JP2009208614A - 車両用舵角比可変操舵装置 - Google Patents

車両用舵角比可変操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009208614A
JP2009208614A JP2008053498A JP2008053498A JP2009208614A JP 2009208614 A JP2009208614 A JP 2009208614A JP 2008053498 A JP2008053498 A JP 2008053498A JP 2008053498 A JP2008053498 A JP 2008053498A JP 2009208614 A JP2009208614 A JP 2009208614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
rotation
steering angle
gear
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008053498A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Yamada
直樹 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008053498A priority Critical patent/JP2009208614A/ja
Publication of JP2009208614A publication Critical patent/JP2009208614A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】車両のステアリングから車輪までの操舵力伝達経路に設けられる車両用舵角比可変操舵装置(舵角比可変ユニット1)のコンパクト化及び低コスト化を図る。
【解決手段】ステアリング側に連結される入力軸3の回転に連動して回転する回転部材と、該回転部材の回転により、該回転部材の回転角度に対して非線形の移動量が生じるように移動させられかつ該移動により出力軸を駆動する出力軸駆動部材とを有する非線形移動機構を設ける。例えば、リンク部材16の一端部を回転部材(第1回転ギヤ14)の周縁部に連結して、回転部材が回転したときに、リンク部材16の他端部が、回転部材の回転軸心と平行な軸回りに回動するように構成するとともに、出力軸駆動部材(ラック17)を、所定方向に直線移動可能でかつリンク部材16の他端部における上記回動の上記所定方向の移動成分により上記直線移動するように構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のステアリングから車輪までの操舵力伝達経路に設けられ、ステアリングの操舵角に応じて、該操舵角に対する車輪舵角の比である舵角比を変化させる車両用舵角比可変操舵装置に関する技術分野に属する。
従来より、この種の車両用舵角比可変操舵装置として、ステアリング側に連結される入力軸と、車輪側に連結される出力軸とを備え、ステアリングの操舵角に応じて、入力軸及び出力軸間の入力/出力回転比(出力軸の回転量に対する入力軸の回転量の比)を変化させることで舵角比を変化させるようにしたものが知られている。
例えば特許文献1に示す車両用舵角比可変操舵装置では、入力軸と出力軸とが非同軸に配設されていて、入力軸に対してセレーションを介してその軸心方向に移動可能に外挿された進退部材と、該進退部材と出力軸とを互いに連結する2本の直列リンク部材と、進退部材の軸心方向の位置を調整するためのモータとが設けられている。進退部材の外周面には、外輪にナット部材が一体固定されたベアリングが外嵌されており、該ナット部材に螺合するネジ棒をモータで駆動することで、進退部材の軸心方向位置を調整可能になっている。そして、該車両用舵角比可変操舵装置は、ステアリングの操舵角に応じて、進退部材を軸心方向に移動させることで、上記両リンク部材の連結部と上記入力軸及び出力軸との距離を変更して入力/出力回転比を変化させ、延いては舵角比を変化させるように構成されている。
また、例えば特許文献2に示す車両用舵角比可変操舵装置では、入力軸に連結されて該入力軸回りに回転する入力側回転円板と、出力軸に連結されて該出力軸回りに回転する出力側回転円板と、該入力側及び出力側回転円板を互いに連動可能に連結するリンク状の揺動部材とが設けられている。揺動部材の一端部は出力側回転円板にその中心軸から所定量だけ偏心してボールジョイントを介して回動可能に固定されている一方、揺動部材の他端部は、入力側回転円板の中心から径方向外側に延びる経路に沿ってスライド可能なボールナットにボールジョイントを介して回動可能に連結されている。該揺動部材他端部の径方向位置(偏心量)は、モータを含む偏心量変更手段により調整可能になっており、上記車両用舵角比可変操舵装置は、ステアリングの操舵角に応じて、上記偏心量を変更することで入力/出力回転比を変化させ、延いては舵角比を変化させるように構成されている。
特開2000−309280号公報 特開2000−264228号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び2に示す車両用舵角比可変操舵装置では、入力/出力回転比を可変とするためのモータが必要であるため、コスト増加や装置全体の大型化を招くという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のステアリングから車輪までの操舵力伝達経路に設けられる車両用舵角比可変操舵装置に対して、その構成に工夫を凝らすことで、装置全体のコンパクト化及び低コスト化を図ろうとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、入力軸の回転に連動して回転する回転部材と、該回転部材の回転により、該回転部材の回転角度に対して非線形の移動量が生じるように移動させられかつ該移動により出力軸を駆動する出力軸駆動部材とを有する非線形移動機構を設けるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、車両のステアリングから車輪までの操舵力伝達経路に設けられる車両用舵角比可変操舵装置を対象とする。
そして、上記車両のステアリング側に連結され、該ステアリングの操舵に連動して回転する入力軸と、上記車両の車輪側に連結される出力軸と、上記入力軸の回転に連動して回転する回転部材と該回転部材の回転により、該回転部材の回転量に対して非線形の移動量が生じるように移動させられかつ該移動により上記出力軸を駆動する出力軸駆動部材とを有する非線形移動機構とを備えているものとする。
上記の構成により、入力軸の回転に連動して非線形移動機構の回転部材が回転し、この回転部材の回転により出力軸駆動部材が移動(回転移動を含む)して出力軸を駆動する。このときの回転部材の回転量と出力軸駆動部材の移動量との関係が非線形であるので、モータ等のアクチュエータを使用しなくても、簡単な構成で機械的に舵角比を可変にすることができる。よって、舵角比可変操舵装置をコンパクト化して、操舵力伝達経路に容易に組み込むことができるとともに、装置コストの低減化を図ることができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記非線形移動機構は、上記回転部材の回転軸心に対して垂直な平面に沿って第1所定方向に延びかつ一端部が上記回転部材の周縁部に連結されたリンク部材を更に有し、上記リンク部材は、上記回転部材が回転したときに、該リンク部材の他端部が、上記平面に沿って、上記回転部材の回転軸心と平行な軸回りに回動するように構成され、上記出力軸駆動部材は、上記平面に沿って、上記第1所定方向に対して横切る第2所定方向に直線移動可能であって、上記リンク部材の他端部における上記回動の上記第2所定方向の移動成分により上記直線移動するように構成されているものとする。
このことにより、回転部材が回転すると、一端部がその回転部材の周縁部に連結されたリンク部材が動き、このリンク部材の他端部が、回転部材の回転軸心と平行な軸回りに回動する。この回動の第2所定方向の移動成分の大きさは、該回動量に応じて変化するので、出力軸駆動部材の第2所定方向の移動量は、回転部材の回転量に対して非線形となる。よって、出力軸駆動部材を、回転部材の回転量に対して非線形の移動量が生じるように移動させることが容易にできる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、上記出力軸駆動部材は、ラックで構成されていて、該ラックと噛み合う伝達歯車を介して上記出力軸を回転駆動するように構成されているものとする。
このことで、出力軸駆動部材の直線移動を容易に回転に変換することができ、舵角比可変操舵装置を、操舵力伝達経路におけるステアリングシャフトに相当する部分等に容易に組み込むことができる。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、上記伝達歯車と出力軸との間に、該伝達歯車の回転及び上記入力軸の回転を入力する入力部と、該入力部に入力された両回転に対応して生じる回転を上記出力軸へ出力する出力部とを有する遊星歯車機構が設けられているものとする。
こうすることで、遊星歯車機構によって舵角比を適切な値に容易に調整することができる。また、このような遊星歯車機構を設けることで、出力軸を入力軸の軸心の延長線上に同心状に配置することが容易にできるようになり、操舵力伝達経路におけるステアリングシャフトに相当する部分等に、より一層容易に組み込むことができる。
請求項5の発明では、請求項2〜4のいずれか1つの発明において、上記非線形移動機構は、上記ステアリングの操舵角が大きくなるほど、上記出力軸駆動部材の移動量に対する上記回転部材の回転量の比が小さくなるように構成されているものとする。
このことにより、ステアリングの操舵角が大きくなるほど、入力軸及び出力軸間の入力/出力回転比が小さくなり(舵角比が大きくなり)、この結果、車両の高速走行時等のようにステアリングの操舵角が小さくなる状況においては、上記入力/出力回転比を大きくして(舵角比を小さくして)、ステアリングの舵角変化に対する車両の進路変更特性を鈍らせることで、車両の直進安定性を向上させることができる一方、車庫入れ時等のように大きな操舵角が必要とされる状況では、上記入力/出力回転比を小さくして(舵角比を大きくして)、ステアリングの舵角変化に対する車両の進路変更特性を敏感にすることで、少ないステアリング操作量で車両の進路を確実に変更させることができて、操舵時の取り回し性を向上させることができる。
請求項6の発明では、請求項1の発明において、上記回転部材は、上記入力軸に結合されかつ該入力軸軸心方向の一側に向かって外径が大きくなる歯部が形成された駆動かさ歯車で構成され、上記出力軸駆動部材は、上記駆動かさ歯車の歯部における上記入力軸軸心方向の一部のみと噛み合う歯部が形成された被動歯車で構成され、上記被動歯車の歯部は、上記駆動かさ歯車の歯部において該被動歯車の歯部との上記入力軸軸心方向の噛み合い位置が、該駆動かさ歯車の回転量に応じて変化するように形成されているものとする。
このことで、駆動かさ歯車の回転が被動歯車に伝達される際、被動歯車の歯部が駆動かさ歯車の歯部における外径が大きい部分に噛み合っていれば、被動歯車の歯部の移動量は大きく、被動歯車の歯部が駆動かさ歯車の歯部における外径が小さい部分に噛み合っていれば、被動歯車の歯部の移動量は小さくなる。そして、駆動かさ歯車の歯部において被動歯車の歯部との噛み合い位置が、駆動かさ歯車の回転量に応じて変化するので、被動歯車の歯部の移動量は、駆動かさ歯車の回転量に対して非線形となる。よって、出力軸駆動部材(被動歯車)を、回転部材(駆動かさ歯車)の回転量に対して非線形の移動量が生じるように移動させることが容易にできる。
請求項7の発明では、請求項6の発明において、上記被動歯車は、上記入力軸と平行な回転軸心回りに回転可能に配設されかつ歯部の外径が該回転軸心方向における上記入力軸軸心方向一側と同じ側に向かって小さくなる被動かさ歯車であり、上記被動かさ歯車の歯部は、該被動かさ歯車の外周面において上記回転軸心方向の一部のみに形成され、上記被動かさ歯車の歯部における上記回転軸心方向の形成位置が、該被動かさ歯車の周方向に応じて変化しているものとする。
このことにより、被動かさ歯車の歯部の移動量、つまり被動かさ歯車の回転量が、駆動かさ歯車の回転量に対して非線形となり、ステアリングの操舵角に応じて入力軸及び出力軸間の入力/出力回転比(延いては舵角比)を変化させることができる。
請求項8の発明では、請求項6の発明において、上記被動歯車は、上記入力軸と垂直な方向に延びかつ該方向に移動可能に構成されたラックであり、上記ラックの歯部は、該ラックにおける上記駆動かさ歯車と対向する面の幅方向の一部のみに形成され、上記ラックの歯部の上記幅方向形成位置が、該ラックの長手方向に応じて変化しており、上記ラックの両端部に、上記出力軸がそれぞれ連結されており、上記両出力軸は、それぞれ左右のタイロッドと連結されるようになっていて、上記ラックの移動を該タイロッドに伝達するように構成されているものとする。
こうすることで、ラック及び出力軸の移動量が、駆動かさ歯車の回転量に対して非線形となり、ステアリングの操舵角に応じて舵角比を変化させることができる。また、舵角比可変操舵装置を、ラック&ピニオン式のステアリング装置におけるラック&ピニオンの代わりに使用することができる。
請求項9の発明では、請求項6〜8のいずれか1つの発明において、上記駆動かさ歯車の歯部において上記被動歯車の歯部との上記入力軸軸心方向の噛み合い位置が、上記ステアリングの操舵角が大きくなるに連れて該駆動かさ歯車の歯部の外径が大きくなる側に移動するように構成されているものとする。
このことで、ステアリングの操舵角が大きくなるほど舵角比が大きくなり、請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
以上説明したように、本発明の車両用舵角比可変操舵装置によると、入力軸の回転に連動して回転する回転部材と、該回転部材の回転により、該回転部材の回転角度に対して非線形の移動量が生じるように移動させられかつ該移動により出力軸を駆動する出力軸駆動部材とを有する非線形移動機構を設けるようにしたことにより、舵角比可変操舵装置をコンパクトに構成して、操舵力伝達経路中に容易に組み込むことができるとともに、装置コストの低減化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る車両用舵角比可変操舵装置としての舵角比可変ユニット1を備えたステアリング装置100を示す。2は車両の乗員により回転操作されるステアリングホイール(以下、単にステアリングという)であり、このステアリング2の回転運動(操舵力)は、舵角比可変ユニット1の入力軸3から出力軸4に伝達され、さらに該出力軸4から連接シャフト5を経てステアリングギヤボックス7のギヤ入力シャフト6に伝達されて、該ギヤボックス7にて車幅方向の直線運動に変換された後に、ギヤボックス7の車幅方向両側に車幅方向に延びるように配設されたタイロッド8を介して車輪9(操舵輪である前輪)に伝達される。詳しくは、上記ステアリングギヤボックス7は全体として車幅方向に長く、その内部には、図示しないが車幅方向に延びるラックとこれに噛み合うピニオンとが配設されていて、そのピニオンの回転中心部が上記ギヤ入力シャフト6に連結されている。一方、ラックの車幅方向両端部はそれぞれタイロッド8の車両内側の端部に連結され、タイロッド8の車両外側端部はナックルアーム10を介して車輪9に連結されており、上記ピニオンの回転によりラック及びタイロッド8が車幅方向に移動し、これにより車輪9が転舵される。尚、舵角比可変ユニット1の出力軸4及び連接シャフト5同士、並びに連接シャフト5及びギヤ入力シャフト6同士は、自在継手11を介して連結されている。
上記舵角比可変ユニット1は、ステアリング2から車輪9までの操舵力伝達経路(本実施形態では、ステアリング2に直接結合されるステアリングシャフトに相当する部分)に設けられていて、ステアリング2の操舵角に応じて、出力軸4の回転量に対する入力軸3の回転量の比(入力/出力回転比)を変化させることで、ステアリング2の操舵角に対する車輪舵角の比である舵角比を変化させるものである。
具体的には、舵角比可変ユニット1は円筒状のケース12と上記入力軸3及び出力軸4とを備えている。このケース12内に非線形移動機構等が収容され、入力軸3及び出力軸4はケース12の両端部からそれぞれ突出している。上記入力軸3は、ステアリング2側に連結され(本実施形態では、ステアリング2に直結され)かつ該ステアリング2の操舵(回転操作)に連動して回転する。上記出力軸4は、車輪9側(本実施形態では、連接シャフト5)に連結され、回転によりステアリング操舵力を車輪9側に伝達する。図2に示すように、この出力軸4は、入力軸3の軸心(Z軸)の延長線上に同心状に配設されている。尚、図2では、ケース12を省略している。
上記入力軸3には、図2及び図3に示すように、入力軸ギヤ13が回転一体に設けられている。この入力軸ギヤ13に、回転部材としての第1回転ギヤ14が噛み合っている。この第1回転ギヤ14の回転軸心は、入力軸3の軸心と平行に配設されている。また、本実施形態では、第1回転ギヤ14と同じ歯数を有する第2回転ギヤ15を入力軸ギヤ13と噛み合うように設けている。この第2回転ギヤ15の回転軸心も、入力軸3の軸心と平行に配設されている。
上記第1回転ギヤ14の周縁部に、該第1回転ギヤ14の回転軸心に対して垂直な平面に沿って第1所定方向(本実施形態では、図3の左右方向)に延びるリンク部材16の一端部が連結され、第2回転ギヤ15の周縁部にリンク部材16の中間部が連結されている。この各回転ギヤ14,15におけるリンク部材16との連結部は、入力軸3の軸心方向から見て該各連結部と各回転ギヤ14,15の回転軸心とを結ぶ線L1,L2が平行でありかつ各連結部と各回転ギヤ14,15の回転軸心との間の距離(上記線L1,L2の長さ)が同じになる位置である。これにより、入力軸ギヤ13の回転により第1及び第2回転ギヤ14,15が回転したとき、リンク部材16が第1所定方向に延びた状態を維持したまま、リンク部材16の一端部が、上記平面に沿って、上記第1回転ギヤ14の回転軸心回りに回動するとともに、リンク部材16の他端部が、上記平面に沿って、第1回転ギヤ14の回転軸心と平行な軸回りに回動することになる。
上記リンク部材16の他端部には、該リンク部材16の長手方向に延びる長孔16aが形成されている。この長孔16aには、出力軸駆動部材としてのラック17に設けた嵌合ピン17aが嵌合しており、この嵌合ピン17aが長孔16aに対して摺動可能になされている。上記ラック17は、上記平面に沿って、上記第1所定方向に対して横切る第2所定方向(本実施形態では、入力軸3の軸心方向から見て上記線L1と垂直な方向)に直線移動可能に構成されていて、上記リンク部材16の他端部における上記回動の上記第2所定方向の移動成分により上記直線移動するように構成されている。
上記ラック17は、該ラック17と噛み合う第1伝達歯車18を介して上記出力軸4を回転駆動するように構成されている。本実施形態では、上記第1伝達歯車18と出力軸4との間に、第2及び第3伝達歯車19,20並びに遊星歯車機構31が設けられている。第2伝達歯車19は、第1伝達歯車19の回転軸心(第1回転ギヤ14の回転軸心と平行)の延長線上に同軸上に配設されていて、第1伝達歯車19と一体的に回転する。第3伝達歯車20は、第2伝達歯車19及び遊星歯車機構31のリングギヤ33と噛み合っている。遊星歯車機構31については、後に詳細に説明する。
上記第1回転ギヤ14におけるリンク部材16との連結部は、ステアリング2の操舵角が0であるときに、図3に示す位置(この位置を初期位置という)に位置する。車両の乗員が右側に操舵したとき(ステアリング2を乗員から見て時計回りの向きに回転操作したとき)には、入力軸3及び入力軸ギヤ13が、図3で時計回りの向き(矢印Aの向き)に回転し、第1及び第2回転ギヤ14,15が図3で反時計回りの向き(矢印Bの向き)に回転する。これにより、第1回転ギヤ14におけるリンク部材16との連結部及びリンク部材16の一端部は、上記初期位置から第1回転ギヤ14の回転軸心回りに下側へ移動し、リンク部材16の他端部が図3で円弧を描きながら下側(矢印Cの向き)へ移動する。この移動により、ラック17が第2所定方向における図3で下側(矢印Dの向き)へ移動する。このとき、ラック17の嵌合ピン17aは、リンク部材16の長孔16a内を摺動する。ステアリング2の操舵角が小さいときには、上記リンク部材16他端部の回動の第2所定方向の移動成分が小さいので、ラック17の移動量に対する第1回転ギヤ14の回転量の比、つまり入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比は大きい(舵角比は小さい)。そして、操舵角が大きくなるほど、上記回動の第2所定方向の移動成分が大きくなるために、第1回転ギヤ14の小さい回転量でもラック17が大きく移動することになって、ラック17の移動量に対する第1回転ギヤ14の回転量の比(入力/出力回転比)が小さくなる(舵角比は大きくなる)。
また、乗員が左側に操舵したとき(ステアリング2を乗員から見て反時計回りの向きに回転操作したとき)には、第1及び第2回転ギヤ14,15が図3で時計回りの向きに回転し、これにより、第1回転ギヤ14のリンク部材16との連結部及びリンク部材16の一端部は、上記初期位置から第1回転ギヤ14の回転軸心回りに上側へ移動し、リンク部材16の他端部が図3で円弧を描きながら上側へ移動する。この移動により、ラック17が第2所定方向における図3で上側へ移動する。このときも、操舵角と、ラック17の移動量に対する第1回転ギヤ14の回転量の比つまり入力/出力回転比との関係は、右側に操舵したときと同じであり、操舵角が大きくなるほど入力/出力回転比が小さくなる。
このように第1回転ギヤ14の回転量とラック17の移動量とが非線形特性を有し、この非線形特性は、操舵角が大きくなるほど、入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比を小さくする特性である。この操舵角と入力/出力回転比との関係は、図5のようになる。したがって、第1及び第2回転ギヤ14,15、リンク部材16、並びにラック17は、非線形移動機構を構成することになる。
上記遊星歯車機構31は、上記第1伝達歯車18の回転及び上記入力軸3の回転を入力する入力部と、該入力部に入力された両回転に対応して生じる回転を上記出力軸4へ出力する出力部とを有している。すなわち、この遊星歯車機構31は、図2及び図4に示すように、サンギヤ32と、リングギヤ33と、サンギヤ32の外歯及びリングギヤ33の内歯に噛み合いかつ中心軸回りに回転(自転)する複数(本実施形態では、3つ)の遊星ピニオン34と、これら遊星ピニオン34を、サンギヤ32の周囲を公転可能に支持する遊星キャリア35とを有している。上記サンギヤ32及びリングギヤ33の回転軸心は、入力軸3の軸心(出力軸4の軸心)の延長線上にあり、遊星ピニオン34の回転軸心は、サンギヤ32及びリングギヤ33の回転軸心と平行である。上記サンギヤ32は上記出力軸4に結合され、上記遊星キャリア35は上記入力軸3に結合され、上記リングギヤ33は、上述の如く第3伝達歯車20と噛み合っており、第1伝達歯車18の回転及び入力軸3の回転が、それぞれリングギヤ33及び遊星キャリア35に入力され、これら両回転に対応してサンギヤ32に生じる回転が出力軸4へ出力される。このことで、リングギヤ33及び遊星キャリア35が上記入力部に相当し、サンギヤ32が上記出力部に相当する。尚、遊星キャリア35を入力軸3に結合しないで、固定部材(例えばケース12)に固定するようにしてもよい(この場合、入力部はリングギヤ33のみとなる)。また、遊星歯車機構31の入力部及び出力部を本実施形態とは異ならせることも可能である。
図4において、リングギヤ33が停止していると仮定して、遊星キャリア35が入力軸3と共に該入力軸3の軸心回りに、時計回りの向き(矢印Eの向き)に回転すると、遊星ピニオン34が反時計回りの向き(矢印Fの向き)に回転し、この遊星ピニオン34の回転によりサンギヤ32(出力軸4)が時計回りの向き(矢印Gの向き)に回転する。また、同じく入力軸3が時計回りの向きに回転したときに、上記遊星キャリア35の回転と同時にリングギヤ33が回転する。すなわち、上記ラック17は、上述の如く第2所定方向における図3で下側(矢印Dの向き)へ移動するので、第1及び第2伝達歯車18,19が図3で反時計回りの向き(矢印Hの向き)に回転し、第3伝達歯車20が図3で時計回りの向き(矢印Iの向き)に回転して、リングギヤ33が反時計回りの向き(矢印Jの向き)に回転する。ここで、遊星キャリア35が停止していると仮定して、上記リングギヤ33の回転により遊星ピニオン34が反時計回りの向き(矢印Fの向き)に回転し、この遊星ピニオン34の回転によりサンギヤ32(出力軸4)が時計回りの向き(矢印Gの向き)に回転する。このように、遊星キャリア35の回転に対応して生じるサンギヤ32(出力軸4)の回転、及び、リングギヤ33の回転に対応して生じるサンギヤ32(出力軸4)の回転の向きは、入力軸3の回転と同じ向きであり、遊星キャリア35(入力軸3)の回転に対応して生じるサンギヤ32の回転と、リングギヤ33の回転(ラックの移動)に対応して生じるサンギヤ32の回転とが合成されて、出力軸4から出力されることになる。
また、遊星キャリア35が入力軸3と共に反時計回りの向きに回転したときには、遊星キャリア35の回転によっても、リングギヤ33の回転によっても、遊星ピニオン34が時計回りの向きに回転して、サンギヤ32(出力軸4)が反時計回りの向きに回転することになる。このときも、遊星キャリア35(入力軸3)の回転に対応して生じるサンギヤ32の回転と、リングギヤ33の回転(ラックの移動)に対応して生じるサンギヤ32の回転とが合成されて、出力軸4から出力されることになる。
上記出力軸4の回転により、連接シャフト5及びギヤ入力シャフト6を介してステアリングギヤボックス7のピニオンが回転し、このピニオンの回転により該ピニオンと噛み合うラックが車幅方向に移動し、これにより、タイロッド8が車幅方向に移動して車輪9が転舵されることになる。
したがって、本実施形態1では、舵角比可変ユニット1において、第1回転ギヤ14の回転量とラック17の移動量とが非線形特性を有するように非線形移動機構を設けたので、モータ等のアクチュエータを使用しなくても、簡単な構成で機械的に舵角比を可変にすることが容易にできる。そして、ステアリング2の操舵角が大きくなるほど、入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比が小さくなるようにしたので、車両の高速走行時等のようにステアリング2の操舵角が小さくなる状況においては、上記入力/出力回転比を大きくして、ステアリング2の舵角変化に対する車両の進路変更特性を鈍らせることで、車両の直進安定性を向上させることができる一方、車庫入れ時等のように大きな操舵角が必要とされる状況では、上記入力/出力回転比を小さくして、ステアリング2の舵角変化に対する車両の進路変更特性を敏感にすることで、少ないステアリング操作量で車両の進路を確実に変更させることができて、操舵時の取り回し性を向上させることができる。
また、第1伝達歯車18と出力軸4との間に遊星歯車機構31を設けて、この遊星歯車機構31において、遊星キャリア35の回転に対応して生じるサンギヤ32の回転と、リングギヤ33の回転に対応して生じるサンギヤ32の回転とを合成して、出力軸4から出力するようにしたので、遊星歯車機構31により、舵角比を適切な値に容易に調整することができる。そして、このような遊星歯車機構31を設けることで、舵角比を適切な値に容易に調整することができるとともに、出力軸4を入力軸3の軸心の延長線上に同心状に配置することができ、このことで、モータ等が不要であることと相俟って、舵角比可変ユニット1を、コンパクトにユニット化することができて、操舵力伝達経路におけるステアリングシャフトに相当する部分に容易に組み込むことができる。
さらに、モータ等を全く使用せず、簡単な構成で舵角比可変ユニット1を構成することができるので、舵角比可変ユニット1のコストを低減化することができる。
尚、上記実施形態1では、第1伝達歯車18と出力軸4との間に遊星歯車機構31を設けたが、これに限らず、第1伝達歯車18の回転を出力軸4に伝達可能な機構であれば、減速機構や増速機構を問わず、どのようなものであってもよい。また、舵角比や出力軸4の回転方向の点で可能であれば、ラック17を、出力軸4に回転一体に固定した出力軸ギヤと噛み合わせるようにしてもよい。
また、入力軸3の回転に対してラック17を非線形に移動させる非線形移動機構の第1回転ギヤ14及びリンク部材16の構成は、上記実施形態1のものには限られない。
さらに、上記実施形態1では、ステアリング2の操舵角が大きくなるほど、入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比を小さくしているが、これに限らず、第1回転ギヤ14の回転量とラック17の移動量との関係が非線形でありさえすればよい。例えば、ステアリング2の操舵角が増加するにしたがって、入力/出力回転比が大きくなる特性であってもよい。こうすることで、高速走行時(直進時)のようにステアリング2の操舵角が小さい状況では、ステアリング2の操舵感を重たくして直進時における乗員の安心感を増すことができる一方、車庫入れ時等のように、大きな操舵角が必要とされる状況では、ステアリング2を軽い力で操作(操舵)することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2を示し、舵角比可変ユニット1における非線形移動機構を上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、本実施形態においても、舵角比可変ユニット1は、操舵力伝達経路におけるステアリング2に直接結合されるステアリングシャフトに相当する部分に設けられているとともに、上記実施形態1と同様のケース12を備えている(図1参照)。
本実施形態では、非線形移動機構は、回転部材としての駆動かさ歯車41と、出力軸駆動部材としての被動歯車とで構成されている。駆動かさ歯車41は、入力軸3に結合されかつ該入力軸3軸心方向の一側(本実施形態では、ステアリング2側)に向かって外径が大きくなる歯部41aが形成されたものである。一方、上記被動歯車は、入力軸3と平行に配設された回転軸43に結合されかつ上記駆動かさ歯車41の歯部41aにおける上記入力軸3軸心方向の一部のみと噛み合う歯部42aが形成された被動かさ歯車42である。この被動かさ歯車42は、回転軸43と共に被動かさ歯車42の回転軸心(回転軸43の軸心)回りに回転するとともに、歯部42aの外径が該回転軸心方向における上記入力軸3軸心方向一側と同じ側(ステアリング2側)に向かって小さくなるようになされている。
上記回転軸43には、伝達歯車44が回転軸43と一体的に回転するように固定され、出力軸4には、伝達歯車44と噛み合う出力軸ギヤ45が出力軸4と一体的に回転するように固定されている。尚、出力軸4の回転の向きは、入力軸3の回転の向きと同じになる。
本実施形態では、出力軸4が、入力軸3の軸心の延長線上に同心状に配設されてはいないが、上記実施形態1と同様に、出力軸4を、入力軸3の軸心の延長線上に同心状に配設することは可能である。こうすれば、舵角比可変ユニット1を、操舵力伝達経路におけるステアリングシャフトに相当する部分により一層容易に組み込むことができる。
上記被動かさ歯車42の歯部42aは、上記駆動かさ歯車41の歯部41aにおいて被動かさ歯車42の歯部42aとの入力軸3軸心方向の噛み合い位置が、該駆動かさ歯車41の回転量に応じて変化するように形成されている。具体的には、被動かさ歯車42は、ステアリング2の右側(又は左側)の最大操舵角に対応して約1/2回転(1/2回転よりも小さい)するようになっている。この被動かさ歯車42の歯部42aは、該被動かさ歯車42の外周面において上記回転軸心方向の一部のみに形成され、この被動かさ歯車42の歯部42aにおける上記回転軸心方向の形成位置が、該被動かさ歯車42の周方向に応じて変化している。つまり、被動かさ歯車42を展開すると、図9に示す如く歯部42aが形成されている。
そして、ステアリング2の操舵角が0であるときには、図7に示すように、駆動かさ歯車41の歯部41aにおいて外径が最も小さい部分と、被動かさ歯車42の歯部42aにおいて外径が最も大きい部分とが噛み合う。操舵角が大きくなるに連れて、駆動かさ歯車41の歯部41aにおいて被動かさ歯車41の歯部41aとの噛み合い位置が、駆動かさ歯車41の歯部41aの外径が大きくなる側へ移動し、被動かさ歯車42の歯部42aにおいて駆動かさ歯車41の歯部41aとの噛み合い位置が、被動かさ歯車42の歯部42aの外径が小さい側へ移動する。操舵角が最大になったときには、図8に示すように、駆動かさ歯車41の歯部41aにおいて外径が最も大きい部分と、被動かさ歯車42の歯部42aにおいて外径が最も小さい部分とが噛み合う。
したがって、ステアリング2の操舵角が小さいときには、駆動かさ歯車41の回転量に対して被動かさ歯車42の歯部42aの移動量(つまり被動かさ歯車42の回転量)は小さくて、被動かさ歯車42の回転量に対する駆動かさ歯車41の回転量の比、つまり入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比は大きい(舵角比は小さい)。そして、操舵角が大きくなるほど、被動かさ歯車42の回転量に対する駆動かさ歯車41の回転量の比(入力/出力回転比)は小さくなる(舵角比は大きくなる)。
このように駆動かさ歯車41の回転量と被動かさ歯車42の回転量とが非線形特性を有し、この非線形特性は、上記実施形態1と同様に、ステアリング2の操舵角が大きくなるほど、入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比を小さくする特性である(図5と同様になる)。
よって、本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、簡単な構成で機械的に舵角比を可変にすることが容易にできるとともに、舵角比可変ユニット1のコストを低減化することができる。
尚、上記実施形態2では、ステアリング2の操舵角が大きくなるほど、入力軸3及び出力軸4間の入力/出力回転比を小さくしているが、これに限らず、駆動かさ歯車41の回転量と被動かさ歯車42の回転量との関係が非線形でありさえすればよい。
また、上記実施形態1及び2では、舵角比可変ユニット1を、ステアリングシャフトに相当する部分(ステアリング2と連接シャフト5との間)に配設したが、これに限らず、例えばステアリング2に直結されるステアリングシャフトとギヤ入力シャフト6との間に配設する(連接シャフト5に代えて配設する)ようにしてもよい。
さらに、上記実施形態1及び2では、ラック&ピニオン式のステアリング装置100を採用するようにしているが、これに限ったものではなく、例えばボール&ナット式のステアリング装置を採用するようにしてもよい。
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3を示し、舵角比可変ユニット1を、上記実施形態1及び2におけるステアリングギヤボックス7に代えて構成したものである。
すなわち、本実施形態では、舵角比可変ユニット1は、図示は省略するが、ステアリングギヤボックス7と同様のボックス(ケース)を有している。そして、入力軸3は、上記実施形態1及び2におけるステアリングギヤボックス7のギヤ入力シャフト6に対応するものであり、この入力軸3に結合された駆動かさ歯車51が、上記実施形態1及び2におけるステアリングギヤボックス7内のピニオンに対応するものであり、駆動かさ歯車51と噛み合うラック52が、上記実施形態1及び2におけるステアリングギヤボックス7内のラックに対応するものである。つまり、このラック52は、入力軸3と垂直な方向(車幅方向)に延びかつ該方向に移動可能に構成されている。そして、ラック52の両端部には、出力軸4がそれぞれ連結されており、該両出力軸4は、それぞれ左右のタイロッド8と連結されるようになっていて、ラック52と同じ動きをしてラック52の移動をタイロッド8に伝達する。
上記駆動かさ歯車51は、上記実施形態2と同様に、入力軸3軸心方向の一側(本実施形態では、連接シャフト52側)に向かって外径が大きくなる歯部51aが形成されたものであって、非線形移動機構の回転部材に相当する。一方、ラック52は、非線形移動機構の被動歯車に相当する。ラック52の歯部52aは、該ラック52における上記駆動かさ歯車51と対向する面(上面)の幅方向の一部のみに形成され、このラック52の歯部52aの上記幅方向形成位置が、該ラック52の長手方向に応じて変化している。これにより、上記実施形態2と同様に、ラック52の歯部52aは、駆動かさ歯車51の歯部51aにおける上記入力軸3軸心方向の一部のみと噛み合い、駆動かさ歯車51の歯部51aにおいてラック52の歯部52aとの入力軸3軸心方向の噛み合い位置が、該駆動かさ歯車51の回転量に応じて変化する。
上記ラック52における駆動かさ歯車51と対向する面(上面)は、駆動かさ歯車51の歯部51aに対応して傾斜する傾斜面とされており、ラック52の歯部52aは、該ラック52の長手方向中央部では、傾斜面の高い側(駆動かさ歯車51に対し近い側)に形成され、ラック52の端へ行くに連れて、傾斜面の低い側(駆動かさ歯車51に対し遠い側)へ移動する(図11参照)。尚、上記ラック52の傾斜面は、駆動かさ歯車51の歯部51aに対応して傾斜している必要はなく、ラック52の歯部52aの高さを、駆動かさ歯車51の歯部51aに対応して(つまり駆動かさ歯車51の歯部51aと噛み合うように)変化させてもよい。
そして、ステアリング2の操舵角が0であるときには、駆動かさ歯車51の歯部51aにおいて外径が最も小さい部分と、ラック52の歯部52aにおいて最も高い部分とが噛み合う。操舵角が大きくなるに連れて、駆動かさ歯車51の歯部51aにおいてラック52の歯部52aとの噛み合い位置が、駆動かさ歯車51の歯部51aの外径が大きくなる側へ移動し、ラック52の歯部52aにおいて駆動かさ歯車51の歯部51aとの噛み合い位置が低い側へ移動する。操舵角が最大になったときには、駆動かさ歯車51の歯部51aにおいて外径が最も大きい部分と、ラック52の歯部52aにおいて最も低い部分とが噛み合う。
したがって、ステアリング2の操舵角が小さいときには、駆動かさ歯車51の回転量に対してラック52の移動量は小さくて、ラック52の移動量に対する駆動かさ歯車51の回転量の比は大きい(舵角比は小さい)。そして、操舵角が大きくなるほど、ラック52の移動量に対する駆動かさ歯車51の回転量の比は小さくなる(舵角比は大きくなる)。
このように駆動かさ歯車51の回転量とラック52の移動量とが非線形特性を有し、この非線形特性は、上記実施形態1及び2と同様に、操舵角が大きくなるほど、舵角比を大きくする特性である。
よって、本実施形態においても、上記実施形態1及び2と同様に、簡単な構成で機械的に舵角比を可変にすることが容易にできるとともに、舵角比可変ユニット1のコストを低減化することができる。
また、舵角比可変ユニット1を、従来のステアリングギヤボックス7と略同じスペースで構成することができ、操舵力伝達経路におけるステアリングギヤボックスに相当する部分に容易に組み込むことができる。
尚、上記実施形態3では、ステアリング2の操舵角が大きくなるほど、舵角比を大きくするようにしているが、これに限らず、駆動かさ歯車51の回転量とラック52の移動量とが非線形でありさえすればよい。
本発明は、ステアリングの操舵角に応じて舵角比を変化させる車両用舵角比可変操舵装置に有用であり、特にモータ等のアクチュエータを使用しないで機械的に舵角比を可変にするものに有用である。
本発明の実施形態1に係る車両用舵角比可変操舵装置を備えたステアリング装置を示す車両前方斜め左側から見た斜視図である。 車両用舵角比可変操舵装置のケース内を示す、側方から見た部分断面図である。 図2のIII方向矢示図である。 図2のIV−IV線断面図である。 操舵角と入力軸及び出力軸間の入力/出力回転比との関係を示すグラフである。 実施形態2に係る車両用舵角比可変操舵装置のケース内を示す斜視図である。 操舵角が0であるときにおける、駆動かさ歯車の歯部と被動かさ歯車の歯部との噛み合い位置を示す要部断面図である。 操舵角が最大であるときにおける図7相当図である。 被動かさ歯車の歯部の形成位置を示す展開図である。 実施形態3に係る車両用舵角比可変操舵装置のボックス内を示す斜視図である。 ラックの歯部の形成位置を示す平面図である。
符号の説明
1 舵角比可変ユニット(車両用舵角比可変操舵装置)
2 ステアリングホイール
3 入力軸
4 出力軸
8 タイロッド
9 車輪
14 第1回転ギヤ(回転部材)
16 リンク部材
17 ラック(出力軸駆動部材)
18 第1伝達歯車
31 遊星歯車機構
32 サンギヤ(出力部)
33 リングギヤ(入力部)
35 遊星キャリア(入力部)
41 駆動かさ歯車(回転部材)
41a 歯部
42 被動かさ歯車(出力軸駆動部材)(被動歯車)
42a 歯部
51 駆動かさ歯車(回転部材)
51a 歯部
52 ラック(出力軸駆動部材)(被動歯車)
52a 歯部

Claims (9)

  1. 車両のステアリングから車輪までの操舵力伝達経路に設けられる車両用舵角比可変操舵装置であって、
    上記車両のステアリング側に連結され、該ステアリングの操舵に連動して回転する入力軸と、
    上記車両の車輪側に連結される出力軸と、
    上記入力軸の回転に連動して回転する回転部材と該回転部材の回転により、該回転部材の回転量に対して非線形の移動量が生じるように移動させられかつ該移動により上記出力軸を駆動する出力軸駆動部材とを有する非線形移動機構とを備えていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  2. 請求項1記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記非線形移動機構は、上記回転部材の回転軸心に対して垂直な平面に沿って第1所定方向に延びかつ一端部が上記回転部材の周縁部に連結されたリンク部材を更に有し、
    上記リンク部材は、上記回転部材が回転したときに、該リンク部材の他端部が、上記平面に沿って、上記回転部材の回転軸心と平行な軸回りに回動するように構成され、
    上記出力軸駆動部材は、上記平面に沿って、上記第1所定方向に対して横切る第2所定方向に直線移動可能であって、上記リンク部材の他端部における上記回動の上記第2所定方向の移動成分により上記直線移動するように構成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  3. 請求項2記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記出力軸駆動部材は、ラックで構成されていて、該ラックと噛み合う伝達歯車を介して上記出力軸を回転駆動するように構成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  4. 請求項3記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記伝達歯車と出力軸との間に、該伝達歯車の回転及び上記入力軸の回転を入力する入力部と、該入力部に入力された両回転に対応して生じる回転を上記出力軸へ出力する出力部とを有する遊星歯車機構が設けられていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記非線形移動機構は、上記ステアリングの操舵角が大きくなるほど、上記出力軸駆動部材の移動量に対する上記回転部材の回転量の比が小さくなるように構成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  6. 請求項1記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記回転部材は、上記入力軸に結合されかつ該入力軸軸心方向の一側に向かって外径が大きくなる歯部が形成された駆動かさ歯車で構成され、
    上記出力軸駆動部材は、上記駆動かさ歯車の歯部における上記入力軸軸心方向の一部のみと噛み合う歯部が形成された被動歯車で構成され、
    上記被動歯車の歯部は、上記駆動かさ歯車の歯部において該被動歯車の歯部との上記入力軸軸心方向の噛み合い位置が、該駆動かさ歯車の回転量に応じて変化するように形成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  7. 請求項6記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記被動歯車は、上記入力軸と平行な回転軸心回りに回転可能に配設されかつ歯部の外径が該回転軸心方向における上記入力軸軸心方向一側と同じ側に向かって小さくなる被動かさ歯車であり、
    上記被動かさ歯車の歯部は、該被動かさ歯車の外周面において上記回転軸心方向の一部のみに形成され、
    上記被動かさ歯車の歯部における上記回転軸心方向の形成位置が、該被動かさ歯車の周方向に応じて変化していることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  8. 請求項6記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記被動歯車は、上記入力軸と垂直な方向に延びかつ該方向に移動可能に構成されたラックであり、
    上記ラックの歯部は、該ラックにおける上記駆動かさ歯車と対向する面の幅方向の一部のみに形成され、
    上記ラックの歯部の上記幅方向形成位置が、該ラックの長手方向に応じて変化しており、
    上記ラックの両端部に、上記出力軸がそれぞれ連結されており、
    上記両出力軸は、それぞれ左右のタイロッドと連結されるようになっていて、上記ラックの移動を該タイロッドに伝達するように構成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1つに記載の車両用舵角比可変操舵装置において、
    上記駆動かさ歯車の歯部において上記被動歯車の歯部との上記入力軸軸心方向の噛み合い位置が、上記ステアリングの操舵角が大きくなるに連れて該駆動かさ歯車の歯部の外径が大きくなる側に移動するように構成されていることを特徴とする車両用舵角比可変操舵装置。
JP2008053498A 2008-03-04 2008-03-04 車両用舵角比可変操舵装置 Pending JP2009208614A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008053498A JP2009208614A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 車両用舵角比可変操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008053498A JP2009208614A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 車両用舵角比可変操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009208614A true JP2009208614A (ja) 2009-09-17

Family

ID=41182189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008053498A Pending JP2009208614A (ja) 2008-03-04 2008-03-04 車両用舵角比可変操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009208614A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007145273A (ja) ステアリング装置
JP2008208867A (ja) 波動歯車減速機及び伝達比可変操舵装置
JP5899166B2 (ja) 車両のステアリングシステムに用いられる作動装置
JP2008120291A (ja) 車両用操舵装置
JP2009208612A (ja) 車両用舵角比可変操舵装置
JP2007313984A (ja) 車両の操舵機構
JP2006281815A (ja) 可変舵角比操舵装置ガタ詰め構造。
JP2004042829A (ja) 車両用操舵装置
JP2009073334A (ja) ステアリングシステム
JP2009208613A (ja) 車両用舵角比可変操舵装置
JP2007313958A (ja) ステアリング装置
JP2017180614A (ja) クラッチ、操舵装置及びクラッチの製造方法
JP6119309B2 (ja) 交差軸歯車伝動機構およびこれを用いた車輪転舵装置
JP2009208614A (ja) 車両用舵角比可変操舵装置
JP2006226375A (ja) 回転伝動装置
JP2007099144A (ja) 操舵装置
JP2018197006A (ja) 車両のステアリング装置
JP2008168679A (ja) ステアリング装置
JP2006137256A (ja) 操舵装置
JP4428100B2 (ja) ステアリング装置
JP5315725B2 (ja) 車両用舵角比可変操舵装置
KR102344133B1 (ko) 회전식 조향장치
JP4066925B2 (ja) 減速機付動力舵取装置
JP4089374B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2010100143A (ja) 車両用操舵装置