JP2009208677A - 車両用減速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用減速制御装置は、交差点位置情報を含む地図データを格納する地図データ記憶部3と、地図データ記憶部3が格納する地図データの交差点位置情報に基づいて、自車両の運転者による交差点手前での交差道路に対する視野角を推定する見通し推定部11と、見通し推定部11が推定した視野角に基づいて、交差点手前で自車両を減速させる減速曲線を作成する減速曲線作成部12と、減速曲線作成部12が作成した減速曲線に基づいて、自車両の減速制御をする減速制御部5と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の課題は、交差点手前での減速制御を運転者の運転感覚に合致させることである。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
第1の実施形態は交差点通過支援装置である。この交差点通過支援装置は、本発明を適用した車両用減速制御装置を実現している。
図1は交差点通過支援装置の構成を示す。図1に示すように、交差点通過支援装置は、自車位置検出部1、自車速検出部2、地図データ記憶部3、前方センサ4、ECU(ElectronicControl Unit)10及び減速制御部5を備える。
arctan(HD/Lmax)<α<π/2 ・・・(1)
ここで、Lmaxは、レーザレーダの最長検出距離である。また、HDは、前方センサ4の取り付け高さとドライバ視野高さ(図2の運転者の目線位置200の高さ)の差である。
図5に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、ECU10(具体的には見出し推定部11)は、交差点までの距離Lを算出する。具体的には、ECU10は、自車位置検出部1から取得した自車位置(自車位置情報)Xe、及び地図データ記憶部3から取得した交差点位置(交差点位置情報)Xiを基に、自車両(前方センサ4)から交差点までの距離Lを算出する。
図6に示すように、先ずステップS31において、ECU10は、運転者の目線高さにおける障害物を検出する。具体的には、ECU10は、前方センサ4が検出した結果を極座標(θ、x)でみた場合、下記(2)式の条件を満たす検出点を抽出する。
(HD−H´)/tan(α・cosθ)<x<(HD+H´)/tan(α・cosθ) ・・・(2)
図7は、以降の説明で使用する各種値を示す。左右の見通し距離Lnl,Lnrは、図7に示すような値となる。この左右の見通し距離Lnl,Lnrを、下記(3)式及び(4)式により算出する。
Lnl=Wl・(L+L0)/((L+L0−Ll) ・・・(3)
Lnr=Wr・(L+L0)/((L+L0−Lr) ・・・(4)
ここで、自車両(運転者の目線位置200)と左の視野境界位置Elとを結ぶ直線と、自車両(運転者の目線位置200)と右の視野境界位置Erとを結ぶ直線とがなす角度は、交差点手前での交差道路に対する運転者の視野角(全視野角)θaに相当する。また、自車両(運転者の目線位置200)と左の視野境界位置Elとを結ぶ直線と、自車両(運転者の目線位置200)と前記A地点とを結ぶ直線とがなす角度は、走行方向に対して左側の視野角θlに相当する。また、自車両(運転者の目線位置200)と右の視野境界位置Erとを結ぶ直線と、自車両(運転者の目線位置200)と前記A地点とを結ぶ直線とがなす角度は、走行方向に対して右側の視野角θrに相当する。
T´=Ln/V0 ・・・(5)
T=T1+V/G ・・・(6)
ここで、Vは、現在の自車速であり、運転者が移動障害物を発見した時点の自車速に相当する。また、Gは平均減速度である。また、T1は運転者の反応時間である。運転者の反応時間T1は、運転者が移動障害物を発見してからブレーキペダル等で自車両を停止操作するまでの時間である。
V<(Ln/V0−T1)・G ・・・(7)
そして、この車速Vを基に、下記(8)式により、自車両が移動障害物との衝突を回避するために必要な徐行速度(以下、必要徐行速度という。)Vsを算出する。
Vs=α・(Ln/V0−T1)・G ・・・(8)
そして、この必要徐行速度Vsに基づいて、減速曲線V(L)を得る。具体的には、必要徐行速度Vsが所定速度V´よりも大きい場合(V>V´)の場合、すなわち交差点直前において交差点への進入速度が大きくなっている場合、下記(9)式により徐行区間を設けない減速曲線V(L)を得る。すなわち、減速曲線V(L)を自車速Vと交差点までの距離Lとの関係として得る。ここで、V´は例えば2.78[m/s]である。
V(L)=f(L) ・・・(9)
V(L)=f(L−Vs・T2) (f−1(Vs)+Vs・T2≦L) ・・・(10−1)
V(L)=Vs (f−1(Vs)≦L<f−1(Vs)+Vs・T2) ・・・(10−2)
V(L)=f(L) (0≦L<f−1(Vs)) ・・・(10−3)
図8は、減速曲線の一例を示す。図8は、横軸に停止位置までの距離Lをとり、横軸に車速をとっている。例えばL=0は停止位置となる。
ステップS9では、ECU10は、自車両が一時停止したか否かを判定する。ここで、自車両が一時停止したと判定した場合、ステップS10に進み、自車両が一時停止していないと判定した場合、前記ステップS1からの処理を再び行う。
続いてステップS11において、ECU10は、IGN(イグニッション)がオフか否か判定する。ここで、ECU10は、IGN(イグニッション)がオフの場合、該図5に示す処理を終了し、そうでない場合(IGNがオンになっている場合)、前記ステップS1からの処理を再び行う。
すなわち、この第1の実施形態では、自車両の運転者による交差点手前での交差道路に対する視野角に相当する値として、左右の見通し距離Lnl,Lnr又は見通し距離Lnを用いた場合を説明した。これに対して、自車両の運転者による交差点手前での交差道路に対する視野角となる左右の視野角θl,θr又はその合算値である視野角(全視野角)θaを用いて、前述のような減速制御を行うこともできる。すなわち例えば、左右の視野角θl,θrとのうち小さい方の視野角を基に、前述のような処理を適用して減速制御を行う。このとき、視野角が小さい場合に行う処理は、見通し距離が小さい場合に行う処理に相当する処理になり、視野角が大きい場合に行う処理は、見通し距離が大きい場合に行う処理に相当する処理になる。
また、この第1の実施形態では、目標車速遷移情報を減速曲線として得ている。すなわち、距離Lに応じて目標車速が曲線を描き減少するように目標車速遷移情報を得ている。これに対して、目標車速が距離Lとの関係で直線的に変化するように目標車速遷移情報を得ることもできる。
L´>V・T´−(1/2)・G・T´2 ・・・(11)
この(11)式は、車速Vで走行する車両が徐行開始位置L´から減速度Gで減速した場合に、該徐行開始位置L´の手前で停止できるための条件を示す。そして、この(11)式と前記(5)式とから、前記(7)式のように、車速Vについて解き、それから、前記(8)式のようにして、必要徐行速度Vsを算出する。
また、自車位置検出部1は、自車両の位置を検出する自車位置検出手段を実現している。また、自車速検出部2は、自車両の速度を検出する自車速検出手段を実現している。また、前方センサ4は、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段を実現している。
第1の実施形態の作用及び効果は次のようになる。
(1)自車両の運転者による交差点手前での交差道路の見通し距離Lnl,Lnr(具体的には見通し距離Ln)を基に減速曲線V(L)を作成し、その作成した減速曲線V(L)を基に減速制御を行っている。これにより、交差点の特性となる交差道路の見通し(交差道路に対する運転者の視野角)に応じて減速制御を行うことができ、運転者の運転感覚に合致させた減速制御を実現できる。
(3)見通し距離Lnが所定のしきい値より小さければ、徐行区間を設けた減速曲線V(L)を得ている。これにより、見通しの悪い交差点で、減速制御により自車両が徐行するようになり、減速制御が運転者に安心感を与えることができる。
(6)見通し推定部11は、自車位置情報及び地図データの交差点位置情報を基に、自車両の運転者による交差点での交差道路の見通し距離Lnを推定し、減速曲線作成部12は、自車位置情報、自車速情報、地図データの交差点位置情報、及び見通し距離Lnを基に、減速曲線を作成し、減速制御部5は、自車位置情報、自車速情報、地図データの交差点位置情報、及び減速曲線を基に、減速制御を行っている。これにより、自車両の状態や走行環境を考慮して、見通し距離Lnを推定したり、減速制御を行ったりすることができる。
次に第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様に、本発明を適用した交差点通過支援装置である。第2の実施形態の交差点通過支援装置の構成は、前記第1の実施形態の交差点通過支援装置の構成と同じである(前記図1参照)。しかし、第2の実施形態の交差点通過支援装置の処理内容は、前記第1の実施形態の交差点通過支援装置の処理内容(前記図5)と異なる。
ステップS51では、交差道路を交差点に接近している移動障害物を検出する。そして、移動障害物を検出した場合、その移動障害物の速度Vcを得る。
T´=Ln/max(V0,Vc) ・・・(11)
ここで、V0は、交差道路からの飛び出しが想定される移動障害物の速度である。関数maxは、V0とVcとのうち、大きい値を選択する関数である。これにより、実際に検出した移動障害物の車速Vcの方が大きい場合、それに応じて時間T´は短くなる。なお、第2の実施形態におけるステップS6の他の処理、例えば減速曲線V(L)を算出する式等は、前記第1の実施形態の処理と同様である。
第2の実施形態の作用及び効果は次のようになる。
(1)移動障害物を実際に検出した場合、その移動障害物の速度Vcを基に時間T´を算出している。すなわち、実際の移動障害物の速度Vcを基に減速曲線V(L)を得ている。或いは、実際の移動障害物の速度Vcに応じて減速曲線V(L)を変化させている。これにより、実際に移動障害物が交差点に接近している場合でも、運転者は安心して自車両を交差点に近づけることができる。例えば、見通しの悪い交差点で実際に移動障害物が飛び出してきた場合でも、運転者は自らの運転操作によりその状況に対応することができる。
次に第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態は、前記第1及び第2の実施形態と同様に、本発明を適用した交差点通過支援装置である。第2の実施形態の交差点通過支援装置の構成は、前記第1の実施形態の交差点通過支援装置の構成と同じである(前記図1参照)。しかし、第3の実施形態における地図データ記憶部3は、交差点の特性データとして、歩道の有無の情報及び制限速度情報をさらに有する。これに対応して、第3の実施形態では、ステップS6の処理が前記第1の実施形態におけるものと異なっている。
そして、このように設定した速度V0を基に、前記第1の実施形態や第2の実施形態のように、時間T´を算出する(前記(5)式、(11)式参照)。そして、第1の実施形態や第2の実施形態におけるステップS6と同様な処理、例えば減速曲線V(L)の算出処理を行う。
第3の実施形態の作用及び効果は次のようになる。
(1)交差道路の歩道の有無や制限速度といった交差道路の交差点の特性を基に減速曲線V(L)を得ている。或いは、交差道路の交差点の特性に応じて減速曲線V(L)を変化させている。これにより、運転者の視野の観点からだけではなく、交差道路の特性に応じて、減速制御が行うことができる。これにより、より運転者に違和感を与えない減速制御を実現できる。
(2)交差道路の交差点の特性の情報として、交差道路の歩道の有無や制限速度を用いている。これにより、簡単な処理で、運転者に違和感を与えない減速制御を実現できる。
Claims (9)
- 交差点位置情報を含む地図データを格納するデータ格納手段と、
前記データ格納手段が格納する地図データの交差点位置情報に基づいて、自車両の運転者による交差点手前での交差道路に対する視野角を推定する視野角推定手段と、
前記視野角推定手段が推定した視野角に基づいて、交差点手前で自車両を減速させる目標車速遷移情報を作成する目標車速遷移情報作成手段と、
前記目標車速遷移情報作成手段が作成した目標車速遷移情報に基づいて、自車両の減速制御をする減速制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用減速制御装置。 - 前記目標車速遷移情報作成手段は、前記視野角推定手段が推定した視野角と所定のしきい値との比較結果に基づいて、自車速が一定となる徐行区間を実現する目標車速遷移情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の車両用減速制御装置。
- 前記目標車速遷移情報作成手段は、前記視野角推定手段が推定した視野角が所定のしきい値より小さい場合、自車速が一定となる徐行区間を実現する目標車速遷移情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用減速制御装置。
- 前記徐行区間で一定となる自車速を前記視野角推定手段が推定した視野角に基づいて決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用減速制御装置。
- 自車速が一定となる時間が所定時間となるように前記徐行区間を決定することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段を備え、前記目標車速遷移情報作成手段は、前記障害物検出手段が交差道路を移動する移動障害物を検出した場合、該移動障害物の移動速度に基づいて、交差点手前で自車両を減速させる目標車速遷移情報を作成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記地図データは交差道路の特性情報を含んでおり、前記目標車速遷移情報作成手段は、前記データ格納手段が格納する地図データの交差道路の特性情報に基づいて、交差点手前で自車両を減速させる目標車速遷移情報を作成することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
- 前記交差道路の特性情報は、交差道路の制限速度の情報及び交差道路を通行可能な移動体の種類の情報のうちの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項7に記載の車両用減速制御装置。
- 自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、自車両の速度を検出する自車速検出手段と、備え、前記視野角推定手段は、前記自車位置検出手段が検出した自車位置情報、及び前記データ格納手段が格納する地図データの交差点位置情報に基づいて、自車両の運転者による交差点での交差道路に対する視野角を推定し、前記目標車速遷移情報作成手段は、前記自車位置検出手段が検出した自車位置情報、前記自車速検出手段が検出した自車速情報、前記データ格納手段が格納する地図データの交差点位置情報、及び前記視野角推定手段が推定した視野角に基づいて、前記目標車速遷移情報を、その車速遷移が自車両と交差点との距離に応じて曲線をなし変化するように作成しており、前記減速制御手段は、前記自車位置検出手段が検出した自車位置情報、前記自車速検出手段が検出した自車速情報、前記データ格納手段が格納する地図データの交差点位置情報、及び目標車速遷移情報作成手段が作成した目標車速遷移情報に基づいて、減速制御を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車両用減速制御装置。
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