクロス取付けボルト48,65が設けられている。
これら前後のサスクロス取付けボルト48,65には、図19に示すサスペンションクロスメンバ66(いわゆる、サブフレーム)が取付けられる。なお、図19では図示の便宜上、サスペンションクロスメンバ66の右半部のみを示しているが、このサスペンションクロスメンバ66は左右略対称に形成される。
上述のサスペンションクロスメンバ66の前後両位置には取付け孔67,68がそれぞれ形成されている。一方、トンネル部5の開口部が大きいことに起因する該トンネル部5の前後左右方向へのねじりを防止するトランスバースメンバ69を設けている。なお、このトランスバースメンバ69についても図示の便宜上、右半分のみを示しているが、このトランスバースメンバ69も左右略対称に形成されるものである。
そして、丸パイプ製のトランスバースメンバ69の端部を偏平に加工して、取付け部69aを形成し、この取付け部69aには車幅方向に離間すべく2つの取付け孔70,71を形成している。また、サスペンションクロスメンバ66の取付け孔68の横方向には、トランスバースメンバ69の取付け孔71と対応すべく取付け孔72を形成している。
また、上述の連結フレーム部材61は、フロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部からトンネルサイドメンバ63のサスクロス取付け部に向けて滑らか、かつ曲率形状に湾曲形成されており、該連結フレーム部材61の前後両端部を偏平に加工して、取付け部61a,61bを形成し、これらの各取付け部61a,61bにはそれぞれ取付け孔73,74を形成している。
組付けに際しては、まず、トランスバースメンバ69をサスペンションクロスメンバ66にサブアセンブリする。すなわち、トランスバースメンバ69の取付け孔70,71を、サスペンションクロスメンバ66の取付け孔68,72に一致させた後に、上下の各取付け孔71,72に挿通するボルト75と、ナット76とを用いて、トランスバースメンバ69をサスペンションクロスメンバ66に組付ける。
次に、サスペンションクロスメンバ66を車体に組付けるが、この際、車体とサスペンションクロスメンバ66との間に、連結フレーム部材61を介設する。
すなわち、フロントサイドフレーム32のサスクロス取付けボルト48に、連結フレーム部材61の取付け孔73と、サスペンションクロスメンバ66の取付け孔67とを装着して、ナット77をサスクロス取付けボルト48に締付けると共に、トンネルサイドメンバ63のサスクロス取付けボルト65に、連結フレーム部材61の取付け孔74と、トランスバースメンバ69の取付け孔70と、サスペンションクロスメンバ66の取付け孔68とを装着して、ナット78をサスクロス取付けボルト65に締付ける。
この組付け完了時には、フロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部と、トンネルサイドメンバ63のサスクロス取付け部との間に、連結フレーム部材61が張架されると共に、トンネル拡大部21の開口部が大きいトンネル開口部下端相互間には、車幅方向に延びるトランスバースメンバ69が取付けられる。
ここで、上述のトランスバースメンバ69はトンネル部5のねじりを防止するもので、該トランスバースメンバ69が回動しないように片側2点(各ボルト65,75参照)で取付けられている。
また、上述の連結フレーム部材61を取付けることにより、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、該連結フレーム部材61およびトンネルサイドメンバ63を介して、トンネル部5,6に伝達して、荷重分散を図ることができる。
しかも、連結フレーム部材61の後側の取付け部61bを1点締結構造と成しているので、衝突後期のフロントサイドフレーム32の車幅方向外側への変形を阻害しない構造となっている。詳しくは、上述のフロントサイドフレーム32は、サイドシル25に結合された後部32Rと、ピラー側フレーム部材38と、連結フレーム部材61とで支持されているので、衝突初期においてはフロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重を、これら各要素32R,38,61、換言すれば、サイドシル25,フロントピラー31,トンネル部5,6で支持して、フロントサイドフレーム32の軸圧縮を誘発することができ、軸圧縮後の衝突後期においては、フロントサイドフレーム32の車幅方向外側への揺動変形(フロントサイドフレーム32を折ることで、エネルギ吸収を図る)を許容して、衝突性能の向上を図ることができる。
なお、図17において、79は制動倍力装置としてのブレーキブースタである。
このように、図17〜図20で示した実施例の車体前部構造は、エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32,32が設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレーム32に前部が結合され、後部がダッシュロアパネル3とフロアパネル4の結合部に形成されたトンネル部5,6に結合される連結フレーム部材61を設けると共に、該連結フレーム部材61が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したものである(図17参照)。
この構成によれば、連結フレーム部材61で、フロントサイドフレーム32とトンネル部5,6との間を連結したので、衝突初期においては、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をトンネル部5,6で支持することができて、フロントサイドフレーム32の軸圧縮を誘発し、衝突初期の衝突エネルギを良好に吸収することができる。
しかも、連結フレーム部材61の後部は、車幅方向に揺動可能となるように車体に結合されているので、衝突後期においてはフロントサイドフレーム32の車幅方向への変形が阻害されることなく、該フロントサイドフレーム32の車幅方向への変形により、衝突後期の衝突エネルギを適切に吸収して、衝突性能の向上を図ることができる。
また、上記トンネル部5,6に、上記連結フレーム部材61の後方に連続する前後方向フレーム部材(トンネルサイドメンバ63参照)が設けられたものである(図17参照)。
この構成によれば、前後方向フレーム部材(トンネルサイドメンバ63参照)により車体剛性の向上を図ることができると共に、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をトンネル部5,6の前後方向フレーム部材(トンネルサイドメンバ63参照)に伝達して、荷重伝達性能の向上を図ることができる。
さらに、上記連結フレーム部材61の後部が上記トンネル部5,6の車室外側下端角部62に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材(トンネルサイドメンバ63参照)に結合されたものである(図17参照)。
この構成によれば、連結フレーム部材61の後部を、トンネル部5,6の車室外側下端角部62のトンネルサイドメンバ63に結合したので、前後方向フレーム部材(トンネルサイドメンバ63参照)による荷重伝達性能の向上と、フロアパネル4の車体前後方向の剛性向上と、の両立を図る上で有利な構成とすることができる。
加えて、上記連結フレーム部材61の前部はフロントサイドフレーム32のサスクロス取付け部、または、該取付け部の直後に結合されたものである(図17参照)。
この構成によれば、サスクロス取付け部(詳しくは、サスペンションクロスメンバ取付け部)は、衝突荷重を受止めるのに充分な支持強度を有しており、またサスクロス取付け部の直後は、衝突荷重を伝達するのに充分な結合構造と成すことができるので、連結フレーム部材61に対して、より一層確実な衝突荷重の伝達を行なうことができる。
なお、図17〜図20において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図21〜図24は車体前部構造のさらに他の実施例を示し、図21は車体前部構造をエンジンルーム1の下方から見上げた状態で示す斜視図、図22は連結フレーム部材61前部の結合構造を示す平面図、図23は連結フレーム部材61後部の結合構造を示す側面図、図24は図23の矢印A方向から見た状態の底面図である。但し、図21においても車体前部構造の特に連結フレーム部材61およびトンネルサイドメンバ63については、図示の便宜上、車両右側の構成についてのみ示しているが、これらは左右ほぼ対称に構成される。
まず、図23を参照して、トンネルサイドメンバ63の前部の構造について述べると、該トンネルサイドメンバ63の前部には、ダッシュロアパネル3の下面に接合される取付けフランジ部63aと、該取付けフランジ部63aから下方に延びる縦壁63bと、この縦壁63bの下端から後方に延びる取付け座63cと、この取付け座63cの後端から下方に延びる連接片63dとを備えており、取付け座63cの上面にはナット80を溶接固定している。
図22に示すように、連結フレーム部材61の前部には、丸パイプ製の該連結フレーム部材61を偏平に加工して、取付け部61aを形成し、この取付け部61aを、ボルト81およびナット82を用いて、フロントサイドフレーム32の車幅方向内側の面に結合固定している。
図22に示すように、上述のボルト81はサスクロス取付けボルト48に所定のクリアランス(約5mm程度)を介してその車両後方側に位置し、車両の正面衝突時にサスクロス取付けボルト48がクリアランスに相当する距離だけ後退した時、両ボルト48,81が係合するように構成している。
図21に示すように、連結フレーム部材61の中間部は、ステアリングシャフトの貫通孔57から下方に延びるステアリンフシャフト(図示せず)を車幅方向内方に迂回するように湾曲形成されると共に、該連結フレーム部材61の後部は図23に示すように、トンネルサイドメンバ63の取付け座63cに結合されている。
連結フレーム部材61の上述のような結合構造により、該連結フレーム部材61が、ステアリングシャフトおよびスタビライザ等と干渉しないように構成したものである。
また、この連結フレーム部材61の後端部には、図23に示すように偏平な取付け部を形成することなく、丸パイプ形状をそのまま残しており、この連結フレーム部材61の後端部を、段付き形状のボルト83(なお、段付き形状のボルト83に代えて、通常のボルトと円筒状のカラーとの組合せ構造でもよい)とナット80とを用いて、上述の取付け座63cに結合固定している。このように、連結フレーム部材61の後端部については、丸パイプ形状をそのまま残すことで、衝撃荷重入力時に不要な折曲りが生ずるのを防止すると共に、衝撃荷重をトンネルサイドメンバ63の連接片63dに伝達する面積が大となるので、偏平な取付け部を設ける構造に対して、荷重伝達性能の向上を図ることができる。
一方、図22に示す連結フレーム部材61の前部において、取付け部61aの後端側61cは、衝突荷重入力に対して反力(折れ曲がろうとする力に対して、これを阻止しようとする力)が生じるので、折れ曲がりにくい構造になっており、衝突荷重を該連結フレーム部材61それ自体を介して、その後端側へ伝達することができる。
また、図21に示すように、上述のトンネルサイドメンバ63における取付けフランジ部63aの前端位置は、ステアリングシャフトブーツ84に近接し、かつ干渉しない位置に設定されている。
さらに、図24に連結フレーム部材61の後部形状を底面図で示すように、該部材61後端の車外側コーナ部をアール形状に丸めており、(アール部61R参照)、衝突後期におけるフロントサイドフレーム32の車幅方向外側への変形を許容すべく構成している。
しかも、図23に示すように、連結フレーム部材61はボルト83で一点固定されていて、衝突後期に該部材61が車幅方向外方へ揺動できるように構成している。また、1点固定するボルト83の後方には、強固なサスクロス締結部が存在するので、充分な支持強度を確保することができる。
このように、図21〜図24で示した実施例の車体前部構造においても、エンジンルーム1下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム32,32が設けられた車体前部構造であって、上記フロントサイドフレーム32に前部が結合され、後部がダッシュロアパネル3とフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部5,6に結合される連結フレーム部材61を設けると共に、該連結フレーム部材61が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合したものである(図21参照)。
この構成においても、連結フレーム部材61で、フロントサイドフレーム32とトンネル部5,6との間を連結したので、衝突初期においては、フロントサイドフレーム32に入力される衝突荷重をトンネル部5,6で支持することができて、フロントサイドフレーム32の軸圧縮を誘発し、衝突初期の衝突エネルギを良好に吸収することができる。
しかも、連結フレーム部材61の後部は、車幅方向に揺動可能となるように車体に結合されているので、衝突後期においてはフロントサイドフレーム32の車幅方向への変形が阻害されることなく、該フロントサイドフレーム32の車幅方向への変形により、衝突後期の衝突エネルギを適切に吸収して、衝突性能の向上を図ることができる。
図21〜図24で示したこの実施例5においても、その他の構成、作用、効果については、図17〜図20の実施例4とほぼ同様であるから、図21〜図24において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のダッシュパネルは、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に、
前後方向フレーム部材は、トンネルロアメンバ43またはトンネルサイドメンバ63に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記各実施例においては、連結フレーム部材45,61を剛性丸パイプにて形成したが、これは剛性角パイプで形成してもよい。
実施形態に係る車体前部構造の側面図 車体前部構造の正面図 車体前部構造の斜視図 車体前部構造の平面図 トンネル部を断面して示す車体前部構造の平面図 トンネルアッパメンバとトンネルロアメンバの配置構造を示す正面図 連結フレーム部材前部の結合構造を示す平面図 車体前部構造の要部の分解斜視図 連結フレーム部材後部の枢支構造を示す正面図 車体前部構造の他の実施例を示す斜視図 図10の要部の分解斜視図 連結フレーム部材後部の枢支構造を示す正面図 車体前部構造のさらに他の実施例を示す斜視図 図13の要部の分解斜視図 連結フレーム部材後部の枢支構造を示す正面図 連結フレーム部材後部の枢支構造の他の実施例を示す正面図 車体前部構造のさらに他の実施例を示す斜視図 図17の要部の正面図 図17の要部の分解斜視図 連結フレーム部材を車体に組付けた状態で示す斜視図 車体前部構造のさらに他の実施例を示す斜視図 連結フレーム部材前部の結合構造を示す平面図 連結フレーム部材後部の結合構造を示す側面図 図23の矢印A方向から見た状態の部分底面図
符号の説明
1…エンジンルーム
3…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
4…フロアパネル
5,6…トンネル部
32…フロントサイドフレーム
43…トンネルロアメンバ(前後方向フレーム部材)
43A…突出部
45…連結フレーム部材
50…ブラケット
61…連結フレーム部材
62…車室外側下端角部
63…トンネルサイドメンバ(前後方向フレーム部材)

Claims (6)

  1. エンジンルーム下方において車体前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレームが設けられた車体前部構造であって、
    上記フロントサイドフレームに前部が結合され、後部がダッシュパネルとフロアパネルの結合部に形成されたトンネル部に結合される連結フレーム部材を設けると共に、
    該連結フレーム部材が車幅方向に揺動可能となるようその後部を車体に結合した
    車体前部構造。
  2. 上記トンネル部に、上記連結フレーム部材の後方に連続する前後方向フレーム部材が設けられた
    請求項1記載の車体前部構造。
  3. 上記前後方向フレーム部材がダッシュパネルより前方に突出する突出部を有しており、
    該突出部とダッシュパネル前部に配設されたブラケットとにより上記連結フレーム部材の後部が揺動可能に支持された
    請求項2記載の車体前部構造。
  4. 上記連結フレーム部材の後部が上記トンネル部の車室外側上端角部に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材に結合された
    請求項2または3記載の車体前部構造。
  5. 上記連結フレーム部材の後部が上記トンネル部の車室外側下端角部に沿って車体後方に延設された前後方向フレーム部材に結合された
    請求項2または3記載の車体前部構造。
  6. 上記連結フレーム部材の前部はフロントサイドフレームのサスクロス取付け部、または、該取付け部の直後に結合された
    請求項1〜5の何れか1に記載の車体前部構造。
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